経済産業省
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総合資源エネルギー調査会総合部会(第3回) 議事要旨

日時:平成18年4月12日(水)13:00~15:00

場所:KKRホテル東京

出席者:(敬称略)

委員

黒田部会長、岡村委員、橘川委員、木元委員、河野委員、 佐々木委員、柴田委員、鳥居委員、内藤委員、橋本委員、 山地委員、和気委員

省内

小平長官、細野次長、岩田審議官、安達部長、近藤部長、 高原部長、立岡課長、西山課長、高田課長、片瀬課長、 高橋調査官

各委員の発言概要

石油・天然ガス政策について

【政策全般】

  • 今後のエネルギー政策においては、各国の資源エネルギーの獲得競争が激化している中、安定供給の確保と同時に効率的に利用するための手立てが必要である。石油・非石油で政策の前提を作っており、資源の有効活用の視点から戦略を再構築すべき。例えば、石油代替エネルギー法はその役割を終えつつあると考える。
  • 現在の原油価格は過去2度の石油ショックの際と遜色ないほどに高騰しているが、日本経済はパニックに陥らず、平然と乗り切っている。その要因の1つ目は円高である。長期的な円高へのシフトがドル建てベースの油価高騰を円建てベースで吸収している。
  • 2つ目は、エネルギーの効率を過去30年間で37%改善したこと。現在日本のエネルギー利用効率は米国の2倍、中国の8~9倍の水準である。エネルギー利用効率の悪い地域では、原油価格の高騰がボディーブローのように効いてくる。我が国産業が原油価格高騰下において持ちこたえているこうした理由を認識した上で政策の体系づけが重要。
  • これまでは日本は輸出志向の国であり、円安になり企業の業績をあげるほうがよいとの認識が広まっていた。今後は、産業力を高め、かつ円の通貨としての価値を高めるという産業構造の高度化の議論が重要である。
  • 米国においては、技術者が不足してしまい、石油が掘れなくなってしまうという懸念がある。一方、中国・インドに関しては技術者が増えてきている。エネルギー安全保障の観点からはいかに技術を確保していくかが鍵となっている。

【上流】

  • 国際石油開発と帝国石油の統合については、望ましい方向と認識。
  • 石油の上流政策については、官民一体で取り組むべき。
  • 上流において、産油国の石油企業が70%、石油メジャーが7%の権益を確保しており、ここに我が国が利権を獲得できないのが最大の問題。GATTと結びつけた議論が必要とこれまでも主張してきた。投資分野で、通商面や外交面を含めた手を打つべき。

【燃料多様化】

  • 運輸部門の石油依存度80%に関し、残り20%を何で補うかが重要である。バイオ燃料の限界と可能性について考えるべき。(木質系、海外における権益確保、遺伝子操作と国内受入等。) 
  • 水素燃料という選択肢もあるが、時間軸的なことを考慮すれば、バイオ燃料をどう考えるかが重要。
  • 運輸部門の石油依存度を80%まで低下させるためには、バイオエタノールやバイオディーゼル等を輸入する必要があるが、この際にはエネルギーセキュリティ上の配慮が必要である。
  • 燃料に関して、現在日本では、E3かETBEかという議論があるが、中国では1980年代よりE10に取り組んでいる。2030年には、世界の自動車燃料の30%をエタノールで供給するという議論もある中、政府の総合的な対応が必要である。また、世界の企業から情報を集める工夫も必要。
  • ディーゼルは、燃焼させるとススが出て環境に悪いというイメージがあるが、省エネ効果、燃費の良さ、価格の安さについて、しっかり国民にアピールし、納得してもらう必要がある。
  • GTLは、ディーゼルと異なり、微粒子が生じないので有望である。天然ガスだけではなく石炭やバイオマスからも同様の性状の燃料の生成が可能である。

【石油備蓄】

  • 備蓄については、沖縄の備蓄基地を拡大してアジアのために活用するということも考えられる。
(事務局)
  • 運輸部門の石油依存度80%に関しては、正直難しい数字である。燃料電池車については、2030年に1500万台という目標数字を掲げている。厳しい数字ではあるが、仮にこれが導入された場合、石油依存度は約15%減少する。
  • ディーゼル車の普及・広報は大きなテーマである。
  • サルファーフリーについて、世界で圧倒的に優れた水準を達成しており、以前のような排ガスの問題は、相当解消されてきている。
  • 燃料の多様化において、代替燃料としてどのような燃料を供給できるか、自動車業界としてどのようなものを開発するのかということがセットで動く必要がある。石油業界と自動車業界がまさに車に両輪のように緊密に連携を取るべき。
  • GTLについてはこれから本格化する見通し。また、石炭について、CTL等も視野に入れながら、しっかりと対応していく。 E10に関し、中国やブラジルとは環境規制も違うことからなかなか難しいが、今後しっかり検討していきたい。

エネルギー安全保障政策について

  • エネルギー安全保障と外交防衛上の安全保障はオーバーラップする部分が大であるにも関わらず、官邸には危機感が不足している。目に見える話(東シナ海問題)に言及していかなければ進んでいかない。(むつかしいだろうが)
  • 対中問題について政冷経熱と言われているが、政治のために経済の話が進まないことも出てきている。政治問題についても、ある程度一つ一つケリをつけていく必要あり。政府において努力されていないとは決して言わないし、個別分野における進展はあるが、最終的なところで、トゲ的なものがあると感じる。
  • 自由化の影響で投資インセンティブが失われることに関し、これまでの自由化の政策を総括し将来を展望すると共に、セキュリティ論に関して整合性を整理して国民に提示すべき。
  • 現在、米国東海岸では経済ナショナリズムが高まっている。東芝のウエスティング社買収に関してもソフトランディングする必要がある。
  • 日本は「非核保有国で核燃料サイクルを許されている国」であるが、IEAの会合において「国際的な原子力予算の3割は六ヶ所で使っている」などの発言もあり、日本に対して疑いの目もある。
  • 「新・国家エネルギー戦略」の中で「核燃料サイクルを含めた原子力の推進」とあるがその中で、「国際的な原子力管理への積極的な参画」といった明確なポジションを打ち出しておかないと、国際社会の中での日本の原子力の位置づけを誤ることになる。
  • 経団連でもアジアの中のエネルギー・パートナーシップに関する議論を行っている。資源のない日本は技術による貢献が大事である。
  • 東アジアとの協力関係は重要であり、EPAやFTAに関する議論が進む中、その枠組みをどのようにするのか、その中でエネルギーをどう位置付けるのかが重要な問題である。
  • リスク対応について、国・産業・時代によってリスクの捉え方が異なる。「日本政府固有のリスク」と「アジア共有のリスク」について客観的に整理することが重要。エネルギーのシンプルイシューのみでアジア協力を議論すると「日本の国益のみ」と猜疑心をもたれ、求心力を失う。いくつかのイシューをまぜていくことが重要。
  • オーストラリアやニュージーランドとのエネルギー面における関係も重要であり、しっかり位置付けるべき。 
  • アジアの備蓄協力については、BOT等の民間活力、つまり資金面や技術・ノウハウ面の活用が進む仕組みを検討すべきである。
  • 9.11の同時多発テロ以降、個別サイトによるテロ活動が問題視されている。9.11以降外国企業のセキュリティは強固なものになっているが、日本国内における原子力発電所、LNG基地などのサイトのセキュリティが重要である。
(事務局)
  • アジアとのエネルギー協力について一言申し上げる。中国、インド、ASEANとは様々な協力を行っている。中国からは原子力の安全に関する研修生を受け入れており、中国、インドネシア、ベトナムなどからは石炭に関する研修生を受け入れている。また、鉄鋼分野においても省エネについて連携しており、エネルギーフォーラムの開催も決まっている。
  • ロシアについては資源エネルギー庁とガスプロムの協力協定がある。
  • 実務レベルでは相当協力が進んでいることを理解していただきたい。
  • 原子力発電所の警備の重要性については認識しており、9.11同時多発テロ以降、警察庁・都道府県警察・海上保安庁の連携の元、24時間体制の警備を行っている。
  • また、昨年原子炉等規制法の改正を行い、IAEAが定めた最先端の警備基準となっている。現時点では世界最高水準の警備体制であるため、原子力発電所のテロ対策についてはご安心いただきたい。
(黒田部会長)
  • 世界と認識と日本の認識がズレは問題であるが、だからといって日本が世界の流れにのっかって同じようなことをしていってよいかというのも問題。アクションプログラムを含めて日本の方針を出すことができればと考えている。
  • 次回は5月15日(月)15:00~17:00 経済産業省本館17Fにて開催予定。
以上
 
 
最終更新日:2006年4月21日
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