経済産業省
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産業構造審議会環境部会産業と環境小委員会(第7回)‐議事要旨

日時:平成21年4月21日(火曜日)15時~17時
場所:経済産業省本館17階第1特別会議室

議題

  1. 当面実施すべき措置及び今後の推進方策についての検討内容の報告
  2. 「環境を『力』にするビジネス」新戦略~環境を軸とする新たな企業価値の創出~中間取りまとめ(案)

出席者

石谷委員長、浅賀委員、足立委員、岩下委員、逢見委員、笠松委員、熊野委員、笹之内委員、嶋津委員、辰巳委員、中島委員、中村委員、西尾委員、萩原委員、平岡委員、藤田委員、菅野代理

議事概要

当面実施すべき措置及び今後の推進方策についての検討内容の報告

1.事務局より、当面実施すべき措置及び今後の推進方策についての検討内容の報告、及び「環境を『力』にするビジネス」新戦略中間取りまとめ(案)を資料2、資料3及び資料4に基づき説明。これに対する委員からの発言は以下のとおり。

消費者への「見える化」:カーボンフットプリント制度の構築と普及促進関係

  • サプライチェーンもリサイクルチェーンもいろいろ変化し、国際的な面的な展開もこれから変わってくる中で、ライフサイクルとしてのCO2がいかに最小化されているかという解を見える化、見せる化していくことが重要。
  • 全体として、より高精度、公平、国際的に共通化できるようなひとつの物差しとしてのCO2の算出方法、計算式、データベースという横串を刺したまとめ方をすべき。
  • CO2の評価や基準化が現時点ではバラバラなので、それをまず統一することが重要で、その上でそれぞれの分野に応用すべき。いずれカーボンの価格のような議論が出たときに根本の問題になるので、そのデータベースや考え方の基準をしっかりすることが重要。
  • カーボンフットプリントにかなり偏った表現になっているが、もう少し見える化の中に3Rに関しても入れていただきたい。→(事務局)例えば再生部品をどれだけ利用しているか、リサイクルしやすい環境配慮設計になっているか等、3Rを見える化して、消費者に選択いただく取組を昨年9月から研究会で検討し、家電を中心にエコプロダクツ展でも展示した。引き続き取組を進めたい。

投資家・金融機関への「見える化」:「環境力」評価手法の開発及び株価指数への適用等関系

  • 評価手法は、精緻であればあるほど、具体的にどう判断していくのかが難しいので、経済産業省等が試験的に使用し、その結果を見て、ブラッシュアップを行い、判断の考え方を示すというステップを踏むべき。
  • 株価指数については、大企業の評価が高くなるが、中小企業やベンチャー企業の評価も重要。環境対応はコストがかかるので、大企業と全く同じものを中小企業、ベンチャー企業に求めるのは疑問。

環境ソリューションビジネスの強化関係

  • 例えば、国交省の下水の世界と厚労省のごみの世界を一本化して、よりコストの下がる効率のいい方法で従来の枠組みを超えてトータルの最適化を求めようとするときに、複数の役所にまたがるテーマが出てくるし、民間もトータルの最適化には腰が引けているので、経産省が蛮勇を振るってトータルのコーディネートにより全体の最適化を目指すべき。
  • トータルソリューションに関連して、製品やサービスは幾つかの段階があるので、それらをつないで、製品やサービスの全体としてのコストやカーボンを見える化すると、より買う人や作る人にとってのアピールになるのではないか。
  • 今度の中期目標などでも例えばどれだけ削減した場合にどれだけのGDPへの影響があるかというのが書いてあるが、そのような意味付けをすると環境の取組が進むのではないか。CO2の価格や資源量を常に表示し、今の段階ではこれがどれだけのメリットがあるか等を明確にしないと、国民一人一人の負担等を身近に感じられないのではないか。

資源生産性向上等による3Rの取組の高度化関係

  • リサイクルの高度化ということで言えば、リサイクル企業やベースになる企業の育成という部分を新戦略の中に書くべき。
  • グローバルなエコセンター的なグランドビジョンを示した上で、それを使用する人の視点に応じて、例えばウェブであれば、それがフローでワンクリックでたどれるような情報プラットホームを作るべき。それによって利用する方のポイントでそれぞれ使い分け、多面的な利用の仕方ができる。環境コミュニケーションという意味でも、全体を横串で刺せるという意味でも効果的である。
  • 3Rや生物多様性等の視点から、私たちが物を選択するに当たって、最上流のところで持続可能性を考えた調達を行っているかどうか、地球破壊につながるような資源調達をされていないかどうかが不安なので、資源調達に関するリスクという視点を盛り込むべき。このため、アジアだけでなく、アフリカ、南アメリカ等に視点を広げるべき。
  • 現在資源ビジネス自体は全く成り立たない。鉄や銅というベースメタルは資源流通としてやむを得ないが、これにレアメタルが巻き込まれているところに問題がある。ビジネスとしてとらえると、レアメタルは全く成り立たないし、ましてや今は全資源が全く成り立たない状況なので、政策的に考えないと、資源ビジネスとしての今後がないと考える。

地域ぐるみの環境の取組の促進等関係

  • 地域ぐるみの取組のところで環境モデル都市を選んでいるが、環境モデル都市以外のところでも頑張っている地方の小さな市町村、基礎自治体はたくさんあるので、そういったところを見せていく仕組みも、応援という意味でも重要。

「環境に優しいアジア」の実現関係

  • アジアは日本のすぐれた最先端の技術ではなくて生産活動に即応した標準的な技術を求めていることもあるので、アジアへの技術移転や産業的な貢献をするのであれば、ルールや知財のモラルが戦略上必要。

環境コミュニケーションの推進関係

  • 環境コミュニケーションの強化というのが非常に重要だが、記述が非常に少ないので、記述を増やすべき。
  • 環境コミュニケーションの中で、科学的知識や化学的知識というのは非常に重要だが、例えば北大、東大、大阪大等で、地域の方に知ってもらうために駅でサイエンスカフェを設置している。環境への関心が低い人たちに訴えていく意味では、このような取組も必要
  • 教育は非常に重要なので、例えば他省庁との連携も盛り込むべき。
  • ドイツのリサイクルマークに関して、予算の1割を幼稚園の教育にあてて、団地等に出向いて子供や幼稚園の先生方を徹底して教育し、短時間で成果を挙げた事例がある。コストパフォーマンスは子供のほうが高いので、教育は非常に重要。
  • 環境を力にする前提はもちろん技術だが、技術を担う人間が非常に不安であり、いわゆる団塊の世代と言われている現場に強く、開発力もある人たちが日本の技術を世界の最先端にしているが、その後継者をどうするかが問題。文科省はこの切実さが十分わかりにくいポジションにあるので、経産省が問題提起して、リーダーシップをとるべき。
  • コミュニケーションの結果、納得した商品の選択につながらないとビジネスにはならないので、コミュニケーションを行うというだけではなくて、購入につながるような形を評価すべき。
  • カーボンフットプリントや株価指数もまさに環境コミュニケーションの1つなので、まさにこういう物差しをきちっとつくって、それがうまく動くための信頼性を担保、評価する仕組みへと発達していくようなコミュニケーションのシステム化という視点が必要。
  • さらにそれを普及啓発する仕組みとして、いわゆるメーカーではなくて、流通、マスコミ、金融機関、NPO等のディストリビューター、コミュニケーターが積極的に関与するためにどんな制度、システム化を図るかが重要。
  • カーボンフットプリントや株価指数は非常に技術的な検討に特化していたので、むしろそれをどう利用するかという広い意味のコミュニケーションが必要。

「環境を『力』にするビジネス」新戦略~環境を軸とする新たな企業価値の創出~中間取りまとめ(案)

2.株式会社ドリームインキュベータより、有望技術・社会システムの開発・導入実証に関連する海外先進事例を資料5に基づき説明。これに対する委員からの発言は以下のとおり。

  • 確かに日本にはいろいろな要素技術があるが、エネルギー、環境で何か新しい次元を切り開いていこうとすると、まちづくりのような一定の面の中で一体何が起きるのかというのを研究すべき。日本人はまちづくりのようなことは下手だが、日本政府としてどういう仕組みや実験的なものを行う必要があるか。
  • 環境モデル都市等もあるので、どういう方向で進むべきかのサジェスチョンはあるか。
    →((株)ドリームインキュベータ)18ページの最後の3行が現時点で思っているところであり、もう少し実行できるのかどうか、中身をもっと詰めていきたい。どういう企業を巻き込むべきかということを考えたい。
  • 例えば、ボルダーのスマートグリッドは、スマートハウスでのすべての生活を全部監視されているが、CO2のことばかり考えていて、それが本当に私たちが望んでいる暮らしなのか。オランダなどのまちづくりで歩いて暮らせる小さなまちとか、すべて自分の手の届く範囲に必要なものがうまくある暮らし方はすごく人に優しい暮らしだと思う。→((株) ドリームインキュベータ)文化的な視点はまちづくりの話になると必ず出てくる議論である。今はとりあえずエネルギーの視点で、産業政策的な意味合いが強いが、本当はもっと長期に、日本の文化に根づいたまちをどうするかを考えるべき。文科省などとともに文化戦略を考えるべき。
  • 温暖化対策は、企業の中で負担ととらえるか、チャンスととらえるか、非常に難しい。今日提案があった内容はまさにチャンスととらえて、ビジネスに結びつけようということだが、こういうことを実現するために、資金がうまく回るように、国や企業の役割をどういうふうに考えたらビジネスにうまく結びつくのか。→((株) ドリームインキュベータ)海外事例を調べていると、国がビジネスにかかわっていないのは日本ぐらいだと言われる。国が何かやるのは悪いみたいな世論の風潮があるが、やはり国を巻き込んで一緒に日本の産業を考えることが必要。
  • 東京都、神奈川県、愛知県等の位置が記載されているが、それぞれ何が違うということでこういう評価になっているのか。
    →((株)ドリームインキュベータ)おもしろい事例を出すために全体をマッピングしたが、基本的に先進的な技術を使っているか、複合化されているか等、割と表向きの情報だけでまとめている。これは初期的なものであり、もう少しちゃんと評価軸を設けないといけないと思っている。
  • 大陸の都市、新大陸の都市、非常に歴史の長い都市、日本みたいに人口密度が高い都市等の要素をいろいろと説明していただけると非常にわかりやすいものになると思う。

以上

 
 
最終更新日:2009年6月12日
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