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日時:平成18年1月17日(火)9:00~10:30 場所:経済産業省別館10階1028会議室 出席委員:黒田委員長、金本委員長代理、西條委員、工藤委員、 明日香委員、山田委員、椋田委員、藤富委員、濱田委員、 稗田代理(東電)、上野代理(電中研) 議事概要 資料3「1.京都メカニズムの本格活用」及び「2.京都メカニズムに関する国際的制度整備」について 【省エネCDM】 ○P13について、省エネCDMの方法論の開発が進んでおり心強い。ただ、省エネCDMは、ホスト国がある関係でこれからの取組について難しい。また、時間軸の関係で、2013年以降のポスト京都議定書との関係があり、方法論の開発に間に合うのか。 ←事務局:「CDMの将来」については、枠組みとしては、長期と短期があるが、現在、開発している方法論は第1約束期間内に実施される具体的な案件があるものである。今後、このような方法論を基に将来の議論につながることを期待している。 ○FutureCDMというのは、第1約束期間以降ということなのか。 ←事務局:FutureCDMにおける省エネCDMの取組促進については、平成16年12月の産業構造審議会の将来枠組み専門委員会で議論した結果を踏まえて始めたものである。しかし、将来の枠組みを待たずとも第1約束期間でもできるのではないかとの意見があった。また、時間軸の関係では、Future CDMにおいては、現在、2013年以降の将来枠組みではなく、CDMの近い将来の議論を行っている。 【CO2回収・貯留CDMの検討】 ○P16のCO2回収・貯留について、環境評価等の問題があるが、CO2回収・貯留技術のCDM化について第1約束期間内のことを念頭に置いているのか。 ←事務局:既に公表されている事業者であるが、三菱UFJ証券、日揮が現時点で当該技術に関する方法論の提出をそれぞれ行っている。スケジュールも第1約束期間内にスタートする事業になっている。京都議定書に限ったことではなく、経済産業省としても事業者のコスト削減のために技術開発支援を行っており、コスト的にも視野に入っている。 ○CO2回収・貯留について、CDM理事会の議論の結果、COP/MOP1のインストラクションを仰ぐこととなり、昨年末のCOP/MOP1において、CDM理事会にて検討するように決定が下り、正式に検討が始まることとなった。 【政府プログラム下で実施されるCDM】 ○政府プログラムについて、COP/MOP1の場において、実際に省エネ設備導入補助金もCDMとして認めるという議論があったのか。ホスト国には既に税制優遇制度等があるケースがあるが、このようなプログラムとの関係は議論になっているのか。 ←事務局:そのような細かい議論はCOP/MOP1ではなかった。 資料3 「3.クレジット取得制度の構築」について 【クレジットの需給】 ○京都議定書目標達成計画上、1.6%相当である1億t-CO2を取得することになっているが、クレジットの需給の問題があり、価格の問題もある。予算では、総額を執行することになるが、果たして現時点においてクレジットを確保できるのか、また取得したクレジットが余ったときはどうするのか、クレジットを確保できない場合にはどうするのか等について対策はあるのか。 ←事務局:需給については、P10で示した方向性のように、まずはクレジットの供給量を増やす必要がある。そのためには、京都メカニズム活用の制度整備を進める国際的取組が必要である。政府としては、不利益を受けている省エネ分野における小規模CDMの定義の見直しや方法論の開発等を進めていきたい。さらに、JI及びGISにおける二国間協議による枠組みづくりや民間事業者に対してFS(実現可能性調査)支援を実施していきたい。そうした取組を通じて、クレジット供給量の拡大を図っていく。 【クレジット価格】 ○クレジットの価格は国際市場で決定されていくことになろうが、国際市場がどのように形成されるのか。もっと高く買ってくれる人に売ってもよいことになる。例えば、日本の事業者にしても、必ずしも日本政府に売らないこともあろう。 ←事務局:現時点では1.6%を京都メカニズムの活用により対応することになっている。ただ、京都メカニズムを活用するにも最後には価格の問題もある。今の段階では、他国に出遅れないように、日本企業が関わっている案件について政府として手を打っていくような取組を始めていく。また、目標達成計画の各種対策については、ステップバイステップのアプローチで検討していくことになる。その中で、クレジットを取得していくということである。 【森林クレジット】 ○P24の森林クレジットについて、「当面」という意味について、ご教授していただきたい。何年になったら取得を開始するとか、クリアしなければならない課題が何かあるのか。 ←事務局:森林クレジットについては、不透明な部分がある。すなわち、将来の補填義務が生じるが、それが次の約束期間までと決まっているだけで、具体的年限が決まっていないというように、制度的に未整備な部分もある。また、実際に森林クレジットが発生していない。こうした点を踏まえて、政府としては森林クレジットを「当面」取得しないことにする。 ○制度が未整備という点に関しては、将来枠組みができるまでは、森林クレジットを取得の対象としないということになる。また、どういうタイミングでどれだけ補填するか不明のため、取得しないということだが、森林クレジットであっても第1約束期間内に補填することは可能。政府が計画を立てるなり、見通しを付けることは可能ではないか。他方、クレジットの購入は、コストとリスクという2つの側面で評価される。森林クレジットについては、どれだけ補填すればよいか分からない制度リスクはあるが、安く取得できるかもしれない可能性もあるため、上手く利用していくべきではないか。価格さえ、しっかり評価すればよいのではないか。政府の現時点の方針では、途上国から森林プロジェクトのニーズがあっても、政府は森林プロジェクトを支援しないということになるため、今の段階でそこまで明確にする必要はないのではないか。 ←事務局:森林クレジットの補填義務というのは、国に発生する。いわば、将来の財政的負担が発生することに他ならない。実際に補填を行うのは2013年以降になり、その時点での財政負担を現時点で負うことは困難である。 ○2012年までの森林クレジットを取得することは可能ではないか。 ←事務局:端的に申し上げて、森林クレジットは不透明な部分が大きい。将来価格がどれぐらいになるかわからないものに依存するのは不透明性が高いため、確実に実施できるものから財政措置を講じていくことを考えている。 ○不透明や高いリスクは、政府が負う必要はなく、誰かに負わせることもできる。 ←事務局:財政資金を使う以上、将来の負担が不透明はものには使えない。 ○経団連自主行動計画や国内排出量取引制度があるが、森林クレジットで補填することが可能かどうか。 ←事務局:経団連自主行動計画については、森林クレジットを使ってはいけないということはないが、で補填義務を併せてやっていただくということになると思っている。環境省の国内排出量取引については、環境省への確認が必要である。 【クレジット価格抑止力】 ○方法論の開発という問題があるが、P23の(1)のように直接、プロジェクト事業者として実施するのであれば、適正価格でクレジットを取得できる可能性が高い。すなわち、価格抑止力について、プロジェクトから離れれば離れるほど、市場価格から遠くなる可能性がある。そのため、実施機関であるNEDOはプロジェクトに関わっていくべき。また、政府としても二国間の協定や支援により価格抑止力を持つ工夫が必要である。 ←事務局:ご指摘の通り、取得方法をうまく組み合わせていきながら、価格を抑えていきたい。 【情報公開とクレジット評価基準】 ○P27は検討事項だと思うが、情報公開については慎重な議論が必要である。法律上の措置で秘匿情報にできるのか。案件の評価については、例えば、登録前の案件も検討するのかどうか、現時点の評価基準に関する考え方を教えていただきたい。また、GISについては、政府としてAAUを含めてプロジェクトベースのクレジットを取得する際には、民間事業者等から広めていってほしいという期待もあると思うが、GISは政府が中心となって進めていくのか、民間事業者主体になるのか。 ←事務局:公開情報については、情報公開法の扱いによるが、原則、公開事項になるという認識でいる。但し、公開するタイミングと公開事項については情報公開法の例外規定も含めて、今後検討する。また、価格評価については、均一な商品は存在しない中、それぞれのプロジェクト毎の評価をしていきたいが、実施機関のNEDOにおける情報の蓄積も必要だが、外部機関を利用しながら細かく評価していきたい。 GISについては、政府間で枠組みを構築した後には、民間事業者等で進めていくことを期待している。しかしながら、ホスト国政府のプロジェクト承認行為は必要であると思っている。そのため、政府間での枠組みの構築が不可欠であり、GIS制度構築初期段階には政府の支援措置が相当必要という認識である。 ○情報公開について、政府の予算額と予定単価を公開するとなると、(クレジット供給者に有利な)完璧な需要曲線をアナウンスすることになる。財布の中身をアナウンスする意義とタイミングについて、他国はどうしているのか教えていただきたい。 ←事務局:他国については、予算の総額は公開しているが、当方で承知している限り、単価を公開している事例はない。我が国の場合、予算金額が公表されるのは致し方ないが、そのあとどのように公表していくのかは、今後の検討課題である。 ○価格を公表することになると、供給者側に有利になる制度の構築になるため、もう少し、検討が必要ではないかと考えている。 ○(公開情報を操作することによって)供給側も競争できればよいのではないか。 ←事務局:今後、運用について適切なアドバイスをいただきたい。 ○京都メカニズムによるクレジット取得は、国内対策の補完ではあるが、国内対策との費用対効果の観点から効果的である。オランダのERUPTでは、クレジットの取得に当たって価格だけを根拠にしているが、日本で行う場合には、途上国の持続可能な開発の要素等を含めるのかどうか等、価格や確実性に加え独自の付加価値で評価するのか教えていただきたい。政府のクレジット取得制度によって、途上国に対する経済発展に対する貢献をアピールするためには、後者の点を考慮が必要ではないか。 ←事務局:価格だけではなく、地球規模での温暖化防止と費用効果的なクレジットの取得、持続可能な開発への貢献という3点が重要との認識であり、バランスを考えてやっていきたい。 【CDM/JI等プロジェクト補助金とクレジット取得制度との関係】 ○CDM/JI等プロジェクト補助金について、18年度以降にも実施するのか、クレジット取得制度との調整はどうするのか。P30の省エネCDMの方法論について、統合方法論をどのように解釈するのかにいつも頭を使っている。 また、価格については、現時点でもなんらかの価格の指標があるし、スポットが出るようになれば、EU-ETSに近づくのではないかと思っている。日本は大きなプレーヤーであるため、市場への影響力がどれぐらいあるのか不透明な部分もある。公表のタイミングも検討が必要である。 ←事務局:補助金制度については、今年度は37億円だが、来年度は11億円と大幅に減少。クレジット取得制度とCDM/JI等プロジェクト補助金とをどのように組み合わせていくのかは、今後の検討事項ではあるが、両者をうまく連携させていきたい。 方法論の開発については、ご指摘の通り、新規開発と統合方法論の解釈の両面ある。 【クレジット取得制度の評価】 ○1.6%をすべてクレジットに頼るのではなく、国内対策とのコストパフォーマンスとの比較検討が必要ではないか。 ←事務局:平成14年度の地球温暖化対策推進大綱以来、ステップバイステップのアプローチの中で京都メカニズムの活用を1.6%としているが、目標達成計画においては国内対策と目標との差分について京都メカニズムの制度整備をすることになっている。限界コストについては、(省エネルギーや新エネルギーの推進等のエネルギーセキュリティーの観点から推進している国内対策もあり、)単純にCO2削減コストの比較というわけにはいかないが、現時点での見通しである1.6%についてまずはクレジット取得で措置していくということになる。 ○ これまでの京都メカ関連の実績と技術を評価していただき光栄に思う。使命の重大さを感じる。関連省庁の御指導の下、クレジット取得事業に取り組んでいきたい。 ○次回の予定:3月中旬を予定に具体的な事項を説明させていただきたい。
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