経済産業省
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BPO(業務プロセスアウトソーシング)研究会(第1回) 議事要旨

日時:2008年2月4日(月)15:00~17:00

場所:経済産業省本館17階東3第6共用会議室

出席者

花田委員長、岡村委員(木村代理)、塩原委員、園田委員、武谷委員、津﨑委員、中村委員、深尾委員、藤田委員

議事次第

  1. 開会の挨拶
  2. 本研究会の開催主旨説明
  3. BPOに関わる論点と、国内外及びインドにおけるBPO事業について
  4. ユーザー企業における業務アウトソーシングに関するアンケート案について
  5. フリーディスカッション
  6. 閉会

議論の概要

委員の主な発言は以下のとおり。

ユーザー企業の現状及び課題について

  • アウトソーシング実施の決定は、ほとんどがトップダウンである。間接部門は、管理担当の副社長などがアウトソーシングすると言わないと何も進まない。
  • 「アウトソーシング」=「リストラ」というイメージがあるため、BPOを活用しようとする際、今まで業務を担当していた社員への説明には大きなエネルギーを使う。コスト削減は後から自然と付いてくるものであり、社員に対しては、転籍や出向する自社社員の人材育成がBPOの目的であると説明している。
  • 間接部門はもともとコスト意識が低いため、BPO活用によるコスト削減効果が当事者に実感されにくい点や、ユーザー企業の中で、BPOをどのように戦略的に活用するかが十分に検討されていない点も、BPO活用が進まない原因と考えられる。
  • BPOの利用に積極的なのは、オーナー系企業や外資に買収された企業、グローバル競争が激しい業界の企業などである。大手企業には意識が高い企業もあるが、中小企業はまだそこまで意識が達していない。また、中小企業には、社労士や税理士などの専門職ががっちり入り込んでいるので、BPOベンダー企業が入り込むことは非常に困難。

ベンダー企業側の現状及び課題について

  • 給与計算の方法など、日本のベンダー企業は日本の特殊性によって守られているようなところがある。
  • 今後のベンダー企業側の最も大きい課題は、より高いレベルの業務を請けるためのより質の高い人材の確保と、より大規模なアウトソーシングを請けるための十分な人的体制の確保である。
  • ベンダー企業からコスト削減以上の提案が出てこないというユーザー企業の声も聞かれる。ベンダー企業は、どこまでユーザー企業に入り込んでいけるかが課題である。
  • 一般的にシェアードサービスの導入は、内部統制レベルの向上に寄与すると言われている。BPOベンダー企業も、J-SOX法が施行されれば、信頼性の高いベンダー企業とそうでない企業とで差別化が起ってくると考えられるが、確かなことは法律が動いてみないと分からない。

業界の現状及び課題について

  • 日本においてBPOが進展しない原因としては、複雑な給与・年金などの制度の存在やアウトソーシング先の受け皿が規模、メリットともに十分ではないことがあげられる。業界として、ある一定程度のクリティカル・マスに達すれば、新たな一歩が踏み出せるような気がする。そのためには、業界としての情報発信、プレゼンスの向上を図ることが重要である。
  • 単純なアウトソーシングでは、業界は成長しない。フルアウトソーシングサービスをどのように展開していくかが重要である。一社では限界があるが、複数の企業で組んでサービスを提供するようなことができるとよい。

海外のベンダー企業及びグローバルマーケットについて

  • 外資系のベンダー企業は、柔軟性がなく、日本特有の給与計算や福利厚生などの仕組みに十分対応できるのか不安である、といった問題点がある。外資系ベンダー企業から見ても、日本は制度的に細かいことが多く、ビジネスになりにくいと感じているようだ。
  • 一方、インドのBPOベンダーは急速に成長して、グローバルに仕事を請けている。BPO自体はグローバルに展開できるサービスだということだろう。今後、国際的な競争の中で、日本のベンダー企業は海外ベンダーからの提携・買収などによりテイクオーバーされる可能性があるのではないか。

今後の検討方法について

  • BPOの世界は、米国企業はパッケージソフトが一般的なのに対し、日本企業はカスタマイズソフトが一般的というITソフトウェアの世界と似ている。今後、日米で比較して議論できると面白いのではないか。
  • 業界として認知されるためには、「生産性の向上」など、付加価値部分を定量的に把握することが重要である。日本の既存の統計ではBPOについてどの程度扱われているのが不明であるため、本研究会の今後の課題として統計の扱いや不備について検討してもよいのではないか。

以上

参考:委員名簿

花田光世 慶應義塾大学総合政策学部教授(委員長)
岡本礼三 コクヨ株式会社取締役
小畑哲哉 日本電信電話株式会社財務部門(会計・税務担当)担当部長
塩原今朝雄 株式会社ローソンマネジメントサービスシニアリーダー
園田智昭 慶應義塾大学商学部教授
武谷啓 人事サービス・コンサルティング株式会社代表取締役社長
津﨑耕太郎 株式会社アイさぽーと代表取締役社長
中村淳 三洋電機株式会社総務人事本部人事部能力開発チームマネージャー
深尾京司 一橋大学経済研究所教授
藤田潔 ヒューマンリンク株式会社代表取締役社長
 
 
最終更新日:2008年2月15日
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