経済産業省
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審議会・研究会

ものづくりを支える人材関連サービスの高度化に向けた研究会(第2回)  議事概要


日時:平成17年10月21日(金)10:00~12:15
場所:経済産業省本館17階 第2共用会議室

主な議題:
(1)人材関連サービスの現状と課題について -ユーザー企業における視点を中心に-
(2)海外における外部人材の活用状況について
(3)今後の検討の進め方について

概要:

1.ユーザー企業における人材関連サービスの活用状況

○ 厳しい競争環境の中で、競争力あるものづくりを実現するため、外部人材を活用している。外部人材の活用にあたっては、現在、ローコスト、フレキシビリティという面を重視しているが、今後はこれらの要素に加え、質の面を重視し、人材関連サービスを戦略的に活用することを検討中である。正社員との役割分担やコンプライアンスに注意しつつ、人材関連サービスを戦略的に活用する方策を試行。
○ 生産変動に対する人件費の柔軟化、生産コストの低減を目的に人材関連サービスを活用してきた。外部人材の比率が高まる過程で、外部人材とユーザー企業がそれぞれ行うべき業務の区分があいまいになり、外部に流出できない技術の区分けや、技能伝承をどう行うかが課題となっている。
○ 日本人と日系人の期間労働者を直接雇用しているが、仕事が合わないという理由で、最近、期間労働者の在職期間が短くなっている。そのため、新人教育に工数がかかるという問題がおこっている。定着促進のため、教育の仕方が重要と考えている。また、成長目標をもたせること、達成感をもたせることはコミュニケーションの円滑化やチームワークの醸成につながっていくものと考えている。
○ いったん正社員として雇用した人材は、長期にわたり、その雇用を守っていかなければならいと考えている。そのため、従来から生産変動に対して、人材関連サービス、期間従業員等の活用で対応している。期間従業員の最長雇用期間は、法改正を受けて3年としている。2年目に入るとき、昇給、研修等を実施し、一層の戦力化を図っている。社員への登用制度もあり、最近はその人数を拡大している。

2.ユーザー企業の人材関連サービス活用への期待

○ 今後、人材関連サービスと外部人材には、人員調達力の他に生産性を高められる生産技術力を求める。
○ 直接雇用する期間労働者は、採用に手間やコストがかかるが、人材関連サービス企業は、採用、寮の確保、通勤手段、従業員の苦情やクレーム対応まで行うので、ユーザー企業としてはメリットが大きい。また、良い人材関連サービス企業は、事前に従業員を訓練してから工場に配属してくれるので、製品作りについて十分な理解があり、ユーザー企業として非常に使いやすい。
○ 生産ライン全体の完全請負化は、今後の方向性の一つであると思う。小さなユニット単位では実現しつつあるが、ライン全体の完全請負化は、ユーザー企業にも請負会社にも大きいリスクを伴うため、難しいかもしれない。また、ユーザー企業が、人材関連サービスを導入する際に、外部委託するのが難しいと考えられているのは生産管理。いつ、いくつ作るかという判断は、外部に任せられない。

3.海外における外部人材の活用状況について

○ 2005年2月のアメリカの労働力調査の付帯調査データによれば、製造業と製造業に従事する労働者、約900万人のうち、派遣労働者は約20万人、請負労働者は約2万人である。イメージと異なり、アメリカにおいては人材関連サービスがあまり活発に活用されていない。また、派遣労働者は、臨時的な組立作業といった低熟練の作業に従事し、請負労働者は、継続的に機械工・精密生産職といった高熟練職に従事する傾向がある。人材関連サービスを活用している事業所数は多いものの、外部人材比率は10%未満にとどまっている。
○ アメリカでは、請負労働者の方が派遣労働者よりも比較的スキルが高く、派遣元で長期雇用される傾向がある。


4.今後の検討の進め方について

(1)検討に際しての基本的視点
○ ユーザー企業、人材関連サービス企業、従業員のwin- win- win関係の構築という観点からは、是非、従業員の価値観やニーズが軽視されないようにして欲しい。従業員のニーズと実際の業務とのギャップを埋めることが非常に重要。
○ 従業員の在職期間は、事務派遣でも3年程度。ステップアップの仕組みが存在しないことに気付き、退職してしまう。ものづくり現場の派遣従業員や請負従業員であっても、雇用期間中、あるいは、次の雇用先で、これまでに取得した技能が評価されるような仕組みが必要ではないか。
○ 日本のものづくりがどのような方向に進むべきかという議論をベースにおく必要がある。メーカー企業は、設備の自動化等で生産能力にフレキシビリティを持たせる工夫をすべきではないか。生産現場のコストダウンやフレキシビリティを「人」ばかりに頼るのは、今後の日本の製造業の方向性としては危険だと思う。また一方で、従業員の中には固定職につきたくない人も存在することに配慮が必要ではないか。
○ 正社員と外部人材の均衡処遇を求める動きについて問題意識として持っておくべきではないか。

(2)パートナーシップについて
(現場のカイゼン活動について)
○ 三者がwin- win-winの関係を築くというのは難しい問題。一方で、カイゼン活動をよくやっている現場では、3者が一体となってカイゼン提案をしている。逆に現場が沈滞化しているところは、どのように業務分担をするか会議室での議論が中心となってしまっている。いずれにせよ、正社員が派遣従業員や請負従業員の指導に追われて、技能伝承やカイゼン活動ができないという状況は絶対に避けなくてはならない。
○ 請負従業員も一緒にカイゼン活動をして、ユーザー企業から報奨金を受け取っているところがある。毎月多数のアイデアが出るが、実施に移せるほど具体的な記述があるものは少ない。一方で、以前、正社員が大半だったときに当たり前のように出来ていたカイゼン活動が、現在、現場で出来ないのも事実。
○ 請負従業員だからカイゼン活動ができないということはないと思う。請負従業員が積極的になるかどうかは、表彰制度や社内技術大会等に積極的に参加させてもらっているか、といったことが影響しているのではないか。請負従業員には無理だといって、そういった取組に積極的でないユーザー企業も多いのではないかと思う。

(ユーザー企業からの派遣・請負従業員の処遇について)
○ 請負従業員と正社員が混在しているラインの場合の処遇差は一概には言えないが、正社員で全部作業した場合の総コストを10としたとき、請負会社が引き受ける額は、条件の良いところで6、厳しいところでは3分の1程度だろう。
○ 実際問題として、ユーザー企業から提示される額から社会保険料を除くと、従業員が受け取る給与額は厳しいものとなる。三者がwin-win-winの関係を築くといっても、メーカーが激しいコスト競争にある中で、従業員の立場はどうしても弱くなってしまう。
○ 今までメーカー側では、外部人材の工数を正社員の0.5か0.7でカウントするところが多かったが、最近はユーザー企業から、きっちり工数を処理できる人材が欲しいと要望が出るようになっており、ユーザー企業のニーズが変化していると思う。また、工程を完全請負化し、請負会社による生産性向上が実現できている事例もでてきている。
○ 外部人材の能力が、正社員に比べて0.5や0.7の工数だとは思わないが、そういうことも含め、どのように活用すべきか分からないというのがユーザー企業の実情だと思う。昔は社員がやらない、いわゆる3Kの仕事や低付加価値の仕事を人材関連サービスに頼んでいたという背景もあるだろう。
○ 請負会社活用のベースにあるのは、日本に特殊な下請け構造の存在。内製化や海外シフトで「下請け」が潰れる中で、請負会社がこれに代わってきているのではないか。
○ 日本のメーカー企業では、協力会社である部品メーカー企業等と連携し、コストダウンした差益をシェアする仕組みがあった。完全請負の場合も同様に、請負会社に生産性向上を依頼して利益をシェアするような仕組みがあってもいいのではないか。


(3)人材関連サービスを巡る環境整備課題について
○ 規制緩和の視点も重要だが、新しいシステムや制度をどう作るかの議論が重要。
○ 労働法制との関係では、実態にうまく法律が合っているか精査し、合っていなければ法律を修正して、労働環境の健全さや公正さを保つことができれば望ましい。
○ 労働省告示第37号において、設備要件は不要ではないかと思う。請負会社が負担する設備費用は、請負単価に転嫁されるだけである。設備要件に合理性があるか疑問。
○ 近年、欧米では、ユーザー企業、人材関連サービス企業、従業員の間のコミュニケーションやコーディネーションについて、いかにシステムやプロセスを構築するかが重要であるという議論が積極的に行われている。従業員の意見や希望が上手くシステムによって吸い上げられれば、国が平等や均等だといって堅いルールを作る必要はないのではないか。また、このシステムにおいては、第三者評価が非常に重要だと言われており、この評価がベストプラクティスの参考になるかもしれない。

                           以上
 

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最終更新日:2005.11.14
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