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審議会・研究会

産業構造審議会環境部会地球環境小委員会市場メカニズム専門委員会(第11回)  議事録


日時:平成17年12月16日

○坂口環境経済室長 本日の論点は3つ、1つ目がクレジットの取得制度、2つ目が取得制度の運営方針、3つ目が取得の枠組みである。
 

プロトタイプ炭素基金(PCF)運営方針と制度設計について
 

○山口委員 1年ぐらい前に世銀の方と話したときに、このファンドはほとんど全部使い果たしていて、もうない。新しいファンドをつくるということだが、それとさっきの1.8億ドルの関係を教えてほしい。
 それから、もう1つ、政府に対する質問である。きょうの会議全体を通して例のモントリオールでの会議で少し規則が変わったのではないかと思うが、それでいわゆるマーケットがどのくらい増えそうなのか教えてほしい。CDMのマーケット、すなわちポテンシャルが今度のモントリ
オールの会議でかなりふえるのか、あまり変わらないのか。
○西條委員 10ページのプロジェクトについて、VERとして80万CO2トン、下側に2.8百万ドルと書いてあるが、この数字の意味合いを説明してほしい。
○明日香委員 私も最後のコロンビアの発電の例だが、こういうものは大体世銀のポートフォリオの中で追加的なコミュニティーに何らかの保険をするようなものに対する案件というのは大体どの程度のものなのか。
○工藤委員 同じ図のところでいわゆる追加的に持続可能性のある事業にいろいろ投資をするという、その判断は世銀が単独で行っているのか、出資者と協議をしながら行っているのか。
○稲田氏 まず山口委員からの質問についてお答えは2点ある。質問の中で世銀の炭素基金という表現があったが、世界銀行は出資者の委託を受けて運営しているにすぎないということで、特に所有をしているわけではない。
 それから、PCFの全体の規模である資金規模1.8億ドルと、その後世界銀行が設立したファンドとは全く別である。
 それから、プレゼンテーション資料の10ページのコロンビアの発電事業について、こういった事業を追加支払いを行ってクレジットを買ってくるという判断については、配布した資料の17ページを見て欲しい。これは7月の説明だが、真ん中のポツで「出資者は、年次総会及び参加者委員会を通じ、世銀への基金運営方針の進言等を行う」と書いてあるが、この参加者委員会というのが個別の案件選定について賛成、反対の意見を述べる権利を持っており、出資者と相談して世銀が決めている。
 それから、10ページに戻って、こういったものの割合がどれくらいかということについて。先ほども説明したとおり、PCFというのは先駆的な基金ということで、いろんな事業、いろんなパターンで支払いを行うということをトライ・アンド・エラーでやっている。まさにこのプロジェクトが第1号ということで、私の知る限り、ほかのPCFの案件ではこういった事例というのはそんなに多くないと理解している。ただ、これをベースに世界銀行が別の炭素基金というのを設立し、CDCFという、日本語に訳すと、コミュニティー開発炭素基金いうのを設立して、まさにこういう追加支払いが必要な貧困地域の小規模プロジェクトを対象にした基金を立ち上げたものと理解している。
 それから、このVERの量と金額の関係について、他のプロジェクトと同様に毎年80万トン予定されているうちの年間の排出量というのがOE等の検証を通じて確定するわけで、それに対する対価を毎年決められた単価を掛けてPCFから発電事業者の方に支払っていく。それと合わせて0.4百万ドル相当の分、2.8対0.4の割合を掛けたものがPCFから周辺の社会開発活動をする事業者に支払われていく。
○黒田委員長 (PCF全体で)カーボントン当たり5ドル前後と言っていたが、それだと計算が合わない。
○稲田氏 (本字業では)5ドルではない。
○黒田委員長 モントリオールでの会議の中でのマーケットの話で、事務局の方から補足してほしい。
○山形環境交渉官 CDMに関して、1つは今までいろいろ批判の多
かった事務局体制の強化が決まったので、スムーズにいくと思う。
 また、その方法論に関しては、日本が主張している省エネの方法の開発というのに対するエンカレッジというのも表明され、我々が主張した省エネの小規模方法論の各範囲、上限値の設定というのは1年かけてレビューするということが決まった。
 また、これから供給量をふやすのではないかと思われるプログラムに基づいて、政府プログラムに基づくCDMというものもガイダンスが出た。そういうことをやっていいということが明らかになったし、また新しい分野の二酸化炭素の地中隔離のような新技術のものについてもこれから検討していくという範囲がどんどん広がっている。細かくはまた1年間検討になるけれども、我々はこれからマーケットが広がっていくのではないかと期待している。
 

オランダ、オーストリアにおけるクレジット買取制度
 

○西條委員 18ページの2ユーロから199ユーロというところで、投資額のところでそのまま挙がっているが、投資額の中身が知りたい。政策担当者ならば199ユーロで買うのだったら、国内で投資をした方が得なのではと感じるが、いかがであろうか。
○新澤委員 オランダについて、2つほど。まずCERUPTが1回で終わり、外部委託に切りかわった理由をおしえてほしい。
 2つ目は感想だが、ERUPTの方でベースラインの修正に伴うクレ
ジットの減少は罰金の対象外ということになると、ベースラインを正確に設定しようという動機が完全になくってしまうように思うがどうか。
○明日香委員 CERUPTは最初18件ぐらい登録があったと思うが、最終的にそのうち何件ぐらいまだあるか。
 前払いの制度もあると書いてあるが、実際前払いされている割合は大体件数でどのくらいか。
 ERUPTなり、オランダの、特に何か起きたときの罰則がほかの国よりも厳しいと聞いたことがあるが、情報があれば教えてほしい。
 2006年から12年までの予算が既に計上されていると思うが、オーストリアの政府の場合は特別に将来的な予算もある程度確定したということらしい。将来でもある程度予算が獲得できているという政府の保証みたいなものがあることによって、買い手なり、売り手としてどのようなメリット、デメリットがあるか、教えてほしい。
○山口委員 オランダについて。ここにいただいた資料の中に既にCERUPT、ERUPTで1400万トンだっただろうか、手当て済みと出ているが、ほかにもいっぱいあるだろう。そして、オランダは年間にすると2000万トン、5年で1億トンだが、今時点で、どのくらい手当てが済んでいるのか。そして、価格は大体どのくらいなのか。
 質問の背景としては、さっきの質問もそうだが、日本が果たして世界のマーケットで幾らぐらいとれるのかという問題。今年1月からEUの排出権取引が始まったが、その前のナショナル・アロケーション・プランの段階で初めてインダストリーとそれ以外にシェアを分けなければいけなくなり、各国が一斉に京都メカニズムの使用を全面に出してきた。だから、そこから状況が変わってきて、みんながとり出してきた。そういう中で、オランダは世界で一番早くやっていたので、どのくらいのコストで、どのくらいまでできたのかを知りたい。
○西村氏 初めに御質問いただいた点。水力のブルガリアの数値はクレジットだけではなくて、プロジェクトに対する投資額そのものが含まれているようだ。ただ、それについては個別について現時点では情報が把握できてない。したがって、かなり高くなっている。平均するとクレジットの価格が37ユーロになってくるが、この中には投資額が入っている。
 西條先生がおっしゃったこれが本当にクレジット価格だったら国内でやった方がいいのだろう。しかしここはそうではない。
○新澤委員 オランダがCERUPTを1回でやめて、外部委託に切りかえた理由を教えて頂きたい。
○西村氏 そこは正直言ってはっきりしない。確かにCERUPT、ERUPTは、大体同じ時期、2001年に始まった。ちょうどその時期、2001年、2002年ぐらいにどうもオランダ内部で経済省と環境省とで分けて実施していくという動きが出てきた。ERUPTはもともと経済省、CERUPTは環境省で担当していた。当時はSenterという機関が具体的に担当していたが、そこがNovemという機関と一緒になり、詳細はわからないが、環境省の方ではCERUPTはやめて、金融機関に委託する形になった。CERUPTがうまくいかなかったからそうなったのかどうかは判断できかねる。
 次は、明日香先生のご質問であるが、CERUPTは18件登録されているということだが、それがどのぐらい動いているかは把握できていない。経済産業省に報告する。
 前払いの割合だが、当初はCERUPT、ERUPTでも前払いは非常に少なかったはず。ただ、最近は我々がデンマークと競合した場合を例にとると、彼らは2~3割か、下手したら3~4割ぐらい前払いをしてきている。しかも日本より高いオファーをするのでなかなか厳しいという状況が続いている。
 オランダの罰則が厳しいということについては、具体的に言うと、7
ページの不履行時の措置の一番下に書いてあるとおり、契約量のクレジット移転が可能なのにもかかわらず履行されない場合は不足量に対して100ユーロの水準、これはしっかり自分のところにクレジットを出しなさいよという意味なのだが、このように高いものがかかっている例、あるいはこの中の一番上、クレジット移転量が契約に満たない場合には、不足量に対して20%割り増しして払いなさいなどがある。
 オーストリアに関して2006年から12年の予算が決まっていることによる影響だが、やはりクレジットを担保するというか、プロジェクトにお金を払って、オーストリアとしてクレジットを獲得していくという意味では、来年度の予算も見えない中でやっているのではなくて、今後5年間、6年間が決まっているというのは非常に強みになると思う。やはり全体のポートフォリオがあって、どれだけ自分たちはクレジットを調達しなければいけないという大きな図が描けて、その中で今年は少なかったから来年多くしよう、あるいは将来ちょっとわからないから今多くしておこうというような柔軟性がある。
 最後、山口先生のご質問は何か。
○山口委員 オランダは世界で一番初めにやったので、恐らくかなり安く、2000万トン近くとっているのではないかなと思っている。
○西村氏 オランダに関してはここに出ているデータから計算すると、平均すると1トン当たり4.75ユーロで調達していることになっている。かなり早く、2001年ぐらいから始めており、当時はERUPT、CERUPTの価格はたしか3から5ドルだったと思う。その後、いろんなファンドができはじめ、平均調達価格は上がったであろうが、1トン当たり4.75ユーロという非常に低い価格でポートフォリオが構築されている。
○山口委員 それを足すと何トンになるか。
○西村氏 六千何百万と書いてある。ただ、CERUPTとかERUPTについてはこの中では触れていないので、それを加えると、もう少し増える。おおむねは手当てできているらしい。しかしながら、それがほかの国に奪われる可能性もある。例えば日本と特定のプロジェクトを争っているという状況もあるわけだから、そうすると減る。実際クレジットに
なってどれだけ出てくるかわからないが、7、8割ぐらいと考えれば良いのではないか。
オランダの場合の解除要件の一つは、この表の下から2行目にある。プロジェクトに関する文書が変更されて、削減量が当初想定の50%以下となった場合に、これが解除要件になるので、これを厳しいと読めないこともない。
 

市場からの排出権の調達
 

○明日香委員 GG-CAPの規模について、世界中にたくさんあるファンドと比べて、どの程度の大きいのか教えていただきたい。また、前払い状況は全体のどのくらいになっているのか。
 必要数量をコミットするということを強調していたが、メリットを教えてほしい。
 フロンなり、いろんな種類のプロジェクトが出ているが、バイヤーに
とってこういうのはいいとか悪いとかがあるのか。実際そういう種類の違いによってプレミアムが出ているなら、プレミアムの大きさは大体どのくらいか。
 最後に、今回のCOP/MOPでギャップがなく、2013年以降もCDMが進められていくことになりそうだが、そのとき、今ビンテージは2013年以降のものはほとんど値段がついていないと思う。実際市場はどのように2013年以降のCDM、CERに対してどのような値段をつけるのか、考えを教えていただきたい。
○津金氏 GG-CAPの規模だが、630億円という金額は民間では最大規模だと自負している。
 それから、前払いの状況に関して、GG-CAPに関しては、現時点では参加者にまだ前払いはやめておこうという意向があるので、前払いで約定したということはない。ただ、GG-CAP以外では前払いしてもよいというお客様はヨーロッパに多々いる。日本のお客様であれば、私の知っている限りではおそらく3社ぐらいだが、前払いの出し方は排出権に対して出すという前払いと、例えばバリデーション費用は負担するとか、PDD費用は負担するというようなものといくつか相談をいただいている。
 必要数量のメリットとは、京都議定書が発効した以上、必要数量を確保しなくてはいけないという気持ちを持ってナットソースに相談にきていると思うので、例えば出資金額に対して必要数量がデリバリーされないということを避けたいというお客様が多いため、逆に我々は必要数量を確実に渡すためのスキームをお手伝いするということをメリットとして、このスキームをつくった。ある意味で我々ファンドマネージャーも含めて、かなり責任が重要だと考えている。
 それから、プロジェクトによってプレミアムの価格の差があるかどうかということであるが、プロジェクトによって差があるというよりも、今現在はやはり売り手がいかに確実にクレジットをつくり出す可能性が高いかということで価格の差があると思われる。例えばCDM登録が終わった企業、終わりそうな企業とか、もしくは今まだ登録はしていないけれども、もう登録された方と全く同じ方法論を使ってやるので、全く問題ないというような方は強気で高い価格を提示してくるが、これからプロジェクトを始める、PDDもまだでき上がっていないという方は、そんなに高い価格を提示してきてはいない。これが価格の差だと思う。
 13年以降の価格の予想については私の個人的なものも入るけれども、実際に今回2013年以降、COPの話で2013年以降の話が出たが、これからCDM事業をやる方が意思決定するのに、今年というか、来年の頭が一番重要になるかと思う。御存じのように、CDMでは7年単位でやるか、10年単位でやるかという話になるのだが、7年でプロジェクトを考えている方は今決定すると、12年までで7年になる。そうすると、設備をつくって、実際に国連からCER等を発行してもらうまでに2年、3年とかかってしまうと、13年以降のルールが決まらない限り、クレジットの回収期間が決まらない。13年以降も同じことでやるというと、当然プロジェクトの立ち上げのインセンティブはつくかと思うが、そういった面から考えると、今のところ2013年以降に同じルールができるところは確実ではないので、買い手にとっては安く買いたいと思うのは当然だと私は考えている。
 実際に2013年以降も続けて買うと言っていただいている、海外を含め、企業の方々は12年と13年を比べると、やはり13年の価格の方が安い価格で購入することを条件として提示している。その割合というのが、例えば12年までは10ドルで買うけれども、13年からはというと、半分までは下げないと思うが3割引き、4割引きというような価格を提示されている企業が多いという状況である。
 

JCF/JGRFの概要
 

○明日香委員 上限価格をある程度決めるという話だったが、これはどの程度柔軟性を持つものなのかということと、最初のもくろみというか、予想、調達、クレジットがある程度めどがついているのか、それともまだ難しい状況なのかを教えていただきたい。
○川下氏 上限価格について、最初我々も3年前に構想をスタートしたときは、PCFしか事例がなかった。我々の出資者でPCFにも出しておられる方が多かったので、PCFさんの5ドルというのがファンド設計当時の1つの相場だった。今はその価格での調達は難しいので、上限価格を上げてもらっている。上げるに当たっては組合の決議が必要で、随時組合と協議しながら柔軟に対応している。もちろん各社とも社内決定をとるのが大変なので、資料などはいろいろとつくる。
 それから、進捗状況については、事業者と合意できて、ERPA契約を結んだものについて先方との関係で可能なものは新聞発表しており、今現在で新聞発表させていただいたのが大体5件。
 

審議
 

○山田委員 ここ数年で市場価格は相当上がったというようなこと、あるいは価格だけではなくて、支払い条件等も相当厳しくなっているという状況の中で日本政府が毎年2000万トン相当を買うことになると、さらなる厳しさは当然想定される。日本として、あるいは我々製造業として、クレジットを買うときの優位性は何なのか。メーカーとしての省エネ技術、あるいは環境技術みたいなものをもっと活用してやっていくことが必要。
 この委員会ではプロジェクトメークそのものの話は余りやっていな
かったが、それに相当力を入れて、あるいはメーカーも、私どもの話だけで言うと、自分たちのためにはやっていこうということである。あるいは、私は鉄鋼業にいるのだが、鉄鋼の省エネポテンシャルがどの程度、中国等にあって、これに対してどういうアプローチをすればいいのかを考えている。
 ただし、日本全体のためにそれをやっていくということは到底民間企業では不可能なので、その辺の日本全体としてのアプローチ、あるいは国ごとのアプローチというか、そういうものをもう少し整備していかなければ高い価格で買わざるを得ないという状況には変わりがないのではないかと思う。我々は従来から省エネで技術協力しているが、それをビジネスでやるプラスアルファクレジットを買っていくというようなことになっている。その価格がプラスアルファのメリットがあればいいだろうという気持ちで我々はやろうとしても、20ユーロだとか、10ユーロだとか、そんな値段がないと買えないという話になると、そういった省エネプロジェクトそのものをやる気にならない。やはり国対国の中で、例えばその国にとって本当に意味のあるプロジェクトについては一定の価格、抑止力を持つようなことを考えていく必要がある。
○佐藤委員 吸収源のクレジットの件について、今までいろいろ説明いただいた中に、オランダ、オーストリアそれぞれ消極的、あるいは慎重に検討という話があったし、ナットソースさんも吸収源のクレジットは考えていないという話も出た。私どもは世界銀行さんのPCF、あるいはバイオカーボンファンドに参加しており、それぞれポートフォリオの中には吸収源クレジットも入っている。こういった吸収源クレジットについて、JBICさんの考えを聞きたいのと、国として今後吸収源クレジットを購入の対象として考えるのか、今後どういう形で吸収源クレジットを扱おうとしているのかというところを聞かせていただきたい。
○新澤委員 ナットソースの説明を聞いていて思ったのだが、政府というのは予算があるので、この数量に関する契約というのは、政府がもしお客さんになることを考えると政府としては使いにくいのではないか。一方で数量目標を記した達成計画があるが、年ごとに、やはり予算の方が制約としてあるのだろうと思うのだが、その点、どう考えているか聞きたい。
○藤冨委員 CDMが余り遅いとこの制度自身がつぶれてしまうという危機感がCDM理事会の中にもある。今年の1月にはプロジェクトは1つしか登録されていなかったけれど、現在47登録されている。これは年間の排出削減量でいうと大体1700万トンになっており、まだ年内にもレジストレーションが予定されているのが、予定でいくとまだ三十幾つぐらい後ろにつながっているので、今のところは当初1月に思っていたよりは割と順調に進むようになっている。
 ただ、実際に登録されている大きな削減量を占めているのは、圧倒的にHFC-23の削減とN2Oが全体の4分の3を占めている。残りの大半をメタン回収ということで、いわゆる省エネのプロジェクトというのは非常にまだ少ないというか、リニューアプルが少ないということで、そこはこれからもっとやってこうと思っている。それなりに理事会としてはモントリオールまで何とか進めようということで、森林のプロジェクトの方法論も含めて何とか少し進めてきたということで、現在1700万トン強ある。
○黒田委員長 その1700万トンというのはかなり多めである、予定を達成しているという感じなのだろうか。その数字だけ聞くとかなり足りないのではないかと感じるが。
○藤冨委員 今年一番最初のCDM理事会の時に、インフォーマルでみんなどのくらい1年間に進むと思うかという話があり、30もプロジェクトがレジストレーションされたらいいのではないかというようなことがあったのだが、それに比べれば進んでいるのではないかという気はする。
 ただ、それからもっと進めなければいけないということで、日本政府もモントリオールで話していたが、理事会のサポート体制をしっかりするために事務局の人員とか、エキスパートの人員を増やす。そのためのお金の手当てとかもしているので、今後ともサポートをよろしくお願いします。
○明日香委員 私、CERUPTの担当者に何でやめたかと聞いたところ、計画は1回だけで、大体最初の所期の目的量は達成できたからとりあえずやめるということだった。一方、ERUPTの方は所期の目的の達成量が足りないから何回もやっているのだとCERUPTの担当者は言っていたが、実際18件の内今残っているのは、4、5件かおそらくそのくらいなので、CERUPTも成功だったかどうかというのはなかなか判断が難しいところだ。先ほども質問したのだが、ERUPTの場合はかなり条件が厳しいので、厳し過ぎることがERUPTに対してある程度消極的になる要因になったのではないかと私は考えている。
 山本さんにまた同じような質問で、今回のCOP/MOPの決定がビンテージ13年以降のクレジットに値段をつけるかどうかを、ポイントカーボンの社長に実はあの後聞いたのだが、クレジット全体の値段はそんな変わらないが、多分13年以降の値段はちょっとつくだろうというクレジットの単価を言っていた。
 全体量がどうしても足りないので、政府がどの様に買えばよいか、個人的な意見を述べると、やはり政府対政府の議論なり、政府対政府で何トン調達するという契約とがこれからかなり大きくなってくるのではないだろうか。
○山口委員 この委員会そのものの目的は、日本の政府がどの様にして京都メカニズムを活用するかだと理解している。したがって民間企業がどの様にやるかはもちろん民間の自由というのだろうか、そうなると日本がやる以上は日本の長期的な方針、基本方針との整合性というのは非常に大事で、これはこの委員会の前のときか、あるいはその前のときにある程度確認されている。日本が長期的にいわゆる省エネを進めていく。世界で進めていく。その一環として日本政府がこういうプロジェクトをやっていく。そうなると、おのずと方向は決まってくる。先ほどの山田さんの話とも少しかぶると思うが、実際に2013年以降の体制がわからない中で、時間が刻々とたっていく。省エネはなかなか時間がかかる。私が言いたいのは、省エネについて、日本政府がクレジットを買うのであれば、日本としてはっきりとした方針を出す。例えば価格で差をつけるとか、そういうことをやったらどうだろうかと言ったのだが、今のところは通ってはいない。
もう1つは、政府がフューチャーCDM、特に省エネについて制度を変えようと努力しているわけだが、そのあたりがどこまで進んで、果たして日本の言っている省エネプロジェクトが本当に大きく出てくるところに今いっているのか。日本政府はフロンの破壊とか、そういうことをどんどん買っていくべきではないと思っているので、質問する。
○杉山委員 第二約束期間の話が幾つか出ていたのだが、今回政府の方、大変な交渉を行い、すべての国の参加による対話というものにこぎ着けた。このことには大変敬意を表したい。
 ただ、現状の認識としてどうしたらいいか。今回決定の文言で、「この対話は将来の交渉、約束、プロセス、枠組み、マンデートなどの予断を持たずに開催される」という、非常に強い留保がついている。これは途上国もアメリカも今のところは第二約束期間の数値目標などを持つつもりは全くないという非常に強い決意表明である。したがって第二約束期間に関してすべての国の参加のもとで数値目標に合意できる見込みというのは現状では非常に暗いと言わざるを得ない。この認識は共有しておいた方がよい。
○黒田委員長 質問は幾つかに整理できる。まず吸収源のクレジットの問題、佐藤委員からの質問、これはJBICの稲田さんに質問なのだと思うが、まずお答えいただきたい。
 それから、新澤さんの方からナットソースの津金さんに質問があったと思うので、それについてお答えいただきたい。
 また、政府の考え方、今後の進め方等々についてはまた政府の方からお答えいただければと思う。
○稲田氏 佐藤委員から質問のあった吸収源CDMに関する国際協力銀行の方針ということで、回答が2点ある。まず1点目として、私どもの方針というよりは、吸収源CDMを含むCDM/JIの先駆的基金としてプロトタイプ炭素基金及びそれを含む世界銀行としてどのように知恵を絞ったかというファクトの紹介をしたいと思う。一言で言うと、2012年までのいわゆる期限つきの吸収源のクレジットと、それから2013年以降の吸収源でないいわゆる固定的な風力発電だとか、そういうクレジットを組み合わせることによって、2012年までの京都議定書の枠組みでの義務達成に使える排出権を創造するというやり方を採用している。期限つきのクレジットと2013年以降のクレジットというのは、それぞれ問題点があるということで、経済的に取得できるわけだが、それぞれを合わせて取得することによって問題点を補完し合い、なおかつ経済的な取引を行うという知恵を絞っているので、この点、私どもの基本政策いかんにかかわらず、日本がクレジット取得を進めていく上で参考になる情報になるのではないか。
 2点目として、これは温暖化対策に限ったわけではないが、広く途上国における植林、あるいは森林の保護ということは私どものいわゆる海外経済協力業務、ODAの方で円借款等を通じ、日本政府の方針を踏まえて積極的に支援をしているので、こういった点も踏まえて今後のクレジット取得制度などを検討されればよいのではないか。
○津金氏 最終的には日本政府がどの様に買うかというスキームの相談になるかと思われる。現状では我々が数量コミットでやっているというように参加いただいても、実際には我々は数量コミットをいただき、その数量をお約束することを基本にして単価をどれくらいの金額までの間で買ってくるという約束を参加者の方々の合意を得て、ターゲット価格も決まっている。参加者にとっては最大幾らまでの支払いの中で約束した量がくるという約束になっているので、これは余り大きな問題とは我々は思っていない。
 逆に1つ加えさせていただくと、何をもってお金を払うのかという方が大事だと思うのは、排出権を売りたい方が、例えばCDM理事会から番号がイシューされた後はプロジェクトセラーの方の責任ではないと考えれば、CDM理事会からCERの番号が発行された時点でお金を払ってくださいということを言うかもしれない。しかし、買いたい方にとってみれば、自分の口座に来ないとお金は払いたくないということになるかもしれない。実際にインターナショナル・トランザクション・ログが2007年にならないと稼働しないということは、来年2006年に登録簿上で排出権が移転するのは考えにくくなってくると、どこの時点でお金を払うのだというのは問題になってくるか思う。
○黒田委員長 この委員会ではクレジット取得の制度設計を政府がどのように関与するかということだと思うので、次回を含めていろいろまた議論していただくことになるだろうが、大きく分けて2つあったと思う。山田委員、それから山口委員から、省エネという日本が持っている技術のアドバンテージを政府が生かすという方策を考えられるべきではないかというのが1点、それについて政府がどう考えるかを聞きたい。
それから、政府としてどういう形で吸収源からの取得を考えるのか。
 それから、もう1点は2013年以降の価格の問題、第二約束期間以降、非常に不確定な部分が多いから、これについて政府としての考えを聞きたい。
○坂口環境経済室長 8月に取りまとめていただいた中間取りまとめに従って進めたい。省エネについても藤冨委員から説明があったように、私どもフューチャーCDM、その他、積極的に取り組んでいるところ。
 対象クレジットをどうするか、あるいは政府として来年度以降どのような形で取得制度を構築していくかは、まさに予算要求として、政府部内で今最終的な詰めを行っているところである。
 政府としては、夏の取りまとめにあったように、単年度予算主義という問題、あるいは柔軟な意思決定ができるような枠組みということを確保すべく関係省庁その他と最終的な詰めを行っており、諸外国でやっているのと同じ程度の柔軟性のある制度を構築したいと考えている。
 他方、これは諸外国と同じであったが、吸収源の扱いについては、財政上の問題があるので、そうした点についても今日の議論を踏まえて検討したい。
 2013年の問題については、これは中間取りまとめのときもそうであったが、やはり将来の枠組み交渉の動向を踏まえて引き続き検討したい。
 

閉会
 

○黒田委員長 次回は1月に予定されており、本日のプレゼンテーションを踏まえて事務局からクレジット取得制度の設計について提案いただくことになっている。
 これにて本日は閉会させていただきます。どうもありがとうございました。
 

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最終更新日:2006.02.21
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