資源戦略研究会(第4回) 議事要旨
日時:平成18年4月20日(木)10時00分~12時00分
場所:経済産業省本館17階第1特別会議室
出席委員
浦辺座長、川崎委員、北川委員、北爪委員、白根委員、高山委員、 竹中委員、貫井委員、野崎委員、福島委員、福田委員、前田委員、 松田(憲)委員、吉川委員、吉田委員、他
議事
- レアメタル備蓄について
- 代替材料開発について
- 論点整理(案)について
議事概要
議題(1)~(3)について意見交換を行った。委員の主な意見は以下のとおり。
- 企業が持つ在庫は、備蓄制度とは異なり、常に流動的に運用できる性格のものであり、供給障害に備えたものではない。企業にとっての最適な量以上の在庫を持つことは、国民経済の安全保障が目的となることから、金銭的な面で何らかの公的支援が必要。レアメタル備蓄制度は、制度発足後20年以上経っており、資源政策の観点から原理原則に基づき見直すべき。
- かつて資源偏在していたニッケルは、硫化鉱だけでなく酸化鉱からも回収できるようになっており、将来的に技術が確立する可能性が高い。また、低品位酸化ニッケル鉱からはコバルトが回収出来る。全体の供給リスクの変化に応じ、より供給リスクの高いレアメタルに、備蓄対象鉱種を見直していく必要があるのではないか。
- 資源の安定供給対策は、基本的には中長期的な対応における官民の役割が中心だが、短期的な対応として備蓄制度が存在している。国民経済や産業活動への影響から、国の役割が重要。民間備蓄の3割は、制度創設当初から補助金を前提にしていた。補助金が減少する中で、制度の在り方、財政負担について検討すべき時期に来ているのではないか。
- 鉱種ごとの整理を行った点で進歩している。論点整理を行う際には、鉱種ごとに共通項を横に切っていくことが必要。これまでの議論は、供給サイドにウエイトを置いているが、供給サイドの対策としての探鉱開発ができないものもあり、需要面の動向も念頭において個別に議論する必要がある。
- ベースメタルは、探鉱開発で民間企業がリスクを負うのに対して、レアメタルはベンチャーキャピタルをやるということではないか。レアメタルやレアアースは、機能そのものが発展途上にあり、別な物質が出てくれば取って代わられる。価格も相対で決まる。代替材料も民間企業が自らのリスクで開発している中で、国が特定の鉱種を対象に支援するのは困難。むしろ、国はある程度のスペックを提示し、国のファイナンスによって民需によって進めていく方法もあるのではないか。
- 現在の備蓄7鉱種は、今の時代では一般的なもの。むしろ、これら以外のレアメタル・レアアースが、投資・回収の面で難しい。クロムは価格動向が分かるので、民間企業でリスク・テイキングができる。レアアースに関しては、価格リスクについて、民間企業ではなかなか踏み込めない。リサイクルは、残滓処理の問題が解決すれば、民間企業が技術開発を行うので、回収の比率が上がっていく。備蓄は一過性のものであり、放出や買い戻しのタイミングがなかなか上手く行かない。中長期的な対応として、資源投資とリサイクルを行うことが重要。
- 捨ててもよいものを国が定義してくれれば、後は民間企業がやるだろう。環境規制が厳しく、民間企業がいくら技術力を行使しても経済合理性が出てこない。地質学的に安定しているものであっても、人為的に手が加わったものについては、処理が厳しく規制されている。軽希土類は、値段が下がれば用途はある。民間企業に任せておけば、民間企業が用途を探すのではないか。
- リサイクルに対応した技術開発を行っているが、頭が痛いのは物流面である。嵩がとても大きい一方で回収できるものが少ないため、費用対効果の問題がある。小さいロットで回収して還元する方法があれば、リサイクルが進むのではないか。
- インジウムについては、製造工程内での回収は広くみて7割。残りの3割についても技術的な目処がある。これをしっかりやることが重要。代替材料開発については、現状では困難であっても、産学官の連携の下で引き続き行って成果を発表していくことには意味があるのではないか。備蓄については慎重に考えるべきではないか。
- 民間企業自ら資源開発をやらなければならないが、人材不足の問題もあり国の支援が必要。JOGMEC、JBICは探鉱・開発面で非常に重要な機関である。拡充、強化をお願いしたい。
- インジウムなどのリサイクルは技術開発の余地がまだある。インジウムを含んだ鉱石からの回収にも積極的に挑戦していきたい。ただし、政治、ハンドリング、運搬、最終処分などの面でリスクがあるため、国の支援をお願いしたい。
- ODAを活用した探鉱開発支援は重要であるが、JBICには資源開発に必要な関連インフラへのファイナンスツールもあるので活用していただきたい。インフラ支援のみならず技術力など付加価値をつけていく必要がある。また、JOGMECにおける資源開発セミナーに関連し、ファイナンスに関する知的貢献も図りたい。JBICは、資源国との政策対話について政府系金融機関という立場で今後も貢献したく、国際機関との連携でもお役に立てると考えている。環境・リサイクル面での資金メニューや、フェロクロム・バナジウム・レアアースなどレアメタルに対する支援実績もある。
- 価格の高騰に伴い探鉱投資に対して積極的になっているが、権益を取るコストが上がっている。オールジャパンとしていかに権益を取っていくか、議論を深める必要がある。
- よくわかっている商品はリスクが取りやすいが、よくわからないもの、これからの商品に対しては踏み込むハードルが高い。備蓄にお金を使うのであれば、民間企業が投資する際の補助に回すという考え方もあるのではないか。国が、備蓄物資としてレアメタルを一定期間、一定の価格で買い取るというようにすれば、ボトムラインが出るので投資のやりようがある。
- 技術者が不足し、国内鉱山が一つしかない状況のもとで、海外で資源開発ができる人材の育成が課題。国内では鉱山や商社が一般的な教育を行えるが、現地教育をどうするか、教育の場について議論する必要がある。
- 大学における人材育成に関しては、東大、京大、九大が成果を上げているものの、基礎的な部分について、大学はあまり芳しくない。人材のスペックや必要な教育の内容についての示唆があれば、大学側としてもやりやすい。人材育成プログラムも活用できるのではないか。
- 材料の提供者として、ヴァージン鉱石やリサイクル原料の確保、現在使用している材料の高機能・高効率・高付加価値化、代替品の開発が課題。一つ一つのテーマに個別の問題が多々あり、個別に支援をお願いしたい。民間企業として、備蓄を行うことは価格の乱高下などに対するリスクをヘッジし切れず馴染まないと考えている。
以上
最終更新日:2006年5月16日
