経済産業省
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計量制度検討小委員会第3WG(平成17年度第8回) 議事録

日時:平成18年3月10日(金)14:00~16:00

場所:経済産業省別館10階1028会議室

出席者

今井座長、伊藤委員、河村委員、桑委員、齋藤委員、芝田委員、杉山委員、瀬田委員、田畑委員、中野委員、畠山委員、本多委員、松本委員、三浦委員、望月委員、山領委員

議題

  1. 計量制度検討小委員会第3WG第7回会合議事録について
  2. 第3WGの報告書案の審議について
  3. その他

議事内容

吉田知的基盤課長
 知的基盤課長の吉田でございます。ただいまから計量制度検討小委員会第3WG第8回会合を開催させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、本日の出欠状況でございますけれども、梶原委員と久保田委員から欠席の御連絡をいただいております。
 それでは、以降の議事進行は今井座長にお願いをいたします。
今井座長
 昨年の12月に第7回を開催させていただいて、その後、先月2月21日にこのWGの親委員会である計量制度検討小委員会の第3回の会合がございました。その場で皆様に御熱心に御審議いただきました内容、主に今日御説明申し上げます第3WGとしての骨子案について、私と知的基盤課の吉田課長から御説明申し上げたところであります。その内容等につきましては、また後ほど御報告いただくと思いますけれども、本日は、小委員会で議論されました内容も含めて、私どものWGの報告書(案)としてまとめるための審議をさせていただきたいと思います。
 なお、毎回申し上げておりますけれども、このWGの会合での議事録等は原則公開となっておりますので、御承知おきいただきたいと思います。

議題1:計量制度検討小委員会第3WG第7回会合議事録(案)

今井座長
 まず、議題1として、昨年12月2日に開催されました第7回会合の議事録につきまして御審議いただきたいと思います。
 これにつきましては、既に電子メール等で御意見等いただいて、それを踏まえた結果がこの案となっております。よろしいでしょうか。
 それでは、前回議事録確認ということにさせていただきまして、経済産業省のホームページで公開することにさせていただきます。

議題2:第3WGの報告書(案)の審議について

今井座長
 それでは、引き続きまして議題2に移ります。資料2は、計量制度検討小委員会での主な発言をまとめたもの、さらに資料3は、私どもで議論いたしました第3WGとしての報告書(案)ということになっております。これについて事務局から御説明いただいた後、御議論いただきたいと思います。
 なお、全体として分量が多いため、計量標準とJCSSを前半、計量証明事業と特定計量証明事業を後半の2つに分けて御審議をお願いしたいと思います。
 それでは、資料2と3に基づきまして、事務局から御説明をお願いいたします。
江口知的基盤課長補佐
 (I.計量標準供給及びII.JCSSについて、資料2及び3、参考資料2に基づき説明)
今井座長
 どうもありがとうございました。
 資料3とただいまの参考資料2に基づきまして、標準物質を含めた計量標準の現状、さらにJCSSの現状、それを踏まえた具体的方針ということで、皆様からいただきましたこれまでの御意見も含めて、大分中身が濃くなってきたように思います。それからこの報告書自体も、先ほど事務局から御説明がありましたように、いろいろな用語、この分野で使われている用語は非常に特殊な場合もございますし略語も多い、それについても解説が脚注になされております。それから、一番後ろの方では海外調査の結果等も書いていただいておりますけれども、現在の計量標準、JCSSという体制をとっている我が国の問題点、今後どうすべきかということにつきまして、ヒアリングも含めてかなりのところまで状況が把握できて、それで、今後どうすべきかというような具体的な方向づけ、例えばいろいろな意見の聴取の方法ですとか、そういうことも含めて具体的な案として示されております。
 現状の把握自体も含めて、特に具体的方針ということで今後どうすべきかということが重点になると思いますけれども、皆様の忌憚のない御意見をいただきたいと思います。
桑委員
 よくまとめられていて、読んでみて非常にわかりやすくて、期待される中身だと思います。ざっと読んだときにちょっとわかりにくい箇所、用語の使い方を変えた方が良いのではないかということがあるように思うので、指摘させていただきたいと思います。
 8ページ(2)の本文の3行目に「国内におけるモノの取引・証明」。「モノ」が片仮名で出てきますが、これは要するに物、製品みたいなものを言っているのであれば、「製品等」の方が良くて、ヒトも含めたものにとられない方がいいのではないかと思います。同じような場所がページ11にもございます。
 それから9ページですが、一番上の行で、「知見を借りる」という言葉は余り我々使わないので、「知見を参考にする」や「しつつ」といった方が平易に思います。
 (5)の最後の文章ですが、「日本のトレーサビリティの基点が確保される」の意味がわかりません。この「基点」というのはなくてもいいのではないかと思います。
 11ページですが、上から6行目に「食品安全」、これはいろんな分野について言っているくだりなのですけれども、ここのところだけ「食品安全」という言葉が入ってくる。「食品」ではいけないのかというようなこと。これは23ページにも同じ言葉があって、あえて「安全」という言葉を使うのであれば、もっと形容詞的に使った方がいいと思います。
 11ページの(5)の一番最後のところですが、「ワンストップ・テスティング」の話が出てきますが、これは5ページの脚注に定義があり、1カ所でどの試験成績も世界で使えるという意味で使っているのですけれども、「国際的なワンストップ・テスティング」という表現になると、国際に1カ所でいいのかというふうな意味にとられちゃう危険性はないのか、これはもし厳密に書けば、「ワンストップ・テスティングのやり方で国際的に寄与できるようにする」というような意味だと思うのですけれども、「国際的な」という形容詞が「ワンストップ」にかかるのは、誤解を招くような気がいたします。
 12ページですが、(3)の3行目に「親会社が行っていた精度管理を中小企業自らが行い、証明しなければならなくなる」とあり、「親会社」に対する言葉が「中小企業」というのはおかしいので。
 あとは、「精度管理」という言葉は「品質管理」の用語の方が正しいのでしょうけれども、ただ、後ろに「証明しなければならない」とあるので、品質管理を証明するというのも何かわかりにくいので、ここの「精度管理」は、後ろの方に書いてある「校正業務」のことではないかと思うのです。だから「校正業務」を、例えば中小というか、親に対する対応の言葉として、「関連した企業が行う」、そういう意味の方がわかりやすいように思います。
 17ページですが、下の方に(3)がありますけれども、3行目に「俯瞰的」という非常に高尚な用語が書かれているので、例えば「全体的」とかなんかの方が平易かなと思います。
 18ページも、同じように下の方の(5)に「国際的なワンストップ・テスティング」というのが出てくるので、これも「国際的に通用するワンストップ・テスティング」の表現の方が誤解されないのではじゃないかと思います。
 23ページ、上の現行制度の問題点のところは、問題点として「校正できる項目が少ない、校正料金が高い」。その理由として、「産業界への教育」と出てくるので、上の現行制度の問題点に教育というのはなじまないですね。ですから、これは「教育」ではなくて「情報提供」等に変えた方がよろしいのではないでしょうか。教育したら項目がふえて安くなるということはあり得ないと思います。ここの「教育」というのは「情報提供」の方にした方がいいと思うし、あるいは優先順位からしたら、後ろのいろんな社会的要請を聞く方が先であって、それから情報提供というような感じもいたします。
 下の方に、(3)の上の方に(2)とありまして、1行目のおしまいに「国際的にスタンダードになっている」とあります。この「スタンダード」というのは、いろんな意味で日本語は訳されるので、「規準」も、「基準」も、「標準」というのもある。ですから、これは何を言っているのかちょっとわからないので、漢字で書いた方が良いと思います。国際的にこれが一般的に使われているゴールデンスタンダードみたいなものをイメージしているのでしょうけれども、いろんな意味にとられてしまう可能性がないかということです。
 一番下から2行目のタイトルの「国際基準」という言葉ですけれども、これは多分英語の「リファレンス」を日本語で訳すとこの字になるのでしょうけれども、スタンダードを使うと「規格」とか「標準」になりますが、後ろの26ページを見ますと、(2)の最初の文章の最後のところの文章は「国際規格」、これはスタンダードになっており、「規準」になっています。29ページを見ますと、(2)の1行目には「基準」が出てまいります。「国際規格」という場合は、「インターナショナル・スタンダード」というのは一般にありますけれども、「インターナショナル・リファレンス」という言葉を使うかどうか。言葉の使い方で統一した方がいいかなと感じました。
 25ページの一番上から2行目の最後、これは「基準物質」という言葉が出てくるんですけれども、JISで聞いたことがあるのですけど、これは「標準物質」じゃいけないのかというふうに思います。
今井座長
 全体的な視点から細かくお読みいただいて、御指摘のところはかなりの部分そのとおりだと思いますけど、順次事務局からお答えいただきたいと思います。
吉田知的基盤課長
 日本語の問題であったり、意味をもう少し詳しく話をしなければいけないことであったり、いろいろあると思いますし、十分にチェックをしてお答えをさせていただきたいと思いますので、この審議会の場ではなくて、後ほど一つ一つ回答させていただきたいと思います。
今井座長
 例えば私が気がついたのは、23ページの「国際的にスタンダード」というのは、確かにおっしゃるように「スタンダード」は、ドキュメントスタンダードもメジャメントスタンダードも両方ありますので、ガイド34でしたら「基準文書」だと通じるのかと思います。
 それから、余談ですけれども、今VIMという国際計量基本用語集の改訂版の編集作業をしており、「リファレンス」という言葉が出てきますが、その「リファレンス」の意味としては、単位につながるものとか、あるいは手段、プロシージャー(手順)というようなことも「リファレンス」の中に含まれているように、かなり「リファレンス」というのは広く解釈している場合があると思います。そういう意味では、基準と標準というのをうまく使い分けられない場合には、参照ということで注釈をつけておけばいい場合もあるのかもしれません。
 いずれにいたしましても、やはりわかりやすい文書、整合性という観点から、今吉田課長がお答えになったように、少し精査させていただいて、全体の整合性と国語の問題、技術的な意味合いの問題も含めて検討させていただきたいと思います。どうも御指摘ありがとうございました。
本多委員
 非常にいろいろ勉強する機会を与えていただきまして、どうもありがとうございました。大変勉強させていただきました。
 1点ちょっと確認というか、今さらみたいなことになって申しわけないんですが、19ページと25ページにISO/IEC17025を満たすということをクリアに書かれているのですが、ちょっと勉強させていただきますと、ISO/IEC17025を見るところでは、二次標準を外国のものでもいいと、自分のところで拡張してもいいと、そういうふうにしか読めないわけです。そうすると、現行の計量法で認めている部分とかなり矛盾が出てきてしまうかなと思います。二次標準として特定標準と直接つなげるのは現在持っているものだけというような枠組みになっていますので、将来的にこちらの方向に行くのであると、少し計量法との整合性を、私は専門ではないのでどうしたらいいかわからないのですが、考える必要があるのではないかと思います。
 もう1点、前回質問させていただいたのですが、特定標準から直接、非常に不確かさの小さい値が必要だというようなニーズがあったときにどうするのですかということに対しては、依頼試験でJCSSとは違う枠組みで供給はできていますというお話だったのですが、やはりスモールJCSSのロゴをつけられるとか、あるいはこのISO/IECの枠組みに乗って、それがちゃんと国際的なSIトレーサブルと認めてもらえるとか、何かそういう枠組みにしていくのが、国際的ワンストップ・テスティングに向かう道筋ではないかなということが、拝見していてすごく気になりましたので、御検討いただければと思います。
今井座長
 私のわかる範囲でとりあえずお答えさせていただきますと、最初のことは、ISO/IEC17025の中には、大きく分けて品質システム、マネジメントの問題と技術的な能力の問題とがありますけれども、その中で要求しているのはトレーサビリティとか不確かさということできちっと証明しなさいという、その流れの中に多くのものがSI、国際的にトレーサブルであるのが望ましいとしていますけれども、そうでない場合も認めております。
 それに対して、特に今日参考資料2の中でもありましたように、標準物質の分野ではSIトレーサブルというのは非常に難しい場合が多いわけですので、そういうような視点から準国家標準あるいは指定国家標準というのでしょうか、そういう位置づけでとらえていってはどうか。それも、SIトレーサブルではないけれども、その時点での国家標準としては最高度のものを扱おうという、そういう考え方ではないかと思います。
 ISO/IEC17025の要求事項ということが出てきましたので、瀬田委員が何か補足説明をしてくださるようなので、いかがでしょうか。
瀬田委員
 今のお話を伺っておりまして1点ちょっと気になったところは、現行制度のもとで、例えばNMIJさんから校正を受けたものに対して、「何らかの拡張とか組み合わせができない」というような御認識をお持ちだというのはちょっと不安です。実はその点は、立ち上がったときのJCSSはそうだったのですが、前回の計量法改正のときに、これもかなり産業界の要望を受けまして既にその点は改正しております。現在、拡張ですとか組み合わせによって、例えば長さと力でトルクをつくるということは、法制度上可能になっております。
 ただ、やはり立ち上がりがなかなか遅くて、そういうやり方が十分に普及していないというのは、これはどちらかと言うと法律の問題ではなくて我々実行部隊の責任で、今でも認識としてそういう認識をお持ちの方がいらっしゃるということ自体、我々の努力不足ということで反省材料にさせていただきたいと思います。
中野委員
 我々の行う依頼試験と我々が行う特定標準器を用いたJCSSの違いなのですけれども、これはあくまで運用上の仕切りで、我々どういうふうに整理をしているかというと、認定機関、つまり校正を生業として、校正を業務でやることを前提としている方々については、いわゆる特定標準器からの校正ということでスモールのJCSSのついたシステムでお出しをしています。それから、例えば大学であって、そこは校正事業者になるつもりがなくて、自分の測定の証明にして使い、なおかつ不確かさが小さいものが必要だという方については依頼試験で出すこととしています。
 この両者がどう違うかというと、JCSSも依頼試験も国際的には国際証明書として通用します。我々の依頼試験であるから、証明書が国際的に通用しないということはないと思います。ただし、法の執行という観点から、計量法の観点から、我々は計量法の中の登録事業者に対してスモールJCSSを出し、そうでない方には依頼試験を出している、そういうふうな運用上の仕切りになっているというふうに御理解いただければと思います。校正する行為の価値については、両者に大きな区別があるというわけではありません。
本多委員
 非常にクリアになって、どうもありがとうございました。
 今の依頼試験の方なのですが、例えば非常に大きな会社で技術力はちゃんとあって、そこでちゃんとした不確かさのものが欲しいと思ったときに、自社内でしか使わないのだけれども、ロゴのついたものが欲しいとなると、校正業者にならなければいけないんだというふうに今聞こえたのですが、それは経済的に見ると二重の投資にならないかと思います。校正する必要はないのに校正業者になって、特定標準器からロゴをもらうというのは、産業界から見たときに、少しむだがないかということが気になりました。
中野委員
 業者さんが証明をするときに、誰に対してどのような言い方で証明をするかだと思うのです。いわゆるJCSSのシステムで大きな会社が証明をしたいと言うのか、それとも、いわゆる校正ができています国家計量標準にトレーサブルですという言い方でいいのかという判断ではないかと思っています。通常の場合ですと、より先端的な部分のところは我々の依頼試験の校正証明書で十分通用していくというふうに解釈をしているところです。
今井座長
 私の知る範囲で、古い認識かもしれませんけれども、実際にはワンストップ・テスティングの大きなターゲットというのは、CIPMのMRAの方を使うということだと思います。そのCIPMのMRAの方をデータベースとして登録するときに、国際度量衡局、BIPMと地域の計量組織、APMPとかEUROMET等でつくっているJCRB(Joint Committee of the Regional Metrology Organizations and the BIPM)でそういう議論をしたことがあります。そのときには、通常CIPMのデータベースに載っているような流れよりももっと特殊な用途に対して、企業あるいは大学が、どうしてもこれだけの不確かさで確認したいんだというときがある場合には、一般化された流れの中でロゴをもらうというよりも、むしろきちっとした技術を証明してもらって、それにつながるようなことが確認できればいいのだと思うのです。
 ですから、特殊な用途に対して非常に不確かさの小さい流れをやる試験であるということで、十分通用するのだと思うのですね。それは日本にもたしか1件ぐらいあったように思いますけれども、PTBやNISTでもそういうケースがあるというようなことを説明しておりました。ただし、それは特定の目的だけなので、一般的にロゴとかそういうことよりも、むしろ技術的な確認ができていればいいのだというような説明があったように思いますので、その上位の校正をする機関の責任において納得すれば、その大学なり企業なりは、それで十分な目標が達成できると思うのですね。ですから、必ずしも一般化されない世界で非常に不確かさの小さい校正なりの証明ができるという分野ではないかと思います。
 ですから、そういう道は一応つくられております。ただし、それはキャリブレーションなり試験をする機関の責任においてやりなさいということのようです。ですから、必ずしも一般化されてなくてもいいのではないか。この場合には、恐らく依頼試験の方が非常にグレードが高いという特殊なケースだと思います。もちろん、そういうこともあり得ると思います。議論が非常に専門的になってしまいましたけれども、そこまでこのWGで議論できているあかしではないかと思います。
芝田委員
 指定計量標準制度について何点かお伺いしたいと思うんですけれども、まず、こういうふうなシステムというのは、どこか海外に似たようなシステムでやっている国があるのか、参考とされる国があったのでしょうかということをお伺いします。
吉田知的基盤課長
 35ページをお開きいただきたいと思いますけれども、これは第3WGで海外の報告をしていただいた際の資料をそのままつけさせていただいております。この報告の中で、日本、アメリカ、イギリス、ドイツの絵の中で左側の中央あたりに海外の計量標準という箱がございまして、そこに日本の場合には、海外の計量標準は利用できないというようなことが書いてあります。35ページの下のアメリカを見ますと、海外の計量標準はトレーサビリティの確立に利用されているけれども、実際はNISTがかなりたくさん出しているので、利用はほとんどないという報告がございました。
 36ページのイギリスの制度を見ますと、海外の計量標準についてトレーサビリティの確立に利用しているという報告がありました。ドイツも同様でございます。また、この別添では割愛をしておりますけれども、オランダの報告もございまして、オランダでは、むしろオランダ国内での供給が少ないために海外の計量標準をたくさん使っているという報告がございました。
 ということで、結論から申しますと、海外のものをトレーサビリティの確立にこれまで利用してこなかったのは、むしろ日本が例外的であったという報告であったというふうに記憶しております。そういう意味で、このたび指定計量標準制度(仮称)というものを入れて、JCSSの中にこの考え方を取り込もうという提案をしていることで、海外に整合的になるのではないかというふうに考えております。
芝田委員
 あと、この制度の位置づけなのですけれども、あくまで国家の計量標準を準備していく段階の暫定的な補助手段なのか、それとも恒久的な制度としてずっと国家計量標準制度を補完していくのか。あるいは計量標準が整備されるに従って、なるべく指定計量標準を減らしていくかというのは、どういうふうな位置づけで考えていらっしゃるのでしょうか。
吉田知的基盤課長
 21ページの上から4分の1ぐらいのところに(ア)と(イ)というのがあります。まず、御質問の中で(ア)については、NISTなどの海外の有力な計量標準機関が供給をしていて、国際整合性も確保されているという意味で、これは日本で同じものをつくるということがなければ、ずっと安定的に使っていくということだと思っております。
 (イ)については、ここにも書いてありますように、現在の段階で国際整合性が確保されないとかいろんな制約はあるけれども、やはりニーズとして必要だということで、将来的にそうでないものができるまで使いましょうという考え方です。
 それで、究極のところどうなのかということが御質問なわけですけれども、特に標準物質については、供給力は一定なわけですけれども、ニーズの方がどんどんふえているような状況でありますから、今の見通しでいいますと、社会の標準物質に関するニーズがすぐに満たされる状況というのはなかなか来ないのではないかと思っております。
 そういう意味で、(ア)とか(イ)の考え方で指定計量標準(仮称)制度というのはかなり現実的には大きなウエートで、かなり長く続くのだろうというふうに見通しています。
芝田委員
 そこまでわかりました。
 ちょうど今課長が回答になった部分についての質問なのですが、計量標準としての質の見方も、(ア)と(イ)はかなり差があって違うのですけれども、これはこの制度の中でもそういうふうな格付けはされているんでしょうか。これを読んだ限りでは、特段の差があるようには見えないのですけれども。
吉田知的基盤課長
 内容においては、ここに書かれておりますように、(ア)の方は国際整合性が確保されていますし、(イ)の方はそうでないわけですから、国際整合性が確保されているかどうかという意味では非常に大きく違うわけなのですが、なぜこれが同等かといいますと、13ページの第4図と21ページを両方見ていただきたいのですけれども、13ページの第4図はJCSSのトレーサビリティの階層化でして、一番上に国家計量標準、その下に特定二次標準器というのがありまして、それから順次現実に使っているノギスのようなものまでトレースしていくわけなのですが、21ページの上から2行目に「具体的には、国家計量標準から直接校正されていないが、国家計量標準から直接校正されたもの(特定二次標準器)と同等とみなす計量標準を経済産業大臣が指定する制度として『指定計量標準(仮称」制度)』を創設する。」というふうにございます。これは13ページでいいますと、特定二次標準器という第二階層目は、今国家計量標準から直接に校正されているわけなのですけれども、今度つくろうとしています指定計量標準(仮称)制度というのは、国家計量標準から校正されていないけれども、第二階層と同じ階層であると指定してしまおうという制度なわけです。その指定してしまおうという制度について、21ページにございますように、場合分けが2つありまして、1つは、外国のきちんとした機関がつくって国際整合性が確保されているので、現実としましては、21ページの図でいいますと一番上だったり2番目だったりする実力がちゃんとあるものであります。
 それから(イ)の方は、それについての保証があるものもあるでしょうし、ないものもあるかもしれない。ただし、今日本の現実の場で入手できるものとしては最高であるという、それをあえて特定二次標準器と同じ階層に位置づけてしまおうという考え方です。なぜそんなことをしなければいけないかといいますと、繰り返し申し上げますけれども、計量標準についていろいろなニーズがたくさんあって、それをすべて国家計量標準が整備されるまで待っていますと、現実には使えないということから非常に困っておりますから、そういうことをしましょうという提案になっております。
今井座長
 今の説明とつながる話は、冒頭に説明がありましたように、オールジャパンとして全部NMIJがトップですよということは、必ずしも技術的な問題と経済性の問題で難しい。かなりトップに近いもの、限りなくトップに近い、しかしSIに必ずしも結びつけられないものがこれからどんどん出てくるであろう、そういう場合に、今課長から説明がありましたように、トップとして位置づけを明確にするわけです。それについては、共同実験とかあるいは技術的にしかるべき方法で確認するということになると思いますけれども、そういう意味でこれも小委員会の中で出たのですけれども、どういう名前がいいのかよくわからないんですが、「準」としても「暫定」としても何か迫力がないので、「指定」がいいのではないかということ。
 いずれにしても、将来的には国家標準に結びつけないわけですけれども、それができるかできないかもわからない分野がある。そういう意味で、今説明がありましたように特定二次と同じような位置づけにして、ただし国家標準が必ずしもよく見えないという、そういう分野があると思うのですね。そういうところ、技術が進展する、あるいは外国に結びつけるということができない場合に、とりあえずその時点のトップということで位置づけたらどうかという意味合いだと思います。
望月委員
 25ページの「国際基準対応のためのサーベイランスの義務化」については見送るということで、これは校正事業者にとっては現実的な判断でよろしいと思うのですが、1つ御質問は、基本的に同じJCSSのロゴがつくもので国際基準、MRA対応でないものというのができる。このような制度は諸外国、DKDとかUKASでもあるのでしょうかというのが1つ質問です。
 もう1つは、これは懸念でして、そのことを使っている側が理解しているかとか、あるいはそれを外国に持っていったときに、その違いが理解できるかというところで、もしJCSSそのものの価値が下がるというか、下に見られるようなことがないのかなというのが懸念でございます。
瀬田委員
 その点に関しては、別にこれは日本だけということでありませんで、多くの国で国際相互承認の枠に入らない認定というのは相当やっています。例えばオーストラリアの医療関係の臨床試験所はことごとくISO15198を満たしていないところが多分9割以上だと思いますし、タイなども、途上国なりの工夫をしていまして、ISO/IEC17025の3分の1ぐらいの要求項目だけに絞ったドメスティック認定をやっています。したがって、これは別に世界的には全然珍しいことではありませんし、あるいはアメリカですと、技能試験に参加しただけで、あとは受け取る者がチェックするといった制度もあります。このようなことはいろいろありまして、必ずしも国際整合化したISO/IEC17025がすべてというわけではありません。それが1点目です。
 2点目は、そのときにJCSSの価値が下がるかという話ですけれど、これはILACの側でもその点はかなり気にしていて、それが一目でわかるように、現在、ILAC/MRAロゴというのができておりまして、世界的に1個のロゴで、その認定で国際的に整合がとれているものかいないものかというのがわかるようになっております。
 したがいまして、我々も認定をおろすときに使うロゴとして、JCSSのみの事業者の方と、その横に「IA Japan」、我々のロゴとILAC/MRAとくっつけたものの2種類を発行しておりまして、後者の方は国際整合性あり、前者の方は日本国の中では有効だけれども、一歩出たときには相手の判断次第という、国際整合性の証明にはなっていないという形でやっております。そこはかなり明示的に、世界的にも例えばUKASだけのものがあるか、その横にILAC/MRAがついているかということで明示できるというふうな制度になっておりますので、かなりわかりやすくなってきたと思っております。
河村委員
 主婦連合会の河村です。文章表現のところなのですけれども、21ページの(5)の上のところです。指定計量標準の創設のところの最後に、「なお、指定する際には、対外的な透明性・信頼性の確保が求められることに留意が必要である。」とあります。それを読んだとき、この報告書が透明性・信頼性を確保するべきだという考えに立っているというより、そういうふうに言われるから注意しろよと言っているかのように、私には感じられました。「求められることに留意が必要」という書き方より、指定する過程が透明であることや信頼性・公平性を確保することが重要だという考え方をストレートに表現して欲しいと思います。
吉田知的基盤課長
 誤解のないように直します。
山領委員
 先ほどの指定標準の関係なのですけれども、これが外国の標準の場合には特に問題はないと思っているのですけれども、まだ国際整合性のとれてないものを今の認定事業者が使った場合に、先ほどのMRAに関するところで、MRAの宣言はできないのじゃないかと思うのですが、その辺はどのように運用していくのかが一つ疑問になっています。
瀬田委員
 これは相場観としまして、そのとき世界のほかの国はどうかによります。例えばどこの国も国際規格をやっていなくて、ドメスティックなものがある国とない国があるという状況ですと、とりあえずそれをつくっている者の勝ちといいますか、それでもってMRA相互承認マークつきの認定を我々としてはおろすことは可能です。ところが、例えばヨーロッパとアメリカで国際規格をやっていて日本だけ外れていると、このケースだと相当苦しくなると思います。
 したがって、その辺はケース・バイ・ケースで、個別にそのものが、つまり世界的な相場としてどこが求められるかということを判断しながらやるしかないと考えております。
吉田知的基盤課長
 この指定標準物質を主に今ニーズがあると考えている分野は、まず1つは医療関係、もう1つは自治体などがやります環境の計測関係が非常にニーズが強いというふうに感じております。そのようなところにおきましては、とりあえず国内の整合性を確保することも非常に大きな目標となっておりますので、そういうところに貢献できたらなと考えております。
山領委員
 もう1点、用語の解説が加わったのは非常にいいのですけれども、5ページに不確かさの解説が載っています。その1つ上に、トレーサビリティとしてVIMの用語を引用されています。こちらの方は間違いないのですけれども、その下の出典がよくわからない。VIMの不確かさの定義が全くここに書かれているものと違っています。1990年版のJISの計測用語の中では、古い表現ですけが、もうちょっと表現が変わっています。ということで、どこから出典されたのか知りたくて質問します。
今井座長
 これは多分いろんなところの寄せ集めじゃないかと思います。私も、これずばりの表現は余り見たことないんですけれども、なるべくわかりやすく書こうと思ってこういうふうになったんだと思いますが、このところを本当に説明できる人は世界的に見てもあまりいないと思います。というのは、要するに誤差論からスタートして不確かさの表現というのが出ているわけですけれども、その辺のところはかなりあいまいなところがあります。要するに真の値ありきということは、それは真の値が求められないからというのから不確かさの議論が始まったのですけれども、しかしながら、その背景にはやっぱり誤差論があるのです。ですから、今度VIMを改定しており、これはまだどうなるかわかりませんが、来週実は会議があるのですけれども、「エラー」という言葉は全部取ってしまおうという意見もあったのです。ですけれども、それでは背景が説明できない、コンセプトがわからないからということで、「エラー」というのはまた本体に戻りました。ただ、説明の仕方をきちっとしてあります。ですから、一般的に言われるのは、真の値ありきでスタートするのは非常に難しい。
 もう1つは、ちょっと専門的になって恐縮ですけど、不確かさの議論が始まったのは、従来の誤差論では系統誤差と偶然誤差と合成しようという考えがあったのですけれども、本当に対等に合成できるのかということが疑問になっているのですね。ですから、そういうことを統計論からいって合成することが本当にいいのかどうかということと、もう1つは、最近はメトロロジカルアプローチというのが大分広まってきましたけれども、色々な経験や統計的なことであらわせない実際のエビデンスを含めて、そういうことも含めて全体のデータのばらつきを総括的に求めましょうという考え方になってきていると思うのです。
 ですから考え方としては、色々な不確かさの原因をちゃんと追求して、主だったものをきちっと把握して見積もり表(バジェット表)というのをつくって合成しなさいというのは同じなのですけれども、そこをうまく書こうとすると2~3行ではとても書けないと思うのです。分布の図を書いて説明しないと不確かさというのは説明できないと思いますけど、ここは私も責任がありますので、若干書き方を考えたいと思います。
吉田知的基盤課長
 事実関係を申し上げますと、この不確かさの2行の定義は、経済産業省事務局で考えて書いたところでございますので、今の座長の発言のとおりでございます。
今井座長
 誤差論をやめようと言いながら、標準偏差に相当するものを標準不確かさにしなさいというふうな言い方自体が非常に弱腰なのです。ですから実際のところ、誤差論がなければ、不確かさの表現ということでいいと思うのですけれども、コンセプトを残しながら表現方法を変えていきましょうというのはなかなか難しいと思います。ただし、真の値が求められないよということを皆さん納得してくだされば、不確かさの伝播の法則ということで新たに議論していいのではないかと思います。
畠山委員
 先ほどの山領さんの意見なのですけれども、実はここに書いてある不確かさの定義は、実によくできていると思っています。といいますのは、私の場合も、全くこれと同じような表現で実はうちの役員さんに説明する。要するにわからない方に対しては、こういった表現が非常にストレートであって、簡潔であるということで、私は非常にいいのではないかなと思っています。
今井座長
 この「真の値の候補となる値」というのは非常にうまい表現かもしれません。あくまでも候補なのですね。最後までわからないのです。
 非常に幅広い視点からと細かい現場的なお話、さらに国語の問題まで多々御意見いただきまして、ありがとうございました。
 それでは、一応前半の議論をここで打ち切りまして、後半の計量証明事業と特定計量証明事業の方の説明をしていただいて、また議論をしていただきたいと思います。
 それでは、再び事務局からお願いいたします。
江口知的基盤課長補佐
 (III.計量証明事業及びIV.特定計量証明事業(MLAP)について、資料3、参考資料1及び2に基づき説明)
今井座長
 ありがとうございました。
 それでは、御質問、御意見等をお願いいたします。
芝田委員
 計量証明事業の更新制が平成4年に廃止されたというのは、どういう理由で廃止されたのですか。
江口知的基盤課長補佐
 まず、計量証明事業として基準がございます。その基準に合わなくなった場合には、法律の中で適合命令が出せることになりました。その適合命令を出した後、それに従わなかった場合に認定取り消しという行為がなされます。そういう意味で、十分品質を保てるという判断で更新制をやめたというふうに承知をいたしております。
芝田委員
 ただ結果として、全然認定取り消しはなされなくて、それは保てられてなかったということになるのですけれども、今これだけ自治体の方はかなり反対されているというのは、それを新たに導入するというのは、かなり予算的にも財政的に難しいという現状があるということですか。
江口知的基盤課長補佐
 ただ、私どもといたしましては、そういう意味で自治体は不適合なものが散見された場合には、きちっと適合命令を出すというようなことをやっていただくように、私どもの方からガイドライン等を示したいというふうに考えているところでございます。
桑委員
 信頼性の確保に関して2点ほど質問をさせてもらいますが、まず27ページ(2)の(1)で、能力・品質の担保について、具体的な「立入検査」とか「講習会」という文言が出てまいりますが、従来やられている多分講習会があるのでしょうけれども、その中に例えば事故とか過誤といった性質のものと、不正というのは本来全然異質なものなので、同じレベルでは議論できないのです。少なくとも事故とか過誤の検出とか不正の監視についての品質マネジメントみたいな内容が入っていたのかどうかということです。もし入っていなければ、そういうことの文言を入れた講習会というような文面を記載した方が、多少はよくなるかなというふうに考えますが、いかがでしょうか。
今井座長
 御指摘ありがとうございました。
吉田知的基盤課長
 その方向で検討いたします。
桑委員
 同じように後ろにサーベイランスのことで31ページ、具体的方針の信頼性の確保の(イ)の中ほどに技能試験の話が出ていて、「標準偏差から外れるものがあった場合には」、これはちょっと意味が違うと思います。多分許容誤差とか目標値から外れるという意味だと思いますが、実際にこういう技能試験を策定するときに、現時点で許容誤差みたいな概念というのがある程度でき上がっているのであれば、それはそういうことを明確にしたらいいと思います。それは現時点でそういうある幅、信頼性に関する基準みたいなものというのは準備されているのか、これからそういうことをどうするのか、いかがでしょうか。
吉田知的基盤課長
 ここは、技術的な状況をよく調査をして、じっくり検討したいと思っております。現実には、そういう一斉に検査をして比較をするということをやっているわけですけれども、それがこういった取り消しまで結びつくような信頼性が得られるものなのかどうかといったことについてよく検討してやっていきたいと考えています。
今井座長
 今の回答のとおりだと思いますけれども、確かに標準偏差というのはおかしいと思うのですね。多分統計的な扱い方で、いわゆる標準偏差の何倍とかいう、おっしゃるような許容誤差あるいはZスコアみたいなのがあって、しかるべき客観的な判断がされるのだと思います。
河村委員
 先ほどの更新制のところなのですけれども、幾つかの資料の中で、計量士、計量証明事業の更新制ということが出てくるところを読んで、この報告書がどういう考え方に立っているのかということが、私にはちょっとよくわからないのです。例えば参考資料2の4ページのところの回答のまとめとして、「計量士及び計量証明事業の更新制の導入が必要であることが共通認識とわかり、これらの施策を検討していくことが必要である。」と書いてあって、そういう考え方にたっているのだと思っておりました。
 しかしその後、報告書案の27ページにあるように、アンケートの結果、更新制導入への反対が半数を超えたので、それで何かこの案はないというふうにこの文章は結論づけているようです。でも、この都道府県の方のアンケートの回答を見ますと、6ページのまとめの2行目に「人員の確保や能力の評価が困難等の理由から……必要がないと回答した。」と書いてあります。これは人員の確保ができない、能力の評価が困難だということであって、必要がないという価値判断ではないように思うのです。できないと言っているだけであって、つまりできないから困るというお答えが半数以上あったという意味であって、必要ありませんという価値判断ではないと思うんですね。どうしてここに「必要ない」というふうになったのかがよくわからないのです。ほかの箇所とあわせて考えると、更新制の導入が必要であることが共通認識なのだけれど、どうも今のままの現場では大変そうだということを私は読み取ったのですが、ここでは、半数を超えたから、これはもうやりたくないそうだからやめるという感じの書き方なのはどうなのだろうと思いました。
吉田知的基盤課長
 そこは、参考資料1の6ページの「更新制を導入する必要がない又はすべきではない(29)」というのが正確な表現だと思います。つまり、自治体の立場からしますと、もともと更新制であったものを平成4年の改正で更新制をやめたわけですね。また、わざわざ昔に戻す必要があるかどうかというのが、自治体の現場の方々にとっての質問だったわけです。それに対して、わざわざ昔のような更新制に戻す必要はないのじゃないか、あるいはすべきじゃない、両方入っているわけですけれども、それが29ということでありまして、御指摘のように大変だからできないというふうな考え方の方もいらっしゃったでしょうし、考え方としてそういうことはすべきじゃないのだと、一度更新制でなくて今のように取り消しができるというふうにしてあるのだから、それで十分だというふうに考えている人も合わせて29というのが結果だというふうに考えております。
 そこからは私どもの今度判断になってくるわけなのですけれども、まず、平成4年に更新制をやめたということは重く受けとめておりまして、もとへ戻すというのはよほどの考え方の変更がその後なければ、やはり整合性がないのではないかというふうに考えております。そこについて、もとに戻すかどうかということまで私ども検討はしたわけですけれども、それはなぜかと言いますと、御案内のように昨年の不正事件が起こったからであります。それについての対応といたしましては、事務局としての提案は、報告書に書いてありますように、1つは、行政処分や罰則の強化を検討しましょうという点、もう1つは、国が、例えば特定計量証明事業ですけれども、大臣の認定を取り消したときに、それと連動しております都道府県の登録も一緒に取り消すように国と自治体の連携を強めましょうと、こういうことについて検討をしたいというのが事務局の提案になっています。そのことをもって、更新制に戻るのではなくて、更新制を廃止したままであっても、昨年の不正事件のような事案に対しての対応ができるのではないかというふうな提案になっています。そのことについてどうなのかということについては、このWGあるいは小委員会の審議会で御議論をいただければというふうに考えております。
桑委員
 文言の細かいことで、不正のことにかかわるので明確な表現の方がいいかなと思うんですが、30ページの(イ)がありますが、本文の1行目、「不正事案では、サンプルの差し替えにより不正が行われており、」、この場合の「サンプル」は多分データの意味だと思うのですが、「サンプル」というのはスペシメンの意味もあるしデータの意味もあるし、統計用語では標本の意味もある。ですから、いろんな意味があるので、この場合の不正事案の事実はデータの差し替えだったのか、試料の差し替えだったのか、これだとわからない。
江口知的基盤課長補佐
 試料そのもの、サンプルそのものを差し替えて、結果としてデータが変わっていたということです。
桑委員
 試料だったら「試料」と書いた方が、事実ですから。事実はちゃんと書いた方がいいのではないかと思います。
 4行目に「サンプル管理」とあるはスペシメンの管理だけを言っているのか、データの管理も入るのかというのはわかりません。測定試料の管理だけだったら「試料の管理」と書けばいいし、データも含めて管理しないといけないと思うのですけれども、そうであれば「試料及びデータ」と書くべき。
今井座長
 それはおっしゃるとおり、品質マネジメントという観点から両方ですね。おっしゃるとおりだと思います。誤解を招かないような表現に直す方がいいと思います。
吉田知的基盤課長
 そのようにいたします。
今井座長
 大分いろいろな御意見をいただきましたけれども、中身につきましてはこれまでの7回、ヒアリングも含めて皆さんで議論していただいた内容、よくまとめられていると思いますが、さらに精査するという意味で、それから大所高所から見て誤解のないようにというようなことも含めて、方針としての明確化という視点から貴重な御意見をたくさんいただいたと思います。
田畑委員
 後半の方の計量証明事業のことについては大変よくまとめていただいておりますが、前にも申し上げましたように計量士(環境計量士)の更新制度をどうするのかというのは大きな問題でございますので、ぜひ御検討いただきたいと思っております。
 それからもう1つ、これは私どもが言うべき話ではないのですけれども、標準偏差に似たようなものでございますが、Zスコア等の導入によって、技能試験を評価しても良いと思います。さらにSELF(分析値自己管理会)というものもやっておりまして、自らの信頼性の確保に努めているということを、我々業界としても一言申し上げておきたいと思っております。
今井座長
 ありがとうございました。
 確かに重要な問題ですので、今までの経緯も踏まえて、それから、あってはならないことが起こってしまった時点でどうすべきかということが昨年来の問題だと思いますけれども、やっぱりモラルだけに頼っていたのではできないという意味で、何らかの施策が必要だと思います。

議題3:その他

今井座長
 これまで7回の議論を踏まえて、今日第3グループとしての報告書(案)を御提示申し上げて、御意見をいただきました。細かいことも含めて修正点等がございますけれども、議事録の形でまたメールベースで意見交換ができるとは思いますけれども、今日まだ十分御発言になれなかったところもあるかと思いますので、今後の扱い方については事務局から後ほど御説明いただきたいと思いますけれども、今月の20日までに皆様方から御意見をいただいて、報告書をさらに修正するということにしております。その後、修正した報告書を皆様にお送りして、再度御確認をいただいた上で、今のところでは4月をめどに本WGを開催して、4月下旬以降に予定されている計量制度検討小委員会に最終報告として提出させていただきたいと思います。詳細は事務局から御説明いただきたいと思います。
吉田知的基盤課長
 それでは、今後の段取りについて申し上げます。まず、今日の御議論の内容につきましては、座長から御紹介ありましたように、事務局あてに3月20日までに、電子メールで結構ですので御連絡をいただければありがたいと存じます。
 いただいた意見を踏まえました報告書につきましては、再度、皆様に確認のために送付をさせていただきます。その上で、事務局といたしましては、小委員会、第1WG、第2WGの内容を含めまして全体の答申案を整理いたします。次回の4月を目途にこのWGを開くわけでございますけれども、その際には第3WGの部分だけではなくて、全体の答申案が机の上に乗る予定でございまして、その全体の答申案の中で、第3WGで議論したところについて文章で御確認をいただくといったようことを4月に考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
今井座長
 それでは、今日予定いたしました議事はすべて終了いたしました。
 本日は、長時間にわたりまして貴重な御意見をどうもありがとうございました。まだまだ御意見等ございますと思いますので、今のようにメールベースで御意見をいただいて、さらに議事録の御確認もいただきたいと思います。もうしばらくおつき合いいただきまして、第3WGとしてのわかりやすい報告書。特に委員の間だけでわかるものではなくて、一般に出してもわかるような形になりつつあると思いますので、ぜひ成果を広めていきたいというふうに思っております。本日はどうもありがとうございました。
 
 

最終更新日:2006年4月24日
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