経済産業省
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産業構造審議会環境部会産業と環境小委員会(第4回)‐議事要旨

日時:平成20年4月16日(水曜日)14時~16時
場所:経済産業省本館17階国際会議室

議題

「環境を『力』にするビジネス」成長戦略(案)

出席委員

石谷委員長、浅賀委員、足立委員、伊香賀委員、逢見委員、大鶴委員、大野委員、熊野委員、笹之内委員、嶋津委員、瀬古委員、辰巳委員、中島委員、永松委員、中村委員、西尾委員、萩原委員、平岡委員、松井委員、長瀬代理

議事概要

事務局より、「資料2「環境を『力』にするビジネス」成長戦略(案)」に基づき、

  1. 消費者との関係の視点からの戦略~製品の環境力の「見える化」~
  2. 金融機関・投資家との関係の視点からの戦略~企業の環境力の「見える化」~
  3. 事業実施の視点からの戦略~日本の環境力を磨く~
  4. アジアを中心としたグローバルな展開
  5. 環境力を活かした地域の活性化

を柱とした戦略案について説明。これに対する委員からの発言は以下のとおり。

総論

  • 短期に行動が起こせる部分だけでなく、中長期的な方策、システムについては、継続的に議論する事が必要。
  • 自然資本や社会関係資本を劣化させる商品・サービスの流通の制限を行うライフウォールの基準作りを大事にすれば、人と人、人と社会、人と自然の関係性が豊かになる経済活動がもっと進むのではないか。
  • 「我が国の世界最高水準の技術」とあるが、製造業は人気がなく、優秀な学生が来たがらないのが我が国の現状であり、優秀な技術者を調達する仕掛けが必要。また、元気のいいOBを国、企業としてうまく活用することも合わせ技で考えていくことが必要。
  • 子供達に製造業に対して魅力を持ってもらうため、例えば広報活動の中でも学会や大学が環境に対してまじめに取り組んでいることをもっとアピールする場を設けるべき。
     

消費者との関係の視点からの戦略~製品の環境力の「見える化」~

  • 表示問題について、いろいろな事件や事故が起きているが、表示、審査体制、チェック体制はどの程度のことを考えているのか。ISO的なものか、あくまで自主的なことに任せるのか。また、いろいろな表示の統一化、簡素化を図るのか。→(事務局)ラベル制度を確立し、その範囲においてLCA手法等の信頼性が確保できる体制を作るべき。
  • 消費者の環境行動に結び付けるためには、環境配慮に対する消費者の感度や知識の向上が重要。また、環境行動は自主的な負担というのは無理があるので、製品・サービスの購入の時点で、環境税のように目に見える形で金銭に反映されるようにすべき。
  • 地方での環境展示会等を活用した広報・啓発が進む政策的な仕組みが必要。
  • 子供に対しての視点がない。子供に環境と産業という視点で理解できるような、分かりやすいメッセージや資料、情報を発信すべき。そのためには、教育者の理解も必要。
  • 消費者にとって温室効果ガスの排出量が製品に表示されていることは重要。フードマイレージ等の表示も、世界中から食料品を輸入している日本では重要。
  • グリーン購入だけでなく、グリーン使用、グリーン排出を支援する税制、インセンティブを政策として入れるべき。
  • カーボンフットプリントやフードマイレージは、どの程度の追跡が可能なのか。例えばイギリスではどういう議論をされているか。保護主義的に使われうるとのヨーロッパの報道を読んだが、何処まで客観的な指標として取り入れうるか。←(事務局)イギリスも試行的な取組みの段階だが、LCA手法が基本。整理してお示ししたい。
  • 環境展示会等を活用した広報・啓発を各地で広げ、環境性能を消費者に分かりやすく伝えることが重要だが、現在、いろいろな環境ラベルが乱立ぎみなので、何らかのガイドラインが必要。あわせて、環境性能の表示に対する評価制度が必要。
  • 地域の大口ユーザーとして自治体が率先してグリーン購入を進めていくことも必要。
  • エコラベルで信頼性の高い表示システムを作ることと、それを普及させるためのシステムは分けて考えるべき。表示の信頼性の担保は国がイニシアチブをとるべき。消費者に何を伝えるかについては、製品のどういう側面の情報開示をするラベル等が現在あるかを整理した上でカーボンフットプリント等が必要という提言をすべき。また、単にラベルだけでなく、トータルとして普及するための支援、表彰制度等の仕組みが必要。
  • ペットボトルのラベルの位置がずれただけで廃棄される例のように、消費者のニーズなのか流通のニーズなのかがあいまいなまま多大な廃棄物が出ているという事実がある。このような誤解の中で出ている無駄があるのであれば、その点も洗い出す必要がある。
     

金融機関・投資家との関係の視点からの戦略~企業の環境力の「見える化」~

  • 環境に配慮する金融機関を消費者が選択することも大きな影響があるので、その視点も盛り込むべき。
  • 政策金融機関として、世界で初めて環境スクリーニングを使った融資制度を行っている。また我が国の金融機関として初めて2001年にUNEPFIに署名している。日本の金融機関は遅れをとっていたかもしれないが、最近はキャッチアップしつつある。
  • 企業の投資のための評価だけでなく、生み出された成果物が地球環境にどう好影響を与えるのかという「総合評価」の視点も必要ではないか。
  • 国連の責任投資原則(PRI)への署名促進について、排出権取引等の例を見ても、欧米は環境を食い物にしているのではとの思いがあり、この理念が本当かなという気がしている。本当に年金運用の正しい姿勢なのか、なぜこのような提案が出てきたのか。←(事務局)PRIは、むしろESG(環境、社会、ガバナンス)を取り組んでいる企業こそが長期的には投資の上でもリターンにつながるという考え方である。
     

事業実施の視点からの戦略~日本の環境力を磨く~

環境経営の高効率化

  • 環境が利益になるとは短絡的であり、やはり必要なコストとして環境を認識しなければならず、その上で合理的な削減を図るため、トップ、従業員がひとつの経営体のミッションとして環境とちゃんと向き合い、一体となった認識を持つことが必要。
  • 多くの企業でLCAを実施するためには、特にLCAデータのやりとりが容易にできる人材を採用することが重要であり、それはコストアップにつながるので、国としての支援を強化して頂きたい。さらに、そういう人材を学校がより多く供給すべき。
  • LCAデータベースの整備も含めて、制度的にも少しでもコストがかからない方法が必要。
     

資源生産性向上等による3Rの取組の高度化

  • 21ページのレアメタルの回収は、例えば、携帯電話やオートバイだけでなく、アダプターにレアメタルがある等の全く知らない知識を与える等による消費者の理解が必要。
  • 環境問題は温暖化だけではなく資源問題でもある。22ページの都市鉱山の図は、日本が今まで大変な地球資源を使ってきたことを示しており、ビジネスチャンスがあるということも含めて、これからもっと効率よくリサイクルできるシステムを作るべき。
  • 次世代の省資源型ものづくりで国際競争力を強化する「すりあわせバージョン2.0」は、工程合理化の法制化と受け止めたが、法制化になじむのだろうか。←(事務局)同じ環境部会の別のワーキングで報告書がとりまとめられているが、川中企業と川下企業の連携を強化することで、もっと工程くずを減らせることが明らかになってきたので、これまでも先例のあるガイドライン的な環境配慮設計や軽量化設計を法令上も位置付けていきたい。
  • 製造メーカーはマテリアルバランスを公表すべき。環境配慮していれば、コスト、販売価格が高くても消費者は理解すると思う。マテリアルバランスの公表により、どういうふうにリサイクルすれば国内流通ができるという流れを作るべき。
  • マテリアルバランスの公表は、企業秘密とかいろいろな条件があるので、どういう形が可能かといったあたりも含めて議論していく必要がある。
  • レアメタルの問題は非常に心配しており、ぜひ取り組んでいただきたい。自動車リサイクル法をきちっとやっていただきシュレッダーダストの再利用が飛躍的に進んだという実績がある。技術とうまい制度があれば進むが、技術がなかなか難しいこともある。
     

環境技術開発・活用の促進

  • 30ページの対応策のアウトラインのニーズとシーズのマッチングについて、ニーズにはNPOの視点、市民の視点というのが絶対に必要なので、盛り込むべき。
  • 「革新的技術21」がきちんと開発されて商業化されていくという戦略も入れるべき。←(事務局)「革新的技術21」は2050年半減目標等をターゲットに、これから10年、15年かけて開発して導入に向かう技術を念頭に置いており、ここでの成長戦略に結びつけるのは難しいが、視野には入れて何らかの形で取り組んでいく必要がある。
     

「環境を『力』にするビジネス」のノウハウ、成功要因の共有促進

  • 経産省の各課が有する政策事例を簡単なデータベースでまとめるべき。そうすると大がかりなコンセプトから事例を自分で発見でき、それにより解決の手法が見出せると思う。
  • 中小企業にとっても、自分の技術が何に使われるのか、その成果がどうなるのか、それに要するコストは何か、そのコストが回収できるのかという点の「見える化」がないと、なかなか投資に踏み切れない。この「見える化」とそれを推進する仕組みも重要。
  • この「見える化」は、エネルギーの方では少しずつ進んでいると思うが、マテリアルに関してはまだまだ先の話だと思う。その辺も含めて進めていければと思う。
     

アジアを中心としたグローバルな展開

  • 日本が持っているいろいろな環境パフォーマンスのいい製品が輸出しやすいような、相手から見ると輸入障壁がないような国際交渉をやっていただけるとありがたい。
     

環境力を活かした地域の活性化

  • ビジネス実践にはNPO、自治体による地域ネットワークが重要と書いてあるが、この中に地元企業が入ってこないとビジネス実践になかなか結び付いていかない。
  • 最近、環境関係の地域のプロジェクトが増えている。今後、特に地方自治体といろいろな形で連携して、地場の中堅・中小企業にも資金をうまく流していくことが重要である。
 
 
最終更新日:2008年5月27日
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