経済産業省
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産業構造審議会環境部会産業と環境小委員会(第2回)‐議事録

開会

  • 君塚環境調和産業推進室長

    それでは、定刻になりましたので、これより産業構造審議会環境部会第2回産業と環境小委員会を開催いたしたいと思います。

    本日は、皆様、お忙しい中を御参集いただきまして、まことにありがとうございます。

    まず初めに、前回御欠席で、今回始めて御出席の委員を御紹介させていただきます。

    東レ株式会社取締役研究本部長の阿部晃一委員でございます。

    イオン株式会社グループ環境・社会貢献担当の上山静一委員でございます。

    日本労働組合総連合会副事務局長の逢見直人委員でございます。

    全国商店街振興組合連合会理事長の桑島俊彦委員でございます。

    日本放送協会解説委員の嶋津八生委員でございますが、今、遅れていらっしゃるということで、間もなくお見えになると思います。

    それから、日本商工会議所専務理事の中村利雄委員でございます。

    また、本日、代理で御出席いただいております方の御紹介をさせていただきます。

    大谷委員の代理としまして、川崎市経済局産業振興部長の宮原光穂様でございます。

    野口委員の代理といたまして、松下電器産業株式会社環境渉外・企画担当部長の菅野伸和様でございます。

    本日、松橋委員が急用で御欠席という御連絡が入ってございます。

    また、今回初めて出席する事務局側の職員を紹介させていただきます。

    研究開発課長の土井良治でございます。

配付資料の確認

  • 君塚環境調和産業推進室長

    それでは、これより先は石谷委員長に進行をお願いいたします。

  • 石谷委員長

    おはようございます。今日は、非常にきれいな会議室でびっくりいたしましたけれども、効率的な会議を進めたいと思います。

    それでは、まず事務局より配付資料の確認をお願いいたします。

  • 君塚環境調和産業推進室長

    それでは、きょうは大部の資料でございますが、まず議事次第が1枚目にございます。それから、資料1が委員名簿ということで、資料2として「第2回産業と環境小委員会討議参考資料」というやや厚めの資料でございます。

    それから、資料3が浅賀専務理事のプレゼンにかかわる資料でございます。

    それから、資料4がアミタの熊野社長様の資料でございます。

    それから、資料5といたしまして、今後のスケジュールということで1枚紙をお配りしております。

    その後ろに、議事要旨ということで参考にお配りしてございます。

    それから、席上配付の委員参考資料といたしまして、参考資料1、2、3とございます。これは、後ほど簡単に触れさせていただきますけれども、委員の参考資料4といたしまして、第1回、前回の小委員会の討議参考資料も参考につけさせていただいております。

    それから、一番最後でございますが、第1回小委員会の詳細な議事録を配付してございます。これを数日中に経産省のホームページに掲載することになりますので、御了解いただければと思います。

    以上、過不足等ございますでしょうか。

    続きまして、御発言の際のマイクの使用法でございますけれども、ネームプレートを立てていただきますと委員長から御指名がございますので、よろしくお願いしたいと思います。

    また、指名を受けました委員の方は、お手元のマイクシステムのボタンを押していただきますと、マイクに赤いランプが点灯いたしますので、点灯確認後に御発言をお願いしたいと思います。また、発言が終わりましたら、再度ボタンを押していただきますようにお願いしたいと思います。

    以上でございます。

第1回小委員会での指摘について

  • 石谷委員長

    それでは、審議に入らせていただきます。

    前回は、本小委員会における検討課題について、総論として「「環境を『力』にするビジネス」に向けた基本的な問題意識」、各論として「1.「環境を『力』にするビジネス」の観点から見た事業者の現状と課題」、「2.金融機関・投資家との関係における現状と課題」、「3.消費者との関係における現状と課題」について事務局から説明があり、その後、各委員から「環境を『力』にするビジネス」に関するさまざまな御意見等をいただいたところでございます。

    その第1回小委員会で幾つかの御指摘、御質問があったかと存じますが、それに関連した資料説明を事務局のほうからお願いいたします。

  • 君塚環境調和産業推進室長

    それでは、横長のA4の資料2をごらんいただければと思いますが、第1回小委員会で御指摘のあった点に関しまして御紹介をさせていただきたいと思います。

    まず、1ページをごらんいただければと思います。環境ビジネスの市場規模につきまして、第1回小委員会で御紹介いたしましたけれども、その内訳について御質問がございましたので、再度整理をいたしたものでございます。温暖化関連と3R関連、それから、自然共生・公害関連の3つの内訳でございますけれども、ここに(1)、(2)、(3)という形で、その内訳を詳細に示してございます。

    このうち、再生可能・省エネルギーというものにつきましては、例えば太陽光発電システムであるとか、風力発電、バイオマス利活用、コージェネレーション等が内訳になっております。

    それから、環境調和型エネルギー供給というのは、地域熱供給とかごみ発電のことを指してございます。

    それから、環境調和型製品というのは、エコマテリアル、エコプロダクツが内容となっております。

    それから、環境価値創造というのは多岐にわたりますけれども、環境アセスメントとか環境分析が当たります。それからESCOですね。省エネルギーのアドバイスのESCO事業であるとか、それからグリーン・サービサイジンク、これは経産省の事業としても支援しておりますけれども、サービサイジングの事業、それから、環境共生住宅、リフォーム、特にリフォームは金額的には高くなってございます。

    あとは廃棄物・リサイクル等。

    (3)については、環境装置、公害防止装置、あるいは環境修復・創造、生態系の修復・復元に関するものというような内訳になってございます。

    2ページのほうに、推計方法の考え方ということで簡単にお示ししてございますけれども、OECDのビジネス分類などに従いまして分類をしております。

    それから、推計方法につきましては、基本的には過去のトレンドに基づきまして、5年ないしは10年ぐらいのタームで、これは物によって違いますけれども、過去のトレンドに基づいて、年平均の伸びから算出するという方法をとっております。したがいまして、自然体での伸びというような形の推計になってございますので、さらに取り組みを進めることによって、市場規模は拡大の余地が十分にあるということでございます。

    次に3ページ以降でございますけれども、第1回で御指摘のございました、平成15年の環境立国宣言のレビューを行うべきであるという御意見がございましたので、そのフォローといたしまして、提言に対してどういう取り組みをしているかということを整理してございます。

    4ページをごらんいただきたいと思います。左側を見ていただきますと(1)と書いてございまして、「環境経営管理手法の研究開発及び普及」という提言がございます。これに対しては、右にございますとおり、環境マネジメントシステムであるとか、環境管理会計、特にMFCA、マテリアルフローコスト会計の普及促進、それから、環境効率、LCA等のツール開発と普及促進施策を随時実施しているところでございます。

    次の5ページでございますが、(2)の先進的な環境ビジネス・モデルと海外展開への支援につきましては、先ほどもございましたけれども、グリーン・サービサイジング、所有から利用への機能サービス提供型のビジネスとしての新たなグリーン・サービサイジング事業の普及促進であるとか、あるいは海外展開の支援につきましてはエコタウン協力ですね。これは、中国に対して我が国のエコタウンのノウハウについて協力をするという取り組みをしております。

    それから、(3)の環境技術の企業化支援につきましては技術戦略マップの策定を行っております。これは、後ほど簡単に御説明したいと思います。

    次の6ページでございますけれども、(4)の企業の環境対策と環境ビジネスに関する評価手法の開発、情報インフラの整備につきましては、環境報告書のデータベースとして環境報告書プラザの運営を行っております。ただ、企業の評価手法の開発・普及につきましては今後の検討課題であろうかと考えてございます。

    次の(2)の国際市場と整合性ある環境基準につきましては、我が国から提案しているものとしては、国際電気標準会議(IEC)における環境配慮設計の提案、それから、昨年11月でございますけれども、日本から、環境管理会計では世界初のISO提案ということで、マテリアルフローコスト会計の国際標準化提案を行っているところでございます。

    それから、物質循環ネットワークということに関しましては、一番下にございますけれども、先ほどもございましたが、我が国のエコタウンに関するアジアへの協力、中国への協力を今実施しているところでございます。

    次の7ページでございます。(3)グリーン購入法に関することでございますが、基本方針を順次改定しておりますし、それから、対象となり得る製品については、経産省においても研究開発補助事業というものを実施しているところでございます。

    それから、環境教育につきましては、エコプロダクツ展、毎年12月に開催しておりますけれども、エコプロダクツ展等の環境展示会を通じた環境意識の向上を図っているところでございます。

    次の8ページでございますが、(4)の環境保全に係る多様な人的ネットワークの構築でございます。これは、前回も御指摘がございましたとおり、NPO、自治体等が連携して実施をする環境コミュニティ・ビジネス事業を実施しているところでございます。平成15年から実施してきているところでございます。来年度からは、京都議定書目標達成のための国民運動、「1人1日1kg」という運動を支えるビジネスを支援したいと思っております。

    このように、環境立国宣言の提言に沿った施策を随時実施してきておりますけれども、いずれも終わったということではございませんで、引き続きフォローしていくべきものとして、展開していきたいと思っております。

    それから、第1回の小委員会で、日本の国家戦略上の重要な技術についての研究開発から普及への最適な受け渡しの戦略が必要であるという御指摘もございましたので、それに関連いたしまして、9ページの技術戦略マップを御紹介したいと思います。これは2005年、平成17年から経済産業省が策定しているものでございますけれども、国家的に重要な産業分野における中核技術につきまして、国が実施すべき政策体系を整理して、産学官がシナリオを共有して、技術的課題であるとか目標を俯瞰するということで、特に異分野・異業種間の連携を促進するというロードマップでございます。

    ここに、策定分野と書いてございますけれども、環境・エネルギー分野におきましても、3R・エネルギーを初めとする戦略マップを策定しているところでございまして、次の10ページ、11ページでも紹介しておりますが、3Rと新エネルギーの技術戦略マップの導入シナリオということで、ある年次までの目標を掲げまして、その目標達成のために必要な研究開発、あるいはそれに関連する施策のシナリオを記載しているということでございます。これは、産業構造審議会の中では産業技術分科会の研究開発小委員会という場で議論がなされております。随時、ローリングという形で改定が行われているということでございます。

    簡単でございますが、以上でございますが、席上のみの委員の参考資料といたしまして、技術戦略マップを詳細に紹介した資料、先ほどの委員参考資料1というものがございます。それから、委員参考資料の2と3といたしまして、これは資源エネルギー庁のほうで3月5日に公表いたしました「Cool Earth―エネルギー革新技術計画」と、重点的に取り組むべき革新技術として、21のエネルギーに関する技術を選定しておりますので、これも参考として、適宜御参照いただければと思っております。

    その他、参考として、資料2の中では、これまで経産省で実施してきておりますグリーン・サービサイジングとか環境コミュニティ・ビジネス、エコタウン等の施策であるとか、環境経営の施策等の紹介、あるいは25ページ以降、後でごらんいただきますと、レアメタルの供給リスクの増大とか資源の海外流出の状況、それに対処するためのグリーン・サプライチェーン施策等の紹介をしております。今日は参考資料ということでお配りしておりますが、今後の議論の中でも、本日もそうですが、随時、御活用いただければと思っております。

    以上でございます。

  • 石谷委員長

    どうもありがとうございました。

    それでは、ただいまの御説明に関して、さらに御意見、御質問のある方がございましたら承りたいと思いますが、よろしいでしょうか。

    どうぞ、細田委員。

  • 細田委員

    1つ、単純な技術的なことで、今の資料の一番初めに市場規模を2015年と比較してとありますが、この現状というのは何年ですか。

  • 君塚環境調和産業推進室長

    2005年でございます。

  • 細田委員

    わかりました。ありがとうございます。

  • 石谷委員長

    ほかに、よろしいでしょうか。

    あと、この内容につきましては、繰り返し議論が行ったり来たりすると思いますので、もしよろしければ先へ進ませていただきます。

議題

1)委員からのプレゼン

  • 石谷委員長

    それでは、次の議題に移らせていただきます。第1回小委員会の御意見の中で、「環境を『力』にするビジネス」の成功事例をクローズアップすることにより元気が出るようなメッセージを打ち出すべきとの御指摘が多々あったかと存じます。

    本日は、今後の本小委員会の方向性を探るという観点から、浅賀委員と熊野委員に、みずからの御経験や御知見に基づき、「環境を『力』にするビジネス」の現場での取り組みについてプレゼンをいただきたいと存じます。

    それでは、まず初めに浅賀委員から、御用意いただいた資料3により20分ないし25分程度で発表をお願いいたします。どうぞよろしくお願いいたします。

  • 浅賀委員

    おはようございます。浅賀です。

    ちょっと私のほうの準備が余りよくなくて、見にくい資料になっておりますけれども、一応、資料の順番としては、最初、この横長の鉄鋼のフローで、少し鉄鋼業のイメージを皆さんに持っていただいた後、A4の資料で総論的な話を中心にさせていただいて、その中で、リファーしている幾つかの事例をその後ろにつけてありますので、そんな流れで説明をさせていただきます。

    毎度、鉄屋のかたい話で恐縮なんですけれども、このA3の資料を見ていただきますと、鉄鋼業の生産フローは、おおよそ左側から右のほうに流れていまして、左側からコークスと鉄鉱石が高炉に入り、それが銑鉄になって鋼になり、最後、板になって出ていく。それで、最終製品としては羊かんのような格好をしたスラブ、それから、ホットコイル、冷延、それから、自動車なんかに使われる亜鉛メッキの鋼板というようなことで、左から右に流れております。

    それで、今日の私の説明の中では、このうちの2点を紹介させていただきます。1つは左側の一番上の廃プラ粒状化設備です。これは、町から集めてきた廃プラを、現在、製鉄所のコークス炉に入れております。大体、今入れている量は、昨日調べてきたんですけれども、2006年で17万トン。日本で大体、容器・包装リサイクル法で集められている廃プラの30%に相当する17万トンを新日鐵で処理しております。能力的には、今25万トンぐらいありまして、2010年には30万トンから40万トンの体制に持っていこうというお話と、それから真ん中の下です。シュレッダーダストと書いてありますけれども、シュレッダーダストというのは、御承知のように車、廃車の、最後、シュレッディングしたダスト、主にプラスチックを中心にしたダストですが、それ以外に今、都市ごみの溶融にこのシステムを使っていますので、この2つについて御説明をさせていただきます。

    特段、資料としては添付していないんですけれども、この2つ以外に4つか5つ、少しポイントを御説明させていただきますと、最初にお話しましたコークス炉の横にCDQとありまして、CDQの上にCOG精製とありますけれども、製鉄所のコークス炉ガスというのは、実は今話題になっている水素の固まりでして、おおむね水素が55%、メタンが30%ということで、コークス炉ガスは、非常に水素源として、今後、我々も注目していかなければいけない分野ではないかと思います。

    それから、溶鉱炉でございます。これは、ニュースや何かでもよく出てくるんですけれども、溶鉱炉というのは、一般的に鉄屋の常識としましては、銑鉄1トンをつくるのに、原料として鉄鉱石が1.6トン、それから石炭ベースで0.8トン、ということは、2.4トンの原料を使って銑鉄1トンをつくっている、そういう非常にエネルギーと材料をうんと使う商売です。ですから、実は鉄鋼業の環境・省資源対策というのは、集塵機をつけることではなくて製品の歩留まりを上げる。これだけ大量の原料を使うわけですから、製品の歩留まりを上げることが、即環境・省エネ対策になるということで、これは、また機会があればお話をさせていただきたいと思います。

    それから、溶鉱炉の下に回転炉床式還元鉄製造設備とありますけれども、これは製鉄所の中で出てくるダストやスラッジから鉄粉ですとか亜鉛の回収をやっております。これは、非鉄メーカーさんがやっているほどの規模ではないんですけれども、そこそこの量の製鉄所の中のダスト処理をやっておりまして、これはこれで、海外から今、非常に引き合いというか、関心が寄せられているところでございます。

    それから、右側の圧延設備のところに酸洗、圧延とありますけれども、実はここのところがみそでして、酸洗ライン、いろいろ処理をする前に、一たん、酸を使って鉄板をきれいにします。その後、メッキをしたり油を塗ったりということをしますけれども、この過程で非常に水を使います。製鉄業は、常識的には、鉄1トンつくるのに水170トン、それを90%から95%のリサイクル率で回しているということですので、実は製鉄所というのは膨大な水処理能力を持っています。

    東京都の資料なんかを見ますと、都民が大体、1人1日使う水の量は248リットル、約250リットル。1000万人としますと250万トンの上下水道の処理をしている。1000万人の都民に対しては250万トン。ところが、製鉄所というのは、中くらいの製鉄所でも300万トンから350万トン日量を処理する能力があります。ですから、これはこれで、今後とも社会インフラとして、製造業のポテンシャルを使うことでコストを下げる可能性は十分にあると思います。

    それから、右側の下に、ちょっとわかりにくいんですけれども、これは巨大なロータリーキルンで、外径が3メートル、長さが20メートルという、これは広畑にあります廃タイヤの処理装置です。製品はA重油相当の油、ガス、それから、ラジアルタイヤはスチールが入っていますので鉄源、それからカーボンの粉ということで回収しますけれども、ここでも、今、日本の廃タイヤは年間100万トンとか120万トンと言われていますが、そのうちの10%をここで処理しております。

    ということで、結構、製鉄所はセメントメーカーさんとか非鉄メーカーに比べると、廃棄物の処理については立ち遅れてはおりますけれども、そこそこいろいろなことをやっているというイメージを持っていただければと思います。

    それでは、A4の資料のほうに移ります。実は、私は1985年から2000年までの15年間は、環境ビジネスの立ち上げ、営業というようなことをやっておりました。自分の限られた経験ではあるんですけれども、自分がやってきたことなので、狭いながらも、できるだけ深掘りをして、具体的に、何かそこから共通的なものが導き出せればということでこの資料をつくりました。

    最初のページ、なぜ環境分野に取り組んだのかということについては、実は、余りここでは明快に言えない理由がございますけれども、非常にきれい事を言ってしまえば、当時1985年に、私に約三十数名の技術屋さんが預けられて、これで何か考えろというふうに言われました。ところが、その技術屋さんというのは、基本的には石炭化学出身の人ばかりですから、ペトケミであるとか、ファインケミカルだとか、化学の保守本流にはとても行けないと、言ってしまえば、そういう育ち、状況であったので、その中で何が僕らがやっていける領域かなということで3つを選びました。それが、環境とエネルギーと工業ガスです。なぜ工業ガスになったのかは、後ほど御説明をさせていただきます。

    それで、今回分析するに当たっては、今申し上げたように、なるべく具体的にと。そこから導き出された何らかの要因をほかのケースに当てはめてみるとどんなふうに見えるかなということで分析をしてみました。

    次のページに行きます。実は、今日は成功した話だけですので失敗した話には触れませんけれども、実は失敗の数は山ほどありまして、相当危ない、だまされそうになった話も数知れずでして、皆さん、御記憶があるかもしれませんけれども、久米宏がやっているころの「ニュースステーション」で姫路の「魔法の水」というのがありまして、お堀の水がたちまちきれいになると。これは、約1000倍の競争率を勝ち抜いて我々が契約をしたんですけれども、発明者の意図と水がきれいになるメカニズムが全然違っていたというようなことがあったり、それから、炭酸ガスが出ない焼却炉であるとか、とにかく――今日、実は淡水化の話もしますけれども、淡水化の話もありまして、当時、淡水化プラントというのは多段フラッシュで、チタンの配管の固まりみたいなものだったんですね。ところが、そのプラントはSS41という、カーボンスチールの一番安いものでできていて、10年以上操業していて錆びないと。

    それで、もし我々鉄屋の材料技術で、チタンが何か安いものに置きかえられれば、これは革命的なことになるなということで、うちの基礎研の錆びのオーソリティという者を連れていって半年ぐらい研究したんですけれども、わかりませんでした。ただ、そこの社長が言っている淡水プラントの下に大きい池があって、錦鯉が泳いでいて、その錦鯉は、どこから水を持ってきているのかわかりませんけれども、ずっと錦鯉が生きていたということで、とにかく環境・エネルギーで新しいことをやろうとすると、いろいろなことに遭遇するという経験をしました。

    それでは、よけいなことを言っていないで、環境分野に取り組みに当たって、まず2つの大原則を立てました。

    まず第1点目は、我々は、何が本当は得意技なんだろうか、何をもって飯が食えるのだろうかということで、要するに、鉄鋼業をやっているということを一回忘れよう、鉄鋼業と思った途端に頭が固まってしまって、とにかく不況のどん底でしたから、85年というのは。そこで、鉄鋼業を構成している要素技術ごとに、そこに例示してあるようにばらしたわけですね。

    例えば、溶鉱炉というのは1400度から2000度の領域です。こういう高温については、我々は相当な経験があるなと。それから、乾留というのは蒸し焼きです。それから、大容量・大単重のものの取り扱い。大分製鐵所を走っているコンセンシャというのは、1台で600トンの溶銑を積んで運んだり、今申し上げたように、製鉄所は350万トン/日の水処理能力を持っている。それから、私が入ったころの八幡製鉄所は、レールの総延長が鹿児島本線より長いんだと言って先輩が自慢していましたけれども、それほど輸送効率が悪かったということも含めて、とにかく大量のものを動かしていたという経験があります。

    その中で2つほど例示しますと、高温の制御については、この経験を生かして都市ごみの溶融に行き、それから塩素系の化合物、これは、ちょっと奇異な感じがすると思いますけれども、実は、製鉄所は、さっき紹介しましたように酸洗のラインがありまして、硫酸・塩酸を使っております。その使った酸の回収技術というのは昔からありました。

    それから、あと2つ、非常にユニークな技術を持っておりまして、1つは光和精鉱という、我々と非鉄の、まさに細田先生がよく言っておられるアーバン・マイニング、同和さんですね。同和さんと共同で非鉄の金属を回収するとか、それから、塩化揮発法という特殊な技術を持っていまして、これは物の本によると、佐渡の金山で金をとるときに塩水を使った。塩化物にすることによって、その化合物の沸点を下げる。それで、容易に抽出することができるということで、光和精鉱の塩化揮発法というものに一つ注目しました。

    それから、あと日鉄化工機というところで塩化物の高温熱分解、これはフロンであるとか、PCB系のもの、農薬ですね。こういうものを分解する技術があったということで、我々は、この塩素を破壊する、塩素を安定化させるということで何かやれないかなということで、我々の持っている技術をばらばらにしてみました。

    そういう視点で見ますと、我々の持っている要素技術、インフラをどうやって事業につなげるかという意味で、そこに日鉱金属さんの例を挙げさせていただいております。これは、まさに製造業で培ったインフラ技術を、そのままリサイクルに応用している。それからセメント業は、本来ごみを、多分、全体の25%ぐらいごみを食って製品をつくっているということで、製造インフラ・製造技術を使って新しい事業に出たという意味では、彼らのほうが先行していると思います。

    それから2番目は、我々のような図体がでかくて動きの悪い会社が、どういう新しい分野に行くかというときに、これは相当議論をしたんですけれども、結局、人が余り来ないところに行こうということで、事業のタイプとしては、なるべく大きな肺活量、競合者のいない、ここを指向しようじゃないかと。

    なぜかといいますと、これは研究開発とか商品化に金と時間がうんとかかる。これは、余り新規参入がないな。だから、一見魅力的じゃない世界に行こう。やはり1人の天才が出てきて、突然、コストは1.2倍だけれども、能力は10倍になりましたみたいな、今までの自分たちの優位性が一夜にしてなくなっちゃうような分野に行くのはよそうということで、そこに明示してありますように、経験工学というか、経験が物を言うような、そういうゆっくりしたバイオリズムの商売に行こうじゃないかということを考えました。

    その1つが、高炉技術を応用した都市ごみ溶融炉であり、後ほど説明させていただきますけれども、ゼネシスさんの海洋温度差発電・海水淡水化。この温度差発電というのは、この場合は20度とか、十数度の非常に低位の温度差を利用してエネルギーにかえようと。従来、製鉄所等でやっていますのは、400度、500度、700度、このくらいの熱を回収するのであれば、それ相応の投資をしてもメリットはある。ところが、20度とか15度だと、しかも海水ということになりますと、さっきも申し上げましたように、設備のかなりの部分はチタンだとか、特殊なステンレスになったり、設備費は上がる方向に行き、とれるエネルギーが少ないということで、普通の人はこっちに行かないんですね。ところが、ゼネシスの里見会長はここに行こうと。それで、100年かかってもやるんだという心意気で、この海洋温度差発電に取り組んでおられる。

    我々のほうも、実は簡単ではございませんで、溶融炉も1970年には既に開発に着手しました。それから9年後に実機を売りました。79年、80年に実機を2基売りました。それで大失敗をしました。ですから、溶融炉もそれで挫折をして、日の目を見たのは1996年ですから、やはり正味18年とか、そういうオーダーで商品になるまでに時間がかかっているということで、そうは言っていますけれども、本当に大きな肺活量が必要だったというふうに言えます。

    次のページに行きます。今のは最初に考えていたことです。それで、次の途中で気がついたことが2点あります。1点は、やはり我々はなるべく鉄から離れないようにしよう。なぜかといえば、当時、我々は社内で200件以上の新しいプロジェクトを立ち上げましたけれども、最後までたどり着いて事業と言えるものは片手程度でございます。ですから、ことごとく203高地のような状態で討ち死にしました。その経験から、やはり自分のプロとしてやっているところから離れ過ぎちゃいけない。地道に本業をやっている中で、必ずヒントがある。そこから得られたことで工業ガス、廃プラの油化技術を使ったコークス炉への投入、それから広域処理、そんなようなことをやってきました。

    次に行きます。これが一番言いたいことですけれども、2点目、事業は、やはり筋と、何年でそれを軌道に乗せるのかということで、方向性と距離感ということをゴルフのパットに例えて書かせていただきました。

    まず方向性については、やはり自分より知恵のある人、それから、残念ながら環境の動きについては日本よりも欧米のほうが先行していますので、欧米の動きをよく見ること。その上で自分の合理性、里見社長いわくは「イキ筋」と言っておりますけれども、やはりビジネスとしての筋、これは自分で見極めるしかない。

    それで距離。企業においては、方向と距離と同時に求められるわけですね。でも、これは無理な話で、会社が何と言おうと方向を決める、これが大事だと思います。ですから、いったん距離は捨ててもいい。極端なことを言うと、そういうふうに思います。

    その中から出てきたものが、都市ごみの焼却の世界から溶融、それから、それをPFIに持っていった。済みません。ここのところは、ちょっと時間をかけて説明します。

    都市ごみというのは、従来、800度で焼却する世界でしたけれども、日本は埋立場が既に限界に来ているということは当時から見えていました。ですから、我々は焼却から溶融に行く世界は、当然あるだろうなと。

    もう1つ、PFIというのは、1980年代でも、既に将来の少子高齢化は見えていました。ですから、当時、ごみ行政をつかさどっていた厚生省は、ごみの補助金も出し、なおかつ少子高齢化に向けて医療・介護・年金、これは絶対お金が回るわけがない。ですから、我々は当然、この分は民間の資金、民間の技術でごみをやるチャンスは必ずあると、それを合理性の読みと言ったんですけれども、そういう読みでこの事業に取り組みました。

    実は、そのPFIの方式をそのまま、この中央合同庁舎7号館のPFI方式に適用することができて、実は非常に私自身は感慨深いものがありまして、千葉県でやった実例、そのソフトをここへ持ってきて、ここで仕事をいただいて、今現在やらせていただいています。

    それから、土壌汚染については、やはりこれはアメリカのスーパーファンド、それからオランダの汚染問題、これが、既に1980年の初頭にありました。当時、日本は環境庁に土壌農薬課しかありませんでした。ですから、いずれ日本でも土壌汚染問題は来るぞということで、1980年代から我々なりの読みを働かせて準備をしました。

    それからフロンについては、当初、PCBをやろうと思いました。ところが、北九州にはカネミライスオイルという会社があって、PCBにいきなり行くのは問題だというか、ちょっと刺激的過ぎるということで市長からもとめられて、じゃ、フロンに行こうと。それで、フロンをやっているうちにPCBをやり、そのことが最近、中国で実現しました。ちょっと時間がなくなりましたけれども、東岳というフロンをつくっている会社の副生ガス、年間、炭酸ガスベースで1100万トンを5年間にわたって排出する権利を確保したという話につながりました。

    ゼネシスさんの話は、申しわけありませんけれども、今は卵がかえる前の段階で、実は、まだまだ技術的には超えなければならない関門があると思います。当然のことながら、だれもやらない、とても難しいテーマですけれども、今、NEDOさんであるとか、経済産業省も応援をし、取り組んでいる最中です。

    ただ、ここの方法論で一つ、意図したかどうかはわかりませんけれども、淡水化、それから温度差発電ということで、地域的に中東を対象に技術PRをしました。ですから、アラムコであるとか、中東の産油国から技術評価を受け、その外での評価を日本に逆上陸させるということで、日本のマスコミなりにインパクトを与えて、それが応援団の形成、理解者の形成になったというふうに思われます。

    済みません、あと何分ぐらいでしょうか。5分ですか。では、個別の話には行けませんので、成功の要因のところをパラパラと行きます。

    成功の要因は5点挙げさせていただいておりまして、まず第1点、これは経産省さんに強くお願いしたいところですけれども、これは新日鐵ということではなくて、一般の大企業としては社内の事業管理圧力、これは、なかなか小うるさいものがあって、人間と開発投資を使わせてもらっているわけですから、お前は何年で単黒にするのかと、毎年毎年責められるわけです。そのときに、これは私の経験で、フロンのプラズマ分解でアメリカのEPAからも表彰を受けたり、それから、当時の通産省のオゾン層保護対策室の支援があったおかげで、私どもの研究者は、3年間集中して研究をすることができました。それがなかったら、我々のところは、将来こんなものを開発してどこへ売るんだ、何基売れるんだ、ばらばらにしてしまえとずっと言われていたんですけれども、これは、当時通産省のプロテクションが非常にきいて助かりました。

    それから、ゼネシスの社長も言っていましたけれども、やはりマスコミを活用しないと我々は生きていけない。

    それからもう1つ、2番目は、最初に申し上げましたように、鉄という概念にこだわらないで、鉄の縛りから、とにかく頭を解き離したということが1つのきっかけではないか。

    それから3番目としては、やはり自分たちだけではできない、パートナー。例えば東岳のCDMであれば三菱商事であり、これをうまく処理すれば排出権につながって、それから、またそれを買う人間を自分が探してきますよと、そういう商権・商流業界情報がある連中とパートナーを組む。

    それから、この日本曹達というのは、最初にお話しまたように、我々はPCBを高温熱分解する技術があるんですけれども、日本曹達さんは、御承知のとおりナトリウムの会社です。これは、むしろ有機塩素系のやつで一番問題なのは塩素です。それに対して金属ナトリウムをくっつけて、NaClという非常に安定したものにして処理するという方法ですね。これはうちの技術ではないんですけれども、我々がPCBをずっとやってきたということで、フロンをやってきたという経験で、高濃度・低濃度のPCB処理の世界に今は出ていくことができました。

    それから4番目、やはり画期的な開発。これは話題になり、EPAの表彰を受け、日経産業新聞から表彰されるというようなことで、我々は高温熱分解なんですけれども、日本の一流の学者、触媒の先生、超臨界の先生、燃焼分解の先生とネットワークができたということです。これによって、もう1つ次の世界が広がった。

    それから最後、先ほど、距離はいいけれども方向だと申し上げましたけれども、やはり方向が大事である。筋がいいか、それからウィン・ウィン、共存共栄であるか、話そのものに合理性があるか、やはりここがポイントになろうかと思います。これが、新日本石油さんがベトナムでやっておられる油を掘削したときに一緒に出てくるガスですね。これを、今までは燃焼放散していたんですけれども、これを発電所に持っていく。規模的には、260万人のベトナム人の電気の消費量をこれだけで賄えるというぐらいの量だそうです。

    それから、これでは触れていませんけれども、例えば積水さんが、非常にきめの細かい環境対策をやっています。従来、環境にやさしいというだけでは、なかなか消費者に受け入れられないところを、環境にやさしいことが家計簿にもやさしいんだというようなアプローチで、非常にきめの細かいソフトを駆使して、ライフスタイルに合わせてお客さんのニーズにこたえるというようなことで、今、非常に大きい話ばかりしましたけれども、まさに競争の激しい中で、きめの細かいサービスで生き延びていくという一つの例として、時間がありませんので、そこまででとめさせていただきます。

    どうも失礼しました。

  • 石谷委員長

    どうも、大変示唆に富むおもしろい話をありがとうございました。ちょっと、時間が極めて限られていて残念でございますが、また後の議論でもいろいろと知見を伺いたいと思います。

    それでは、続きまして、熊野委員から御用意いただいた資料4により、やはり20分ないし25分程度で発表をお願いいたします。どうぞよろしくお願いいたします。

  • 熊野委員

    座ったままで失礼いたします。

    お手元にある資料4の資料も見ていただきながら、パワーポイントで説明をしていきたいと思います。

    事務局から、事業を通じて気づいたこと、問題点といったことを御発表してくださいという御依頼がありましたので、事業説明を通じながら、気づいたこと、問題点というものを説明させていただきたいと思います。

    創業時、私どもは、すぐに第2次オイルショックになりました。そういった意味で、環境産業というものを注目されましたけれども、今から振り返れば、やはり工業的な市場でのお手伝いということになっていたのではないか。グリーン購入法等々の時代に直面したら産業全体を環境化するというような問題がありましたけれども、最近では、環境というのは社会・生活の環境化のための産業をどうするか、ロハスとかQOL、クォリティ・オブ・ライフというような時代に突入して、私は、環境のビジネスというのはライフ・ファンダメンタル・インダストリーと言ってもいいんじゃないか。尊厳ある生活を維持する基幹産業になるべきではないかと考えております。

    私どもは1977年に創業して31年を迎える中小企業でございます。事業としては、このようなことをやっております。それで、「Our Mission」というものを社是として掲げております。ここに青印で、目的は「持続可能社会の実現」、そして、提供は「循環型システム」というふうに定義しております。

    企業の存在は社会ニーズを形にするということで、まずは、第2次オイルショックで環境問題と資源枯渇問題という二律相反の社会テーマが出た。それの関係性を形にするということで、使えるものがあるんじゃないかということで資源リサイクル市場をつくってきました。

    また、円高ショックとか、そういったバブルの崩壊ということで、安心の提供ということでリスク管理ビジネスを始めました。

    しかしながら、気づきの1ですが、環境負荷が大きくならないと環境企業が大きくならないというのは、それこそ矛盾をはらんでいるのではないかということで、環境負荷を小さくする事業ということで、リスク事業ということで、ここに書いてありますような森林の認証とか水産の認証をやってきております。昨今、やはり地球問題という社会ニーズを形にするという意味においては、持続可能社会をどうするかというのが環境の大きなテーマではないか。

    経産省さんからも、資料にありましたけれども、今、59兆円の市場規模が現在でもある。約60兆円の市場なのに、1000億円企業が環境でないのはなぜかという点があります。ここは私は、やはりよろず屋がたくさんあってコンビニエンスモデルがない、喫茶店はたくさんあるけれども、まだスターバックスモデルがないような、今のビジネスモデルをもう一回、根本的に見直す必要があるのではないのかというのが気づきの2です。

    そのようなところから弊社の事業説明になるんですが、やはり食料資源、エネルギー資源、マテリアル資源の自給の仕組みの提供をしたいということで、自然産業創出事業と地上資源事業、そして、環境負荷を下げるソリューションの提供、このソリューション事業の3本柱でやっております。

    それをやるには、過去の失敗例も後ほど言いますけれども、やはり部分最適を目指していれば、なかなかシナジー効果を生まない。それで、全体最適を目指すために、農林・水・工・商のナレッジ、ソフトと専門性を高めて、調査・研究・コンサルというナレッジ部門と、無機物・有機物を資源化するというようなハード部門で循環型システムを提供したいというふうに考えております。

    気づきの3ですけれども、環境ビジネスのコア・コンピタンスというものは、私は不確実なものを確実にするということと、情報を目的に向けて再編集する情報生産能力がないとだめなんじゃないかと考えております。その不確実なものを確実にするということにおいて、QQPTコンディションというものの開発ができないかということで、某大学と今、話をしていますが、これは、やはりクォリティ、クォンティティ、量・質ともに地上の資源の発生というものが安定しない。それでプレイスとタイム、どこで、いつというのも不確実だ。こういった不確実性をどう確実にできるのかというところが大きなテーマになっています。

    それを具体的にやっていますのが、兵庫県の姫路、茨城県の筑西、そして、京都府の京丹後で工場を動かしております。

    気づきの4ですが、リサイクル産業の問題点としましては、必要なものを回収するために不必要なものまで回収してしまうということで、価値のあるものを回収した後、無価値なものの処分がボトルネックになってしまう。こういったところが大きな問題点です。弊社においては、その問題点を解決するために、情報を駆使して、要るものだけを集めて生産する。したがって、不必要なものが発生しないということをやっております。

    兵庫県の姫路の工場では、燃料代替品のセラミックスという補助燃料をつくっております。これは特許を取りまして、韓国・台湾・マレーシアというふうに技術的に展開しております。また、ここではセメントの原材料、それから、あとは金属関係のニッケル・銅の原材料にかわる代替資源をつくっております。茨城も同等のシステムです。

    あと、有機物をバイオガスで日量、バイオガス量では5000ノルマル立米の生産規模を持つバイオ発電所というものをやっております。

    気づきの5ですが、ここは資源リサイクルということで、地上の資源をつくるんだというミッションのもとに、川上の資源に市場にリターンしているんですけれども、リサイクル産業というのは、付加価値を追いかけて川下の市場を目指すケースが多いんですが、川下の市場を目指したときに販売競争にコストがかかって、輸入中心のデフレ市場では、なかなか競争に勝つことができないということが、今までの経験でわかっております。

    環境負荷低減のビジネスで、ソリューション事業ですが、ここにいろいろなソリューションをやってきました。それで、ナレッジをビジネスにしているんですけれども、気づきの6ですが、私どもは1993年に、皆さん、御存じないかもわかりませんが、日本で初めて環境総合情報誌「ビーダー」というものをつくったんです。これは一部、非常に専門家の人には評判だったんですが、膨大な借金を抱えてやめてしまいました。これでは、やはりペーパーというのは厳しいね。販売するルートが硬直化しているのは厳しい。折しもインターネットの時代が進みましたので、97年から98年にかけて、環境の有料サイトで「グリーン・ウェブ」というもので専門性の情報を送りました。これも膨大な赤字を出してクローズしました。

    つまり、情報の一般化というのはビジネスに非常になりにくい。情報は、ひたすらただに向かう、一般的な情報はただに向かっていくけれども、顧客の環境負荷低減の課題は個別対応、どう個別に対応できるかという専門性でしかナレッジやビジネスにできないんじゃないかというのが気づきの6でございます。

    具体的には、環境マネジメント研修サービスでビデオ、ウェブ、通信教育等々、それから、コンプライアンスコンサルティングで不法投棄防止のプログラム提供、ゼロエミッションのコンサルティング等々、昨今では、現場の暗黙知を持った人たちが、どんどん現場からシフトされていますので、リテラシーを持った人たちの人材の派遣とか、それから、業界では初めてAPSを使った東京リサーチとリスクモンスターとで共同開発したモニタリングサービス、こういったものを安価で提供したり、リサイクルオペレーションでは資源化のお手伝いをしているというようなことがソリューション事業です。

    自然産業創出事業、これが今、我々のチャレンジなんですけれども、地域再生、自然再生のプロデュースをメインに、あとは調査・研究・人材育成等ですね。それで、調査・研究の部分では、ここから専門性を発揮して生まれてきたのが水産の認証等の世界の動きをキャッチしながらつくっていきました。

    余談になりますけれども、ここの研究所は150年の京都市にある町屋を、中身はインテリジェンス仕様にして、そこに研究員を入れて、自然を相手にしますから、土と木と紙でできた研究空間のほうがおもしろいだろうと。それで、結構ここは、いろりもつくりまして、ナレッジの創出の場になっております。

    あと、1999年に、日本で初めてFSCの認証を展開しております。2年前、これは日本ならずアジアで初めて水産の認証ということで、昨年、海のエコラベルというような形で新聞等で出てきたのが、このMSCの認証事業でございます。

    昨年の暮れ、衰退する林業、今、施業人口の平均が60代後半になっています。それを何とかしたいということで、下草刈りを中心にして、低迷する酪農で、森林と酪農をあわせて牛乳販売をする。林業がメインシステムなんですが、サブシステムで酪農を使う。

    これも余談になりますが、京都の某大手百貨店で販売以来、ずっと完売が続いておりますが、この値段は500ccで、税込みで630円です。普通の牛乳よりも6倍高いですね。これは、普通の牛乳を買うという家計のポケットよりも、豊かというものを買いたいというポケットから出てきている。そういう市場を確認する実験事業でしたけれども、今のところ、日本も成熟社会になって、そういう豊かというものを手に入れたい市場というものが、間違いなく出ているなというのを実感しております。

    やはり循環社会ということになれば、専門性の高いソフトのナレッジの世界と、物をつくる生産性のハードをあわせた、ソフトウェアとハードウェアをあわせた社会技術というものが必要になってくるのかなと。やはり、こういう総合的な社会技術が大変必要だと思います。そういった技術をある人から聞きましたけれども、「ソフトウェア、ハードウェアの総合を『ハートウェア』と言うんだよ」と言われて、非常にチャーミングな名前で、私は気に入っております。

    結論に近いんですが、環境ビジネスの失敗例、私の中小企業のつたない31年の経験ですが、「『寄らば大樹の陰』環境ビジネス」、国や自治体とやっているんですよというものは、案外長く続きません。それは、やはり変化の対応ができない経営の仕組みになるのではないかと思っております。

    「技術先行リサイクル」、これも、やはり成熟社会においては、性能がよくても製品が販売できる競争力とは別になっております。ここが非常に現場では、なかなか性能がよくても事業が進まない。

    「期待しすぎるなグリーン購入」と、ちょっと厳しいです。環境がいいものだからといって売れるような市場ではない。それは最低限のことで、やはり次のことを考えなければいかんというふうに考えています。

    大きな気づきになるんですけれども、やはり私は単純に考えると、資源リサイクルの場合でも、変化する市場から発生するものの変化する原料をあてにしなければいかん。インもアウトも変化するのに、プロセスだけが集中生産をやるというような環境ビジネスに関しては、成功しても、長期的には変化の対応という意味では潜在的リスクが発生するのであろうというふうに考えております。

    じゃ、どうするのかというと、環境のビジネスに関しては、生活や社会の環境化に向けた工業のサービス化、分散モデルがいるのではないか、もしくはセメントとか鉄鋼とか非鉄のような、大きなところの余剰領域の活利用しか方法はないんじゃないか。この部分は、日本は非常に進んでいます。やはりこれからの部分としては、分散モデル、生活や社会の環境の向上に向けた工業のサービス化が必要なんじゃないかと思っています。

    じゃ、それはどういうふうに考えるのかということで、工業によって物は豊かになりましたけれども、やはり価値の分離というものが行われておると思います。例えば、今みたいな冬でしたら、昔は、学がなくても、村の中の山から芝を孫にとりに行かすときには、「とり過ぎたら山の神さん、怒るぞ」ということで、生活圏と経済圏というものが一致をしていたと思うのですが、今は、おじいさんみずからが安かったらたくさん買ってくる。自分の山は保全されていても、たくさんの薪がどこかの山の破壊につながっているというようなものには無頓着になっている。このように、生活圏と経済圏が分離してきたことに地球環境問題の根幹があるのではないか。

    となれば、もう一度、地域の産業化、そして、産業自身が同じ価値で動くようなコミュニティが要るのではないかと考えております。

    それを、例えば森林を利用した生活の環境モデルとすれば、今、戦後の増産で500年の森があるんですが、手が入っていません。あと20年放置すれば、非常に防災的にも危ないです。ここを、コミュニティを形成して、その多能職化、林業・農業・工業・商業というものをコミュニティ全体でやる、組織の多能職化をすれば、それの余剰を都市に送っていけば、非常にいいんじゃないか。

    それは見方を変えれば、コミュニティの産業化は投資の対象にして、好みの多い部分は産業のコミュニティ化として素材及び製品を流していく。

    その実験事例です。今、京都府の京丹後で、先ほどのバイオ施設を中心として、このような自治体と組んで、5ヘクタールの雑木林に牛を放して、先ほどのような牛乳をつくったりしております。

    無農薬でつくった米の稲わらがもったいないので、ストローベイルということで、外断熱を利用した住居もワークショップでつくったりしております。

    ここからはまとめですが、事業説明をしましたけれども、気づきと問題点ばかりで、成功事例というのがお伝えできていません。まだまだ我々は、成功事例を見つけながらトライ・アンド・エラーをするんですが、オイルショックの前夜から中小企業として立ち上げて、31年間継続しながら新興市場にも公開できたというものが、辛うじての失敗事例ではないということであるならば、私どもはやはり、今回、洞爺湖サミットで日本が座長を務める以上、工業の延長線上ではない、新しい基盤産業ですね。人と社会の生活のクォリティ、自然資本、人間関係資本が向上するようなもののための基盤産業であるというようなものをメッセージとして再構築してはいかがかというふうに、最後、意見としての希望を述べさせていただきます。

    御清聴ありがとうございました。

  • 石谷委員長

    どうもありがとうございました。

    これから意見交換を行いたいと思います。ただいま、お二方から現場での取り組みを御紹介いただきましたが、非常に示唆に富んだお話で、また、ある意味では共通部分もありましたが、ある部分では補完的な2つの方向というか、それぞれの方向があるということで、そういう意味で、非常に参考になったのではないかと思います。

    今後、本小委員会で戦略を検討するに当たりまして、どのような方向性で論ずるべきかという観点から、御質問や御意見、あるいは皆様それぞれの御経験等についても御紹介いただければと思います。

    大体、全体で45分、50分ぐらいを予定しておりますので、どうぞ御自由に、本日のところは御意見をいただきたい。ただ、余りお一方で長くなりますと回りませんので、途中で適当に区切って、1回の発言は余り長くないようにしていただければいいのではないかと思っております。

    どうぞ、御質問なり御意見なり、御遠慮なく自由に御発言いただきたいと思います。名札を立てていただきましたら、順次指名させていただきます。

    最初の質問はしにくいと思いますので、ちょっと私のほうから、浅賀委員から、非常におもしろいお話を伺って参考になるところが多かったのですが、時間の制約で、途中で失礼しましたが、製鉄業の中で、やはりこういう大きな資源回収といいますか、結局は間接的なエネルギー回収だと思いますけれども、こういったところを、例えば、必ずしも競合ではないですが、電力会社ですとか、そういったところとの役割分担ということは、大体どういうふうな方向でお考えになっていらっしゃいますか。ちょっと抽象的な質問ですが。

  • 浅賀委員

    本当は、ちょっと三村さんに聞きたいところですけれども、実態としては、製鉄所そのものは、既に自分で自家発をやったり、例えば君津製鐵所であると、東京電力さんと新日鐵で君津共同火力という、製鉄所の中に安定的に電気を供給する、それから、製鉄所の中から出てくるエネルギーもそれと一緒に利用するというようなことで、今までは、電力会社さんとは結構二人三脚、それから、LNGの導入等についても共同で交渉して分けっこするとか、ちょっととんちんかんかもしれませんけれども、将来 、済みません、余りイメージがわかなくて申しわけないんですけれども、むしろ、今日説明できなかったのは、製鉄会社はうちだけではなくて、皆さん、そういうことで、大量に電気を使う分、安い電気をどう調達するかということでずっと努力をしてきています。それで、私は工業ガスに行こうと思ったんですけれども、当時、アルゴンとか水素が非常に品不足、これは、やはり半導体のほうに非常にニーズがあるということですね。

    ですから、電力さんとも相談して、とにかく安い電気で真空ポンプを回せば、絶対、ガス事業は競争力を上げるということで、実は東京電力さんと組んでガス事業をやろうなんていうことを考えたことがあったんですけれども、いろいろな意味で共同歩調をとらせていただいているというのが実態だと思います。それで、今後とも、余りその関係は変わらないと思います。

  • 石谷委員長

    どうもありがとうございました。

    特に御質問が、今のところ思いつかないようでしたら、逆に私のほうから指名させていただきますが、細田先生は、いろいろと御意見あるいは御自身のお考えもあるかと思いますけれども、今のお二方の発言に関して、何か、特にコメントがありましたらお願いいたします。

  • 細田委員

    急に指名されて困ったんですが。

  • 石谷委員長

    後でもよろしいですけど。

  • 細田委員

    お二方のプレゼンテーションを伺っていて、1つ難しい点、あるいはそこがやはり、今我々の抱えている問題点だと思うんですけれども、熊野さんがおっしゃったように、私も、あるコミュニティ・ビジネスをあるところでニッチをとっていくというところまでは可能だと思うんですが、それをどこまで広めていくか。産業が連携するとか地域が連携する。つまり、インターフェースをつないでいって、どうやってその動きを広めていくかというところが、やはりいつも課題になって、あるところまではできるけれども、その先、成熟化した社会、熊野さんがおっしゃったような、次の大量生産でバンバン物質的に豊かになる社会ではなくて、それは基盤として、プラスアルファ豊かになる社会をどうやって広めていくか。ニッチはわかります。そこのところが、やはり難しさがあると思うんですけれども、お二方、その一歩先を行くポイントというのは、一体どういうところにあるのかというのを、バクッとしたことでいいので、お聞かせいただければなと思うんですが、いかがでございましょう。

  • 石谷委員長

    特に、これは熊野委員のお話のあたりが、非常に難しいところではないかと思うのですが、今の御質問に対して、何かございますでしょうか。

  • 熊野委員

    やはり私は、本当に時代が変わっているという認識に立っております。

    それで、今の御質問からすれば、前回の委員会のときにも言ったんですけれども、かつて20世紀、我々が育ったときには、テレビが欲しい、家が欲しい、車が欲しいという強いメッセージが長期に続くので先行投資も可能になった。すべて、そこで好循環をしてきたのが、今、そういう強いメッセージが非常に見えにくくなっている。

    しかしながら、やはり若い人ほど自然にコミットしたり、人のために何とかしたいというような社会ニーズはあるんだけれども、これははかなくて、いつも消えてしまう。このはかないニーズを、多分インフラとしては、ユビキタスのような情報を翻訳して、潜在的の市場を顕在的な市場として見える形とか、それから、販売の世界ではインターネットでサーチしてシェアしながら、自分の購買欲求を確認し、また認知しているというものが広がっている世界において、そのような潜在的なうたかたのものが、実は顕在化していくんだよ、また、それに参画すればするほど、より持続できるんだよというような情報生産インフラ及びそれを形にできるプロシューマーが実感できるような個別対応の地域でのかかわりというようなものの新しいインフラが存在すれば、そこから必要なものだけを送り込むという大きな流れが生まれるのではないかと思っております。

    また、そうしないと、今回掲げているようなCO2の削減というのは、恐ろしいイメージの転換を図らないと、なかなか難しいと思います。

    でも、気づきで、人々が教育で気づいて生活が変わるという難易度に比べれば、仕組みを変えたほうが、仕組みに乗っかって気づきが生まれるほうが、多分難易度は低いのだろう、それでも、というふうに考えております。

  • 石谷委員長

    どうもありがとうございました。今の件、非常に私も関心がありまして、ちょっと伺いたいこともあるんですが、その前に、上山委員の名札が立っておりますので、どうぞ御発言をお願いします。

  • 上山委員

    前回欠席をさせていただいたので、前回の課題と本日の課題、両方あわせて、少し意見を述べさせていただきたいと思います。

    ただいまのアミタの社長のプレゼンの中で、「期待しすぎるなグリーン購入」というショッキングな言葉がございましたけれども、確かに、環境がいいという価値だけが突出している商品というのは、なかなかお客様の支持を受けないことは事実ですが、小売の現場から行きますと、例えばフェアトレードという社会性という価値を明確に若い人たちに伝えることに成功すれば、これは、明らかに大変な支持を受けて急速に成長している商品群も現にありますので、課題としては、どのように見える化をつくるかということ、どのような形で情報発信するのかというのが、大変重要な課題ではないかなということを痛感しています。

    その観点で、2点、ちょっと意見を申し上げたいと思います。

    1つは、平成15年の環境立国宣言の中でも、「多様な人的ネットワークの構築」という課題を指摘されております。私どもは小売業ですから、消費者との関係において、ちょっと課題を提案したいのですが、消費者というのは、イコール行動する市民あるいは態度変容をしていく市民になっていくということが必要だと思いますし、一方で、企業とか、あるいは地方行政を含めて、これは、それぞれ経営体として、やはり3Rにあわせてみずからのビジネスプロセスをどんどん変えていくという必要性が非常にあると思うんですけれども、その意味で、1つの事例として、弊社は今、レジ袋の無料配布をやめることによる大幅なリデュースに挑戦をしております。去年の1月に京都の1店舗でスタートをし、大変な営業上のリスクがあると言われておったのですが、事実、少しはありましたけれども、しかし、消費者の支持を受けて、3カ月目から営業上のリスクはなくなり、大幅なレジ袋のリデュースが現実に具体的なものになった。

    現在は、今年の4月で既に内定しているものを入れますと、34都市で、イオンだけで62店舗、レジ袋の無料配布中止による大幅削減を既に行うことを決定しておりますし、大きな潮流になっていると思うのですが、その最大の成功の要因というのは、地方自治体と、それから、その自治体における約5~10の市民団体の方々と企業との、いわゆる本音のレベルの連携というものが現実に実現をしておりまして、これを地元のマスメディアが、かなり連続して報道してくれています。すなわち、4つのセクターから市民に対して、なぜレジ袋を大幅に削減するのかということが伝わり、そして市民は自らの行動変容を行い、マイバック、風呂敷を持って買い物をするのが、その地域では当たり前になっています。そして、それが単にレジ袋だけにとどまるのではなくて、体験した市民はほかの容器・包装廃棄物にも自ら態度変容し始めている。あるいは地方行政さんも、廃棄物の会計基準そのものを市民から見てわかるようにしようという方向でいくトップランナーの地方自治体が生まれてきたりして、これは、ある意味で3Rにあわせたビジネスプロセスの変更だと思うんですね。

    そういうものが生まれてきているという流れの中で、国の政策として、このことを広報するというレベルではなくて、もう少しワンランク上げた形で評価をし、そういうシステム構築をしていくことが国策として必要だということを、やはり強くうたっていくべき時期に来ていると思います。なぜならば、この数年間で消費者の皮膚感覚はものすごく変わっておりますから、このタイミングをとらえて、その意味を伝えていくべきだと。その意味は、先ほどアミタの社長がおっしゃったような思想的なものに私は通じると思っております。これが1点です。

    それからもう1つ、非常に実務的なことでございますが、いわゆるカーボンオフセットに関しても、非常に重要な政策テーマだと思っています。ただ、これは絶対、免罪符に使ってはいけないと思いますので、いろいろなところで実際にCO2を下げる努力をした上で、どうしても出るCO2をオフセットするという意味でのカーボンオフセット。それで去年の8月に、中間法人でカーボンオフセット・ジャパンが設立され、弊社も、そこには最初から参画をして、このシステムを大きく取り入れていこうと思っていますが、この場合の対象となるのは、いわゆるCERを対象としています。当然、国連認証というものは絶対必要でありますから、CERというものは、大変重要だと思っておりますが、私ども小売業としては、もう1つ、VERの自主的な排出削減量というものを日本の社会に取り入れる方向で政策を具現化していくべきだと思っております。

    すなわち、個人とか企業が自主的に省エネあるいはCO2の削減を行っていくことに、さらなる追加のインセンティブを政策として入れていただきたい。これをやるには、どうしても日本国政府の認証という機能が作用しませんと、VERはあり得ない話ですので、ぜひ、そういうことの仕組み化をしていただきたい。

    これは、実は小売業の現場で、市民のいろいろな形でのリレーションをしていますと、幾多の努力をされている市民集団は大変多くある。このパワーを、ベクトルを合わせて国策につなげていくということは、非常に重要なことだというふうに現場で痛感しておりますので、1つ、そのVERという手法を通じてでも評価をしてほしいということを意見として申し上げておきたいと思います。

    以上でございます。

  • 石谷委員長

    どうも、非常に示唆に富むお話をありがとうございました。

    ちょっとうっかりしておりましたが、今回初めて御出席の委員の方――前回は、ほぼ全員の方に、今のようにいろいろお話を伺ったのですが、今、上山委員からお話を伺いましたが、今回初めて御出席の阿部委員、逢見委員、桑島委員、嶋津委員、中村委員、もし何か、いろいろ御意見がございましたら、今のお二方の話とは、必ずしも関係しなくても、どうぞ順番にお願いいたします。

    それでは、阿部委員からどうぞ。

  • 阿部委員

    私も前回欠席しておりまして、ちょっと意見を申し上げたいと思いますのは、やはり今のGHGの地球のアンバランスを考えますと、かなり先進的な技術を入れていかないと、なかなか根本的な解決にはならないだろうというふうに思っておりまして、そういう意味では、例えば非常に革新的な省エネ、先ほどもエネルギーの原単位削減のお話がございましたけれども、革新的な省エネであるとか、あるいはニューエナジーとか、そういうところにかなり金を入れていかないとだめだろう、開発に。

    それで、たまたまこの間欠席させていただいたときに、私は、我々のシリコンバレーの研究拠点に行っていたんですけれども、最近のシリコンバレーは、かなり環境関連のベンチャーがふえてきていて、今、大体40億ドルぐらいのベンチャーキャピタルから金が入っているということで、いまやシリコンバレーじゃなくて、ソーラーバレーになっているというような中で既に経産省はかなり、NEDOさんも含めておやりになっていると思うんですけれども、やはり日本の大企業、ベンチャーを問わず、そういう革新技術を持っているところに対しては、たとえ市場が日本国の中にそんなに大きくなくても、やはり今までのナショプロは、最近はそうでもないとおっしゃるんですけれども、日本国の中に市場があるものにナショプロが優先的に回っていたということもありますので、ぜひ、本当にそういう革新技術で、世界に目に見える貢献ができるような技術を持っておられるところには、そういう国の支援が必要なのではないか。

    我々の東レのカーボンファイバーも、最近、飛行機を軽くして、燃費をよくすると環境で取り上げられておりますけれども、これは我々が研究を開始したのは1961年でございまして、初めて生産化ができたのが、これは世界で初めて生産化したわけですが、1971年ということで、10年間は全くリターンがない。その間に、今の国の支援を非常にいただきまして現在に至っているということから考えましても、やはりそういう政策、国家施策が、今も十分強力にやられておられると思うんですけれども、さらに環境に関して必要なんじゃないかというふうに考えております。

  • 石谷委員長

    どうもありがとうございました。私も、今おっしゃったような方向というのは、先ほど浅賀委員がおっしゃった、それこそ筋のいいというか、長期にわたって絶対必要な技術であって、今押せば行くかもしれない。特に日本の技術が先行しているというような、非常にいいタイミングですので、この辺は、この委員会が適当かどうかはわからないんですけれども、ぜひ、そういう要素も入れた報告書にしたいと思っております。

    それでは、桑島委員どうぞ。

  • 桑島委員

    商店街の桑島でございます。

    商店街が、この環境問題にどう対応するかということですけれども、今、イオンの上山さんがおっしゃいましたけれども、やはりレジ袋の問題、これは、かなり関心は高くなってきました。ですが、組織的な商業者の方々と違いまして、なかなかまとまりが悪いものでございますから、今おっしゃいましたように、例えば私の隣の杉並区では、行政のほうでかなりしっかり条例をつくってやっております。それに対応して、やはりそういうところでは、比較的進んでおりますが、今私がおります世田谷の商店街でやっていることを、ちょっと御報告申し上げたいと思います。

    中小企業庁と中小企業基盤整備機構と一緒になりまして「コミュニティポイント」というものを今やっておりまして、そのコミュニティポイントを持っている方々が2万3000人ほどいらっしゃるのですが、もちろん、買い物をしていただきますとポイントを差し上げてまいります。そのポイントによって、買い物ができ、預金ができ、各種イベントに参加できるということと同時に、例えばレジ袋が要らない、自分でマイバックを持ってくるという方には、それぞれの店が、その店の状況によって、最寄品だったら1ポイント、あるいは買回り品だったら5ポイント、10ポイントを差し上げるから、できるだけマイバックで買い物に来てほしいというようなことだとか、商店街の中に2基ほどペットボトルの回収器を、ノルウェーから、環境省の御支援もいただきながら輸入しまして、ペットボトルを4本入れると1ポイントがつく。そうすると、子供たちが町じゅうからペットボトルを拾いまして入れるんですね。それで、子供たちがこのカードを持って回収に回る。ですから、ペットボトルが1本も落ちていないということで、1日、大体2500本ぐらい回収しているようでございます。

    それから、パソコン等のカートリッジの使えなくなったものを事務所へ持ってきてもらいますと5ポイントを差し上げるというようなこともやっておりますし、さらに「チーム・マイナス6」という話がございましたけれども、そういうことに参加している会員証を持ってきた人にはポイントをあげようということを安倍内閣のときに話がございまして、やろうという矢先に安倍さんがやめてしまいましたので、これからそれをどうやっていくか。結構これは行けるのではないかと思っております。

    また、そのコミュニティポイントの中で、最近、商店街というのは、ある意味で公共的な役割を担わなければいけないということで、商店街の中に「よろず相談所」というものをつくりまして、よろず相談に来ていただいた方には5ポイントあげる。相談料をもらうのではなくて差し上げる。よくぞ商店街を頼ってくれたというような人に、そのコミュニティポイントを差し上げていく。

    このポイントすべてが、買い物ポイントと一緒になってしまいますが、履歴が別に残りますので、その履歴が残った結果、1万ポイントに達した人 、1万ポイントというのは、恐らく4~5年かかると思います。今、1年半たちまして、町の清掃をやってくれる方に175ポイント差し上げているんですが、普通は3ポイントとか5ポイントですから、なかなかポイントというのは大変なんですが、1万ポイントがたまった人には「世田谷区長表彰」という形にいたしました。行政から表彰を受けると、一生懸命さらに地域社会のことを担おう、また自分がしていることに誇りを持つ、また町を愛する気持ちができるだろうということで、大変これは関心が高くなってまいりました。

    そういう方々が、バリアフリーをしようとか、あるいはユニバーサルデザインをしようとか、NPOをみずからつくったり、いろいろと地域のコミュニティ再生のためにチームができてきたというきっかけになっております。

    また、今はオリンピックを目指して、東京では商店街を含めた街路樹を、47万本今あるんですが、100万本にしようとか、あるいは校庭をすべて芝生化するとか、いろいろと行政が積極的にやっておりますし、私たちも、できるだけ協力のできることはして、やはり環境をしっかりと重視した商店街運営をしていきたいと思っております。

  • 石谷委員長

    どうもありがとうございました。

    それでは、逢見委員どうぞ。

  • 逢見委員

    連合の逢見です。前回欠席をいたしまして、今回から初めて参加するんですが、環境ビジネスについては全く素人でございまして、今日のプレゼンも大変、そういう意味で新鮮な形でお話を伺わせていただきました。

    幾つか感想めいたことを申し上げたいと思いますが、熊野委員の最後のプレゼンで、「東洋的哲学をベースにした環境を超えるメッセージを世界に」という、大変共感するところがありまして、アメリカはこうやっている、あるいはヨーロッパこうやっているといういろいろな情報があって、そういうものをもちろん参考にしながら、我々がどうするかということを考えていかなければいけないと思いますが、もう1つは、やはり日本だからこそ発信できる、あるいは日本国民にとって受け入れられやすい環境モデルといいますか、そういうものがあるのではないか。それは、例えばもったいないという思想とか、あるいは東洋哲学で言うと輪廻とか循環という、土から生まれて土に返るという思想は受け入れられやすいわけで、そういうものと環境なりリサイクルとをつなげていけば、東洋的哲学に根差した環境をとらえる考え方というものが発信できるのではないか。そういうものは、やはり国民にとっても受け入れられやすい。

    先ほど、上山委員がレジ袋の削減のことを言われましたけれども、連合でも、今マイバックで買い物をしようと。女性は、かなりそういう部分は普及していますけれども、男性も、例えば帰りにコンビニに寄って、何か雑誌を買ったり、缶ビールを買うというときに、それも、ちゃんとバックを持って、いつもカバンの中にバックを入れて、そこで買い物のときにそれを使っていこうということを提唱しましたところ、これは、割とすんなり受け入れてもらっていまして、かなり広まっています。

    そういう意味で、そういう受け入れやすい部分というものは、時代の変化とともに意識も大分変わってきているというのもありますが、そういうものをうまく生かして、3Rというものを進めていくという点で言うと、やはりそういうことを発信するということ、特に政府レベルでそういうものが発信できるということは意味があるのではないかと思っています。

    それからもう1点、今、国際労働運動の世界では「グリーンジョブ」という考え方がございまして、これを、今年のサミットに向けた労働組合側からのメッセージとしても発信したいと思っているのですが、このグリーンジョブというのは、1つは、今ある仕事の中で、それがグリーン化ということをもっとできないか。自分の仕事とグリーン化ということをつなげて考えてみようということが1つ。

    それからもう1つは、熊野委員の報告にも、環境ビジネスが将来、雇用創出にもなるというのがありましたけれども、そういうグリーンな雇用ということが、環境ビジネスも含めてグリーン化に貢献できる雇用というものが新たに創出できる可能性があるのではないか。そういうものをもっと広めていこう、あるいはそういうものをそれぞれの国で創出していこうということ。

    それからもう1つは、環境規制が厳しい国から緩やかな国に生産基盤が移転することによって、雇用そのものが非グリーン化の方向へ向かっていく。これは、やはり阻止しなければいけないということで、そういうものがあるとすると、それを規制するルールというのが必要なのではないかということを提起しておりまして、こういう雇用とグリーン化ということをつなげて考えてみることによって、この問題を労働レベルで環境問題を考えていくということを、今、共通の認識としてやろうということをしております。これは、情報ということでお話をさせていただきました。

    ありがとうございました。

  • 石谷委員長

    どうもありがとうございました。

    それでは、嶋津委員、メディアの立場から、ぜひ一言お願いします。

  • 嶋津委員

    前回、欠席いたしまして失礼いたしました。

    私も地球温暖化問題を考えていると、非常に袋小路というか、自分の中で、本当にどうしていったらいいのかわからない部分があるんですけれども、世の中のいろいろな議論を見ていますと、1つは技術的なブレークスルーみたいなものに非常に強い期待をかける考え方があって、例えば二酸化炭素の地中への埋設とか、あるいは数年前には燃料電池ブームみたいなものがすごくあったんですけれども、そういう技術、ハイテクみたいなものに非常に強い期待をかける考え方と、それから、市民団体や何かの中にあるライフスタイルを変えるという、我々の生き方が、ちょっと間違っているんじゃないのというような、そっちのほうから議論を進める考え方と2つ底流があるような気がするんです。

    それで、今日、たまたまプレゼンテーションを聞かせていただいて、1つは新日鐵という巨大企業の中にいろいろ蓄積されている潜在的な技術が地球温暖化対策に役立っていく、そういうポテンシャリティを秘めているというお話を伺って、大変興味深かったんですけど。

    それから熊野さんのお話、大変申しわけないんですけれども、私、熊野さんの会社の存在を全然知りませんで、今日お話をお伺いして、ああ、こういう会社があるのかという気がいたしたのですが、産業レベルでも、言ってみれば、一般の方たちのライフスタイルみたいなものを変えていくという、そっちのほうと接点を持っていろいろお仕事をやっていく。その中からビジネス機会を生み出していくという、さっき委員長が、何か相互補完的な関係にあるのではないかというお話をされましたけれども、私も、お話を伺っていてそういう印象を持ちました。

    今お伺いしたものをまとめて、どういう政策みたいなものができ上がるのか、なかなか私には想像がつかないんですけれども、何か、そういう相互の2つのライフスタイル、今も商店街の方からいろいろなお話が出ていましたが、そういうものと産業みたいなものが対話するというのでしょうか、そういう中から方向性が何か見えてくればいいなというふうに、漠然とした感想ですけれども、今日聞かせていただいて印象を持ちました。

  • 石谷委員長

    どうもありがとうございます。私がまとめるべきことを上手にまとめていただいたようで感謝いたしますが、メディアにも、ぜひ頑張っていただきたいと思います。

    それともう1つ、こちら側に座っております2名ほどが関係しておりますが、燃料電池は今、懸命に進めておりますので、まだまだ。

  • 嶋津委員

    失礼いたしました。

  • 石谷委員長

    非常に長期の技術であって、先ほどおっしゃられた、やはりこれは大事な筋のいいものである。それは、もちろん技術ですから、実現するまでには相当時間がかかる。しかし、やはりそういうものは絶対に続けなければいけないという信念のもとに、国ができることを最大限努力しているということでございますので、いったん、バブルで華やかに上がったものが、また消えたように見えても、これはステディに続けていくということで、この辺は、ぜひ御理解いただきたいと思います。

  • 嶋津委員

    そこはマスコミの反省で、何か、非常にある事象に飛びついてワーッとやると、その後、すぐに忘れ去っていくというのがマスコミの常なものですから、反省も含めて。

  • 石谷委員長

    それは次から次へ出てきますので、ちょっとこれは筋の違う話で失礼いたしました。

    それでは、中村委員は万博の立場もいろいろおありかと思いますが、どちらの立場でも、ぜひお願いいたします。

  • 中村委員

    日本商工会議所の中村でございます。

    まず、私ども日本商工会議所でも、この環境問題について真剣に取り組まなければいけないということで、今、うちに環境委員会というものがありまして、そこで、特に中小企業がどう取り組むかということを一生懸命検討しています。

    そういう観点から、今の浅賀さんの話はいろいろ参考になりまして、先ほどのお話のように、方向性が明確で、要素技術を全部、ある程度分解して理解されている方は、もちろんいいわけですけれども、中小企業の場合は、そういうことはなかなかできない。したがって、突然気づいて何かするということは非常にあるわけですけれども、そういう要素技術、自分の持っている技術は何かということをちゃんと認識する、あるいは社会的ニーズにどう対応できるか。社会的ニーズもなかなか、はっきりしている場合はいいんですけれども、はっきりしていない場合があったりしますので、その辺をどう結びつけていくのかなというのが1つの我々の課題ということです。

    それからもう1つは、これは万博のときにもいろいろ、新しいごみの分別で17年に分類するとか、これは、別に資源のためにやったのではなくて、環境のためにやったのではなくて、テロ対策で、ごみの袋は全部透明にしたんですよ、ごみ箱を。そうすると、例えばごみ箱について別のものを入れないとか、そういう効果がありまして、今、JRなんかも、ごみの袋は全部透明になっていますね。ごみの袋というか、ごみ箱が全部透明になっているとか、そういう付随効果もありましたけれども、やはり社会の意識とか、社会のシステムを何か変えるということによって、技術が急に普及するとか、こういう技術が必要だというようなものもかなりあると思うんですね。そういうものに気づいて、むしろこういうところでもどんどん発信して促すということは必要ではないかと思いました。

    それからもう1つは、我々も今、結構地方を回って、地域づくり、まちづくりというのをやっているんですけれども、そういうところでも一番問題になるのが、やはりビジョンといいますか、町をどうしていくか。一応、物の考え方は随分変わってしまいまして、コンパクトシティということで、昔のスプロール化に対してコンパクトシティということで、単に商店街ということではなくて、少子高齢化も踏まえてコンパクトシティという方向に来ているわけですけれども、なかなか利害が対立していたりしてビジョンの共有ができない。

    しかし、やはりビジョンを共有しているところほど、非常にスムーズに進んでいる、思い切ったことができている。この間も高松に行きましたら、今、丸ビルなんかでも、イオンさんも多分そうだと思いますけれども、入っているテナントを結構入れかえていくわけですけれども、商店街でも入れかえをしている。入れかえを強制的にやるわけですね。強制的にやるということは、私はお金を払っても、儲からなくてもいいからやらしてくださいと言っても、やめてくださいと。ニーズに合ったものを売らなければいけないから、そういうふうに入れかえてくださいということについてまで同意ができたという商店街もあるわけでして、やはりそういうビジョンの共有といいますか、そういうことによって、この環境問題も非常に利害が対立すると思いますので、そういうことは可能になるし、特におっしゃった総合性ですか、林業は林業の立場で、農業は農業の立場で、環境は環境の立場で、昔は私も県の部長をしていましたけれども、当時から材木の話は大変な問題になっていまして、もう20年ぐらい前ですが、やはりスギを植えて、それでスギの値段が下がったら、だれも除・間伐しないため荒れちゃっているというようなことになっているわけですから、林業か環境かで、やはり総合性を持ってやるということは、すべての施策について必要だなと。そういう観点の必要性というか、やり方というのも、なかなか難しいんでしょうけれども、こういう場から発信していただければなと思いました。

    最後に、余談ですけれども、ワンガリ・マータイさんに会いましたら、最初、植林は、やはり外来種で植えたと言うんですね。外来種は成長が早いのでよかったんですけれども、すぐに、やはりいろいろな問題が出てきたので、現在は原生林を植えている。原生林というのは、山へ行って拾ってきて、苗を育てて、田舎ですからそういうことをやっているわけですけれども、やはりそういうような、途中で気づいて、目的をどんどんそのときに応じて変えながらやっておられるということで、常に柔軟にやる必要があるかなと思います。

  • 石谷委員長

    どうもありがとうございました。

    それでは、先ほど、ちょっと中断してしまって申しわけなかったんですが、中島委員と西尾委員の札が立っていましたので、もしよろしかったらお一言ずつどうぞ。

  • 中島委員

    当社は資源のリサイクルの会社でして、金属系の資源のリサイクルの会社です。

    今回、「環境」という単語をキーワードにしてビジネスを展開したというお話だったんですけれども、私どもは2001年から環境報告書を発行しまして、2年前からCSR報告書に書いております。要は、環境という単語をキーワードに、そういった資源ビジネスというものを切り込めないか、そういう取り込みのもとに環境報告書を発行したり、会社の透明性を図るということを試みてきました。

    それで、現在どうなっているかといいますと、とりわけ金属が高騰しましたので、金属というのは、経済原則が環境を凌駕しています。要は、高く売れるという方向にすべて流れますので、廃棄物はほとんどございません。すべて有価物として取り扱われて、廃掃法が適用されないような状況で海外に輸出される、これが現状であります。

    それで、私どもが考えていました「環境」という単語を理念に掲げまして、弊社の考え方は「環境貢献をする、これが会社の理念だ」と、そう言い続けておりますけれども、これが今、成り立たないような状況になっています。かといって、理念を会社が変えるわけにもいきませんので、これをやり続ける、そういうことで社員の人には言っております。

    ちなみに、今の若い社員は環境ビジネスがやりたい、環境貢献がしたいということで会社に就職してまいります。ですから、彼らの期待を裏切ることは全くできません。

    また、そんな中で、どういうふうにビジネスを広げていくかといいますと、先ほど言われましたけれども、インとアウトが変化するのであれば、その変化に応じた対応をするしかないということで、廃棄物処理業が考え方としてはメインなんですが、今は金属の購入をかなりやっております。それで当然、売却益が出ますので、会社としては業績は上がっておりますけれども、当初の考え方とはビジネスの形態が多少ずれてきています。

    そこで、私が考えていましたのはレアメタル、レアアース、こちらもやっておりましたが、手をかけ過ぎても、またコストが合わないものですから、どの程度なのかと。また、レアメタルは、確かに精練業ですね。精練の工場でかなり抽出できますけれども、レアアースというのは事前にとらないと全くだめになってしまいますし、ほかの非鉄と溶接してしまいますととれるものではありません。ですから、そういったことに対する技術といいますか、開発が必要であるということで、今取り組んでおりますが、当初、私どもが考えている中で、金属にかかわる問題であれば何でもやるということでやっておりまして、また、その過程において廃棄物にかかわるものですから、コンプライアンスを最重要視した。それでずっとやっていったんですが、やはり現在、廃棄物というカテゴリーの中では、1社の力では、なかなかその業績を上げることは難しい状況です。

    例えば、昨日、私どもの工場は東京スーパーエコタウンの中にありまして、エコタウンの理事会がありました。その中で、エコセンターをつくってはどうだと。要するに、1社の力では限界がある。仮に営業力でもそうですが、ビル1棟を資源化するためには、そこにレストランが入っていたり、それから事務所もあります。ですから、建廃の会社さん、食べ物の残渣の処理の会社さん、それから私どものような金属系の会社、こういったものが横の連帯を持つことによって強い営業力となるであろう。

    また、このエコタウンの中ではマテリアルフローもつくってありまして、クローズドで、できる限りリサイクルしていく。要は、地域で処理をしていきますので環境負荷も低減できる。それから、LCA的な考え方もできますのでCO2の削減にもつながる。また、大規模な電力消費のリサイクル工場は、やはり電力を削減しろということで、そういった取り組みもしています。ですから、縦の考え方ではなくて、やはり地域における横のつながり、それから、前回申しましたが、仮にエコタウン同士のつながりがあって、そこでさまざまな資源が、モーダルシフトを使ったりして運用すれば、国全体のエネルギーとか資源の削減にもなるだろうというふうに考えます。

    ただ、繰り返しますけれども、金属もしくは資源ですね。紙でもそうですし、プラスチックでもそうですが、環境という単語と経済の状況というのは、今逆転しております。

    以上です。

  • 石谷委員長

    どうもありがとうございました。

    それでは、西尾委員、何か御発言でしょうか。

  • 西尾委員

    私は、意見ということではなくて、先ほどの熊野委員のプレゼンテーションの単なる質問をしたかっただけなので、今は何か、そういう雰囲気ではなくなってしまったので、時間がということであれば、個別に後で熊野委員に質問させていただければとも思いますので。

  • 石谷委員長

    まだ時間がございますので。

    本日までは、いわばフリートーキングということですので。

  • 西尾委員

    実は、熊野委員のプレゼンテーション資料の22ページ目のところに、これからは、工業化社会を迎えて循環型社会の中で、2つのキーワードでコミュニティの産業化と産業のコミュニティ化という非常に魅力的な、ある意味、これから必要な方向性が示されていて、コミュニティの産業化については具体的に事例をお示しくださって、どんなものかというのがわかったんですが、産業のコミュニティ化のほうなんですけれども、これについて、実はもうちょっとお伺いしたいなと思ったんですね。

    というのは、先ほど来の委員の御意見の中から、恐らくエコタウンであるとか、あるいは商店街といった、もう少し地域密着型のというようなところで、そういうことを産業のコミュニティ化とおっしゃっているのか、それとも、いわゆるCSRの一環とか、リスクマネジメントの一環として、今多くの企業はいろいろなこと、コミュニティとの共生というようなことにも取り組みをしているわけですけれども、その辺は、恐らくビジネスモデルが全く違うわけで、熊野委員がおっしゃっている産業のコミュニティ化というのは、どういうことをおっしゃっているのかなというのを、できれば事例も含めて御紹介いただきたいなと思ったんですね。

    なぜかというと、「効率から確率へ」と書かれていたりですとか、「価値観」というふうに書かれているところに「快適さ(価値観)」と書かれていて、その価値観の共有が必要になるという、ちょっとそこがよくわからなくて 、と思ったんですが、多分時間がないので、個別に後で私が伺うだけでも構わないかなと思っておりますが。

  • 石谷委員長

    ごく簡単に、ちょっと御説明いただけますか。

  • 熊野委員

    これを簡単に言うというのは、非常に難易度が高いんですが、今から10年後の人口構成というのは、60歳から80歳が約4分の1。約ですよ。それで、40~60が4分の1、20~40が4分の1と言われています。円筒形みたいなものですね。それで、BtoBとかBtoCという従来型の概念よりも、私はピア・ツー・ピア(peer to peer)というような、同じような価値観で、川下から川上がサプライチェーンに行くようなイメージを持っています。

    なぜなら、60~80という方も、ビートルズやベンチャーズで若いときには走り回った方なんですね。そういう意味においては、どういうふうにピア・ツー・ピアのサプライチェーンをつくるかというところがポイントになっています。そういう広い意味において、今、先生がおっしゃったCSRとかリスクマネジメントというものは、もちろん、その価値観の中には入ると思うのですが、それ以上にさっきの大きなポイント、今日のテーマでも、循環というのは関係性の可視化だと僕は思うんですね。森と都市が牛乳ということで、非常に関係性を可視化できたみたいな例も含めて、可視化をするという共通価値に参画をしている。お金を払って参画するのか、労働で参画するのか、ビジネスで参画するのか、生活で参画するのかというようないろいろな形があっても、そこにコンサーンからコミットに入っていくというような部分が必要かなと。

    それで、ここで書いております「効率から確率へ」というテーマは、今までは、物がないときには機会損失をどうなくすのだということで、次から次へ物をつくっていって、まだ使えるのに、もう使わないでいいでしょうというような市場のつくり方をしていったために、非常に無駄も多い。それで、潜在的な生活のバリューというものは、実は薄々気がついているけれども、具体的に何が欲しいかというのはなかなか言えないゾーンですね。こういう潜在的な市場というのは、むしろ機会損失よりも関係損失をなくすような営業手法に変わっていかなければいかんと私は思っています。

    そういう関係損失を、つまり1回買ったら2回目も買いたくなるという意味ですけれども、そういう意味が共感を技術に変えるというようなことが、ここに書いてある「効率から確率」へという言い方に変えているわけです。非常にわかりにくい説明になってしまいましたけれども、済みません。

  • 石谷委員長

    ちょっと私の理解している確率と多少違うものですから、今の御説明でよろしいでしょうか。

    時間がほとんど終わっておりますが、辰巳委員と笹乃内委員の札が立っていますので、ごく簡単な御質問でしたら、お二方から一言ずつ。

  • 辰巳委員

    お先に済みません。

    ちょっとさっきの鉄の流れの中を見ていて、これからの長い将来を考えたときに、環境というものは、やはり持続可能性というのは全くのキーワードでして、インのところで原料炭やら鉄鉱石の石灰石というあたりの先がわからないというのが非常に気になっております。やはり日本というのは、資源や原料のほとんどを海外から輸入しておりますので、それをどのようにもとに戻すのかというところの考え方が、何か、ちょっと抜けているのかなと。それは、持続可能性という言葉で、何か補える方法があるのかどうか。

    今、消費者に非常に関心が高いFSCやMSC、先ほど御説明がありましたフェアトレードなんかの、そういう認証に関心が集まっているのも、今申し上げたようなことなので、まだまだ資源、例えば金属なんかに関しても、リサイクルのところというのは、どうしても目立ちますし、かなり動いてきておりますのでいいんですけれども、やはりその上流のところが、なかなかまだ欠けているところかなと思っております。だから、そこを見えるようにしてくださると、先ほどから、何度も見える化とか可視化という単語が出てきているんですけれども、それが私たちにとっては、やはり安心という単語につながるのではないか。

    これからのキーワードに、先ほどのアミタさんの中にもあったんですけれども、言葉は違ったんですが、私は、やはり安全・安心という言葉も、この環境の中に一緒に取り込まれていかなければいけない。だから、私たちが資源を無駄遣いすることによって、やはり地球が持続可能にならないということは、イコール安心できない社会だというとらえ方もできますので。だから、そんな視点がもうちょっと入るといいなというふうに思ったので、済みません。

  • 石谷委員長

    どうもありがとうございました。鉄のリサイクルは、恐らく会社が違うので、ここから除かれたのではないかと思いますが、また、その辺につきましては、改めてお話を伺いたいと思います。

    それでは、笹之内委員、最後にどうぞ。

  • 笹之内委員

    大変おもしろい議論を聞かせていただきましたけれども、前回、私は一つ重要だと思ったのは、環境立国という意味では、グローバリゼーションに日本が、この環境問題で、特に環境産業政策としてどうするかというのが重要ということで、議事録にも書いていただきまして、非常によかったと思います。

    今回は、やはり先ほど細田先生が問題提起されたニッチ、これをどうするかということですね。ニッチをメジャーにしていくのか、それとも、ニッチをいっぱいつくってやるとか。それで後者の場合ですと、やはり私はコミュニティと、先ほど御説明があったように、割と規模の小さい会社の役割というのは、非常に多いと思うんですね。

    もう1つは、ニッチからそれをメジャーにするというときに、一番簡単なのは、やはり環境規制ですね。これは、私どもで言えば排ガス規制がいい例で、あれによって三元触媒、O2センサーというのがまたたく間に、そのビジネスはものすごいものになって、さらに、そのときは自国の産業に余り痛手を 、あのときは痛手を負ったかもしれませんけれども、痛手を負わなくて、国際的に先を読んでやっていくというようなことでやっていくというのが、非常に産業政策としては正しい。

    もう1つは、今度は我々なんですけれども、うちでも車をニッチからマスに変えていく。それで利益を上げていくわけですが、そうすると、ニッチがマスになったら、また次のニッチを考えなければいかんという、このつらさというのはものすごくあるわけでして、ここのニッチに、政策的に何か貢献できる話があるかどうか。でも、そんなことは企業の競争の中でやるのかというのを、やはり議論する必要があるのではないかと思っています。

    1つの例が、いまや車では当たり前だったWOHCというエンジンがあるわけですけれども、こんなものは、20年、30年前は、極めて一部のすき者が乗っていた車が、いつの間にか、すべての車がそうなっちゃった。そうすると、我々は一部のマニアが乗る車を、また別の方法で獲得しなければいけない。だから、そういうようなニッチは、常にニッチを出していかなければいかんという、ここのところをよく考える必要があると思います。

  • 石谷委員長

    環境のニッチは、多分WOHCとは違うとは思いますが、ハイブリッドか何かに全部なればというのも一つの考え方だと思います。

    その点は非常に重要なところでして、特に、前に松橋さんもちょっとおっしゃったように、ニッチに近いような先端技術が、いつ、本当にニッチじゃなくてメジャーになるかといったあたりのタイミングとか、あるいは何を選ぶかといったあたりも、できたら触れておきたいと思っていますので、また、そのときにはよろしくお願いいたします。

    それでは、ちょっと不手際で時間が過ぎてしまいましたが、時間も参りましたので、本日の審議はここまでにいたしたいと思います。

    本日いただいた委員の御意見を踏まえ、引き続き議論を進めていきたいと思います。今まではフリーにお話いただきましたが、これから少しまとめる方向で進めていきたいと思います。

    また、さらに御意見等ございましたら、事務局あてに自由に電子メールでお送りいただければと思っております。

2)今後の検討スケジュールと本日の資料の公開について

  • 石谷委員長

    最後に、資料5の今後の検討スケジュールと本日の資料の公開について、事務局より説明をお願いいたします。

  • 君塚環境調和産業推進室長

    資料5の1枚紙をごらんいただきますと、第3回以降でございますけれども、3月25日ということで予定してございまして、ここでもまた委員の方から、あるいは場合によっては委員以外の方から、プレゼンといいますか、事例紹介などをしていただいて、また議論していただければと思っております。次回は、見える化なども中心に置きながら、テーマを絞って検討していただければと思っております。

    それから、第4回以降は、まだスケジュールは未定でございますけれども、当初の予定より1回ほど増やさせていただいておりますが、第4回は4月中旬ごろ、このときに新戦略案の検討という方向性を御議論いただいて、第5回という形で5月中旬、これも、まだスケジュールは未定でございますけれども、パブリックコメント前の取りまとめをしていただくというような段取りで進めさせていただければと思っております。それから、5月下旬から6月中旬にパブコメにかけて、最終を6月の下旬ぐらいに開催させていただいて、新戦略を取りまとめていただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

    それから、今日の小委員会の公開でございますけれども、第1回の小委員会で御承諾いただきましたとおり進めさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

  • 石谷委員長

    何か、だんだん委員会が予定より多くなっているようで、ちょっとインチキなところもありますが、よろしくお願いいたします。

閉会

  • 石谷委員長

    本日は、御多忙のところを長時間にわたり熱心に御議論いただき、誠にありがとうございました。

    本日は、これにて閉会にさせていただきます。

    どうもありがとうございました。

―了―

 
 
最終更新日:2008年4月17日
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