経済産業省
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産業構造審議会環境部会産業と環境小委員会(第5回)-議事録

日時:平成20年6月2日(月曜日)
場所:経済産業省本館17階第1~3共用会議室

議事概要

  • 君塚環境調和産業推進室長
    定刻になりましたので、これより産業構造審議会環境部会第5回産業と環境小委員会を開催いたします。
    まだ委員の方で来られてない方がいらっしゃいますけれども、始めさせていただきたいと思います。
    本日は、お忙しい中ご参集いただきまして、まことにありがとうございます。
    本日は、熊野委員、桑島委員、瀬古委員、萩原委員、平岡委員、松井委員、松橋委員からご欠席される旨の連絡をいただいており、熊野委員の代理の内藤様が、後ほどご出席のご予定でございます。
    では、これから先は、石谷委員長に進行をお願いいたします。
  • 石谷委員長
    それでは、よろしくお願いいたします。きょうからクールビズが始まっていたそうですが、すっかり忘れておりまして失礼いたしました。
    それでは、まず事務局から、配付資料の確認をお願いいたします。
  • 君塚環境調和産業推進室長
    配付資料ですが、資料1から資料5になってございます。「委員名簿」、「環境を『力』にするビジネス」成長戦略当面実施すべき措置及び今後の推進方策(案)」、資料2がパワーポイントで、資料3がワードの資料ということになっております。資料4がベストプラクティス集(試案)ということで、パワーポイントの資料がございます。資料5は、参考資料ということでやや大部のものをお配りしております。それから参考資料として、前回の4月16日の第4回小委員会の議事要旨をお配りしています。それから、席上には議事録本体を配付しております。
    ご発言の際ですが、いつものとおり、ネームプレートを立てていただきますと委員長からご指名がございますので、指名を受けました委員の方から、きょうはワイヤレスでございますのでマイクをおもちいたしますので、それをご使用いただきますようにお願いいたします。終了後、またマイクを受け取らせていただきますので、よろしくお願いします。
    以上です。
  • 石谷委員長
    どうもありがとうございました。
    それでは、審議に入らせていただきます。
    これまで本小委員会では、委員の皆様からさまざまなご意見をいただいてまいりましたが、これまでの審議内容を整理するとともに、今後の進め方について、当面実施すべき措置及び今後の推進方策の(案)を事務局のほうで作成しております。まずその説明をいただき、その後、委員からご意見をいただきたいと存じます。よろしくお願いします。
  • 君塚環境調和産業推進室長
    それでは、まず資料2のほうをご説明させていただきます。
    パワーポイントのA4横の資料でございますけれども、1ページからごらんいただきますと、前回の小委員会で「環境を『力』にするビジネス」の成長戦略をお示ししましたけれども、委員の方から、各検討項目を個別にもう少し掘り下げるべきではないかというご指摘もございましたので、当初は6月に中間報告という形で皆様に申し上げていたところでございますけれども、少しそれぞれ掘り下げてまた検討する体制にしたいということで、この1ページ目にございますとおり、今までの議論でございますと事業実施と金融機関・投資家との関係、消費者との関係、地域・アジアということになっておりますけれども、各個別に整理すると大体この8つの四角の分野ということでございまして、この8つの項目に分けまして、当面実施すべき措置について個別に検討を進めたいと思っております。
    小委員会に対しては、秋に経過報告をさせていただいて、またご意見をいただいて審議を進めて、来年の春にまた成果報告をさせていただいて、その後、小委員会でそれを踏まえた形で、またこれまでの小委員会の委員の皆様からのご議論を踏まえまして、中間報告ということで来年の春にとりまとめるという形で、また、いろいろな変化もございますので、随時フォローアップをさせていただいて改定を行う、そういうような体制にしたいと思っております。本日は、そういう意味で今までの小委員会での議論をまとめる形で、当面実施すべき措置と今後の推進方策という形で提言をさせていただいて、本日、小委員会の皆様からご議論をいただいた後にプレス発表の段取りをしたいというぐあいに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
    それでは、個別にこの8つの四角について、どういった方向かということでご議論いただければと思っておりますが、2ページ以降でございます。当面実施すべき措置ということで1から8ということで書いてございまして、それぞれ枝葉の部分もあったりするのですが、全体では8つの項目という形でまとめてございます。最初の2ページが「消費者への見える化」という観点からカーボンフットプリントということで、これも前回お示ししてご議論をいただいたのですけれども、わかりやすく具体的な環境情報を表示するラベルが必要である、あるいは店頭での説明といった、消費者側の環境情報の提供ニーズがあるという中で、カーボンフットプリントというのは炭素の足跡というのですけれども、CO2の排出量を測定して商品を表示する方法として、現在、イギリスのほうで試行的に取り組まれているものでございまして、またISO規格化の動きも出てきているという状況でございまして、さらに我が国のニーズにも合致している部分があるので、消費者にわかりやすく製品の情報を提供するものとして、具体的に導入の可能性について検討を進めようではないかということで設定をしているわけでございます。
    下にカーボンフットプリントの例がございます。これは、イギリスのDEFRAという環境省の外郭の主体であるカーボントラスト社のほうで実証的に取り組まれているもので、足跡のマーク等をつけてCO2の排出量何グラムということを表示したり、CO 2の排出量75グラムと右に書いてございますけれども、その内訳として、どういうところでパーセンテージとして発生しているのかということも表示をするというような取り組みでございまして、これも我が国で導入ができないかということでございます。
    次の3ページのほうにございますとおり、カーボンフットプリントの研究会ということで、この6月に立ち上げたいと思っております。今、研究会の座長には東京大学の稲葉教授にお願いをしておりまして、この小委員会の委員でございます西尾委員と辰巳委員にも委員に入っていただきたいということで了解をいただいているところでございますけれども、当面は算定・表示方法というものも非常に大事でございまして、特に信頼性の高い、かつ正確な表示を、どのように計算し、どのように表示していくかというガイドラインをまずつくる必要があるということでございます。その上で、構築・普及に向けた課題の整理を行って、制度のあり方についての提言を行っていくということでございます。大体来年の2月ぐらいまで研究会を進めまして、またルール検討会という形で、具体的なガイドラインのあり方を個別に検討する場も設けながら、来年の春には研究会の成果も出していきたいと。そのプロセスの中で、12月のエコプロダクツ展2008において試作品の展示をする、あるいは消費者調査を行うなどして成果をとりまとめていきたいと思っております。21年度から22年度まではモデル事業を実施して、実際に店頭での流通を開始したいということでございます。参加企業は小売業、消費財メーカーを委員に入れまして、具体的な検討を進めたいと思っております。
    4ページのほうで、「カーボンフットプリントの必要性」ということで書いてございますけれども、消費者から、製品レベルでのわかりやすく具体的な情報のラベル表示が求められている中で、今の現状は、企業が自己宣言型の環境ラベルを多数出しているという状況であります。それから、CO 2排出量といったネガティブ情報はなかなか開示に抵抗感があるという状況もございますし、LCA情報を表示するエコリーフという制度、これはISOのタイプIIIに該当する環境ラベルですけれども、これはWeb上での情報開示ということで、現場で情報を得ることはできないというものでございます。
    それから、店頭説明につきましても省エネラベリング制度があり、情報開示の努力義務ということで規定がございますけれども、それ以外は十分な取り組みがされていないのではないかと思っております。
    それから、製品3R配慮情報の消費者への情報提供の実証実験を開始したところでございますけれども、これについても、やはりCO 2についても同様な情報開示は必要だと思っておりまして、そういう中で海外の動向としては、先ほど申し上げたイギリスの取り組みがある、ISO規格化の動きもあるという中で、カーボンフットプリントの導入の必要性を検討いたしたいということでございます。一番下に書いてございますとおり、カーボンオフセット(炭素の相殺)の普及にも資すると、こういった定量的な試算と表示のあり方が同時にカーボンオフセットともつながっていくというところもあわせて検討していきたいと思っております。これが1番目でございます。
    次の5ページでございますが、当面実施すべき措置の2番目として、「環境に配慮した新しい金融・投資のあり方」ということで、「環境力」評価手法の開発、株価指数への適用等ということで、実はおととい、土曜日の夕刊にもこの記事が載ったわけでございますけれども、今の現状としては、金融市場への情報開示というのが非常に不十分であって、「環境力」を評価する手法が確立していないという状況の中で、我が国の企業というのは非常に「環境力」が高いということなので、そういった「環境力」を軸として金融市場で競争の促進を図っていきたい、投資資金を呼び込んでいきたいということが今必要となっているわけでございまして、同時にアジア金融市場における環境評価や投資のリーダーとしての我が国の地位の獲得への期待ということも込めて、こういった企業の「環境力」を評価する手法というものを開発していきたいということでございまして、下の具体的措置にございますとおり、評価手法の開発と企業の「環境力」を客観的に評価する手法ができれば、それを具体的にどうやって投資に結び付けるかというときに、例えば「環境力」をあらわす株価指数、今現在はTOPIXのような全体を概観する指数しかございませんけれども、新たな株価指数への適用ということも同時に検討して、具体的に「環境力」の評価が投資に結びつくような方向性を検討したいということでございます。
    同時に、今、環境報告書等でそれぞれの企業が統一的でない形で情報開示しておりますけれども、それを比較可能な形で情報開示するやり方についても検討したいということでございます。下にございますとおり、省エネとか省資源といった企業の「環境力」を可視化できる手法を開発し、日本企業の競争力に活用していくということでございます。一般企業の株価動向、TOPIXなどに比して、新株価指数では「環境力」の強い企業群が指数として定量的にあらわれてくるということで、こういった取り組みが、環境が投資を呼ぶ、環境ビジネスを成長させる一つの手段ではないかというぐあいに考えております。
    6ページのほうで研究会ということで、これは石谷委員長に座長をお願いしてご快諾をいただいております。それから、投資系の方としては、UNEPFIの末吉竹二郎様にも委員として入っていただきたいと思っております。それから、先ほどカーボンフットプリントでも紹介いたしましたLCAの研究者である東大の稲葉教授、それから、先般こちらの小委員会でもプレゼンいただきました高崎経済大学の水口教授、こういった有識者の方々に入っていただき、また東証にも入っていただき、こういった評価手法のあり方について検討していきたいと思っております。具体的には、手法に対する仮説の構築と新株価指数組成のシミュレーション、それから、情報開示のあり方についてもあわせて検討して、今年度内に成果をとりまとめまして、来年度以降、試行的に実施を進めていくということでございます。
    次は7ページでございますけれども、今度は環境経営の高効率化ということで、LCA、MFCAの国際標準化が進展し、普及を行うに当たり、やはり企業の実態に即したきめ細かなアプローチ、ワンストップサービス化が図られていないという状況があります。それから、LCAのインベントリーデータが不足している、あるいは今のLCAのデータというものが、なかなか川上企業が、そういうデータを出してしまうと製造手法とか原価が推測されるおそれがあるということで、公開を控えているという状況がございます。このため、地域拠点機関を通じたワンストップ化によって、環境経営ツールを普及させていくということ、それから、LCAデータ流通システムを構築していきたい。つまり、サプライチェーンにおいて機密性を確保しながら、データを公開できるような新しいデータベースシステムを検討していきたいということでございます。こういった普及の仕方と実際のLCAのデータの使い勝手のよさといいますか、正確な情報をLCAデータによって得られるようなシステムというものを考えていきたいということでございます。
    次の8ページでございますけれども、当面実施すべき措置の4番目、「環境技術開発・新規環境ビジネスの創出」ということで、技術戦略マップ、環境ベンチャー支援ということでございますが、これも前回お示ししましたとおり、国家戦略上の重要な技術の絞り込みが必要ということがあります。それから、新しい技術、シーズをビジネスにつなげる必要性もあるということで、具体的には、経産省で現在進めている技術戦略マップを策定して、研究開発プロジェクト運営や技術評価に、あるいは関係者間のコミュニケーションツールとして活用していくということ。それから、環境ベンチャーの育成策としては、やはり人材や長期資金の集中を促すベンチャー支援というものを施策として進める中で、特に環境分野においても進めていきたいということでここに位置づけさせていただいているわけでございます。
    次の9ページでございますけれども、環境技術開発・新規環境ビジネスの2番目として、技術というものがあっても、その技術をうまく組み合わせてそのノウハウ、ハードだけではなくてソフトもあわせて提供することによって競争力を強化するという観点から、環境ソリューションサービスの強化に向けた産学官コンソーシアムの立ち上げというものを行いたいと思っておりまして、顧客ニーズがハイスペック化する中で、単に高度な技術があるだけではなくて、ソフト的なノウハウを組み合わせることによってソリューションサービスの高度化を図っていく必要性があるという中で、具体的には、産学官のコンソーシアムを創設することによってソリューションサービスの強化を図っていきたいと思います。
    下に3つ事例がございますけれども、異業種・異分野研究会等の開催によって、さまざまな分野の産学官が共同してそういったソリューションサービスを強化していく。なかなか一企業だけでは技術を高度に組み合わせていくということもできませんので、そういった研究会の場を設定して、技術戦略マップや共同研究開発を実施していくということ。それから、こういったソリューションサービスをアジアに展開する競争力強化につなげていくということで、ポータルサイトの開設、あるいは市場動向・規制動向等の海外の状況の調査を行う等の支援。それから、ニーズとシーズのマッチングといたしましては、環境ソリューションのニーズがどこにあるか、その競争力の源泉となるべき技術のシーズ、これをうまくマッチングをして、そういったニーズにこたえる形での技術の活用を図っていくということで、下に事例がございますけれども、産業廃水処理の例でいいますと、処理施設を顧客のニーズに合わせて提供していく場合に、多種多様な産業廃水処理を行うために、商社が薬剤メーカー、装置メーカーと連携をして、薬剤とか装置を組み合わせた形で顧客ニーズに合わせたサービスを提供していくということが競争力強化につながりますので、そういったことを広げていくためのコンソーシアムの創設を図っていきたいということでございます。
    次の10ページでございます。当面実施すべき措置の5ですけれども、3Rの取り組みの高度化ということで、これは「すりあわせ2.0」ということで前回もお示ししましたけれども、プラグインハイブリットなどに不可欠なレアメタルの資源制約が顕在化している状況、それから、川下企業の設計や仕様が川上・川中企業の廃棄物の削減を制約している状況にあるという資源の無駄の存在という状況の中で、法制度の整備を検討するということと、すり合わせによって省資源のものづくりの優良事例を創出して、産業界に浸透させていくという取り組みを進めたいというぐあいに思っております。
    次の11ページでございます。これも前回お示しした「広域的リサイクルチェーンの構築による3Rインフラの有効活用」ということで、都市鉱山というものが存在する中で、積極的な資源回収を図る必要がある。資源戦略としても必要であるということ。
    それから、やはり情報のミスマッチが発生しているということでございまして、エコタウンを中心と考えれば、せっかく原材料として存在する部分がなかなか情報として伝わってこないということで、情報のミスマッチが発生しているのが今の状況でございまして、広域的な連携ということになると物流コストが高いという状況もございますし、リサイクルといった環境価値が十分に評価されていないということで、もし評価されればリサイクルも進められるところを、そういった国家戦略としての価値が評価されないために、十分に進められないという状況もございます。
    そういう中で具体的措置としては、リサイクル事業者や動脈の事業者の間の連携を図る必要もございます。具体的には、情報マッチング、物流効率化、インセンティブ付与といった形でのリサイクルチェーンを構築していくということを考えてございまして、下の図は瀬戸内海の例でございますけれども、瀬戸内海の各エコタウンを結ぶ物流の効率化の取り組みが今進められてございまして、こういった物流の側面での効率化を図る一方で、やはり情報のマッチング、人的ネットワークやITを活用した情報マッチング、つまり、あるエコタウンにおいて必要な原材料がある地域において発生しているというような、そういう情報を連携してお互いにわかるようにするということ。それから、そういったリサイクルの取り組みに対して、カーボンクーポンのようなインセンティブを与えるというようなこと。こういった3者が相乗効果をもって広域的リサイクルチェーンがつくられていくのではないかということで、例えば、こういった瀬戸内海のように物流効率化の取り組みがある地域に、そういう情報マッチングやリサイクル価値評価を組み合わせてリサイクルの高度化を図る、これを全国に展開していこうという取り組みを進めていきたいと思っております。
    次の12ページでございますが、6番目の「ベストプラクティスの分析・啓発」ということで、これも前回お示ししましたけれども、ビジネスノウハウが共有されていないという中で、今あるベストプラクティスを類型化して普及・啓発を図っていこうという試みでございます。これは後ほど簡単に、試行的なベストプラクティス集の作成の例を紹介いたしたいと思っております。
    13ページでございます。7番目でございますけれども、「地域ぐるみの環境の取組の促進」ということで、地域において環境の取り組みを促進する必要がある中で、今環境モデル都市、これは官邸ベースで総理の施政方針演説を受けた形で進められている環境モデル都市構想であるとか、あるいは経産省で20年度から実施する国民運動支援ビジネス、こういった取り組みを行っているわけでございますけれども、これをより高度化し、地域ぐるみのビジネスを進めるためには、地域のいろいろな関係者が一体となった取り組みの立ち上げを支援していく。こういったモデル都市の形成であるとか、国民運動、CO 2削減のためのビジネス展開と合わせて、従来のコミュニティビジネスの成果も踏まえながら、地域の市民とNPO等々が一体となった取り組み、その初期的な課題を解決するための取り組みを支援していきたいということで、ここに例で挙げているのは、エコポイントやカーボンオフセットの活用事例ということで、例えば市民と企業の間でCO 2の削減、クレジット取引の売買ができるようなシステムを地域で構築するケースです。地域のNPOが中心となって、市民ベースで家庭での省エネ活動をして、そのCO 2削減の部分をクレジット取引できるような、そういうシステムを地域でつくりたいというときに、やはりそれを認証・仲介するという取り組みが必要ですし、市民に対してはエコポイント付与などによってインセンティブを与えるということも必要ですので、そういったインセンティブ付与であるとかカーボンオフセットの認証・仲介、こういったことはかなり高度なビジネスとしてのスキームの構築が必要ですので、そういったところを国が支援してまいりたいというぐあいに思っております。こういった地域のビジネスの立ち上げ支援を進めていきたいということでございます。
    最後に8番目がございますが、「『環境に優しいアジア』の実現」ということで、これも前回お示ししたとおり、アジアの環境ビジネス市場規模は2030年には300兆円に膨れ上がるという一方でアジアの環境問題が深刻化する中で、環境・省エネ分野の制度の不徹底という状況がございますので、そういったことを解消する必要があるということと、アジアの環境市場が拡大する中で、日本の環境・省エネ技術・ノウハウの普及が不十分であるという状況を解消するために、具体的措置として「アジア経済・環境共同体構想」の中で、相手国への働きかけとして、次の15ページに「アジア経済・環境共同体構想」がございますけれども、左の真ん中に「アジア環境政策の展開」とございますけれども、「東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)」を活用した環境・省エネ政策のレビューによって、それぞれの取り組みを見える化するということ。それから、専門家を派遣して、アジアに対して制度整備や執行強化の支援を行うということでございます。
    それから、日本企業への支援としては、国際エコタウン展であるとか省エネ・環境相談窓口によってビジネスマッチングを図り、日本の企業がアジアに展開していくことを支援していく。それから、環境力プロモーションやJBICやNEXIの金融支援も行っていく。それから、先ほどのソリューションビジネスのところでございましたとおり、産学官のコンソーシアムによってフィージビリティ調査等々を推進していくという必要がございます。特に「アジア経済・環境共同体構想」の中の「アジア・サステナブルアクア計画」、「アジア・エコタウンプログラム」の戦略的展開。この15ページの「アジア環境政策の展開」という中にございますとおり、「省水型・環境調和型の水資源管理や、エコタウンを通じた3R技術をアジアに展開」とございます。こういった我が国の技術やノウハウをアジアに展開していくということが一つ構想としてあるわけでございまして、これを推進していきたいということでございます。
    以上、駆け足で8つまとめて、「当面実施すべき措置」ということで提言しております。
    16ページ以降では、これまでの小委員会で委員の皆様からいただいた意見をとりまとめてございまして、これは来年の春にとりまとめる小委員会の中間報告の中では方向性を盛り込んでいきたいと思っておりますが、今申し上げた8つの点は、「当面実施すべき措置」ということで提示させていただいている事項でございます。これは、今後また皆様からご意見をいただきながら、この項目については精査していきたいと思っております。
    資料3は、今のパワーポイントの資料を少し詳細に説明した資料になってございまして、これは本日ご説明しませんけれども、このパワーポイントと一緒にごらんいただいて、補足的にみていただければという資料でございます。
    それから資料4は、先ほど申し上げたベストプラクティス集の試案ということで、今、作成しているところでございますけれども、1ページ目、2ページ目にございますとおり、成功したビジネス事例の中核は何なのかということ、ノウハウや成功要因、これも立ち上げ期から事業展開期、事業成長期、それぞれ成功要因、ノウハウがあると思います。それから、成功要因だけではなくて、やはり阻害事項があって、その阻害すべき事項の要因をどのように克服してきたかということも各ビジネスでそれぞれあるわけでございまして、そういったことを抽象化して抽出していくという作業になると思います。
    この小委員会の委員でございますリーテムの中島社長様、アミタの熊野社長様にも、お忙しい中対応いただきましてこの事例をつくっておりますけれども、その他の企業、合計で8企業の事例をここに書いてございますが、これを今後、企業数を拡充して事例集という形でとりまとめていきたいと思っておりますので、またこの方向性についてもご議論いただければと思っております。
    ちょっと時間がかかりましたけど、以上で説明を終わらせていただきます。
  • 石谷委員長
    どうもありがとうございました。
    非常に懇切丁寧に説明していただきましたので、少し具体的なイメージがわいてきたかと思いますが、まだまだ議論が必要かと思います。
    それでは、ただいまご説明いただきました資料2に関して、ご意見等ございましたらご自由にご発言願いたいと思います。本日は、この委員会のメインテーマがこの部分でゆっくり時間をとっており、十分言いたいことをいっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
    阿部委員、お願いいたします。
  • 阿部委員
    カーボンフットプリントに関しまして、例えば資料2の2ページのポテトチップスの袋、これだけをとってみましても、各産業、例えばフィルムメーカーであるとか、あるいは中小の印刷のコンバーターさんとか、そういったところに、多くの産業にかなり詳細なLCAのデータを整備していただく必要が多分あるのだろうと。それでないとなかなか正確な数値が出てこないということで、それはかなりの労力になってくるだろうというふうに思いますので、そういう意味で、この提案を非常に円滑に進めていくためには、次の2つのことを考える必要があるのではないか。
    大きくいえば1つなのですけれども、小売業者さんとか消費財メーカーさんだけが今参加企業の案に書かれてありますけれども、これに加えまして、例えばフィルムメーカーだとか、あるいは印刷の業界団体であるとか、そういったところの方々にも連携を求めて、既にどれぐらいのLCAデータが整備されているのかとか、あるいはこれからどういうふうな進め方をしていくのかということを、まず参加していただいて密接にヒアリングしていく必要があるのだろうなということと、もう1つ、非常に労力がかかると思いますので、どこからやっていくかというそのプライオリティーを、この委員会等々からも明確にして進めていったほうがいいのだろうなというふうに思っております。
    もう1つ、2点目は金融市場での「環境力」ということで、これはこれから非常に重要な指標になってまいるというふうに思っておりまして、この間の日経の夕刊もみせていただいたのですけれども、この研究会のメンバーに、最初はあえて産業界からはメンバーを出させないということを考えておられるのか、あるいは最初から産業界からもメンバーを出させるということを考えておられるのか。この2点目は質問でございますけれども、ご意見をお伺いしたい。よろしくお願いいたします。
  • 石谷委員長
    非常に重要なご指摘、ありがとうございました。事務局からは後でまとめて回答いただきますので、とりあえずただいまの2点の質問、承っておきます。
    それでは、引き続きまして浅賀委員、ご質問どうぞ。
  • 浅賀委員
    浅賀です。特段目新しい指摘ではないのですけれども、措置の5-1、5-2で資源の問題が触れられているのですけれども、資源の問題に関していうと、従来いわれている3Rプラス、強いてこじつければもう1つのRというか、リプレイスというか、従来使ってきた資源にかわる資源、やり方。例えば、高炉などでいわれているコークスにかわる水素の還元であるとか、実際、我々は今、亜鉛の高騰で非常にひどい目に遭っていまして、自動車用の鋼板というのは、どぶ漬けと合金鉄をつくる被膜のやり方があるのですけれども、やはり3倍にもなりますと、1,000ドルのものが3,000ドルになっちゃいますと、目つけを薄くする方法、これは当然考えたわけですけれども、余り高くなれば、今度は亜鉛を使わない方法を考えていく。部分的にはアルミに変わったりとかいうことがありますけれども、やっぱり違う材料、やり方に置きかえていくというのは、資源に関してはもうちょっとはっきり書かれたほうがいいのではないかなと。当然この資料をつくられた方はそのことが頭にあって、資源の制約の問題であるとかご指摘があるのですけれども、4Rとあえていわないまでも、もう1つそこの視点を書いていただけたらなというふうに思いました。
    以上です。
  • 石谷委員長
    どうもありがとうございました。
    省資源をさらに進めて、資源代替をというようなお話ですね。
    それでは、大鶴委員どうぞ。
  • 大鶴委員
    今のお話と同じで5-1のところについて、ご意見申し上げたいと思います。「資源生産性向上等による3Rの取組の高度化」ということで、こちらの具体的な措置の案としては、法整備を検討するというのが一つの大きなポイントだと思います。私は、前回のこの会議でもご質問させていただきました。まさにこの3Rは、コストや品質、モノづくりの競争の一大ポイントです。このようなモノづくりで規制するといいますか義務を課すというのが、いかがなものかという趣旨でご質問させていただきました。その際のお答えは、ガイドラインということでした。「やわらかなガイドラインですから気にすることはないのです。」というような感じで承ったのですが、またここに法整備の検討ということで、法制ということになりますと義務になってくるというふうに思っております。過剰品質の問題とか、いろいろある中でこういうふうにいわれていると思うのですが、メーカーにとっては、川下企業であったり川中企業であったり立場がいろいろあります。
    そういう中でいろいろ感じることがあるのですが、1つは、今、国内の企業にとってサプライチェーンが国境を越えて広がっています。ある事業部門によりますと、半分以上が海外からの調達ということになってきますので、法制化しますと国内のメーカーにだけ義務を課すということになりますが、そういうことになりますと、余り実効性が上がらないように思います。また、冒頭申し上げましたように、これはモノづくりそのものであるとしたら、企業機密に当たるところが多いと思います。また、川下メーカーと川中メーカーとの関係でいいますと、川中側からみると、1つの川下だけとつき合っているのではなく、同じような部品で色々なところと取引を行っていますので、あるところの最大効率と別のところの最大効率が違った場合、大変困ったことになります。あるいは一方の企業機密が別のところに漏れてしまうという問題も考えられます。確かに優秀事例を設計のアセスメントとか、モノづくりのアセスメントの中で活かしていくということで考慮していくことによってモノづくり力は高まるのですが、それを法制化するとしたらどのような方法があるかと、迷いながらお伺いしています。仕方によっては、場合によっては、これは国際競争力を強化するより、むしろそぐほうに回らないかなという危惧もいたしておりますので、またご検討願いたいと思います。
    以上です。
  • 石谷委員長
    どうもありがとうございました。
    今のはご質問でしょうか。
  • 大鶴委員
    意見です。
  • 石谷委員長
    意見でございますか。
    それでは、岩下委員。
  • 岩下委員
    少し意見をいわせていただきます。前回欠席したものですから、ちょっととんちんかんな意見になるかもしれませんが、これ全体をみて感じたこと。まず、例えば1番のカーボンフットプリントがございますね。国内で導入しようと。大変いいことだと思います。ただ、先ほどご意見があったように、やろうとすると、これの負荷って物すごく大変ですよね。であれば、なぜ日本でやるのかと。この文章そのまま読めば、イギリスが先行しているわけですから、イギリスと同じやり方をすればいいではないかと。または、もしイギリスのやり方に問題があるのであれば、そこを抽出してイギリスときちんと話し合って、それで同じルールで進めるほうが全体的には効率がいいですよね。特にこのポテトチップスがそうかどうか知りませんが、世の中、世界中で同じ商品を売るというのはたくさんあるわけですね。それが日本用、何とか用、かんとか用で全部違ってくるというのは、非常に効率の悪い無駄の多い仕組みではないかなというふうに思います。
    そういう意味で、日本がどのポジションで、どこと一緒に何をやるべきかという議論は、もう少し深めるべきではないかなというふうに思います。例えば、一番最後の「アジア経済・環境共同体構想」という話がございますね、これも同じだと思うのですが、なぜアジアかと。経済協力だったらまだわかるのですけれども、環境というワールドワイドで考えなければ、グローバルに考えなければいけないテーマに対して、アジアだけ切っていくというところがもう一つよく理解ができません。もっともっと日本と同じように先進的に進んでいる地域、国々もあるわけでして、そちらとも組むということが効率がいいのではないかというふうに考えました。
    同じ話を今大鶴さんがおっしゃっていた5-1でみますと、確かに法規制と書いてありますよね。ただ、これは生産の途中で出るくず、要するに無駄をいかに排除していくか。これは言い方をかえれば、企業のまさに競争の原点そのものですから、本当に法規制までやる必要があるのか。競争の中で答えを出していくほうがよっぽど効率がいいのではないか、そういう感じがします。やはり環境というのはあくまでも無駄の排除、すなわち効率を上げるということが一番のいい方法論でありますから、それに沿った形でもう少し考えてもいいのかなと感じました。
    以上です。
  • 石谷委員長
    どうもありがとうございました。
    今、4名の委員の方からご質問いただいたのですが、とりあえずここで事務局から、いろいろご指摘のあった点で特に重要な部分をお答えいただきたいと思います。
  • 君塚環境調和産業推進室長
    どうもありがとうございます。では、順番にお答えさせていただきます。
    まず、阿部委員からのご意見でございます。おっしゃるとおりカーボンフットプリントを実施する場合には、いろいろな負荷といいますか、LCAデータの整備の必要であるとか、相当信頼性の高い、かつ正確な情報ということになりますと、非常に難しい部分があると思います。先ほど同様のご意見を岩下委員からもいただいているわけでございますけれども、まさにご指摘のとおり、今ISO規格化の取り組みが進められ、当然その際には、どういった形でCO 2の計算方法、算出方法なりをやっていくか、これはLCAがベースになりつつ、その中で特にCO 2という部分を取り出した形の、かつ取り組みをする側の負担をいかにかけないで広げていくかというようなこともあわせて検討が行われる中で、先ほどご指摘のとおり、では日本はどうやってかかわっていくのか。まさにおっしゃるとおり、イギリスで今検討されていることと連動していかなければいけないと思っておりますが、これからISO規格化の議論をされるに当たって、例えばイギリスはイギリス仕様のイギリス的な考え方でやっていくのに対して、やはり日本の企業の中でどうなのかということを考えなければいけないと思っておりまして、先ほどは小売業ということで、当面、流通業で動きがあるということがございまして、イオンの上山様も入っていただくと思いますけれども、まずはそういう形で進めていく中で、これは、いずれはほかの製品といいますか、もっと幅広い分野でも展開していかなければいけない、そのために、まずこの研究会では、小売業を中心としてやりながらほかに展開していくという中で、日本の各業界のニーズであるとか、例えばLCAの負荷がかかる場合に、そこまでついていけないというような話があったりとか、いろいろな日本の業界にとってのやりやすさとか制度の組み込み方があると思いますので、そういったことを例えばISOの議論がされる場合には、SC7国内対応委員会のようなISOの議論の場に対応する日本の委員会などの場でも、業界の方も集めてご意見をいただいて、先ほど申し上げた東大の稲葉先生がそのISOの作業にかかわっていきますので、稲葉先生に各業界の考え方なり、こうしたらいいという話を伝えるための議論する場を設定して、ISOの議論にもちゃんとそれを反映させていく。そうすることによって、世界仕様がイコール日本でも適用し得るという、そういったまさに世界の議論に日本の企業の考え方なりやりやすさというものを組み込んでいくようなことを進めていきたいと思っておりますので、そういう意味では業界横断的に意見を集約して、今後皆様からご意見をいただきながらそういう方向を考えていきたいと思っております。
    あとは、阿部委員からの金融市場のご質問でございます。金融市場の研究会のメンバーは、済みません、先ほど申し上げなかったのですけれども、当然有識者だけではなくて、評価する側、つまり金融機関、投資家の方にも入っていただきますし、評価される側、つまり企業の代表は、どういう方を入れるのかというのは今検討中でございますけれども、入っていただき、それから、これまで評価機関としていろいろ実績のある方々にも入っていただいて、まさに評価する側、される側、情報開示する側、評価手法を考えていたこれまでの機関、そういった方々の知見なり考え方も集約する意味で、そういった方々にもメンバーに入っていただこうというぐあいに思っておりますので、今検討中でございますので、決まりましたら、また皆様にお知らせしたいと思っております。
  • 安藤リサイクル推進課長
    5-1に関しまして浅賀委員、大鶴委員、岩下委員からご指摘いただきました。この件、前回もご議論になり、私からもご報告申し上げました。別途、環境部会廃棄物リサイクル小委員会基本政策ワーキンググループで、ことし1月に報告書をおまとめいただきました。この委員会の一部の方に入っていただいておりますし、また業界関係では、経団連、家電、自動車関係の皆様とじっくりと議論をさせていただき、おおむねこの方向性についてご理解を得られております。規制といいましても、やはりガイドライン的なものでした、個別の企業秘密に行政が突っ込んでいく方式ではございません。
    一方で、ご指摘ございましたので、参考資料5がございます。29ページと、特に30ページをごらんいただくと、ご指摘に対して少しお答えができると思います。特に、岩下委員からは、個別の企業は、競争力そのものとしてウエイスト削減に取り組むのが当たり前だと御指摘がありました。マテリアルフローコスト会計(MFCA)の最優等生のキヤノンの皆様は、ウエイストの削減によって競争力を出しておられます。例えば、MFCAでマテリアルロスを抑制するために、レンズ硝材をうまくニアシェープにして加工するというお取り組みがあるわけです。そのときには必ず川中の部材メーカー、硝材メーカーなどとの連携が非常に大事になってまいります。
    ちなみに、自動車の例では、30ページの下のグラフをごらんいただきますと、左側の図が自動車産業でのウエイストの状況です。これに対して最終処分量はほとんどみえないくらいでした、自分の産業の中ではリサイクルをきっちり進めていただいている。他方で、自動車の部品製造業をみてみますと、実は、本体の産業よりも多くウエイストが出てきていて、一方で、その中でリサイクルは進んでいる。問題点は、本体の産業よりも多く川中のほうでウエイストが出てくる、しかもそれが減っていないというところです。これは産業連関表ですが、それを解析してデータ化したものです。自産業での直接発生量というのは、中欄の(2)です。誘発発生量は、他産業に自産業が負荷をかけている部分でして、実は家電、自動車をみますと、自産業より他産業に大体1.3~2倍ぐらいの負荷をかけています。特に精密加工が一番で、5倍もの負荷をかけています。
    それぞれ自分の産業、自分の会社の中では最適化をしてウエイストを減らすというご努力は進んでいるのですが、一方でサプライチェーン全体としては、必ずしもこれまで十分ではなかった。例えば、切削か、焼結か、鋳造(ダイキャスト)PEEK材の樹脂などに切りかえるかで、ウエイストの状況は大きく変わってまいります。それがまさに、今度はコストや競争力の強化につながってくる。この部分をむしろ川下の省資源化設計を徹底していただくことが大事であろうということです。こんなことをガイドライン的に盛り込ませていただくという議論をさせていただいております。
    浅賀委員のご指摘ですが、29ページです。問題意識は、特に亜鉛なども資源の制約が非常に厳しいですが、レアアース、特に高性能モーターや高性能磁石で非常に重要になってまいりますネオジム、ディスプロシウムのリサイクルは必ずしも十分できてない。資源制約でも、供給国がほぼ1カ国ですので、非常に厳しくなってまいります。これが、次世代自動車やハイテク製品などに非常に重要なものになってまいりますので、資源代替をどう考えていくのかが大事です。「4R」は、もちろんこの中の視野に入ってまいります。あわせてご報告申し上げます。
  • 中村環境指導室長
    「アジア経済・環境共同体構想」について、なぜアジアをターゲットにするかについてご説明申し上げます。まず、日本の今後の経済を見ますと、少子・高齢化のもと、需要の面では多くを望めません。一方でアジアの経済を見ますと、中産階級が相当増えると予測しています。過去の日本の事例を見ますと、中産階級の方が増えると需要が爆発的に伸びています。したがって、アジアは今後、需要が非常に大きくなることが期待されており、EPA等を通じてさらに交易を盛んにしていくということでございます。
    加えて、岩下委員がおっしゃったとおり、環境に関してはグローバルで考えるということが非常に重要でございます。地球温暖化問題に関してもグローバルに考えるべき問題です。ただ、私どもが今回特に念頭に置いているのは、大気汚染とか水質汚濁の問題でございます。特に大気汚染に関しては、去年の5月頃、光化学スモッグが、大分、北九州、熊本、新潟など、必ずしも光化学スモッグが発生する蓋然性がないところでたくさん発生をしています。それはアジア諸国からの影響の可能性があるのではないかと指摘されています。確たる科学的知見で断定されたわけではないのですけれども、そういう事実がございます。
    そういう点からみますと、アジアの大気汚染、水質汚濁の問題というのは、その地域の公害の問題でもありますが、翻ってみると日本の問題でもあるということです。そういう意味で、アジアの中の日本という形で環境問題を解決していくということが重要だということです。加えて、アジアで環境問題を解決するために、日本はいろいろな形で環境法制度を提供しているわけでございますが、アジアでは必ずしも法律の拘束力は強くない、執行能力がないという問題があり、必ずしも法規制が守られていない現状がございます。
    このような環境法制度の執行能力を高めることによって、環境ビジネスの市場が作られることになり、日本の環境力を用いた製品やサービスを御活用していただくという形で、日本もアジアの環境負荷低減に協力していきたいと考えております。アジアに閉じたという形ではなくて、アジアを含めた広い市場を目指して、日本の「環境力」をいかに活用するかという視点で「アジア経済・環境共同体構想」を創設したということでございます。
    以上です。
  • 石谷委員長
    どうもありがとうございました。
    とりあえず最初のご質問に対する回答ですが、もし細かいところで更にご質問がありましたら、時間はございますので、さらにご懸念のところを明確にしていただきたいと思います。
    上山委員、新たなご質問かと思いますので、どうぞ。
  • 上山委員
    ありがとうございます。3点、意見と要望を申し上げたいと思います。
    1つはカーボンフットプリントの件でございますが、これは君塚室長おっしゃいましたとおり、ISOの規格化であるとか、あるいはイギリスを中心としたEUの動きから考えますと、かなりな勢いでいわゆるデファクトスタンダードがつくられていく過程でありますから、日本から積極的なる意見表明をしていく必要性がある時期だと思いますので、タイミングとしてまさに今、この研究会が具体的なアウトプットを発信していくということが大変重要だというふうに思っております。詳細なことはこの研究会で論議すべきことだと思いますが、1つやっぱり最大の観点というのは、消費者がどのようにこれを支持してくれるか、これだと思っております。この件に関しては、イギリスもかなりアンケート調査等々やっておるようでありますけれども、まだなるほどと思うような消費者の支持に関する分析は出ておりませんので、この件に関しては、日本がアドバンテージをとることは可能だと思いますので、非常にそのあたりを重視した意見表明をしていくということが重要かというふうに思っております。
    このカーボンフットプリントは、ある意味でカーボンオフセットと表裏の関係にあるというふうに思っておりまして、そういう意味では、4ページにカーボンフットプリントの必要性ということが書かれておる、下のほうのなぜ必要かというまとめの中に、「サプライチェーンを含めた企業のCO 2排出量削減の促進」ということ等のセンテンスが書かれておりますが、これはある意味で国内CDM制度のようなものもあわせて動かしていくということが必要だというふうに私は認識しておるのですが、そのような観点を実際に実務として動かしていこうと思いますと、いわゆる取引所機能というものをはっきりと打ち出して、認証・仲介という機能だけではなくて、取引というものが公的に成り立つような機能設計というものが必要だというふうに思います。そうなってまいりますと、次の話の金融市場での評価というところともこれはつながってくる話でありまして、ぜひそういう観点でこの委員会で論議し、アウトプット成果を報告していくということが必要かというふうに思っております。これは意見です。これが1つです。
    2つ目が7番目のところでございまして、「地域ぐるみの環境の取組の促進等」ということで13ページにございますが、まさに重要な政策テーマだというふうに思っております。ここで、先ほどもコメントございましたけれども、市民と企業との間で売買がスムーズに進んでいくということで重要なことは認証・仲介機能である、こういうお話がございました。まさにそのとおりだというふうに思っておりまして、かねてから意見を申し上げておりますように、日本の事情に合ったVERの制度設計をぜひ具体的に明記していく方向性が今必要なのではないかというふうに思っております。
    そのときに重要と思いますのは、やはりデータベースをどのように構築をしていくかということになるかと思いますので、本委員会等は経産省マターで動いておりますが、環境省さんは環境省さんで一つのデータベースとしてある程度のものを既におつくりになっておられますから、ぜひ政府としてそのようなことを横断的に動いていただいて、効率的に制度設計を進めてほしいというふうに思っております。キーワードは、とにかく自由に売買できるような仕組みにしてほしいと、規制あるいは枠を設けてほしくはないということだと思っております。
    最後に3番目でありますが、8番の「『環境に優しいアジア』の実現」ということについて、非常に私どもも関心をもっております。これは要望でございますが、私、グリーン購入ネットワークの仕事もさせていただいておりまして、国際グリーン購入ネットワークで既にアジア7カ国で、それぞれの国のグリーン購入法の策定であるとか、あるいはエコプロ展をやる等々の事業をしておりますが、こういう民間団体の動き、もちろんこれは地方自治体も全部入っておられるのですが、そういうものとの連携をぜひお願いをいたしたい、こういうレポートにもぜひ明記をお願いしたいというふうに思っています。これは要望であります。
    以上です。
  • 石谷委員長
    どうもありがとうございました。
    ただいまのは、大体はコメントというふうに考えてよろしいですね。また後で事務局のほうからお答え願います。
    それでは、笹之内委員どうぞ。
  • 笹之内委員
    笹之内です。非常にうまくまとめていただいておって、特に意見はないのですけれど、3つほど、確認という意味もあるのですけれど、今回のこの8つの「当面実施すべき措置」というのは、これは順番に何か意味はあるのでしょうかということ。やっぱりフットプリントが1番だというふうに理解すればいいのか、たまたまこういう順番なのかということでございます。
    それから3R、これは大変重要なことで、私どもの会社も非常にこのことは関心をもっております。ご存じのようにいろんなところに、モーターもそうですし、触媒もそうですし、燃料電池の触媒もそうですね。1つは、できましたらリデュースというか、ここの技術をもっと基盤技術としてやるようなことをぜひ考える。特に触媒というのは、表面しか使わないわけですよね。もっといえば、原子1個あれば多分いいと思うのですけれど、それをドバッとつけるということをみると、物すごく薄膜をうまくつけるようなことはとても企業で、もっと極論をいえば、原子1個ずつを田植えできるぐらいのような、そのぐらいのことをやっておられる研究者もいると聞いているものですから、そんなようなことを国としてぜひ支援していただきたい。
    この「都市鉱山」という、なかなかセクシーな言葉があるわけなのですけれど、このときに1つ考えていただきたいのは、私どももそうですけれど、日本のたくさんの企業は、こういうものを使ったものを海外へ輸出しちゃっているわけですよね。海外で出てきたものをいかにうまく回収するかということも、何か戦略的に考えておく必要があるのか、それはそれで、また向こうのそういう業者に任せて、相場商品で回ってくるのをまた買えばいいと考えるのか、自社の連結ベースの企業体の中で、きちっと日本の企業が有利に回収していくようなことを考える必要があるのかということも含めて考えていただけたらというふうに思います。
    最後は、私はどちらかというと今回のことで一番興味をもったのが、8の「アジア経済・環境共同体」ですか、これは非常におもしろいなと思いまして、私も理系の人間で余り社会科のことを勉強してないからよくわからないのですけれど、たしかEUというのは、ドイツとフランスの国境の石炭と鉄をけんかしないようにうまく管理しようねというところから始まったというふうに、僕はそれとなく聞いている。正しいかどうかちょっと自信ないのですけど。そうやってみると、21世紀にアジアで環境の問題を一種のコモン何とかと理解してやるというのは、非常におもしろいというか、ぜひ常設のEU政府のようなものを置くぐらいの勢いで頑張っていただけると、今懸念されているいろんなことがそこでひょっとしたらうまく解決するかもしれないということ。
    これは私どもの業界なのですけれども、特にアジアサンベルト、これは非常におもしろいなと思いました。というのは、アメリカでこんなに自動車がうまくいったのは、もちろんフォードがああいう生産方式をつくったのもあるのですけれど、たしか民間ハイウェイ協会というのが大陸横断のハイウェイ構想をぶち上げてやったわけですよね。それとともに内陸部の物流がしっかりいって、アメリカがあんな強大な国になったということを考えると非常におもしろくて、そのとき、ぜひこの環境の軸で、環境にいいハイウェイとは何ぞやとか、そういうことをぜひ議論して、いわゆる多機能な道路というのですか、安全で環境にいい道路、これをここに引く。日本のほうに延びてないのがちょっと寂しいのですけれど、それをぜひ。だから、僕は個人的には、これを一番最初にしてほしいぐらいなのですけどね。
    以上です。
  • 石谷委員長
    どうも大変示唆に富むご意見ありがとうございました。
    「大東亜共栄圏」なんていう言葉が出てくると危ないのですけど、その辺は、ネーミングは経産省は得意ですから、ぜひうまい発想で考えていただきたいと思います。
    あと、逢見委員、中島委員、辰巳委員の順番ですが、辰巳委員は早めにお帰りということで、恐縮ですが先に質問をお受けしたいと思います。次の他の委員の方、ちょっとお待ちください。
  • 辰巳委員
    ありがとうございます。皆様どうも済みません。そんなにいうほどのことはなくて、とてもよくまとまっているというふうに私も思っておりまして、特に消費者とのつながりが強いカーボンフットプリントに関しては、先ほど上山さんがご心配なさっていた、消費者にどう受け入れられるかというところは、私も非常に関心をもってみておりますもので、まずやってみましょうよという気持ちがすごくあります。
    そういうことで、それはそれなのですけれども、1つだけですけれども、このタイトルが「当面実施すべき措置」というふうな書き方になっているので、ないのかなというふうに思ったのですけど、やっぱりCO 2の話だけではなくて資源の話というのは非常に大事で、そこら辺のところがどうも、当面だからかもしれないのですけど、やっぱり持続可能という視点がないような気がします。だから、先ほどからおっしゃっていたような代替の話とかも全部そういうところで入ってくるのかというふうにちょっと思ったもので、キーワードとして、ちょっと「持続可能」という単語が入ってもいいのかなというふうに思いました。
    以上です。
  • 石谷委員長
    ありがとうございました。
    それでは、逢見委員、中島委員、伊香賀委員、西尾委員の順番でお願いいたしますが、逢見委員どうぞ。
  • 逢見委員
    全体の印象としては非常にバランスがとれているし、よい指摘だと思っております。カーボンフットプリントについて大変関心があるところなので、これについて意見と質問を1点します。
    京都議定書の第一約束期間の中で、やはり家計部門とか業務部門のCO 2削減がおくれているということがあって、ここに的確な施策を講ずる必要があるという意味で、今、政府が「1人1日1キログラム」という国民運動をやっていますが、それに対する意見として、みえないと一体どういうことをすれば削減になるのかわからないというのがあって、そういう見える化というのが非常に重要だと。そういう意味でカーボンフットプリントというのは非常にいい試みだと思いますので、やってみる必要があると思います。
    ただ、上山委員もいわれたように、国民がこれをどう受けとめるかというのがあって、炭素の足跡でみると、イギリスのほうは実際に足跡の絵をかいているようなのですけど、これが日本の国民にとってどういうふうに受けとめられるかなというのがあって、必ずしもカーボンフットプリントという名称にこだわらなくても、要はカーボンがみえるという、要するに過去にさかのぼってそれが表示されるということだと思いますので、余り名称にこだわらなくても、日本の消費者に受け入れられるものをいろいろ試行錯誤しながらつくっていけばいいのではないかと思います。
    あと、ISOの規格化について、かつては日本が国際標準化の中で出おくれて、実際に決まってしまった後で日本がそれに合わせざるを得ないという、そういう苦い経験もありますから、ISO規格化という場合には、やっぱり日本も積極的に作成段階からかかわっていく。その中で日本の意見も反映させるということが必要だと思いますが、これの4ページの情報ですとイギリスの例しかなくて、それとISO規格化というところにすぐ行っちゃうので、ISO規格化の中で今どういう議論があって、どんなタイムスケジュールでやっているのかということがわかれば、もうちょっと情報として教えていただきたいと思います。
    以上です。
  • 石谷委員長
    どうもありがとうございました。
    ISOの件については、後でお答えいただきます。
    それでは、中島委員どうぞ。
  • 中島委員
    これはLCAのISO的手法かなと思いますので、取り組みとしてはいい方向だと思います。
    それから、金融的なものですけれども、銀行は要するに環境的なものに対するデータがないと。とりわけ静脈系についてですけれども、評価する評価基準すらないと。ですから、そういう意味でいけば、一般的な財務指標で判断しているというのが現状なのですね。ですから、やはり指標は必要だと思います。
    それ以外のところですが、単語として出ています、5番目にありますレアメタルですとか、8番目のエコタウンですが、今回のこの産構審では、やはり資源的なアプローチは低いのではないかという気がします。当初お話しさせていただきましたように、やはり静脈を考えないと、こういった環境的な観点というのはないと思いますし、そこについては若干欠如しているような気がします。例えばレアメタルですとかレアアースとかについては、国の問題として輸出の規制を考えないと、どんどんこういった希少金属がなくなっていき、また調達そのものも、海外からの調達はコストが高くなっています。ですから、今日本に存在するものをどういうふうに国内で受注させるかという手法を考えないと、これは大きな問題になると思いますので、ぜひそこは取り入れていただければと思います。
    それからエコタウンですけれども、エコタウンそのものも、既存の日本のエコタウンというのは処理のための都市ですので、どうしても環境的なアプローチというのは意外と低いのですね。最近私が考えるエコタウンの将来像というのは、結局動脈と静脈、要するに製造業も含めた組織と処理の組織、これがリンクしないと全体の環境負荷は下がらないだろうと、そういうふうに考えております。
    最近、そういうふうなお話をメーカーさんとすることが多くなってきています。ビジネス的なものだと、物をつくる方に最初に処理までの環境負荷、そういったものを考えたやり方をしないと、大きいインパクトは得られないというふうに考えます。ですから、アジアについてもそうですが、ではアジアの各エコタウンに対して日本の静脈系の企業がどういうアプローチをすればいいのだと。当然いろいろな規制、基準の権利がありますので、日系の会社が、例えば中国でもどこでもいいのですが、そこのエコタウンへ行って何ができるのだというところですね。そういったものは、今回は余り考慮されてない気がします。
    ですから、エコタウンそのものについてどうあるべきかというのは、日本のみならずアジア全体の課題として、やはり動脈・静脈両方のリンケージがどうしても必要だというふうに私は考えます。
    以上です。
  • 石谷委員長
    どうもありがとうございました。
    ご意見として承っておきます。
    それでは、続きまして伊香賀委員どうぞ。
  • 伊香賀委員
    資料2の7ページになります。環境経営の効率化の基盤ツールとしてLCAデータ流通システムの開発・推進というのが明記されていたということが、大変評価できる部分だと私は思っております。特に機密性を確保しながらといいますか、今までなかなか公開しにくかったということを課題に挙げた上で明記されたという点についてなのですが、恐らくこの委員会に参加している国内企業は相当意識も高くて、ここは大丈夫だろうと思うのですけれども、海外の企業、特に例えばエコリーフラベルでも常に問題になるのは、アジアで部分製品を生産して、また日本に持ち帰って組み上げるとかいう、海外の企業に対しても同じようなことを求めていかないと、実は結局のところカーボンフットプリントにしても、みえないブラックボックスの部分がどうしても残ってしまうのではないかなというふうに感じています。
    14ページにアジアとの関係強化ということがうたわれてはいるのですが、特に海外企業をどう巻き込むかというあたりについて、何かお考えがあれば伺いたいと思います。
  • 石谷委員長
    どうもありがとうございました。
    LCAデータは、伊香賀さんもよくご存じのように、口でいうのは簡単だけれども、いかにして客観的に実用に耐えるようなデータを維持するかというのは非常に難しい問題だと思います。今こういう形でもって重要性を指摘して、これから具体的にうまい方法を考えていく。試みは今までも随分やっていますけれども、これを本当にカーボンフットプリントとかカーボンオフセットというようなもの、公共で使えるようなものにしようと思いますと、相当のデータの妥当性がないと、何をやっているかわからなくなる。それから、国際的にも非常に重要なところであると思います。この話、全部標準化が裏にかかわってきますが、そういうことを念頭に置いた上のいわば問題提起の資料だと思いますので、内容についてはこれから詰められるかと思います。
    最後に、西尾委員どうぞ。
  • 西尾委員
    カーボンフットプリントについて、コメントというか意見というか、一部質問も入るかと思いますけれども、させていただきたいと思います。実際には小委員会の研究会のほうにも参加させていただける可能性が高いので、また詳細はそこでもいろいろと議論に加われればなというふうに思いますけれども、幾人かの委員の方からもありましたように、英国の動きあるいはISOの動きからして、今日本がやらなければいけないという意味での重要性はあるかと思うのですが、一方で、やはり信頼性の高い、あるいはいろいろな製品に対してある程度統一的に展開できるようなことが重要かと思いますので、幾人かの委員からも重要なご指摘があったように、特に食品の場合は海外からの調達その他があって、トレーサビリティという側面で本当に正しいデータが測定できるのか。時期がタイミングだからこの枠組みでやりましょうといっても、そこに対していろいろな業界なり、特に日本の中ではいいでしょうけれども、海外との間の中で正しいデータがとれて、それがきちっとした形で反映されないと、一度何かそういうところでまずいことが起こると、そのラベルに対する信頼性そのものが損なわれてしまうことが多いかと思うのですね。最近、いろんなところでのそういう、ある意味非常に厳しい外圧による偽装問題というのがすごくありますので、特に日本国内だけの問題ではないものが絡むゆえに、非常にそういうところに対してのタイミングというのも十分情報収集をして、やれるところからやるにしても、そういうことについても委員会の中で情報共有しておく必要があるのではないかというふうに思います。
    それから、対消費者側へのアピールというか、対消費者側に何を伝えたいかというような側面の中で、山ほどいろいろなエコラベルがあるわけでございますけれども、何回か私もこの委員会の中でも申し上げさせていただいたかと思いますけれども、他のラベルや他のエコ対応関連の情報との関係、このカーボンフットプリントの関係というのがどうなっているのかというようなことを、カーボンフットプリント以外にも店頭でいろいろな情報を提供していて、それはそれなりにいろんな意味があるかと思うのですね。ですから、そことの間をどう考えて、どう整理をしてカーボンフットプリントを位置づけていくのか。ここから消費者は環境問題のどういう側面についての情報を得てほしいのだというような、それ以外のところはどういうふうに、ほかのラベルとの関係の中でどう解釈したらいいのかだとかというような、何を伝えたいか、どう評価したらいいのかという側面も、うまく幾つか重要な側面を議論する必要があるのではないかというふうに思うのですね。
    なぜならば、例えば、実際にはCO 2の排出量が75グラムというふうになってしまうのでしょうけれども、その中には、例えば今ここで挙がっている包装の問題、あるいは廃棄の問題の中に、日本が進んでいる3Rという対応によっても随分変わってくるかと思うのですね。消費者がもっと協力すれば、消費者がどういう協力をしたもとでの例えば廃棄というようなところにだって絡んでくるわけであって、そうやって考えていくと、3RとCO2の問題というのは、本当は切っても切り離せない問題でもあるし、生活者がここの中でもっともっと協力しなきゃいけないことがたくさんあるかと思うのですが、それをラベルの中に全部示すことはできないまでも、どういうふうに要は普及・啓発していくかというような問題というようなこともあるかと思うのですね。
    さらにわかりやすさという側面からすると、絶対値がいいのかという問題と相対値の問題がありますよね。省エネラベルのようなものはその両方を含んでいるわけですけれども、それがいいかどうかということもあるかと思いますが、店頭に並んでいる袋をみれば、ポテトチップスのグラム数でどれがどのぐらいかってわかるじゃないかといえば、そうかもしれませんけれども、消費者にとってみたら、これがすごく立派な数値なのかというのも非常に難しいところですので、しかも、これを全部アグリゲートした形での何グラムという表示になったわかりにくさというような問題もあります。その辺のことも含めて、ISOの動き等々もあるでしょうし、イギリスの動きもあるでしょうけれども、日本の消費者に対して日本の3Rその他のいろいろな仕組みの中でどういうふうに開示していったらいいかというところも、多分幾つか議論していかなきゃいけないところがあるのではないかなというふうに思っております。
    以上です。
  • 石谷委員長
    どうもありがとうございました。
    今、消費者が自分でどのくらいCO 2を出しているかという点については、直接のエネルギー消費はかなりわかるようなデータもあります。例えば一般の人は、大体半数以上が自動車のガソリンということになっていますが、日本全体からみると、ガソリン消費は2割ぐらいで、あとの大部分は産業とか民生で使われている。それが結局は回り回って家庭に入ってくるわけで、カーボンフットプリントはそれをみせて、どういうところを節約すればいいかということを示すものです。ただ、見せ方については、今おっしゃったようにいろいろなあらわし方があります。最初におっしゃったデータをいかに妥当性のあるものにするか、完全に正確なものは無理でも、少なくともみんなが納得できるようなデータを確保するというのは大変なことなので、こういうところから始めてだんだん直していくという、その端緒になる方策ではないかと思っております。ぜひ研究会の中でそういうことを十分詰めていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
    それでは、中村委員どうぞ。
  • 中村委員
    私は、意見でも質問でもなくて激励ですけれども、今いろいろご指摘があったように難しい問題はあると思うのですが、この方向については大変賛成なので、いいものをまずつくっていただきたいと。やっぱり正確でなければいけませんし、企業のノウハウに係る部分もありますし、市場の効率性に任せたほうがいい部分もあったりしますので、いいものをぜひつくっていただきたいということです。
    私どもの傘下にたくさん商工会議所がありますけれども、最近になりまして、やっぱりまずおのれを知るべきであるという意見がやっと出てまいりました。とりあえずエネルギーからですけれども、各地でそれぞれ、自分がどれだけ例えば電力を使っているかとか、石油を使っているかとか、簡単なものではありますけれども、それを報告してもらおうと思っています。かなりの人の賛同を得ています。事業種ごとにやって、次の年にどれだけ減ったとか、どこが無駄かなというようなことがわかってくるということで、そういう取り組みもしていますので、先ほどのカーボンフットプリントなどのときにも、来年ぐらいには多少なりともお役に立つようなデータが出せればと思っております。
  • 石谷委員長
    ありがとうございました。
    この小委員会の委員長というよりも、省エネ担当としては中小企業その他をこれから巻き込んで、CO 2削減努力の網から漏れないようにしないといけないと思っておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。
    あと、実はほとんどの委員にお話しいただきまして、まだご発言いただいていない方がお二方いらっしゃるのですが、それでは、まず足立委員。
  • 足立委員
    私も、この委員会での進め方についての意見でございますけれども、本日8つの方策、柱を立てられまして、これは非常に網羅的で、今まで行政的にも進められてきたことを再度整理していただいたということで、これは着々と我々やっていかなきゃいけない部分が出て、非常に結構なまとめ方をされたと思います。
    特に、先ほど来少しご指摘もございました、「当面実施すべき」という点でまとめていただいたという点で、第1の観点のカーボンフットプリントと新しいファイナンスの部分に取り組んでいくという、この2つを深掘りしていただくということで、これは非常に結構なことだと思います。我々の委員会として、私はこの委員会の取り組むべき、特に焦点を当てて深掘りをすべき2つの領域を決めていただいたというのは、非常にいいことではないか。今までもご議論ございましたけど、カーボンフットプリントもこのエコリサイクルという概念もいろいろアイデアが出ておりますが、何か1つに焦点を絞って、それでデータそのものは非常に難しゅうございます。不確実性の議論もあるし、厳密性もありますし、信頼性もありますし、いろんな問題があるわけですけれども、今ご指摘いただいたような点で、今後我々が取り組むべき一つの焦点としてのカーボンフットプリントのデータを集めていく。消費者の我々への見える化という形で進めていただくということ。
    それから金融市場、これはいうまでもなく非常に大きな力でございますから、これは当然取り組んでいかなきゃいけないわけですから、これを大いに深掘りをしていただくというのは非常に結構な取り扱いではなかろうかと思います。
    以上でございます。
  • 石谷委員長
    どうもありがとうございました。
    それでは、永松委員、それから大野委員の順番でお願いいたします。
  • 永松委員
    「環境力」評価手法という問題でございますけど、突き詰めて考えますと、結局、環境対応のためにコストアップになると。コストアップでもみんなに受け入れてもらう、買ってもらうにはどうしたらいいかということだろうという気がするのですが、先ほどいろいろご説明いただきましたように、また、この事例にありますように、実はLCAで考えれば、省資源にもつながるし省エネにもつながるということで、むしろコストダウンになるのだよとか、あるいは非常に機能性が高まるとか、健康にいいのだとか、そういうことであれば、それはそれ自体で販売力をもつわけでありますので、改めて評価ということも大事かもしれませんけど、それはそれで売れるのだろうと思うのですね。
    そうではなくて、例えば太陽光発電ということを考えた場合に、このA社の太陽光発電パネルは世界で一番CO 2排出量がありません、コストは非常に高いです、でも、CO 2は少ないですからぜひ買ってくださいといっても、これはなかなかマーケットとしては受け入れられないのだろうと思うのですね。そういうときに、日本でもやっていましたように補助金をかみ合わせて政策支援をするのか、そういった場合にどういう評価が可能なのかというのは、もう少しみえる形で教えていただければと思います。東芝なんか、今度白熱電球の生産は停止するそうでありますけれども、それは一般的にそういうことが可能かどうかということもあろうと思いますので、その辺の議論を教えていただきたい。
    第2番目にフットプリントの件で、この間テレビでちょっとみただけでございますので間違っているかもしれませんけど、イギリスのスーパーマーケットで、要するにフットプリントで輸送に伴うCO 2を表示すると。そうしますと、遠くから来たものは明らかに不利になるわけですね。品質で勝負とかいろいろ議論があるのでしょうけど、先ほどブレークダウンした数字がありましたけれども、例えば輸送だけに注目していきますと、だんだん貿易とか北海道のは食べられないとか、四国も遠過ぎるとか、だんだんアウタルキー経済ではありませんけど、コストは高くても地元だけで無農薬を買うとか、そういう縮小均衡的なほうにばかり働いてしまうのかなと。その辺の例えば輸送という問題だけでも結構なのですけれども、教えていただきたいと思います。
    それから、地域ぐるみというお話で、これはある意味では前に申し上げたかもしれませんけれども、これもテレビでみまして、奈良県で大和川だったですかね、河川の浄化のために地元の金融機関が音頭をとって、市民に呼びかけまして、そこの河川浄化に協力した個人には預金金利を少し高くしましょうということですごくよくなったそうでありますが、これはまさに企業の善意で成り立っているわけでありまして、そんなこと永続できるわけがないですね。そういった場合などの評価といいますか、そういう銀行にとっての資金調達は逆に安くなって、貸すときは高く貸せるとか、そんなシステムが具体的に考えられるのかどうか、その辺の評価方法で少し具体的につながるようなお話をいただければと思います。
    以上です。
  • 石谷委員長
    どうもありがとうございました。
    省エネのほうではよく、得する省エネと得のできない省エネ、損する省エネといっているのですけれども、やっぱり外部性というものは、今の関係で損するところに入らざるを得ない。特に「クールアース50」とか、あるいは70%削減というような話になってまいりますと、将来的には必ずそういう状況にならざるを得ない。それを、今どう先をみて投資まで結びつけられたらいいのかといったあたりを議論するのがこれからの研究会だと思います。特定の意見にバイアスしないで、いろいろな可能性をみて、なおかつ実現の可能性のあるところを進めていくように整理していくという形で、今のお答えになるような方向にやっていかなければいけないのかと思っておりますので、またその節はいろいろご意見を伺いたいと思います。
    大野委員、多分その辺に対するお答えもいただけるかもしれませんが、お願いいたします。
  • 大野委員
    私、意見でございまして、前回も同じようなことを申し上げているのですけれども、実施すべき措置の2の「環境に配慮した新しい金融・投資のあり方」についてなのですけれども、これから具体的に検討されるということだと思うのですけれども、金融と投資でかなり違うところがあると思いまして、投資といいますと、やはり市場からお金をとってくるということで、大企業さんでありますとか動脈でありますとか、あるいはグローバル企業さんの視点ということになると思うのですが、ご案内のように日本の金融の場合は、まだまだ間接金融というか銀行借り入れ、中堅・中小企業さんが銀行と相対で資金調達をするという側面が非常に多いわけでございますので、それぞれの「環境力」というものも、ダブルスタンダードと申しますか、別々の観点から検討したほうがよろしいのかなというふうには思います。既にお考えかと思うのですけれども、ちょっとご意見として申し上げたいと思います。
  • 石谷委員長
    ありがとうございました。
    それでは、今の一連のご質問に対してお願いいたします。
  • 君塚環境調和産業推進室長
    それでは、順番にお答えいたします。
    上山委員から3つのご意見ございましたけれども、まず第1点、第2点は共通するところがあろうかと思いますが、カーボンオフセットに関して、やはり認証・仲介だけではなくて取引の機能設計ということが必要であるということと、あと、地域の話と関連をして、地域のほうで例を挙げさせていただいたとおり、カーボンオフセットの取引をする場合に、先般からご指摘いただいているとおり、VERについてもやはり制度設計が必要だというご指摘がございまして、まさにその一つの取り組みとして、この13ページの例を挙げさせていただいております。ここは認証・仲介とだけ書いておりますけれども、取引のあり方といいますか、やはり市民や企業が参加するということですので、いかにそういった市場を整備していくかというところが主眼になろうと思っておりますので、こういった事業を進めるに当たって、今、上山委員からご指摘の部分も、認証・仲介だけではなくて、そういう取引システムとかトータルのあり方についても検討していかなければいけないと思っておりますし、先ほどご指摘ありましたとおり、環境省のほうでも大分積み上げがあるということだと思いますので、環境省とも連携して、データベースをともに情報提供し合いながら進めていきたいと思います。
    それから、規制がなく自由に取引できるようにというお話もございましたが、こういった地域ベースでの、地域が一体となった取り組みを助長するということを通じて、市民ベースで環境の取り組みも広げていきたい、あるいは企業ベースでのCO 2削減も広めていく、そういった事業、まさに環境を力にするビジネスの運営のために国ができることという視点から、こういった事業の支援を考えていきたいというぐあいに思っております。
    3番目のアジアの展開としては、国際グリーン購入ネットワークの動きとの連携ということがやはり必要だと思っておりますので、後ほど、アジアの関係で中村室長からご説明があるかと思いますけれども、考えていきたいと思っております。
    それから笹之内委員から、この順番については、まずカーボンフットプリントや金融の評価指標というのは、個別に見える化という視点から重要であり、もちろん事業実施の部分を検討する中で、事業実施の企業の取り組みが正確に市場に反映されることがビジネスの成長につながるという視点から、また同時に、こういった具体的なタマとしていろいろ検討が進んでいることから、初めにこの2つを置いておりますけれども、特に重要度の優劣ということよりは、まず一般の方にわかりやすい部分とか、あるいは具体的な研究会の設置などもあったものですから、最初にこの2つを見える化という視点から挙げさせていただいているということでございます。ほかのものの視点、あるいはここに載っていない当面でない部分についても、また中間報告とりまとめに当たっては同様に検討していきたいというぐあいに思っております。
    それから、3R関連で笹之内委員からのご指摘があったかと思うのですが。
  • 安藤リサイクル推進課長
    触媒の御指摘に関してですが、排ガス触媒ということですと、ハニカム構造など技術革新がどんどん進んできておりますし、リサイクルでも、日本はほとんど全量リサイクルされた上に、北米からも4分の1ぐらい入ってきておりますので、余り問題はないかと思います。多分、ご指摘は燃料電池用触媒ではないかと思います。これは、石谷委員長に本当にご指導いただきながら、基礎的研究のための仕組みづくりを進めてまいりました。3年前にお台場に国として研究センターをつくり、トヨタのトップサイエンティストにセンター長になっていただきました。また、ことしの4月には山梨に、個人特許で世界最高の先生がおいでになるのですが、その方を中心に研究拠点を整備しました。松下からも優秀な人が入ってきて、研究を進めています。
    ご指摘のように触媒表面を単層構造(シングルレイヤー)にすればよいではというところでは、耐久性の問題や、あるいは膜を壊すラジカルの発生などいろんな問題が起きてまいりますので、そう簡単ではございません。実は、前述の研究拠点をつくりながら、例えばブルックヘブン国立研究所やロスアラモス国立研究所などとの連携を深めながら、サイエンスベースでの研究を進めております。
    それから、海外からの受け入れの点でございます。携帯電話の都市鉱山については、国内で何とか体制を整えたいと思っておりますが、一方でDOWAホールディングスの皆さんがタイ、マレーシア、シンガポールと組み、バーゼル条約事務局なども巻き込みながらアジアから携帯電話を持ち込むというご努力も進めておられます。また、先ほどの関連で、燃料電池で使用済みになったものを国内に持ち込みたいという引き合いがあるけれども、なかなか難しいという新しい論点も出てきておりますので、ご指摘の視点を踏まえながらしっかりと進めてまいりたいと思います。
    私からは以上です。
  • 君塚環境調和産業推進室長
    アジアに関するご指摘は、まとめて中村室長から後ほどお答えいたします。
    次に、辰巳委員はご退席されましたけれども、「当面実施すべき措置」ということで、「持続可能」という表現を盛り込むべきというご指摘。そのとおりでございまして、「当面実施すべき措置」というのは、全体の中間報告では、全体像をとりまとめていく中で当面動かしていくという視点から、ややメリハリをつけてという部分がございますので、この「持続可能」というご指摘等々、ほかのいろいろなご指摘もございますので、そういったものを反映していきたいと思っております。
    それから、逢見委員からのご指摘でございますが、名称にこだわらなくていいのではないか、カーボンフットプリントというよりも日本に受け入れられるようなというご指摘、まさにそのとおりでございまして、今カーボンフットプリントというのは世界仕様でISO規格化が進められているというところで、我が国がそれに対応してどうしていくかということですけれども、やはり大事なのは、後ほどの西尾委員のご指摘にもございましたとおり、日本でどう制度化して、どうやって受け入れてもらうかというところだと思いますので、その辺のネーミングなり消費者に受け入れられるような制度化ということを考えていきたいと思っております。
    それから、ISOのスケジュールについては、今十分な詳細な情報がない状態ですけれども、ISOのSC7という温暖化関係を取り扱う場で、実はISOのTC207という環境マネジメントを取り扱う委員会の中で、SCというサブコミッティーがございまして、その中で環境ラベルやLCAのサブコミッティーもあるのですが、このカーボンフットプリントについては、サブコミッティー7という温暖化関係の議論の中で取り上げるということで、日本の対応委員会でもそういうSC7の対応委員会で議論することになっておるのですが、今のスケジュールでいいますと、今月のボゴダの総会、TC207の総会がございまして、ここである程度提案といいますか、NWIP(New Work Item Proposal)という形でISO規格化の提案がされるのではないかという流れになっております。そこに日本の稲葉先生らが参加しているという状況でございまして、もちろんISO規格化の作業は3年間ぐらいかかりますので、すぐにということではないのですが、その中でいろいろな議論はできる素地がありますし、まだ提案もされていない前の段階でございますので、また詳細がわかりましたらご紹介したいと思っております。
    それから、中島委員ですが、エコタウンの部分だけお答えさせていただきますと、動脈と静脈のリンケージが必要だというご指摘がございまして、まさにこの11ページの広域的リサイクルチェーンというところでそういったことを考えていきたいと思っておりまして、やはり動脈・静脈事業間の情報のマッチングといいますか、やはり連携がとれていないと。どうしてもそういう中で、せっかく原材料があるところが、情報がないために、うまく連携してともにWin-Winで発展していけないという状況があるかと思っておりますので、そういったところを解消するということを物流効率化とあわせて、地域ベースの話と広域ベースの話と両方あると思うのですけれども、ご指摘を踏まえた形で、今いろいろな問題を抱えているエコタウンという範囲に限らず、およそリサイクル産業共通の問題として、そういった連携のあり方を考えていきたいというぐあいに思っております。
  • 安藤リサイクル推進課長
    中島委員のご指摘にちょっと補足です。資源アプローチのところが足りないと、こんなご議論でしたが、別途、資源有効利用法の点検・見直しの議論を、先ほどもご紹介しました廃棄物リサイクル小委員会でさせていただいておりまして、そのあたりの盛り込み方をどうするかといったところは、また事務的にも検討してまいりたいと思います。携帯の問題ですとか回収の問題をいかにしっかりとしていくのか、都市鉱山的なアプローチがあります一方で、日本から出ていくところは、WTO整合性の問題などいろいろ単純でない問題もございます。
    エコタウンという言葉だけが出てきていますが、日中協力を具体的に進めております。青島、天津とと北九州市が組んで、家電リサイクル、トレーサビリティ、自動車リサイクルなどについて検討を深めています。それぞれ人件費その他の状況が違いますので、日本のシステムを移したときにどういうふうに変わってくるのかというポイントもございます。単純な機器の問題のみならず、サービス・トータルとしての協力をしておりまして、これをぜひアジア諸国にもみえるようにしていくことが重要です。また、日本としてもビジネスチャンスになっていくような仕掛けづくりがこれから必要ではないかなと考えておりますので、あわせご報告いたします。
  • 君塚環境調和産業推進室長
    次に、伊香賀委員からのご指摘でございます。LCAのデータ流通システムに関して、海外企業に対しても同じことを求めないといけないと。まさにおっしゃるとおりでございます。サプライチェーンを考えた場合に、当然海外の企業も入ってくるわけでございまして、日本の企業の中と同様の問題もあるわけでございますけれども、特にアジアでもしそういうサプライチェーンがあれば、アジアでLCAも展開していくと。LCA協力の取り組みも今しておるのですけれども、そういう動きとも合わせて、LCAのデータ流通システムを考えるときには、例えば川上企業がアジアにかかるという場合には、そういうところも含めて検討の対象にしていくと。つまりポイントは、LCAのデータを川上企業がちゃんと正確に情報開示できるような、信頼性の高い、かつ簡易にアクセスできるようなシステムということだと思いますので、そういったところを具体的に海外も視野に入れて検討していくという所存でございます。
    西尾委員からも同じご指摘がございました。つまり海外、正しいデータが測定できるかどうか。カーボンフットプリントについても、海外ということが絡んできた場合に、正しいデータが測定できるのか、信頼性の問題が出てきますので、まさに伊香賀委員と同じご指摘の趣旨を踏まえて対応していきたいと思っております。
    それから、西尾委員から前回もご指摘いただいたことで、この資料でいいますと4ページのところで、必要性ということで書いたのでございますけれども、他のラベルとの関係とか、なぜこのカーボンフットプリントが必要だというところはもう少し整理しないといけないというぐあいに思っておりますが、わかりやすいラベル表示が必要であるということと、今、多数環境ラベルが存在している。いわゆるISOでいうタイプIIの自己宣言型のラベルが存在するという中で、もう少し共通のラベルが必要であるということであるとか、CO 2排出量のネガティブな情報開示も積極的に出すことの意味を企業にもわかっていただきながらこういった制度化を進めていくということだと思っておりますので、また研究会の場でもそこをもう少し、もちろんISO規格化という世界の動きに対応していくというだけではなくて、先ほどのご指摘と同様なのですが、日本の中の制度としてどういう意味があるかということを考えていきたい。
    また、絶対値がいいのか、相対値がいいのかというような部分も、単にグラム表示をするだけではなくて、例えば店頭での説明のあり方とか、そういったこの制度の意味をもっと伝えていくというようなこともあわせて検討していく必要があると思っております。
    それから、中村委員からも、やはりおのれを知るべしということをおっしゃいましたけれども、データの収集についてまたいろいろと、こういった取り組みを進めるに当たってどうしてもデータが必要でございますので、ぜひまたご相談してまいりたいと思っております。
    それから、足立委員から1番目と2番目の部分についてご指導いただきましたけれども、やはり深掘りをしていくと。見える化という観点からのデータを収集して、この1番目と2番目はかなり連動している部分だと思っておりまして、企業の取り組みをいかに見える化するか、わかっていただくかというところだと思いますので、その際には、不確実性の問題であるとか信頼性の問題、さまざまな課題があります。その背景には、やはりLCAのようなデータベースの基礎となる部分の精査も必要だということでございますので、そういったことを総合的に、お互いの取り組みも連動しながら考えていきたいというぐあいに思っております。
    それから永松委員からは、コストダウンにつながるとか健康にいいとか、そういういわゆる価値、わかりやすい価値といいますか、実際に売れるような価値があれば当然売れていくという中で、例えば太陽光発電のような、コストはかかるのだけれども環境に優しいから協力してくれというような訴えかけをどうしていくかということは非常に難しい問題でありまして、例えば省エネ家電とかそういうものは、まさにエネルギー効率がいいといいますか、そういうことで消費者に受け入れられやすい部分があるのですけれども、こういった受け入れがたいものをどうやって訴えていくかということが非常に大事だということでありまして、そこはまさに消費者への訴え、もっと大きな問題としてあろうかと思っておりまして、単にラベル表示とか評価指標というものを超えた部分があろうかと思っております。そこはもう少し広い視点から、どうやって消費者に環境行動を促進していくための訴えかけをしていくかというところで、マクロに考えていきたいと思っております。
    それからフットプリントに関しても、縮小均衡の方向になってしまうのではないかというご指摘はそのとおりでございまして、遠いから悪いとか、フードマイレージだけで判断をするということではないと思っておりまして、あくまで環境という視点からどうなのかということを一つの指標として表示をするということでございますので、いろいろな購入する場合の価値観であるとか、近くであっても、地産地消であっても、例えばビニールハウスで栽培するものは環境負荷が高いということもありますし、そういった遠いから悪いというだけではないものもあります。つまり、いろいろな評価指標といいますか、考え方が消費者への情報開示、あるいは先ほどの評価手法とも絡みますけれども、金融機関や投資家への情報開示にも反映されるというぐあいに考えております。
    例えば評価指標の考え方でいいますと、環境への取り組みというものが、単に環境に優しいから投資をしろということではなくて、環境に取り組んだ企業は長期的にみればサステナブルであるというようなことを訴えていくということだと思っておりまして、例えば国連のPRIの原則もそういった視点に立っていると。つまり、環境に優しいから投資をするというだけだと、リターンがなければ投資の運用として責任がないという話になりますので、そこは環境の取り組みがイコール企業のサステナビリティーにつながっているというところもセットで示していかないといけない。これは言葉でいうだけではなかなか説得力がないので、ではどういうことでちゃんと投資のリターンにつながっていくのかということを明らかにすることで、この評価指標をもう少し裏づけをしていくのかなと。つまり、単に環境だから投資をしろということではないというぐあいには思っております。
    最後の大野委員のご指摘もそれに関連すると思いますけれども、金融と投資のダブルスタンダード、ちょっとこれは、またこれから具体的にどう違うのかとか、投資ということの観点、金融という観点それぞれと違うと思いますし、また、それを全く同じ指標でいいのかという問題が多々あると思いますので、またそれは研究会で議論を重ねながら、また大野委員からもいろいろご指導いただきながら進めていきたいと思っております。
  • 中村環境指導室長
    それでは、アジア関係についてご説明を申し上げます。
    1つは、笹之内委員のEUの話についてですが、その点に関しましては、明日だったと記憶していますけれども、「東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)」が設立される予定です。これはアジア版OECDとしてアジアの研究のビークルとして、資料2の14ページにありますように、環境・省エネ政策のレビューによる環境問題、省エネレベルの見える化を行いまして、それらを踏まえて政策提言を行うことになっております。
    もう1点は、伊香賀委員のお話の中でカーボンフットプリントの観点から、海外企業等をどのように巻き込んでいくかというお話がございましたけれども、環境規制に関しても同じような視点が必要だと思っていますので、若干説明させていただきます。環境規制に関しましては、日本は環境規制をしっかり執行しておりますが、アジア諸国も日本と同レベル程度の環境規制が作られているのですが、その執行は不十分なものとなっているという問題点があります。
    アジアの環境負荷を低減させるためには、将来的にはアジア諸国の環境規制はできるだけ同じような基準及び執行形態で行う必要があると思っております。例えば、資料2の14ページの当面実施すべき措置の8でございますけれども、「専門家派遣等により制度整備及び執行強化支援」ということを通じてできるだけ環境規制及びその執行の共通化に向けて努力していくということです。各国それぞれの事情がありますので、全く同じにするというのは難しいかもしれませんが、できるだけ近づけていくということだと思います。
    もう1つは、先ほど上山委員からGPNの話とIGPNの話がございました。規制のみで十分に担保できない場合は、例えば民間の機関、例えばGPN、IGPNを活用しながら、できるだけ制度の均衡を図っていくというのも一つの手段であると思っています。
    また、トヨタさんがよく実施されていますが、企業の中には、部品調達をする時に、環境負荷の少ない製品を優先的に調達するとか、公害が余り発生しないような溶剤を使って作られる部品を優先的に調達するような事例が見受けられます。今後は、法律の規制を活用したり、GPN、IGPNなど民間機関を活用したり、あるいは個別企業の対応によって、それぞれの連携を密にして、アジアの発展とアジアの環境負荷の低減につなげていきたいと思っております。
    以上です。
  • 石谷委員長
    どうもありがとうございました。
    大体ご質問の各委員の先生方、よろしいでしょうか。いろいろこれからまだ詰めなければいけないところがあると思いますけど、大事な点は、やはり研究会でバイアスしないでいろいろな問題とそれに対する対処法をしっかりと議論した上で、またここへフィードバックしていただく、あるいは途中でフィードバックを受けますから、そのときにまたご意見をいただいたらいいかと思います。
    この委員会、小さな委員会なのですけど、対象は非常に広いものですから、いろんな話が何もかもみんな関連してくる。ただ、ここの委員会でそれを全部やることは不可能ですが、先ほど安藤課長のご発言のように別のところで、メンバーの方は幾らか重複しているでしょうが、それなりの動きも随分ありますので、できたらそういう動きを、関連するときにはこの委員会にも情報として出していただく。きょうは安藤課長からお答えいただいてそちらの動きもわかりましたが、そういうものも含めて、今後資料として関連するものは出していただくように事務局にお願いしたいと思います。
    それから、ほかの委員会で同じような議論をやっているところもあり、随分重複していますので、それは整合性を保ちつつ、特に環境省との間で齟齬を来さないようにして頂きたい。国の委員会では、経済産業省は環境省と真っ向からぶつかることも多いので、そういったところは整合、特にLCAのデータとか、CO 2の排出の原単位とか、そういった問題では、今でも整合性がとれてない部分もある。最終的にそういうものをどう考えるかで答えが随分変わってくるかと思いますので、どこでどういう考え方をすべきかということをまた改めて議論しなければいけないこともあるかと思います。そういう問題も含めて、研究会でまず検討していただく。その他の点についても、必要であればまたそれなりの作業をやっていただくということになるかと思います。
    大体以上で予定の時間になりましたので、本日の審議、ここまでにいたしたいと思います。
    本日は、時間も十分あったと思いますが、さらにご意見ございましたら、事務局あてに電子メールでお送りいただければと思います。
    今後は、個別のテーマごとに検討を進め、本小委員会には秋ごろに経過報告を行い、委員からのご意見をいただき、さらに検討を進め、来春に成果報告を行い、その後、小委員会の中間報告をとりまとめたいと存じます。その過程において、委員の皆様からも随時ご意見をいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
    それでは最後に、本日の資料の公開について、事務局より説明をお願いいたします。
  • 君塚環境調和産業推進室長
    本小委員会の公開につきましては、第1回の小委員会でご承諾いただきましたとおり進めさせていただきたいと思います。
  • 石谷委員長
    それでは、ちょっと時間が早いようでございますが、これにて閉会させていただきます。
    長時間にわたり熱心にご議論いただき、まことにありがとうございました。

──了──

 
 
最終更新日:2008年7月24日
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