経済産業省
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総合資源エネルギー調査会電気事業分科会原子力部会(第9回) 議事録

平成18年3月29日(水)

(田中部会長)
 それでは、定刻を少し過ぎてございますので、ただいまから総合資源エネルギー調査会電気事業分科会第9回原子力部会を開催させていただきます。
 本日は、ご多忙中のところ、ご出席いただきまして、まことにありがとうございます。2時間のお時間をいただくことを予定しておりますが、できるだけ効率的に審議を進めていきたいと考えておりますので、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
 では、事務局から配付資料の確認をさせていただきます。
(柳瀬原子力政策課長)
 本日は、議事次第、出席者名簿、資料1、2の2種類をお配りしてございます。
 また、本日、原子力産業を広く議論していただくために、関連する事業者など、関係者の方々にもご参加をいただいてございます。
 順にご紹介させていただきます。大西徹・国際協力銀行資金金融部次長様、逆瀬川敏夫・独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構理事様、鈴木英夫・三菱原子燃料株式会社代表取締役社長様、鈴木光雄・日本原燃株式会社代表取締役副社長様、船矢祐二・独立行政法人日本貿易保険営業第二部部長様。
 そのほかに、いつもの定例のメンバーに加えまして、当省から富吉賢一・貿易経済協力局貿易保険課長、朝日弘・資源エネルギー庁資源・燃料部鉱物資源課長にお越しいただいてございます。
 以上でございますけれども、資料に過不足はございませんでしょうか。
(田中部会長)
 ありがとうございました。
 それでは、早速議題に進んでまいりたいと思います。
 本日は、原子力産業のあり方についてでございます。
 まずは原子力プラントに関係いたしまして説明いただいた後、一たんご議論させていただき、その後、ウラン鉱山開発や再処理等に関して説明、ご議論させていただくこととしたいと思います。
 では、事務局から説明をお願いいたします。
(柳瀬原子力政策課長)
 それでは、私からプラントを中心にお話をさせていただきたいと思います。
 まず、お手元に部会資料1-2という1枚紙を配らせていただいてございます。きょうは、ここの九つの原子力産業分野についてご議論をいただこうと思っております。特に赤枠で囲んでございます濃縮、再処理、原子力発電プラントという部分につきましては、エネルギーセキュリティー上の戦略分野だということで、特にエネルギーセキュリティーに直結するという意味で単なる産業政策の域を超えているという位置づけをし、それ以外の分野につきましても、これを支える関連する産業だという位置づけに整理をしてございます。これは、どこの話をしているのかわかりづらくなるといけませんので、この1枚紙をお手元に置きながらお話をしていただければと思います。
 それでは、本体資料、資料1-1をあけていただければと思います。
 まず、この九つの産業全体に通じていることでございますけれども、基本的な考え方でございます。世界の原子力産業は、一つは、国境を越えた再編・集約化を通じて、世界的な寡占化が進展をしてございます。もう一つは、核管理構想、核燃料供給保証体制など、世界的に核不拡散体制の動きが大変出てございまして、先々どうなるか見えづらい。したがいまして、普通の商品のように自由に海外から調達できるものでは全くないという特徴を持ってございます。
 その次の項目ですが、こうした原子力産業の寡占化と核不拡散体制の動きの中で、我が国がエネルギーセキュリティーを確保していくためには、核燃料サイクルの先ほど申し上げましたような戦略産業分野については、我が国を中核とした相当規模の産業を確保する必要があるというふうに考えてございます。
 ただし、人為的に不効率な産業を長期間温存するのは無理でございます。そういうことで、最後に、こうした国内の原子力産業は国際競争力を有するものでなければ持続的なものにはなり得ないというのが、全体を通じた考え方でございます。
 次に、戦略的産業分野ということで、3ページ以降に原子力発電プラントということを書いてございます。原子力発電プラントと書いてございますけれども、当然それは燃料ビジネス、メンテナンスビジネス、それから新規プラントとあわせて原子力プラントメーカーのビジネスが成り立っているわけでございます。そのうち、燃料については後ほど出てきますが、メンテナンスにつきましては、以前、人材問題のときに、多重下請構造、あるいはその中でも現場の人材育成が大事だという議論で多重構造や人材問題をやっていただきましたので、きょうは新規プラントを中心に記述してございます。
 本文に入ります前に、ちょっと大きい流れを見ていただきたいと思いまして、ページをめくっていただきまして、参考資料になりますが、23ページを見ていただけますでしょうか。23ページで、世界の原子力プラントメーカーの変遷が書いてございます。左側から、1980年代、90年代、2000年代、そして一番右は現在でございますが、一番左の1980年代を見ていただきますと、当時は世界的な有力メーカーが11社ございました。これは、アメリカに4社、ヨーロッパに4社、フランス、ドイツ、スウェーデン、スイスにあった。日本は3社、合計11社あったわけですけれども、一番右を見ていただきますと、合計6社、東芝がウェスチングハウスを買収することになると、5社あるいは5.5社ということになりましょうが、半減をしていくわけでございます。世界的には、アメリカが4社から1社ないし1.5社、ヨーロッパが4社から1社、日本が3社を維持しているという状態になってございます。
 それから、ページをめくっていただきまして、25ページでございますけれども、1980年代から、世界的には新規建設が先進国ではほとんどないような状態が続いておりましたけれども、新規建設の話がここに来ていろいろ急に動き出してございます。上のほうにはアメリカ、炉型を見ていただきますと、ESBWRという、GEを中心に日立、東芝が協力して開発している炉、これが4基ぐらい予定をされてございます。
 それから、右側を見ていただきまして、AP1000という、ウェスチングハウスが中心になって三菱重工さんが協力して開発をされている炉、これが、基数が必ずしも明らかでないところもありますけれども、10基程度あるというふうにラインアップをされてございます。
  それから、下のほうを見ていただきまして、左側にABWRという、日本の電力さん、それから東芝、日立にGEが協力して開発したようなものも予定がございます。
 それから、もうちょっと右へ行っていただきますと、アメリカの一番右、あるいはフィンランド、フランスで、EPRという、フランスがドイツのシーメンスを吸収しながら開発していった炉ですけれども、そういうものが出てきてございます。
 それから、一番右、中国で国際入札を今かけているわけですが、これがAP1000あるいはEPRが今競争をしている。
 これぐらい急に新規建設が出始めて、今までほとんどメンテナンス中心になっていたビジネスから、また新規建設のビジネスが出始めるというのがバックグラウンドでございます。
 本文に戻っていただきまして、3ページです。最初ですけれども、この原子力プラント産業について、原子力政策大綱で政策目標が明記をされてございます。それは、我が国メーカーが世界市場で通用する規模と競争力を持つように体質を強化するということでございます。
 2でございますが、欧米メーカーは、先ほど申しましたように需要低迷期に国境を越えて再編・集約化が進行して、原子力産業が寡占化した。その中で、逆に強い企業が生き残り、GE、ウェスチングハウス、アレヴァは、それぞれESBWR、AP1000、EPRといった新型軽水炉をほぼ完成に近いところまで今開発中で、これを武器に、急に広がり始めている世界のマーケットに向かって売り込みを展開しているわけでございます。さらに、韓国、中国でも国産炉を開発し、できればそれを輸出したいということでございます。
 3でございます。これまで我が国は、先進国では幸せなことに、昔に比べれば減りましたけれども、まだまだ新規建設が継続されてきたということで、我が国メーカーは、設計、製造、建設技術面では圧倒的な優位を保ったわけでございます。また、それを支えるコア部品でも強いすそ野産業を有してございます。そういった総体的な製造面の強さを使いまして、アメリカのメーカーが新型炉を開発するといっても、我が国メーカー抜きではなかなか現実的でないというところまでのステータスを持っているわけでございます。
 他方、マーケティングという意味でいえば、これまで国内市場への対応が中心であったということで、海外市場への対応はおくれていたと言わざるを得ない。その結果として、我が国独自の炉の国際的な認知度は低く、日本全体としての国際的なブランド力は高くないと言わざるを得ないということでございます。
 4でございますが、今後、今回のような大規模な買収などが動いている、そういった激変する中では、メーカーを中心とした関係者が内外の市場戦略をどう描いていくのかというのが最大のポイントになると考えてございます。幸いなことに、日本のメーカーさんの場合には今後10年程度はわずかながらも新規建設が見込まれるということで、縮減傾向にはありますけれども、各社ともある程度の企業規模の維持は可能でございます。しかし、その先については全く不透明になっているわけでございます。
 こうした状況を踏まえますと、国内各メーカーがだんだんと体力を失って、じり貧になって体力を失ったところで海外メーカーの下請化するというふうな事態に陥らないように、体力のある今のうちに中長期を見据えた戦略の構築と実行が必要ではないかということでございます。
 1枚めくっていただきまして、4ページの5でございますが、こうした中長期的な戦略の立案・実行のためには、単にどことどこがどうくっつくといった話ではなくて、まずは我が国メーカーが国際市場でどういうコンセプトの炉で勝負をするのか、どこの市場をターゲットにして、どれぐらいのボリュームを見込むのかということを明確にし、その実現に向けて関係者がきちんと取り組んでいくことではないか。
  そういうことで、6に具体的にはと書いてございます。まずはやはりメーカーさんがきちんと各社の内外のマーケティング戦略を描いた上で、国内、国外を問わず連携の相手、どの分野で連携するのか、形態もいろいろあろうかと思いますが、そこを戦略的に検討し、その上で率直な意思疎通を図っていただくことが必要ではないか。
 二つ目に、電力会社さんですけれども、まずはもちろんメーカーではありますが、電力会社さんは圧倒的な主要ユーザーという立場がございます。そういった面で、具体的なニーズや優先度をメーカーに提示していく。それから、原子力産業に期待すること、あるいは、こうなってもらっては困るということをしっかり示していくべきではないか。その際、個々の企業さんでは発注の量も減ってございます。そういう意味では、各社単独での対応に加えまして、原子力産業への期待について可能な範囲で電気事業者間の共通認識を形成し、一体となって意思表示をしていくことがもしあれば、さらに有効ではないかということでございます。
 三つ目に、国でございますけれども、国の仕事として、ここでご議論いただいたように、次世代軽水炉の開発あるいは輸出促進という各政策の推進に当たっては、もちろん、それと実際にどういう産業体制でそれを実現していくのかというのは裏腹みたいなところがございますから、こういった個別の政策を推進するに当たっては、メーカーさんの戦略あるいはユーザーである電力会社さんの考え方も踏まえた上で、世界市場で通用する我が国原子力産業の実現という観点に十分留意して個々の政策をやっていくべきではないかということでございます。
 7はなお書きですけれども、こうした産業政策的な取り組みの前提として、やはり全体として原子力産業の活力維持が図られることが大前提だと思っていまして、その意味で、きょうのセッションではございませんけれども、電力自由化の中でも可能な限り原子力発電所の新増設やリプレース建設の見通しが得られること、それから、海外の市場獲得はメーカーだけでは限界があるということで、国も電力会社さんも必要な連携を行っていくことが必要ではないかということでございます。
 以上でございます。
(田中部会長)
 ありがとうございました。
 それでは、各委員からご意見、ご質問がございましたら、お願いしたいと思います。
 発言順につきましては、基本的には従来どおりネームプレートを立てていただいた順番に従ってと考えておりますが、意見が発散したりせず、少しでも論理立った議論、意見交換の場ができたらと思いますので、発言を先にされたいような場合にはお申し出いただければと思います。
 それでは、よろしくお願いします。
 早速挙げていただきましたけれども、齊藤委員、お願いします。
(齊藤委員)
 プラントメーカーのことですので、原子力プラントメーカー共通の立場ということで最初に発言させていただきたいと思います。
 ただいま柳瀬課長からご説明がありましたように、この分野の基本的な認識と、それから求められる対応ということでまとめていただきました。我々は、基本的にはこういうことだと認識しております。特に、ずっとこの部会でも議論がありますように、エネルギーの安定供給確保や環境問題への対応で、今後ますます原子力が重要性を増してくる、そういう意味で、国内の原子力産業、これは発電プラントだけじゃなくて、後ほど議論がありますけれども、濃縮、転換、燃料加工、あるいは再処理を含めた原子力産業全体が国際競争力を持つ健全な事業活動を展開していくということが非常に重要であると考えております。
 原子力プラントメーカーとしましても、こういった重要な社会的使命を有する原子力産業の一端を担っていることを十分に認識しまして、ただいま説明されましたような求められる対応ということを踏まえまして、今後の事業活動を展開していきたいと考えております。
 原子力の場合には、非常にプロジェクトの規模が大きいこと、また、いろいろな開発に相当の時間を要することから、中長期的な見通しを持って事業を展開する必要がございまして、その意味で、原子力政策大綱が策定され、また本部会でそれを具体化するためのさまざまな課題について議論され、原子力の将来の見通しについて明確にされることは、我々にとっては大変ありがたいことですし、これに期待したいと思っております。
 あわせて、これもきょうの資料にございますけれども、原子力産業、特に発電プラントの建設あるいはメンテナンスといったことを考えても、プラントメーカーだけではなくて、機器供給メーカーやコア部品の供給メーカー、あるいは工事会社等、非常にすそ野の広い産業です。これらのメーカーあるいは工事会社等が、安全性と品質の高い原子力製品を提供していくために、また、人材と技術の維持を図っていく上でも、安定した仕事が確保されることが必要なことでございまして、そういう意味で関係者のご支援をよろしくお願いしたいと思います。
 以上でございます。ありがとうございました。
(田中部会長)
 ありがとうございました。
 大橋委員、お願いいたします。
(大橋委員)
 多分いろいろな伏線を含まれての話が今柳瀬さんからあったと思うのですけれども、原子力発電所の建設は、かつては発電量を出す、いいものをつくるということだったのですが、ここ何十年かで随分様相が変わってきているのだと。それは、電気を起こす、いいものをつくるというものではなくなっていると言うと大げさですけれども、もっと違うもので、運転期間を通して見るとか、または開発途上国へ輸出するようなことを考えれば、どういう形でそこの産業を興して、そこの人を育てるかという側面ですとか、国内に関しては例えば高経年化とか規制の問題が非常に複雑に絡み合ってきますから、メーカーさんがいい設計をしていいものをつくるというだけの判断では、原子力発電のプラントを設計、建設ということに多分そぐわなくなってきている、多面的な見方が重要だということが一つ気になるところです。
 2点目は、柳瀬さんのお話の中でも、エクスプレストにはおっしゃらなかったのですけれども、やはりオールジャパンとして何かわかりやすいものを次世代炉に持っていくことになれば、これまでは競争と協調ということで、競争関係によって切磋琢磨ということを重視してきた我が国ですけれども、少しまとまって、何か一つのものを開発していくような姿勢が必要になってくるような気がします。
 それで、先ほど少し申し上げたのですけれども、我々がもし国際的に質の高いものをつくることを目指して輸出ということを考えますと、一つは先進国であるアメリカ、もう一つは開発中の東アジアの国々がターゲットになるのですが、やはりウィン・ウィンの関係というのでしょうか、相手にとってもメリットになるようなことを当初から考えていく必要があるというのが1点だと思います。
 もう一つは、ここ数年の国際情勢を見ていますと、21世紀には、大変残念ですけれども、ナショナリズムが再び出てくるような感じがしていまして、これはイスラム教の問題もそうですし、日中の関係もそうですし、アメリカとヨーロッパの関係もそうなってきていると思いますので、そのナショナリズムに日本が変な形で巻き込まれないという考えとか、または、日本が特定の宗教に固執しないという世界的に極めて珍しい特性を持っている点を生かしながら、どう考えていくといいのかという視点を考えると、個人的には、最近の原子力の合従連衡の傾向を反映して、アメリカに日本の力を注いでいく形によって、ブランドを確立していきながら、その後別のことを考えるのがいいように思った次第です。
 以上です。
(田中部会長)
 ありがとうございました。
 先ほどの齊藤委員あるいは大橋委員の発言に関連して、もし今言ったほうがいいという人がいらっしゃいましたら先に回しますけれども、よろしいでしょうか。――では、神田委員、お願いします。
(神田委員)
 この分析は大変よく行われていて、特に海外の原子力産業が寡占化している中にあって、日本の原子力産業はどういうふうに生き延びるか。
 それで、今大橋委員が言われたみたいに、アメリカというのは結構いいターゲットであって、それに向けて、メーカーだけじゃなくて国も、それから電力界も一緒になってやっていく。特に、4ページの一番下の3行ですが、「海外市場の獲得はメーカーだけでは限界があるため、国が、政府としての意思表明」、確かに中国のときには意思表明していただきましたけれども、「公的金融による支援等、国際展開に向けた環境整備を行うとともに、電気事業者が、メーカーと必要な連携を行うこと。」これは大変本質的なことが書いてあって、これを中国だけではなくて、当面のターゲットであるアメリカに向けても、ぜひともこういう態勢で臨んでいってもらいたいという気がいたします。
 以上です。
(田中部会長)
 ありがとうございました。
 伊藤委員、お願いします。
(伊藤委員)
 今の柳瀬さんのお話の中に、電気事業者の果たす役割が重要だというお話がありました。そういう意味で、電気事業者としてこの原子力発電プラントの分野へのかかわり方をどう考えているかということについて、一言お話をさせていただきたいと思います。
 電力としましては、まずは国際競争力を有する国内メーカーさんがぜひ存在してほしいと思っておりまして、その場合、国際的に見て、世界標準で、しかも汎用性のある技術を開発、保有していることが重要だと考えております。そのために、電力は、ユーザーのニーズあるいはメーカーさんに期待するところを、これまで以上に明確にお伝えしていくことが重要だと考えております。例えばプラント保守の効率性を考えた場合に、メーカー間で異なっている部品等はできるだけ標準化されることが望ましいといったこともありまして、こうした電力としてのニーズを従来以上にきめ細かく出していきたいと考えております。
 それから、加えまして、電力としても関係者の検討にできる限りの協力をしていきたいと考えております。具体的には3点ほど述べさせていただきますが、まず第1点は、当面は来年度以降に予定されております次世代炉のフィージビリティースタディーにおきまして、ユーザーの立場からの優先度あるいは必要とされる仕様の提示といった協力を行っていきたいということです。
 それから、第2点ですが、新規プラント建設の発注だけでなくて、既設プラントにおきましても、将来にわたって、大型改良工事を含めまして一定規模のメンテナンス需要があるわけですので、そうしたものの中長期的な発注の見通しの提示などを検討していくこともできると考えております。
 それから、3点目ですが、プラント輸出に際しましては、輸出先への運転ノウハウの伝授等のニーズがあれば、これは電力として協力できるものと考えております。
 以上でございます。
(田中部会長)
 ありがとうございました。
 関連してご発言はございますか。――秋元委員、お願いいたします。
(秋元委員)
 先ほど大橋委員からも、アメリカへの対応に軸足を置いたような進め方が好ましいのではないかというお話がありましたけれども、まさにそのとおりだろうと思っています。
 まず、日本は、好むと好まざるとにかかわらずアメリカの安全保障の傘の下にあるということですし、その基本に日米原子力協定があり、日本の原子力の行方はアメリカのコンセントなしにはなかなか決められないという現実的な状況があるわけです。そこで、アメリカとどうつき合っていくかということがここ何十年の原子力の歴史であったと思いますし、またコマーシャル的に考えても、アメリカが原子炉100基ですし、それから日本が50基、フランスが50基、この三つがやはり群を抜いているわけですね。地域的にもヨーロッパ、アメリカ、アジアというふうに分かれているわけですし、この三つの国がうまく世界をリードをしながら全体の原子力エネルギーの平和利用の秩序をつくり上げていくのが、一番望ましい方向ではないかなという感じがしているわけです。
 その中で、アメリカが今度GNEPという新しい構想を出してきた。日本も原子力についてはサービスの供給国の側に入って一緒にやってくれという話で、日本政府もそれに対して非常に積極的な対応をお見せになったのは大変結構なことだと思っているわけです。このサービス供給国に組み入れられたということは、今までの日本の長年の実績をアメリカが認めたということでもありますし、これは日本の大きなアセットでありますので、これはぜひとも保持していかなければいけない。
 そのためには、原子力に関して、周りにサービスを供給していけるだけの一定の力といいますか、システムを持っていないと、これは供給される側からも相手にされないということになると思うのです。それは、何も燃料サイクルのおのおののユニットを、全部日本が持たなきゃいかぬということでは、必ずしもないと思うのですけれども、例えば、先ほどお話がありましたように、今後ナショナリズムが台頭してくるとか、いろいろと物資の輸送に障害が起こるということも起こるわけでございますし、いろいろな政治的なリスクもこれから国際的に考えられるわけで、そういったリスクが出てきたときに一定の抵抗性を持てる程度の、あるいは、よその国との競争でバーゲニングパワーを持てる程度のシステムといいますか、一定の規模を持っている必要があるだろうと思っています。
 今日は、この燃料サイクルのコンポーネントについて一々解析していただいたわけですけれども、おのおののセクターによってバーゲニングパワーやセキュリティーを保てる程度が違うと思うのですね。ですから、グループごとの検討は今度も進めていかなければいけないのですが、やはり常にシステム全体として、日本がサービス供給国として少なくとも最低の条件を保てる。そして、ほかの供給国とも国際協力関係が築けるようなことが、コマーシャルな、民間の事業という視点に新たにつけ加えねばならない。国全体がこれから原子力に軸足をおいていく上での大きなポイントだろうと思っていまして、ぜひともその面での政策的なリードをお願いできれば大変ありがたい、そういうふうに思っております。
 以上です。
(田中部会長)
 ありがとうございました。
 植草委員、お願いします。
(植草委員)
 きょうの資料は大変よくできていて、私ども大変勉強になり、ありがたいと思っています。
 ごく簡単に3点申し上げます。第1点は、きょうの1枚紙でありますけれども、原子力産業の全体像というときに、私はこの真ん中に原子力発電所、電力会社がなければ、この産業の本質がわからない。電力会社が電気を売って収入を得て、これらの産業に全部血となって流れていくわけですね。したがって、原子力発電所というのは心臓部でして、この心臓部を真ん中に書かないと、この産業の本質がほとんど語れないということになります。
 せっかくつくられたのに、何かいろいろ言って申しわけないのですけれども、第6番の成形加工したペレットは、プラントメーカーに行くんじゃなくて発電所へ行くものですから、この図は少し修正していただきたい。
 第2番目は、今関連したところでありますけれども、この第1回以来の議論を振り返ってみて、原子力産業全体を強化していく、国際競争力を強めて海外への展開もしていくということが一つの大きな主張になってきていますが、これまでの日本の原子力産業全体を見ていくと、やはり電力会社がリードしてきたわけですね。発注も多かったわけです。これからはそんなに多くありませんけれども、発注はかなりある。それを通じて原子力産業全体に多くの血が流れるわけです。
 今後の、新たな原子力産業を展望するとき、もう一度電力会社がこの中で主導性を持つべきだと思うのです。きょう伊藤委員からもお話がありましたし、これまでに何回か築舘委員、伊藤委員からお話がありましたが、全体として、電力会社の原子力産業全体へのコミットメントが弱いと私は思います。そういう意味で、どういう形で電力会社が今後コミットしていくかについて、もう少し明確なものを出していくべきだと思います。
 3点目は、海外においてこれほど寡占化が進んでいるわけですから、国内の原子力産業全体の構造を、寡占体制に持っていくとか、その他強化するためにはどういう体制にしたらいいかという議論をきちんとすべきだと思います。
 以上です。
(田中部会長)
 ありがとうございます。
 関連して何かございますか。――また後ででもいただいて、次に佐々木委員、お願いします。
(佐々木委員)
 まず、今ご意見がございましたが、私も本日の資料は非常によくできていると思います。
 というのは、どういうことかというと、まず資料でも非常にわかりやすいように、「原子力産業」と一口に言うけれども、いろいろな内容があるということが非常に明らかに示されている。特に、ここでは各論部分にあるように9個のいろいろな分野がありますということをまずうたっている。それを土台にして、前半部分においてそれを三つに類型化していますよね。第1の部分がいわゆる「戦略的に非常に重要な分野」というもの、それから、第2の部分はそれを「バックアップ(支えていく)していく分野」というものが第2項目に示されている。それから、第3番目に「資源」の問題というふうになっていて、今はその中の一番重要な部分である「戦略的な分野」の中でも最も重要な原子力プラントメーカーの話に焦点があてられているというふうになっているわけですね。そういう意味で、非常にわかりやすいというか、よくできている資料だと思います。
 まずそれを申した上でいくつか申し上げたいのですが、私は、本日の資料の中で特に印象的というか刺激を受けたのは、一つは、国内はともかくとして海外において、輸出の面での我が国の原子力プラントメーカーの実績が乏しいというか、ほとんどないということですね。これが第1点。
 それからもう一つは、アメリカのごとき、あんな大きな国でもメーカーは1社というふうにしぼられてきているのに、23ページですか、我が国は3社ある。このあたりのところをどういうふうに、特に海外への輸出、今後のことを考えた場合にどうなのかといったときに、本日の資料の4ページですか、どういうふうに今後やっていくべきかという「具体的な方策」が書かれているのですが、その中の特に6番目、ここのところで、先ほどの事務局のご説明では、我が国においてはどの企業とどの企業が「ひっつくか」とおっしゃったのですか、そういうアプローチではなくてということをおっしゃったと思うのですが、私は逆ではないかと思うのですね。我が国では3社も必要かと思うのですよ。だから、3社の原子力分野を一本化するような、そういうアプローチがむしろ必要なのではないか。それの音頭を国がどうとるか。もしこれが、この分野は「普通の企業」とは違うと思えば、いわゆる独占禁止法等々で律するというよりも、それの例外みたいな感じでやっていくぐらいの意気込みが今後は必要なのではないかと思います。
 そうでないと、東芝がウェスチングハウスの原子力部門を買収するというニュースが近頃ありましたが、あれについて、アメリカ政府が承認したというかオーケーしているわけですね。逆に、よりうがった見方をすれば、そのことはむしろ、日本の今後のこの分野の力を、そのことによってそぐというためではないのか。そういう見方もないことはないのじゃないかなというふうに思えるぐらいのものです。
 以上です。
(田中部会長)
 ありがとうございます。
 難しい議論もありますが、関連してもしなければ、木場委員、お願いできますか。
(木場委員)
 私も今回の資料は、素人ながらよくわかる資料でした。ありがとうございます。
 ご提案のさまざまな原子力産業への支援策については、ぜひ推進をしていただきたいと思います。国が明確な目標を示すことで、原子力業界をエンカレッジしてリードしていくべきだと考えます。そして、その支援の前提となりますのが、何度も申し上げておりますが、原子力そのものへの国民の理解を高めることだと思います。そのことがあって初めて、原子力産業を活発化させることができると思うからです。
 私ごとですが、年末に青森県下田でコジェマ六ヶ所の社長さんにインタビューをする機会がございました。フランス国民の原子力産業のとらえ方に興味があってインタビューをしたわけですが、時間がないので印象的なことを一つだけ申し上げますけれども、その中で、「フランスの社会においてあなたの会社はどのぐらい知られていますか」という質問をいたしました。これに対し社長は、「大人なら大抵の人は知っているだろう」とお答えになりました。さらに、ちょっと意地悪な質問なんですが、「ではお子さんはあなたの会社をどのぐらい知っていますか」と聞きましたところ、「小学生はちょっと難しいけれども、中学生なら半分は知っていると言うと思う」と、ちょっと憎らしいぐらいの自信にあふれたお答えをいただいた次第であります。
 つまり、産業を活発化させていくというのは、だれもがその産業を知っていて、主要な会社の名前もわかる、そういうことが必要なのではないかと思います。そういったことが、そこで働く人々の誇りにもなりますし、モチベーションを高めるのではないかと考えます。
 そのためには、さまざまな施策について具体的な数値目標を示す。例えば国産技術で需要の何割かを担う必要があって、何年までにはこれくらいの需要を担うといった数値目標を明らかにしていくことも必要ではないかと思います。特に核燃料サイクルの事業というのは、残念ながら国民にはちょっとなじみがなさ過ぎると思われるところもございますので、そういう施策を具体的な数値で示して国民に伝えていくことで、その事業にかかわる人材も、自分たちがそういう重要な数値目標を達成するために頑張っているのだ、そういう使命感にもつながるのではないかと私は考えます。
 資料の中では、数値目標が書いてあるものもありましたが、例えばもう少し大きな目標を掲げてみるとか、書いていないものについては速やかに検討して、元気が出るような目標を国民や事業者にも示していくことが大事なのではないかと思います。今後は、この資料で「求められる対応」と書いてあるところの検討の促進を願っております。
 以上です。
(田中部会長)
 ありがとうございました。
 河野委員、お願いします。
(河野委員)
 原子力部会というのは随分長い間やっているのですよね。私は全部出ているわけではもちろんないのだけれども、かなり長いほうなんです。僕の記憶では、原子力部会でこれだけ包括的な原子力産業論が出たのは初めてなんです。よくぞ今の担当者がまとめてくれたなと。力作だと思いますよ。それが第1。
 第2は、日本のプラントメーカーの話。個別のメーカーはそれぞれ長期的な戦略でやってこられたと思うが、最近の東芝の行動によって、何か話ががちゃがちゃになっているような気がする。簡単に頭の体操みたいに1本になったらどうだといったって、なかなか始まらない。それよりも、この3者間でもうちょっと、皆が落ちついたら、現実的にトップの間で全体の戦略を、お互いにどういう役割を持ちながらやるかということを話してもらいたい。我々が外から見ても何もわからないから。そこに突っ込んだことを言うのは僣越行為だと思っていますからね。
 それから、このペーパーで一番重要なのは、4ページの最後、7の項目で書いてあることですよ。とにかく10年間でそこそこの台数をつくりましょうね。さっき齊藤さんが言ったけれども、メンテナンスだって随分仕事があるぜと。地震関係でこれから増えるかもしれない。だから、メーカーには随分仕事がある、しっかりやってくれという話でしょう。それはそれでいいのです。しかし、それにしても、この部会の基本的なテーマの一つは、10年か12~13年の間に何ぼぐらいできそうか、お互いに努力して。役所と電力がお互いに共通の理解を持ってという話でしょう。どうやらある方向で収れんしつつあると思うから、ここで細かいことは言いませんけれども、それがやはりベースであることは間違いないですね。それがあまりにもうまくいかなければ、それはまた別の問題が発生しますよ。だけれども、それは大人の会話としてやるわけだから、そんなことはないだろうと思っています。
 2番目に、これから対外戦略に打って出るというわけでしょう。日本では、石油の開発、天然ガスにこれから大いに出てくる。今でも出てくるが、これから大いに出てくる。ついては、古い言葉でちょっとあれだけれども、資源外交的なものを復活する。まじめに国も表に出てくる。そういう必要があると思っていて、それはほとんど認知されつつあるわけだ。
 原子力について、国際的な展開のために国が相当程度腰を入れてやるよというのは極めて重要だと思っている。ただ、アメリカに出るのと、中国とかほかに出るのとは違いますからね。それこそ中国その他に出るときには、全面的な国のバックアップがなけりゃ、うまくいきませんよ。他国では国のトップがやっている。当たり前のことを当たり前に平気で、何も肩に力を入れて資源外交だということはないけれども、そういうことをやるという決意があれば、道は開ける可能性がある。
 以上、2点です。
(田中部会長)
 ありがとうございました。
 次に、山名委員、お願いできますか。
(山名委員)
 私は技術者の立場から、我が国における原子力技術産業の存在意義とは何かというのを考えますと、私の立場で考えると、しっかりした技術力を持った技術者が日本に安定的に存在し続けること、技術が継承されること、その人たちが社会の一部として日本の原子力を安全に維持していこうという文化があるという状態なんですね。それと産業の存在を考えますと明確でありまして、技術者を雇用する間口がないと、技術者は霧散してしまうわけです。ほかの業界に行ってしまいますし、下手をすると外国に行ってしまうかもしれない。ですから、はっきりしているのは、やはりしっかりした技術者の流れを日本に置いておけるような産業体制がないと困るということなんですね。そのために、当然新規建設の目標が必要であろうと私は思います。
 そのときに、今までの議論で、国内プラントの話と海外に打って出る話が混在して議論されますと、非常にわかりにくいと思う。なぜかというと、国内にプラントをつくるというのは、やはり国内で標準化を行うとか、型式認定に持っていくという規制側の合理化を持っていく、共通に品質保証をしよう、技術者を有効利用しようという国内での統合的アプローチができるものであるはずなんですね。そのために、次世代軽水炉の研究開発を経産省のリーダーシップでスタートしているという解釈であります。
 海外輸出の場合、私は経済の専門家ではないのですが、今の我が国のコスト力というのですか、コストの競争を海外のプラントとやったときにどれぐらい競争力があるかというのは、かなり厳しい話だと思うのですね。先ほどのアメリカと結託してやるかというようなことが具体的な案になってくるのですが、そのときに一番怖いのは、コストダウンというものが最も重要な目標になってしまって、例えば部品をつくるのも日本ではなくて海外で調達する、日本ではエンジニアがデザインだけをするというような空洞化的なビジネスが国際競争の段階で起こってこないか。これは単なる資本提携では話になりませんし、やはり私が言ったように、国内にしっかりした技術者を継続していけるような国際的な打って出る方式を達成していかないと、これは単なる資本の話になってしまうような気がするのです。
 原子力というのは最も総合的な技術力を必要とするし、非常に特殊な品質管理を必要とする。特に我が国は、部品一つをつくるにしても、我が国には非常に高度な技術があった。品質を保証するという高い土台があったのですね。これをなくしてしまったら、日本の技術力は空洞化してしまう。これが一番怖いということです。
 これには当然技術倫理という話も入るし、安全文化というものも入るわけです。そのためには、原子力技術者が国内で社会の一員としてきちんと生きている状態を維持するということですから、私の大学の立場からいうと、しっかりした学生を受け入れてくれる産業を国内に持ってくれ。そいつらが入っていく限り日本の原子力は大丈夫だ、こう言いたいわけですね。そこまで言うとちょっと冷や汗をかくのですが、いずれにせよそれが目標である。若い技術者がどんどん入っていって社会を支えていく、その体制をつくってほしいということなんですね。
 ですから、国内にプラントをどうやっていく、それから海外に打って出る、それから技術者をどう維持する、技術継承をどうする、安全文化をどうする、そういうものはすべてリンクしているので、そこをよく産業界の方は総合的にご判断いただいて、産業の戦略に打って出ていただきたいと思うわけです。
 以上でございます。
(田中部会長)
 ありがとうございました。
 続きまして、末次委員、お願いします。
(末次委員)
 山名委員、河野委員がおっしゃったラインと大体同じだと思いますけれども、今原子力産業全体としても、あるいは中核になるプラントメーカーの戦略展開も大きな曲がり角に立っていると思います。その曲がり角に立っていることは、事務局からのプレゼンテーションによく盛り込まれているので、時局認識はこういう部会が行われて一歩前進したと思います。
 ただ、どういう選択をするかは大変難しい問題があって、よほど国民的な論議をする必要があるのじゃないかと思う。今後10年あるいはそれプラス年の次元ででも、日本の国内に十数基の軽水炉の発電機が建つ。このマーケットは、世界的に見たときにそこそこのものではないか。これからの技術開発や原子力産業の展開、企業の展開に当たっても。やはり基本的には国内市場が基礎。国内市場によりすぐれた安全性、環境性もよく、いろいろなパフォーマンスのいい世界第一級の炉を提供し、国内市場を確保するということにメーカー、産業の使命もありましょうし、その線に沿って生き抜けないということは恐らくないだろうと思うのですね。
 しかし同時に、国際市場が展開してきているということもあります。25ページの表は大変意味深い表だと思います。国内に五十何基か、日本がこれだけつくって、日本人が誇りにしているABWRとかAPWR、こういう炉は世界ナンバーワンのブランド、それだけの実績があるはずだと思うのですが、現在の国際市場の展開のリストを見ても、どこかの国で明確にコミット、つまり明快にそれを使おうという選択をしてくれているのは、この表に関する限りはまだない。ここに恐らく東芝がウェスチングハウスを買収に出たり、あるいは、同じ入札に日本の関係各社が集中するということの理由があると思います。しかしリプレース需要が次に来る、これも日本国内ユニットとしては非常に大きな市場だと思います。
 こういうターゲットと宿題、課題がある中で、国際ブランドを手に入れるための国際展開をする。なぜなのか。国際市場をとるためには、今既に実力の評価でいえば我々は世界一、世界一流のレベルに達していると思っているABWR、APWRが、世界の市場での勝負ではそういう評価が受けられていない。だから、ウェスチングハウスのブランドを借りると言っては語弊がありますが、それを使って、国際戦略を展開したほうがいいという状況になっている。日本の原子炉のサブスタンスは一流の力があるはずで、この間のアメリカとのワールド・ベースボール・クラシックじゃないですけれども、一流の力はあるのですね。しかし、それだけの評判が立たない。それはなぜか。
 やはり国際商戦というものは、濃縮ウランの供給力があるだろうか、ないだろうか。再処理、あるいは中間貯蔵、そういう核燃料サイクルサービスを提供している国なのかどうか。そういう国の炉なのかどうか。あるいは、日本から炉を買えば安全保障上の役に立つような外交的なサービスが確保できるという計算が成り立つのかどうかがからむ。つまり、純産業力以外のファクターで国際市場では評価がされるという状況があるわけで、さて、どうしようかということになる。炉以外の周辺的な力も、これから国と民間産業挙げて世界一流になるまでのしあげていこうというターゲットでいくのですか。この選択は大きいと思います。一番大事なことは次のリプレース炉、次世代炉の開発について、世界一の品質を具現すれば、国際市場もついてくるということでいけるのかどうかですね。この辺は産業構造のあり方、企業経営の戦略展開をめぐっても大変関係するところがあるので、やはり腹を決めないと、これから先の展開が効率的にいかないのじゃないかという感じがしてしようがありません。
 特にリプレース炉、次世代炉の開発については、外国のブランドを活用しながらでも世界展開をしたいという状況なので、ともかく世界一の実質的な次世代炉をつくらなきゃならない。そういう課題があるのに、BとP二つの炉型でそのまま次世代炉の開発にかからなきゃいけないだろうという見通しがある。一つにしぼらなくていいのだろうか。多額のR&D費用と何十億ドルの資金を外の企業の買収に使わなければならない状態で、十分なR&Dコストを留保できるだろうか。この辺のことを、我々はもっとよく考えるべきではないかと思います。
 これについては電力業界も、徹底した標準炉をこれからつくっていくということについて、メーカーとの対話が必要になると思いますし、それは産業構造の展開にも大きく影響すると思う。この辺については、折角原子力部会の場をつくっていただいたので、レビューができる機会が与えられたのは非常にいいことだと思うけれども、これ1回では終われない話だなと思います。
(田中部会長)
 ありがとうございました。
 末永委員、お願いします。
(末永委員)
 先ほど4ページまでのご説明があって、あとはまたあるのかもしれませんが、もうご発言されている方々はもっと全体的なことをいろいろご発言されていますので、あまりこだわらなくていいのだろうと思いましたから、また時間がなくなってしゃべれなくなったら困りますので、ここでしゃべらせていただこうということです。
 2ページの基本的な考え方ですが、これに関しましては、その考え方あるいは方向性については、基本的には大変同意できることであると思います。これは皆さん方が言っているとおりだと思います。ただ、先ほど山名先生もおっしゃいましたけれども、実は私は、これはあしきナショナリズムかセクショナリズムか知りませんが、例えば国際競争力を有するものにしなきゃいかぬ、あるいはそれを持続的にやっていかなきゃいけないという場合に、もう少し具体的に考える必要性があるのじゃないかということを思うのですね。
 例えば、ご承知のとおりだと思いますが、核燃料サイクル政策というものは、これまで国内の自主性の確保を目標としてきている。そういう中で、再処理事業あるいはウラン濃縮の規模というものは、国内の需要を見通した上で立てられている。その結果として、例えば海外の事業者とのスケールの差、そういったものがある。その結果、我が国の事業者にとっては不利になっているということもあるわけです。また、これはこれからの問題で、JCOの事故が大きな原因でありますが、それによって、現在においても再転換に関しましては必要規模のものがまだ整備されていない。これは資料にあるとおりですね。こういうことが、今後の国内の濃縮事業等の規模を拡大していく上でも、多分制約の条件にもなってくるのじゃないかということを思います。
 さらには、3番目としてですが、我が国において、特に核燃料サイクル分野で国際的な視野に立ってやっていこうというときに、どうしても国内需要に対する対応というものが既におくれているのじゃないかと思いますと、今1番目と2番目に挙げましたようなことからしても、やはりまだまだ国内の問題を十分に考える必要性があるだろうと思うのですね。
 たしか第3回目か4回目でありましたが、これは揚げ足取り的になって大変恐縮ですが、国際的なものを、バスに乗りおくれてはならないというふうな議論がありましたけれども、私は個人的には、確かにバスに乗りおくれてはならない、グローバルな視点から当然国際的なさまざまな動き、グローバルなそういう動きを十分勘案しながら進めるべきだろうと思うのですが、まずもって国内の事業、事業者、そういったものを強いものにしていくことがなければ、やはり国際的な展開も不可能だろう。つまり、国際的な競争力を有することはほとんどできないのじゃないかということだと思います。
 では、どうすればいいかということでありますが、大変難しいのですけれども、そうしますと、やはり国あるいは事業者といった関係者が、現状において国内がそれぞれの業種でどういう現状にあるのか、あるいは、現状における国際競争力はどの辺なのかということを十分に検討して、これから目指すべき目標、あまりがっちりとしたものでなくてよろしいのですが、やはり目指すべき方向としてはどこまであるのかということをかなりきめ細やかに、しかし、事業者を縛りつけるものであっては決していけないと思いますが、業種ごとにきちんとした目標をシステマチックに立てておく必要性があるのじゃないかという気がいたします。
 それでなければ、一方においては国際競争力といいながら、国内の事業者等々にとって不利なことをやっていては、あるいは、研究等もそうでありますけれども、これはやはり育っていかない。いつの間にか何となく国際競争力すらも失われていくということになると思います。
 そういうことを考えていきますと、これは原子力政策大綱、私も作成会議のときに末席を汚しておりましたが、そこにおいては、原子力発電は今後、たしか2030年以降も総発電電力量の30から40%という、現在の水準程度かあるいはそれ以上の供給割合を目指すことが適切という形で明確に示されておりましたが、事核燃料サイクルの分野に関しては、それは示されなかったのですね。これは示すべきではなかったかもしれませんし、あるいは性格上そうだったろうと思います。ただ、この原子力部会におきましては、その原子力政策大綱の、ある意味では方向性を十分に吟味しながら、この核燃料サイクル分野に関しても、同じようなといいますか、そういう方向で一定の目標を、私はここで設定すべきじゃないかなという気がしております。
 その上に立って、例えばそれぞれの事業者、あるいはもちろん原子力機構等々が持っているノウハウ等も含めまして、そういったものがうまいぐあいに承継されていくのかどうか。あるいは、俗に言う役割分担の中で、これもFBRのときに若干議論があったと思いますが、私はたまたまそのときは飛行機の都合で来られなかったわけですけれども、やはり国の費用をどこまでにすべきなのか、その辺はきちんとした措置が必要だろうということは改めて強調したいと思います。
 以上が私の雑駁な意見でありますが、そこで、若干質問ということで恐縮ですが、今後、例えばこの原子力部会等々において決定された方向、そういったものがどのような形において推進されていくのか。あるいは、そういったものをどのような形でチェックあるいはフォローアップしていくのか。そういったことは今後国としてはどうされていくのかということです。それをお聞かせいただけたらというのが最後の質問です。
 以上です。ありがとうございました。
(田中部会長)
 ありがとうございました。
 質問については後でまとめてお答えいただくとして、最後になるかもわかりませんけれども、もう1人、杉江委員、お願いします。
(杉江委員)
 先ほど木場委員が国民の理解ということに言及されまして、その関連で発言をしたかったのですけれども、部会長と視線が合わなかったものですから、この場で最後にとってつけたような発言をさせていただきます。
 もしかしたらここの文案の中にも国民の理解等ということがどこかにあるのかもしれません。私がさっと見た中ではなかったのですけれども、これは言うまでもないという意味でないのかなと好意的に解釈しています。
 言わずもがなのことかもしれませんけれども、例えばメーカー、電気事業者、国、資料1-1の4ページにございますが、私の思い描くイメージとしては、この3者は、二次元の世界でいえば正三角形を構成する。二等辺三角形ではなく、適当な緊張感も持って正三角形を構成するのかなと。そこへ国民の理解を得てということを考えますと、三次元的にいうと正三角錐なのかなというふうに思います。
 どう転んでも国民がどこかの1カ所に、一つの頂点にあるという感じで、そういう中で国民の理解、信頼、同意、あるいはサポートというものを得ながら、戦略的に、時には戦術的に進めていく。その場合に、やはり国民――これは電力、電気の消費者といってもいいですし、家庭といってもいいですし、企業でも商店でもいいのですけれども、国民サイドのことが常に理解、同意等が得られていかなければいけないなということを強く思いまして、そのイメージとしては、先ほど申しましたけれども、正三角錐のイメージを私は描いております。
 以上です。
(田中部会長)
 ありがとうございました。
 あと2人挙がっていますが、内藤委員あるいは齊藤委員、どちらが先がいいですか。では、内藤委員、お願いします。
(内藤委員)
 基本的には皆様のおっしゃったことと同じで、日本が3社、海外が寡占という中での産業体制整備というものを関係者全員が本当に真剣にやっていただきたいということに尽きます。
 そのためには、国はもっと積極的な旗振りをされればいい。それから、電力会社の方々は、ユーザーとして積極的にそれをぜひ購入の点からお願いをしたい。それからもう一つは、世界でいろいろ考えますと、資本市場の活用というものが非常に動きがあります。それで、今まで想定していた以上のことが可能であるということで、その手法についてさらに検討していただきたい。
 そういう中で特にお願いしたいのは、プラントメーカー3社が国益を思って本当に世界で競争力のある産業に集約をするという原点に戻っていただきたいということであります。そんなことを申し上げますのは、私は実情は知りませんけれども、新聞情報で見る限りは、A社はウェスチングハウス、C社との関係が出た後で、引き続き絶対に深めるのはGEだと言い、それからB社は、買収のいろいろな議論があったということで、ウェスチングハウスの関係特許を別に使うと言い、C社は自分が買ったのだと言い、そういうことで、新聞報道が本当だとすれば非常にホットな状況の中で、なかなか話が進まないのじゃないか。したがって、そこをやはり第三者、先ほど申し上げたような方々が集中的にやらないと、時間がかかるのではないかということが一つであります。
 それから、私は一本化すべきだという理由は、今のように海外に縦系列になっていくということになると、半導体の失敗を繰り返すことになるということで、結局日本がばらばらになるということであります。
 そういう中で、特に私が申し上げたいのはコストダウンであります。コストダウンという点から見ると、原子力発電の場合にも、それぞれ規格が必ずしも統一されていないことの差が大きいということで、まさに一本化することによって標準化が徹底でき、コストダウンができる。
 それからもう一つは、受注のやり方であります。今、いろいろなことでプラントの受注が新聞報道をにぎわしております。私自身が体験したということでありますが、本来であれば乙社で落ちることになっていたのを、甲社を担いで受注をとったわけです。そうしたら、それをおりろということで大変なことがありまして、さんざんにもめにもめた結果、最終的にどうなったかといったら、私が担いだ会社が落としていいかわりに、落とすべきであったところは、本来落とすべきでないところから3倍の受注を移すというのが実態でありました。
 要するに、標準化し、受注のやり方を変え、徹底的にコストダウンするということをやらなければ、コスト競争力を持って海外との受注には勝てないという甘さが日本市場にはあるということを、私は商売で本当に体験をしたものですから、そういう形のことをお願いしたい。ということは、先ほど申し上げました、3社が国益を思って国際的に本当に勝つことによって、長期的に見ればウィン・ウィンになるという意識の統一をお願いしたいというのがお願いであります。
(田中部会長)
 ありがとうございました。
 井川さんから手が挙がっていたかと思いますけれども。
(井川委員)
 済みません、さっき齊藤さんが挙げていたので、その後かと思っていました。ありがとうございます。
 皆さん、この資料はとてもよくまとまっているとおっしゃるので、またあまのじゃくなことを、私はよくわからないところが実はいっぱいあったということを言いたいなと。ただ、全体としてざっくり見れば、国内外で原子力産業が一定の力を維持していくのは重要なのだろうな、それはおっしゃるとおりだろうけれども、これを見る限り、国が――それで、書いてあることは、国と電力事業者の方とメーカーの方が、仲よくというか、力を合わせて維持していってほしいねということが書いてあるだけだと思うのです。
 しかし、問題は、国が協力するとおっしゃっているのは、それはそうなんですけれども、そうだとすれば、先ほど国民の理解がという声もございましたが、これを見ると、原子力産業の方が原子炉をどういうふうに、原子炉をつくる産業というものをどういうふうに維持していこうかというのがほとんど書いていないのですね。
 よく原子力産業の方に聞くと、原子炉をあちこちにつくればそれはもうかるのだろうけれども、そんなのは無理だから、ほかのことを考えたほうがいいのじゃないですかと僕が言うと、いや、原子炉をつくらないともうからないのですというふうにすごくわかりやすい話をしてくれるのだけれども、これを見ると、どこで何個つくって、どのくらいもうかって、どうするのかというのはさっぱりわからないし、メンテナンスじゃもうからない、あるいは、部品を専門的に供給するような産業形態にすると、それもやはりもうからないとおっしゃるけれども、それが本当にどのくらいもうからないのか、どういうことなのかもよくわからない。
 そうなると、むしろ、これは国が協力するというわけですから、国もなるべく原子力産業の方に、一般の方に理解できるような説明をするように、これはちゃんと言ってもらったほうがいいし、原子力産業の方も、やはり国民になるべく説明したほうがいい。というのは、国内外に展開するのはもちろん重要ですけれども、国外に展開するとなると、これは原子炉ですから、いろいろな政治的な問題であるとか安全上の問題が発生するときに、それがひいては日本人全員に影響がかかわってくることがあるということを考えなきゃいけないなと思う次第なんです。
 そういうことを考えると、国が一丸になってやるのであれば、原子力産業の方も、これを見るとあまりはっきりしないし、なおかつ、申しわけないのですけれども、先ほどの齊藤委員のお話を聞いていても、実は具体像がよくわからなかったので、できる限り具体的に、もちろん商売ということがあるので、何でもかんでもしゃべれるというわけじゃないでしょうけれども、なるべくわかりやすいように原子力産業がどういうところを目指しているのかというのを、ぜひとも説明を今後とも力を入れてやっていただけたらなと思う次第なんです。
 もちろん、国外で展開するということは、エネルギーのセキュリティー、あるいは地域のエネルギーの安定、あるいは地球温暖化問題等々、原子力が展開するということは、日本の原子力産業にとって、ある意味もうけでもあるのでしょうけれども、日本の産業界としての一種の国際貢献でもあるということで、それは貴重な意義は感じるわけですが、やはりもう少し具体的に、わかりやすく産業界も説明しないことには、これは国民的な支持が得られるのかなというのはちょっとクエスチョンで、この資料でもそこら辺がまだ課題なのかな、今後ともそういう説明をよくやっていただければなと思う次第です。
(田中部会長)
 ありがとうございました。
 最後になるかもわかりませんけれども、齊藤委員、お願いします。
(齊藤委員)
 各委員からいろいろなご意見、コメントをいただきまして、ありがとうございました。
 必ずしもすべてにお答えできないかと思うのですけれども、まず一つは、個別企業の経営戦略あるいは商売の話というのは、この場の議論ではないということで、控えさせていただきたいと思います。幾つかお話の出た中で、私の承知する限りでお話しさせていただきますと、一つは、世界で寡占が進んでいるという点です。これは事実としてこういうことになっておりますが、これはなぜかといいますと、やはり1980年代以降、世界でプラントの建設がなく、日本しかなかった。中国とか韓国は一部ありますけれども、今問題にしているようなマーケットでは建設が一つもないわけでありまして、したがって、当然のことながら企業は生きていけない、その中でこういったことが起きたという事実だと思います。
 日本の場合は、先ほどからご説明がありますように、国及び電力会社さんの計画によりまして、仕事が安定的に確保できたために、今の時点で技術あるいは人材の面で健全な事業を維持できているということは大変ありがたいと思っております。そこで、今後のことがこの原子力部会の議論でもあるのですけれども、今後とも一定程度の仕事が確保できますと大変ありがたいと思っているわけであります。
 それからもう一つは、話がいろいろ出ますけれども、日本の原子炉のブランドというものがどうしてできてこないか、という点です。これは、先程申しましたように日本のABWR、APWRの開発を、20年近く前にスタートしたわけですけれども、当時からずっとここまで、海外にはマーケットがなかったわけでありまして、出ていこうにもチャンスがなかったということであります。
 それともう一つは、型式というものをブランド化する仕組みが日本の場合に欠けている、という点があげられます。アメリカでは、デザインサーティフィケートといいまして、建設する前に原子炉の型式として、こういう原子炉で、一定程度の基準を満たす原子炉ですという設計承認をとる仕組みがあります。日本の場合も、そういった仕組みがないと、これが日本の何とかという炉ですというふうになかなかならないわけで、今のままいきますと、アメリカの設計承認に日本の炉を申請して、それで認可していただかなきゃいけないという形になるのかと思います。ABWRの場合もGE社がアメリカの設計認証をとりましたけれども、当時我々は海外ではマーケットがありませんので、そういったニーズもなくて今に来ているというのが実態だと思います。
 それから、あわせて国際競争力という話が出てきましたけれども、ABWRについては20年前に開発をスタートして、実はこれは、現時点でいわゆるジェネレーション3を超えるといいますか、ジェネレーション4と言われているのが高速炉主体でございますけれども、このジェネレーション3が従来の軽水炉とすれば、ABWR、APWRはそれを超えた、現時点では世界トップの原子炉システムであります。ただし、今言いましたように、かなり昔のニーズで開発をスタートしておりますし、経済性といった面で海外炉と戦えるかという面では、不十分な面がありまして、現在の情勢から見ますと、経済性とか資源の有効利用性といったことをとことん突き詰めた新しい炉、この発展型のジェネレーション4につなぐ軽水炉が必要ではないか、と考えています。
 それが、次世代軽水炉ということで今お願いしているものでありまして、これをフィージビリティースタディーの中で、これらは今海外が慌てて、ABWR、APWRを超えるものということでAP1000とかESBWRをやっておりますけれども、これらをさらに超える、日本の技術でこれらに打ち勝つような原子炉システムを開発しなければならない、それを日本のブランドとして、世界の市場に通用する競争力を持つような原子炉システムをつくりたい、そういうふうに考えているわけであります。
 現時点で急にアメリカの市場等が立ち上がってきているのですけれども、これにどう対応するかということにつきましては、個別の議論は差し控えさせていただきますけれども、日本の各社がアメリカのパートナーと組んで、むしろ今日本が新しい炉の中核的な技術を担当しないと、なかなか原子炉が開発できないという状況でございますから、日本各社がそういう形で、アメリカの市場も含めてこれからは活躍しようということで、いろいろ個別の動きがあります。
 それで、河野委員からもお話がありましたし、各委員からお話がありましたが、最初にお話し申し上げましたように、日本の各メーカーは、原子力産業あるいは特に原子力発電プラントの重要性ということ、社会的な使命、責任を十分認識しておりますし、きょうの説明にありますように、これからの時代、日本の中だけではなくて、国内外を問わず、その連携の相手企業や分野、形態等を戦略的に検討し、率直な意思疎通を図っていくということで、今後ともその使命を果たしていけるように行動していきたい、事業活動をしていきたいと考えているところであります。それ以上具体的な点につきましては、個別企業の経営戦略ということでご勘弁願いたい、そういうふうに思います。
 以上でございます。
(田中部会長)
 ありがとうございました。
 事務局から何か今のところで、質問に対する答えはございますか。
(柳瀬原子力政策課長)
 幾つかいただいた質問のポイントだけ申し上げさせていただくと、まず、国内メーカー三つを一つにということが先にあるというお話がありましたけれども、原子力の世界は、世界的にもヨーロッパとアメリカが国境線を越えていろいろ合従連衡が進んでいるのを見ていただいてもわかるように、単純に国境線の中だけでくっついて規模を大きくすればいいという世界でもないものですから、それで、4ページの一番上に書いたところで佐々木委員がおっしゃったのだと思いますけれども、三つをただくっつけても、それでどこに売ろうとしているのですかというのもなく、ただくっついてボリュームだけ大きくするというのは、競争力上はむしろマイナスになりかねないので、まず先に、どういう炉で勝負をしていくのか、どこのマーケットをねらっていくのかというのがあって、それを実現するにはどういう組み合わせがいいのかという順番で考えるべきではないかと思うわけでございます。
 それから、末次委員のおっしゃった、大きい分岐点で海外マーケットをとりにいくときに、サイクルサービスを提供する、安全保障の政策パワーを動員するということのご指摘がありましたけれども、まずは、この1年ちょっと、海外マーケットについては随分日本政府は方針転換をしたのだと思っていまして、それまでの、ビジネスの話でしょうという比較的ニュートラルな立場から、割と旗幟鮮明にして日本の原子力産業の国際展開を支援するということで、実際に、一つは中国に関しては、政府としての意図表明をいたしているわけでございますし、今回、これから出てくるインドネシア、ベトナムというところについては、国の顔が見えるようにということでございますので、予算も来年度の予算を新規にとりまして、そこに支援するということを手当てしているわけでございます。
 ただ、だからといって、フランスやロシアがやっていることを全部やるべきかどうかというのは別の議論だと思ってございまして、例えば、今末次委員がおっしゃったようなことをいえば、そういう途上国で発電した使用済み燃料を日本で引き取って再処理するのかということについては、むしろ今国内でやっているそういうサイクル事業をきっちりやっていくのが先であると思っていまして、地に足がつかずに理念だけで、フランス、ロシアでやっているからといって日本で同じことをやるというのは本末転倒で、日本の核燃料サイクル自体を壊しかねないと思っていますので、やれることをきっちりやっていくということではないかと思います。
 それから、末永委員のご質問のサイクルについては、この後議論していただければと思います。
 それから、原子力部会で決めてきたことをどうやって実施するかということですけれども、原子力委員会の策定会議でやっていただいた大きい目標の実現策をここで議論していただいているということでございますので、今ここで具体策を議論していただいて、例えば次世代軽水炉の開発、あるいは現場の技能者の人材育成、インドネシア、ベトナムへのノウハウの支援といったことで、ここでそれなりに固まりとして出てきたものは、既に予算要求あるいは制度改正などの手当てをしているところでございますし、これから最終報告に向けて、まとまったものは随時政策として実現していき、まとまったところで原子力委員会にもご報告をして、今後の原子力委員会の議論にも反映していただくという予定でございます。
 以上でございます。
(田中部会長)
 ありがとうございました。
(齊藤委員)
 すみません、ちょっと一言よろしいですか。
 経済性の議論ですが、先ほどの説明でちょっと誤解を与えると困ると思うのですけれども、実際に建設単価などの数字が、いろいろなところから情報が出ておりますし、OECDの資料とかで一般的には日本の建設単価が非常に高いという数字がひとり歩きしているかと思うのですが、これについては、中身をよくそろえて評価しませんと、非常に難しいのかなと考えます。
 実際問題として私どもも、例えば今のABWR、APWRクラスでも世界のあるプロジェクトで戦った経験がありますけれども、競合する海外の炉と比べてもそんなに遜色がない、頑張れる範囲の数字だった経験もあります。それから、コストという場合に、建設する場所、それから、スペックや規制、そういうところにもかなり影響されますので、一概に日本でキロワット幾らだ、それを1ドル115円で換算して幾ら、それで高い、安いというだけではミスリーディングになると思います。
 そういう意味で、現状でもかなり競争力はあると思っておりますけれども、さらに昨今のニーズからいうと、今伊藤委員からもお話がありましたが、これからやる次世代軽水炉のターゲットというのは、もっともっと、高い経済性、それから資源の有効利用、あるいは、廃棄物、使用済み燃料の削減といった今後のニーズをしっかりいただいて、我々の創意工夫を結集してそれに応えるシステムをぜひ開発したいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
(田中部会長)
 ありがとうございました。
 ちょっと時間も押していますので、まだ半分以上残っていまして、少し時間がオーバーしそうですが、燃料サイクル関係につきまして、まず事務局からご説明をお願いいたします。
(櫻田核燃料サイクル産業課長)
 今ご議論いただいておりました資料1-1の5ページ以降でございます。もう一つの資料1-2、1枚紙をお手元に置きながらごらんいただければと思います。
 この資料1-1は、今本文をごらんいただいていますが、11ページ以降に各論という形で産業分野ごとの現状あるいは課題を示してございますし、また、さらに22ページ以降にそれぞれの分野ごとの参考資料を、この核燃料サイクルの工程の順番で書いてございます。ただ、本文は、先ほど来ご議論いただいております、最初に戦略的産業分野と位置づけた三つの産業分野、その次にそのほかの工程という形で、重要度に応じた形の順序になっておりますので、少し順番が行き来しますが、ご容赦ください。
 まず、5ページでございます。戦略的産業分野の一つであります濃縮の工程でございますけれども、恐れ入りますが資料の16ページをごらんいただきたいと思います。16ページは、一番上に世界の現状と書いてございますけれども、世界の濃縮事業というのは、ロシア、米国、ユーロディフというフランスなどが行っている事業体、それからURENCOという英国、オランダ、ドイツの3カ国の共同事業体、こういったところで世界の設備容量の90%を占めるという状況でございます。
 参考資料でございますが、35ページをお開きいただきますと、それぞれの事業体が遠心分離機という機械を使った濃縮事業を推進していることがおわかりいただけるかと思います。アメリカのUSECというところ、あるいは先ほどご紹介したフランスのユーロディフといったところは、ガス拡散法という方法を使っておりましたが、やはり遠心分離機を開発する、あるいはURENCOが開発したものを導入する、こういった状況に今ございます。世界じゅうの濃縮事業体は遠心分離法に今移行している段階ということでございます。日本の日本原燃もこういう方法でやってございますが、今まさに新型の遠心分離機を開発しているところでございまして、2010年度ごろからこの新しい機械を導入して、最終的には1,500トンという規模の事業を目標に準備をしている。
 こういう状況にあるということをご理解いただいた上で、本文の5ページに戻りますが、5ページの1と2で日本原燃の濃縮事業についての今後の課題を書いてございますけれども、まず、日本原燃にありましては技術開発に成功していただきたい。さらに、これは国際的な濃縮役務市場がありますので、そういったところの価格などをちゃんと考慮しながら濃縮事業の効率化、コストダウンにも努めていただくことが必要でございますし、この技術開発に当たりましては、国の補助事業ということで支援してございますが、これをきちんと継続することが必要かというのが1点目でございます。
 それから、2点目でございますが、先ほど1,500トンという話を申し上げましたけれども、その先をどうするかということも含めて、国内での濃縮規模の検討に当たりましては、やはりまず技術開発をきちんとするということがありますけれども、スケールメリットによるコストダウン効果であるとか国際的な価格の動向、あるいは、濃縮をいたしますと、その搾りかすで劣化ウランというものが出てまいりますけれども、これをどう扱うかということも含めて、その規模を検討することが必要かと思われるわけでございます。
 3番目と4番目は、国際的なステージにおいて濃縮というものがどういう位置づけになるかということに関しまして、何が必要かということを書いてございますが、既にご議論いただいた国際燃料供給保証の話については、国として積極的な対応を行って、我が国の関係機関がきちんと一翼を担えるような形にすべきではないかということと、それから、民間の事業体の中でも国際的な議論がございますので、そういったところへの参画が必要ではないかということを書いてございます。
 さらに、4番目には、国際協力ということも視野に入れて、国際的な核不拡散体制構築に貢献するという視点も必要だろうということを書いてございます。
 ちょっと駆け足で恐縮でございますが、次の6ページ、最後の戦略的産業分野、再処理でございます。こちらは19ページに各論がございまして、ちょっとごらんいただきたいのですけれども、我が国の現状と課題という中ほどのところをごらんください。ご承知のように、六ヶ所再処理施設はアクティブ試験の開始に向けた最終段階にございまして、先ほど入った連絡によりますと、本日、青森県知事、六ヶ所村長、それから日本原燃の間で安全協定の締結が無事に行われたということでございます。間もなくアクティブ試験が開始できるところまで来ているという状況でございます。
 それから、この工場は、これもご承知だと思いますが、主工程につきましてはフランスの技術を導入したものでございますし、現在もフランスからの技術支援を受けている状況にございます。そのほかのウラン・プルトニウム混合脱硝とかガラス固化の技術については、日本原子力研究開発機構、JAEAから導入したものであって、このJAEAと日本原燃の間で技術協力協定というものを結んで技術の支援を行っていただいている、こういう状況でございます。参考資料の44ページに、その技術協力協定に基づいた支援をどういうふうにしていただいているかということを数字も含めて書いてございますので、後ほど時間があったらごらんいただければと思います。
 こういった状況を頭に入れた上で本文に戻りますが、6ページの1でございますけれども、まずはやはり日本原燃が六ヶ所再処理施設を着実に操業していただきたいということでございますし、導入技術ということもございますので、六ヶ所施設の運転を通じて技術力、運転経験を蓄積し、人材を維持、育成し、我が国に実用再処理技術を定着させていただきたいということが1点目でございます。
 また、今ご紹介しましたJAEAの技術協力といったものも、操業開始以降も適切に行っていただく必要があるのかなと。そのために必要な実施のあり方、あるいは必要な費用負担につきましては、3に書いた5者でございますけれども、こういった関係者の間できちんと調整することを忘れずに、適時適切に行っていくことが必要だと思う次第でございます。
 最後の4は、次世代再処理技術の開発でございますので、これはもう既に2月にご議論いただいたところということで、きょうは割愛させていただきます。
 以上が戦略的な分野でございまして、その次、7ページ以降は、ほかの各工程の話を書いてございます。
 まず、7ページの最初、再転換というところでございますが、再転換というのは、1枚紙のサイクルの図で見ていただきますと(5)で、濃縮の次、右のほうにあるところでございます。これは、濃縮したウランは弗化物の形になっておりますが、原子炉に入れるための加工をするためには酸化物に変換することが必要でございまして、これを再転換といっております。
 この再転換の状況でございますけれども、資料1-1の17ページをごらんいただきたいと思いますが、17ページの中ほど、我が国の現状と課題というところをごらんいただきますと、JCO臨界事故というのが出てまいります。JCOはこの再転換を行っていた企業でございまして、臨界事故の後、事業が停止して廃業したわけでございますけれども、その結果、今は三菱原子燃料1社のみが役務を提供していて、我が国の役務需要の約4割という形になってございます。JCOがあったときには全量をカバーしていたのが、今はこれだけに減っているという状況でございます。したがいまして、今後、先ほどご紹介した六ヶ所の濃縮事業の拡大に伴って、この再転換というものも必要になってまいりますけれども、その定常的な提供について懸念があるということでございます。これは、先ほど末永先生からお話があったことでございます。それから、MOX燃料というものをこれからつくるわけでございますけれども、そのためにもこの再転換という工程が必要になることもございます。
 以上のことを考えまして、7ページに戻っていただきますが、こういった今後の濃縮事業の規模の増強、あるいはMOX燃料加工の開始といったことを視野に入れますと、現在4割という形の再転換の国内の容量を拡大していくことが必要ではないかと思われるわけでございます。そのためには、既存の施設の拡大ということもあるでしょうし、あるいは、第2の再転換施設建設というオプションもあるでしょうし、こういった方策について民間事業者の間で早急に検討していただくことが必要ではないかという点でございます。
 また、その際に、実はその下に劣化ウランと書いてございますけれども、濃縮の搾りかすの劣化ウランは、今は弗化物の形で貯蔵されてございますが、その取り扱いあるいは管理を容易にするとか効率を高めるといった観点から、酸化物にする処理をするというのが海外でも今動いている状況でございます。こういったことも、再転換という事業と非常に技術的に似通っている、あるいはスケールメリットもございますので、あわせて検討していただくことが適切ではないかと思われるわけでございます。
 その次の分野は、燃料成形加工というところでございますが、燃料の成形加工につきましては、40ページをごらんいただきたいと思いますけれども、先ほどの原子炉メーカーの絵と似ているのですが、何を申し上げたいかというと、同じように1980年代には非常にたくさんの燃料成形加工会社がありましたが、原子炉メーカーの再編と軌を一にしてといいますか、同じような形で、現在は大体5社というところが主要な燃料加工メーカーとなってございます。これは、実は原子炉メーカーとほとんど同じ系列になっているというところでございます。それから、1枚紙の燃料成形加工のところをごらんいただきますと、日本の国内では3社ございますけれども、この3社で国内需要のほぼ全量を賄っているという状況でございます。
 したがいまして、7ページに戻っていただきますが、こういうことを考え合わせますと、国内需要に対する国内供給力の逼迫感というのは、先ほどの再転換ではございましたけれども、成形加工についてはあまりないという状況ですが、世界的な原子炉メーカーの再編と燃料メーカーの再編は密接にリンクするということもございますので、その影響をまずは注視する必要はあるのかなという点が一つ。
 それから、ちょっと毛色の違う話ですけれども、実は燃料をつくっていくと、ウランの付着したさまざまな低レベル廃棄物が出てまいりますが、これは今各社にそれぞれ1万本程度のドラム缶が貯蔵されているという状況で、この処理、処分の費用について、今は実質的に各社が引き当てていらっしゃるという状況でございますけれども、その処分の方策がきちんと固まらないと今後の費用の手当てについても影響が出るということで、ウラン廃棄物と称されるこういった廃棄物のクリアランスレベルの策定を含めた処分方策の具体化が、一つの課題として国がきちんと取り組んでいかなければならないことであると思っております。
 引き続きまして、8ページでございます。少し飛んでしまいますが、燃料加工ということで、MOX燃料の加工でございます。これは、六ヶ所にことしの4月に設置をする、立地が受け入れられて、今、操業開始の準備として設計あるいは安全審査というところをやってございますけれども、今後の操業開始のために、日本原燃として人材育成を行って、あるいは、これは相当の技術の導入を日本原子力研究開発機構からいただいておりますので、そこからいただいている技術協力の継続というものが求められると思われます。また、再処理のところでも申し上げましたように、そういったことを可能にするような財政的、組織的な配慮というものが必要でございますし、さらには、技術確証試験というものを今補助事業でやっておりますので、この継続をきちんと行うことによって、MOX燃料加工の商業工場の立ち上げをきちんと行っていくことが必要かというのが1点でございます。
 それから、3に書いてございますのは次世代の技術開発で、これも2月の会合でご議論いただいたので、省略いたします。
 4番目に書いてございますのは、実はMOX燃料加工事業のバックエンド、廃棄物の処理あるいは廃止措置といったことにも当然費用がかかるわけでございますけれども、ここにつきましては、今後の話ではございますが、これから六ヶ所の工場の操業に当たって、役務提供者である日本原燃と購入者である電気事業者の間で、このあたりもきちんと念頭に置いた対応がとられることが必要だということを付言しております。
 9ページに移りますが、少し毛色の変わった話を書いてございます。回収ウランというものがございます。回収ウランとは、全体像の1枚紙の中で再処理から出てくるものでございまして、プルトニウムはMOX燃料に使うのですけれども、回収ウランをもう一度使っていく、再処理で回収されたウランをもう一度使うためには、また転換、濃縮、再転換、成形加工という工程を経ることが必要になるわけでございます。
 再処理は、ご承知のように今までは海外でやっておりましたので、海外でイギリスとフランスに回収ウランが今たくさん存在しておりまして、これをどうやって使うかという話がございます。海外にございますので、転換、濃縮、再転換といった役務もすべて海外で手当てするのが妥当だと思われますけれども、こういったことを行いますと、核物質がいろいろな国に移転する、ロシアあるいはカザフスタンといったところにも移転をしたいということが出てくると思われますので、そのために必要な法的な整備というものは国としてもきちんと行う必要があるというのが1点目でございます。
 それから、国内でこれから再処理を行う六ヶ所でやりますと、これをまた海外で転換、濃縮するのかという話がございますが、当面は、天然ウランの手当てが逼迫してどうしようもなくなっているという状況ではございませんので、しばらくの間は、将来の需要に備えた戦略的な備蓄として貯蔵していくことが妥当であろうと思われるわけでございますけれども、国際的な資源の状況でございますので、いつ何どきどういう状況になるのかということもわかりません。将来的には、こういった国内回収ウランは国内で処理をしていくことになろうかと思いますので、そういった国内での転換施設の導入あるいは濃縮工場で回収ウランに対応できるのかといったことについて、適切な時期に対応可能性を検討していくべきではないかということでございます。
 それから、二つ目に書いてございますのは、ちょっと毛色の違う話で、産業論とは違う議論かもしれませんが、燃料供給保証体制という国際的な議論の中で、核燃料物質をリザーブとして提供することが求められる可能性もあるわけでございますけれども、その一つの方法として、我が国の民間企業が持っている回収ウランを、ほかの国の在庫に比べて不利益な取り扱いを受けずに、商業ベースで適正な価格で取引されることを前提として海外に提供していくことも、選択肢の一つとして検討する必要があるのではないかということを書いてございます。
 最後になりましたが、転換というものがございます。これは、濃縮の前の段階でございまして、ウランの鉱山から出てきた、これはイエローケーキと呼ばれるものでございますけれども、これを濃縮するために弗化物に形態を変える、そういう工程でございます。これは、いずれにしてもウラン鉱石そのものは海外から持ってこざるを得ないということなので、転換して国内に輸入するのか、あるいはイエローケーキという形で輸入するのかということになるわけでございますけれども、そういう形で考えますと、必ず国内に存在しなければいけないということでもないのではないかというのが1点。
 それから、今9ページの下のところを読んでございますけれども、この転換工程そのものについては、技術的にそんなに困難なものではないということと、そんなにお金のかかることではないと聞いてございます。それから、今のところ海外で転換役務を全部調達しているわけでございますけれども、特段困難を得ているわけではない、難しいという話は聞いてございませんので、現在直ちに転換施設を国内に立地する必要性は乏しいのではないかというふうに今の段階では整理することが適当かなと思います。
 以上が、核燃料サイクルの工程ごとの状況と今後の対応の方向性として事務局として考えるところでございます。
 最後に10ページでございますが、ウラン資源確保戦略は、10月のこの会合で現状をご説明して、これからどういうふうに対応していくべきかということを少し具体的に詰めた上で、またお諮りいたしますと言っていたことでございます。10月にご提示申し上げた資料のリバイスといいますか、アップデートしたものも今回提示してございます。例えば27ページあるいは28ページといったところに、前回提示したものからアップデートしたものを書いてございます。28ページをごらんいただきますと、ウランの価格はますます高くなっているという状況が続いております。
 こういった状況も背景にいたしまして、27ページへ戻っていただきますと、前回提示したものよりも、今後の供給見通しの中で、高供給シナリオという左側の絵ですが、前回の絵を持っていないので比較しづらいかと思いますが、高供給シナリオにおいては、生産者が今後増産していくことも大分計画が始まったということで、その辺を少し勘案して訂正してございますが、今後需給が逼迫していくというところについては、総じて同じ状況が続いているという状況でございます。
 こういう状況の中で、10ページに戻っていただきますが、前回お諮りしたとおり、我が国のウラン資源の安定供給の確保、それから世界的な天然ウランの供給量拡大への貢献、こういった観点から、我が国企業による海外のウラン鉱山開発への参画を促進、支援するための政策的な対応が必要ではないかということで、少し詰めた成果をご紹介しておりますが、一つは、民間の探鉱事業に対する、あるいは権益取得に対するリスクテークということで、リスクマネーを供給することを、これまでも石油天然ガス・金属鉱物資源機構というところが事業としてやっていただいておりますけれども、これを積極的に活用していただくことが一つのポイントでございます。
 それから、開発段階に至りますと、これは民間金融も含めて対応していただいておりますが、いずれにしても、カントリーリスクあるいはプロジェクトリスクというところをどこかがとっていかないと、民間だけで賄うのはなかなか難しいところがございますので、貿易保険あるいは国際金融といったところの支援をしていただくことが今後一層必要になりますし、細かいところではございますけれども、そのためのいろいろな条件の整備といったことも、この間、10月以来この二つの機関と連携して勉強してきた成果として、そういう方向性についても一定のご理解をいただいたということをご報告したいと思います。
 それから、石油天然ガス・金属鉱物資源機構は、今こういう事業を行っておりますけれども、昔、旧動燃が行っていた時代の人的資源や技術的蓄積も協力していただきながら、今後JOGMECとしての蓄積を拡大していくということ。それから、最後になりますけれども、カザフスタン、オーストラリアといった資源外交を今後も強化していくことをやっていきたいということでございます。
 ちょっと長くなりましたが、以上でございます。
(田中部会長)
 ありがとうございました。
 ご意見、ご質問等があればお伺いしたいと思いますが、10分か15分ぐらいは延長になろうかと思いますけれども、時間が少ないので、質問とかコメント等を簡潔にお願いできたらと思います。
 手が挙がっていますけれども、まず日本原燃の鈴木副社長からお願いします。
(鈴木日本原燃副社長)
 日本原燃の鈴木でございます。時間も押しているようですので、手短に申し上げたいと思います。
 まず、先ほど櫻田さんからご説明がございましたように、おかげさまで、本日13時47分と聞いておりますが、青森県、六ヶ所村と私どもの会社との安全協定が締結されました。ここにいる諸先生方のこれまでのご指導、ご支援に対しまして、厚く感謝申し上げる次第でございます。細かくいえば、この後、隣接する5市町村との安全協定の締結が必要でございまして、これは近日中に行われ、その後、具体的なアクティブ試験に入っていくということでございます。今後とも変わりませずのご指導をよろしくお願いしたいと思います。
 まずお礼を申し上げておきまして、ただいまのご説明に対しまして、かなりの部分が私どもの事業とかかわってまいりますので、少しコメントさせていただきたいと思います。
 まず、短時間にこれだけの資料をまとめていただいたことに対しまして、事務局関係者には敬意を表する次第でございます。
 まず5ページ、濃縮のところからでございますが、濃縮事業というのは、他のいわゆるGNEPの5カ国と違いまして、私どもは、当初から平和利用を専らとして濃縮技術開発がなされてきたということも、現実にはハンディキャップになっております。この新型遠心機の開発につきましても、10年に及ぶ開発期間を要していることになるかと思います。かつまた、投資したものの回収につきましても、1世代で回収するとすれば10年、2世代で回収するとすれば20年ということで、大変に事業の成立性については神経を使うところがございます。そういう中で、お国の補助事業として、遠心機の個体の開発あるいは今後のカスケード試験に対しましてご支援いただいていることは大変ありがたいことでございまして、ひとつ今後ともよろしくお願いしたいということでございます。
 それから、再転換につきましては、確かに私どもの濃縮事業の今後の規模増大であるとか、あるいは、MOX燃料加工が始まりますと需要が増えてくるということで、重要な課題であると認識しております。そんなところにとどめさせていただきたいと思います。
 それから、8ページのMOX燃料加工についてでございますけれども、バックエンド費用につきましては、今後、電力会社と検討していくことになるというふうに認識しております。
 9ページの回収ウランの活用、利用でございます。費用見積もり、新型遠心分離機の対応可能性等の検討が必要ではないかということでございますが、今後、確かにこういった面での検討が必要になるかと思いますけれども、特に新型遠心機の対応可能性につきましては、まずは既に私どもが計画しております濃縮事業の計画、これを的確に進めることが第一だと思っておりまして、その上でこういった回収ウランの再濃縮についても検討がなされることになるのではないかと考えております。
 以上でございます。
(田中部会長)
 ありがとうございました。十分な時間がなくて申しわけございません。
 続きまして、三菱原子燃料の鈴木社長からお願いします。
(鈴木三菱原子燃料社長)
 三菱原子燃料の鈴木でございます。よろしくお願い申し上げます。
 私どもの燃料加工業は、再転換も含めまして、今までは燃料サイクルの中で埋没してきた感がありますが、本日こういう形で取り上げていただき、かつ、一定の指針をお示しいただいたことに対しては、我々にとっては歴史的な出来事であるという感じで、深く感謝申し上げたいと思います。
 まず再転換についてでありますが、私どもは、燃料加工全体がエネルギーセキュリティーの中で重要な役割を果たしているという自負、意識を持って働いておりますけれども、先ほどのお話にもありましたように、再転換につきましては自給率が40%という状況でございます。今後「再転換の自給率を高めていく必要がある。あるいは、その際どの程度高めればいいのか」・・・これは六ヶ所の再処理、濃縮の進展とも絡む重要な問題だと思いますので、そういうご議論をぜひこの原子力部会の中でやっていただきたいと思っております。
 もちろん、私どもは需要に対してしっかり応えるような長期戦略をつくっていかなければいけませんし、あるいは、たびたびお話に出ています国際競争力ということも非常に大事でありますが、少なくとも品質については日本の燃料が世界一だと思っておりまして、海外でも、いろいろな人から話を聞きましても、日本の燃料は世界でもトップクラスの品質を持っていると思われます。
 それからもう一つは、ウラン廃棄物の問題でございまして、これは詳しくは申し上げませんけれども、クリアランスレベルの決定と国民からの理解をいただくということも含めまして、この部会でぜひご議論をいただきたい。今のところ10年分ぐらいは貯蔵能力がありますけれども、この世界で10年というのはあっという間でありますので、なるべく早急にこの問題を解決していかなければいけない。私どもも、業界一体となりまして、委員会をつくって勉強し、研究をしておりますが、ぜひこの部会でもお取り上げいただければと思っております。
 以上2点でございます。ありがとうございました。
(田中部会長)
 ありがとうございました。
 では、鈴木委員、お願いします。
(鈴木委員)
 3人目の鈴木です。私は3点お話しさせていただきたいと思います。
 きょうの資料はよくできていると思います。その中で、基本的なポイントとして競争力を有するものでなければならないということですが、第1に、前回和気委員がおっしゃっていた、原子力発電の競争力をまず高めていくことを考えていただきたい。それは、ここで書かれていることが当然原子力発電の競争力を高めていくわけですが、原子力発電の競争力を高めるということは、最終的には、消費者に安くて安定したよいエネルギーを供給する、こういう目標を持っていただかなければいけないと思います。そのために、ここで言われているいろいろな支援策が、発電コストの上昇につながらないように配慮が必要ではないか。
 次に2点目ですが、そのための対策として、ここに書かれていることは非常にいいことだと思うのですけれども、1点強調したいことは技術開発の重要性でありまして、結局、これまで日本が一生懸命やってきた技術開発が本当に競争力につながっていないことが問題なのじゃないか。この辺をもう一度考えていただきたい。例えばMOXも再処理も、日本でやっていた研究開発が実際の事業には採用されなかった。結局海外から輸入しているという問題を明確に自覚していただいて、これからは、せっかく国内でやっていくのであれば、それがちゃんと競争力のある技術につながるように技術開発をきちんとやっていくべきだろう。これは軽水炉の次世代炉も同じことだと思います。
 そこでもう一つ、技術開発とはちょっと違いますけれども、原子力産業の全体像の中で、3番目につながるのですけれども、ここに書かれていないものとして、廃棄物と使用済み燃料の貯蔵、これも原子力産業の全体像では非常に重要な地位を占めると思います。ここをどうやっていくのかという産業像あるいは施策も非常に重要なので、ここのところの体制論も必要ではないか。
 核燃料サイクルの戦略的な意味ということをおっしゃっていますが、実はここは核不拡散上の意味が非常に強いということで、一国でこれからやっていくのはだんだん難しくなっていくということで、国籍印を押した核燃料サイクル産業ではなくて、核不拡散を優先した多国間協力の方向に行く。その中で、使用済み燃料や廃棄物処理処分についても戦略的な考え方で進めていく、こういうことではないか。したがって、フロントエンドの原子力発電の競争力の問題と核燃料サイクルの国際的な体制の動きとは違う方向に行く可能性があるということを強調したいと思います。
 以上です。
(田中部会長)
 ありがとうございました。大変重要な意見だと思いました。
 神田委員、お願いします。
(神田委員)
 きょうの資料を見て大変感心しまして、こんなことを言ったらしかられるかもしれませんが、役人というのはよく知っているのだな、原子力産業について細かい点まで非常によく考えて書いてあったというふうに感心いたしました。
 その中で、今後ぜひやっていただきたいと思ったのは、劣化ウランの取り扱いの問題とか、それからウラン廃棄物、例のクリアランスレベルの問題がそのままいいかげんになっているところをぜひ突っ込んでいただきたい。それから、再転換施設の問題、これはJCOの事故以来ずっと気になっていたことをあからさまに書いていただいたというのは、さすがだと思って大変感心しました。
 以上です。
(田中部会長)
 ありがとうございました。
 内山委員、お願いします。
(内山委員)
 私も皆さんと同じように、この報告書は原子力産業のあり方については非常によくまとまっていると思います。それで、私は、産業が目指すべき方向という視点からちょっとコメントを言わせていただきます。
 中にも書いてありますが、特に燃料サイクルは揺籃期から成長期に入ってきている段階だと思います。そういう点からいいますと、何といっても技術的な信頼性と安全性をいかに確保するかということが何よりも優先すべきことであって、その次のステップに、国際競争力のあるコスト、それをどうやって確立できるか。これは、今自由化の流れの中で、恐らく電力産業はコストの安いほうを選ぶということになってきますので、国内で市場を確保する上でも非常に大事な問題になってくるかと思いますから、やはりそこへ向けた方向で、信頼性を獲得すると同時に、そういった競争力のあるものにしていくということではないかと思います。
 それからもう一つ、プルトニウムの利用というものが、方向が基本的に原子力大綱でも決まっているわけですが、最近、原油価格だけでなくウラン価格も、過去3年間くらいで4倍にまで上がっているのですね。恐らく今後濃縮価格もいろいろな形で影響を受けてくるだろうし、また、2015年ころはウランの需給逼迫が非常に厳しくなる、今以上に厳しくなるという予想も出ている中で、やはり状況は、そういう市場におきましてもかなり厳しいものがあるのじゃないかと思うのですね。
 そうなると、やはり我が国として、ウランというのはある程度備蓄だという考えがもともと基本に必要ではないかなと思います。それがあってプルサーマルもやっているわけですし、ウランを有効に使うためのFBRを開発するという方針が基本にあるわけですので、そういう点で、回収ウランとかテイルウランについては、中間貯蔵と同じような扱い、将来当然のことながらウラン資源としての有効活用が図れるのだという視点で物を見てもらいたい。とかく厄介者的な考え方がよく出てくるものですから、そういう視点で扱うような方向を願いたいと思っています。
 それから、先ほどの原子力発電プラントですが、ちょっと2回も発言できないんじゃないかと思って今追加させていただきますと、文章は本当によくできていると思いますが、一つ、これからのリプレースとか新規発電プラントに関する記述があまりにも多くて、私は、既存のプラントのメンテナンス技術を高度化する文面も入れてほしい。それからもう一つは廃炉ですね。日本が廃炉技術を確保していくのだという視点もぜひ文面の中へ入れていただければと思いました。
 以上です。
(田中部会長)
 また重要な視点をありがとうございました。
 続きまして、伊藤委員。
(伊藤委員)
 簡単にお願いだけ申し上げたいと思います。
 それは、各分野において国や日本原子力研究開発機構が支援あるいは関与すべきではないかと書いてあるところです。これらについては、例えば濃縮、再処理、MOX燃料加工、あるいは次世代の再処理技術開発と、いずれも開発要素の大きいもの、あるいはパイオニア的な要素の強いものということで、ここに書いてありますとおりに、すべきではないかとの記載があるところは、ぜひ支援あるいは関与をお願いしたいということです。
(田中部会長)
 ありがとうございます。
 山地委員、お願いします。
(山地委員)
 9ページの回収ウランのところについて意見を述べさせていただきます。
 ここの2番目の、回収ウランを海外提供することも検討すべきではないかというところですけれども、核不拡散体制下で二国間協定等によって、回収ウランのもともとのウラン資源提供国とかあるいは濃縮サービスの提供国の同意を求められるんじゃないかと思うのですが、それをどう考えているのか。同じく、また逆に今度は海外提供すれば、その提供先においてちゃんと平和利用が担保されるということについても何らかの措置が必要なわけですから、そこをどう考えておられるのか。あるいは、考える必要があるということを言っただけでよろしいのか。この問題を扱ってほしい。
 それともう一つは、原子力の場合、非常にメリットとして、リサイクルによってエネルギーセキュリティーを確保するということを随分強調されているわけですね。それに対して、ウランを海外に提供することの論理的な整合性をどうとるのか。これをやはりお考えいただかないと、一方で備蓄ということも書かれているわけですけれども、同時に海外提供と書かれていると、リサイクルによってエネルギーセキュリティーを確保するということで原子力を推進していることとの論理的整合性をどうするか、きちんと理論武装をしていただきたい。
 同じようなことは劣化ウランについても言えるわけですけれども、劣化ウランは非常に大量に発生するわけですね。これについては、量的なバランスを考慮して、どういうふうに対処するか。そのあたりの、リサイクル性によって原子力のエネルギーセキュリティー上のメリットを生かすということと、この回収ウランとか劣化ウランの対処との間の理論整合性をとってほしいということです。
(田中部会長)
 ありがとうございました。
 次に、山名委員、お願いします。
(山名委員)
 同じく回収ウランについてコメントしたいのですが、天然ウラン価格がポンド40ドルまで上がっている、それから濃縮の役務価格が100ドルを超えていることが多いということですので、一昔前、回収ウランの再濃縮利用は経済的に見合わないと言われていた時代が変わってきている。今はむしろ、海外の再濃縮プランを使えば、経済的にも結構、何とかいくぐらいのところまで来ているという認識できょうの資料を見せていただくと思うわけです。
 そうしますと、海外に備蓄している回収ウラン7,000トン分の再濃縮利用というのは、むしろ今の状態だったら、経済的にいくのであれば、積極的にビジネスライクにどんどんやってもいいのではないかという気がいたします。そのためには、ここに書かれていますように、国としてロシアやカザフスタンと何らかの外交的な措置等が必要になるので、それは積極的にそこを支援していただいて、むしろ積極的に再濃縮を行う。これは、我が国の一つのエネルギーセキュリティーを高めますし、資源の有効利用でもありますし、濃縮ウラン市場に対するバーゲニングパワーにもなるということであります。
 それからもう一つが、1,500トンSWUの濃縮規模の話ですが、今の回収ウランの利用も含めて、それから、プルサーマルをやると濃縮ウランの需要が多少下がります。それから、海外の濃縮価格や天然ウラン価格が高くなっていること、それから、今開発中の新型遠心機のコストがどれぐらいになるかということも含めて、今後原子力発電規模が多少増えることを考えると、従来、1年で4,400トンSWUに対して1,500は日本で持つという方針で来たのですが、その枠組みがかなりフレキシブルになってくる可能性がありますね。全体的な役務量が多くなる。
 そうすると、国内で濃縮する最適規模とは何かということを、そういったいろいろな外の条件、ウラン価格の見通しなども含めながら、もう一度考えるのだろうなと思うのです。それは、増やすのか減らすのかは私にはよくわかりませんが、いずれにせよ、どうも条件が刻々と変わっているという感覚がありまして、それに応じて国内濃縮供給量も考え直す時期に来ているのだろうなということを考えます。
 それから、再処理についてですが、ご承知のようにGNEPの話が出ていまして、もちろん、これはまだどういうものかよくわからないところがありますが、いずれにせよ、技術的に我が国がGNEP対応をどんどんしていかなければいけない立場にあるのは間違いない。そうすると、今文科省ベースで、FBR再処理の技術を使ってGNEPに供給するという議論をやっているのですが、軽水炉の再処理技術としてGNEPにどう対応できるかという技術的検討がまだ不足しているんじゃないかと思うのです。
 私の知る限り、民間のメーカーで、例えば弗化物を使った再処理がいいとか、あるいは超臨界の方法がいいとか、いろいろなアイデアは各メーカーから次世代の再処理技術として出ています。こういった新しい技術提案をどんどんGNEP対応のような形で開発に向けていく動きがあってしかるべきじゃないか。これは当然、我が国の第二再処理の技術とも関連してくる。乾式再処理などもその一つの例でございます。
 ですから、再処理については、ここに書かれていますように、次世代軽水炉再処理の技術開発というものに少し踏み込んでいく必要があるのではないかと思っております。
 以上です。
(田中部会長)
 ありがとうございました。
 秋元委員、お願いします。
(秋元委員)
 もう各委員のお話しになったことは省略をいたしまして、二つばかりお願いしたいのですけれども、一つは資源の問題。これは、前回討議をしていただいたときから大変進みまして、具体的にどういう格好で資源開発をしていくかという枠組みが見えてきました。大変ありがたいと思っています。きょうも、JOGMECの方とかあるいは日本貿易保険、国際協力銀行の方々がおいでになって、積極的な支援をしていただけるという姿勢を示していただいているのは、大変ありがたいと思っております。
 資源の確保は非常に大事なことだと思っていまして、きのう実は経産省の別の部会のお話を伺いまして、エネルギー基本戦略を今、というのはエネルギー基本法に基づいて3年に1回ずつ基本計画を見直していくということで、今作業をしておられるようですけれども、その中の一つとして、今15~16%ぐらいしかないのでしょうか、エネルギーの資源の保有率、これを2030年までに40%に上げたいという数値目標を掲げるという話が出ていました。これはまさに、先ほど河野さんがお話しになりましたけれども、日本が積極的に資源外交に踏み出すことによって初めて可能になる数字だと思うわけですけれども、やはりそこまで踏み切って、日本としてのこれからの供給保証のために、資源をきちんと手当てをしていくという姿勢を、政府が示していただけることは大変ありがたい。
 そのとき国の戦略的資源の一つとなるウランには、従来の資源とはちょっと違う面があります。例えばほかの金属鉱物資源と比べますと、生産されるウランは核物質でありますので、国際的な管理下に置かなければいけないし、また需要家は今のところ電力さんしかないわけです。そういう意味では、いわゆるフリーマーケットで自由に売れるという品物でもないので、いわゆる民間だけの論理に頼っていては、国の供給保証を果たすには不十分となる。国の立場に立った安全保障の論理がかなり色濃く出てこないといけないのではないかなと思います。
 それからもう一つ。先ほどお話も出ていましたけれども、ウランには大きな備蓄効果があるわけですね。ウランを持つということでもう既に、石油の場合にはお金を払って備蓄施設をつくり、備蓄をやっておられるわけですけれども、ウランの場合には炉の中で燃やすことが3年、4年の備蓄の効果につながる。この備蓄の効果は外部コストで、価値体系の中に組み入れられていないわけですけれども、エネルギーのセキュリティーという立場で考えるときには、この備蓄をどのくらいの価値に換算するのかも計算していただくことがいいのではないか。少なくとも石油の備蓄コストに見合う程度のウラン資源開発費は、これは供給保証の根幹に貢献するわけですので、国は支援をしていただく理由となるのではないかと思っております。そういう視点からの検討をお願いできればと思います。
 それから、資源技術については、先ほど山名先生からもお話がありましたけれども、人材確保という面で、これはほかの分野に比べても非常に惨めな状況になっておりまして、前に動燃から核燃サイクルに組織替えされたときに、資源の研究開発はそこでストップを食ってしまったものですから、その後国内に全く人材が育っていない。今、国際会議に出てウランの問題について討議ができ、ウランの実際の現場で開発を担当したりできるような人はほとんどいなくなってしまっているわけです。
 これから資源外交をやっていくとすると、そのための人材も確保していかなければいけない。これをどうするか。これに民間の活力が活用できればそれに越したことはないのですけれども、今海外で日本が権益を持っている鉱山につきましても、実際のオペレーションは海外の鉱山会社に任せていて、ほとんど日本の技術者が現場操業や技術開発に関与していないような状況です。そういうところに、昔の動燃でやられていたように、日本から技術屋が直接的に出ていって、そういう現場の新しい技術を学び、また世界的なそういう動向をつかんで帰ってくるというようなことが、必要だろうと思います。ただ、これは今の民間の資源会社の枠の中だけではできない問題ですので、このあたりは、例えばJOGMECに出向して海外で研修を重ねるなどの方法で、将来資源外交で堂々と海外と太刀打ちできるような技術者を、育てていただきたいなと思っているわけです。
 それから、回収ウラン、劣化ウラン、プルトニウムなども、これも長い目で見ますと、長期的な備蓄資源であるといえるものだと思います。これを持っていることで国の供給保証能力が高まるわけですし、それから、将来の国際的にいろいろな燃料サービスをやっていく上でのバーゲニングパワーにもなるわけですので、これはどちらかというと、将来に向けたお国の貴重な戦略資源である。これこそまさに日本の国産鉱山の一つの形態であるという形でとらえて、国が所有する資源として扱っていただくという考え方も、必要になってくるのではないかという気がしております。
 それからもう一つ、技術移転の話であります。これも前に申し上げましたけれども、いわゆる基礎研究は国がやって、実用化段階になったら民間に渡して国はやらない、そういう単純なリニアモデルで国の研究開発が処理されてきたために、大変、開発に穴が開いてしまったと思います。先ほど鈴木副社長から、日本原燃で10年かけて濃縮の新しい機器を開発されたお話をされましたけれども、これも、日本原燃に技術を移転した後の核燃サイクルでは、濃縮なるテーマが日陰の存在になってしまいまして予算がつかない。国策に沿ったテーマなのに、表向き、そういうはっきりしたテーマを掲げて研究ができないような状況になってしまった。そういう状況の中で、技術者が一生懸命頑張ってここまで持ってこられたわけですけれども、もしここのところでそういうリニアモデルという不思議な、成り立たないドクトリン、これに災いされていなければ、濃縮技術についてももっと日本は、例えばURENCOとかほかの国と肩を並べていくよう頑張れたのだろうと思います。
 技術を民間に渡して実用化が始まったところから本当の意味での研究開発は始まるわけですので、その時点での支援研究、それから、特に新しい革新技術に対する研究を、実用化に渡した以後も、むしろ強化して国が民間とともに進めていただくという枠組みをぜひつくっていただきたい。新機構の中で、やはりそのところがあまりはっきりと見えないのです。これは、これから濃縮を進めていく上でも、再処理を進めていく上でも一番大事なところだと思いますので、ぜひともこのところについては、施設的、予算的、それから人材的にも、これをきちんと確保して進めていけるような、技術をさらに深め、進化させていくことができるような仕組みを、ぜひこの際考えていただきたいと思っております。
 以上でございます。
(田中部会長)
 ありがとうございました。
 あまり時間がございませんが、あとは井川委員、児嶋委員と植草委員、簡単にお願いしたいと思います。まず、井川さん。
(井川委員)
 本当に簡単に。一つだけお願いしたいのは、せっかく、日ごろ日の当たらないと言ったら怒られちゃいますけれども、濃縮、再転換、ここら辺の日の当たらないところをちゃんとまとめていただいたので、今後もちゃんと国にウオッチしていただきたいなと。
 なぜそんなことを申し上げるかというと、さっき神田先生がJCOの話をされましたけれども、私もJCOの事故が起きた後に聞いた話ですが、以前は、燃料は電力会社さんが基本的に随意契約で買っていたのだけれども、ある時点で入札制度みたいなことになって、相当値段が下がるということがあって、一時国に燃料業界から何とかしてほしいということも頼まれて、それで、一番苦しいのがJCOだといって、そのJCOが事故を起こしちゃったということがあったようで、やはり燃料というのは、日は当たらないけれども、それがないと原子力は動かないわけですので、一定程度の経営がうまくいっているのかどうか、業界について常々把握し、なおかつ、必要であれば高度化に対して国が支援するようなことも含めてよくウオッチして、円滑な業界の運転、操業を見守ってほしいなという要望だけを申し上げたいと思います。
(田中部会長)
 ありがとうございました。
 続きまして、児嶋委員、お願いします。
(児嶋委員)
 簡単に申し上げますが、私は、今回の資料は非常によくできていると考えておりますけれども、その中で、濃縮のことでちょっとだけ私の意見を申し上げたいと思います。
 16ページにありますように、濃縮は9割が外国で、日本はほんのわずかしかないということで、これも平和利用と戦時利用の違いがあったという歴史的なことがあることを先ほどご説明いただきましたけれども、濃縮のコストがどのぐらいになるのか、私もちょっとわからない。この表を見ただけではどこにも書いてありませんので、新型遠心分離機ができてきたらどのぐらいのコストダウンができるのか、恐らくこの辺が非常に大きなポイントではなかろうかと思っております。このコストダウンについてのデータが、示しにくいのかもしれませんが、できれば欲しいなと思いました。
 そして、これの開発につきましては、今後、国が関与していくということで、36ページの図がありますが、この中に、日本原燃に対して2分の1の補助金を出していく。補助金の金額が、今年度は約29億円、来年度は10億円ずつ足していく。これで1,500トンスケールでやるということですが、これは先ほど山名委員が申されたように、本当に1,500トンでいいのかどうか。私は多分足りないんじゃないかなと思っていて、日本国内ではいいかもしれませんが、むしろ、16ページにあります国際燃料供給保証のあり方、つまりGNEPの考え方でいきますと、あるいは、特に開発途上国へのプラント輸出に伴って、ある程度濃縮ウランをプラントと同時に供給していくということ、あるいはそれをまた核燃料サイクルしていく、再処理する責務が日本に来るとしますと、やはり濃縮の1,500トンだけでは私は足りないんじゃないかなと。本当に山名委員が申されたように、将来的に濃縮のスケールはどのぐらいが一番いいのかということについて、もっと具体的に議論すべきではないかと私は思っております。そのことを申し上げたいと思います。
(田中部会長)
 ありがとうございました。
 植草委員、お願いします。
(植草委員)
 井川委員がJCO事故について言及されましたけれども、私はJCO事故の調査委員会の委員をいたしまして、先ほど井川さんがお話しになった点は報告書にきちんと書いてあります。井川さんの今のご説明はかなり誤解を生む内容だと思います。
 私は、最後にどうしても一言申し上げたいと思いましたのは、きょう、この原子力産業の全体像が出ましたが、JCO事故のときにもこういう全体像をつくりまして、原子力産業全体で安全性を確保する体制をつくらなければいけないということを提案しました。きょうの報告は本当にいい報告だと思うのですが、安全性が全然入っていない。原子力産業全体にわたる安全体制について、きちんと入れておくということを忘れないでいただきたいと思います。
 以上です。
(田中部会長)
 ありがとうございました。
  時間もかなり過ぎましたが、事務局で回答することはございますか。
(櫻田核燃料サイクル産業課長)
 手短に、幾つかポイントだけご回答申し上げます。
 最初に、濃縮の技術開発の価格目標でございますけれども、今の技術開発プロジェクトでは、国際価格並みということで、具体的な数値は差し障りがあるので出してございませんけれども、国際競争力のあるものを目標にしてございます。
 それから、何人かの方々から、濃縮あるいは再転換、こういった事業ごとの目標規模を定めるべきというお話がございました。そういうご意見はご意見として承ったわけでございますけれども、きちんと説明ができなくてあれだったのですが、例えば濃縮についていいますと、実際に技術開発がどのように進んでいくかという話をこれから見きわめていく必要があるだろうということがございますし、それとの絡みで、再転換についてもどういう需要が出てくるのかという話がございます。そういった形で、今この時点で具体的なかっちりとした数字をつくることが適切かどうかということもあろうかと思いますが、いずれにしても、どのくらいのものをつくる必要があるのかは関係者できちんと議論していく必要があるのではないか、そういうことを指摘してみたということでございます。
 それから、これも何人かの方からお話がございましたけれども、今回のサイクルの各事業分野については、プラントメーカーの問題とは少し毛色が違っているのかなと私自身は思っておりまして、海外市場をにらんでどういう展開をしていくかといった議論を行っていた原子炉メーカーの話とは少し異なって、むしろ国内の需要をきちんと賄うことができるのか、そちらを優先して考えるということで今回の資料はつくってみたわけでございますが、いずれにしても、まずは国内のきちんとしたセキュリティーの確保というところをやるのが最初の目標だと思いますので、そういった視点でもう少し、本日のご意見も踏まえながら最終的にまとめていきたいなと思います。
 以上でございます。
(柳瀬原子力政策課長)
 私から、山地委員からご指摘のあった、大変本質的なご指摘だったと思いますが、それだけ――ずっと今までの世界の核不拡散の体制で、燃料について、とにかく原子力発電は広がらないほうがいいのだ、燃料はいろいろな国から出ていかないほうがいいのだというのが昔の考え方だったわけで、去年の秋、ワシントンに行ったときにもそういう発想で会話していたのですけれども、全く世の中はどんどん変わっているというのに驚いたわけです。
 当時動いていましたのは、GNEPの前哨戦で、燃料供給保証ということで、世界で現に燃料を輸出している6カ国だけで、途上国に原子力発電をやるときに燃料を供給するという枠組みをつくっていたわけでございます。なぜ日本を入れてくれないのだという話をしたわけですけれども、だって日本は燃料供給する力がないのでしょうということだったわけです。それは、日本がそういう世界の核不拡散のために燃料供給に協力するというのは歓迎するけれども、物がないじゃないかということだったわけです。
 それで、アメリカやヨーロッパの国は、もともと輸出余力がある産業を持っていることと、核兵器に乗っかっていた高濃縮ウランを薄めたウランを提供することを材料にしていたわけですけれども、それと日本の違いは、向こうは国有財産であるのに対して、日本は回収ウランで、実際にこれは国有財産ではございませんので、こういったものを出していくときには、民間財産だということで配慮が必要だ、そういうことできょうの資料になっているわけでございます。
 リサイクルで備蓄だというのと海外提供はどういう関係だということも同じ流れですけれども、これはタイムラインの話でありまして、とにかく今は1個も出さずに、全部国内で40年も50年もずっと抱え続けるのかという、それは相当なボリュームでございますので、今世界が動いているときに、日本としては即効性のあるもので何が出せるのかというと、回収ウランがイギリス、フランスにあるわけでございます。もしこの燃料供給保証の体制が動いて、本格的に日本に依頼があれば、それは、いや、これは日本の大事な備蓄だから、50年ずっと日本の国内に抱えて一切出さないのだよ、そういうことではないのではないかということでございます。
 以上です。
(田中部会長)
 ありがとうございました。
 時間が過ぎておりますので、この議論はこの程度にさせていただきまして、本日いろいろと貴重なご意見をいただきましたので、今後、政府内での具体的な施策に役立てていただくとともに、報告書の取りまとめに当たっての参考とさせていただきたいと思います。
 本日の議題は以上でございます。長時間のご審議、ありがとうございました。
 次回以降の会合につきまして、事務局からお願いいたします。
(柳瀬原子力政策課長)
 次回、第10回は4月18日火曜日の午後2時から、広聴・広報のあり方、国と地方のあり方をご議論いただくということで、場所はきょうと同じ場所でございます。
 その次、第11回は5月30日火曜日の午後2時から、原子力と電力自由化についての2回目、高速増殖炉サイクル実用化戦略調査研究のフェーズIIが取りまとめられましたので、その結果についてご議論いただくことを考えてございます。場所はきょうと同じ場所でございます。
 以上でございます。
(田中部会長)
 ありがとうございました。
 それでは、これをもちまして第9回原子力部会を閉会いたします。どうもありがとうございました。
──了──
 
 
最終更新日:2006年4月27日
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