経済産業省
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産業構造審議会環境部会産業と環境小委員会(第6回)‐議事要旨

日時:平成20年11月27日(木曜日)10時~12時
場所:経済産業省本館17階第1特別会議室

議題

「環境を『力』にするビジネス」成長戦略 当面実施すべき措置及び今後の推進方策の経過報告

出席者

石谷委員長、浅賀委員、足立委員、阿部委員、逢見委員、熊野委員、笹之内委員、嶋津委員、辰巳委員、中島委員、中村委員、西尾委員、萩原委員、藤田委員、菅野代理、古田代理

議事概要

 事務局より、「環境を『力』にするビジネス」成長戦略 当面実施すべき措置及び今後の推進方策の経過報告を資料2及び資料3に基づき説明。これに対する委員からの発言は以下のとおり。

総論

  • 最終報告書をまとめる際に、焦点を当てる部分を考えるべき。特に、カーボンフットプリントと「環境力」評価手法という新しい分析、表示ツールに焦点を当てるべき。
  • 世界の金融不況の中で、これから成長も停滞し、失業も増えるという閉塞感があるときに、環境ビジネスが成長のために有効であるというメッセージを出すべき。例えば、グリーンジョブが雇用の拡大に結びつくこと等を示していくことが必要。
  • 最終報告をマスコミに打ち出すときに、マクロ経済的な意味に関して世の中に訴えるキャッチフレーズがあると一般の人の注目度が格段に変わってくると思うので、是非お考え頂きたい。
  • 外需重視、PL的な経営判断、商品の有形性の重視、価格訴求力に注力、株価等が重視される市場と、有形性よりもその商品の持っている無形性が顧客の訴求力になっている成熟社会とを分けるべき。例えば、株主の要求も株価を求めるだけでなく、無形の配当性向を重要視するような企業力や、顧客満足と社会満足を同時に実現する価値訴求力を企業力として持つ必要がある。
  • カーボンフットプリントやLCA等が無形性の価値の競争力になるのか、また利益の再投資の対象として優先順位になるのか分からないが、物質重視の有形価値を重視した20世紀工業モデルから改善し、新しい環境価値の創出ということの議論が必要。
  • 一方で、一般の消費者や投資主体はもっと現物主義になっているので、それを切り崩していこうというのが今回の試みではないか。
  • 今回8つの事業の方向性が示されたが、それらがどんな関係になっていて、全体としてどういうふうに組み合わさるのかを最終報告書のときには示して頂きたい。
  • 全体としては、「環境力」評価手法に全てうまく生かされていく方向になると思うが、例えば、環境力のベストプラクティス集で挙がっているものが環境力の評価指標できちんと評価できているのかというところも留意し、整合性、関連性を示すべき。
  • 企業がいいものをつくっても、なかなか消費者に受け入れられないので、情報伝達の方法が重要。アジア等の海外諸国に市場展開する際も同様である。

当面実施すべき措置1
「消費者への見える化」<カーボンフットプリント>関係

  • 商品の一次サプライヤーのことしか分からないということをよく聞くが、その先のサプライヤーがアジアに絡むので、アジアとの関連の中で日本の環境ビジネスの力を発揮していこうとする中で、この部分の強化を行うべき。
  • カーボンフットプリントについて、例えば、CO2排出量表示は何の意味があるか、時系列的に改善されているか等、消費者にどのように理解して頂くかを考えるべき。
  • カーボンフットプリントを提示するのであれば、ほかのラベルとの交通整理を行って頂きたい。経済産業省の中でも、カーボンフットプリントだけでなく、省エネラベル、3Rのラベルもあり、そのほかに環境省はエコマークその他があるので、エコラベルのマッピング化を議論すべき。
  • カーボンフットプリントは「炭素の足跡」ということだが、日本の消費者にはなじまないので、せっかく統一マークを公募したのだから、名称も公募して、いい日本語の名前を付けるべき。
  • カーボンフットプリントは、どこまでの範囲で追跡するか、例えばバイオマスだったらゼロとカウントするか等、いろいろ議論があり得るが、消費者に分かりやすいように、範囲を決めて、ルールをきちんと決めておくべき。
  • カーボンフットプリントは、最終商品に表示をしていくことを中心に議論されているが、本来であれば、それぞれのサプライチェーンにおいてカーボンフットプリント的なものがあり、それが最終商品として表示をされていくというのが本来あるべき姿なので、サプライチェーンの中のCO2の情報を積み上げる仕組み、制度を作るべき。
  • ISOの提案がされていることは評価できるが、サプライチェーンの情報を収集する仕組みもグローバルな議論、特にアジア地域においての教育普及といったものも含めて展開すべきであり、世界中で同じものを使えるように日本としてリーダーシップを取るべき。そういう意味で、グローバルな議論とともに、その中で日本はどういうポジションをとるかを含めた工程表を示すべき。さらに、カーボンフットプリントの認証制度も世界で通用する共通のものであるべき。
  • カーボンフットプリントは、使用時にCO2が出るものは非常に扱いが難しく、寿命が長い商品を作るとCO2が増えるというおかしな論理になるので、消費者に分かるように工夫すべき。
  • 家電商品はトップランナー方式に基づき五つ星で表示しており、ようやく消費者に浸透してきているときに、カーボンフットプリントが出てきたら、混乱も招くおそれがあるので、お互いに配慮や工夫が必要。
  • カーボンフットプリントは、いかにその企業がライフステージ全体を把握しようと努力したかという結果であり、一次サプライヤーだけでなく遡る必要があるが、大事なのは、安心できる製品の購入、物の購入なので、そういうところとうまく結びつけた情報発信が重要。
  • カーボンフットプリントはCO2の側面しか見ておらず、資源の重要性を十分に表現できていない点が気になるが、資源の重要性の気づきを消費者に与えることは重要なので、その点についても消費者へのコミュニケーションを行うべき。

当面実施すべき措置2
「環境に配慮した新しい金融・投資のあり方」<「環境力」評価手法の開発及び株価指数への適用等>関係

  • 「環境力」については、企業のビジネスの形態は刻々と変化しているので、常にその評価の視点をいろいろな人によく分かるようにすべき。
  • 「環境力」評価は、誰を評価するのか、誰のために、何のために評価するのか、評価手法を活用する人が誰であるかを考えたとき、それをすべて一つの指標で評価することが可能かどうかが問題であり、すべてに汎用性を持たせることによって、「帯に短し襷に長し」というものにならないように留意すべき。
  • 本評価手法は製造メーカーの環境力を示している気がする。サービス、流通、マスメディア、地方行政、地方公共団体等も、環境力として評価できることをうまく説明すべき。

当面実施すべき措置3
「環境経営の高効率化」<ツールの強化・充実等、実効性のある環境経営の促進>関係

  • LCAデータベースの構築をさらに加速していくために、国家研究等を活用して、国の予算をかなり先行的に投資していく必要がある。

当面実施すべき措置4-2
「環境技術開発・新規環境ビジネスの創出」<環境ソリューションサービスの強化に向けた産学官コンソーシアムの立ち上げ>関係

  • エコタウンである程度官民の相乗りが可能となり、一部PFIも導入されているが、民間企業が持っているインフラと知恵を使うと、社会環境サービス等、官が担っている公共サービスをより一層実施することができる。製造業はいろんな操業、メンテナンス、設備技術、設備計画、人材等のポテンシャルがある一方で、自治体は、財政基盤が逼迫し、専門家の技術の層が薄い、立地スペースがない状況である。したがって、環境ソリューションの課題の所でPFIが難しいという記述があるが、次世代エコタウンでどこまで相乗りができるのか検討すべき。
  • 環境ソリューションサービスについて、ただ単にサービスという単語だけだと結局アイデアだけで、また各企業単体の努力による成果しか出ないので、産学官の連帯、コンシーアムという考え方を付加し、センター機能を持ったチーム、組織、場合によってはエコセンターのようなところが全体のマテリアルフローを分析し、そこにソリューションサービスをどう適用できるかということを考えて継続的に運営していくことによって、社会全体に対して環境ソリューションサービスそのものが継続して適用されていく。
  • また、そのサービスの中には一般の方に対する啓発、教育といったものも付加されるべきであり、そうすることによって、環境ソリューションそのものに対する社会的な認知を得ることができる。
  • エコシティーのような、地域全体を一つのクラスターとして、そこにマネジメントシステム、環境ソリューションサービスを付加することによって、全体で環境負荷、エネルギー、コストを下げるエコマネジメントを考慮すべき。
  • 事業のあり方そのものを変えないと、技術だけがいいものでもアジアには受け入れられない。例えば、日本には水の技術があるが、ヨーロッパの企業が上下水道の事業をあわせて展開する一方、日本では水道事業は地方自治体で、メーカーは要素技術を納入するだけなので、中国での日本の水ビジネスは成功しないと言われる。今後、技術とソリューションに加えて、ビジネスモデルを変えていくという大きな動きがないと、実際の貢献としてアウトプットが出ない。

当面実施すべき措置5-1
「資源生産性向上等による3Rの取組の高度化」<次世代の省資源型ものづくりで国際競争力を再強化>関係

  • 大学は大量の学生を抱えており、IT及び携帯のユーザーとして隠れたレアメタルを多く持っているし、エコマインドを持った学生、人材を輩出するためにも、大学を拠点にして回収を進めるべき。

当面実施すべき措置6
「ベストプラクティスの分析・啓発」<ノウハウ、成功要因の共有促進>関係

  • ベストプラクティス集を見て思うことは、せっかくいいアイデアが商品になり、海外に持っていくときに、イニシャルかランニングか、売り切りかリースか、ライセンスか等、海外への展開方法をなるべく早い段階でそれぞれの分野で考えるべき。

当面実施すべき措置7
「地域ぐるみの環境の取組の促進等」<エコポイント、カーボンオフセットの活用等>関係

  • カーボンオフセットの証書に関して、最近、ようやくグリーン電力証書が損金算入できるようになっているが、広報的に使わないとだめだという縛りがあり、これだとなかなか量が稼げないので、購入したことだけで損金算入してもよいという税務上の取扱いにして頂きたい。

当面実施すべき措置8
「「環境に優しいアジア」の実現」<環境法制の確立、マッチングによる連携促進等>関係

  • アジアの企業への技術協力を効果的に行うために、現地で指導を行う日本の専門家への研修をしっかりと行い、個々人の環境意識を高めるようにすべき。
  • IPR(知的財産権)の問題で、中国等では環境技術はフリーチャージで協力すべきという考え方があるが、我が国では環境技術に膨大な投資をしているので、途上国への環境技術協力を行うときにはその点を訴えるべき。
  • アジア経済・環境共同体構想は常設の事務局を作るべきだが、温暖化に関しては日本政府が取り入れているセクトラルアプローチという概念をアジア太平洋パートナーシップで是非取り入れて、この概念を続けていくことが非常に有効。

以上

 
 
最終更新日:2009年5月1日
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