経済産業省
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独立行政法人評価委員会経済産業研究所分科会(第16回) 議事録

日時:平成18年2月22日(水)13:00~15:00

場所:経済産業省第4特別会議室(別館3階346)

出席者

分科会委員

小野分科会長、小笠原委員、シェアード委員、藤垣委員

独立行政法人経済産業研究所

及川理事長、吉冨所長、田辺副所長、河津総務ディレクター、細谷研究調整ディレクター、米村総務副ディレクター

経済産業省官房企画室

原企画調査官、足立企画主任

経済産業省政策評価広報課

瀧島補佐

議題

  1. 独立行政法人経済産業研究所の次期中期目標について(審議)
  2. 独立行政法人経済産業研究所の次期中期計画について(審議)
  3. 独立行政法人経済産業研究所の平成17年度の業務実績及び第一期中期目標期間の評価の進め方について(審議)

議事内容

小野分科会長
 それでは、時間も5分過ぎましたので始めさせていただきたいと思い ます。ただいまから「第16回独立行政法人評価委員会経済産業研究所分科会」を開催いたします。本日は、ご多忙のところをおいでいただきましてありがとうございます。
 それでは議事に入ってまいりますが、本日の議題はお手元の資料のとおり3つございまして、「独立行政法人経済産業研究所の次期中期目標について」、2番目が「独立行政法人経済産業研究所の次期中期計画について」、3番目に「独立行政法人経済産業研究所の平成17年度の業務実績及び中期目標期間の評価の進め方について」、ご審議いただきます。
 西岡委員はご欠席ですのでよろしくお願い申し上げます。
 それでは、資料がお手元に届いておりますので、事務局から説明をお願いいたします。原さん、お願いします。
原調査官
 配付資料の確認を先にさせていただきます。
 議題1のところで資料1―1~1―4、議題2のところで資料2―1~2―3、議題3のところで3―1~3―3まででございます。よろしゅうございましょうか。

(「はい」の声)

 本日は、初めに経済産業研究所の次期中期目標について事務局からご説明をさせていただいてご審議をいただき、次に中期計画について経済産業研究所からご説明をいただいてご審議をいただく。続きまして、研究所の17年度の業務実績、それから第一期中期目標期間の評価の進め方について事務局からご説明をさせていただくということを予定しております。
 配付資料、議事録、議事要旨でございますが、「独立行政法人評価委員会運営規程」の定めに基づきまして公開することとなっておりますので、ご承知おきいただきたいと思います。
 事務局からは以上でございます。
小野分科会長
 ありがとうございます。
 今、事務局からご説明いただいた方向で進めさせていただきたいと思います。
 それでは早速第1の議題でございますが、「次期中期目標について」、事務局から資料に従いましてご説明をお願いします。
原調査官
 資料1―1が第二期の中期目標の案の前文でございます。資料1―2は、第二期中期目標のポイントのみをまとめた資料でございますが、基本的に1―2に沿ってご説明をさせていただいて、ところどころ1―1を参照させていただく形でご説明をさせていただきます。
 1―2の一番最初のところでございますが、「基本的考え方」につきましては、これはこれまで見直しの議論の中でも十分にご審議をいただいたところでございますが、簡単に申し上げますと、第一期、最初の5年の期間は、学術的水準としては高い研究成果が上がりまして、当初の目標値を大幅に超える実績が達成されております。研究機関としての認知度も累進的に高まってきており、存在感のある研究所としての成果は確立されてきております。
 これからの5年間、第二期中期目標期間でございますが、この高い学術的水準を維持しつつ、特に政策とのリンケージということを念頭に置いて、研究成果や提言内容を一層現実の経済産業政策の運営に反映させていくということを考えております。
 それから、個々の研究の政策立案プロセスへの貢献を評価することで、政策立案への貢献を常に意識した研究所の運営を行っていくというのが基本的な考え方でございます。
 「中期目標のポイント」の次期中期目標の期間ですが、5年間で平成18年4月~23年3月末までということでございます。
 2.業務運営の効率化に関する事項、を挙げておりますが、これは各独立行政法人共通の事項でございまして、一般管理費については、年平均で3%、業務費については1%、人件費については国家公務員の定員の純減目標、これは今後5年間で5%以上となっておりますが、これに準じて削減ということを入れております。
 実質的な中身が出てきますのが3.以降でございまして、国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項、となります。
 まず、業務内容でございますが、一番最初のところに、これは見直しの議論の中で、今回の中期目標の策定に当たっての大きなポイントの1つであったわけですが、研究の各段階で経済産業省との意見交換をしっかりと行って、経済産業政策のニーズを十分に把握しながら業務を行っていくことを中期目標の中で規定をしております。
 資料1―1の2ページの3.(1)業務内容、の上の方でございますが、「研究所は、その使命を確実に遂行し、政策の理論的支柱として機能していくためには、政策立案プロセスへの貢献を常に意識しておく必要がある」、次の段落で「このような意識のもとで、研究所は研究の各段階で経済産業省や経済産業政策に関する有識者等とさまざまなレベルでの意見交換を通じて経済産業政策のニーズを十分に把握して、その上で政策研究、政策提言等を実施していく」ということを中期目標の中で記載をしてございます。
 資料1―2に戻りますが、そういったことで、「政策研究機関として質的に充実した研究成果を上げていくために、効果的、効率的な研究マネージメントを行うこととし、そのあり方をあらかじめ定めて公表する」ということを中期目標の中で規定をしております。
 業務が(1)~(4)まで4つございまして、まず(1)の調査研究業務については、これもまた見直しの中で大きなポイントの2つ目であったわけでございますが、研究の領域について「基盤政策研究領域」、要するに経済産業省が中期目標期間中に継続的な研究への取り組みを望む領域を指定して、その領域にリソースの半分程度を充当する。残るリソースでは、基盤政策領域以外の研究領域で、研究所がその時々で調査研究を行うことが最適と判断した研究を行うということにしております。
 具体的な基盤領域の中身でございますが、1ページの下の方に4つ挙げてございます。第1の項目として「少子高齢化社会における経済活力の維持についての総合的な研究」、第2の項目は「国際競争力を維持するためのイノベーションシステムについての研究」、第3の項目は「経済のグローバル化、アジアにおける経済関係緊密化と我が国の国際戦略についての研究」、こういった研究領域を挙げております。
 もう1つ、一番最後のところに「通商産業政策史の編纂」を挙げておりますが、これは、省庁再編の前に通商産業研究所で政策史の編纂をやっておりまして、昭和50年ごろまでの政策史をまとめて、一たん中断していたのでございますが、要するに余り近い年代の政策史を書くわけにはいかないものですから中断して終わったわけですが、大分時間が経ってきたこともあり、そろそろ政策史の続きの部分を編纂をしようということで、今回、経済産業研究所の領域の1つとして位置づけて、この中でやっていただきたいと考えております。
 従いまして、主に研究に関する3つの領域と、それから政策史の編纂という4つを基盤政策研究領域として規定をしているということでございます。
 次の2ページで、(1)の続きでございますけれども、「政策立案プロセスにより効果的に貢献していくために、異なる専門分野からの研究者が参加して多角的な研究テーマ群を包含する包括的なプロジェクトを実施するといったことも試みる」ということを中期目標に入れております。
 4つの業務のうちの(2)でございますが、「政策提言・普及業務」でございます。
 これは、「研究の企画段階や遂行中、終了後といったそれぞれのプロセスの中で、経済産業省を初め関係者と交流をして、政策提言内容や研究ニーズ、研究手法について内外から幅広く意見・評価を収集した上で、研究成果を上げて普及に努めていく」ことを挙げております。
 資料1―1の方で申し上げるのを忘れていましたが、先ほどの4つの基盤領域につきましては、少子高齢化ですとか国際競争力についてのイノベーションとか、そういった4つの領域について、2ページの下半分から3ページの上の方にかけて記載をしております。それから、先ほど申し上げました包括的ないろいろな分野の研究者が集まってのプロジェクトの実施というのが3ページの(2)の少し上のところのパラグラフに書いてございます。あとは(2)、(3)、業務内容について、それぞれの項目に従って書いております。
 1―2に戻りまして(3)でございますが、資料収集管理、統計加工及び統計管理業務につきましては、引き続きしっかりとやっていくということでございます。
 (4)の政策研究・政策立案能力の向上支援、でございますが、これは、今回新たに追加をして明確に位置づけた業務でございますけれども、経済産業省の行政官の政策研究能力、政策立案能力の向上という目的のために各種の研究会等に行政官の参加を求めるであるとか、或いはこれまでも経済産業省のコンサルティングフェローを研究所で受け入れているわけですが、そのコンサルティングフェローを常勤のフェローの方、又はファカルティーフェローの方といったより高度な研究者の方々とチームアップさせていただいて研究に従事させることで、研究能力、政策立案能力をさらに向上していくということを記載をしております。
 以上が4つの業務でございます。
 続きまして(2)の評価方法、でございます。
 評価指標について記載をしておりますが、これは基本的に、第一期の中期目標で書かれていた指標、評価内容をかなりの部分踏襲しつつ追加をしたところがございますが、「指標例」で2つの・(黒ポツ)の中の1つ目の方でございますが、「研究テーマの設定及び研究成果を政策立案プロセスへの貢献の観点から評価するため、経済産業省へのアンケート調査などを行ってユーザーの事後評価を行う」、まさに政策立案とのリンケージをしっかりつけていきましょうという観点からの評価指標を、今回新たに中期目標の中で追加をしているということでございます。
 資料1―1でいいますと、4ページに「評価方法」というところがありまして、「定量的評価」の中の一番最初の項目に、今の「ユーザーの事後評価」という項目を追加をしております。
 資料1―2に戻りますが、あとは4.で、財務内容の改善、ということでは、「不必要な固定経費の発生を抑制して、使途の透明性を確保すること等によって適切な資金管理を行い、各業務の遂行にとってむだのない適切な規模の予算執行を行う」という記載にしております。
 5.その他の重要事項、でございますが、最初の・は、これも見直しの議論の中でご議論がありましたところでございますけれども、「他の研究機関との差別化を図り、国際的にも政策研究機関としての声価を確立していくとために、コア・コンピテンスを明確化し、対外的にも喧伝していく」ということを掲げております。2つ目の・でございますが、「非公務員型独立行政法人のメリット等を生かし、政策に関係する広範な分野から多様な人材を結集させ、優秀な研究者を輩出していく」ことを業務運営に関する重要な事項として挙げております。
 今の点は、資料1―1の5ページの下から6ページの「その他業務運営に関する重要事項」で記載されているところでございます。
 したがいまして、これまでご議論をいただいておりました見直しの議論を、この中期目標の中にきちんと書き込んでいったということでございます。
 政府部内で、本案について調整を行っておりますことをお許しください。
足立企画主任
 まだ政府部内で他の省庁(財務省・総務省等)との協議中ですので、大きな変更はないかと思いますが、幾つか固有名詞を初めとして文言の調整をしておりますので、一部変わるところがあるかもしれません。
原調査官
 以上でございます。
小野分科会長
 事務局からご説明をいただいたわけですけれども、少しご質問やご意見をいただきたいと思います。
小笠原委員
 目標を提起されたばかりですので、まだ気が早いとは思いますけれども、今回、調査研究業務の中で、「通商産業政策史」の編纂という、今までの通商産業省時代の積み残しの部分をアーカイブしてレビューを加えていくというお話がありますが、これは今までとはちょっと異質なものですから、幾つか質問があります。
 まず、この編纂をするときの通商産業政策について、いつまでの時点を史実として残されるのか、まさか前回の中期計画とかも含まれるようなこともあるのかどうか、これがまず1点目です。
 それから、こちらにかけられる人材が、今までとは違った人材を集めたりされるのか、時間的にどれぐらいかけるのか、その規模、内容の問題が2つ目です。
 それと影響すると思いますが、今までの研究との兼ね合いで、予算がある程度決まっている場合は、今までの自由でオープンな研究が犠牲になる可能性がないのか、これが3つ目の質問です。
 4番目は、これについて特にアウトカム的な評価ということになりますと、どういう指標を現段階ではお考えになっていらっしゃるのか、聞くところによりますと、今回の通商産業政策を研究した結果を主に今後の発展途上国の方にもいろいろお伝えして、またそれを参考にしていただくというお話も聞いていますので、例えばそういう所にお配りして、そのレピュテーションをとったりとか、そういうような格好をとってアウトカム的な指標とされるのか。
 いずれにしましても、今までにないテーマで、ちょっとわからないことが幾つかございますので、おわかりになる範囲でお答えいただければと思います。
原調査官
 お答えできる範囲でお答えいたします。
 まず最初の、何年ぐらいまでというところでございますけれども、まだ決めきれておりません。スタートの時期については、前回終わった時期ぐらいからということになります。何年までというところに関しては、余り直前までのところをやると、歴史を記すという意味で評価になじまないところがありまのすので、例えば1年前、2年前のところまでやるということはないだろうとは思っております。
小野分科会長
 イメージとしては2000年ぐらいまでですかね。
原調査官
 そのようなものだと思います。
小野分科会長
 及川(理事長)さん、お願いします。
及川理事長
 編纂の時期は、今、原調査官から申し上げたとおりでございますが、実は先般、コアのメンバーになるだろうと思われる方たち数名にお集まりいただきました。これは前回ご担当いただいた方とか、その後携わってきていただいた方たちで、現在コアの準備委員会を発足させていただいておりまして議論していただいておりますが、実はご意見が分かれております。
 と申しますのは、前回は一応1970年代までを記述しております。ただ、実は「通産政策史」としては最後になるわけでございますして、経済産業省に変わるまでというのは、ここまでははっきりしているのですが、そのスタート時点を、例えば通産省の大規模な機構改革があったのはオイルショックの直前でございまして、そこから経済産業省になるまで、機構的には大きな変化がない。ということは、政策体系に大きな変化はなかったという形をとっておりまして、歴史として書くには、そこに1つの哲学あるいは骨を通すとすると、前回やっているけれども、もう少し切り口をいろいろな形で変えると、ちょっとダブるけれども昭和40年代後半からやっていいのではないかと。それはそれで時間がたって見直せば新しい視点も生まれるのではないかというご意見もありまして、問題は、2番目のご質問のところに絡んできますけれども、予算、人材をどう集めるかという純粋管理的な立場からも含めて、もう少し準備委員会で議論を詰めさせていただきたいと、こういう状況でございます。 それに関しまして人材も、参考までに前回は17巻で10年の歳月、そして延べでいきますと50名とか60名を超える執筆者の方をお願いしております。ですから大作業であることは事実でございます。ただ、今申し上げましたように、期間は戦後ずっとでございますから50年近い歳月になるということもあって、今回はそれに比べれば長くても30年でございますから、年数だけでいけば4分の3とか、あるいは短ければ半分になるということですので、前回ほどの期間はかけないでいいだろう、この5年間に完成させよ、という目標のご指示だと思います。ただ、それだけにインテンシブにやらなければいけないという問題があろうかと思います。
 したがいまして、規模は今申し上げたようなのをある程度考えなければいけないかなとは思います。
 それから、他の予算との関係でございますけれども、予算的には、当然のことながら増えませんので、その分他の研究費にしわ寄せが行くのはいたし方ないと思います。ただ、従来いろいろやらせていただきました研究について、これを契機にそれなりにシャッフルを今回させていただくと同時に、また、後ほどの数値目標のところに影響してまいりますので触れさせていただきますが、シンポジウムの数を減らすとか、そもそもの出版を減らすとか、そういった点は、「政策史」をやるために、ある程度私どもとしては削減をさせていただければと思っております。
 ただ、DP(ディスカッションぺーパー)に関しては、これは何が何でも従来どおりの数は確保すると、そういう形の予算、人材の配分をしたいと、かように考えております  評価は、したがいまして通常の研究と同じで結構だと思いますが、何せ息が長いので、出てまいりますのが最終年度になってくると思います。その間、逐一どういう状況かというのはご報告いたしますけれども、段階を追ってやっていきますので、成果物として出てくるのは、この目標期間、次の目標期間の最後の方になるだろうと思います。それまでに皆様方から、こういう形で評価しようという点をご指示いただければと思っている次第でございます。
小笠原委員
 そういう意味からしますと、アウトカム的なところは今中期目標期間中は難しいという……
及川理事長
 いや最終年度には出したいと思います。ただこれは、したがって目標の本の冊数に入れておりませんが、前回も5年の目標でやったのですが、率直な話、10年かかっております。どう急いでやっても、何十人という先生が書きますと、前後の脈絡の整合性をとるだけで大分時間がかかったりしております。ですから、急ぎますし、何らかの形でこの目標期間中の成果は確かに出さなければいけませんが、本として出るかどうかは、出版の印刷等も含めて、今回の数値目標には入れないようにさせていただいているところでございます。
 中身に関しては、こういうふうになりつつありますというのはご報告できるようにはしなければいけないと思っております。
小笠原委員
 物価水準も違うと思うのですが、前回の17巻、10年で50名、60名というと、どれぐらいの予算規模だったんですかね。
及川理事長
 当時で億に近いお金を毎年つぎ込みました。そんなには今回はとても無理だと思います。その半分ぐらいがせいぜいだろうと思っております。
小野分科会長
 年間2億ぐらい使うんじゃないですか。
及川理事長
 1年では使いません。
小笠原委員
 1億を割る水準ぐらいですか。
及川理事長
 はい。
小笠原委員
 どうもありがとうございました。
小野分科会長
 藤垣先生、いかがですか。
藤垣委員
 今ご説明のありました「政策史」編纂というのは、非常に大事な仕事だと私は思います。最終年度に成果が出るとしても、過去を振り返って次の次の政策に対しての何らかの示唆をつくるという意味では、お金を投資してもやるべき仕事であって、皆さん、その時代で活躍した方が生きていらっしゃるうちにやっておかなくてはいけない仕事だと思いますので、十分な成果が上げられることを期待したいと思います。
 あと、資料1―2の2ページで、今まで私もこの場で何度か申し上げておりました5の「他の研究機関との差別化と国際的なコア・コンピテンスを明確化していく」というのは非常に大事な目標だと思うのですが、これは、(1)調査及び研究業務、(2)政策提言でありますとか、あるいは指標例にありました政策立案の現場にいるユーザーの事後評価というものと、余りに単視眼的にみると、時に矛盾することがあるんですね。その辺は、長期的な目でみればいいのだと思いますけれども、余りに単視眼的にユーザー事後評価をみてしまいますと、この後の最初の目標と時に矛盾することもございますので、その辺の対策というか、それは評価の仕方のところに生かせばよろしいのかもしれませんが、大事なことかなと思います。
小野分科会長
 ありがとうございます。シェアード委員どうぞ。
シェアード委員
 これは、今までの見直しの議論の延長線上にあると思いますので、今までの議論の繰り返しに聞こえるかもしれませんけれども、改めて第二期中期目標を読んだところ、私は印象として、あるいは率直にいえば危惧として感じるのは、経済産業省への従属、支配下に逆戻りしているのではないかといようなことです。それは、言葉のニュアンスから随所に出てくるわけです。今まで何回もいってきたように、私の立場からいわせていただきますと、ちょっと方向性としては望ましくないのではないかというのが、率直な私の意見です。
 改めて第一期の中期目標を読み直してみたのですが、資料1―3、これは非常に重要な箇所として、6節目の最初の方ですが、「経済産業省は、研究所が、政策当局との健全な距離を確保し……独立行政法人という形態を選択した」と。つまりここに明確に出ているのは、やはり新しい船出をした研究所が本省と相当な距離をもつことによって独立してさらなる発展を目指していくという前提だと思います。
 その中には、やはり国内外の一流研究者を集めるのに、そして国際的にアカデミックなレベルとして認められるようになるのに、やはり一つの前提条件として、経済産業省の下請研究機関や従属機関ではなくて独立した機関であることが、アカデミックあるいは高いレベルのものを長期的に出せるようになれる一つの土台だと思います。
 でも、それが日本の産業経済政策のニーズからひとり歩きして離れたところに行ってしまうと、それはいけないわけで、趣旨として常に日本の経済産業政策のニーズに合致した研究内容、研究体制、これを目指すべきだと思います。ただ、やり方として、独立の部分をちょっと弱めて、昔のような従属機関にするというのは、これは非常に危険なことだと思います。
 具体的にいいますと、資料1―2で一番目についたのは、「調査及び研究業務」で、「経済産業省が4つの研究領域を指定する」と、研究所の方に親会社が指定するというふうになっていることが、ちょっと気になるところですよね。最初の5年間は子どもだったわけですけれども、立派な青年に今は育っているわけですよね。ですから、もう自分で歩くことができるはずですよね。具体的な議論はいろいろあるだろうと思いますけれども、これはどういうことにかかわってくるかというと、RIETIのガバナンスの仕組みにかかわってくることだと思います。我々はこの独立行政委員会でガバナンスの機能に携わっているわけですけれども、こういう研究をやった方がいいとか、そういうアドバイスは日ごろからやってはいないわけです。でも、研究所がこれからやっていく研究テーマとか、それをどのように決めるのか、例えば研究所の理事長とか所長とかを中心に、あるいはアドバイザリーボードみたいなものをつくって、本省からのメンバーシップも入れて意見を聞くとか、いろいろな形があると思いますけれども、漠然として「経済産業省が指定する」という仕組みに聞こえてくると、ちょっと危惧を感じます。
 それから、細かいところですけれども、2ページの(2)で、「研究の各段階で経済産業省を初めとする関係者との交流により」というのは、別に書かなくてもある意味では当たり前のことだと思います。望ましいことだろうと思いますけれども、これは後から皆様がどういうふうに解釈するかによって、また発展の方向によって違ってくると思いますね。特に、例えば研究手法まで書かれているわけですね。ですから、後から研究手法まで口出されるようなことがもしあるとすると、それは中期目標に書かれているからそういう懸念があるというような議論になってくるといかがかなと。つまり究極のところは、アカデミックレベルとして高い研究成果を出せる人たちを、研究集団を集めて維持するのに、相当な独立を与えないとおもしろくないですよね。これは学者と同じですね。
 その辺のことを全面的に書き直せとはいっていないんですけれども、そういう角度からもうちょっと考え直して言葉を選んでいただきたいところですね。
 ちょっと長くなって恐縮ですが、もう一つ関連文脈でいいますと、「通商産業政策史」の編纂ですが、ここで気になるのは、それこそだれが書くのか、どれだけ独立した立場から書くのかということですね。つまり、これを独立行政法人経済産業研究所で責任を負って書くなら、それは独立した立場から書くのが前提だと思いますね。そうすると、場合によっては経済産業省にとって余り受けがよくないような結論とか書き方になりかねない可能性が出てくるわけですよね。その時に、では全くフリーハンドで書けるかどうか、その辺の独立の担保がどういうふうにとられるのか、ちょっと気になるところですよね。
 逆にいうと、これは学問的な、中立的な独立した観点から書かれていて、普通の本と違うたぐいのものだということならば、考え方を一変させて、例えば本省の方でこれを書く、でも書くことに当たっていろいろなところの力を借りて独立行政法人で下請けをする、そうすると、出てきた研究をどのように解釈してまとめて編集していくのかというのは、最終的には本省の方の責任であって、別に本省が書いているから学問的に独立の立場から書かれているという前提はないわけです。ですから、そういう形で、ちょっと距離感を保ってやるというのも、一つの可能性としてあると思っております。
 これは、何でもないように書かれているわけですが、実はかなり深い、つまり外からみたら心配だなということです。
 最後にもう一つ、よくわからなかったことがあったのですが、「大型プロジェクトの実施」というのが出てくるのですが、私の認識では、今まで大型プロジェクトを幾つかやってきたと私はみているのですが、今までのイメージとどのように違ってくるのか、説明していただければ幸いです。
 以上です。
小野分科会長
 それでは後半の部分をどうぞ。
原調査官
 何点か申し上げますと、まずもとの中期目標で入っておりました「政策当局との健全な距離を確保して」といったところに関しては、独法という制度をとっている以上、これは健全な距離が生じているのは間違いないわけでありまして、その意味で、当然ながら独法という枠組みの中でやっていきますという前提でございます。
 それから基盤研究領域のところでございますが、これは「指定」という言葉のところでややひっかかられる部分があるのかもしれないのですが、従来からのRIETI業務の見直し議論の中でも、「基盤領域」を定めてその領域の枠の中でやっていただくことになっておりますので、「指定する」といっても決して個々の研究プロジェクトの中身について、一つ一つこれとこれをやってくださいとの意味を示しているわけではありません。少子高齢化社会の経済活力の維持とかといった大きな枠の中で、あとは経済産業省と研究所との間で意見交換をしながら研究テーマ等を決定していくので、決して経済産業省が上から押しつける形ではなく、意見交換をしながら、最終的に研究所で個々のプロジェクトを決めていっていただくという、そういう枠組みでございます。
 それから、基盤領域以外の部分について、研究所の独自の判断で研究されることも、これは当然あると考えております。
 あと「政策史」の編纂の部分でございますが、これは経済産業省の側で何かこういう方向での評価をしてくださいとかいうよりは、ほかの研究内容と同じように、研究所の調査研究の一環としてされるということでございます。
 ただ、編纂の方針について、どこまで事実の部分を中心にするのか、あるいは評価的なところをどこまで入れていくのかといったところは、また今後具体的にご相談をしながらやっていくことになると思います。
 それから、最後にありました大型プロジェクトでございますけれども、例えばこれまでやっていた財政のプロジェクトであるとか、そういったものから大きく変わるということを意図しているわけではなく、いろいろな研究者の方々が入った大型のプロジェクトというものを、より積極的に行い、政策提言につなげていったらいいのではないかという趣旨で書いております。
シェアード委員
 最後のところですが、書き方としては「政策立案プロセスにより効果的に貢献するために大型プロジェクトをする」と書かれていますけれども、前提としては、大型プロジェクトでなければ余り役立たないと、何かそういうニュアンスに聞こえてくるのですが、その根拠は何なのかということもちょっとあったりしてお聞きしたのですが。
原調査官
 「大型でなければ役立たない」という意図は全然ありません。大型プロジェクトといった手法をとることで、より一層政策貢献があるのではないかという事です。
小野分科会長
 余り誤解を招かない方がいいかもしれませんので、今いわれた意見の中では、単語としては「健全な距離」とかいうのは、何か上手に表現をしてもらうとか、「指定する」というような単語は避けて、別のもう少しやわらかいニュアンスの言葉を遣っていただくとか、そういう意味では包括的な大きなプロジェクトについての記述が少し足りていないのかもしれないところ、全体のボリューム的には、何となく「通商産業政策史」の方にウエートがかかっているようなことがあるかもしれないので、ちょっとそこは……
シェアード委員
 私のいっていることは全くの余計な心配かもしれません。そうであればそれに越したとはないのですが、外から5年間の経緯をみていると、何となくそういう感じがちょっとしたものですから、発言させていただいたわけです。
小野分科会長
 前回の本委員会のときも、そういうことが心配だという方もおられました、より独立性をもっていないとお話になりませんと。先ほど藤垣さんがおっしゃったように国際的にいい評価を上げていくためにも必要だと。ただ、基盤研究と自由研究と半分ずつぐらいやっていこうよということの中の基盤研究の方が非常にクリアに出てきているんですけれども、自由研究の方が、そういう意味では少しウエートが小さいと受け取られてしまうと本旨ではないわけですね。財源的にも半分ずつということですから、そういう意味では上手な表現をしていただいた方がいいかもしれませんですね。
及川理事長
 私どもからも、お話ししなれけばいけないかとも思います。
 ご指示の文章のところは、本省でお考えいただくとして、ガバナンス等についての実態を若干申し上げますと、今回いただきました基盤領域は、本当に1行ですので、むしろある一種の問題意識の求心力を高めるという点では、私どもとしてはそれなりにありがたいことでありますし、これまでRIETIでやってまいりましたテーマのほとんどが、やはりその中に組み込まれていくものだろうと思います。したがって、その中でどのようにテーマを組み立て、またそれを包括的にまとめていくかというのは、全く私どもの自由だと思っていますので、余りそこのところのご心配はなさらなくても大丈夫だと思います。むしろどうやってこの中で政策的にもっていけるか、今までDPとして個々人の研究者の方の責任で発表していた論文を、束ねてシンポジウムというやり方を目指してまいりましたので、その能力等を生かして束ね、対外的に発表していくという包括性を、これまでの蓄積で果たしていかなければいけない。そういう点では、むしろ一つのくくられるテーマのもとで大きく領域としてあり、その中でさらにくくっていくという一種の手法を明確化する点ではいいのかなという感じがいたしております。
 それから、これはここで申し上げるべきかどうかわかりませんが、METI等の関係者との交流は、ぜひ私どもお願いしたいと思っておりまして、おいでくださいといっても、ものすごく忙しくてなかなかおいでいただけないのが実態でございます。ですから、問題意識を我々にぶつけていただかないと、アカデミックな世界のみに行ってしまっても、これは大学でやっていただければいいことになって、藤垣先生のおっしゃいます私どものコア・コンピテンスから外れることになりますし、我々の強さは、ある意味では政策当局と絶えず一種の緊張感があると同時に交流でき、情報交換ができるところにありますので、そういう点では、むしろ私どもは積極的に私どもの研究所に参加していただきたい、それで文句をいってほしいというぐらいの気持ちでおります。
 それから「通産政策史」については、これは実は大変厳しいご質問だと思います。正史でございますので、本省として、書いてもらっては困るという場面は必ず出てくると覚悟しております。ですから、編集委員会を設置して、そこに最終的に責任をもってもらうような形を考えております。ただ、その過程で、編集委員会と本省との間に緊張が起こることは、これは覚悟しております。それをどうさばくかということだろうと思っております。
小野分科会長
 ありがとうございます。
原調査官
 1点だけ補足をさせていただきますが、今、理事長からお話のあった経済産業省側の人がなかなか出てきてくれないというところは、確かに我々の側にも非常に問題があったと思いますので、これは今回の中期目標策定のプロセスの中でも、そういう意見交換の場に我々の側がしっかり出ていくであるとか場をつくるであるとか、そういったことをもっとしっかりやりましょうというのは、これは省内でもきちんと意思形成を図っております。
小野分科会長
 今出てまいりました、ご議論いただきましたご意見を、この目標に少し反映をさせて、この27日に予定されています評価委員会、親委員会の方で再度ご審議をいただこうと思っておりますけれども、冒頭いわれましたように、自由な領域と基盤領域とのバランスを上手にとっていくというのが、この研究所の意義だと思いますので、そういうことで少しペーパーを直していただいて、再度本委員会で議論をしていただきましょう。
 それでは、「目標」はそういうことでおさめさせていただいて、「計画」の方のご議論をしていただきたいと思います。今の「目標」で言い足りないところがありましたら、コメントで遡及していただいても結構でございますが、第2議題に移っていきたいと思います。及川理事長よろしくお願いします。
及川理事長
 それでは、パワーポイントスタイルの資料2―2でご説明申し上げますので、ごらんいただきたいと思います。
 2ページに目次を書かせていただいております。「法人の概要」、「取り組みと成果」、それから「中期計画のポイント」でございます。
 3ページが、「概要」でございますが、ご案内のとおりでございまして、現状、常勤の職員は46名、ファカルティフェロー45名、コンサルティングフェローが37名、おかげさまでコンサルティングフェローの中には他省庁の方が10名加わっていただいております。そういう点でも極めてユニークな研究所だと存じます。
 4ページで、これもご案内のとおりでございますが、「第一期中期目標期間における取り組みと成果」でございます。下に6つの主要政策課題を設定いたしております。これに基づく体系的な政策研究ということで進めているところでございます。
 5ページ以下は、これまでの主な成果を列挙させていただいておりますが、前半のほとんどはご説明済みでございます。この1年で行った主要なものを8ページ以下に挙げておりますので、そちらだけご紹介をさせていただきます。
 8ページで、まず「中小企業のライフサイクル(事業承継等)に関する研究」でございます。政策当局も招いたシンポジウムを行いまして、これまでの成果等を発表させていただいております。
 それから「コーポレートガバナンスに関する研究」につきましても、ヨーロッパの代表的な研究機関でありますCEPRと共同いたしましてシンポジウムを開催するまでに研究成果を上げることができたと思います。これに関しましては、経済産業省のさまざまな企業法制等の法整備の参考にしていただいております。
 9ページで、知的資産経営等、最近非常に脚光を浴びておりますけれども、これにつきましてもRIETIで数年にわたって研究をしてまいりました。これについての考え方、成果をまとめまして、OECD等と連携のもとに昨年シンポジウムを開催したところでございます。ご案内のとおり、この問題についてはMETIの提唱等を受けまして、現在OECDで検討が進められておりまして、その土台となる成果等に私どもの研究が反映されているところだと思います。
 それから「高齢化の経済学に関する研究」でございますけれども、主要な年金改革がございます、いろいろな案がございますけれども、それに関する実現可能性と評価等について分析を行っておりまして、これらを組み込みましたシミュレーション分析(「RIETIモデル」の構築)も完成に近づいているところでございます。
 先般、これに基づきますシンポジウム等を開催いたしまして、米国、スウェーデン等の専門家とも活発な議論をいたしたところでございます。このシンポジウムは、おかげさまで厚労省からもご参加をいただいておりまして、非常に活発なたくさんのセッションに参加していただくことができたところでございます。
 10ページで、最近はやりの「グローバル経営に関する研究」ということで、直近でシンポジウムを行ったばかりでございますが、ここで飛び交いました「メタナショナル」という言葉が、最近、マスコミ等でもこのシンポジウムを契機に躍っている記事を何度か目にすることができております。やがてはEPA等を進めるに当たっての政策的インプリケーションというものにさらに反映されていくのではないかと思っております。
 以上が主たる成果でございます。
 次に11ページでございますけれども、「研究のマネージメント」でございます。これにつきましては、先ほどの主要政策課題ごとに当てはめられました各テーマにつきまして、研究プロジェクトにつきまして、段階を踏んできちんと一種の工程管理を行うスタイルを定着させつつあります。
 最初はブレイン・ストーミングワークショップを行い、そして中間段階での中間報告会を行い、そして研究の深化を深めると同時に、最終的なディスカッションペーパーの検討会を行うということで、そして、ここでの最終チェックを経て最終報告としてさまざまなシンポジウムですとか、あるいは私どものウェブに発表していく、こういうことを行っております。通常3段階でのチェックをいたしておりますけれども、これがほぼ定着しつつあるということではないかと思います。
 その次が、今申し上げました成果の普及でございますけれども、何よりも重要な研究論文(ディスカッションペーパー:DP)をつくりまして、これをウェブで公開をさせていただいております。また、これだけですと極めて専門的でございますので、各界の上層部の方にもわかりやすくコンパクトにまとめた刊行物(ポリシー・アナリシス・ペーパー:PAP)も発行いたしております。右に、その第1号であります吉冨所長の「アジアの経済統合と世界の新しい経常収支不均衡の解決」というのを掲げさせていただいております。
 次が「出版」でございます。ごらんいただきますとおわかりのとおり年間数冊の本を出版させていただいております。「経済産業レビューシリーズ」としてこれまで刊行いたしております。また定期印刷物として3、4ページの「RIETIハイライト」を隔月あるいは3ヵ月に1回ぐらいのペースで発行いたしております。
 14ページが「シンポジウム等」でございまして、下の写真にございますように、大体1回100名以上の参加者を得て年に8回程度シンポジウムを実施いたしております。それから、最近ではRIETIの看板的な人気番組のようになりましたけれども、いわゆるBBLセミナーにつきましては、大変いろいろな分野の方々のご参加を得まして活発なディスカッションを行わせていただいております。これも年間50回程度はこなしているところでございます。
 15ページが「WEB」でございます。これもご案内のとおりでありまして、日本語のほか英語、中国語サイトも設けております。研究成果であるディスカッションペーパー等につきましては、すべてダウンロード可能なようにいたしているところでございます。またシンポジウムについても、成果を公開しているところでございます。
 以上が広報関係でございます。
 16ページが、「業務の効率的遂行」という課題でございます。
 組織・人員につきましては、即戦力、機動性を確保することを念頭に、原則任期付きの採用で行っております。
 財務につきましては、予算規模と同じおおむね20億円で推移をいたしておりまして、そこにありますような数値でございます。交付金だけは、13年度立ち上がりということで13億しか使えなかったわけでございますが、事業規模はこの年も18億円になっております。
 なおご心配いただきました、最後の小さい字でございますが、繰り越しの多かった点につきましては、皆様方のご支援を得ましてマネージメントの改善に取り組み、大幅に改善しているのではないかと思っております。
 17ページは、これはA評価をいただいた各年のご評価の文章を掲げさせていただいております。
 以上がこれまでの成果でございます。18ページ以下が、これからの中期計画のポイントでございます。
 既にご議論が出ております「基盤政策領域の設定」でございますけれども、4つのテーマについて、当面私どもの考えております研究の方向を以下のように書いてございます。率直に申し上げまして、現段階ではまだこの程度の問題意識でございますが、現在吉冨所長のもとでこれをさらにブレークダウンしてどういうテーマにもっていくかというのを、5年にわたるテーマでございますので、体系化を図っている状況でございます。
 19ページ、一番下のところにございますけれども、これも議論に出ました基盤政策研究領域以外の分野でございますが、基盤政策をどこからどこまでとするのか、なかなか難しくて、いろいろな解釈、逆にいえば自由でございますけれども、その隣接する基礎的なテーマ等もあるでありましょうし、研究所としても独自に中長期的な観点から行うべきであるようなテーマ、あるいは5年という長い期間でございますから、突然新たな事態が発生して行わなければならないテーマ等々出てくるだろうと思います。ここはまさに研究所が主体的に所内プロセスを経て決定し、実施していきたいと考えているところでございます。
 それから20ページ、「実施体制」でございます。当然のことながら「高い学術水準の研究成果の確保」という点でございまして、これは引き続きでありますけれども、すぐれたファカルティフェローの確保が重要であろうと思っております。また、それを支えます研究会の方式でありますとか、リサーチアシスタントの活用といった従来私どもが積み重ねてまいりましたシステム、ノウハウをさらに確立していかなければならないと思っております。
 それから、研究成果のクオリティ・コントロールを行うための仕組みということで、先ほど申し上げました3段階あるいはそれ以上の発表の段階まで含めますと4段階になりますけれども、今回はきちんと計画の中に位置づけて、これまでは事実上やってきたわけでありますが、これを私どもの実施計画の中にきちんと入れてスタイルとして確立させていきたいと思っております。
 それから2番目の「適切な研究プロジェクトの設定」ということで、先ほどございました政策当局等との意見交換を行いながら、しかし自由闊達な活動を行うということでございます。いずれにいたしましても、研究テーマを多角的に包含する、いわゆる包括的あるいは大型のプロジェクトを実施して、それを踏まえてシンポジウムにつなげていくという形をとりたいと思っております。
 21ページで、これはまず「普及の方法」でございますけれども、方法は特に新しいものはございません。それなりに従来磨きをかけてまいりましたWEB、出版物、シンポジウム、BBLといったものをさらに充実させていきたいということでございます。
 それから4番目、パネルデータの分析につきまして、私どものパネルデータ、かなり研究者の方からご好評をいただいております。これらについては、さらに予算を投下してすぐれたデータベースに仕上げていきたいと思っているところでございます。
 それから、経済産業省の方々との一種の切磋琢磨ということになろうかと思いますが、経済産業省に席を置きながら非常勤の研究員となっていただいておりますコンサルティング・フェローの方たちがおられます。この人たちをすぐれた研究者の方と組み合わせることによって、いわゆるチームアップを図ることによって経済産業省職員の一種アカデミズムに関する能力の向上を図りたいと考えている次第でございます。
 22ページで、質に関する評価というのがなかなか難しゅうございますので、今回は本省の方からも目標でご指摘がございました。研究テーマの設定、研究成果についてアンケート調査を行うとともに、成果発表の一つでありますシンポジウム、BBLセミナー等についてもきちんとアンケート調査を行いまして、満足度を所要の水準に上げたいと考えている次第でございます。
 23ページは、そういった面とは別に質的な側面について、かようなことをしたいということを書いているわけでありますが、上から4つまでは第一期と同じでございます。下の3つをつけ加えさせていただいておりまして、1つは先ほど申し上げました研究マネージメントの方法を明確化する、いわゆる3段階的にチェックをいたしますということを対外的に公表すること。もう1つは、今申し上げましたコンサルティングフェローに関するチームアップによって研究能力の向上に寄与すること。最後にデータベースの件をつけ加えさせていただいたところでございます。
 最後は「数値目標」でございます。これは追加、出し入れ、増加、減少いずれもございます。
 一番上は、先ほど申し上げました研究テーマの設定あるいは成果等に関するアンケート調査を新たに数値目標として追加すること。それからシンポジウム、BBLセミナー等に関するアンケート、これにつきましては従来どおりの数値目標とさせていただいきたいということでございます。
 それから成果の取りまとめに関します出版でございますけれども、従来は第一期30冊目標を掲げ、恐らく今回の見込みでも30冊出版できるかと思っておりますが、先ほど申し上げましたようにプロジェクトの包括化もございますし、「政策史」のこともございますので、ここは20冊にしたいと考えております。他方私どもの命綱でございますDPに関しましては、これは従来どおりの数は確保したいと考えております。
 それから次に「成果の取りまとめとしての出版物の数、シンポジウム」云々とございます。これはよその本やよそのシンポジウムでどれだけ評価されたかとか、どの商業誌にどれだけ、私どもの入っていただいたファカルティフェローの方も含めて論文を書かれたかという数で、ある意味では他力本願の数値でございます。これにつきましては、まず一番下の商業誌等での論文は廃止をさせていただきたいと思います。と申しますのは、第一期のRIETIは、ある程度対外的な認知を深めるという意味で商業誌に載せる数を数値目標といたしましたけれども、明らかに受動的で、私どもが、RIETIが幾ら頑張ってもこれはわからない数字でございます。お願いします先生方に、コマーシャリズムのために投稿してくださいというのもいかがなものかと思いますし、他方学術誌につきましては、上方修正の目標にいたしておりますけれども、実績よりは少ない数にさせていただいております。これは、前回よりは上方修正いたしますけれども、実績をあえて超えてまで無理して学術雑誌への投稿を目指すというのも、これまた行き過ぎではないかと思いますので、バランスをとりまして、前期目標よりは高いけれども実績を超えるまでには無理をしない。他方商業誌につきましては、これは宣伝する時期はRIETIの第一期で終わったのではないかということで廃止をさせていただきたいと思っております。
 次がシンポジウム、BBL等の数でございます。
 シンポジウムにつきましては、先ほど申し上げましたような点がございます。包括的にやっていくという点と、それから予算的な面もございますので、現在年8回行っておりますのを年6回、2ヵ月に1回ぐらいのペースにさせていただければと思います。BBLにつきましても、開催は事務的にはかなり大きな負担でございますが、幸い大変ご好評いただいてもおりますし、私どもとしても非常にフレッシュな問題意識に触れるチャンスでございますので、これは現在のペースで週に1回ぐらいは確保したいと考えておりまして、かつ数値目標に掲げたいと思っている次第でございます。
 26ページでございます。
 これは、政策部局等からの協力依頼件数を数値目標に掲げておりまして、これはまさに基盤政策領域という形でやっていくことになりますので、ややもう意味がなくなったかと思いますのでやめさせていただければと思います。
 ホームページからのダウンロード数は、これは前回1件当たり1,500でございましたけれども、これは実績値を上回る上方修正をさせていただきたいと思っております。これもやや他力本願ではありますけれども、恐らく直接的に質と関心を示すものでございますので、これは上方修正でいきたいと思っております。
 それから新しいことで、論文の学術的水準をきちんと評価する意味で、外部の方のレビューアーによる審査をお願いいたしたいと思っています。
 それからニュースレターの発行、印刷物による広報、2つございます。電子メールによるニュースレターは、月3回の目標を掲げさせていただいておりました。現実には4回ぐらい出しておりましたけれども、目標としては一応従来どおりにさせていただければと思います。他方印刷物による広報誌を毎年5回発行することを新たな数値目標として加えたいと思っております。
 ホームページのヒット数につきましては、前回よりも上方修正をさせていただいております。ほぼ実績同じ形にさせていただいております。
 最後は、まず雇用形態のうち流動的な雇用形態ということでございますけれども、任期付きの任用につきましては、従来50%でございましたが、現在79%が任期付きでございます。ただ、余り任期付きが多いと流動性が激し過ぎて、私どもみたいに40人だと、逆に時々困ることもございますので、目標としては50%のままにさせていただけないかと思っております。
 それから、その次の2つは、スタートの第一期として、私どもから輩出していきます人材の質がすばらしいものになるようにという願望を込めたものであり、RIETIからどちらかに転籍された方の処遇ですとか博士号の取得まで数値目標にしておりましたけれども、これは、行った先でお決めになることで、私どもが数値目標にするのはやや無理がございますので、これはできれば廃止をしていただければと思います。
 最後でございますけれども、政策プラットホームの活用というのがございました。これは、本省との間でアドホックに会議をもったり、あるいはメールでやり取りをするといったのまで目標に出していたわけでございますけれども、これを数値で把握するだけで事務的にも大変でございますし、政策プラットホーム的な意味では、今回の基盤領域という考え方をもってともに考えるという形がきちんと示されておりますので、そちらの方に吸収していただく形で数値目標からは落とさせていただければと思っております。
 以上でございます。
小野分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、この件につきましてご意見、ご質問ございましたら、どんな小さいことでも結構ですので、お願いいたします。小笠原委員どうぞ。
小笠原委員
 先ほどの研究テーマにも絡みますけれども、第一期の中期目標期間の課題が4ページにありますが、これと第一期の期首から設定されていた政策課題との関係は何か。
及川理事長
 最初は9つのクラスターのスタイルでしたが、吉冨所長にかわっていただいて、それまでの研究等も踏まえて政策課題を中心に整理をもう一度していただいて、それでここにあります6つのテーマに整理をし、これまで来ているということです。
小笠原委員
 それで、この6つのテーマと、今回編纂の「政策史」の部分を除いた3つのテーマ、これは先ほどのお話ですと、かなりインテグレーションされるというか、統合されて包括されるということで理解すればよろしいのか、それとももっと自主的なものが、実はそれ以外にもしっかりあって、第一期中期の期間末で積み残したテーマも当然引き継がれるべきものでしょうから、そういった大きな流れを簡単にご説明いただければと思います。
 特に、例えば6番目にある「データベースの拡充とモデル操作運用の強化」というのは、実際に第二中期目標の中ではどのように含まれているのか、この辺もご説明いただければと思います。
及川理事長
 研究の中身等触れますので、所長から補足をさせていただきたいと思いますし、あるいは私の認識が間違っていましたら本省の方から修正をお願いしたいと思いますけれども、小笠原先生がおっしゃったとおりだと思います。要は、これまでの研究のテーマが、新しくいただきました基盤領域の中に関係するものがたくさんあると思います。3分の2ぐらいがそうではないかぐらいの感じだと思いますけれども、それについては、もうターミネートしていいテーマもございますし、来年度以降に延ばさなければいけないテーマ等もあるかもしれません。ただ、基本的にこの6つのテーマでやってきていただいて、それなりの成果が出つつありますので、その成果を受け継いで次のステップ、全くゼロから基盤領域のテーマが始まるのではないと思います。私どもがこれまでやってきた成果は生かしながら、それを新しい革袋で、新しい酒をまた埋める、こういう形ではないかと思います。ですから、中に入れますさまざまな成果は、全く従来のものとは関係ないということではなく、これまでの成果を踏まえて次のステップの研究に掘り下げていくということではないかと思います。
 したがいまして、これまでの成果の各テーマ等について、来年度以降どうするか、そして新しい分野として、こういう基盤領域のテーマであれば何をすべきか等について、現在作業を進めている状況でございます。
 ただ、1つだけ申し上げたいのは、1つの大きな第一期がございますので、それはそれなりに総括しなければいけないし、今までのお願いしておりますフェローの方たちをそのまま続けるのかというようなことは、それなりに一度見直した上で、来年度以降は、いただいた目標にあわせた形の体制にはしなければいけないと考えております。
 所長何かありましたら、お願いします。
吉冨所長
 若干補足いたしますと、今ご質問がありましたように、今度の新しい基盤領域の1に相当するのは、どちらかといいますとここにありますピラーの3にかなり充当いたします。しかし全く一致するわけではなくて、この問題を経済活力を維持するという政策目標にあわせて研究していく、そしてこれまでの蓄積をさらに生かしていくということであります。
 それから基盤領域の2に相当するのは、どちらかというと新たな技術革新システム、イノベーションのところであります。ただ、ここは、これまでは企業レベルといいますか、いわゆるミクロレベルのイノベーションの研究が中心でしたけれども、経済活力の維持という大きな問題を考えると、産業レベルのイノベーションとか、さらにうまくいけばマクロ経済全体で全要素生産性の上昇にどこまでつながるだろうかという問題意識を新たにもっております。
 それから、イノベーションを促進する金融システムとは何だろうかというのも、銀行とか資本市場とかその他、改めてこのイノベーションから光を当ててみようと、そういうところが「包括的プロジェクト」とか「大型」とか言葉が明確ではありませんけれども、そういう統合的なことで、切り口が新しくなることを含んでおります。
 3番目の基盤領域は、ピラー2のアジアの統合、グローバリゼーションとアジアの統合というところで、これも今成立しております東アジアでのバリューチェーンシステムというのを、これまでトレードとFDIのリンケージで主にやったのですけれども、やはりトレード、FDI、テクノロジー、ネクサスという形で改めて見直そうかと思っております。
 その他の関係も、世界の経常収支の不均衡とか中国の問題、それからインドがどのようにしてプロダクションネットワークに入ってくるのだろうかといったようなことも含めて考えたいと思っております。
 したがって3つをそこでカバーしますと、当然ほかの隣接する重要な基礎テーマがありますので、それをカバーしていこうということで、今計画を考えているところですから、そこで金融とかガバナンスとか、さらにはここにありますようなデータベースとかモデルというのを入れていかざるを得なくなると考えております。
 以上です。
及川理事長
 データベースのお話が出ましたので申し上げますと、実は、これは私どものコア・コンピテンスの最大のものの1つだと思います。と申しますのは、RIETIだと、政府統計の雇用等の指標に関して総務省等からの許可が非常に早くできることになります。それに加えまして、これは全くの組織的な有利性でありますけれども、同時に、この5年間でパネルデータをどのように使うかというソフトあるいは運営を開発をしてまいりましたので、おかげさまでそれを使った分析が現在次々とDPの中、出てきているわけでございます。
 したがいまして、先ほど抽象的に申し上げましたけれども、新たにそういう情報、データ等をつけ加えながら、それをまた運用・活用するソフトを開発する中で第二期も、ここにございますようなデータベースの拡充、活用を図っていきたというのが私どもの考え方でございます。
小野分科会長
 ありがとうございます。
 藤垣委員、何かご意見いただけますか。
藤垣委員
 今大きな研究枠についての質問が出ましたので、少し細かい点を2点コメントしたいと思います。
 まず22ページですが、質的側面での充実の指標ですけれども、ユーザーの事後評価のアンケート設計ですが、これは、アンケートに書く人が、例えばコンサルティングフェローになって中に入って切磋琢磨した場合に出てくる事後評価と、BBLとかに参加してみて出てきた結果と、忙しくてそれどころではない人が評価する場合で、かなり違うと思うんですね。ですので、その情報へのマクロの結果が、ユーザーの事後評価として出てきた時に、マクロ情報不足で生じているのか、それともきちんと研究所の内容も知って、フリクションを経験してから出てきているのかというのが、今の段階ではわからない。
 それで、ちょっとみせていただいたら資料3―2にアンケートの原案が書いてありますけれども、マクロ情報でありますとか、あるいはワークショップの経験について聞く内容は入っていないので、もう少しこの設計を、例えばウェブを何回のぞいたことがありますかとか、あるいはRIETIの出版した本をどのぐらいご覧になりましたかとか、BBLに過去何度ぐらい参加されましたかというバックグラウンドを聞いてからでないと、その返ってきた結果が一体どのことによって生じているのかというのが評価しにくいのではないかと思います。これは考えれば、3―2を少し改良すれば結構いいデータがとれるのではないかなと思います。
 それから27ページで、転籍後、処遇の向上した研究者の比率と、転籍後、博士号の取得について廃止する理由はよく理解できるのですが、もともとこの指標がなぜ入ったかということを考えてみますと、RIETIに入ったことによって若手の研究者あるいはシニアの研究者の研究能力がどのように向上したかということを調べたかったのだと思うんですね。そのことは、RIETIが日本国内全体におけるこの分野の人材育成に何をしたかということが知りたくてこの指標を入れたのだと思うんです。要するにもっと大きな目でみて、日本国内のこの種の研究者の人材育成に、リソースにどれだけの貢献をしたのかということを調べたくてこの指標を入れたはずなので、これがもし計りにくいのであれば、そうではない何らかの指標によって、この分野の人材リソースの育成に研究所がこういう貢献をしたということを調べられるような別の指標を考えるなり、あるいは博士号取得というのが分かりにくければ、博士号というのはすぐ取れるものではないので、研究所に入ったことによって研究能力がどのように増加したかの指標、難しいのですけれども、何らかのものを考えた方がよろしいのではないかなと思いました。
小野分科会長
 2番目の方は難しいかもしれませんけれども、どうぞ。
及川理事長
 1の方は原調査官の方かもしれませんね。2の方がお答えしやすいかと思いますが、というのは、博士号を取った貢献が、私どものところのご出身であるけれども、移られたところで研究されたテーマで取った時に、私どもがそれを数値にしていいかというのは、若干変な議論になりまして、現在在籍している人間が博士号を取ったかどうかというのであれば全く問題はないだろうと思いますし、現に、実は昨年も私どもで在籍中の者が1人博士号を取っております。それから今年も多分1人ぐらい出てくるだろうと今踏んでおりますけれども、先生のおっしゃるような点はわかります。ただ、外に向かって数値目標というと何か変ではないかなと思っており、評価委員会に参考資料として出すことはやぶさかでございませんので、もしそれでお許しいただければそのようにさせていただきたいと思います。
小野分科会長
 それはぜひ参考にさせていただきたいと思います。目標に掲げなくても、そういうふうに周りから見られているというのは大事なことだと思いますね。
小笠原委員
 評価をしている立場から非常に関心があるのは、実際にいらっしゃる常勤の方とか、あるいは外部から参加されている方々の、本当にこのRIETIにいてよかったのかどうか、その満足度を何らかの形で、それは本当に内部の資料でいいと思いますが、その満足度が、結局は外部の人に対しても満足度を与えることになるかと思いますので、今回の博士号を取られた方の、こちらにいてよかったのかどうか、そういう関係性があるのかどうかも含めまして、そういったものもぜひ研究されたらいかがかなと思います。
小野分科会長
 シェアードさんどうぞ。
シェアード委員
 博士号の取得の件数とか、これは数値目標として落としてもいいと思います。それは余りなじまないというか、ちょっと変な感じがしないわけでもないんですが、でも今の話のように、より大局的な視点から考えた場合は、やはりこういう博士号が取れる人材育成にどうやってRIETIが貢献できるのかという観点からも多少考えておいた方がいいかもしれませんね。
 経済産業省の方で今どのようなプログラムがあるのか、あるいはそういうプログラムがもしあるとすると、RIETIとのどのような協力体制があるのかということについて、私は全く無知なわけですが、もしなければ、何かその仕組みみたいなものがあってもいいのではないかなと思うわけですね。
 先ほど来、どうやったら本省の方とRIETIの方と交流ができるのかという話がありましたが、それは毎期毎期、解決する問題だけではなくて、長期的な仕組みの中で答えを出すこともできると思いますね。例えばもし仮に本省の方に若手の人がいて、一生METIにいたいけれども、やはり学会の方に興味をもって博士号を取って、より役立てたいという希望をもっているとすると、例えばチャンスがあればRIETIに来て1年か2年か滞在して、そしてアメリカの大学に行って、あるいは国内の大学の博士課程に入って勉強して、研究をやってまた本省に戻るとか、そういうことができるような、これはごく少数だと思いますけれども、そういう仕組みがあると非常にいいと思いますね。非常に長い見地に立った日本のこれからのすばらしい官僚をどのように出すのかという観点がいいかなと思います。
 ちょっと話は飛びますけれども、18ページの研究テーマの方ですが、「少子高齢化社会における経済活力の維持についての総合的な研究」という項目が出ていますが、これは非常にいい研究テーマだと思います。質問ですが、この前提となっているのは、読んでみたところ、少子高齢化が1つの与えられた運命だというふうに書かれているような気がしますが、ここでの趣旨の1つには、例えばどうしてそうなっているのかという解明の研究、それからもう一歩進んで、いってみれば少子化というのは長期的にみれば内生要因だと思いますけれども、これをもっと確かにするにはどうするのかというところまで立ち入って研究するつもりなのか、それともあくまでもこれを与えられた条件としてとらえて、その上に立って、ではどうやってその中で活力を維持できるのかということ、そのことについて何か答えがあればいただければと思います。
 あとは、このテーマの内容からみますと、当然ながら厚生労働省の研究者とか、あるいは財務省の研究者とか、横断的な研究に非常にふさわしいものであるわけですから、他省からRIETIがこういうものに取り組んでいるということを非常に好意的に受けとめていただいて、協力的に横断的な研究に入っていただければ、それにこしたことはないと思います。
及川理事長
 2番目のところは、また所長に補足していただきますけれども、人材育成の仕組みはおっしゃるとおりで、そういうのができれば私も理想だと思います。これは本省の人事とうまく組み合わせができなければいけないのと、それからコストの問題等々考えなければいけないのですが、まさにRIETI的な世界における1つの任務的なものだろうなという気はしていますけれども、ただ、現実になりますといろいろな問題がございます。ただ、ご指摘いただいたものを踏まえてやりたいと思います。
 2番目につきましては、現在所長のもとでいろいろ検討していただいておりますのでアレンジしますけれども、どこまで広げるかというのは非常に難しい議論だろうと思います。
吉冨所長
 人材の方は、我々原則は、今PhDをもっている人にフェローになってもらわないといいDPは書けないわけです。もしそうでない方がいらっしゃると、必ずしも本意ではないんですけれども、ファカルティフェローと組んでいただいて研究チームをつくって、その中で鍛えていただくということを考えております。
 それから少子化の問題そのものについても取り組もうと思って、既に若干やっておりますけれども、既婚の出生率はどうなりつつあるのか、それから未婚、晩婚はなぜそうなっているのかというのをまず分けてやりたいと。それから、やはりこういう人口減少の時代には、労働力参加率を高めてもらってGDP、GNPをふやすことが非常に重要ですから、女子の労働力参加と育児の両立とか、それを国際的な比較でやってみようかなと思っております。
 それからもう1つ非常に重要なのは、高校卒の女子の労働力参加率が悪いんですね。企業はよりハイクラスのスキルを望んでいるし、これまでは高校卒でしばらく働いて結婚して子どもを産んでパートタイマーをしていたんですけれども、今はパートタイマーが非常に増えているし、そういうパートタイマーをしている人はミドルエイジで、20代後半とか30代の若い人ではないということも出てきていますから、マジョリティを占める高校卒の女子の問題は、労働力の上で非常に重要ではないかなと思っております。いわゆるニートの問題もやらないと労働力全体の問題は解けないと思いますけれども、それも少子化の関連の中で解いてみようかなと考えているところです。
小野分科会長
 計画について大分ご議論をいただていきました。今の質疑の中で、本委員会の方に修正してつなげるものは手直ししてもっていきたいと思います。
 中期目標と中期計画につきましては、政府の方でも調整が並行して行われていると伺っていますので、親委員会以降、内容の変更がありましたらまた皆さんの方にもお伝えをしていくことになろうかと思います。その点は事務方と一緒にご連絡をさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。
 それでは、時間も押してきておりますので、3つ目のテーマに移りたいと思いますが、「17年度の業務実績及び第一期の評価の進め方について」というテーマで議論をしたいと思います。原さんよろしくお願いします。
原調査官
 これは、例年やっていただいております業績の評価でございますけれども、今年も大体例年どおり5月から7月ぐらいまでのところにかけて実績の評価をお願いすることになります。
 評価は2つございまして、17年度分についての実績の評価と、それから第一期の中期目標期間の5年間分の評価でございます。資料3―1は、17年度の業務実績評価でございまして、これは第一期中期目標・計画の期間中の評価でございますから、その評価項目に沿ってフォーマットを記載してございます。基本的にこれまで使ってきたのと同じものでございます。
 資料3―3は、5年間についての評価のフォーマットでございます。これは昨年予備的な評価ということで4年間分についての評価をお願いしてございましたけれども、そのフォーマットに沿った形で基本的には同じ項目で立てているものでございます。
 これに沿いまして、これも例年どおりでございますけれども、恐らく5月~6月ぐらいのところで、一度中身を入れたフォーマットによる業務説明という形で分科会をさせていただきまして、その後で7月ぐらいのところで実際に評価をいただくというセッションをもう1回もたせていただく形で進めさせていただくことになるかと思います。よろしくお願い申し上げます。
小野分科会長
 ありがとうございます。資料3―2はいいんですか。
原調査官
 3―2は、先ほどの経済産業省の中で行うアンケートでございます。
小野分科会長
 藤垣委員からも、バックグラウンドがヒアリングできるようにというようなお話もいただいています。
小笠原委員
 これの別紙とかは変わるんですか。
原調査官
 これは17年度分でございます。現在ご審議いただしている新しい中期目標下での評価は、18年度のRIETI事業評価に向けてはまた違うフォーマットに切りかえたものでさせていただきます。
小野分科会長
 17年度にやった分を、これはこれで評価をしていきましょうということですね。ですから、18年度からの新しい中期目標期間については、それはまた新しく評価をしていきましょうということですね。
小笠原委員
 先ほどお話があった研究領域の9つが6つになっていますが・・。
足立企画主任
 中期計画に沿って評価をしなければいけないものですので、現在の中期計画には9つのクラスターが書かれております。ですので、ここではクラスターを書いております。
小笠原委員
 では資料3―2は単年度ではなくて……
足立企画主任
 単年度です。単年度ですが、今の第一期計画には吉冨所長を初めとしてお考えになられた6つの Major Common Themesは計画にはあらわれてまいりません。ただ計画どおりに実施されたかどうかを単年度評価しますので、計画に沿ったクラスターという整理で評価をしております。
小野分科会長
 9つのテーマで評価しているということですね。
足立企画主任
 はい。
小野分科会長
 シェアードさん、ご意見どうぞ。
シェアード委員
 その時がまた回ってきたという感じがしますけれども、これは全くの思いつきのことですけれども、ことしは何か新しい工夫ができないかなと、ちょっと提案してみたいと思います。
 例えば9つのクラスターとか6つのテーマの、例えばチームリーダーから30分でもいいんですけれども、この5年たってみて凝縮して何が得られたのか、分かり易い講義でもしていただければ、実際の評価のプロセスに役立つのではないかなと思います。ちょっと時間がかかりますし負担がかかるでしょうけれども、何か毎回毎回少しずつ官僚化してきているような、そういう感じがしないわけでもないのですが、生きた声を聞いて評価に当たる機会があればいいなと、思いつきで今考えております。
小野分科会長
 ありがとうございます。それは、生きた声を聞くということはなかなかいい話だと思います。時間がとれるかどうかわかりませんけれども、ペーパーだけをみてやるよりはいいと思いますね。
シェアード委員
 どうしても膨大な基礎資料になってくるんですよね。ですから、そうではなくて、「分かり易く」といいましたけれども、素人向けに簡単に凝縮して、5年間やることによってこれがわかってきた、そうすることによって政策がちょっと変わってきているとか、幾つかのブレットポイントみたいなものがあれば、なるほどなというふうに、もしかするとなってくるかもしれませんね。
小野分科会長
 ありがとうございます。小笠原委員、コメントがありましたらどうぞ。
小笠原委員
 以前よりもペーパーに頼っている感じが確かにありまして、ペーパーはどんどんボリュームはふえてきますけれども、手法として実際にフェース・ツー・フェースでこちらも素朴な質問をいろいろぶつけさせていただく場があってもいいのかなと。1つの区切りですので、その辺を総括していただくと非常にありがたいなと思います。
 それと3―2のアンケートについては、先ほど藤垣先生からありましたけれども、これは今年で3年目になろうかと思います。初年度は評価直前に評価結果が出て、それまでこちらで考えていた評価と余りにも違う結果が、つまり先ほど藤垣先生が危惧されていた、アンケートの対象者が、RIETIの存在自体を知らない、お忙しいような方が多くて、知らない方々向けにアンケートをとった結果、有効なアンケート結果が出なかったようなことがあって、徐々に毎年毎年改善されているとは思いますが、実際にどういう方にアンケートをとられたのか、それで実際にどういう効果があったかをより具体的に濃い情報でいただければ非常に我々としても説得力があるというか、より満足度がわかると思っております。
原調査官
 いただいたご意見を参考に、アンケート等の調査方法のやり方については工夫させていただきます。
小野分科会長
 ありがとうございます。
 3つ目のテーマについては、少し工夫をしていただいて、生の声が聞かせていただけるとありがたいなということです。時間調整が大変かもしれませんけれども。
及川理事長
 皆さんお忙しいので、ばらばらにお伺いするような形でもよろしいですか。
細谷研究調整ディレクター
 シェアード委員からご指摘いただいた9つなり6つのプロジェクトのプロジェクトリーダーとおっしゃったのですが、実はそういう者は存在しておりませんで、50の個別プロジェクトごとにそれぞれプロジェクトリーダーがおりますので、そのやり方によってということでございますが……
シェアード委員
 別に網羅的にやらなくてもいいと思います。イメージとしてもっているのは、例えば午後の集いで3時間ぐらいの時間をとることができれば、代表的な幾つかおもしろいプロジェクトを5つぐらい、20分ぐらいの簡単なプレゼンテーションと意見交換とか質問とかです。
吉冨所長
 その目的で、ポリシー・アナリシス・ペーパーを7つ作ってありますので、ああいうトピックでもしご関心があって、20分ずつでしたらいつでもできます。あれはたまたま私の責任編集になっていますから、書いた人と私とか一緒に入れば大体説明できるというふうに作ってあります。
小野分科会長
 ありがとうございます。ちょっと時間をアレンジしていただいて、今3時間といわれましたけれども、そのぐらいで、1回でも2回でもやらせていただいたらいかがでしょうか。生の声を聞くのは非常に大事なことですから。
シェアード委員
 いってみれば量よりも質ですよね。我々が評価に当たるとき、それは非常にインパクトのある一つの情報の伝達だと思いますけれども、もしお願いできればありがたいと思います。
小野分科会長
 そういう生の声を聞きながら満足度といいますか、本人がここまでやってきたということが多分伝わってくるのではないかというようなこともあります。
小笠原委員
 RIETIへのロイヤリティーというか。
吉冨所長
 それはまたちょっと別ですね。先ほど申し上げたのは、DPがたくさん出てくる、かつては90プロジェクト、それが今は50にようやく絞り切ったところで、それを少し束ねてみたら何かポリシンプリケーションが出てくるかなと。それから、わかりやすく書いてみたらどうかなというので、いろいろな各界のトップの人もうまくいけば読んでくれるかなというような表現のスタイルと内容の分析の度合いとか密度で書いたものが、15ページ~20ページぐらいのものであります。
 そうすると、普通のフェローの評判は、私に対して非常に悪くなりますね。なぜかというと、一種のエクストラワークになってくるので、こちらは相当注文を出しますから、満足度は大いに下がると思います。
 別の意味の満足度、研究一般の、どういうところが研究しやすかったか、便利がよかったかという議論ですから、それはまた別で、研究論文の発表という形ではないと思います。先ほどのブレットポイントという形ではなく、ブレットポイントはPAPがそうですけれども、もう少しそういうロイヤリティーも含めて、どうやったら研究のインセンティブがわくかと。これはいつも考えていることですけれども、そういうことについてのフリーディスカッションはむしろやった方がよろしいのではないかなと思います。それは1時間もあれば、それは別個にやっていただいたらありがたいかなと思いますけれどもね。
小野分科会長
 なるほど、わかりました。
小笠原委員
 前回の分科会で話題になっていました、もう既に実績をお持ちの、PhDの方が、その実績をひっ提げてRIETIに参加されるときに、それまでの業績の部分とRIETIに参画してから出てきた成果物と、そのあたりが外部からみるとなかなかわからないという点があったかと思いますけれども、例えば一期から参画されている方が5年経過したときに、RIETIのおかげで統計なども非常に容易に手に入ったのでこういう成果物が出たというようなことをお聞かせいただくと、なるほど、そういうすごく存在意義があるいい場なのだなということがよく理解できるのかなと思いますね。
小野分科会長
 ありがとうございます。
吉冨所長
 そうすると、大体存在意義のある話ばかりになると思いますので(笑)、難しいんです。
 それから、ひっ提げてきたというのは、最初の立ち上げのときの1、2年の時に強かった傾向ですよね。また、そういうプロパガンダ的なところもありましたから、それは3年、4年たってほとんどなくなって、ないというか、私の方からみるとひっ提げてこない人がふえるとかえって困るわけですね。知見の蓄積があって初めて新しいテーマに取り組めますから、去年やったやつをそのまま発表してもらってはもちろん困りますけれども、やはり去年までやった実績のある方が次に良いものを発表することができますので、そのまま発表するという問題はなくなっております。
小野分科会長
 ありがとうございました。
 3番目のテーマは、少し発展してしまったかもしれませんけれども、なるべく生の声を直接聞かせていただいて、それで評価をさせていただくというのは、評価をする側からすると非常にうれしいことですので、よろしくお願いを申し上げます。
 以上をもちまして「第16回独立行政法人評価委員会経済産業研究所分科会」を終了させていただきます。
 どうもお忙しいところをありがとうございました。
――了――
 
 

最終更新日:2006年4月20日
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