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開会 ○黒田委員長 おはようございます。 定刻でございますので、まだ何人か、委員の方、お見えになっておりませんけれども、始めさせていただきたいと思います。 本日はお忙しいところ、早朝にもかかわりませずお集まりいただきましてありがとうございました。ただいまより産業構造審議会の環境部会地球環境小委員会の第12回市場メカニズム専門委員会を開催したいと思います。 本日の議事でございますけれども、京都メカニズムのクレジット取得制度の運営方針についてということで御審議いただきますが、最初に資料3の1と2の課題につきまして20分程度事務局から御説明いただいた上で若干御質問を受けて、さらに引き続きまして資料3の後半の部分の説明をまた事務局からいただきまして、その後、クレジット取得制度の運営方針について御議論をいただきたいと考えております。 終了時間は一応11時を予定しておりますので、よろしくお願いしたいと思います。 京都メカニズムクレジット取得制度の構築について ○黒田委員長 それでは、事務局の方から最初に資料3のうちの1と2について御説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。 ○山形環境交渉官 ありがとうございます。環境交渉官をしております山形と申します。 まず資料3の1から御説明させていただきますけれども、この資料全体がそもそもの京都メカニズムの本格活用から始まりまして、全体が俯瞰できるようにつくっておりますので、1のところは皆様既に十分御承知のところかと思いますので、前半の京都議定書に関する動き、目標達成計画などの部分は省略させていただきます。 スライド番号でいいますと、10番のところから具体的に御説明させていただきたいと思います。 京都メカニズムの取り組みの方向性でございますけれども、CDM/JIといいますのは、我が国のすぐれた省エネ技術を活用しまして、他国の排出削減を行える。特にCDMというものは途上国の持続的な発展に寄与できる。また、GISにつきましても環境対策と関連づけることで地球規模での温暖化対策を進める有力な手段だと考えております。 ただし、省エネのCDMといいますのは小規模が1件のみでございますし、JIにつきましても国際ルールの整備、GISについても二国間の枠組みが必要である。 そういう状況でございますので、まずはCDMにつきましては、省エネ部分の方法論の開発というものを日本が主導して開発を進めていく。また、JIにつきましてもトラック2につきましては、JI監督委員会が立ち上がりましたが、さらなる詳細な制度設計、トラック1、またGISにつきましては二国でスキームについて検討を進めていく。 そのような国際的取り組みを通じまして制度整備を図り、民間事業者の方にプロジェクトを発掘、また実施していていただきまして、クレジット供給量の拡大を図る。その中から政府が地球温暖化防止、また持続可能な発展、さらに費用効果的な取得というものを基本方針としまして政府がクレジットを取得していく。そのような方向性を考えております。 この流れにおきまして、まず2の京都メカニズムに関する国際的制度整備というものについて御説明させていただきたいと思います。 スライド番号でいいますと、12番、右下に書いてございますが、12ページをごらんください。 昨年11月末から12月にかけて行われました京都議定書第1回締約国会合におきまして、我が国から省エネですとか、そういう分野におきまして積極的な働きかけを行いました。 結果として、締約国会合決定として採択された内容の中で主なものとしまして、省エネに関しましては、我が国が行っておりますCDMの将来のような国際イニシアティブを推進していくということ。 また、省エネについて、他の分野に比べて不利益な扱いを受けております小規模CDMの定義の見直しを開始するということ。 さらに、途上国で政府プログラムですとか、民間プログラムとかございますけれども、プログラムのもとで実施されるものをCDMとして扱っても構わないという確認がされました。 また、省エネとは分野は異なりますけれども、二酸化炭素の回収・地中貯留プロジェクトをCDMとすることの具体的検討を開始していく。 さらにそのほかの部分でございますけれども、追加性の見直しですとか、事務局の運営についての決定もなされております。 以下、個別に御説明させていただきます。 スライド番号13でございますけれども、モントリオールのCOP/MOPの期間中にCDMの将来のワークショップを開催しまして、非常に会場からは遠く離れている厳寒の中を多くの方が参加していただきました。 このCDMの将来の中で現在対象としているプロジェクトは、ここにございますように、途上国でのESCO事業のようなもの。ホテル内での省エネ。これは具体的にはインドネシアでのホテル協会などが行うようなもの。また、市が運営する複数の街灯。また、一般家庭での白熱灯から蛍光灯への代替というような種類のもの。また、4、5、6ですけれども、産業界での大規模なものになりますけれども、鉄鋼分野、セメント業界での省エネというもの。また、7、8は発電分野でございますけれども、高効率の石炭火力発電所、また蒸気ボイラーの改善というようなものであります。 また、省エネに加え、交通分野も取り組んでおりまして、ガソリンから天然ガス、バイオマス・ディーゼルへの燃料転換、モーダルシフトというものの開発を進めておりまして、今後、ことしの4月以降、順次国連へ申請する予定にしております。 スライド番号14でございますけれども、これは従来から我が国が強く主張しているところですが、小規模CDMといいますのはさまざまな簡素化された要求がございまして、スライドの右下の方に書いてございますけれども、環境影響評価が不要であったり、また、登録のための審査期間が半分になるですとか、方法論を開発しなくてもよいとか、そういうメリットがあるわけですけれども、マラケシュ合意上の定義によりますと、省エネタイプといいますのは、CO2換算にしますと、1万トンのCO2、一方、埋立地のガス回収などですと10万トンになりますし、さらにこれが、ごみの種類にもよるのですが、バイオマス起源ですと、理論上30万トンぐらいは小規模の上限だと。非常に大きな差がありますので、この見直しを1年かけてしていくということが決まっております。ですから、小規模の上限が上に引き上げられますと、相当小規模でのCDMが進みやすくなるかと思います。 また、スライド番号15ですが、これは政府プログラムのもとでのCDM。政府が単に法律をつくったということではCDMにはならないけれども、政府がプログラムをつくり、その下で具体的にプロジェクトが動くということであれば、それら複数のプロジェクトを1つにまとめてCDMとして認めることが決定されました。 ここはまだ具体的なものが国連に申請されているわけではございませんが、例えば想定される例といたしましては、途上国は省エネ導入の補助金制度などをつくりまして、そのもとにその途上国の中での工場の省エネが進む。そのCERの売却収入を補助金の原資に充てるというようなことを行いますと、それは工場が10であろうと、100であろうと、1000であろうと、1つにまとめて、1つのCDMプロジェクトとして実施し、できるということで、非常にトランザクションコストといいますか、そういうものを低くすることができるという枠組みでございます。 また、スライド番号16でございますけれども、これは、先進国では既に始まっている部分も、実用化されているものもございますけれども、二酸化炭素を回収して地中に貯留する。そのための方法論を既に日本企業からこのモントリオールのときは1つでしたが、現在では2つ国連に提出されております。それをCDMとしてどう具体的に認めていくかという検討を開始することが決まりまして、ことしの末の第2回締約国会合において最終決定する予定でございます。これはポテンシャルとしては非常に大きなものがございまして、昨年9月にまとまりましたIPCCの地中隔離の特別報告におきましては、世界で約2兆トン、現在の世界の総排出量の100年分に相当するポテンシャルがあると言われております。また、日本の重機メーカー、この分離・回収の分野では非常に世界的にもすぐれた技術を持っておりまして、我が国の技術を世界に展開し、また地球温暖化防止に役立つ。さらに京都クレジットも取得することができるということで、我が国政府としてもバックアップしていく予定でございます。 CDMから次はJIに移りまして、17ページでございます。今回のモントリオールCOP/MOP1におきまして、JIのうち、セカンドトラックを監督するJI監督委員会の立ち上げが行われました。主な決定事項はCDMの方でさまざまな規定ですとか、方法論の考え方、書類の書式まで既に決まっておりますので、そういうものを活用していこうというのが基本的な考え方でございます。そして、JI監督委員会の委員代理としまして、きょうも御出席されておりますけれども、エネ研の工藤氏が選出されております。 そういうCDMのルールを活用していくということのうちの1つでございますけれども、どれだけ排出削減があったかということを審査します第三者審査機関というのはCDMの世界では既に日本ですとJQAを初め幾つか選ばれておりますけれども、そのような審査機関を暫定的に使ってよいと。暫定的に書類を審査し、削減量を審査し、その申請を国連にしても構わないと。ただし、CDMのルールのもとで信任されている機関ですので、改めてJI監督委員会の信任を受ける必要がございまして、もし仮にその信任がなされなかった場合には、過去の暫定的に行っていたものはすべて無効となるということになっています。当然JI監督委員会に信任されれば、それまでの手続はすべて有効ということでございます。 また、JIの世界におきましても、どれだけ排出削減があったかという方法論につきましては、CDMのものをすべて適用してよい。 また、小規模JIという考え方の導入もされてございます。 スライド番号18。次はGIS制度でございますが、これは国連のCOP/MOP1の議論の外で行っておりますけれども、中・東欧との交渉でございますので、具体国名を挙げることはできませんが、既に公式な議論を始めております。その中で日本として提案が考えられるGIS制度の例でございますけれども、これは例えばでございますが、発電所の改修を行った場合、温暖化ガスの削減が行われるわけですけれども、その設備というものは何年か使われるわけでございますので、削減量と設備の耐用年数というようなものを掛けて、その改修工事がどれだけの削減ポテンシャルを持っているのかということを評価しようと。その評価分を第1約束期間のAAUでクレジット移転を行ってはどうかというようなことを提案しておりまして、現在この詳細につきまして調整を行っているところでございます。 以上が初めの図でいいますところの国際的制度の整備につきましてCOP/MOP1の御報告とその他の交渉状況でございます。 以上でございます。 ○黒田委員長 どうもありがとうございました。 第1回の締約国会議の議論を中心にCDM/JI等の制度、国際的な議論をまとめていただきましたが、何か御質問ございますでしょうか。審議につきましてはこの後の方のものとまとめてやりたいと思いますけれども、ただいまの御報告のところで何か御質問なり、御意見、簡単なものがおありであれば承りたいと思いますが、いかがでしょうか。 どうぞ、山田委員。 ○山田委員 ページで言うと13ページのところなんですけれども、CDMの将来ということで、いろんな方法論の開発だとかやっていただけるということで非常に心強いのですが、ここに書かれている内容というのは、たとえでいいますと、省エネの(4)で、自主行動計画に基づく排出削減事業だとかありますけれども、結構難しいというか、相手の国でこう いったものが受け入れられることを前提に当然書かれているわけですね。そうしますと、これからの時間軸といいますか、京都議定書の期間との対応で考えたときに、これはポスト京都もにらんだということでCDMの将来というのは進められていると思うんですけれども、この期間にはもう間に合わないのか、間に合う可能性があるのか、非常におもしろい内容だと思いますし、もう1つの政府プログラムのもとでCDM推進、これができれば非常に我々としてもやりやすい面があると思うんですけれども、この辺の時間軸について何か御意見があればお聞かせ願えますか。 ○山形環境交渉官 CDMの将来でございますけれども、枠組みといたしましては、非常に長期のものと短期のものを含めた考えでございますけれども、ここに挙げていますプロジェクトにつきましては、すべて第1約束期間に行える実事業者がついているものでございまして、そういう意味でいいますと、今御指摘のありました(4)も既に具体的事業者と議論をしておりますので、第1約束期間に開始をしていくということをにらんでおります。当然第1約束期間でできるものは以降も活用できるというふうに考えておりますし、このようなアイデアをもとに次の議論が行われることを期待しております。 ○黒田委員長 よろしいでしょうか。 私からちょっと質問したいのですが、CDMの将来という議論の趣旨がまだよくわからないのですけれど、Future CDMの訳としてCDMの将来と訳されているようなのですけれども、Future CDMというのは第1約束期間以降のCDMのメカニズムについて議論をしていこうということなんでしょうか。 ○山形環境交渉官 ネーミングの問題が若干ございましていつもあれなんですが、そもそもの経緯を申し上げますと、初めは、一昨年秋にまとめました産構審の別の将来枠組み検討委員会の中でCDMはこのように改革していくべきという御議論がございまして、それを受けまして、CDMの将来という形で議論を始めたわけでございますけれども、いろいろ議論をしていますと、それは第1約束期間でも十分できるのではないかということが専門家の方からいろいろアイデアがございまして、それでまずは今できることに力点を置こうということになり、どちらかといいますと、CDMの近い将来の議論を行っていただいております。 ○黒田委員長 ありがとうございました。 それでは、椋田委員、どうぞ。 ○椋田委員 16ページの炭素回収・貯量をCDMプロジェクトとすることについての検討ですが、確かにこれは非常にポテンシャルが大きいのですけれど、多分コストの問題とか、環境評価の問題等があって、まだ国内対策としても位置づけられていないと思うんですが、これは第1約束期間をある程度念頭に置いて今こういった検討が開始されているのでしょうか。あるいは具体的なプロジェクトが今どこかで考えられているのでしょうか。 ○山形環境交渉官 16ページの二酸化炭素の地中隔離の件でございますけれども、これは既に公表されておりますので具体名を申しますと、三菱UFJ証券が1件、さらに日揮が1件、具体的なプロジェクトをもとに方法論を既に国連に提出しております。 また、そのスケジュールも我々の承知している範囲では第1約束期間中にスタートさせるというものでございますし、また、これは京都議定書の議論から離れまして、経済産業省におきまして地中隔離プロジェクトのコスト削減のための技術開発をさまざまに行っております。その昨年の検討結果によりますと、税ですとか、そういうさまざまな諸費用を除いた純粋なコストという観点で試算しますと、コストだけであれば現状10ドルという結果が出ておりまして、もう少し技術開発は必要でございますけれども、視野に入ってきているという状況でございます。 ○黒田委員長 よろしいでしょうか。 ほかに。 では、まず西條委員。 ○西條委員 クレジット取得制度の概要のところなのですが、19、20あたりで、足りない部分というか、需給の均衡はどうやって……。 ○黒田委員長 済みません。19、20はまだ説明に入っていないんです。次にやりますから。 ○西條委員 済みません。おくれて来たものですから。 ○黒田委員長 では、藤冨委員、どうぞ。 ○藤冨委員 今の炭素回収・貯留問題についてCDMの理事会でも議論があったのですが、ちょっと御紹介しますと、このCCSについてどういうふうに取り扱ったらいいか、一遍貯蔵した後の状態がどのように保全されるかということについて、ちょうどCOP/MOPのモントリオールの会議があるので、そこにインストラクションを求めようということになりました。結果として、モントリオールの大会でこのIPCCのCCSに関するレポートが紹介され、いろんな議論がされた後、さらにCOP/MOPの決定としてCDMの理事会にこれについての検討を理事会でするようにという指示が下されて、その検討の結果を次の、ことしの末のCOP/MOP2に報告するということになりました。 したがって、正式に検討を始めようということであります。ちょっと追加いたしました。 ○黒田委員長 どうもありがとうございました。 ほかに。 明日香委員、どうぞ。 ○明日香委員 ちょっと教えていただきたいのですけれど、15ページの「政府プログラムの下でのCDMの推進」で、COP/MOPでこういうことが決まったというのは、私、理解はしているのですが、実際に例えばここの例にあります省エネ設備導入補助金というような具体的なプログラムもある程度CDMとして認められるというような議論があったのでしょうか。 そのときに、多分実際いろいろ途上国には既に省エネ設備導入なり、何らかの税制優遇などの制度が存在している場合もあると思うんですけれど、そことの関係は、例えばそれをベースラインと考えるとか、考えないとか、そういう議論は何かありましたでしょうか。 ○山形環境交渉官 先生から御質問のありました後半のような細かい議論は締約国会合ではございませんでした。 ○黒田委員長 よろしいでしょうか。 ほかに何かございますか。 それでは、後ほどまたまとめて御議論いただくことにして、3の京都メカニズムクレジット取得制度の構築という部分について事務局の方から御説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。 ○山形環境交渉官 続きまして、3の京都メカニズムクレジット取得制度の構築ということを御説明させていただきます。 まずスライドで言いますところの20ページでございますけれども、昨年末に決まりました平成18年度政府予算案では、経済産業省と環境省、この両省が独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、NEDOにクレジット取得を委託する。両省合計で、平成18年度に122億円分のクレジット取得契約を締結しまして、実際の支出は54億円まで支払えるように予算を確保するという案になってございます。このあたりの詳しいことはまた後ほど御説明しますけれども、基本的には今申しましたように、政府、経済産業省、環境省、両省が一体とになりまして、NEDOに事業を委託する。政府はNEDOに購入資金を支払いまして、クレジットを取得する。NEDOは原則公募として、提案者、プロジェクト事業者等と契約をいたしまして、前払いも行えるようになっております。それ以降クレジットの引き渡しに対して対価を支払うというスキームを考えてございます。 以下、具体的な中身でございますけれども、スライド番号で言いますと21ページでございます。昨年来の御議論で柔軟かつ機動的なクレジット取得をするためにどうすればいいのかと。プロジェクトというのが複数年にわたって発生するわけですので、プロジェクトからのクレジットが複数年にわたりますのでどうするのか。単年度主義との調整というのもございましたけれども、この事業につきましては、国庫債務負担行為という制度を利用することにしております。国庫債務負担行為といいますのは、通常皆様御存じのとおり国の予算というのは単年度主義で、1年度分契約して、1年度分清算して、お支払いするということなのですけれども、事業が長期にわたって行われるような場合、この場合、通常ですと、橋とか、公共工事関係では比較的使われるわけですけれども、この事業にも適用いただこうと。そのためには国会での議決が必要でございますので、その法律案を本通常国会に提出する予定でございます。 さらに、そのような国庫債務負担行為でも通常は5年が原則なのですが、本件については来年度から第1約束期間終了後の調整期間1年を加えまして、8年間ということで検討しております。そうしますと、平成18年度に将来の支払いを約束するような形で契約することができるようになります。右下の方に少し細かい図がかいてございますけれども、考え方としましては、平成18年度に122億円分の契約を行う。18年度に実際に支払う額は54億円までですけれども、長期の契約ですので、122引く54の部分については19年度以降順次支払うことができるようになります。 我々といたしましては、18年度に122億円分の契約をしてよいという制度を考えておりまして、さらに平成19年度にはまた別途追加的にそういう契約をしてよいという制度といいますか、予算要求を考えておりまして、20年度も新たな分を枠というふうに御説明したらよいのかもしれませんが、そのようなものを要求していくことを考えております。 スライド番号22でございますが、昨年来の御議論におきましても、専門的な知見を有する外部機関を活用していく。国が直接するというよりは外部機関を使っていくという御議論をいただいておりましたけれども、政府の方ではNEDOを活用していくことを考えました。NEDOは従来からCDM/JIのFS事業ですとか、また途上国でのキャパシティビルディングを行っておりますし、さらにCDM/JIへの補助事業を行ってきておりまして、この分野での知見が蓄積されているということでございます。また、アジアにも事務所を構えておりまして、そのようなホスト国とのネットワーク、またこれまでキャパシティビルディング等で途上国政府の支援を行ってきておりますので、そのようなネットワークを活用することができるということで、NEDOを実施機関といたしました。 次に、スライド番号23でございますけれども、具体的にどのような取得制度になるのかということでございますけれども、いろいろなタイプが実際には事業を始めてくると出てくるとは思われますが、主にこのような類型ではないかと思われるものが、1つはNEDO自身がプロジェクト事業者として直接クレジットを取得する。国連から直接クレジットの発行を受けるというタイプのもの。 次の(2)でございますが、これは直接のプロジェクト事業者にはならずに、そのような実際プロジェクトをされている事業者から購入契約をする。日本国内でも海外でもさまざまなプロジェクトを実施されている方がおられますので、そのような事業者から取得する。 (3)の方は現物のクレジットの発行、流通が行われているという状況ではございませんけれども、そのような状況になれば現物のクレジットを有している方から購入するというような3つのタイプが考えられるのではないかと思っております。 次はスライド番号の24番でございます。どのようなクレジットを対象とするかということですが、まず全体の取得目標量は2006年から13年の8年間の総計で1億トン、1.6%相当を考えております。 さらに、この中のどのようなクレジットを購入していくかということを考えますと、我が国の技術移転、また地球規模での排出削減ということを考えますと、CER、ERU、それと後ほど御説明しますが、AAUのうち、JIの早期実施、それとまずはプロジェクトタイプ等のGIS、そのようなものを考えております。 うち、CERにつきましては、ここは細かいルールになるのですけれども、森林から生じるクレジットといいますのは、将来の補てん義務というのがございます。そういうことで、当面取得対象としない。今使えても将来それを他のクレジットで補てんしないといけないという将来の財政負担という議論がございますので、当面取得しない。 また、原子力施設から生じるクレジットというのは、京都議定書締約国会合決定で、目標達成への使用を差し控えるということになっておりますので、対象としないということでございます。 スライド番号25でございますが、森林クレジットの御説明を少しさせていただきたいと思います。 森林クレジットには2種類ございまして、短期と長期とございます。短期といいますのは、これは主に商業植林を念頭に置いておりまして、植えた木は将来紙をつくったりするために切るだろうと。伐採するだろうということを想定しております。図で御説明しますと、木は徐々に育っていきますので、ある期間モニタリングをしますと、これだけ吸収をしたというモニタリング実施時にはt、テンポラリーなCERが計測できるわけです。そのうちの幾つかを、例えば2012年に目標達成に使用する。ただし、商業植林ですので、いずれは伐採されるので、蓄積されたCO2というのはゼロに戻るだろうと。だから、次の約束期間末――これは具体的に決まっておりませんけれども、次の約束期間末までには目標達成に使った分は他のクレジットで補てんしなければならない。こういうルールになっておりますので、いつ返さないといけないのかわからないという状況でございますので、このようなものは対象に当面はしないということと、長期クレジットといいますのは、これは商業職林というよりは、保安林ですとか、植えたら切らないというたぐいのものですけれども、これはモニタリングを実施します。さらにもう1度、5年後にモニタリングをすれば、そのふえた分だけクレジットをl(エル)、ロングのCERが発行できるわけです。2012年に仮に目標達成に使用しますと、それを補てんするのは、クレジット期間、CDMとしてのプロジェクトの最後の日ということですので、最長60年後ということになりますけれども、目標達成に使った分は60年後に補てんしなければならないというのもあります。また、モニタリングをしておりまして、仮に保安林として植林したのに、途中、減少したと。山火事とか何らかの原因で減少したような場合には、直ちに補てんしなければいけないというルールになっております。 このように将来的にどのようなタイミングで、どれだけの補てんが生じるかわからないというものでございますので、当面対象としないということでございます。 次、スライド番号26でございますけれども、AAUというものは既に制度上取引の対象にされているという実態がございます。JIにつきましては、ルール上は既にプロジェクトを始めていいわけですけれども、実際のクレジットをどう発行して移転するかということにつきましては、2008年以降にERUを発行できて、移転ができるというルールになっておりますので、2008年より前に削減したのをどうやってクレジットを移転するのかというのが実は京都議定書の締約国会合では明示的な規定はないということで、これはデファクトのルールになっているわけですけれども、その分は早期実施期間の削減分というものについては2008年以降、AAUで移転する。各国が実質的にそのような扱いをしております。東欧諸国とEU諸国との間でMOUを締結して、そのような取り扱いにしておりますし、我が国もルーマニア、ブルガリアとJIに関する文書を締結しておりますが、その中でも同様な規定を置いておりまして、JIの早期実施の分についてはAAUで移転していく。このようなものを対象にしていくということを考えております。 27ページがこれから取得制度構築に当たっての検討事項ということでございます。考え方としましては、透明性の確保、またリスクの最小化というものが必要でございますし、民間事業者と連携する場合には、その選定、評価というものが重要になってまいります。一般的にポートフォリオをどうしていくのか。リスクを最小にするためのポートフォリオをどうしていくのか。 また、情報公開というものをどう考えていくのか。 さらに、プロジェクト事業者を選定するための事項としましては、選定方法というものをできるだけ透明な形ということで、原則公募というのを考えております。また、市場から発行済みのクレジットを取得するというのは今後検討が必要でございます。 また、事業者選定につきましては、京都メカニズムという観点から、また財務という観点からの評価が必要であろう。 また、価格につきましてもこれをどう評価していくのか。 さらに、長期にわたるプロジェクトでございますので、きちっと報告を受け、管理監督していくという体制が必要かと思っております。 スライド番号28にまいりまして、この取得予算に加えまして、これまでにも国で京都メカニズム推進に関する政策を行っているわけですけれども、それらを一層充実しながら、全体としてどう取り組んでいくのかということでございますが、既にCDM/JIのFS調査、これも環境省、経済産業省一緒にやっておりますし、途上国へのキャパシティビルディング、また補助金というものをこれまで実施してきております。これで政府もクレジット取得予算が構築できれば一体としてすべてのフルメニューがそろってまいります。これを今までも両省、また外務省を加えて、Japan Kyoto Mechanism Acceleration Programという形で、途上国、または東欧に対しては一体となって取り組んでいるところでございます。 また、スライド番号の30でございますけれども、これらを具体的に全体としてどう動かしていくのかということの1つの方向性といいますか、例でございますけれども、このあたりぜひ御意見をいただきたいと思っておりますが、実際クレジットを取得するまでには、まずホスト国政府の能力向上、またホスト国の民間企業のプロジェクトの相手方の能力向上の支援、またこの場合ですと省エネというのを対象にしておりますけれども、具体的に省エネのクレジット供給量の拡大、プロジェクトの発掘がされて、初めて我が国政府、民間が一体的戦略的にクレジットを取得できると思うわけですが、これに対して現在中国を例にしますと、中央政府というのは既に相当の能力を持っておりますけれども、これからといいますか、現在地方にCDMセンターの立ち上げの支援というのを行っておりまして、NEDOを通じまして中国河北省、これは工業集積度の高い省でございますが、そこの省の中に元大学の研究者ですとか、公的機関の研究員の方を集めて、省の中にCDMセンターというのをつくっていただきまして、我が国がその能力向上の研修ですとか、実際のプロジェクトの立ち上げ支援を行っております。そして、我が国に優先的にプロジェクトを発掘するように取り決めを行っております。 また、全体的な能力向上ということでは、環境省さんの方でCDM実施ガイドブックというのをつくって、この1月にはこれの発表会というのもされております。 また、省エネプロジェクト発掘という関連では日中共同で鉄鋼分野、セメント分野、家電製品、そういう分野で両国の専門家に方法論開発をお願いしておりまして、こういう形で省エネ分野の発掘も方法論的開発を行っていく。こういうことを一連の流れにしながら省エネプロジェクトを立ち上げ、発掘し、クレジットを取得していくという方向を考えております。 説明は以上でございます。 ○黒田委員長 どうもありがとうございました。 それでは、3のクレジット取得制度の構築という部分について御議論、御質問いただきたいと思います。 西條委員、先ほど何か。 ○西條委員 済みません。 例えば24ページで、8年間の総計で1億トンということで、基準年の1.6%に相当するものを獲得するということなのですが、多分需給の問題があって、予算の方は固定ですので、あらかじめ予定された総額を使い切ってしまうのかどうかということともに、クレジットの方はP掛けるQというか、価格掛ける数量で出てきますので、価格が高ければたくさん買えないという状況もあるわけですが、需給というか、ちゃんと確保できるのかできないのか、できないときの措置は考えているのかという話です。逆に言うならば余ったときはどうするのかと。多分バンキングするのでしょうが、その辺、経済省としてどういう対策を考えられているのかということに関してお願いいたします。 ○山形環境交渉官 全体的な考え方を御説明しますと、スライド番号でいいますところの10ページでございますが、先生御指摘のようにクレジット供給量を拡大しないとそもそも取得できないわけでございますので、そのためにどういうことを考えないといけないかと言いますと、1つには国際的制度をきちっと整備していく。我々既にCDMの世界で言いますと、方法論的には省エネ分野というものをどうしていくのかということで、COP/MOP1の決定の中には小規模CDMで不利益な扱いを受けております省エネ分野というものをどう扱っていくのか。さらに鉄、セメント、家電製品という比較的ポテンシャルが大きく、まだ方法論が開発されていない分野での方法論開発というものを国際的に取り組んでいるところでございますし、またJI、GISという制度の二国間協議を行っておりまして、まずはそういう制度を整備して枠組みをつくる。さらに民間事業者の方にはこれまでもFS支援という形を通じて実施をしていただく。そのあたりも含めて考えてクレジット供給量の拡大というのもきちんと考えております。 ○黒田委員長 よろしいでしょうかね。 僕も若干同じような質問をしたかったのですけれど、価格の決定というか、クレジットの価格というのは、国際市場で何らかの形で決まっていくという形のものですよね。そうすると国際市場そのものがどういうふうに形成されていくかによって、例えば国内事業者はクレジットを取得したものを日本政府に売らなくても、もっと高く買ってくれる人に売ったっていいわけですね、制度としては。そうすると、日本は競争入札みたいな形でクレジットを買わなければいけないということになるのでしょうか。 ○肥塚産業技術環境局長 今おっしゃっている問題点は、我々非常によく理解をしています。ただ、今の話のところは2012年、これは京都議定書の目標達成計画そのものの問題にも多分絡んでくると思うんですけれども、今の目標達成計画でステップ・バイ・ステップと書いてありますように、国内対策との差分である1.6%の部分が最終的に厳密に1.6%でずっと推移していくのかという問題の最終的なところでどうなのかという話に結局かかってくる。それで最後に行き着くところは価格が上がっているのか、下がっているのかというようなことなんだろうと思います。最後行き着くところは。 ただ、さっき申し上げましたように、国庫債務負担行為をつけて、とにかく今の時点で考えれば、出おくれないように国際的に妥当な相場で、しかも日本企業がかんでいるようなプロジェクトを優先というとちょっとおかしいかもしれませんが、さっき申し上げたような考え方で、できるだけ素早く手を打っておく。あと、国内の実施状況なり何なりはまたステップ・バイ・ステップの見直しの中で考えていくという、今回は基本方針ということでありますので、またこの運用の細かいところとか、運用のプロセスでまたどう考えていくかということはここでも議論していただかなければいけないのではないかと思っています。 今おっしゃった問題点は非常によく理解していますが、ただ、今の時点では制度を立ち上げて、できるだけはやく妥当な相場でさっき申し上げたトランスペアレントな中で、かつ、さっきのような優先順位でクレジットをまず取得し始めることが大事ではないかと思っているということでございます。 ○黒田委員長 どうもありがとうございました。 西條委員、よろしいでしょうか。 それでは、ほかに御質問。 稗田委員でしょうか。 ○稗田氏(佐藤委員代理) 24ページのスライドになるのですが、丸の3つ目で、森林クレジットについては「当面取得の対象とはしないこととする」とありますが、この「当面」という意味をお聞きしたいのですが、これは何年ぐらいになればということなのか、あるいは何か課題があるので、その課題が解決されるまでは対象としないが、それが解決されれば考えるという、そういう意味合いなのか、この「当面」という意味はどういうことなのか、ちょっと教えていただけないでしょうか。 ○山形環境交渉官 当面という意味は、まずスライドの25を見ていただきますと、森林クレジットというのは将来的に非常に不透明な部分があります。その最も不透明な部分といいますのが、仮にt-CERの方で言いますと、次の約束期間末に補てんの義務が生じる。この次の約束期間というのは全く決まっていない状況というのがございます。そういうふうに制度的にまだ未整備な部分ということと、実際にこのプロジェクトというものはまだ出てきていないという状況もございますので、その2つが主に大きな課題だと思っております。 ○稗田氏(佐藤委員代理) プロジェクトが出てきていないので、プロジェクトが出始めてから考えましょうと。それは合理的だと思うんですが、次の約束期間が決まらないからという理由であれば、それでは将来枠組みが決まるまでは購入しないということと同じだというふうに理解できるのですが、将来枠組が決まるのに二千十何年までかかるのか、もっと早く決まるのかはわからないわけですから、それではいつ森林クレジットが取得の対象となるのか見通しはつかないということになると思うんですね。 先ほどどういうタイミングで、どれだけ補てんしていいかということがわからないから問題だという説明があったのですけれども、このt-CERもl-CERも補てんの期限は次の約束期間まで、あるいは最長60年のクレジット期間の終了までということで、おしりは長いですけれども、早目に補てんするのは構わないわけで、いつ補てんするかというのは、取得した分だけ政府がどう補てんをするかという計画を立てられるなり、あるいは売り手の方にいつまでに補てんしろという債務を負わせるなりで見通しをつけることはできるわけですから、いつ補てんしていいかわからないからというのは少し違うのではないかなと思うんです。 前にも御説明したことがあると思うんですが、クレジットの購入の際に見るべきものはコストとリスクの評価なわけで、森林クレジットについては補てんリスク――補てんリスクというのは補てんできるかどうかというリスクと、補てんのコストがどれぐらいかかるかというリスクがあるのですけれども、逆にほかの削減クレジットに比べて森林クレジットは安い価格で取得できるかもしれないというメリットがあり得るわけですから、そこは両方見ながらうまく使っていくということでいいのではないかと思うんですね。価格の評価、あるいはポートフォリオを組むというところで、森林クレジットにはそういう補てんのリスクがあるということを踏まえて価格をしっかり評価して、利用するということであればいいのであって、今の段階で取得の対象としないということを決める必要はあるのかというふうに疑問に思うんです。 日本政府の調達方針はどういう方針ですかというふうに諸外国の方から聞かれた場合に、日本政府は森林クレジットは当面取得の対象としないという方針ですと言った途端に、それは途上国の側の人から見れば、日本政府は途上国の省エネプロジェクトについては支援をするけれども、植林をしたいという途上国のニーズがあった場合でも、それについては支援をしないというアナウンスをしたのと同じになるわけで、今の段階でそういうことをアナウンスする必要はあるのかなと。やっていく中で結果として安い森林クレジットが手に入らない、あるいは補てんリスクを引き受けてくれる売り手が見つからないので、結果的に森林クレジットは調達しませんでしたという結果が出てくるのはしようがないのですけれども、それをうまく利用する方策を考えないで、単に今の段階で取得しない方針にしましたということをあからさまにアナウンスすることのメリットは何かあるのかなという疑問があると思うんですが、いかがでしょうか。 ○坂口環境経済室長 財政的な面から若干説明を補足いたします。 御承知のとおり、補てん義務は取得した国に発生することになっておりまして、いわば将来の財政的な負担を負うことになります。実際に補てんを行うのは2013年以降のクレジットという形になりますので、2013年以降に補てんの行為を行っていく、それをどのように財政的に確保していくか、民間事業者との関係でどうするかというのは引き続き検討していかなければいけない課題だと考えておりまして、当面は対象としないという整理にさせていただければと考えているわけでございます。 ○稗田氏(佐藤委員代理) 2013年以降に政府が支出をして補てんをしなければいけないということにならない方法があると思うんですね。2012年までの森林クレジットを政府に売った事業者に対して2013年以降の補てんクレジットを5年以内に、あるいは10年以内に無償で政府に移せと言えば、無償なわけですから、政府の財政負担、金銭の支出は2013年以降に発生しないわけですから、2012年までの財政措置で十分可能なのではないかと思うのですが。 ○坂口環境経済室長 基本的にはクレジットで補てんをしなければいけないものですから、2013年以降ということだと考えております。当面は取得の対象としないということとさせていただいて、どのような方法があるかは引き続き議論ということだと思っております。 ○深野大臣官房審議官 いろいろと申し上げましたが、端的に申し上げて、この制度については非常に不透明性が高いと我々は考えています。特に将来これはクレジットで見なければいかんわけですけれども、そのときのクレジットが一体幾らなのかというのは非常に予想が難しいわけでございまして、一方でこれを使った部分については将来どこかの時点でクレジットを補てんしなければいかんわけですから、そういう将来幾ら負担をさせられるかわからないものに依存するというのは大変に不透明性が高いのではないかと。むしろもっと確実にできるものからまずやっていったらどうかと。そういう考え方でありまして、ただ、将来森林クレジットがいろんなところで取引がされるようになって、ある程度そういうものが見えてくるかどうかということだと思います。残念ながら今そういうものは全く見える状況になっていませんので、むしろ今この時点では積極的にやるということにはならないのではないかと。そういうことでございます。 ○稗田氏(佐藤委員代理) どっちを好まれるかという話はわかるんですね。森林クレジットよりも普通のクレジットの方が使い勝手がいい。それはわかるのですけれども、不透明性が高いというところを政府が不透明性があることのリスクを負わないで、だれか負ってくれる人に負わせればいいのではないですか、そういう森林クレジット商品というのはいろいろあるのですけれどもということなのですけれど。 ○深野大臣官房審議官 そこのところは今申し上げたように、要するにこれは財政資金を使ってやる話なので、やはり確実性のあるものからやっていかなければいけない。そういう不確実性の高いものに本当に財政資金を回すことがいいことなのかということなんです。 ○黒田委員長 森林クレジットの問題、僕もいろいろ問題がありそうな気がするのですが、これに関連してほかの委員、何か御意見ございますか。 では、明日香委員からどうぞ。 ○明日香委員 関連して確認なのですけれど、経団連の自主行動計画なり、環境省の自主的排出量取引制度ですか、あそこでも多分実質的にはクレジットで足りなかった分、補てんするというようなメッセージになると思うんですが、それも当面は森林CERというものはそこでは使えないというようなメッセージとして考えてよろしいのでしょうか。 ○黒田委員長 その点、いかがでしょう。1つの問題だと思っているのですけれど。 ○明日香委員 経団連の行動計画でいろいろありますよね。 ○黒田委員長 自主行動計画の枠をクレジットで埋めたと。もしくは森林クレジットで埋めたようなケースを認めるかどうかということですよね。 ○明日香委員 そうですね。あと、環境省の自主的排出量取引制度も基本的にクレジットの取引みたいな形で補てんをどこかから、CERを認めるということになっていると思うんですが、それは当面はということなんですか。 ○深野大臣官房審議官 経団連の自主行動計画を自主的なクレジット取得で対応することついて別に特に森林クレジットを使ってはいけないということではないと思っていまして、ただ、その結果、後でそういうクレジットをまた別のクレジットで補てんしなければならないという義務は当然発生してまいりますので、それをすべてあわせてやっていただく。そういうことになるのではないかと思います。 環境省の方はむしろ環境省に確認をする必要があると思います。 ○黒田委員長 どうもありがとうございました。 それでは、ほかの御意見をいただきたいと思います。 山田委員、どうぞ。 ○山田委員 クレジットの取得につきまして、先ほど必要量の確保のために方法論の開発だとかいろんなことをやっていただいているということで、それはよく理解できたのですが、もう一方の購入価格の抑止力といいますか、これをどういう形で持つのか。例えば23ページで直接プロジェクト事業者として参加する、他のプロジェクトから購入する、市場から購入する。いろんなパターンがあるわけですけれども、プロジェクトから離れれば離れるほど、当然ながら市場価格に影響される購入形態にならざるを得ないと思っています。したがって、プロジェクトにできるだけ入っていくということが必要だということが1点と、入ったにもしてもやはり市場価格の影響は当然受けるわけで、この辺を国ごとのいろんな協定だとか、将来的ないろんな協力だとか、そういった枠組みの中で価格抑止力をいかに持つかということがポイントではないかなと、市場で買うということからできるだけ離れるために。それについてはどのようなことをお考えでしょうか。 ○山形環境交渉官 具体的にこれからどう交渉を進めながらプロジェクトを起こしていくかというのは、正直まだ具体論まで入れてございませんが、山田委員御指摘のとおり、この1、2、3、いろいろなパターンがございますけれども、どう組み合わせていきながら政府としてできる政府間交渉など使いながらどう価格を抑えていくのか、これから考えていきたいと思いますので、ぜひ御指導いただきたいと思います。 ○黒田委員長 よろしいでしょうか。 では、工藤委員、どうぞ。 ○工藤委員 ありがとうございます。 1つは、27ページの検討事項に関してなのですけれども、この入札等を行って取得しますという中で、特に情報公開の話というのが以前から確かに議論になっていて、ここに書かれているとおり、不利益の意味は例えば日本の国としてそういった価格に対する影響等々も含めて今後規模を拡大してくればどうなるか、この辺は恐らく当然いろいろ戦略的にも慎重に議論していく必要があるのかなと思います。若干気になるのは、法律上の扱いとして、ある程度こういう問題があるので、こういった情報は出さなくてもいいですよということが柔軟に対応できるのかという、あくまでも基礎的な確認なのですけれども、その辺をお伺いしたいと思います。要するに案件を評価するときの考え方なのですが、アップフロントも含めていろいろ柔軟に考えましょうという部分と、例えばプロジェクトそのものが登録される前の段階もある程度対象に含めて考えていくのかどうか、その辺、今後の検討事項だとは思うのですけれども、今の段階でどのような感覚なのかなというところをお伺いしたいと思います。というのは、先ほどの幾つかのタイプの取得方法があって、その中からそれぞれをいろいろ評価していくという話になったときに、評価基準と いったら変ですけれども、いろいろ難しいところがあるのかなと。限られた予算中でどれを選ぶのかという判断だと思いますので、今その辺でどのようにお考えになっている部分があるのか。恐らく今後の検討事項だとは思うのですけれども、考え方だけお伺いできればと思います。 それから、もう1点はGISなのですけれども、今回の取得制度の対象としてGISを当面はプロジェクト関係というふうに明示されておりますので、それに関連するわけですが、結局AAUというものからある程度そのプロジェクトを介して設備の耐用年数等も含めて柔軟にそういったプロジェクトを取得するという考え方、これを進めていくに当たっては当然国同士の合意事項がありながら、この入札関係になってくると当然一般の事業者の方がどんどん積極的に入って、そういったものを広めていってほしいという思い入れも多分あると思うのですが。そうすると、今後のGISの進め方というのは、政府間である程度基本的な考え方というのが成立した上で、事業者がそういったレールに乗って参加できるような状況で考えるのか、あくまでも政府が中心となってプロジェクトのつくり込みというものを引き続きやっていくのか、これも多分実際に考えながら進めることだと思うのですけれども、その辺の考え方について今お考えが あったらお伺いしたいと思います。 ○山形環境交渉官 まず情報公開についてでございますけれども、これは情報公開法上の扱いと、事業ですので、いろいろな交渉上の問題、その中で折り合いをつけながらということだと思いますけれども、原則、国の情報ですので、これは公開――いつの時点かは別としまして、公開しなければならないと思っておりますが、そのタイミングですとか、内容につきましては、情報公開法上もその業務に支障があるような場合はという例外規定がございますので、その例外規定の運用を今後の実態との折り合いをつけながら、どのタイミングで、何を公表していくのかということを決めていきたいと思っております。 次の価格評価でございますけれども、これは実際非常に難しいところでありまして、均一な商品というのは存在しない。プロジェクトの進捗度も違えば、リスクも違うというようなものでございますので、それぞれのプロジェクトごとに価格は違いまして、それをどう評価していくのかということでございますが、これは実施機関内での情報蓄積をしていくということも必要ですけれども、外部のそういう専門機関、このような個々のプロジェクトごとにデータを持っているところがございますので、そういうところに連携しながら個別に評価していくのではないかと考えております。 次に、GISでございますけれども、我々の理解としましては、政府間で枠組みをつくった後はできるだけ民間の方がその枠組みを使ってどんどんプロジェクトを進めていただけるようなことを願っております。 ただし、AAUというものはホスト国のいわば財産のようなものでございますので、ホスト国政府というのはどうしても承認行為なり、これだけのAAUを引き渡すという行為は必要になってくるかと思っておりますので、18ページの図はどちらかといいますと、我々の期待するスキームでございますが、政府間での基本的枠組みをつくって、その後はホスト国政府が、どれだけのAAUを移転してもよいという承認を得られれば、どのような方でも、どのような日本の法人でもこの制度は使えるような形にしていきたいと思っております。 ただし、初期のころはプロジェクトの立ち上げに関わるといいますか、相当政府も支援していく形が必要かと思っております。 ○黒田委員長 よろしいでしょうか。 それでは、西條委員、どうぞ。 ○西條委員 先ほどの工藤さんの情報公開に関連する話なのですが、例えば毎年200億円使うのだということをアナウンスするということは、財布の上限をアナウンスするということで、多分経済学的に考えるとするならば、P掛けるQ、一定ということで、双曲線型の需要曲線をアナウンスするということになりますね。完璧な需要曲線をアナウンスするということは、供給者側にとってはかなり有利な状況なのですが、財布の中身をアナウンスすることの意味とタイミングと、もう1つは他国は一体どうしているのかという話をお伺いしたいと思います。 ○山形環境交渉官 まず他国の状況を申し上げますと、各国とも予算という形で、額は総額ですね。総額については公表されております。ただし、私の知る限りにおきまして単価を公表している事例というのはございません。具体的にどのプロジェクトのトン当たり幾らかというのは公表された事例は私の知る限りございません。 そういう状況において、日本がこれからどうしていくのかということでございますけれども、やはり予算を要求しますので、総枠を公表することは不利益ではないかという御指摘はごもっともなわけですが、これはいたし方ないのかなと思っております。 その後、どう具体的にNEDOが交渉を進めていくのか、またNEDOが個別プロジェクトという方法もございますけれども、その中でどう交渉していくのかということはこれからの検討課題かと思っております。 ○西條委員 多分限界収入曲線が完璧にフラットになるような状況を考えてみると、供給者側にとって完璧に有利な枠組みを私たちはつくろうとしているような状況なんですよね。ほかの国々も含めてですね。もう少し何かいい方法はないのだろうかと思ってしまいます。完璧なフラットな限界収入曲線で、双曲線型の需要曲線だとするならば、できるだけ高い価格で少量のクレジットを供給するのが供給者側にとって最適行動になってしまうので、もうちょっと何かいいアイデアはないのかなという感じがしています。私も大したアイデアがあるわけではないのですが、考えてみようと思います。 ○黒田委員長 今の点も非常に重要な点だと思います。今の点に関連して何か御質問なり、御意見ございますでしょうかね。 供給側も競争ができればいいんですよね。そういうメカニズムをつくれるかどうかだと思いますが。 何かありますか。 ○西條委員 多分、裸で出ているような感じですね。自分の手のうちを完璧に公開してしまうような状況のもとで本来的な競争的なマーケットをつくれるのかどうかという、そういう疑問がありますね。 ○肥塚産業技術環境局長 そういう問題点はあるだろうと思うので、運用に当たってぜひアドバイスいただけるありがたいと思います。 ○黒田委員長 よろしいでしょうかね。 椋田委員、どうぞ。 ○椋田委員 今回こういう形できちんと予算を確保していただくとともに、クレジット取得制度を構築していただくということは大変ありがたいことだと思っております。京メカというのはそもそも国内対策の補完ではあるのですが、やはりこれを着実に実施していくことによりまして、国内対策との費用効果の差というものが多分浮き彫りになってきますし、2007年に、今度、目達計画を見直すわけですけれども、その議論にもいろんな影響を与えるのではないかなというふうに期待をしているところです。 1点質問なんですけれども、オランダのERUPTではスコアカードを利用してクレジット供給の確実性について評価をした上で、あとは価格だけで安価な順に採択していくということで、価格だけを根拠にプロジェクトを選んでいるわけなのですが、日本でやる場合については、例えば日本の国内企業の技術を有効活用しているとか、あるいは途上国の経済発展に貢献しているといった、難しいかもしれないのですけれど、日本独自の何か付加価値的な基準を設けた上でプロジェクトを評価していくのか、あるいはただ単に価格と確実性だけで評価をしていくのか、その辺についてのお考えを伺えればと思っております。 できれば、京メカというのは単なる穴埋めだけではなくて、実際に温暖化対策、あるいは経済発展に貢献しているのだということを広くアピールする上では何らかの追加的な基準というものが必要なのかなと思っております。 ○黒田委員長 何かありますか。 ○山形環境交渉官 椋田委員の御指摘、ごもっともでございまして、我々といたしましても価格というものだけが優先順位第1位ということではございませんでして、やはり地球温暖化防止ということと、途上国、持続可能な発展、それと費用効果的にどうしていくのかと、この3つの柱があると思います。これから実際にプロジェクトの選定基準ですとか、事業者の選定基準をつくる際にはこれをどうバランスさせていくのかということがございますので、これからの検討におきましてまた御指導いただきたいと思います。 ○黒田委員長 それでは、明日香委員、どうぞ。 ○明日香委員 何点か質問とコメントなのですが、まず28ページ目で幾つか予算関係のものがあると思うんですが、3番目の15年度から事業を実施されていたプロジェクト補助金がありますよね。これも実質的にはある程度クレジットの取得のための予算措置だったと思うんですが、これは18年以降、どういう規模で続くとか、そこら辺はあるのでしょうか。あと、4番目とかなり重なるところもあるかと思うんですけれど、そこら辺の調整はどうなるのかなということがまず第1の質問です。 2番目はコメントなのですが、最後の30ページ目で、方法論の話なのですが、私、今ちょっとPDDを書いていて思うのは、どんどん統合方法論が出てきて、新方法論をつくるよりも、統合方法論をどう解釈するかというのに頭を使っています。なので、統合方法論の研究開発なり、拡大解釈なり、そこら辺もかなりこれから重要になってきますので、かつ、だれが、どういうふうにつくったか、私はわからないのですけれど、だれが、どういうふうにつくっているのかというものの推察も含めてその辺の努力は必要かなと。 あと、最後に先ほどの価格の話なのですが、私も裸で市場に出るのは余りよくないとは思うんですが、多分現時点では何らかの価格の指標みたいなものが市場にあるCDMに関してありまして、かつ、スポットCERが出てきたら、やはりEUの価格、EUケースの価格にかなり近づいてくるのかなというような気がします。なので、日本も大きなプレーヤーだと思うんですけれど、1つのプレーヤーですので、日本の行動がどこまで市場に影響するのかというのはちょっと見えないところです。あと、実際オランダの場合は、テンダーをした後、1回ごとに個別のプロジェクトではないのですけれど、全体で幾らぐらいで買ったと、トン幾らぐらいで買ったという数字は公表していて、多分オランダの場合は余り高い値段で買わなかったよということを国民に知らせるためにああいう数字を出しているところもあるのかなという気はします。安く買い過ぎるのも問題かもしれませんが、高く買い過ぎるとまた国民からも言われるということなので、言うタイミング等もほかの国の事例なり、マーケットの大きさを考えて検討するのかなと。ちょっとコメントです。 ○山形環境交渉官 御質問いただいた点、何点かございますので、お答えします。 まず、現在行っている補助金制度でございますけれども、今年度は三十数億のところ、来年度は11億円ということで大幅に減額になっておりまして、このクレジット取得予算の方を新規に立ち上げております。額はそういうことでございまして、運用面におきましては、どう組み合わせていくのかということにつきましては、これからの我々の検討課題でございまして、取得というものと補助、実質的見返りというのはあるのですが、しかし、我々はうまく連携して――連携といいますか、有機的に統合させながら活用する方策というのをこれから考えていきたいと思います。 それと、方法論開発でございますが、先生御指摘のとおり、既に統合方法論をどう活用していくのかというタイプと新たなものを開発していくというものがございます。御指摘とおりでございまして、例えば鉄鋼分野でありますと、どちらかといいますと、既存の統合方法論を活用していくという考え方でやっておりまして、我々も考えておりまして、また家電分野におきましては、これは新規の方法論を開発するということで、先生御指摘の両方をうまく活用していこうと考えております。 ○黒田委員長 ほかに何か御質問、御意見ございますでしょうか。 よろしいでしょうか。 御指摘いただいたいろんな問題点、まだまだ詰めるべき点が多いのだろうと思いますが、私の感じでは最初から1.6%分を百何十億かのお金を使ってこれからやっていくということの枠を決めてしまって、1.6%分は全部クレジットに頼るという話ではなくて、ほかのエネルギー起源の部分あるとか、ほかの手段によって削減する可能性もあるので、そことのコストパフォーマンスで仮にトン当たり6ドルで2000万トンというような計算をされているように思うんですけれども、そういうことに対して、もっと6ドルかけるのだったら5ドルで何かの削減できる手段があるとすれば、国内的にそれを使った方がいいという選択の余地もあるわけで、そういう意味でいろんなほかの手段との兼ね合いで、このクレジット取得によって最もコストパフォーマンスがよくなる方法を選んで、トータル達成するという発想が必要なのではないかと思うんですけれど、その辺はどうなんでしょうか。 ○肥塚産業技術環境局長 そこは先生おっしゃるとおりで、地球温暖化対策推進大綱以来、京都メカニズムは1.6%というめどとしてずっと書いてきていると思うんですけれども、目標達成計画でも国内対策を基本にしていろんな努力を最大限して、差分と書いてありますけれども、そういう補足性というか、差分という原則はあるのだろうと思います。 それから、先生がおっしゃった限界コストのところはなかなか便益があり得ると、いろんな意味の便益が入ってきて、単純にCO2削減で比較できるというものでもないだろうと思いますけれど、考え方としては先生のおっしゃるとおりだと思っていまして、そういう意味でさっき申し上げましたように、目標達成計画をステップ・バイ・ステップで見直していくという中で、現時点での見通しである1.6%については、まずは京都メカニズムで措置していくということでありまして、これは先生が、あるいは委員長がおっしゃっておられるような見直しなり、チェックをしていくという性格のものだろうと思っております。 ○黒田委員長 ありがとうございました。 ほかに何か御意見ございますでしょうか。 よろしゅうございますか。 それでは、先ほどの御提案でこの企画ですと、NEDOに実際のクレジット取得等を委託するという形を御提案されているわけですが、本日NEDOの京都メカニズム対策室長の小泉さんがおいでになっていると思いますので、一言御意見いただければと思います。 よろしくお願いします。 ○小泉氏 黒田委員長、どうもありがとうございます。 NEDOの小泉と申します。オブザーバーではございますけれども、御指名いただきましたので、一言だけコメントさせていただきたいと思います。 これまでのNEDOの京メカ関連の実績と経験、また省エネ、代エネ関係の温室効果ガス削減技術に関する知見などを評価していただきまして、このたび、このクレジット取得事業の実施機関に選ばれたということは大変光栄なことと思っております。また一方、課せられた使命の重大さ、これを痛感している次第でございます。 いずれにしましても、今後は関係省庁の御指導のもと、本事業の実施に向けて最大限の努力を行っていく所存でございますので、何とぞ今後ともよろしくお願いしたいと思います。 以上でございます。 ○黒田委員長 どうもありがとうございました。 小泉さんおいでですので、せっかくですから何か御質問なり御意見がありましたら……。委員会の先生方、よろしゅうございますか。 よろしゅうございますか。 それでは、どうもありがとうございました。 本日の議論、3月中旬以降の議論につなげるということになると思いますが、次回の予定につきまして事務局の方から御説明いただきます。 ○山形環境交渉官 次回でございますけれども、3月中旬をめどにクレジット取得に関する具体的――ここでは検討事項というふうになってございますけれども、その他を含めまして具体的な方法、運営方針について事務局から御説明したいと思っております。 日程につきましては後日調整させていただきたいと思っております。 ○黒田委員長 どうもありがとうございました。 閉会 ○黒田委員長 それでは、ちょっと予定時間より早目に終わることになりますけれども、本日の議論はこれで終了させていただきたいと思います。 どうもありがとうございました。 |