経済産業省
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産業構造審議会環境部会地球環境小委員会市場メカニズム専門委員会(第13回)  議事要旨

日時:平成18年3月17日(金)15:00~17:00

場所:三田共用会議所大会議室

出席委員

黒田委員長、明日香委員、工藤委員、西條委員、 佐藤委員、杉山委員、新澤委員、山岡氏(濱田委員代理)、 藤富委員、井上氏(椋田委員代理)、山口委員、山田委員

議事概要

1.遵守としての枠組みとしての京都メカニズムクレジット取得制度

  • 遵守のための枠組みはどうなっているのか。数量確保の枠組みはどうなっているのか。
  • 資料3P15に示されている適切な事業管理のイメージがわかりにくい。(クレジットの取得に関しては)NEDOが、予算分を契約したら終わりなのか。(予算額だけでなく)数量までもNEDOに委託するのか。もし、クレジット量が遵守に足りない場合には、どうするのか。京都議定書遵守としての枠組みがこのクレジット取得制度に内包されているのか。この資料では、クレジットをどう買えばいいのかとは言及があるが、遵守をどう考えるのかという点が抜けている。
    ・国民の税金でクレジットを取得する仕組みであるが、本来の排出権取引からすればおかしい。クレジットの取得制度は、炭素含有量の高いものを減らすことにはならない。この制度がよい根拠が必要なのではないか。
(事務局)
  • 全体の遵守の枠組みについては、目標達成計画の見直しの中でチェックしていく。
  • なぜ京メカで1.6%するのかについては、国内対策でどこまでやって、京都メカニズムを活用することでどこまで経済的影響があるのかを考慮する必要がある。我が国の置かれた現状では、国内対策の限界コストの制約の中で、どうしても対応できない部分を京都メカニズムで措置することになっている。
  • さらに、この1.6%の対策費用をどこから調達するのかについては、平成18年度政府予算案は122億円だが、86%は石特会計に因っている。石油特会は、昔は、石油についての従価税であったが、最近ではグリーン化の予算に変わってきている。エネルギー起源CO2削減という意味に置いては、(クレジット取得制度を)石油特会で措置する合理性がある。しかし、クレジット取得制度においては、非エネルギー起源CO2対策の部分もある。これも広く対策として措置するため、残りの14%を一般会計にて措置している。
  • 1億トンが確保できても、国内対策との調整はどうするのか。柔軟な遵守の制度設計になっているのか。
(事務局)
  • 地球温暖化対策改正法案の中で、京都メカニズム活用を「京都議定書目標達成計画」に位置づけることとしており、▲6%の遵守のため、京都議定書目標達成計画の2007年度の見直しの中で、対応していく。
  • 京都議定書目標達成計画」の中で、1.6%を京都メカニズムの活用により対応することになっている。その枠組みの中で調整していくしかない。この政府によるクレジット取得制度の構築によって、京都議定書の遵守が担保されているわけではない。クレジットの数量が担保できるのかということに関しては、 (1)平成18年度の国庫債務負担行為限度額である122億円で足りない予算制約の問題と(2)クレジット価格が上昇して現行予算では買えないという2点がある。平成18年度から試行的にクレジット取得を行っていく中で、必要とするクレジット量の確保は、京都クレジット供給の弾性に依存するという理解。
  • 今後、国内対策との関係で目標達成のために、海外からクレジットを買ってくるのが本当にいいのかという議論は出てくる。クレジットが高くなった時に、国内の対策が進むように柔軟な制度があった方がよい。限界コストにこだわらず、温暖化対策全体のパッケージで国内対策も実施すべき。国内対策は高くないという論文が外国では多い。
  • 我が国は、海外で買いやすくから買うとかいう状況になっていない。我が国として、できることを最大限やっても足りないところがあるというのが現状ではないか。国内対策も海外からの京都クレジット調達も最大限やるということではないか。

2.クレジットの購入方法である公募制度

【補填義務と価格との関係】

  • 資料3P13にある公募の件について、費用効果的な取得の際の公募の条件、適正な価格での取得を制度上、確保できるのか。すなわち、提案事業者にクレジットの補填義務がかかるとクレジット価格は上昇する。(提案されるクレジット)価格がすべて高い場合、どうするのか。また、その場合の判断基準をどうするのか。
  • これは、御願いになるが、価格面で、政府のクレジット買取は市場に影響力が強いため、配慮してほしい。
(事務局)
  • 公募での適正価格については、競争原理を働かせようとしている。補填義務割合と提示価格は相関関係にある。これをどう評価していくのかという問題は残っているが、我々は、補填義務割合が高く、価格が安いものが望ましいと考えている。
  • 平成18年度は、まだ問題にはならないと思うが、将来的に予算が積み上がっていけば、十分に配慮したい。
  • (契約したクレジットがNEDOに移転できない場合に代替クレジットにて補填させる)補填義務は、かなり重要である。(オランダのクレジット買取制度である)ERUPTは、契約事業者に高い価格を払わせて保証させている。欧州復興開発銀行(EBRD)はプロジェクトから発生予定のクレジットの9割を掛け目として契約している。最近では、京都クレジットの移転に関する保険会社も登場している。これらを活用していく可能性もある。
(事務局)
  • 明日香委員のご指摘に感謝。

【必要とするクレジット量の確保のための措置】

  • 政府は1億t-CO2の目標量があるが、後払いとしても(資金回収のリスクは回避できるが)必要とする数量が確保できないリスクがある。
  • 補填義務の割合は100%ではないということか。目標数量を確保する手段はどうするのか。多めに確保する方法があるのか。
  • 資料3P10に購入形態が示されているが、NEDOが直接参加するA形式において後払いは可能なのか。
(事務局)
  • 目標取得量が達成できないリスクとして、デリバリーリスクがある。そのリスクを低減ためには、そのプロジェクトの内容の審査、リスクに応じた契約等の対策を講じる。
  • 民間では、クレジットの開発等を行っている。現状で最大のリスクは、量が確保できるのかということ。この予算制度だけで十分なのか。選定方法が公募であるならば、提案されるクレジット価格は、市場価格以下はありえない。事業者が量を保証するのであれば、価格は相当高くなる。政府の買取制度は、市場に対する影響が大きいことに留意が必要。日本の技術を用いたプロジェクト等の開発をどうするのかということをもっと考えていかねばならない。
  • CDM等に取り組んでいる民間企業の直面している現状では、プロジェクトの発掘自体が難しい。(CDMに関する)省エネルギー分野の拡大が必要。
  • 異なる機能が渾然一体となっている感がある。(1)京都メカニズム活用のためのインフラ整備、(2)CDM/JIに関する事業支援、(3)最後に京都クレジットの調達制度、この3つの機能がある。こうした機能が1つの実施機関・部門に集中して、身内のやっている事業は評価する方向になってしまうとまずい。事業を行っている部門と購入いている部門が一体であるとモラルハザードを起こしやすい。これらの開発部門と調達部門の明確にして、機能を分けた方がよいのではないか。機能からの分権に基づくと、調達部門は、だれが保有していようとも安いものだけを買うことになる。インフラ整備部門は、海外においていいプロジェクトを作る。こうした機能を担当する部門を分けておく必要があるのではないか。
(事務局)
  • 量の確保という観点からは、国内対策との差分である1億t-CO2を目指すため、予算を有効に使って、費用効果的にクレジットを取得していくが、これで十分かという点を考慮するには、供給面から世の中にCDM/JIプロジェクトがどれぐらいあるのか、需要面から政府が予算をどれぐらい投入するのかの2つの観点からの考察が必要。京都メカニズムを活用するための制度インフラ整備は、しっかり政府が行っていく。CDM/JIプロジェクトの形成支援については、先進的なCDM/JIプロジェクトをNEDOが支援を行い、クレジットの発行に必要な手続き料を負担することを考えている。費用効果的という観点から、重点分野といっても、市場の2倍、3倍になっている場合には採用しない。NEDOが直接関与するプロジェクトに関しては、実現可能性調査(FS)結果等を踏まえて、NEDOが間接取得する場合の公募と遜色がないものを採用していく。持続可能な開発という観点から、クレジット取得制度において、省エネルギー分野も重点的に支援していく。

【購入対象とするクレジットの種類】

  • 資料3P3に関連して、政府の2013年以降のクレジットの買取はどうなっているのか。この予算を使うのか。
  • P5にある対象クレジットについて、GISとして実施するものを対象とし、まずはプロジェクトタイプということでよいか。
  • NEDOの公募はいつから始めるのか。
(事務局)
  • 平成18年間の予算は、2012年までのクレジットを対象としている。2013年以降のクレジットに関しては、今の予算制度の中では購入できない。
  • P5の対象クレジットの考え方は、委員のご指摘のとおり。
  • いつから実施するのかということについては、予算は国会審議中であり、NEDO法案・石特法案の国会審議終了後、できるだけすみやかにNEDOの行う公募の資料を審議していただき、NEDOにおいて事業実施することになる。
  • 2013年以降のクレジットは買うのか。オプションとして設定するのか。
(事務局)
  • 要補填義務にするのか、オプションにするのか、これらを契約交渉の中で検討していきたい。
  • 資料3P5の対象クレジットの考え方において、2つ目の○で「京都メカニズムの活用を通じて発展途上国等において温室効果ガスの排出を削減するプロジェクトを実施することは、我が国の優れた省エネルギー技術等を通じて、地球規模での排出削減に貢献する意義を有する」とされているが、この意味するところは、事業形成支援なのか、調達なのか。調達の段階では、この対象クレジットは、(京都議定書の目標達成の観点からは等価ということで)関係ないとの認識でよいか。
(事務局)
  • P5においては、NEDOが購入するクレジットの対象の考え方を説明している。森林クレジットは当面対象としない。森林クレジットは、もし、補填義務と異なる制度ができれば取得の対象にもなる。
  • 今の説明通りだとすると、P5の指摘した部分は、日本の企業が関与したプロジェクトが優先すると見えてしまう。支援する場合と、調達する場合を分けて考えていくべき。
(事務局)
  • 説明文に誤解があったかもしれない。要は、プロジェクトに起因して排出削減が起こっているものを対象とする趣旨である。

【事業管理の方法】

  • P15に示されている事業管理の方法について、こういった途中の報告等はこれでよいのか。そこまで民間事業者に報告させる必要があるのか、もう少し、整理が必要と感じた。このままでは、民間事業者が政府にクレジットを売却するインセンティブがない。

【制度リスク】

  • JI制度リスクについてだが、昨年12月のCOP/MOP1でJI監督委員会が設置されて以来、2回会議を行った。いずれにせよ、今年のCOP/MOP2に向かって制度整備の作業を行っていく。こうしたリスクがある中ではあるが、民間事業者に是非、JIの活用を検討してもらいたい
  • CDM理事会において、登録の数が、3月になり140を超えた。これらのプロジェクトで年間4000万t-CO2削減できる。確実にクレジット供給量は増えている。

3.クレジット取得制度における情報公開のあり方

  • クレジット価格の公表について、契約した年度の数字(クレジット価格)は公表しないで、後ほど公表することになるのか。情報公開は重要だが、(政府のクレジット買取情報に対する市場影響力を考慮すると)2年後3年後の公表ならば、影響が少ないかもしれない。
  • 情報公開について、予算をいくら使ったのかを公表するのか。国民は、クレジットの平均価格もわからないことになるのか。
(事務局)
  • 公開時期については、契約の相手方との利益との調整によるところもあるが、基本的にクレジットの価格は、非公開の方針。NEDOが契約したクレジット量は公表する方向性。
  • 情報開示について、プロジェクト開発と市場からの調達とのポートフォリオは重要だが、あまり厳密に情報公開を行っていくのは慎重にするべきではないか。
  • また、クレジットのマーケットからの調達は、5~6年のタームで考えた方がよい。毎年厳格に目標を決めてやっていくことはない。
  • 価格の非公開について、民間事業者の国際競争力の低下というが、どういう意味で低下を招くのか。
(事務局)
  • 現状ではCDM/JI事業のリスクに大きな幅がある。もう少し、市場が成熟すれば、状況は変わってくる。我々としては、市場の成熟性を待って公開したい。
  • 平均で政府が何t-CO2を買ったかは、2年後には公開してほしい。
以上
 
 

最終更新日:2006年4月5日
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