経済産業省
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産業構造審議会環境部会産業と環境小委員会(第1回) 議事録

開会

【君塚環境調和産業推進室長】
定刻になりましたので、これより産業構造審議会環境部会第1回産業と環境小委員会を開催させていただきたいと思います。
本日は、お忙しい中、また遅い時間にもかかわらず、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。申し遅れましたが、私、事務局を務めております環境調和産業推進室長の君塚と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

委員紹介

【君塚環境調和産業推進室長】
早速でございますけれども、私から、このたび委員に御就任いただきました皆様方を五十音順で御着席順に紹介させていただきます。
社団法人産業と環境の会専務理事の浅賀健一委員でございます。
東京大学大学院工学系研究科教授の足立芳寛委員でございます。
慶應義塾大学理工学部システムデザイン工学科教授の伊香賀俊治委員でございます。
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授の石谷久委員でございます。
キヤノン株式会社常務取締役の岩下知徳委員でございます。
川崎市経済局長の大谷悦夫委員でございます。
日本政策投資銀行公共ソリューション部長の大野直志委員でございます。
アミタ株式会社代表取締役社長の熊野英介委員でございます。
トヨタ自動車株式会社理事の笹之内雅幸委員でございます。
滋賀県商工観光労働部長の沢井進一委員でございます。
社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会常任理事の辰巳菊子委員でございます。
株式会社リーテム代表取締役兼CEOの中島彰良委員でございます。
社団法人日本経済団体連合会常務理事の永松惠一委員でございます。
日本商工会議所専務理事の中村利雄委員の代理でいらっしゃいます理事・産業政策部長の青山伸悦代理でございます。
筑波大学大学院ビジネス科学研究科教授の西尾チヅル委員でございます。
松下電器産業株式会社役員環境本部長の野口直人委員でございます。
立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科准教授の萩原なつ子委員でございます。
慶應義塾大学経済学部教授の細田衛士委員でございます。
株式会社宣伝会議経営企画室長兼月刊環境ビジネス編集長の松井英一委員でございます。
東京大学大学院新領域創成科学研究科教授の松橋隆治委員でございます。
本日、所用により御欠席されている委員の方は、
東レ株式会社取締役研究本部長、阿部晃一委員、
イオン株式会社グループ環境・社会貢献担当、上山静一委員、
日本労働組合総連合会副事務局長、逢見直人委員、
全国商店街振興組合連合会理事長、桑島俊彦委員、
日本放送協会解説委員、嶋津八生委員でございます。
続きまして、事務局の紹介をさせていただきます。
産業技術環境局長の石田徹でございます。
地球環境問題担当審議官の伊藤元でございます。
環境政策課長の多田明弘でございます。
リサイクル推進課長の安藤晴彦でございます。
環境指導室長の中村吉明でございます。
環境政策課課長補佐の飯田健太でございます。
環境調和産業推進室課長補佐の藤井法夫でございます。

産業技術環境局長挨拶

【君塚環境調和産業推進室長】
事務局を代表いたしまして、産業技術環境局長の石田より一言ごあいさつ申し上げます。
【石田産業技術環境局長】
産業技術環境局長の石田でございます。
本日は、こんな遅い時間にもかかわらず、たくさんの委員の方々に、第1回の産業構造審議会環境部会産業と環境小委員会の会合にお集まりいただきまして、ありがとうございます。事務局を代表いたしまして、一言ごあいさつを申し上げたいと思います。
御案内のように、地球環境問題をはじめといたします環境問題は非常に対応が急がれる喫緊の課題として大きなものになってきているわけでございます。特に、今年は温暖化を主たるテーマにいたします北海道洞爺湖サミットが7月に開かれるという中で、日本として、いかに環境力を前面に出しながら世界に貢献をし、あるいはアピールをし、リードをしていくかというのは非常に大きな課題になっているわけでございます。
ここ数年、経済産業省といたしましても、環境立国宣言、前の委員会のときにおまとめいただいたものに沿いまして、いかに環境と経済の両立を図っていくかということについて、政策課題に取り組んできているわけでございます。その後、いろんな意味での状況変化が出ているのが現実でございます。産業、企業あるいは社会全体として、いかに環境と経済の両立を図るかという大きな課題に、ますます取り組んでいかなければいけないということだと思います。
こうした状況の変化の中で、我が国が真に環境力といったものを発揮していくためには、企業あるいは産業が現在直面しておりますさまざまな課題に対して、解決、対応の方向を見出していくということが必要だと思います。
いわゆる環境ビジネスということで考えると、ある研究機関の試算でございますけれども、現在、足元で59兆円ぐらいのものが2015年ぐらいには83兆円ぐらいに拡大をするという数字もございます。これも単なるビジネスという側面だけではなく、いろいろな形で企業が経営の側面で環境といった要素をどう取り組んでいくか、あるいは、それと調和をする形で発展していくかと、いろんな観点があろうと思います。
そういう意味で、きょうの御議論にもかかわりますけれども、現在では「環境を『力』にするビジネス」ということで仮にテーマをつけさせていただいておりますけれども、「環境を『力』にするビジネス」の成長戦略について、環境問題にお詳しい委員の方々に忌憚のない御意見、アドバイスをいただいて、この成長戦略を取りまとめていただければと願う次第でございます。
限られた期間ではございますけれども、まさに熱心な御議論をいただいて、この成長戦略について御提供いただけることを心からお願いいたしまして、簡単でございますが、ごあいさつとさせていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。

委員長選出

【君塚環境調和産業推進室長】
続きまして、当小委員会の委員長の選出及び委員長指名による委員長代理の選出を行いたいと思います。
初めに委員長の選出でございます。委員の中から、どなたか御推薦していただけますでしょうか。
【足立委員】
石谷先生にお願いすることを提案いたします。
【君塚環境調和産業推進室長】
他にどなたかいらっしゃいますでしょうか。
それでは、御推薦いただきました石谷委員に当小委員会の委員長をお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
〔「異議なし」の声あり〕
【君塚環境調和産業推進室長】
それでは、石谷委員にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。石谷先生には委員長席に御移動いただきたいと思います。

委員長挨拶

【君塚環境調和産業推進室長】
石谷委員長、一言ごあいさつをお願いしたいと思います。
【石谷委員長】
慶應義塾大学の石谷でございます。御指名によりまして、僭越ではございますが、この委員会の司会役といいますか、委員長を務めさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
今、お話にありました5年前ですか、環境立国宣言の小委員会のときも私、かかわっておりまして、この関係で委員長を務めさせていただくことになったのだと思います。
局長からお話がございましたように、あれから随分状況が変わっているというか、差し迫っている。環境ビジネスにとっては追い風ということかもしれませんが、昨今の自主行動計画とかああいったことでは、産業は非常に苦しい状況におられるのではないかと思います。その中で、少しでも環境をうまく活用したビジネスのあり方というのは、今後の日本にとっても非常に重要であります。
幸い今回の委員の方々の中には環境を非常に上手に利用していると申し上げてはいけないんですが、上手に環境を活用していらっしゃる企業の方々にたくさん参加していただいております。そういった御経験も踏まえて、今後の日本がどうあるべきか、どう生き抜けるかといったあたりを中心に活発な御意見をいただけたらと思っております。
私、この年度1年間、例の合同会合というので、30回にわたるすごい委員会だったと思いますが、中を見ますと、かなりすれ違いの議論が多い。こういったことを議事録に残してはいけないと思いますが、そういった意味で、この委員会はもうちょっと小人数ですし、もう少し焦点が定まっておりますので、忌憚のない御意見で少しでもポジティブな結果を出せたらと願っておりますので、どうぞよろしくお願いいたしたいと思います。
【君塚環境調和産業推進室長】
石谷委員長、どうもありがとうございました。
これより先、議事の進行を石谷委員長にお願いいたしたいと思います。

委員長代理指名

【石谷委員長】
初めに、委員長代理の指名を行わせていただきます。
委員長代理を細田委員にお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
〔「異議なし」の声あり〕
【石谷委員長】
それでは、細田先生、よろしくお願いいたします。
一言ごあいさつをいただけますでしょうか。
【細田委員長代理】
慶應義塾大学の細田でございます。微力ながら石谷先生をお助けして、この委員会を実りあるものにしたいと思っております。
御存じのとおり、EUではWEEEあるいはROHSが進展しておりまして、さらにREACHということで、まさにリーチをかけているという状況だと思っています。
日本は、ビジネスとして非常にウェルダーンといいますか、よく対応してきたんですが、EUがやってきて、それに後手に対応するのではなくて、日本が積極的方向にリードする時代がそこまで来ている、ここに来ていると思っております。特に我々は環境技術では世界でも一流のものを持っておりますので、それを生かして環境ビジネスをリードすべきときがきていると思います。
ところが、この委員会の存在意義だと思うんですけれども、経済システムがそれに対応していないのではないか、もう少し境界条件をうまく設定してやって、環境が力になって、ビジネスとなって日本が世界をリードするということができると思っています。私は、私のセオリーではグリーンキャピタリズムと呼んでおります。20世紀のキャピタリズムと違う、環境の付加価値を実現するキャピタリズムを今、我々日本が世界に示さなければならないと思っております。
そういう方向で議論を進めて、もちろん石谷先生を助けてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。失礼いたしました。
【石谷委員長】
どうもありがとうございました。
今回、細田先生に無理をお願いして委員になっていただいた上に、また副委員長をお願いして恐縮でございますが、リサイクルですとか、そういったことも非常に重要な項目だと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

配付資料の確認

【石谷委員長】
事務局より配付資料の確認をお願いいたします。
【君塚環境調和産業推進室長】
カメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、恐縮でございますが、カメラを撮られている方々は御退室をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
配付資料でございます。御確認いただきたいと思います。配付資料は資料1から資料5までということになってございます。
初めに議事次第がございます。資料1が委員名簿。資料2が公開についてという資料でございます。資料3が検討課題についてということで、7ページにわたる資料がございます。資料4がA4横の討議参考資料ということで、やや分厚めの資料でお配りしております。最後に1枚紙の資料5ということで、今後の検討スケジュールということでございます。過不足等はございませんでしょうか。
それから、辞令については、それぞれの皆様のお手元に置いてありますので、御確認いただければと思います。
よろしゅうございますか。

産業構造審議会環境部会産業と環境小委員会の公開について

【石谷委員長】
議事に入らせていただきます前に、当小委員会の公開について、事務局より説明をお願いいたします。
【君塚環境調和産業推進室長】
資料2をごらんいただければと思います。産業構造審議会環境部会産業と環境小委員会の公開についてでございます。1から5までをごらんください。
  1. 議事録については、原則として会議終了後1ヶ月以内に作成し、公開する。また、議事要旨については、原則として会議終了後速やかに作成し、公開する。
  2. 配付資料は、原則として公開する。
  3. 傍聴については、小委員会の運営に支障をきたさない範囲において、原則として認める。
  4. 小委員会開催日程については、事前に周知を図るものとする。
  5. 個別の事情に応じて、会議及び資料を非公開にするかどうかについての判断は、委員長に一任するものとする。
以上でございます。
【石谷委員長】
どうもありがとうございました。
ただいま事務局説明がございましたが、こういった公開は原則になっておりますので、御説明どおりで進めてまいりたいと考えておりますが、いかがでございましょうか。
〔「異議なし」の声あり〕
【石谷委員長】
よろしゅうございますか。どうもありがとうございます。

産業と環境小委員会における検討課題について

【石谷委員長】
審議に入らせていただきます。本日の議題は「産業と環境小委員会における検討課題について」です。事務局より資料の説明をお願いいたします。
【君塚環境調和産業推進室長】
それでは、資料3から説明させていただきます。
なお、御発言ある場合には、ネームプレートを立てていただきますと、委員長から御指名がございまして、御指名を受けました委員は、お手元のマイクのスイッチを押していただきますと緑のライトが点灯いたしますので、御発言をお願いしたいと思います。
資料3からの御説明をさせていただきたいと思います。検討課題についてということでございます。本日は第1回ということでございますので、今回、なぜ産業と環境小委員会を開催して、皆様に御議論いただきたい内容は何かということを申し上げたいと思います。
資料3の1ページにございますとおり、地球温暖化問題が深刻化する中で、環境と経済の両立した社会を実現することが喫緊の課題である中で、平成15年7月に産業と環境小委員会で環境立国宣言を出していただきましたけれども、その提言も踏まえまして、これまで取り組みを進めてきたわけでございますけれども、産業と環境をめぐる状況は著しく変化をしているということは明らかでございます。
また、先ほど局長からもあいさつさせていただきましたけれども、今年は洞爺湖サミットを控えておりまして、我が国にとっても世界に環境力をPRする重要な年であるということで、もう一度原点に立ち返りまして、従来の環境経営や環境ビジネスという分け方ではなくて、環境問題の解決に資する事業活動を一体として、「環境を『力』にするビジネス」と呼ばせていただいておりますけれども、環境をポジティブなものとしてとらえて、企業や社会の力に変えていくビジネスというコンセプトでとらえまして、そのあるべき姿を実現するための成長戦略を策定いただくために、この小委員会を開催させていただいた次第でございます。
環境問題の解決に資する事業活動というのはいろいろな類型がございますけれども、事業者自身の問題、金融機関・投資家との関係、消費者との関係、つまり供給サイドだけではなくて需要サイドとの関係、この三つの切り口があろうかと思っております。その原点に返ってゼロから検討するために、今現在どのような現状と課題に直面しているか、その解決策は何かにつきまして、お集まりの有識者の皆様から御意見を賜りたいと思っております。
まず、1ページの下の四角にございますけれども、このような「環境を『力』にするビジネス」というコンセプトで検討すること、それから、三つの切り口、今申し上げた事業者自身と金融機関・投資家との関係、それから消費者との関係という視点で検討するということでよろしいかどうかということについても意見を賜れれば幸いでございます。
次に、2ページに移っていただきます。上の図は「環境を『力』にするビジネス」のうちの、いわゆる環境ビジネス、環境負荷低減そのものを事業内容とするビジネスでございます。これは大きく分けると温暖化関連、3R関連、自然共生・公害関連ということに分類できます。先ほど局長から申し上げたとおり、2005年の59兆円から2015年には83兆円という試算をしてございます。雇用規模も180万人から260万人と試算しております。このように成長する環境ビジネスを今後、どう展開していくかということだと思います。
下の図でございますが、「環境を『力』にするビジネス」のあるべき姿はどういうものかということを描いてみたものでございます。事業者というのは、企画立案から開発・生産プロセスを経て製品やサービスを販売・提供すると、こういうすべての局面で環境に優しい取り組みを行うことが理想でございます。
それに対して金融機関・投資家に対しては、そういった取り組みが適切に情報提供されて、金融機関・投資家はその情報によって事業者を評価して、積極的に環境に優しい事業へ投融資を行う。
それから、消費者に関しては、製品やサービスの環境情報を提供して、消費者がそれに基づいて環境に優しい製品やサービスを積極的に購入・利用していく社会、環境と経済の好循環が実現する社会というのがあるべき姿でございます。次の3ページ以降では、そのあるべき姿と現状に大きなギャップがあると、あるべき姿の実現の観点から課題があるのではないかということで整理をさせていただいてございます。
3ページ以降をごらんいただきますと、先ほど申し上げた三つの切り口から個別に整理をしております。まず3ページでございます。事業者自身が環境への取り組みについてどのような困難に直面しているかについて、事業者の立場から現状と課題を整理したものでございます。
まず事業計画段階におきましては、環境への取り組みというのは需要につながらない、あるいは高い技術を要する、コストは高くなる、原材料収集も困難になるということで、環境に優しいビジネスの事業計画策定は困難という状況があるのではないかと思っております。
次の資金調達段階としては、たとえ事業計画が策定できたとしても、環境への取り組みはコストやリスクが高いということで、資金調達が困難ではないかということがございます。
次の研究開発段階では、既に持っている製造面での高い技術を環境技術に転用できればいいのですけれども、そういった例は非常に少ない。例えば鉱山技術とか製錬技術を土壌浄化とかリサイクル事業に応用できたケースなどもございますけれども、そういうものはごく少数である。多くの場合は、どのように転用していいか、なかなか難しいのではないかというぐあいに思っております。
次の原材料調達段階では、例えばリサイクル事業で言いますと、廃棄物が原材料ですけれども、質が悪かったり、量が確保できなかったり、高価格であったり、環境事業はそういう困難が生ずるのではないか。廃棄物以外についても、環境に優しい原材料を調達しようとすれば、質とか量とか価格とかがトレード・オフになっていくのではないかという問題があろうかと思っております。
それから、次の物流段階ということでありますと、環境に優しい物流、モーダルシフトなどを展開しようとしても、スピードとコスト面で非常に厳しくなるという困難もあろうかと思っております。
次の4ページでございます。工程管理段階におきましては、歩留り管理等をこれまで行ってきており、これ以上改善の余地がないのではないかと思っていたり、あるいは、組織内の問題としては担当外の部分でロスがあると気づいても、改善を働きかけづらいという環境があるとか、厳密なロスの把握を行おうとしても、コストがかかってしまうということがあろうかと思います。マテリアルフローコスト会計等の推進もしてきたわけでございますけれども、そういった問題をいまだに皆さんは抱えているのではないかと思っております。
次の販売・提供段階につきましては、太陽光発電などもそうなんですが、再生可能エネルギーは割高であり、かつ地域によって利用可能性が条件によって大きく左右されるという問題があろうかと思っております。そういう意味では、市場展開が困難な部分がある。
3番目の丸が、高度な環境技術を有していても、ソリューション・ノウハウとセットで提供できないということで、幾ら高度な技術があっても海外に負けてしまうという状況もあろうかと思っております。
それから、規制の問題として、EUの環境規制に十分対応できないとか、アジアでは逆に規制が緩やか過ぎて環境装置などのニーズがないということで、海外展開ができないという困難もあろうかと思っております。
最後の全段階共通の現状と課題といたしましては、先ほどと重複いたしますけれども、新しい事業の源泉に環境がなるという認識はあったとしても、コスト面から躊躇するというケースもあろうかと思います。
それから、2番目の丸で、環境マネジメントシステムの導入については、我が国はISO14001の審査登録件数は2万件を超えて数としては世界一なんですけれども、多くの企業が親企業とか取引先からの要請で受け身的に取得しているだけであるということなので、どうしても体制構築だけにとどまってしまうケースも多いのではないかということでございます。
5ページに移っておりますけれども、ライフサイクル全体でCO 排出量をはかって、改善する方法については、従来からLCAの普及なども行っておりますけれども、なかなか導入が難しい。情報が不足したり、人材が不足したりということで、難しいという問題があります。
それから、最後から2番目の丸で書いてありますとおり、同業種の成功事例や先進事例が少ない。ノウハウが共有されていないという問題があろうかと思います。
それから、最後の丸で産学官のネットワークが弱いということで、ビジネスが十分に遂行できないという困難があろうかと思っております。
以上の点を踏まえまして、5ページの最後の四角囲みでございます。「環境を『力』にするビジネス」を成長させるためには、事業者がすべての段階で環境に優しい取り組みを行うのがあるべき姿ですが、現実には今述べたような問題がある中で、つまりあるべき姿とギャップがあるという中で、このような現状と課題のとらえ方として適切かどうかということと、今申し上げたような現状と課題の整理が欠けている部分があるかどうか、あるいは、そういった課題があるとすれば、その解決のためにどういう対応が必要であるかということについて、皆様から自由なお立場で、皆様が実際に直面している問題に照らして、第1回目でございますので、いろいろな視点から御教示いただければ幸いでございます。
最後に検討の視点案と書いてございますが、例えばこういう方向性が想定し得るということでございますので、これはあくまで参考ということでございます。
次に、6ページをごらんいただければと思います。2番目の視点として、金融機関・投資家との関係における現状と課題という点でございます。昨今、環境融資というものも進めておりますけれども、十分な広がりが我が国においてはまだ見えていない状況でございますし、環境投資ということについても、日本ではSRIがふえてきてはおりますけれども、個人投資家向けの公募型のSRI投資信託がほとんどということで、欧米に比べると市場規模は小さいというのが現状だと思っております。
こういう状況の中で、幾ら事業者が環境に優しい取り組みに努力したとしても、金融資本市場に正確に情報開示をして、評価をされて実際に投融資活動が行われなければ、「環境を『力』にするビジネス」というのは持続可能にはならないのではないかと思っております。こういう視点から現状と課題を整理したものが6ページでございます。
まず企業の情報開示についての現状と課題でございます。企業の情報開示手段としては、御存じのとおり、環境報告書がございまして、その作成企業は増加しております。環境だけでなくて、より広いCSRの観点からCSR報告書とかサスティナビリティ・レポートという形で情報開示している企業も増えているわけでございます。
こういった報告書は、海外のGRI(グローバル・レポーティグ・イニシアティブ)というNPOのつくったガイドラインとか、国の環境省、経産省のガイドラインがございますけれども、現在の報告書は、実際のところ、金融機関や投資家が自分の情報ニーズに合った情報をリアルタイムに入手できていないのではないかというぐあいに考えております。また、どういう情報開示がニーズに合うかとか、すべきかということについての指針あるいはそういうシステムもないという状況ではないかと思っております。
2番目の企業の評価でございます。現在、日本においても環境格付けや環境INDEXがございますけれども、これは主として欧米の考え方に準拠しているのではないかということで、日本企業の環境の価値が正当に評価できない状況ではないかと思っております。また、多くの企業や投資家では、環境と財務パフォーマンスが必ずしも相関関係がないと判断をして、結局、環境投融資を躊躇するというケースも多いのではないかと思っております。
こういう観点から、6ページの下の四角をごらんいただきますと、「環境を『力』にするビジネス」が成長するために、金融機関・投資家が情報ニーズに合わせた情報をリアルタイムに入手して、それを評価して積極的に投融資を行うというあるべき姿に対して、現在は課題があるのではないかと思っておりますので、先ほどと同様に、自由な形で御議論をいただければ幸いでございます。
次に7ページでございます。3番目の消費者との関係でございます。環境に優しい取り組みは、消費者に正確に情報提供されて、たとえ割高であっても環境に優しい製品やサービスを積極的に購入するようなグリーンコンシューマーが拡大して、実際に購買活動につながらなければ、「環境を『力』にするビジネス」は持続可能にならないということで、こういう視点から現状を見ています。
広報・啓発活動については、エコプロダクツ展という毎年12月に行っている大規模な環境展示会などもございます。これは、ただ年1回開催にすぎないという状況であって、継続的、広域的インパクトのある広報活動は、いろんな環境広報は存在するものの、本当に消費者の意識や行動を変えるような広報活動が十分ではないのではないかと思っております。
2番目の丸でございます。グリーン購入ネットワークのような民間組織がグリーン購入の促進活動を行っておりますけれども、我が国ではそういう取り組みは進んでおりますが、アジア諸国など海外に目を向けますと、そういう組織的な活動は不十分ではないかというぐあいに考えております。
2番目に製品の環境情報提供ツールでございます。ISO14000ファミリーでは三つのタイプがございまして、タイプIというのは第三者認証、日本でいう地球に優しいというエコマークでございます。タイプIIは自己宣言型。つまり、皆さんが自分で宣言をしているということです。タイプIIIというのは、ライフサイクルアセスメントという手法で定量的に表示をする、日本ではエコリーフという形で制度展開しております。
この三つの環境ラベルがございますけれども、日本ではタイプIIの自己宣言型が混在しているといいますか、たくさんあるという状況であって、消費者がわかりやすい情報を必ずしも入手できていないのではないかというぐあいに考えております。
7ページの下の四角囲いの中で、理想としては、消費者が自らの情報ニーズに合わせて情報を入手して、積極的に製品やサービスを購入・利用することがあるべき姿ですけれども、現状は今申し上げたとおりでございます。そういったギャップをどうしていくかということについて御議論いただければと思っております。
三つの視点から申し上げましたけれども、全体を通して言えば、あるべき姿というのはどういうことか、あるべき姿とのギャップはあるのかないのかということで、あるとすれば、そういったギャップを解消するための対応策は何かという視点から自由に御議論いただければと思っております。
資料4については、今申し上げた点の参考資料ですが、時間の関係もありますので、個別の説明は省略いたします。「環境を『力』にするビジネス」の具体的事例というものも幾つか列挙してございます。3ページから6ページにかけて、いろいろな類型のビジネスを整理してございます。さらに、ISO14001の状況であるとか、マテリアルフローコスト会計やライフサイクルアセスメントのツールの状況も紹介しております。先ほど申し上げた環境報告書のデータ、環境融資、SRIといった状況も御紹介しております。
それから、ラベルが混在しているという状況についても、資料として17ページなどにもつけてございます。国際グリーン購入ネットワークという国際的な組織の御紹介と、エコプロダクツ展の概要、20ページでは世界の環境規制の状況ということで、EUの厳しい規制などについても御紹介をしている次第でございます。
最後の21ページで、話が前後して恐縮でございますが、平成15年の環境立国宣言の概要について、一番下の環境と経済の両立に向けた提言というところ、第6章と書いてございますけれども、21ページの一番下、これがそのときの提言の内容で、官民のそれぞれが役割分担をしてグリーン化の取り組みを図るべきという提言がされているわけでございます。
以上、資料については御議論の中で適宜御参照いただければと思っております。
以上でございます。
【石谷委員長】
どうもありがとうございました。
ただいまの事務局の説明を踏まえて御議論いただきたいと思います。最初から出ていますように、本日は第1回の会議でございますので、それぞれの立場から自由に御発言いただけると幸いです。
ただいまの事務局の説明に関連し、皆様から御質問や御意見をお聞かせいただければと存じます。先ほど事務局からありましたように、名札を立てて御自由に発言いただきたいと思います。よろしくお願いします。
まず細田委員、お願いいたします。
【細田委員】
ありがとうございます。
簡単なことなんですが、環境に対するビジネスを盛んにするということは一つの環境の戦略性だと思っています。まさにEUはそういうポイントで政策を進めていると思います。
一方で、対の問題といいますか、資源戦略ということも必要になってくると思うんですね。原油も高くなってくる、東アジア圏域諸国の経済発展成長が著しくなってきますと、希少性金属をどんどん飲み込んでいく。
この資料の中にもありましたけれども、使用済み電気・電子機器の基盤類、使用済み基盤類が破砕された形で途上国に流れていく。これはバーゼル違反ですけれども、途上国に汚染を広めるとともに、本来、日本で取るべき金とか白金、パラジウム等々が流れてしまう。つまり、汚染を広げながら資源を失うということになっていく。環境問題と資源問題がカップリングされていると思うんですね。
初めから質問というより意見になるかもしれませんけれども、エコのビジネスを考える上では、資源ということも対の問題として頭の中に置いておかないと、ミッシングリンクができてしまうと思いますので、ぜひその辺も視点に入れていただきたいというのが私の意見でございます。よろしくお願いいたします。
【石谷委員長】
どうもありがとうございます。
ただいまの件で何か、よろしいですか。
【君塚環境調和産業推進室長】
細田委員、御指摘のとおり、環境問題と同時に、日本の国策として、今回どういったビジネスを重点的に支援するかを考えるに当たって、資源戦略的な部分ですね、これは避けて通れないといいますか、そういう視点も、例えば今御指摘のあったレアメタルのリサイクルであるとか、国策としても非常に重要というか、我が国の経済にとって重要なビジネスをどうしていくかということも視点に入れて考えていきたいと思います。
【石谷委員長】
いかがでしょうか。
辰巳委員、萩原委員の順番でお願いいたします。
【辰巳委員】
また後で何かあれば話しますけれども、一つだけすごく気になっておりますのは、消費者の立場ですので、消費者が環境によく取り組んでおられる事業者を評価して、そういう事業者の商品とかサービスとかを優先的に購入するというのが望ましい姿ではあると思うんですけれども、そこでネックになるのがコストだというお話でして、今回もそんなお話が中に入っておりました。
だから、環境にいいものを購入すれば安く買えるんだというふうな根本的な問題にもう少し動けばいいなというふうに一つ思っておりますのが、今とりあえず言いたかったことです。
【石谷委員長】
どうもありがとうございました。
非常に難しいことで、環境とコストでいいものは黙っていても普及するとよく言われることなんですが、その中でも、まだ普及していないものもあるかもしれない。そういうものは対応がしやすいと思うんですが、コストがかかっても環境にいいものをどうやって普及させるか、これは消費者の意欲にもよると思いますので、消費者団体としてお願いしたいところであります。
萩原委員、どうぞ。
【萩原委員】
あるべき姿のところとか、すべてのところですが、NPOの存在というのが非常に重要なので、どこかに明記をしていただきたいと思います。
これは5年前になるんですね。21ページのところには、市民・企業・行政の共同というのがしっかりとうたわれておりまして、討議の資料の中にも環境コミュニティビジネス推進事業の中の助成対象であるコーラル沖縄が4ページに載っております。
この宣言をもとに推進された事業によって、全国でNPO、行政、企業が共同で地域の環境コミュニティビジネスをかなり推進していった部分がありますので、今後、そこはますます重要になってくると思います。例えば地域ネットワークづくりというところには、必ずそれが入ってくるようにすることが必要ではないかなと思います。
もう一点ですが、ISOの環境マネジメントシステムです。環境省でエコアクション21を推進しておりますし、中小企業にとってはエコアクション21のほうが取りやすくなっていて、徐々に取得するところも増えています。ISOに準ずるような日本独自のマネジメントシステムにも目を向けていくということが必要なのではないかなと思います。
以上です。ありがとうございました。
【石谷委員長】
どうもありがとうございました。
【君塚環境調和産業推進室長】
萩原委員、御指摘ございました環境コミュニティビジネス、平成15年度から5年間、推進してきております。御指摘のとおり、多くのNPO、企業が連携した地域ビジネスということで、まさに自立支援みたいな形で展開してきたわけでございます。先ほどコーラル沖縄の例をおっしゃいましたけれども、そういったビジネスが地域で展開している。
そのためにはNPOの存在が非常に大きいということを認識してございます。先ほどの地域ネットワークづくりという項目は、そういったNPOなどが中心となって地域のネットワークづくりをしていくというイメージでおりますので、そこは明記させていただきたいと思っております。
それから、環境省のエコアクション21ですね。環境経営ツールは、ISO14001もそうですし、その他のツールも、なかなかコストもかかるということで、小さな企業でも取り組むことができるようなツールが必要になるということで、まさにこの委員会の方向性の一つとして、そういった簡易なツールのようなものも、経営のすそ野を広げていくという意味で非常に重要だと考えておりますので、そのように方向性をつけたいと思います。
【石谷委員長】
沢井委員、どうぞ。
【沢井委員】
ありがとうございます。今の切り口の話の中で、地方公共団体・滋賀県から寄せていただきました。
滋賀県は滋賀エコ・エコノミープロジェクトということで、「炭素中立県」と「グリーンレイク」ということで、一つのプロジェクトを経済界と県が協働して立ち上げていこう、そこへ民間事業者、大学、研究機関等が入ってやっていこうという考え方をしています。
そこで、切り口としては、今提供していただいている形でいいんですが、滋賀県の場合は近江三方よしということで、いわゆる生活者と事業者と地方公共団体がセットになって、その間に金融機関が入る。現に金融機関のほうで、例えばエコに対する金利のアップとかそういったことが具体的にやられています。
ですから、「環境を『力』にするビジネス」のあるべき姿という中で、地方公共団体も含めた、いわゆるローカルな地域の部分を入れていただくとありがたいのかなと思っています。
【石谷委員長】
ありがとうございます。
環境というのは地方固有の問題が非常に多いと思いますし、固有の条件によって取り組みが全然違ってきますので、国が一律にやるもの以外に地方、地方に応じた環境対応というのが重要かと思いますので、ぜひ参考にさせていただきたいと思います。具体的に成功事例とかそういったようなものがありましたら、それもぜひ御提供願いたいと思います。
【君塚環境調和産業推進室長】
どうもありがとうございました。滋賀県さんは、全国の中でも環境の取り組みが、滋賀県さん自身もそうですし、民間でも、先ほど金融機関のことをおっしゃいましたけれども、滋賀銀行さんなども、エコ金融といいますか、そういう取り組み、民間のNPOを中心として広がりを持っていらっしゃる。そういう中で自治体としての滋賀県の取り組みも非常に大きな貢献があったと思っております。
先ほどのまさにネットワークづくりの話になってきますけれども、自治体の役割というものも、先ほどのNPOと同様に、中心的に位置づけた形で考えていければと思っております。
【石谷委員長】
どうもありがとうございました。
西尾委員、どうぞ。
【西尾委員】
どのタイミングで何をお話していいかがよくわからなくて、皆様方が、ここに上がっている以外の組織とか事業体でもう少しそういうことも含めてというお話があったので、その絡みでお話をさせていただきます。
私はマーケティングとか環境コミュニケーションの研究者でございます。そういう意味からしますと、特に最後のところに上がっている消費者との関係というところが最も私にとっての関心が近い領域です。
その中の組み合わせで、ラベル等々の整備が進みまして、消費者に対して信頼性のある正しい情報を開示しようという、しかも、ポジティブな情報だけじゃなくて、ネガティブ情報も開示しようという形の制度ができつつある。それは非常にいいんですが、そのときに、この中に「消費者がみずから情報ニーズに合わせた情報を入手し」とありますけれども、なかなか意識の高い消費者でないと、自らの情報ニーズに合わせてというところに環境が入ってこないと思うんですね。
むしろ選択や消費行動の中で、どんな環境負荷があるのかというところで自分たちが何をしなければいけないのかというような、あるいは何を考えなければいけないのかという、そのきっかけとかいうような、そういう観点を伝えることが必要だろう。そういうことを伝えていくのに、ラベルも非常に重要なんですが、メーカーさんもそれにのっとって情報開示をするということも重要なんですが、消費者とメーカーの間にいる販売業者、流通業者の役割というのは非常に大きいと私は思っております。
例えば省エネラベリング制度というのがございます。その事例を取り上げてみると、トップランナー方式で、メーカーさんが環境負荷の、エネルギーという側面で、消費電力量の非常に低い製品を開発するというようなことができたときに、それを正しく伝えるために省エネラベリング制度ができて、省エネラベルがあるわけです。
ただ、それがあるだけではなくて、さらにその中に、省エネラベルを勧めた小売店舗に対して表彰制度をするというような形で、小売店舗がそういったものを積極的に情報提供するという仕組みをきちんとつくっているということがすごく重要だと思うんですね。
もちろんラベルの中でもいろんな工夫があって、例えばお金換算になっているだとか、そういうことで気づかせたりとか、あるいは、この商品の絶対的なエコだけではなくて、市場における相対的な位置づけみたいなものがあったり、そういうことで消費者がいろいろ考えるということ。もう工夫はされているんですが、一番重要なことは、店頭でそういうものがあって、それに対して販売員が積極的にそれを説明する、あるいは、そういうものを勧めようというところが重要かと思うんですね。
そうやって考えていくと、こういうこともシステムとして考えなければいけないだろうと思っております。一つの事例だけを申し上げましたけれども、そういうことからしても、消費者とメーカーをつなぐ間にいる流通とか小売あるいはマスコミといったような、マスメディアといった役割をいかに組み込んでいくか。もちろん先ほど滋賀県さんの方がおっしゃいました自治体というのも非常に別の意味で大きいと思うんですけれども、それがトータルとして全体をうまく回るように、それぞれの役割分担、コミュニケーションするために役割分担がなされていてということが明示されてうまく機能する仕組みがあると、最終消費者にも伝わりやすいし、インセンティブを感じやすいんじゃないかなと思っております。ぜひともシステムとしてというところを入れていただければなというふうに思っております。
【石谷委員長】
どうもありがとうございました。
省エネに関しては、比較的大きな量販店が大きくて、そこが公平にいろんな製品を扱っているので比較も可能だという特殊な事情もあったかと思いますけれども、おっしゃるように、ああいった中間にいる、実際に消費者に向かうところの役割というのは非常に大きいと思いますので、この辺はぜひプレイヤーの中に入れて考えていきたいと思っております。よろしいでしょうか。
浅賀委員、お願いいたします。
【浅賀委員】
浅賀です。私の提案はちょっと角度が違っていまして、検討のアプローチという意味で、今日お配りいただいた検討の課題についてという資料の包括的な課題解決策を探ることによりという、この方法論として、今回たまたま自分が鉄鋼業に40年近く携わってきて、事業者という立場で、ここに整理していただいている課題を見ますと、困難を抱えていると、いまだに問題であるという御指摘があるので、ここまで整理されたのであれば、もう一歩、なぜこの困難な状況が続いているんだろうか、障害は何なのか、もしかすると困難というのはある問題が表面に出ている現象なのであって、根っこにある問題は何なのかということで、ここまで整理していただいたものを踏まえて、ラッキョウの皮をむくような感じで、一皮二皮、根っこの問題が何なのかというのを、この場ではなく別のところで一回整理していただくと、三つの切り口に問題を整理しようというときに、少し有効なのではないかなという感じがします。
以上です。
【石谷委員長】
貴重な御意見、ありがとうございます。
恐らくおっしゃりたいことは何となくわかるんですが、その状況が仮にわかっても、手の打ちようのない状況というのもありますので、そういったことを含めて、今度は対応をどうするかということも重要かと思うんです。その点についてはぜひ御意見をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
順番として永松委員、大谷委員、お二方挙がっております。今、お話にもありましたように、今日は個別の御意見を自由に伺うということで、なかなかスタートは話しにくいものなんですが、少しずつ口が滑らかになっていくのではないかと思います。
資料3もぜひごらんいただいて、ここで抜けている点とか、今ありましたように、こういう視点が欠けている、あるいは、私なんか見ますと、国の役割というものも、もう少しきっちりと各状況に応じて何をすべきか、何が有効かといった議論も必要かと思うんですが、そういった観点から、今後議論を進める上で何が必要かといったあたりも、お気づきの点は御指摘いただきたいと思います。
永松委員、どうぞ。
【永松委員】
定義に関することで恐縮でございます。最近、本屋に行きますと、何でも「力」というのがついていまして、理解力から、色彩力とか、我慢力とか、いよいよ環境力に来たのかなと思ったわけでございます。
理解力も質問力もなくて恐縮ですが、「環境を『力』にするビジネス」とか、いまいちはっきりしないんです。先ほど環境ビジネス市場規模推計という説明、資料3の2ページ目でございますが、これと先ほどの具体的事例というのを比較して見てみたんですが、環境ビジネス市場規模推計のところで、※印で「環境負荷低減を事業内容とするビジネスを対象」にしているということで、温暖化関連で32兆が49兆円になるというのは、具体的にどういう項目が入っておるのかを教えていただきたい。
例えば温暖化関連で再生可能エネルギー、省エネルギーというのがございますが、先ほどの具体的事例でいきますと、例えば太陽光発電とか風力発電とかそういったものがみんな入るのかな。省エネルギーといったら、これも非常に広いわけです。省エネ型の家電製品とか、自動車とか、こういうのもみんな入ってくるのかな。あるいは、最近、炭素繊維は飛行機とかに使われて非常に注目されておりますけれども、そういったものもみんな入ってくるのかどうか。
それから、環境ビジネスの定義と、三つの丸の右のところに自然共生・公害関連の中に、地域の自然環境を生かした地域活性化ということで、まさに事例でもございますけれども、自然環境そのものをうまくビジネス化するというのも入っているのかと思いますが、いずれにしても、市場規模の推計のベースとなっている具体的事例を幾つか教えていただきたいのでございます。
【石谷委員長】
どうもありがとうございます。
この件は、後になると忘れてしまいそうなので、今、お答え願いますか。
【君塚環境調和産業推進室長】
温暖化関連、3R関連、自然共生、必ずしも明確に分けられないケースもあるわけです。ここで例示させていただいたとおり、再生可能エネルギー、新エネルギー系であるとか、省エネルギーについてはプロダクツといいますか、環境調和型の製品であるとか、そういったこともすべて入れさせていただいているということでございます。環境教育的な部分とか、環境投資的な部分とか、そういったことも幅広く入れさせていただいているということでございます。
大きなものとしては、太陽エネルギーとか風力発電系とか、まさに皆さんがイメージされているようなエネルギー系の産業といいますか、そういったものが割合としては、比重としては大きくなっているということでございます。
あとは、例えばごみ発電とか、地域熱供給、廃熱利用とか、そういったエネルギーをいかに活用していくかという、そういったエネルギー系の産業などもございます。あるいは、CO 削減に資するような製品の規模であるとか、そういったものを幅広くとらえております。そういったものが温暖化関連としては広く入っているということでございます。
3Rとしては、廃棄物リサイクル事業というものが基本的には、割合としては一番多くなっているわけでございます。あと装置的なものですね。リサイクル装置とか、施設建設的なもの、3Rに資するような施設であるとか、そういったものが広く入ってくるということです。
それから、自然共生・公害関連ということになりますと、これは従来型の環境装置で、公害防止装置とか環境分析装置であるとか、いわゆる従来型の公害対応型の装置産業的なものであるとか、あるいは、生態系の修復、復元にかかるようなビオトープとか、もろもろの事業がございます。
そういったものを自然共生・公害、これを一つにくくれるかどうかという問題はあるんですけれども、そういった大きな分類をさせていただいているということでございます。規模としては、温暖化関連というものが非常に多くなっているという状況でございます。
【石谷委員長】
どうもありがとうございます。
これは定義によると思いますが、一応数字で積算をしている以上は、積算根拠みたいなものをまとめていただいて、次回にでも。
どこまでが環境で、どこから先はBAUかという話はCDMとして定義が難しいんですが、京都議定書対応ですとか、そういったものにかかわるものが、放っておけば起きなかったものが新たに起きるという話は、こういった範疇に含まれるのではないかと感じております。
大谷委員、足立委員の順でお願いいたします。
【大谷委員】
川崎市の場合は従来から、環境産業の振興に力を入れています。皆さん御存じだと思うんですが、川崎市の公害の問題を背景にして、克服した企業の努力とか、市民の努力というのがあります。たしか平成9年だったと思いますが、エコタウンの認定を受けまして、いろんなプロジェクトに経済産業省の御協力をいただいて整備した経緯がございます。
そういう中で、環境産業の振興に力を入れていこうということなんですが、2ページの資料に関連して、下のほうの資料ですね、金融機関と投資家との関係というところで、あるいは企業と消費者との関係で、評価というのが共通したものができないのかな。先ほどニーズというところのギャップがございましたが、この辺は定量的な要素も含めて、ある種の評価というのがあれば、第三者の評価というのがあれば、情報ニーズのギャップも埋めることができるかな。
もう一点、整理が必要かなと思うのは、企業自身の環境配慮という、企業活動全体なのか、ある一つの事業分野なのかということを整理する必要があるかなと思っています。
市内の企業は環境への努力をしているんですが、ユーザーに届かない、知ってもらえないという焦りみたいのがあります。私ども、企業と協力して、その情報発信をしていこうと思っていますが、個々の単品の技術そのものはある程度情報として提供できますが、全体としてどうなのかということになると、膨大な処理が必要になる。この辺は共通的な認識が必要かなと思っています。
それから、川崎市の場合は、生産技術といいますか、消費財ということよりも、生産技術のほうで各企業に貢献している部分があるんですが、この図で言うと、消費者との関係ということで、市民生活をしている個人の方々というニュアンスが強いんですが、ここに事業者という観点も必要かな。事業者のほうがCO 削減なり環境問題に取り組むという視点からすると、消費者だけじゃなくて、ユーザーとしての事業者という観点も必要なのかなと感じております。
もう一点、先ほどマーケットといいますか、御意見があったんですが、環境力ということを考える場合に、国内だけで考えるのか、アジアを含めた地域で考えるのかという論点が非常に重要ではないかなと思っています。川崎市の場合はアジア起業家村構想ということで、環境技術を東アジアといいますか、中国中心に転換して、企業の発展をしていこうという考えがございます。
それによっても、評価をどういう形でしていくのか、共通的な認識度というのが当然あると思いますので、その辺を検討いただければなと思っております。
【石谷委員長】
貴重な御意見、ありがとうございました。
ちょっと確認なんですが、最初におっしゃった評価というのは、だれのどこに対する評価というふうに、企業の消費者側からの評価ということですか。
【太谷委員】
共通ということもあり得るかなと思っています。
【石谷委員長】
わかりました。
足立委員、岩下委員、笹之内委員、大野委員の順番にお願いいたします。
まず足立委員、お願いいたします。
【足立委員】
ありがとうございます。
先ほどの「環境を『力』にするビジネス」の定義をどこまでするか、どの点を環境力ですか、環境を利用して我々のビジネスを大きくしようという議論の中の一つですけれども、冒頭に細田先生が御指摘になりました元素戦略、これから我々、グローバルに生きていく世界の中で、資源の価格をどうする、元素戦略という、資源戦略は非常に重要だと思いますね。これから、環境を力にするという視点でも非常に重要ではなかろうかと思います。
私どもも、そういうことで、最近はやりのアーバンマイニングとか、都市鉱山とかいうようなところからの回収をもっと積極的にということに少しかかわっております。その点で申しますと、2ページ、3ページにございます事業計画段階で、リサイクルというのが邪魔者を処理していくという若干ネガティブなとらまえ方をしているのでございますけれども、これは使用者ですね、サプライチェーンのほうから非常に大きなメッセージがあると、もしくは分別なり収集のところで都道府県なり我々のシステムの中で、いいシステムがあると非常に大きな資源化ができる。今やっているのはどうしても受け身で、来たものをいかに処理するか、工賃だけをいただくというところの技術開発をしているというところなんですね。
委員長のおっしゃいますように、国のやるべき役割とか、ルールをつくるとか、システムをつくるというところで、サプライチェーンとリサイクルチェーンがうまくハーモナイズすると非常に大きな資源がそこで回収できる。元素戦略にも役立ちますし、環境の力だということで、日本の力として非常に大きなシステムができ上がるのではなかろうかと考えております。
以上でございます。
【石谷委員長】
どうもありがとうございました。
私も一度、自動車触媒の製錬をやっているところを見学しました。あそこは日本だけでなく、海外の触媒の使用済みのも随分集めていて、大量の貴金属を回収しているようなところがありました。
そういったことも参考にしながら、今後の戦略というか、方向を考えていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
【足立委員】
一言だけつけ加えます。
希少金属のルテニウムなんていうのを回収する事業をやろうとするんですが、しかしながら、ユーザー側の製造業におかれて、将来的には資源が高くなると使わなくなるかもわからない。
ですから、ユーザー側とうまくマッチングをしながら開発しないと、環境力、環境ビジネスをして、本当にここに計上できる力になるかどうかということがあろうかと思います。希少金属はたくさんございまして、そういうマッチングが必要じゃないかということを申し上げたいと思います。
【石谷委員長】
順番に岩下委員、どうぞ。
【岩下委員】
私はメーカーからまいりました。2ページ目の「環境を『力』にするビジネス」のあるべき姿の絵でいうと、ちょうど真ん中、事業実施という立場にいるわけです。この立場から左側は投資家、右側は消費者に向けてのあるべき姿と現実のギャップの部分について、コメントをしたいと思います。
まず投資に関してです。あるべき姿はいいんですが、現実はどうかというと、何を事業としてやるかによって投資リスクって変わると思うんですね。例えば新しいエネルギーを発生させるような新しい技術をつくっていこうという全く新しい事業形態、または、例えば弊社の工場の中で使っているような製造装置また製造環境、こういう省エネの環境、道具立て、設備、こういうものをほかの会社またはほかの国にも広げていこう、ある意味では強みを横展開していこうという事業展開ですね。もう一つは、製品を省エネ化していくという考え方。これは、どちらかといえば、得意ビジネスをさらに拡大しようという形になりますよね。
それぞれ「環境を『力』にするビジネス」だとは思うんですが、それぞれリスクが全然違います。リスクが違うということは、課題が全然違いますし、アプローチも違いますよね。したがって、これからの議論の中で必要に応じて十把一からげで一つの環境事業、ビジネスというんじゃなくて、ケース分けをしていただいたほうが、より明解な答えが得られるんじゃないかなと感じております。
もう一ついいですか。消費者側との話なんですが、環境をビジネスにするというのは、もうけようということではなくて、グローバルに環境負荷を低減していこうというのがねらいのはずですよね。であるならば、私の考えでは、消費者というのは全世界だと思うんですね。ある国に偏る必要は毛頭ないし、偏ってはいけない。
では、全世界に広げるために何が一番重要かというと、メーカーの立場から言いますと、世界統一のルールだとか基準だとかなんですね。A地域用にはこうつくれ、B地域用にはこうつくれ、C地域はこういう規制があるよとやっちゃうと、開発負荷ばっかり重なってきて効果が出なくなる、この地域にしか売れないとか。
そういう意味では、規制だとか、ラベルや何かもそうですが、なるべくグローバルに、世界全体を消費者と眺めた政策を議論していただきたいと思います。
以上です。
【石谷委員長】
どうもありがとうございました。
非常に重要な御指摘だと思います。特に基準の世界的統一というのは、自動車みたいに大きいものですとかなり進んでいると思うんですが、家電製品みたいに非常に細かいものになりますと、規制が間に合わないという話もあるかと思いますが、国としては非常に重要な戦略ではないかと思いますので、ぜひ反映していきたいと思います。
次は笹之内委員、どうぞ。
【笹之内委員】
トヨタ自動車の笹之内です。
私、発言しようと思ったら、岩下さんがおっしゃられたものですから余り言うことはないんですけれども。
今回の会議の趣旨と論点整理というのは特に違和感はないわけですけれども、1点欠けているのがグローバリゼーションというんですかね。日本は、国内マーケットもそうかもしれませんけれども、海外マーケットでかなり国の利益を稼いでいるということも事実なものですから、そうなると、海外の環境で利益を上げるとは何ぞやということが、もう少し論点の中にあってもいいのかなと。
今の基準、標準というのもあるかもしれませんけれども、泣き言になっちゃうかもしれませんが、これはヨーロッパに勝てないというのが、私もこの仕事をして随分痛感しているところです。ただ、技術だけでは、まだまだ十分勝てる。
環境に関するデファクトスタンダードをずうっと顧みても、自動車だけ見ても、還元触媒、O2センサーは日本がやりました。それ以外にも、最初のいろんな効果があったCVCCとかいろいろあったわけですね。そういうのも全部すべて日本がデファクトスタンダードをつくってきました。場合によっては、私どものハイブリットも、ひょっとしたら、グローバルなデファクトスタンダードになる。
もちろんREACHのようなルール、排出権取引ルールもあるかもしれませんけれども、我々は日本が、こういうジオロジカルなポジションを考えると、グローバルな規制、基準、標準をつくっていくのは難しいなら、日本の技術がどうしたらデファクトになっていくかということをここで議論して、それを戦略としたいんです。戦略というのは隠れてやるのが戦略で、公開しちゃったら戦略にはならないかもしれませんね。それが1点です。
もう一つは、せっかく前回の委員会ででた提言第6章というのがあって、これをレビューしてみる必要があるのではないか。ざあっと見ると、なかなかうまくこれに沿って今や日本の世の中は進んでいるなと私は個人的には思うんですけれども、一遍レビューして、まだまだ進んでいないところはどこかというのを、私どもの会社でよく言うPDCAをきちんと回すということをやっていただきたい。
最後が質問なんですけれども、ここの意味がわからなかったんです。5ページの検討の視点案で、二つ目の丸です。「製造技術の環境技術への応用」、この言葉の意味が、環境技術の製造技術化というならパッと入るんですけれども、製造技術の環境技術への応用というのは、これまで培った製造のノウハウを環境技術へという意味合いにとればよろしいでしょうか。
【君塚環境調和産業推進室長】
これは一つの例として申し上げたんですが、鉱山技術とか製錬技術を環境技術に、リサイクル技術に転用したという例があります。そういった研究開発を環境ビジネスに展開するときに、既存の高度な製造技術を転用するという、もちろんゼロから開発するということもさることながら、環境に応用できる技術というものがあるのであれば、それが転用できれば、したほうがいいという意味です。
でも、そういった事例は少ないということで、そのノウハウもなかなか共有いただいていないという意味で使わせていただいております。
【石谷委員長】
よろしいでしょうか。
私もISOに幾つかつき合っていて、おっしゃるとおり、口ではとてもかなわない相手ですけれども、最後は技術を持っているかどうかが、机上の空論であるか、実際の規制に反映するかというところは非常に重要ですので、日本の技術を持っているときには、かなり通ることもある。
ただ、言い出しっぺはいつも向こうですし、途中で都合のいいように曲げられる。戦略としては、まず英語を習うことが最初かと思うんですけれども、そんな答えは出してもしょうがないので、先ほど御指摘のような点で、特に前回のやり残しといいますか、チェックは非常に重要かと思います。
メーカーサイドからいろいろ御意見を伺ったんですが、それにお答えいただく意味も含めて、大野委員、お願いします。
【大野委員】
まだお答えにはならないんですけれども、政策金融機関からまいっておりますので、6ページの金融機関・投資家との関係における現状と課題のところで、意見なり御質問させていただきたいと思います。
私ども、3、4年前から環境配慮型経営促進融資ということで、いわゆる環境格付けを使った低利の政策融資を行っています。3年ほどで年間数百億円のフローベースの融資を行ってきております。
少ない経験ではございますが、一番上の金融機関とか投資家がみずからの情報ニーズに合った情報をリアルタイムに入手できないという論点でございますけれども、個々の投資家さんですね、個人の投資家さん等が情報をリアルタイムに入手できないということはそうだと思うんですけれども、金融機関の場合、もちろん信用力の判断を含めてなんですけれども、企業さんとインタビューして信用判断あるいは環境格付けについても判断をするということができる、本来すべき役割でございます。
格付け会社ということで直接金融においてもそういう機能がありますので、必ずしもすべて一般に情報を公開して、すべての投資家がアクセスできなければいけないということではないと思っております。そこに専門の金融機関の役割があるのではないかなと思っております。
2番目は御質問なんですが、同じところの企業の評価の上でございます。我が国の環境格付け等は欧米の考え方に準拠しているので、我が国企業の価値を正当に評価できないという記載がございます。
ここは、具体的にはどういうことがネックになっているのかですね。金融とか環境の分野は、御案内のように、グローバルスタンダードのところがございますので、同じような基準で評価しなければいけない点はやむを得ないと思います。この辺、どの辺がネックになっているのか、御教示いただきたいと思います。
【石谷委員長】
ありがとうございました。
2番目の件について。
【君塚環境調和産業推進室長】
これは投資の関係で評価機関がいろいろ格付けを行っていらっしゃると思っているんですが、私どもの理解では、主として欧米のほうでSRI評価機関が発展してきて、その考え方に準拠しているというぐあいに思っております。
これは個別に見ていかなければいけないと思っておりますけれども、日本独自の環境力といいますか、環境の取り組みが欧米の視点でといいますか、無意識のうちに欧米の企業の指標で評価されるようなシステムになっているのではないかと。
きょう個別の資料をお示ししていないので定性的に申し上げるだけなんですが、次回以降、具体的にどういう点で日本の環境の取り組みが評価されないような状況があるのかということは、具体的な事例でお示ししたいと思います。
通常、我々も見聞する中で、欧米の流れを酌んでいるといいますか、例えばアメリカのIRRCとか、NPO系の評価機関、INNOVESTであるとか、いろいろな評価機関の考え方がどうしても日本では統一的になっているといいますか、評価機関の取り組みが相対的に世界的におくれている中で、そういうものに準拠しているのではないかというぐあいに思っております。
その辺の具体的事例については、またお示しさせていただきたいと思っております。
【石谷委員長】
今、大野委員がおっしゃったように、そうは言っても、世界標準で考えざるを得ないところもあるので、どこにギャップがあり、それをどう国が補てんするかというか、助けるかといったようなことも含めて議論を進めさせていただければいいかと思いますので、その節はよろしくお願いいたします。
伊香賀委員、どうぞ。
【伊香賀委員】
環境をビジネスにできる企業、一社一社が海外でも通用できるように強くなることが大切だと思います。資料3の2ページの図式では、最終消費者との関係がやや強調されている感じがします。
企業自身も企業間取引においては中間消費者であって、この図式では資材調達というあたりにその意味が込められていると思いますが、例えばエネルギーのインフラとか交通のインフラなど各企業共通に取引しているところも強くなって、日本の企業が束になって海外の企業に勝つという視点も大事だと思います。
一方では国内のライバル会社に勝つために情報開示までもお互い控え目になっては海外に負けてしまわないように、情報交換も重要だと思います。
【石谷委員長】
いろんなケースがあるかと思いまして、私もどういう状況かはよくわからないことがあるんですけれども、例えば日本の中の競争自体が世界の中で競争力を高めて、いい例かどうかわからないんですが、例えばトップランナーの省エネ製品というのは、ある意味では激しい競争を国内に引き起こして、その結果、大体の日本のメーカーはそれをクリアできるようになると、海外に行っても強い。そういったケースもあり得るかと思うんです。
おっしゃる意味は、要するに、無駄な競争とか、データ、情報を秘匿して、それによって内部で無駄な競争を避けろと、そういったようなことなんでしょうか。今後の議論にあわせて、少し考えさせていただきたいと思います。
野口委員、どうぞ。
【野口委員】
メーカー側から松下の野口です。
ちょっと違和感があるんですね。3ページの事業計画段階のところに、冒頭にお話に出ましたけれども、非常に困難を抱えており、困難、困難という言葉が二つも続いて、初めから環境とこういうものは経済と相反するとか何か、そういうマインドで表現されています。今、我々が進めているのは、環境というのは非常に身近なものであって、これを解決すればビジネスはよくなる、本当のグローバルエクセレンスのメーカーになるためには、これをきちんと処理しなければいけないということで取り組んでいます。
環境というのは、これだと重苦しいというんですかね、そうじゃなくて、環境をきちんとやれば、もっと技術も育つし、もともと日本というのは競争力があったのですが、これがもう一度復活するという、チャンス到来というふうな言い方でできないかなという、もっと元気が出る言い方ですね、それが1点目に感じたんですね。
それと、4ページ目の工程管理段階ですが、我々モノづくりにおいて、生産活動をやっていますけれども、社内で言っているのはCO を減らせば儲かると言うことです。また廃棄物もそうですね。トヨタさんがよく、製造現場は無駄の集まりであり、大半が無駄であると言っておられます。この無駄の結果が在庫であり、これもCO を出していますし、そういったところからいくと、CO が出ている、廃棄物が出ているということは、我々の生産活動自身がまだまだ無駄が多いというぐあいに自覚しましょうと、言っています。
事例的に見ますと、例えば設備一つにしても、社内での話ですけれども、365日24時間3交代で自動機が動いている場合、生産設備が本当にどのくらい動いていますかというと、途中でメンテナンスが入ったり、設備トラブルが入ったり、機種切りかえが入ったり、いろんな都合があって、本当に半分も働いていないことが多いのです。半分以上寝ていて、本当に働いているのはこれだけですねという部分があります。しかし、今、非常にいい設備ができていますし、従来の設備を最新鋭の設備に変えると、品質もよくなるし、サイズも半分になるし、電力使用量も半分になる。こういうのがどんどん出てきているんですね。
だから、そういうところをちょっと見るだけでも、まだまだ日本は捨てたものじゃないなと、これはグローバルに通用するなというのが、本当言って、こういうのを一つ一つ探していくと、元気が出るというふうな見方があるのではないかと考えています。
生産のやり方も日本発で、トヨタさんの生産方式もあれば、キヤノンさんが得意とされる生産方式もある。新しい日本発信型の非常に強いモノづくりとして、「からくり治具」のように、電気を使わず江戸時代の「からくり人形」から来る発想を生かしたモノづくりがあります。こういうのを探してきて、これが日本の強みやというところをもっと訴えられないかと考えています。
次に、6ページ目の業務パフォーマンスです。企業の業績開示と評価につきましては、ステークホルダーがどう見るかという部分ですが、ここの部分は、これからはこの辺の糸口は環境だと思います。例えばCO が何万トン減れば、なんぼ利益が増えるはずだというのは、必ずどこかに指標があると思うんですね。
また、廃棄物についても、そういうのも減ってくれば、これもどのくらいと換算できると思うんですね。電気代についても同様です。この辺も今後、研究していけば、一つの指標として分かり易くなれば、我々、メーカーとしてはよりどころになります。また、ステークホルダーからも、そういったところが見やすくなるというぐあいに感じます。
最後、7ページ、お客様との関係ということです。省エネというのは当然の命題であります。ただ、どう訴えるかというときに一番わかりやすいのは、電気代というふうな訴え方です。省エネなんぼですよって、電気代なんぼ安うなりますよというふうな、これも身近なところから訴えることです。そして電気代なんぼ安うなるけども、実際は省エネでCO はこれだけ減っていますよと訴えていきます。例えば量販店にしても、そういう落とし込みというんですかね、少しずつ順番もって環境のほうにずうっと持っていくというふうな仕掛けが必要ではないかなというぐあいに感じました。
以上でございます。
【石谷委員長】
どうもありがとうございました。
最初のお話は、まさにこの委員会の目的で、環境で元気を出そうということは最初に局長がごあいさつされたとおりだと思います。この書き方は古典的な書き方ですので、最後の報告書は最初から元気になるような形で進めさせていただきたいと思います。
途中の部分については、おっしゃるところ、もっともだと思いますし、笹之内委員がおっしゃったように、日本の技術の心髄を外へ出すのは戦略としてはどうかと。だけど、この中で、こういうところがサクセスストーリーがあったということをまとめて、これを延長すればどうか。
私は、経団連の自主行動計画で電気関係と自動車関係をずうっとフォローアップ、お手伝いしているんですけど、どうしてこんなに減ったのだろうと思うほど一生懸命努力していらっしゃるのは身にしみて感じていますので、そういったところで、どこまで環境力として成り立つのかといったあたりを、ここで明らかにできればいいかなと思っております。
最後のところは関西流の表現でおっしゃったんだと思います。非常にわかりやすい、見える化とよく言っている、そういったことを消費者との間で、いかに明示するかというのが重要なのではないかと思います。
熊野委員、大分ためらっていらしたようですけれども、この席は自由に御発言いただきたいと思います。
【熊野委員】
ありがとうございます。アミタの熊野です。
非常にためらいましたといいますのも、意見というよりも希望に近いので悩んでおりました。
ものづくりの国である日本の悩みというのは、20世紀の社会モデルのように、物不足のときに発生した強いニーズといいますか、家がほしい、車がほしい、家電がほしいというのが続かないと。
65億人の地球の中の6億か7億の我々先進国が8倍ものエネルギー、食料、資源を消費しているというのを鑑みたときに、環境が強いメッセージになるのかというと、私どもは3000ノルマルm3のバイオガス発電を運営したり、60万トンの再生資源をつくったり、日本で初めて森林認証とか漁業認証を導入した会社で31年やってきましたけれども、環境が力というようなものを感じておらないんですね。
ことし、EUでBeyond GDPというのが11月19日に起きまして、うちからも一人出したんですが、OECDなんかのキーマンが集まっての議論は、持続可能性の社会とはクォリティ・オブ・ライフであるという点と、無形資産のインジケーターが大事だねという議論に撤したそうですね。ここの視点は非常に大事な視点だと思うんです、先進国に向かって。
参考になるかどうかあれなんですが、私ども荒廃した森林と低迷している酪農をあわせて、牛に森林の下刈りをさせて、山の中で自然放牧をして牛乳をつくったんです。それは普通の牛乳より6倍ぐらい高いんです。それが某百貨店でずうっと売り切れなんですね。6倍もの高いお金のポケットは、牛乳を飲みたいポケットから出るのではなくて、映画を見に行くような感覚とか、博物館に行くポケットから、月1回ぐらいというお金なんですね。
ですから、成熟したときの経済というのは、特に自然とか社会とか人のためというような利他的なはかないニーズがマジョリティなんですが、これははかな過ぎてすぐ消えてしまうと思うんですね。ですから、環境とか福祉とか平和とか教育というような利他的なニーズを何とかしたいというニーズはあるんですが、これははかない。
これを確実に持続的に塊にするかというと、昔、風力発電は、吹いたり吹かんかったりするからだめと言っていたのが、1000本並べば、どこかで吹くから、ベル曲線が生まれたように、はかないニーズを確実にする技術が、情報技術も含めて、日本がチャレンジする分野でないのか。技術立国であった技術の改善モデルで環境を考えるのではなしに、イノベーションを起こして価値づくりの技術とは何かというところに日本が結集すれば、大きなインパクトを、メッセージを発信できるんじゃないか。
蛇足になりますが、江戸時代、飢饉のときに、享保の改革とかいろんな改革があったときに、日本人は江戸百ネズミというものをつくりました。ネズミ色を100種類つくったんです。華美なきんきらきんはだめだと言われたので、そうかということで、利休ネズミとか、銀ネズミとか、職人がネズミ色の競争をしたんですね。これは原価計算できない価値を評価してくれという世界ですね。
日本人は、ここにものづくりというより価値づくりでプライドを競い合った国民性があるんじゃないか。ここの火をもう一回、20世紀で世界を席巻した技術を生かしてできないのかなという、意見というか希望なんですけどね。
【石谷委員長】
大変深い示唆に富むお話、参考になるかと思います。経済産業省が適当かどうかはちょっと疑問ですけれども、知的面の産業というのも十分あり得ると思います。
おっしゃるように、どこかに楽しみを持っていくときに、CO の出ないところで、非常に高い付加価値で、要は消費者がCO を増やすかわりに、そういうところに価値観を持って費用を払えば、高い電力とか、コストがかかるけれども、環境にいいものが維持できると、そういったシステムというか、価値観づくりというのも非常に重要なポイントだと思います。
どこに入れていいかわかりませんが、ぜひ反映させていきたいと思っております。
【熊野委員】
つけ加えますと、資源とエネルギーと食の自立という、物由来というのは、日本の国の自給率の問題になると思うんです。物由来の価値のつくり方はグローバルに動かせると思うんですね。ですから、それを一緒に議論するところに結構無理があるのかなという気はします。
【石谷委員長】
先ほどの牛乳のお話なんかは非常に印象深いものですが、私も初めてISO14000で会議に行ったときに、デンマークの人でしたか、卵に6種類の格があって、空中に浮いて生活する鶏の卵から、広い野原で自由に歩く鶏の卵までランクが六つあると。
その当時の日本の状況から見ると考えられなかったんですけれども、今おっしゃったのは、まさにそういうような話のことかと思いますので、本当に満足が得られるかどうか、そういうことを今後、確かめていく必要があるのかなと思っています。
続きまして、中島委員、辰巳委員の順でお願いいたします。
【中島委員】
リーテムの中島です。
ちょっとさびしかったのは、各論の中に廃棄とかリサイクルのコラムがありません。私のところは資源ですね、リサイクル屋なものですから、そういったものについては、要するに、製造と消費とリサイクルというのはある意味、並列的な考え方がとられてもいいのではないかと思います。
廃棄という単語でもって限定してしまうので、資源の海外流出とかがとまらないのではないかと思います。この辺の考え方をどこまでほかの事象と同じように考えるかというのが資源の根底にあるような気がします。また、マテリアルとして明確にすれば、海外へ出しても、希少金属が流れることはないというふうにも思います。
昨年の夏にエコタウンの専門家がドイツから来ましたので、2週間ほど一緒にいました。そのときに、エコタウンの考え方が非常にユニークだったですね。エコタウンというよりは、エコインダストリアルパークといいまして、ある意味、日本で言う工業団地をエコ化するわけですね。ですから、工業団地内で熱を利用したり、物流を共同でやったり、場合によっては、運送も一つのトラックで各社の分をやるとか、そういった考え方でした。
いろいろ話している中で、「エコシティという考えはないか。都市をエコ化するという考え方はできないの」と聞いたんですが、「それはできるだろう」と言っていました。そういう中でやっていけば、ある都市が「私どもはエコ化します」という宣言をしますと、それ自体が一般の人にアピールできるでしょうし、さらに都市の中に資源の会社、製造の会社、一般の人がいるわけですから、それぞれがリンクして、エネルギーも削減できるでしょうし、さまざまなコストも削減できる。
そういうふうなエコタウンをもう少し広げたような、もしくはモーダルシフトで結んでもいいんですが、そういう全体のコンセプトというのも大事じゃないかと思います。
以上です。
【石谷委員長】
御指摘ごもっともで、リサイクルあるいは廃棄物というのは3ページあたりにはちゃんと書いてありますけれども、図から抜けているようですので、これは明示するようにいたします。
それから、後のほうの話は、いわゆるエネルギーでは面的利用とか、経済産業省、国交省共同でいろんな議論がありますけれども、それをエネルギーだけでなく環境全般に広げて、何か探る道があるのかという御指摘だと思います。
【中島委員】
環境力にという意味です。
【石谷委員長】
そういう面的広がりも視点の中に入れるようにしたいと思います。
辰巳委員、お願いいたします。
【辰巳委員】
2ページの三者の関係を見ながら、消費者というのは一体どういう役割があるのかなというのを考えていたんです。
先ほど力という単語が話題になっているということですけれども、消費者の中でも消費者力という単語が非常に話題になってきて、消費者力って一体何かというと、世の中でいかに生きていくかという、そのときに環境のことというのは、今は情報も非常に豊かになりましたもので、何かしなければいけないと思っている消費者もとっても増えているんですけれども、具体的に何かというときに、余りよくわからない。
ここは経済産業省さんの場ですので、参加されている方々もかたい機械類の方ばっかりでして、そういう機械類というのは、私たちは消費者の立場からすれば、何年かに一回ぐらいしか買わないというふうなもので、もっと日常的な衣食住と言われるものが身近で、そのあたりから環境のことなどに関しても関心持っていけるようになるんじゃないのかなと。ところが、残念ながら、そういうとこら辺の環境とつながる情報というのが消費者に対しては非常に少なくて困っているなと思っているんです。
一方、先ほど熊野様がすごくいいお話をしてくださって、私もそれが言いたくて待ち構えていたんですけれども、環境を力だけじゃなくて、持続可能性という視点というのが絶対必要で、例えばMSCだとか、フェアトレードだとか、熱帯雨林を守るような場所でつくったものですというふうな、そういう製品だと結構インパクトというか、消費者にとても身近な商品に多いもので理解が早いんですよね。
そういうとこら辺で、もう少し持続可能性という視点をうまく入れ込むことによって、消費者に、環境に関しての関心というか、持続可能性に関する関心を高めることができるんじゃないかなというふうに思っておりました。だけど、もっと上手に熊野さん、お話してくださったので、すべてお譲りします。
それから、私たち消費者は、製品のライフサイクルを考えたとき、使用の段階から廃棄の段階、要するに、ライフサイクルのおしりまでを全部担当するんですよね。ところが、ここに書かれているのは環境に優しい製品グリーン購入という話だけしかないもので、そこにプラス、グリーン使用、グリーン排出ということもきちんと、購入だけではなくて必要で、そういうふうな情報も含めて、だから、それもまさに中島さんがおっしゃったこととつながるかと思っているんですけれども、必要かなというふうに思っておりました。だから、そこら辺の情報提供も、購入だけではないんだということです。
ごみに関しては、先ほどの衣食住と同じく、消費者にとっては非常に身近な問題ですので、これってどういうふうに出せばいいんだろう、これをこういうふうに出して環境に悪くないかしらって、そういうとこら辺は非常に理解しやすいので、そんなところとうまく結びつけていただけるといいかなと思いました。
以上です。
【石谷委員長】
どうもありがとうございました。
先ほどの中島委員とのお話と重なるところで、消費者から廃棄、リサイクルというところを通して中間の事業主体に入るというあたりが、この絵では抜けているように思います。
また、衣食住が消費者に非常に密接だというのは、最近は環境以前に安全のほうが気になるような話が多いようですけれども、環境も負けずに、そういうビジネスの中へ入っていけばと思っております。
こちらから見えなくて失礼しました。松橋委員。
【松橋委員】
研究開発について発言しようかと思ったんですが、辰巳さんの御発言の中に「消費者の側の」というお話がありましたので、たまたま私、幾つかの市で省エネの実測調査をやっていまして、省エネのナビとか、ガスの計測システムを入れて、複数世帯のエネルギーの実測、省エネの実験をやるんです。
ちょっと測ってやりますと、直ぐに2割ぐらいの省エネ実績、CO 削減の実績が上がってまいります。ハイブリット自動車で、省エネ運転の努力をするというのが、今充電していますとか、そういうメーターが目の前に出ることで一生懸命燃費の高い運転をしようということで努力をするということがよく言われるんです。住宅なんかも、省エネナビとかいろんなエネルギーの計測システムがあれば、一般の消費者の方は意識が高まっていますので、努力をされると思うんです。
現在のところ、そういったナビも3万5000円とか非常に高いものですので、わざわざそれを買って配電板につけてはかるというのは、一般の消費者はそこまで意識が高くないと思いますが、こういったものがマンションとか住宅とか、将来、標準装備みたいになってくれば、大いにそういった取り組みも国民的に広がるのかなということを感じております。
それから、コメントしたかったのは4ページ目の「太陽光発電など再生可能性エネルギーは、価格面で消費者への営業に困難を抱えている」というところです。私ども太陽光発電の一般消費者へのマーケット調査といいますか、消費者選好の調査をして研究論文を書いたりしているんです。
それから、これまで政府がやってきた補助金の効果ですとか、電力会社が行っている電気の余剰電力の買い取りの効果なんていうことがある程度定量的に出てきております。他方、政府系金融機関の評価で、これまでその機関の行ってきたエネルギーの研究開発の事後評価みたいなことをやっております。
たまたま太陽光を2年ほどやっているんですが、政府ないし民間の研究開発のコスト低減への効果及び、その補助金とか電気事業の買い取りによって普及が促進されて、量産効果でさらに価格低減をしていくというあたりが、ある程度定量的に切り分けされて評価できつつあるというところまで来ております。
太陽光の場合は、日本の政府の取り組み、民間の取り組みは成功例と言われておりまして、現在でも世界一の生産。設置量ではドイツに抜かれておりますが、ドイツのような激しい極端な買い取りの政策というものが長期的にサスティナブルかどうかは別問題ですので、そういった意味では、これまで比較的成功かと思います。
こうした初期に政府がリスクをとって研究開発に資金を投じると、そして、ある程度成熟してきたら普及を支援して、補助金をかけていって、その補助金を徐々に低くしてなくしていって、あとは民間のマーケットに受け渡していくという、研究開発からマーケットへの受け渡し、ないし官から民への受け渡しといいますか、この辺のバランスは非常に難しくて、太陽電池も今までのところ比較的うまくいっているように見えますが、これから第2世代、第3世代の太陽電池に切りかえていくという中で、同様の精巧な戦略をとっていかなければいけません。
また、2050年とかそういうことを考えると、そのような必要な技術といいますか、日本の国家戦略上も重要な技術はほかにもたくさんあって、それぞれが研究開発から普及への最適な受け渡しが必要とされているものはたくさんあると思いますので、そこらのうまい戦略が非常に重要かなと思っております。
以上です。
【石谷委員長】
どうもありがとうございました。
非常に重要な御指摘、2点で、私もハイブリット車に乗っていると、暖房を入れなくて、いつも風邪を引きそうなリスクがあるんですけれども、それでもCO を減らすためにというか、記録を出すためのマニアックな運転なんですが、そういったことがかなり省エネを推進するのは間違いないと思います。今後、経済産業省としても、そういうことを支援というか、促進していくのは重要かと思っております。
2番目のほうは非常に重要な御指摘なので、もしいい結果が出たら、ぜひ使わせていただきたいので、提供をお願いしたいと思います。
予定した時間にあと5分ほど残っておりますが、今、見たところで御発言がなかった松井委員、お願いいたします。次に細田先生、お願いいたします。
【松井委員】
私どもは広告関係の本を出している出版社であって、なおかつ環境ビジネスという本を編集しています。環境という言葉は、日本では企業がコミュニケーション・キーワードとして重宝というか、上手に使ってきたんですけれども、最近、使いづらくなっているんじゃないかなと見ています。例えばトヨタさんが「21世紀に間に合いました」みたいなすばらしい言葉を発した企業はなかなかなくて、実際には、消費者も、そして金融関係のほうも、両方とも環境についてわかりづらい。
そういう中でも、企業というのは循環型社会をもっとつくっていかなければいけないし、構築しなければいけないという中で、私どもの環境ビジネスの読者、特に先ほど中島委員からありました廃棄物であったり、リサイクルという部分に携わっている企業があるわけですね、もしくは中小企業と言われるようなところが、昔から静脈産業みたいな言い方でずうっとその仕事をしているわけです。
幾つかの企業の経営者に聞きますと、静脈産業と言われているような方々は、このサミットが開かれるとか、企業が本当の循環型社会をこれから築かなくてはいけないという本腰を入れるということで、自分たちが動脈産業の一つに加われるのではないか、もしくはグレーゾーンで自分たちの企業自体の存続もはっきりしないようなところが安定的な収益を上げられるのではないかとか、もしくは動脈産業のメーカー、大手の企業が資本提携をしてくれたり、経営に携わってくれることで、本当の意味での自分たちの企業が世の中に認められるのではないかと思って大変期待しているんですね。
ですから、今回このような「環境を『力』にするビジネス」ということでスタートするのであれば、一番力にしたいのは弱者であったり、小さな企業またはそれを必死で続けてきた企業があると思いますので、できれば、そういうところにあった会社にも、すぐに期待が現実として進んでいくんだということがわかるようなメッセージとシステムなり、機能みたいなものを提言してあげたり、見せていただけると大変ありがたいなと感じております。
【石谷委員長】
どうもありがとうございました。
温暖化関連と3R関連が柱になると思いますので、今の御指摘、目に見える形の提言とか方針が出ると非常にプラスになるかと思います。
最後に細田先生、締めを。
【細田委員】
申しわけない、締めなんてとんでもない。
まず岩下委員のおっしゃったこと、もしかして私が誤解しているのかもしれないし、あるいは同じことを違った側面で言っているのかもしれないんですけれども、環境についてハーモニゼーションって非常に難しいと思っているんです。
例えば車の燃費、笹之内委員がいる前でこう言うのは恥ずかしいですけど、アメリカのCAFE規制と日本の燃費規制とヨーロッパがこれからやろうとしている燃費規制は全部違うわけです。これが一緒になることはあり得ないと思いますし、有害物質規制のROHSを、あんなばかなことがって言っちゃいけないのかもしれないけれども、日本がやるとは思えない。
その中で環境を力にして動いていく。例えば車の場合は、日本の車って1台当たりの車両の重量は大型化しているのに増えてないんですよ。ヨーロッパ車は増えているんです、重量が。平均的にですけど。なおかつ、燃費がよくて、ハイブリットをつくっているというマーケットも世界で取っているという意味では、環境にいいことをしていながら、ものすごくマーケットを取っている成功例なんですね。
規制の違いをうまく利用しながらマーケティグをやっている。これはまさにエコだと思うんですね。そういう面は、利用というのは変なんですけれども、もっと学習して、エコを力にして、「悔しかったら、ヨーロッパ、やってみろよ」というぐらいのことをすべきときが来ているというのが第1点。
第2点は、反対ばっかりして申しわけない、熊野委員。これももしかして反対じゃなくて、同じことかもしれませんけれども、環境というのは、そんなに絶望したものじゃなくて、ボディブローのようにきいてくる。さらに、いつも言うんですけれども、バルセロナの吉田みたいに、払い腰一本みたいで決まったということはなくて、気がついてみたらグレードが上がっている。古紙の偽装問題も、我々は資源有効利用促進で62%なんていう、かなり限界的なことを目指してやった上でのガバナビリティの欠如だったわけです。相当なところまで来ているから、相当なガバナビリティを企業はやらなければいけないのに、できないので、大気汚染防止法もそう、水濁法もそう、ミスっちゃう。
我々がそういうところまで来たということを冷静に見なければいけないと思うんです。日本人がすごく得意なのは、ドイツが一番いいんだと思う。日本はまだまだだめなんだと、どこかの新聞の社説じゃないけど、日本の鉄鋼はだめなんだと、エネルギー効率が悪いんだなんていうことを何のデータもなく言うことに喜びを見出しているようじゃ、だめなんです。冷静に見て、我々は何のニッチを取るか、どういう環境戦略を取れるかということをやると、ボディブローように徐々にきいて、気がついてみたら、ネズミ色を10何色で使い分けている、赤もいろいろ使い分けているような社会になると私は思っています。
以上です。
【石谷委員長】
どうもありがとうございました。
熊野委員、何か御意見ございますか。
【熊野委員】
同意見ではなかったので。環境をテーマに見込み大量生産をしたときに、環境にいい無駄なものが出るということにならないようにするということと、50数兆円の市場があるという調査において、環境の産業で1000億企業がないという現実を考えたときに、通常のビジネスモデルでないことを根本的に構築する時代が来たのではないかという私の意見なんです。
以上です。
【石谷委員長】
どうもありがとうございました。
岩下委員。
【岩下委員】
一言だけ反論して申しわけないですが。
いろいろな規制があって、その規制を差別化のネタにして、我々企業は競争力をつけていく。そこは全くそのとおりだと思います。私どももそういう動きをしています。
ただ、世の中全体で見ると、それぞれの役割がありますね。競争して力をつけていくのは企業の役割です。でも、国の役割は何かというと、本当は規制のずれによる競争というのは無駄な競争なんですよね。規制をそろえていく。どうせいいものだったら、自分の国だけじゃなくて、全世界にあげていく。そういう努力をする役割の人たちもいらっしゃるんじゃないか。その両方が成立して初めてよりよい環境ができていくんだと考えます。
【石谷委員長】
どうもありがとうございます。
浅賀委員、どうぞ。
【浅賀委員】
たまたま細田先生から吉田の話が出ました。ちょうど吉田がバルセロナに出たとき、私は本社の柔道部長だったので送別会をやったんです。彼は、行く前に体重が92キロありまして、試合は78で出ました。そういうことばかりやっているので、骨粗鬆症というか、体に少し欠陥が出たので今、格闘技をやっています。
一つだけ済みません。先ほど私が言ったことを松橋先生が非常に具体的に説明してくださったので、とってもいい気持ちで今日は帰れそうです。ありがとうございました。
【石谷委員長】
どうもありがとうございました。
ちょうど時間になりましたので、せっかく盛り上がったところですけれども、この辺で議論は終了させていただきます。
ただいまいただきました委員の多様な御意見を踏まえまして、産業と環境小委員会において検討をさらに進めていきたいと思います。
本日は時間も限られておりましたので、さらに産業と環境小委員会で検討すべき論点、課題がございましたら、本日の御意見以外にも御遠慮なく事務局あてに電子メールでお送りいただければと思います。

今後の検討スケジュール

【石谷委員長】
続きまして、最後の議題、今後の検討スケジュールについて、事務局より資料の説明をお願いいたします。
【君塚環境調和産業推進室長】
最後のページで資料5がございます。今後の検討スケジュールでございます。
本日、御議論いただきました、御意見をいただきました内容を事務局で整理させていただきます。
第2回小委員会が3月11日、火曜日の午前10時から12時ということで、場所は御案内いたしますが、合同庁舎7号館の12階ということで、この建物の近くでございますが、開催させていただきたいと思います。今日の御意見を踏まえた形で、検討の方向性ということで、新戦略案に向けた方向性について事務局で提示させていただき、御議論いただければと思っております。
次の第3回小委員会が3月25日の午前10時から12時ということで、経済産業省の本館で開催いたします。当初、別館という御案内をさせていただいたと思いますけれども、本館にかわっておりますので、そのときに御案内させていただきます。同じ場所の特別会議室で行いたいと思います。そこで具体的に新戦略案の検討ということで御議論いただければと思います。
第4回は未定なんですが、4月中旬にもう一度開催させていただいて、新戦略案の取りまとめということで最終的に御議論をいただければと思っております。
その後、今、予定しているのは5月ですが、パブリックコメントの募集をさせていただいて、それを踏まえた形で第5回小委員会、最終の委員会を6月上旬ということで今のところ考えてございます。新戦略の策定をさせていただきまして、公表という段取りに進めてまいりたいと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
【石谷委員長】
どうもありがとうございました。
大変忙しいスケジュールですが、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

閉会

【石谷委員長】
時間もまいりましたので、本日の審議はここまでにいたしたいと思います。本日は御多忙のところ、また遅い時間にもかかわらず、長時間にわたり熱心に御議論いただき、誠にありがとうございました。
本日は、これにて散会とさせていただきます。どうもありがとうございました。

以上

 
 
最終更新日:2008年3月21日
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