経済産業省
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モノ作りを支える人材関連サービスの高度化に向けた研究会(第5回) 議事要旨

日時:平成18年3月17日(金)10:00~12:00

場所:経済産業省別館11階1120共用会議室

議題

研究会のとりまとめ(報告書案)について

要旨

  • モノ作りの現場は現実に相当数の外部人材に頼っている。従来であれば正社員が担ってきたような基幹的な仕事まで、外部人材は任されている。ユーザー企業の活用の仕方にも問題がある一方、ベンダーが需要に応じたサービスを提供できていない面がある。そこをどうブレイクスルーするか焦点となる。
  • 派遣労働者や請負労働者本人が、どのような気持ちでこの業界で働いているのかを知りたい。
  • 人の採用にベンダー企業は苦労している。ベンダーはどういう環境を整備すれば労働者が人材業界にきてくれるか、どこに不満があるのかは、適宜吸い上げていると思う。ベンダーの意見に労働者の意見も反映されていると考えることは可能だろう。
  • 自動車産業などで働く期間従業員と派遣・請負労働者の意識は違うと考える。期間従業員は出稼ぎ志向がある一方、請負労働者のほとんどは、地元で職業として就業している。そこに、職業としての選択肢がない中で、請負業界・派遣業界を選んでいるので、長く続けたい、継続したいという意欲の方が強いと思う。
  • ユーザー企業はコンプライアンスと言った場合にどちらかといえば、正社員と請負社員の混在の問題を意識すると思う。
  • コンプライアンスと一口に言っても、労働基準法から社会保険の加入まで幅広い。認証・格付制度の提言をする際には、それをどういう中身にするかが問題となる。法令遵守を超えた制度構築をしようとしているのか。今後、制度を構築する際には、労働者の意見が反映されるようなシステムを作っていくことを意識しておくとより発展的なものになると考える。
  • 業界内での制度構築だけでは実効性がないのではないか。人材関連サービス企業は数多く存在し、業界団体に入らない企業もいる。ユーザーを含めた大きな枠組みでなければ難しい。
  • ベンダー20社から成り立つ団体でコンプライアンス基準の策定し、弁護士、社会保険労務士等からなる第三者機関とともに、業界としての認定基準を策定している。最初からできないというのではなく、できることからやろうとすることは重要である。
  • 残念なことに、行政指導を受けながらも、法令を守らないベンダーがいたことも事実である。ユーザー側の「コンプライアンスを守るためのコストはベンダー側の問題だ」という意識も問題だ。メーカー側にも何らかの縛りをしないと、コンプライアンスの問題における正常化は難しいのではないか。
  • ユーザー側としては、ベンダーについて会社そのものよりも個人を見るようになっている。導入時はもとより、定着のため、レベルアップのためのフォロー教育ができるベンダーがあれば望ましい。
  • コンプライアンスは当然である。格付けまでするのは、実際には難しいのではないか。
  • いくらコンプライアンス遵守を旗印にしても、コストアップに繋がればユーザーの使い勝手は悪くなる。これまでの外部人材は補助的な業務や繁忙期対応でしかなかったが、現在は正社員と同様の業務が求められている。コストは変わらないまま、品質維持や生産性向上が求められるようになってきた。そうすると、請負の場合、管理コスト等も必要となる。請負において、ユーザーからコストを下げろといわれるのは当然のことと思うが、コスト削減効果をお互いがどう享受するのかルールを決めておくことが必要である。今までのユーザーは、できもしないことを言うなという意識でいたと思う。ベンダーも教育効果とアウトプットをみて単価改定する努力をする必要がある。
  • 教育インセンティブについては、労働者にインセンティブが戻る仕組み、簡単にいうと処遇に反映されることが必要だろう。
  • 生産性の向上が労働者の教育投資に還元されることが重要という考え方はよいと思うが、生産性向上に取り組んでその結果の一つが教育投資だと思う。あくまで教育投資はOne of themである。海外と競争している状況において、ユーザーとベンダーの双方が儲けていくことがあってこそ、いろいろなものに還元できると考える。
  • 人材の育成や教育を行うことは一時的にはコストアップになる。現実として、日本の製造業を見たときに、かなりの部分を外部人材に頼っている現状があり、それを今までと同じような形で、単にコストダウンを要請するような使い方でよいのだろうか。一時的な社会的コストアップを辞さず、そういうことをクリアしないと日本のモノ作りの高度化はできない。そのためには一時的な投資が必要であることを、前面に出していく必要があると考える。一時的につらい時期があったとしても、労働者にキャリアパスが整備されたり、教育投資がフィードバックされていくようになり、ユーザーにしても管理業務や改善業務ができる外部人材が活用できれば非常に助かるだろう。そういう形が我々が目指すべき姿であるということがないと、教育投資はどのように進めるのかとか、コンプライアンスだけでは方策として外れているのではないかといった議論になってしまい、いつまでたっても集約されない。機軸を入れる必要があるだろう。
  • 短期的にはユーザーもベンダーも負担が必要である。現在の状況を抜け出すことが必要であり、結果としてそれが望ましく、それによって日本のモノ作りの未来があることを言っていくべきだろう。
  • 目指すべき方向性の議論が抜けてしまうと、囚人のジレンマのような状態になってしまう可能性はあるだろう。
  • コンプライアンス遵守について、社会保険加入促進、管理、チェック機能を国で持っていただきたい。これは労働者保護のために必要なことである。派遣の場合は届出が必要だが、請負にはそれがない。社会保険の加入証明を提出すべきということがあるとよいと思っている。
  • ユーザー企業でベテランの管理監督者として働いていたOBがベンダー企業で活躍している。ユーザー企業からベンダー企業に出向いて、現場で働く前に指導してもらえればユーザーにとっても有益だろう。ユーザーとベンダーのそういう交流は可能ではないかと思う。
  • ユーザーの立場からは、請負の場合に、工場中で、自らに必要な教育ができるシステムがあれば問題は解決される可能性が高い。請負契約した場合に全くユーザーが手を出せないのは不便。また、一時的なコスト負担が必要という話はもっともだが、中国と競争している立場からすれば、現実を考えると悩ましい。
  • 請負会社の立場からは、製造現場においては、請負は、派遣と違った高度化に向けた取り組みができると思っている派遣も実際には、契約を更新して実質長期間活用している場合もある。派遣期間の延長が全てを解決するわけではないだろう。
  • 短期なのか、長期なのか、高度な業務なのか否か等外部人材はいろいろ使い方がある。ユーザー側も、外部人材の使い方と契約をしっかり選択しなければ行けないのだろう。
  • 派遣と請負の問題は、派遣法が制定された段階で、コンプライアンスの問題を派遣元と派遣先でルールを決めることで労働者供給が認められたわけで、コンプライアンスをしっかり保てれば、請負も派遣と同様に労働者供給のひとつの方法として認めてもよいのだろう。告示37号の問題は、今後は省庁間の建設的な議論ができれば生産的な議論ができるようになる可能性があるのではないか。現在のいびつな制度をどう変えるかは、派遣労働者、請負労働者、正社員で働く人のそれぞれの働き方や全体をみないと制度の調整はできないだろうが。
  • 現在の派遣・請負の枠組みの中では、製造派遣が圧倒的に増えていくと思うが、その場合、非常に平易な製造現場に変わってきて、改善する力は弱まっていくということを感じている。改善や工夫といったモチベーションが下がる。請負はモノ作りをする体制が可能であるので、派遣が安易な方向にいってしまう前に手を打つ必要があると思う。
以上
 
 

最終更新日:2006年5月17日
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