経済産業省
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審議会・研究会

モノ作りを支える人材関連サービスの高度化に向けた研究会(第4回)  議事要旨

日時:平成18年2月14日(火)16:30~18:30
 
場所:経済産業省別館11階1120共用会議室
 
主な議題:とりまとめの方向性について

概要:
 1.オープンな人材活用システムによる競争力強化

  • オープンイノベーションシステムの拡大の話は、外部人材の問題とのリンクが難しいのではないか。
  • オープンイノベーションシステムは生産現場のことを直接指しているわけではなく、コアをオープンにしなければでないと生き残れないことを横目で睨み、人材もコア部分は確保して、それ以外は外部化するというもの。
  • 一方で、外注するのではなく外のステークホルダーとうまくつきあうことによって競争力をあげることができることも事実であり、製造現場でもそのような方向に向かうのではないか。
  • オープンイノベーションとは、コアをはっきり意識して、コアでないところをもっと外に出していくということがアメリカで言われていることであるが、日本では進んでいない。製造業の中でバリューとるために、外部化するか否かどうかは、企業戦略に適合していればよいことだろう。
  • ポイントは、スピードとコストではないか。内部で取り組みたいが、スピード、コストについて外部と比較した場合に、結果として外部に展開しなくてはいけないということもあるのではないか。

 2.モノ作りを支える外部人材高度化の背景・現状

  • 今回の研究会でどこまでを捉えるかもあるが、若者が日本のモノ作りに興味を示す、モノ作りを魅力あるものにしていく必要があるという視点も必要ではないか。
  • 現在、既に、製造業・請負業者離れが始まっており、人が採用できなくなっている。魅力ある製造現場ではなくなっている。現状の改善にはそこにスポットを当てる必要があるのではないか。
  • 同じ職種でみると正社員と外部労働者では賃金が2倍以上の差がついている。最終的に賃金をもらう人たちに価格差があると、業界を魅力あるものにできない。賃金の高い他業種に労働者が移っていってしまうので、3者のWINを実現するためには、そのような視点も必要だろう。
  • 仕事は同じでも賃金の格差が大きいということに関しては、正社員が高いという議論もありうる。また、請負の話に留まらず、協力会社についても同一賃金にするのかという議論にもなる。企業が違えば労働条件も違ってよいはず。
  • 技術変化の視点も重要。求められる技能は変化し、技術は高度化している。それに伴い教育も変化する。変化への対応はコスト・個人への付加・クオリティにも直結している。

 3.サービスの質の向上に向けた課題と方策
  (教育投資とメリットシェアについて)

  • 請負契約の場合、生産性が向上し個数当たりの単価が下がればユーザーのメリットとなる。またコストダウン効果をベンダーに留保することも可能なので、ベンター、ユーザーどちらが教育をしても出来高契約であれば双方にメリットを得ることは可能。しかし、最初のアウトプットの単価が低く設定されており、技能習熟がある程度進まなければ、採算ラインを超えない出来高払いの契約が多い。生産性が上がっても、ベンダーへの還元方法が決まらない場合が多い。
  • 出来高契約で、改善のメリットがベンダーに還元されると黒字になるという背景にあるのは、教育の問題以前に、この人数でこのラインを回して欲しいと言われたときに、判断できるコーデオイネータが少ないもしくは、仕事を請けざるをえないという現状があるのではないか。また、ユーザーもベンダーの提案の実現性について、分かる者が交渉にあたらなければ、ユーザー、ベンダーともに不幸な形であり、最後には人に負荷がかかる形になりかねない。
  • 派遣の場合は、単価改定時期に改定する傾向がある。請負の場合は、メリットシェアの考え方で、苦労して採算にのせメリットを享受できる頃にシェアする違いがある。また、交渉の際に主導権がメーカーにあることも問題。
  • 外部人材に任せる業務についてモノ作りのQCDを高めること、価値を創造していく、作業を仕事に変える仕組みを相互で考えて行かなくてはいけないのではないか。負のサイクルを絶たなければ変わらないと考える。
  • メーカーの立場でも教育は大切。「○○ができる」と見えるなら、初めからそういう人を派遣してくれることに対して、料金を支払ってもいいと思う。従って、「見える化」ができるとよい。ただし、正社員でも同じだが教育の「見える化」は難しい。
  • 現実の問題としてとらえると、こういう技術をもった人が欲しいという要求があるが、対応できない場合がある。これは、教育は、
    ユーザーの構内でのOJTがメインになっているという現実があるため。この点を忘れると教育とは何か不明確になる。

(就業者(就業環境)に係る課題について)

  • メーカーがベンダーに要求してくる内容は、正社員と遜色のない機能の提供を求めるが、コストは半分以下である場合がある。安い単価で受けるために、法定福利費をカットする業者もおり、結果として就業者にしわ寄せがいっていたり、この業界で働くことに対する不信感を持っている若い労働者も多くなってきている。
  • 製造派遣が認められていない時代に、請負業が発生し、ある時期まで請負業は陰にかくれてうまく成長してきた。社会保険が未加入だったりしたが、ユーザー側もそれでよかった。ベンダーも社保管理せずに、低賃金低単価で成長することができた。しかし、今、労働者が離れていったり、賃金が上らなかったり、といったほころびが生じてきている。それが告示37号や労基法だったりしている。

 4. 具体的方策について
  (教育投資とメリットシェアについて)

  • 教育投資はあくまで手段である。ユーザー側からみるとアウトプット、労働者からみるとスキルアップにつながるとことが必要である。
  • 作業から付加価値を産む仕事へ高めるということ。両者で切磋琢磨する構図がなければ難しいのではないか。メーカーにも責任がある。ユーザー側は、量産試作をする際には、どれくらいの材料や人がいるのかといった目利きが必要。また今のモノ作りは外部人材がいないとできない状態になっている。目利きをし、ベンダーと
    コミュニケーションをし、価値創造する関係にならなければ難しいのではないか。そのために業者を絞り込んでいく必要があると考えている。
  • ベンダーとユーザーがメリットシェアまで見込んで交渉する上では、見積もりやスタッフの充実にコストがかかるのでコストシェアどうするのかを考える必要がある。
  • Win-Win-Winの関係については、その意味合いを考える必要がある。望ましい姿ではあるが、どこかにコストの負荷がかかるというコストシェアの問題を克服する必要がある。短期的には、ユーザーあるいはベンダーが品質面のトラブルや対価の点で不利益を被る Win-Lose となるリスク、さらには働いている人に負荷のかかるリスクを減じる対策が必要で、それが長期的には、Win-Win-Winの関係に近づくのではないか。
  • 教育投資については、短期的にはコスト増の要因となる。中長期にみなければ日本のモノ作りはwin-win-winにならないだろう。
  • win-win-winの一つの方策としては、ベンダーの絞り込みをすることではないか。力ある請負会社と協力関係を作ることがベースとなるのではないか。

  (就業者(就業環境)に係る方策について)

  • メーカー側にもコストシェアについて理解してもらうことが前提となる。そうでなければ働く人の夢、キャリアアップのコースをつくることもできない。就業者を守ることを本気で考えると、本気でパートナーシップをくむことができるメーカーと本気でやっていかなければならない。
  • 現状の請負でいうと、告示37号は守ることに苦慮している。現状に即して働く人を主体とした制度が望まれる。2ヶ月以上の雇用であれば社会保険の加入は義務である。まずは現行法の中で厳しく取り締まることも必要。
  • 米国で株式公開している企業ではSOX法があるため、コンプライアンスを100%守らないといけない。法制度に違反している企業とは取引をすることはできないので、今後これも有効であろう。
  • メリットシェアを内容とする契約にしても、コストメリットはどこにあるのか、その使いやすさは何なのかという壁に直面し、これまでと同じ構図が繰り返される可能性がある。就業者のキャリアアップのインセンティブの付与をベースとした時に、それが請求とどう連動するのかを明確にする必要がある。就業者のレベルが上がった時に請求金額を上げる仕組みができればよい。そうすれば「win-win-win」に近くなる。
  • 海外では、コストを全て明確にするマークアップ方式を用いる企業も多くあるが、日本の請負では通用しない。コストをうまく配分する方法をつくったらよいのではないか。日本独自の方法を作るとよいのではないか。
  • がんばった人の努力をベンダーの中で還元することはできるが、
    ユーザーのコストダウン要請を受けていたら、スキルが上がった人に還元する元資がなくなってしまう。人件費の積み上げ方式が、請負でも認めれば、可能になるのではないか。
  • ユーザー、ベンダー、就業者の3者の議論をしているが、最終消費者(お客様)の視点も必要か。価格を抑えていくことが長期的にみて消費者のためになるのかという考え方も必要かもしれない。

 

以上
 

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最終更新日:2006.03.01
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