経済産業省
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総合エネルギー調査会電気事業分科会制度改革評価小委員会(第8回) 議事要旨

日時:平成18年4月24日(月)10:30~12:15

場所:経済産業省別館9階944会議室

出席委員

委員

金本委員長、大山委員、田中委員、松村委員、柳川委員

オブザーバー

電気事業連合会寺本事務局長、(株)エネット武田取締役

事務局

宮川電力・ガス事業部政策課長、片山電力市場整備課長、 岩野電力流通対策室長、鈴木電力市場整備課課長補佐、 田中電力市場整備課課長補佐

議事概要

委員及びオブザーバーから以下のとおり発言があった。議事概要は以下のとおり。

効率化について

  •  電気料金の内外価格差は縮小しているが、見方を変えると、イタリア以外の国との比較で は日本の料金はまだ高いということである。国際的に遜色のない水準を目指すという観点からすると、更なる制度改革が必要であると考えている。報告書には、まだ目的を達成していないというニュアンスを入れていただきたい。
     規制分野への効率化効果の均てん化については、自由化分野の料金低下よりも、規制分野の料金低下の程度が小さい。確かに、自由化分野の料金低下が規制分野に影響しているが、報告書作成の際には「均てん化」という表現がふさわしいかどうか検討していただきたい。
     HHIでの小売市場の評価の際に、資料には「仮に全国市場を想定した場合、外形的には適度な競争状態」とあるが、第5回の小委員会ではHHIが1,800以下の場合は「やや集中している」という意味である、とのコメントがあったと思うので、報告書作成の際には修正した方がよいと考えている。また、全国市場、供給区域ごとの市場、周波数帯別の市場を想定しているが、供給区域ごとの市場が最も実態に近いと考えている。分析にふさわしい市場画定について、考え方をお聞きしたい。
     常時バックアップが卸電力取引所に移行する際は、取引が十分に厚みのあるものであること等の条件が整うことが必要と書かれているが、適切な評価であると思う。
  •  評価の内容について、委員の皆様で議論していただきたい。細かい表現等の書きぶりは、報告書作成の際に修正したいと考えている。
     本小委員会は、市場の画定を行う場ではないため、パンケーキ廃止や連系線混雑の状況を踏まえ、各供給区域ごとに市場を画定するのではなく、論理的に考えられる3つの市場を並列したものである。
     電気事業分科会では、部分自由化を開始して競争原理を導入した結果、電力会社の経営効率化が期待され、規制分野の需要家もその影響を受けるべきである、という議論がなされてきたかと思う。電力会社の効率化効果が規制分野の小売料金や託送料金にも反映されているかどうか、という観点で「均てん化」という文言が使われてきたのであり、あまねく同等の料金低下が行われていなければならない、という意味ではないと思う。
  •  今回の報告書は、電気事業制度改革が成果を挙げ、安定供給と環境への適合を考慮した上で市場原理の活用を図る日本型自由化モデルが有効に機能していることを評価したものと受け止めている。欧米では原油価格の高騰等により電気料金が急騰しているが、日本では4電力会社が4月から料金を値下げし、さらに7月に他社も値下げする見込みである。これは、自由化以前から行っている効率化努力や電源のベストミックスが実を結んだ結果であると考えている。今後も、各電気事業者がお互いに創意工夫をし、切磋琢磨しながら顧客へのメリットを実現していきたいと考えている。
     平成15年の電気事業分科会報告では「発電部門については原則として私企業の自由な事業活動を可能とするような市場環境を整備することが求められる。」と整理されている。本小委員会では卸電力取引の流動性や電源調達の多様化が検証されており、資料には常時バックアップの過渡的な性格や電力会社の実質的な競争相手としての自家発、PPSの自社電源が増加していないことが書かれている。しかし、PPSの電源調達のあり方を議論する場合は、今後PPSやその親会社が大規模電源を運開すること等を踏まえて、慎重な議論が必要であると考えている。また、常時バックアップは、PPSにとって使い勝手が良いものと思われるが、常時バックアップがあるために先渡掲示板を含めた卸電力取引所が活用されず、取引の厚みが増さないとも考えられるため、常時バックアップを含めた電源調達のあり方については今後も慎重な議論が必要であると考えている。

安定供給、環境保全について

  •  安定供給と環境保全は電力自由化において最初に懸念すべき項目であり、慎重な議論をお願いしたい。
     安定供給については今のところ問題はないということであるが、供給計画の対象にはPPSが含まれていない。今後のPPSの参入が増えていくことを考えると、安定供給についてはPPSを含めて考えていくべきである。
     保守・保安のための費用は下げ止まり傾向とされているが、問題が起こってからでは遅いので、技術開発を含め、しっかりと対応していただきたい。
     供給信頼度については、「電力の品質は制度改革以降も低下していない」と書かれているが、「制度改革後に短期的な検証を行ったが、電力の品質の低下は見られない」という程度の記述でいいような気もする。
  •  細かい表現等は、報告書作成の際に修正したいと思う。
     将来の安定供給のあり方については、後ほど議論していただきたい。
  •  設備投資は減少しているが、今のところ供給信頼度上の問題はないということであるが、これは過去の設備投資のおかげであり、今後はどうなるかわからない。供給信頼度を測るための適切な指標について検討するのは難しいが、色々な指標を注視していくべきというメッセージが報告書の中に必要であると考えている。
  •  今まで効率化のために設備投資額を下げてきたが、供給信頼度を損なってまで下げるつもりはなく、供給信頼度を確保した上で効率化を追求している。設備投資額は既に下げ止まっており、昨年度・今年度は増加に転じている。必要な投資は確実に行い、保守・保安や災害復旧に対応していきたいと考えているので、御信頼頂きたい。
     日本型自由化モデルは、安定供給の確保と環境保全への適合を基本として自由化を進めるという方針のもと、あくまで各電気事業者が創意工夫をし、自主的に課題に取り組んでいくことが大前提である。CO2排出量削減については、京都議定書の目標を達成するために、電力会社のみならず産業界全体で行動計画を策定し、自主的に取り組んでいるところである。
  •  将来のPPSの需要も含めた全需要に対する電力会社の供給予備率は、最も低い年では適正予備率を下回るが、一方で、PPSが供給計画の対象外となっていることは大きな課題であると認識している。中立機関が平成17年3月に公開した供給信頼度評価報告書においては、PPSの供給力を見込めば供給予備率は確保されていると評価されている。報告書作成の際には、供給予備力としてPPSの供給力を見込んだものと見込んでいないものを併記してみてはどうか。
     以前から、自由化開始以降のCO2排出量については系統全体での変化を評価することを申し上げてきた。資料を見ると、PPSの電源は火力発電所が中心であるからCO2排出量削減の観点から心配である、と読めてしまう。第3回の小委員会では、「今後ある程度PPSのシェア増大が見込まれるが、各事業者において需給両面から様々な対策を講じる結果、電気事業者としてのCO2排出原単位は低減傾向にある。」とまとめられていたかと思うので、報告書にもこのように記述していただきたい。CO2排出量削減については、PPSも電気事業者として努力していきたい。
  •  供給予備率について両論併記してみてはどうか、という御指摘であるが、電気事業法でのPPSの供給力の位置づけは電力会社の位置付けとは異なっていると思う。ハードとしての電源が存在することと、法的にその電源がどのような位置付けを与えられているのかということは少し違うことなのではないかと思っている。将来的に供給予備力をどのように考えていくかということについては、資料の第6章で指摘している。一方で、今回行った分析は、PPSが所有する電源が電力会社の電源と同じ位置付けを与えられている、という枠組みでの分析ではないと思う。
  •  電気事業法上の位置づけで供給予備力を評価すると言えばそれまでであるが、実質的な供給予備力は多少違っているのではないかという気もする。
  •  そのようなことも含めて、将来的に供給予備力をどのように考えていくのかということだと思う。

個別の制度改革について

  •  卸電力取引所における市場監視は、引き続き注意深く行われていくべきである。常時バックアップの取引所への移行について議論を行うためにも、市場支配力について検証する必要がある。特に、監視の結果が当事者以外の外部に対しても納得性があることが重要であり、取引データ等の公開が必要である。
     欧州ではEU全体で自主的な情報開示のニーズが大きく、例えば、ドイツの4大電力会社の1つであるヴァッテンフォール・ヨーロッパ社は、プラントデータを自主的に公開することを決定している。翻って、日本でも自主的かつ積極的に企業からデータを公開することで、市場の透明性を高め、需要家に電気料金の形成が適正であることを認識してもらうことが重要であると考えている。
  •  市場監視は、卸電力取引所だけで行うのではなく、常時バックアップや相対取引等、卸取引市場全体を監視することを検討する必要がある。
     中立機関も、内部のことは内部でしっかりやってもらうが、外部との関わりがうまくいかないと役割を果たすことができないと思う。

結論について

  •  卸電力取引所における先渡取引の低迷は、スポット取引の厚みがなく、価格指標性が十分でないことが影響であると考えている。取引の厚みを増すためにも、取引所の市場監視に関する努力が必要である。
     「3.今後の制度改革を検討するに当たって留意すべき事項」では留意事項が3点挙げられているが、潜在的ではない電力会社間競争がどの程度起こっているかの検証についても盛り込んでみてはどうか。
  •  市場分断が起こっているのは基本的にFCのみで、他の連系線ではほとんど問題がない、ということは事実としては正しいと思う。しかし、現状では連系線は混雑していないというだけのことであり、連系線についてはFCだけが問題であるという印象まで与えるのは良くないと思っている。報告書の書きぶりは難しいが、認識しておく必要はあると思う。
  •  そのような印象を与える書きぶりでないことはないが、当面の措置事項として市場分断への対応のみ書かれているものである。
  •  具体的な書きぶりを御指摘頂けるとありがたい。広域流通が活性化すると潮流の向きによっては連系線が混雑する可能性はあると思うが、書きぶりはなかなか難しい。
  •  「1.評価のまとめ」の「(2)安定供給」の中で、「計画通りの設備形成が行われないリスクがあること等の不確実性が存在することに留意が必要である。」と書かれている。供給信頼度について引き続き注視すべきというメッセージがあった方が良いのではないか。
     「3.今後の制度改革を検討するに当たって留意すべき事項」の「(1)電力自由化と安定供給の両立」について、電力会社だけでなくPPSも含めて、アンシラリーサービスを含めた安定供給を確保する仕組みを検討していくという表現ぶりには賛成である。
     「おわりに」の3点目に、「制度改革の効果を図るために必要な代表的な指標」がいくつか挙げられているが、安定供給という文言も入れていただきたい。
  •  「2.当面の措置事項」について意見を述べたい。
     振替供給契約における契約単位の見直しを検討していただけることは有り難い。
     適正取引ガイドラインは、PPSにとって重要なガイドラインであると考えている。資料を見ると、常時バックアップの取引所への移行ありきで見直しを行うと読めなくもない。取引に十分な厚みがあること等移行のための条件を加えてみてはどうか。
     「3.今後の制度改革を検討するに当たって留意すべき事項」は重要であると考えている。
     「(1)電力自由化と安定供給の両立」について、安定供給の観点から評価する中でのPPSの電源の位置付けやインバランス供給の役割分担等を検討していく際に、託送制度そのものまで踏み込んで検討する必要があるのではないかと考えている。
     「(3)PPSの電源調達のあり方」について、PPSにとって競争や環境等を考慮してベース電源を調達することが大きな課題であり、原子力発電が必要である。来年度の全面自由化の検討の際に議論していただきたい。
  •  「おわりに」の1点目に「制度改革の影響が顕在化するには、ある程度の時間の経過が必要となる」とあり、重要な点であると考えている。例えば、安定供給への影響や設備投資額の削減を含む競争の結果が現れるまでには時間がかかる。そこで、現時点で制度改革の影響を検証した上で、今後の検証における課題が「3.今後の制度改革を検討するに当たって留意すべき事項」に記述されているのだと思う。今後の課題としては、1つは安定供給を確保する仕組みを構築すること、もう1つは、制度改革の影響が顕在化する前に制度改革の影響を測る指標を作って、その指標を外部から見られる仕組みを構築することが挙げられると考えている。
  •  「(1)電力自由化と安定供給の両立」の「安定供給の確保の仕組み」に関連しているが、PPSが今後計画している大規模な電源に対して供給予備率を確保させるとすると、それについて、料金等の対応はどうなるのか。ここに含まれていない問題も出てくるのではないか。
  •  「(1)電力自由化と安定供給の両立」の3点目に含まれているのではないのか。
  •  この点については、「あり方」という表現に万感の思いを込めている。「あり方」として検討すべき事項を全部網羅せよと言われると、多分ものすごく色々なことを網羅することになると思うが、プロが読めば「あり方」の中にどういうことが入っているのかわかるのではないかということで、このような表現を使わせていただいている。
  •  各社の供給計画における送電線の整備計画と、中立機関が作成した連系線の整備計画は、それぞれの役割を持っているので別々に議論するものであると思うが、お互いに整合性を持つ必要があると考えている。報告書の書きぶりは若干悩ましい問題であるが、両者の整合性については議論が必要であると考えている。
  •  電力会社は、供給計画において、安定供給の確保や広域流通の推進の観点から、自社の区域内での送電線・連系線の整備計画を取りまとめている。一方で、中立機関の整備計画は、その連系線の整備を実施するためのルールを定めたものであり、整合的ではある。
  •  送電線と連系線の整備計画がお互いに整合性を持つ必要があるということは、「3.今後の制度改革を検討するに当たって留意すべき事項」の中には含まれると思う。
     競争の観点から、具体的に何か盛り込むべき項目があれば議論していただきたい。
  •  今後の競争のあり方について報告書に書くとするならば、「おわりに」の3点目にある「制度改革の効果を図るために必要な代表的な指標」の中に書くことになるのではないかと思う。
  •  競争関係については、PPSの電源調達のあり方のみ取り上げられている気がする。具体的な書きぶりは難しいが、PPSの電源調達のあり方以外にも競争条件の整備に関する記述が必要ではないか。
     また、PPSの電源調達のあり方に関する記述は、PPSを助けるためではなく、競争状況を維持するためにPPSに関する問題をどのように考えるかという意味であると思う。書きぶりには少し工夫が必要である。
  •  平成19年度を目途に全面自由化の検討を開始するという命題があり、需要家選択肢の確保状況等を踏まえて安定供給等の5つの検討課題を考慮しながら十分慎重に検討することが閣議決定されている。報告書の中には全面自由化の検討があることが書かれていないので、「3.今後の制度改革を検討するに当たって留意すべき事項」で安定供給、環境保全、PPSの電源調達のあり方と3つの項目が並んでいるため、違和感を与えるかもしれない。報告書の中にも、今後、全面自由化の検討があることをきちんと位置付けておく必要があると思う。
     PPSの電源調達のあり方は競争とも関係しているところがあり、本日の議論を踏まえて書きぶりを検討していきたい。
  •  骨子案については概ね了承していただいたと理解。本日の議論を踏まえて修正を行い、報告書を取りまとめることとしたい。
  •  次回は5月22日(月)、報告書の取りまとめについて御審議を頂きたい。
 
 
最終更新日:2006年5月8日
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