経済産業省
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産業構造審議会環境部会産業と環境小委員会(第1回) 議事要旨

日時:平成20年2月18日(月)18:30~20:30

場所:経済産業省本館17階西7第1特別会議室

議題

  1. 委員長選出
  2. 産業と環境小委員会における検討課題について
  3. 今後の検討スケジュールについて
  4. その他

出席委員

浅賀委員、足立委員、伊香賀委員、石谷委員(委員長)、岩下委員、大谷委員、大野委員、熊野委員、笹之内委員、沢井委員、辰巳委員、中島委員、永松委員、西尾委員、野口委員、萩原委員、細田委員(委員長代理)、松井委員、松橋委員、青山代理

議事要旨

事務局が、「資料3産業と環境小委員会における検討課題について」に基づき、基本的な問題意識、及び3つの視点から、

  1. 「環境を『力』にするビジネス」の観点から見た事業者の現状と課題、及び検討の視点
  2. 金融機関・投資家との関係における現状と課題、及び検討の視点
  3. 消費者との関係における現状と課題、及び検討の視点

について説明を行った。これに対する各委員からの発言は以下のとおり。

全体を通しての発言

  • 環境ビジネスを考えるとき、資源戦略も重要。本来、日本でとるべき金、白金等が汚染を広げながら海外に流れているのが現状。環境問題と資源問題は対として捉えるべき。
  • NPOの存在が重要。全国でNPO、行政、企業が共同で環境コミュニティビジネスを推進しており、今後も重要なので、地域ネットワーク作りにNPOを位置付けるべき。
  • 「環境を『力』にするビジネス」のあるべき姿という中で、地方公共団体も含めたローカルでの地域ネットワークの構築を入れるべき。
  • 環境とは地方の固有の問題が大きく、固有の条件によって取組みが違ってくるので、国が一律に実施する以外に地方対応というものが必要。
  • 市場規模の推計があったが、分類ごとに具体的にどういう項目が入っているのか。

    →(事務局)温暖化関連はエネルギーや環境配慮製品、3R関連では廃棄物リサイクル事業系の割合が大きい、自然共生・公害関連では公害対応型の装置産業と、生態系の修復・復元に係るビオトープ等。

  • 市場規模を数字で積算をしている以上は積算根拠をまとめ、お示し頂きたい。
  • 環境をテーマに大量生産をしたときに、環境にいいムダなものが出ないようにすべき。
  • 50数兆円の市場のうち現実は環境の産業で1000億企業がないということを考えたときに、環境は通常のビジネスモデルでないことを根本的に認識すべき。
  • 環境力を考えるのであれば、国内だけでなく、アジアを含めた地域で考えるべき。
  • グローバリゼーションの視点が欠けている。グローバルな目で規制、標準を作ることが難しいなら、日本の技術がどうしたらグローバルなデファクト・スタンダードになるかを議論すべき。
  • 米国、日本、ヨーロッパの燃費規制は全て違うので、環境のハーモナイゼーションは現実には難しい。その規制の違いをうまく利用しながら、エコを力にしてマーケティングを行って成功した例が日本には多くあり、そのような例を学習して拡充すべき。
  • 規制のずれによる競争はムダな仕事であるので、国の役割は、各国の規制を揃えていく、どうせいいものだったら自分の国だけでなく全世界に普及していくということではないか。
  • 平成15年の「環境立国宣言」の第6章のレビューをしてみる必要があるのではないか。
  • 各企業が共通に取引しているエネルギー等のサービスも含め、日本の企業が束となって海外の環境ビジネスの企業に、日本全体として勝っていくという視点が大事ではないか。
  • 65億人の地球の中の6~7億人の先進国が8割ものエネルギー、食料、資源を消費していることに鑑みたときに、どうも環境が力というようなものを感じていない。成熟したときの経済というのは、自然、社会、人のためという美化的な、はかないニーズがマジョリティだが、これは、はかなすぎてすぐに消えるので、環境、福祉、平和、教育というような美化的なニーズを確実に持続的に固める価値づくりの技術とは何かというところに日本が結集すれば、大きなメッセージが発信できる。
  • 日本の太陽電池政策は成功例と言われている。研究開発に初期に政府がリスクをとって資金を投じ、ある程度成熟したら普及を支援して補助金をかけて、その補助金を徐々に低くしてなくしていって、後は民間のマーケットに受け渡すという、この研究開発からマーケット、官から民への受け渡しのバランスは非常に難しいが、第2世代、第3世代の太陽電池に切り替える中でも同様の成功戦略をとることが必要。他にも日本の国家戦略上の重要な技術で、その最適な受け渡しが必要なものが多くあるので、その戦略が重要。
  • 「環境を『力』にするビジネス」ということであれば、一番力にしたいのは小さな企業とかそれを必死で続けてきた企業だと思うので、そのためのメッセージを提言すべき。
  • 環境は払い腰一本というものではなく、ボディブローのように効いてくるものである。冷静に見て何を認知すべきか、どういう環境戦略をとれるかということを考えて取り組めば、ボディブローのように徐々に効いて、気がついたら目指すべき社会になると思う。

1.「環境を『力』にするビジネス」の観点から見た事業者の現状と課題、及び検討の視点に関する発言

  • 中小企業にとってはISOよりも環境省のエコアクション21の方がとりやすい。このように、ISOに準じる日本独自のマネジメントシステムにも目を向けるべき。
  • 「困難を抱えている」というだけでなく、「何故このような困難な状況は続いているのだろうか、その根本にある問題は何なのか」というところまで整理すべき。
  • 企業自身の環境配慮について、これは企業活動全体なのか、あるひとつの事業分野なのかという整理も重要。
  • リサイクルを邪魔者処理のようなネガティブな印象で捉えるのではなく、国が行うべき役割とかルール、システムにサプライチェーンとリサイクルチェーンがうまくハーモナイズすると大きな資源回収が可能となり、環境の力として大きなシステムができる。
  • 環境で困難を抱えるというマインドでなく、環境でチャンス到来という、もっと元気の出る言い方で、日本の強みをもっと伝えられないか。例えば、COが何万トン減ればどれだけ利益になるかという指標があれば、メーカーもステークホルダーも分かりやすくなる。
  • 製造と消費とリサイクルを並列で捉えるべき。マテリアルとして明確にすれば海外に希少金属が流れることはない。エコタウンをもう少し広げたような、資源の会社、製造の会社、一般の方がリンクできるエコシティのようなコンセプトが重要。

2.金融機関・投資家との関係における現状と課題、及び検討の視点に関する発言

  • 金融機関・投資家との関係で定量的なものも含めて企業の評価というものができないか。そうすれば情報ニーズのギャップも埋めることができる。
  • 投資について、事業によってリスク、課題が全然違うので、環境ビジネスをひとくくりにするのではなく、ケース分けをしたほうがより明解な答えが出るのではないか。
  • 金融機関は企業のヒアリングなどを通じて、与信判断や環境格付を行っていることから、必ずしも一般の投資家に全ての情報を公開しなければいけないということではないのではないか。こうした専門性をもった判断は金融仲介機関の役割である。
  • 「我が国の環境格付け等は欧米の考え方に準拠しているので、我が国企業の環境価値を正当に評価できない」とあるが、具体的にはどういったことがネックになっているのか。

    →(事務局)欧米のSRI評価機関による指標では日本独自の環境力が評価されていない。次回以降、具体的にどういう点で評価されていないのかを示したいと思う。

3.消費者との関係における現状と課題、及び検討の視点に関する発言

  • 環境によいものを安く買えるという動きになればよいと思う。
  • 環境とコスト両方でよいものは黙っていても普及するといわれるが、その中でもまだ普及していないものがあるかもしれない。また、コストがかかっても環境によいものをどうやって普及させるか、これは消費者の意欲にもよる。
  • ラベルについて、ネガティブ情報も開示する制度ができつつあるが、意識の高い消費者でないとニーズに合わせた情報入手はしない。むしろ、どんな環境負荷があり、何をすべきかということを考えるきっかけを伝えることが必要。そうした観点から、消費者とメーカーの間の販売業者や流通業者が店頭で積極的に説明をするような「システム」としての視点が重要。
  • 消費者の一つとしての事業者、という視点も重要ではないか。
  • 消費者というのは全世界共通という視点が重要。地域によって偏る必要はないし偏ってはいけないので、世界統一のルール、基準が重要ではないか。
  • 消費者との関係については、省エネをすれば電気代はどれだけ安くなるということからはじめて、COがこれだけ減っているというように落とし込み、少しずつ順番を追って環境の方にそっと持っていくという仕掛けが必要ではないか。
  • 環境力だけでなく、持続可能性という視点が必要。例えば熱帯雨林を守る場所で作った製品は、インパクトがあり理解が早い。もう少し持続可能性という視点をうまく入れ込むことにより、消費者に環境の関心、持続可能性の関心を高めることができる。
  • 環境というのは、何かしなくてはいけないと思う人は増えているが、具体的にどうすべきかがいまだによく分からない。もっと日常的な衣食住といわれる身近なものから環境に関心を持っていけるようになるのではないかと思う。
  • 製品のライフサイクル全体を考えたとき、グリーン購入だけでなく、グリーン使用、グリーン排出も必要。ごみ等は消費者にとっては非常に身近な問題なので、理解しやすい。
  • 省エネナビや自動車燃費等エネルギーの計測・表示システムがあれば、一般の消費者の方の意識が高まって努力をされるという実験結果もあると聞いている。割高なので個人の購入は進まないが、マンション、住宅等に将来、標準装備のようになってくれば国民的取組みになってくるのかなと感じている。

以上

 
 
最終更新日:2008年2月26日
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