経済産業省
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産業構造審議会環境部会産業と環境小委員会(第5回)‐議事要旨

日時:平成20年6月2日(月曜日)13時~15時
場所:経済産業省本館17階第1~3共用会議室

議題

「環境を『力』にするビジネス」成長戦略 当面実施すべき措置及び今後の推進方策について

出席者

石谷委員長、浅賀委員、足立委員、阿部委員、伊香賀委員、岩下委員、上山委員、逢見委員、大鶴委員、大野委員、笹之内委員、辰巳委員、中島委員、永松委員、中村委員、西尾委員

議事概要

 事務局より、「資料2「環境を『力』にするビジネス」成長戦略 当面実施すべき措置及び今後の推進方策(案)」に基づき、

  1. 消費者への見える化
  2. 環境に配慮した新しい金融・投資のあり方
  3. 環境経営の高効率化
  4. 環境技術開発・新規環境ビジネスの創出
  5. 資源生産性向上等による3Rの取組の高度化
  6. ベストプラクティスの分析・啓発
  7. 地域ぐるみの環境の取組の促進等
  8. 「環境に優しいアジア」の実現

を柱とした当面実施すべき措置及び今後の推進方策について説明。これに対する委員からの発言は以下のとおり。
 

総論

  • この8つの「当面実施すべき措置」の順番には意味があるのか。←(事務局)「見える化」という視点から重要な取組であり、一般の方に分かりやすい部分や具体的な研究会の設置があったことから、最初にこの2つを挙げている。
  • 「当面実施すべき措置」だからないのだと思うが、CO2だけでなく資源代替等の話も重要なので、キーワードとして「持続可能」という単語が入るべき。
  • この小委員会は対象が極めて広いので、他の委員会等で関連する動きはこの小委員会にも情報として資料を出して頂きたい。
     

消費者への見える化

  • カーボンフットプリント研究会の参加企業として小売業者、消費財メーカーの他に業界団体等にも連携を求めて、現在のLCAデータの整備状況や今後の進め方等をヒアリングするとともに、進め方のプライオリティを明確にすべき。
  • カーボンフットプリントを国内で導入することはよいが、実施しようとすると負荷が大変なので、先行実施のイギリスとの関係等、日本がどのポジションで、どこと一緒に何をやるべきかという議論をもう少し深めるべき。←(事務局)ISO規格化の議論に日本が積極的に参加し、世界仕様に日本の企業の考え方ややりやすさを組み込んでいけるよう、業界横断的に意見を集約して方向を考えていきたい。
  • 現在、カーボンフットプリントはデファクトスタンダード化の過程にあり、日本から積極的な意見表明をすべき時期でもあり、この研究会で具体的なアウトプットを発信すべき。特に、消費者の支持に関する分析等で日本がアドバンテージをとるべき。
  • 「サプライチェーンを含めた企業のCO2排出量削減の促進」のためには、国内CDM制度のようなものもあわせて動かすことが必要。実務として動かすためには、認証・仲介という機能だけではなく、取引が公的に成り立つような機能設計が必要。
  • カーボンフットプリントは日本の消費者がどう受け止めるかが重要なので、名称にこだわらず、日本の消費者に受け入れられるものをいろいろ試行錯誤しながらつくるべき。
  • カーボンフットプリントの導入に当たっては、トレーサビリティ等の側面での正しいデータ測定等の信頼性の確保が必要。また、他のラベル等との関係の中でどのように評価するか、CO2のみならず3Rとの関係、絶対値か相対値か等の議論が必要。
  • カーボンフットプリントは、データをいかに妥当性のあるものにするか、皆が納得できるデータをいかに確保するかが大変であるが、ぜひ研究会で詰めて頂きたい。
  • 各地の商工会議所でそれぞれ、エネルギー消費について報告してもらおうと思っており、かなりの賛同を得ている。事業種ごとにどれだけ減って、どこが無駄かが分かるので、カーボンフットプリント等でお役に立てるデータを提供したい。
  • カーボンフットプリントは、厳密性、信頼性等いろいろな問題はあるが、我々が取り組むべき焦点として深堀し、データを集め、「見える化」を進めるべき。
  • 輸送に伴うCO2を表示すると、遠くから来たものは明らかに不利で、コストは高くても地元だけで買うという縮小均衡に働くのではないか。←(事務局)地産地消であっても、例えばビニールハウスで栽培するものは環境負荷が高いということもある。あくまで環境という視点からどうなのかということを一つの指標とすべき。
     

環境に配慮した新しい金融・投資のあり方

  • 金融市場における「環境力」評価手法研究会のメンバーには産業界からも考えているのか。←(事務局)有識者だけでなく、金融機関、投資家、企業、評価機関といった評価する側、される側のメンバーを考えている。
  • 銀行は環境的なものに対するデータがなく、一般的な財務指標で判断しているのが現状であり、やはり指標は必要。
  • 省エネ等、環境がコストダウンになるものは販売力を持つが、太陽光発電のようにコストアップになるものはどのような評価が可能なのか。←(事務局)消費者に環境行動の訴えかけを行うという、評価指標を越えた取組が必要。
  • 省エネは得するものと損するものがあるが、「クールアース50」や70%削減という話になると将来的には損するところに入らざるを得ない。それをどう先を見て投資に結び付けるか、バイアスせず、いろいろな可能性を見て整理すべき。
  • 地元の金融機関が市民に呼びかけ、河川浄化に協力をした方への預金金利を少し高くする例のように、企業の善意で成り立っている場合の評価はどうか。例えば、銀行にとっての資金調達は逆に安くなり、貸すときは高く貸せるといったシステムが考えられるか。
  • 投資は市場からお金を取って来るということで大企業、動脈、グローバル企業の視点だが、日本の金融は、間接金融という形で中堅・中小企業が銀行と相対で資金調達をする側面が多い。それぞれの「環境力」をダブルスタンダードで別々の観点から検討すべき。
     

環境経営の高効率化

  • LCAデータ流通システムの開発・推進は評価できるが、例えばアジアで部品を生産し日本で組み上げる等の場合、海外企業にも同じことを求めないとブラックボックスが残るおそれがある。海外企業をどう巻き込むのか。←(事務局)LCAのデータを川上企業が正確に情報開示できるような、信頼性の高い、かつ、簡易にアクセスできるシステムを、海外も視野に入れて検討していくことを考えている。
  • LCAデータをカーボンフットプリントやカーボンオフセットに使えるものにするためには、相当なデータの妥当性がないとならない。この点は国際的にも非常に重要であり、国際標準化も念頭に置きつつ内容を詰めるべき。
     

環境技術開発・新規環境ビジネスの創出

  • 触媒等のリデュース技術を、もっと基盤技術として国が支援すべき。←(事務局)例えば、燃料電池の触媒では、基礎的研究の仕組みづくりということでセンターをつくり、海外の研究所等との連携により研究を進めている。
     

資源生産性向上等による3Rの取組の高度化

  • 資源の問題に関しては、3Rプラスもう1つのRであるリプレイス、つまり従来使ってきた資源に変わる資源、やり方に置き換えていくということを明記すべき。←(事務局)レアアースのリサイクルは必ずしも十分できていない、資源制約というものが非常に厳しくなる中で、資源代替、4Rということはもちろん視野に入ってくる。
  • 「すりあわせ2.0」について、法制化すると国内のメーカーに義務を課すことになるが、サプライチェーンが国境を越えている状況で実効性はあるのか。また、川中・川下の関係で企業機密が漏れる等により、国際競争力をむしろそぐことにならないか。
  • 「すりあわせ2.0」について、無駄の排除は企業のまさに競争の原点であり、本当に法規制までやる必要があるのか。競争の中で答えを出す方が効率がよいのではないか。←(事務局)環境部会の廃棄物リサイクル小委員会基本政策ワーキンググループで別途報告書をまとめたところ。自社内では最適化で副産物を減らす努力は進んでいるが、サプライチェーン全体としては十分ではないのが現状。業界とも、経団連、家電、自動車等の関係者との議論の上、川下の省資源化設計の徹底のためのガイドライン的な規制ということで理解が得られている。個別の企業秘密に行政が立ち入る方式ではない。
  • 海外で出てきたものをいかにうまく回収するかということについて、戦略的に考えるのか、日本の企業が有利に回収していくようなことを考えるのか。←(事務局)民間で海外から持ってくる努力も進められており、例えば、燃料電池の使用済みになったものを国内に持ってくることはなかなか難しいという新しい論点も出てきており、ご指摘のような視点を踏まえながらしっかり進めていきたい。
  • 資源的なアプローチが低いのではないか。例えばレアメタル、レアアースについては国の問題として輸出の規制を考えないと、どんどん希少金属がなくなり、また、海外からの調達コストは高くなっているので、大きな問題となる。←(事務局)資源有効利用法の点検・見直しの議論を廃棄物リサイクル小委員会で行っており、この辺りの盛り込み方をどうするか事務的にも検討していきたい。
  • エコタウンについては、アジア全体の課題として、動脈・静脈両方のリンケージが必要。←(事務局)動脈と静脈のリンケージは広域的リサイクルチェーンの中で考えていきたい。日中協力を具体的に進めており、日本のシステムを移したときにどう変わってくるのかというサービス・トータルとしての協力をしている。これをアジア諸国にも見えるようにするとともに日系企業のビジネスチャンスになるような仕掛けづくりが必要ではないかと考えている。
     

地域ぐるみの環境の取組の促進等

  • カーボンオフセットについて、市民と企業との間で売買がスムーズに進むために重要なことは認証・仲介機能であり、日本の事情に合ったVERの制度設計が必要。その際、環境省のデータベース活用等、政府として横断的・効率的に制度設計を進めるべき。また、自由に売買できる仕組みにすべき。
     

「環境に優しいアジア」の実現

  • 「アジア経済・環境共同体構想」について、環境というグローバルに考えなければいけないテーマに対して、アジアだけを対象とするのはなぜか。←(事務局)今後、アジア経済は中産階級が相当に増えるということで、過去の日本の事例をみると、需要が爆発的に伸びるということが予測される。また、環境については、アジア地域での公害が、日本の公害を引き起こしている可能性があるとも指摘されており、アジアの中の日本という形で環境問題を解決していくということが重要。アジアに閉じたという形ではなくて、アジアを含めた広い市場を目指して、日本の「環境力」をいかに活用するかという視点で本構想を創設した。
  • 国際グリーン購入ネットワーク等の民間団体や地方自治体との連携をお願いしたい。
  • ぜひ常設のEU政府のようなものをアジアに置くぐらいの勢いでがんばっていただけると、今懸念されているいろいろなことがうまく解決するかもしれない。←(事務局)東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)が設立される予定。これは、アジア版OECDということで研究のビークルになり、環境・省エネ政策のレビュー等により政策提言を行うもの。
  • アジアサンベルトについて、アメリカで自動車がうまくいったのは民間ハイウェイ協会が大陸横断のハイウェイ構想を打ち出し、それにより内陸部の物流がしっかりして強大となった経緯があるが、是非環境にいいハイウェイをアジアでも作って頂きたい。

以上

 
 
最終更新日:2008年7月23日
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