経済産業省
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総合資源エネルギー調査会電気事業分科会原子力部会放射性廃棄物小委員会(第7回) 議事要旨

日時:平成18年4月25日(火)15:00~17:00

場所:経済産業省別館9階944会議室

出席者

委員

森嶌委員長、井川委員、甲斐委員、河田委員、佐々木委員、
杤山委員、長﨑委員、堀井委員、松田委員、武藤委員

事務局

宮川電力・ガス事業部政策課長、櫻田原子力立地・核燃料サイクル産業課長、吉野放射性廃棄物等対策室長

議事概要

(1)TRU廃棄物の処分事業形態について

  • 事務局より、TRU廃棄物の地層処分事業形態のあり方について説明。
  • 事業者からの説明として、武藤委員(電気事業者)より、TRU廃棄物の地層処分費用について説明。
  • 各委員からの意見。(注:→は事務局及び説明者からの回答)

  • TRU廃棄物の地層処分事業について、制度化に向けた検討を進める理由は何か。

    →本年3月に六ヶ所再処理工場のアクティブ試験が開始されたところであり、今後、TRU廃棄物が本格的に発生することとなる。また、海外での再処理の結果発生したこれらの廃棄物の返還スケジュールが固まりつつある。そのため、これらTRU廃棄物の処分に係る制度化の検討を進める必要がある。

  • 法制度上は地層処分の実施主体が複数設立されることもあり、その場合、併置処分の選択如何に伴い、それらが合併したり分離したりすることも考えられ、事業の安定性が損なわれる心配がある。

    →個別の実施主体が高レベル放射性廃棄物とTRU廃棄物の地層処分を別々に行う可能性も存在するが、処分地選定プロセスを進めていく中で、同一の主体が同じ地点で高レベル放射性廃棄物とTRU廃棄物の併置処分を行う形となることが施策としては望ましい。いずれにしろ、最終処分場の立地においては、地元の方々の理解を得ることが大前提であり、そのために関係者が努力し、対応していくこととなる。

  • 併置処分の採用には、調査段階での技術的不確実性も存在するとのことであるが、不確実性が高いと、地元も受け容れ難いのではないか。

    →併置処分については、原子力委員会において技術的な成立性があると判断されており、例えば処分場のレイアウトや処分場間の離隔距離等についても、今後の技術開発やサイトの地質環境に応じた設計等も踏まえて柔軟に対応することが可能。また、文献調査だけでは地質環境の不確実性が高いことから、候補地点の地質環境等の実地調査(例えば、ボーリング等による概要調査)の結果を踏まえ、併置処分を行うか否かの判断を実施主体が行うこととなる。現制度においても、次段階のプロセスに進むにあたっては、機構から調査の報告書の提出がなされ、そこには調査結果を踏まえた処分施設の設計概念等も記載されることとなるため、併置処分を行うか否かの判断を行う段階においては、技術的成立性を確認できるといえる。

  • 高レベル放射性廃棄物の処分施設を建設することができるような地層であれば、その周辺においても十分に安定な地質環境である可能性が極めて高いことから、TRU廃棄物の処分施設を併設することは技術的に可能。そのため、併置処分は、経済性・社会性・技術的成立性等を勘案したうえで実施主体が選択しうる事業オプションであり、技術的成立性については、実際の地質環境の調査を行う概要調査の結果を踏まえ判断を行うという事務局の整理は妥当。

  • JAEAで発生するTRU廃棄物については、大部分は使用済燃料の再処理やMOX燃料加工に伴い発生したものであるため、本制度の対象となると考えているが、一部対象とならないものも存在。そのため、事務局資料にあるように、受託による処分を可能とする制度としていただきたい。

  • 総事業費約8000億円、毎年度の費用最大約200億円、操業までに40年近く要する事業というと、国民の視点からは事業規模がイメージしにくく、その適切性についても判断できない。例えば、一般廃棄物の清掃工場に関していえば、東京都であれば、1施設当たり1000億円程、市町村レベルでも500~600億円程の事業規模であり、操業までに20年近く必要。こういった他の事業と比較しても、長期かつ過大な事業規模とはいえず、喫緊に対応すべき課題であるといえ、また国民にもそのような説明をすべきではないか。

  • TRU廃棄物の処分を進めていく上では、国民の理解と協力を得ることが重要であり、そのためには更なる技術開発も含め、国民に対して分かり易く説明する必要がある。

    →TRU廃棄物処分の安全性については、特徴の異なる廃棄物が混在しているため、高レベル放射性廃棄物に比べ説明の難しさはある。高レベル放射性廃棄物との整合性も念頭におきながら、TRU廃棄物地層処分の基本コンセプトを整理し、広報素材としてとりまとめ、今後、国民への広報活動を行う予定。また、技術開発についても、原子力委員会から代替技術を含め技術開発を着実に進めることが重要とされており、関係者との密接な連携の下で行っていきたい。

  • JAEAの支払う費用は国費で賄われることとなるが、国は国債により予算を確保している状況。いわば借金をして費用を積み立てるということであり、その利子を鑑みると、将来の費用を拠出金として予め積み立てることは、メリットにならないのではないか。

    →JAEAの予算措置や費用確保のあり方については、処分事業を適切に実施していくために必要な制度についての当小委員会での検討結果を踏まえ、今後、所管官庁である文部科学省や財政当局等との間で検討することとなる。今後の検討課題としては留意することとする。


  • 委員長とりまとめ
  • TRU廃棄物の地層処分事業形態としては、(1)最終処分法の高レベル放射性廃棄物のスキームと同様、(2)併置処分を視野に入れた施策を進めることが重要であり、そのためには高レベル放射性廃棄物処分の実施主体である「原子力発電環境整備機構」がTRU廃棄物地層処分の実施主体となり得る制度とすることが合理的、(3)併置処分を制度的に義務付けるのではなく、関係者の意向等も考慮できるよう、実施主体が選択可能なオプションとして位置付けるべき、という基本的な考え方の同意を得られた。

(2)廃棄物の交換による返還について

  • 事業者からの説明として、武藤委員(電気事業者)より、廃棄物交換のメリットについて説明。
  • 各委員からの意見。(注:→は事務局及び説明者からの回答)

  • 本件について次回とりまとめるとのことであるが、経済的なメリット以外も含めてとりまとめていただきたい。

    →第5回小委員会で提示したものも踏まえ、次回とりまとめを行う。また、廃棄物交換による返還が行われる場合に必要な措置についても、次回、審議していただく。

(文責:事務局)
 
 
最終更新日:2006年5月22日
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