経済産業省
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総合資源エネルギー調査会電気事業分科会原子力部会(第10回) 議事録

平成18年4月18日(火)

田中部会長
 それでは、定刻になりましたので、ただいまから総合資源エネルギー調査会電気事業分科会第10回原子力部会を開催させていただきます。
 本日は、ご出席いただきまして、まことにありがとうございます。2時間のお時間をいただくことを予定しておりますので、できるだけ効率的に審議を進めたいと考えておりますので、よろしくご協力のほどお願いいたします。
 では、事務局から配付資料の確認等させていただきます。
柳瀬原子力政策課長
 本日は、議事次第、出席者名簿、資料1から4、参考資料をお配りしています。
 なお、先日齊藤委員におかれましては、日立製作所執行役専務に、また、佐々木委員におかれましては、神戸大学名誉教授にご就任されましたので、出席者名簿を修正させていただいております。
 以上でございますけれども、資料に過不足ございませんでしょうか。
田中部会長
 ありがとうございます。よろしいでしょうか。
 それでは、早速議題に進んでまいりたいと思います。
 まずは、国と地方との関係についてでございます。本議題につきましては、昨年秋にご議論いただいており、その後、今後の対応として、国・地方などのコミュニケーションの強化策を中心に検討を進め、再度、部会にてご議論いただくというふうに、部会長総括をさせていただいたところでございました。そのため、本日再度議題として取り上げることといたしました。
 まず事務局からご説明をお願いいたします。
柳瀬原子力政策課長
 それでは、お手元の部会資料2という資料でご説明をさせていただきます。
 1枚めくっていただきまして、1ページでございます。昨年秋にこの部会で、国と地方の関係について議論をいただきました。その際の議論のまとめでございますけれども、国の審査と別に自治体の独自の審査があるということに関連して、多数の委員からご発言をいただきました。それで、3つ目の丸でございますけれども、そのときの議論の方向性としまして、改善の方向としては、全国一律に国と地方の権限関係を整理する制度の導入よりも、むしろ、国と地方とのコミュニケーションの強化により、相互理解、信頼関係を構築するソフトなアプローチのほうが効果的であるという意見が多うございました。
 今回は、その秋のときの議論を踏まえまして、国と地方のコミュニケーションの強化策について、ご議論いただくための事務局のたたき台のご提案をさせていただいているわけでございます。
 1枚めくっていただきまして、2ページでございます。取り組みの基本的な視点ということでございます。1つ目に、この原子力部会のテーマの中でも、2030年後のリプレースの話とか、あるいは2050年ごろの高速増殖炉の実用化の話とか、そういうテーマもありますけれども、この国と地方の信頼関係の強化というのは、まさに現実的な課題でございます。したがいまして、2つ目の矢印ですが、抽象論、理念論にとどまることなく、具体的な方策を考えていく必要があるということでございます。
 2つ目でございますけれども、立地地域の実情に応じたきめの細かな取り組みが必要だということでございます。1つ目の矢印でございますが、立地地域によりまして、国に求める取り組みは多様でございます。こういった地域ごとの多様性を踏まえた取り組みが必要であるということで、2つ目の矢印でございますが、地元の自治体とよく相談をして、関係事業者の活動、あるいは自治体自身の取り組みといったことの関係も勘案しながら、国の取り組みに何が求められているのか、これを踏まえたきめ細かな対応ということが大事だというのが、視点の2でございます。
 1枚めくっていただきまして、3ページ目でございます。直接対話による国の顔の見える取り組みということでございます。前回の部会でも、多くの委員の方からご意見がありましたけれども、やはり、立地地域の方々に国の顔が見えることが大事だという点でございます。立地地域の方々は、皆さん、多様で具体的な関心を有していることから、これらの関心に一つ一つ正面から答えていくということが必要だという議論でございました。したがいまして、直接国がしっかり対話を行っていくということが重要だということでございます。
 4つ目の視点でございますけれども、国の各レベルによる真摯な取り組みと書いてございます。1つ目の矢印ですが、立地地域の理解の増進、信頼関係の強化というのは、一朝一夕にできるものではございませんので、地道な取り組みの上に初めて実現できるというものですので、国のレベルによる真摯かつ継続的な取り組みが必要だと。これを尽くして国と地域との信頼関係を積み上げていった上で、立地地域が意思決定を行うなどに際し、必要な場合に、大臣をはじめとする責任者が対応するという視点でございます。
 1枚めくっていただきまして、4ページ、地域振興の継続的な取り組みということでございます。やはり、立地地域との信頼関係を強化するためには、1回こっきりの地域振興ではなくて、そこに国が継続的に取り組んでいくということが必要でございますし、このためには、省内いろいろな部署、あるいは関係省庁が連携して対応することが重要だということでございます。
 6項目でございますけれども、行政体制の強化ということでございます。これはやはり、体制の強化が重要だということで、質、量、両面あると思いますけれども、一つはやはり、経験の蓄積、きめ細かい取り組みができるような体制をつくらないと、なかなか絵そらごとになるということでございます。
 7番目の視点でございますけれども、官民役割分担に応じた関係事業者との連携ということでございます。地域の理解を得るためには、民間事業者さんも、全戸個別訪問など、相当広範な活動を実施しておられます。国は国として政策上の必要性、あるいは安全性の説明といった国の役割について理解促進活動を行うわけでございますけれども、その官民の役割分担に応じまして、こうした民間事業者の活動と十分に連携して効果的なものとするというのが必要だというのが、最後の視点でございます。
 こうした視点を踏まえまして、今後の取り組みでございます。
 1つ目に、まず地域住民との直接対話の強化ということを2種類書いてございます。1種類目は、シンポジウムなど多数の住民を対象とした取り組みということでございます。今回のプルサーマルのシンポジウムなどでは、プルサーマルに慎重な立場、賛成の立場の方々によるパネルディスカッションを実施してございます。それで理解が深まったというような見方も聞いてございます。これは一例ですけれども、今後も立地地域において、多くの住民を対象にした取り組みを行うに際して、よく地元の自治体とご相談をして、住民の一層の理解を得るためにどのような取り組みがいいのかというのを深めていくことが重要だと考えてございます。
 1枚めくっていただきまして、6ページでございます。直接対話のパターンの2つ目でございますが、より少数の住民を対象としたきめの細かい取り組みと書いてございます。先ほどの多数の方を対象にした取り組みに加えまして、少人数ごとの地道な取り組みも有益ではないかということでございます。2つ目に書いてありますような座談会形式での住民と国の担当者との対話ということも、今後徐々に広げていったらどうかということでございます。その際のポイントとして、住民の方からの意見や質問によく耳を傾け、それに答えるということを主眼として、国が分厚い資料を一方的に説明したりするのはよくないということで、むしろ聞いた上でそれにお答えをするということが基本ではないかということでございます。
 1枚めくっていただきまして、7ページ目でございます。地元の信頼関係を積み上げた上での責任者による国の考え方と方針の表明ということでございます。先ほど視点のところで申し上げたように、いろんなレベルで、真摯かつ継続的な取り組みを行って、国と地域の信頼関係を地道に積み上げていくというのが何より大事だと思ってございます。その上で、特に重要な案件について、地元が意思決定を行うなどの場合には、大臣をはじめとする国の責任者が、地元の責任者の方の意見もお伺いをして、それを踏まえて国の考え方、あるいは方針を直接お伝えするというのが適切ではないかということでございます。
 また、地域振興の継続的な取り組みということで、立地交付金などの支援に加えまして、地域産業政策の立案面でのサポートなど、広く継続的に支援をしていくということが大事ではないかということでございます。
 8ページ目でございます。国の検査への地方の参加ということでございまして、前回でも議論が出ていましたけれども、やはり、国の検査が的確に行われているということについて、立地地域の十分な理解を得ることが大事だというご意見が多数ございました。こうしたことで、原子力安全・保安院におきましては、立地地域から要請があった場合に、事業者の理解が得られるなどの一定の条件を満たしていることを前提としまして、国が行う検査に立地地域の立ち会いをしていただくということを始めたわけでございます。今後もこういうことをやっていったらどうかということでございます。
 それから、1枚めくっていただきまして、9ページでございます。国の中の話で恐縮でございますけれども、やはり、行政体制といたしまして、これまで資源エネルギー庁の中におきましても、プルサーマルはプルサーマルの担当課、核燃料サイクルはサイクルの担当課、新規の原発の立地についてはその担当課ということで、そのミッションごとに部署が分かれておりましたけれども、それではなかなか対応がうまくいかないということで、対応を集約化し、かつ一元的に経験を蓄積してきめ細かな取り組みができるようにしようということで、原子力立地・核燃料サイクル産業課というところに、この立地関係を集約したわけでございます。これに合わせまして、今後必要に応じまして、体制の整備、予算の確保を検討すると。その際には、地方支部部局の活用なども十分やっていく必要があるということでございます。
 以上でございます。
田中部会長
 ありがとうございました。
柳瀬原子力政策課長
 お手元に、最初に、すみません、資料1をちょっとご説明を飛ばしてしまいましたけれども、「はじめに」というのがございます。これは、きょうのテーマの国と地方の関係と、広聴・広報の2つを挙げてございますけれども、この2つは、実際にやってみると、車の両輪だということをよく意識をする必要があるということでございます。
 この2つ目の丸でございますけれども、プルサーマルなど当該案件について、地元の理解を進めていくためには、その当該の地域との理解促進活動に加えまして、そのベースとして、サイクルを含めた原子力発電全体の必要性とか安全性についての広報が、ベースとしての厚みがあるということがないと、なかなか効果的に進まないということで、きょうの2テーマの関連を最初に整理をしてございます。
 以上でございます。
田中部会長
 ありがとうございました。
 それでは、各委員からご意見、ご質問等がございましたら、お願いしたいかと思います。いつものとおり、名札を立ててください。河瀬委員お願いします。
河瀬委員
 よろしくお願いします。きょうの議題というのは、一番私どもと深い関係の議題でありますので、私のほうから、最初にいろいろと意見を述べさせていただきたいと思います。
 今るる説明をいただきましたし、この資料も、先に少し読ませていただいたんですけれど、全般的には、いろいろな私どもの気持ちを取り入れていただきまして、よくできているんじゃないかなと評価をいたすところでございます。特に、国と地方とのよりよい関係の中で原子力政策を進めていきたいという思いが感じられるわけでございまして、事務局、柳瀬課長さんの真摯な姿勢だと思っておりまして、ほんとうに評価をしたい、このように思っております。
 ただ、私どももよく発言させていただいておりますけれども、国の概念といいますか、そういう中に「地方」という言葉、当然道府県、そして、市町村ということがあるんですけれど、私の立場から言いますと、やはり、立地の市町村という代表でここに出させていただいておりますから、市町村の割合といいますか、もちろん、国から見ますと、県も大事、市町村も大事ということは、そういう形で取り組んでいただいていると思うんですけれども、やはり、文章で「知事など」ということですから、当然責任者でありますから、そこに市町村もつくわけでありますけれど、ちょっとひがみの思いかもしれませんけれども、やはり、立地の市町村もありますから、「知事はじめ立地市町村の」という形でぜひ、私どももいるよということを、存在をアピールしたいなという、そのような思いがするところでございます。特に私どもは、ご承知のとおり、ほんとうに身近に地域の皆さん方と接する立場でありますし、一番最初に何かあれば、私どものところにいろんな意見が飛んでくるわけであります。そういう意味でぜひ、最前線に私どもは立っておりますし、そういうところをご理解いただきたいなと思っているところでございます。
 そこで、信頼関係の中で、やはり、地方に出ていって、いろんな話を聞こう、また、そういうことも今やっていただいておりまして、これはほんとうに大事なことだなと思います。私どもも、小さな町でありますけれど、そういう中で、いろいろと私も語る会ということで、毎年でありますけれども、いろんな皆さん方とひざを交えて懇談を行っております。きのうの夜もちょっと行ってきたんですけれども、そういう中でまた、いろんな意見が出てまいります。なかなか行政の中だけでまちづくりを思いながら進めておりますけれど、やはり、気づかないところもあるわけであります。もちろん、議会がございますから、議会の中での議論でも、いろんな声を吸い上げながら運営しておりますけれど、ほんとうに身近な、気づかないところでの、ぽっとした意見が、いい意見が出るわけでありますので、これからもぜひ、しっかりと住民との対話を行っていくという姿勢は、ぜひ続けていただきたいなと、このように感じたところでございます。
 そして、私どもにいたしますと、私どもいつも言っておるんですけれど、原子力発電所を持っておる、それが一つの自慢になると。結局、私どもの地域には原子力発電所があるんだよと胸を張って言える地域にしていきたい、実はこう私は思っておりますし、そういうことで、常々選挙戦も戦ってまいりました。そういうご理解を得られて、当選をさせていただいていると認識をいたしておるわけでありまして、そういう自信と誇りを持てる原子力の立地地域、これをぜひつくっていきたいと思いますし、また、それをやることによって、これからほかのいろんなところの参考にもなるわけでありますし、やはり、原子力の立地というものが進むことも、一つ十分な可能性を秘めると、このように思っているところであります。
 そこで、その根底といいますのは、やはり一番は、私は、安全確保でございます。どのようなことがありましても、安全と引きかえますと、昨今のいろんな事故等を見ておりますと、ちょっとおろそかにすることによって大変大きな代償を支払わなくちゃならんという事例がたくさんございますし、その安全を軽視することによって、後からはかり知れない大きな負担がかかってくるというのは、今までのいろんな事件、事故を見ておりましても、証明をいたしておるわけでございます。
 そういう点で、私ども、国の安全規制がしっかりしたものがあるということで、立地地域として原子力政策に協力をさせていただいているわけでございますし、特に一抹の不安というのは、これはあります。病気になるんじゃないか、事故に遭うんじゃないかという、人間として生きている限りの不安というのは、これはあると思いますし、その部分をよく突っ込まれて議論する反対の立場の皆さん方もいらっしゃいますけれど、その部分は、いかにそこを減らすかというのが大事じゃないかなと思っております。それは国の安全規制が大きな役割を担っておると、私は思っておるんですけれども、特に安全に係る地方の判断でございます。特に現場にいる者の視点と、今もいろんな配置も、これも、私どもの声を聞いていただきながら、保安院の中で、しっかりと現場サイドにもいろんな皆さん方、配置を行っていただいておるわけでありますし、また、いろんな国と、そして地方の、今回立ち入りはということで、現に美浜のほうでも今回行われたわけでありますが、国の安全確保のチェック、そして、我々地元の安全確保のチェックということで、地域住民から見ますと、要するに二重の安全チェックになっているなという思いがあるんですね。
 もちろん、私は、国が一元的に責任を持ってやってほしいという気持ちがありますけれど、やはり、地域住民から見ますと、あっ、国も、県の立場でも二重に安全をチェックしていただいておるんだなという、その安心感に非常につながるんじゃないかなと思っておりまして、確かにこれが、私どもいろいろな安全協定を結ぶ中で、例えば市の立場での立ち入り検査云々ということもあるんですけれど、なかなか市のレベル、町村のレベルになりますと、人員的な問題がございます。それだけの人員をそこに配置をしておくというのは、非常に今、特に人員削減でありますとか、行政改革の中で難しい点がございますけれど、ある程度の県レベルになりますと、そういうことも可能でありますので、そういう点では、二重の安全チェックを行うということは、地域住民にとっては非常に大事なことなんじゃないかなと思っておりまして、もちろん、国が第一義的には責任を追うわけでありますけれど、地方の立場の中でもチェックする、そういうことで立ち入りを認めていただいて、私ども、担当者といいましても少のうございます。そういうときに、たとえ随行でもさせていただいて、こういう形でやっているということを、そういうことをまた、目で見たものが、たとえば住民のいろんな声を聞いたときに、現場に行って、国は、これだけ、こういうことをやっていただいているという報告がすぐできるわけでありますので、そういう点では、ぜひ、その形は進めていただきたい、このようにも思っているところであります。
 そこで、安全につきましては、今申し上げたとおりでありますけれど、次に私ども大事なのが、地域振興でございます。これも、私ども常に、いい地域づくり、先ほど言いましたように、原子力があってよかった、そして、そういうことが、地域住民も、住んでいる皆さんも感じますし、また、ほかの自治体から見ても、「ああ、原子力を持っているというのは大変いいですな」と言われる、そのような地域にしたいと思っておるんですけれども、いろいろな制度がございます。その中で、私ども不満を持つ点がありますので、ちょっと言わせていただきたいと、このように思います。
 例えば減価償却制度の撤廃を今うたわれておりますし、また、60年ぐらい運転できるんじゃないかと今、議論もされておるわけであります。15年の耐用年数の議論というのは今、全くされていないのが現状でございます。ご承知のとおり、大規模償却資産の残存価額が5%ということでずっと来ておりますものを、1円にしようという、そのような動きもあるわけでありますし、また、電源三法の一般会計の直入であります。これも、私どもも、今までもいろいろとこういうお金を活用させていただきながら、地域づくりに努力してきたわけでございますけれど、やはり、いろんな制限もありました。これも、いろんな私どもの運動、また、そういうことをご理解いただきながら、少しずつよくしていただいていることも理解をいたしておりますし、感謝を申し上げるところでありますけれど、それを一般会計へ直入できる体制がとれないかという問題、また、これも前もお話ししましたけれど、道県を対象といたしました核燃料サイクル交付金等があるわけでございます。ぜひこれも、市町村へも明確なそういう配分をいただきたい、このように思っているところでありまして、そういう点につきましては、少し私ども立地の市町村としての思いを述べさせていただいたところでございます。
 それと、特に今、トップランナー方式であります。プルサーマル等のことにつきまして、最初にしたものにはこうだよという制度がとられておるわけでありまして、私どもにいたしますと、非常にこうお互い、私どもも、立地地域同士、いろいろ連携をとりながら、お互いの地域の悩み、また、地域の課題を議論し合い、そして、力を合わせて、国の皆さん方に対して、また、いろんな皆さん方に対しての行動をとっておるわけでありますけれど、要するに足並みを乱すことにもなりかねないわけであります。トップランナーで、じゃあ、おれのところは先へ行くよという感じですっと行かれてしまいますと、やはり、私どもの結束につきましても、非常に問題点を生ずると私どもは思っておりまして、そういうことを国のほうでされるということが、私どもは国と地方との信頼関係を崩してしまうんじゃないかなという懸念も持っておるものでございます。やはり、私ども全原協の会員の中からは、こういうものに対しまして、非常に憤りとも言えるような声も寄せられていることも事実でございます。こういう状況をぜひ謙虚に受けとめていただきたい、このように思っておる次第でございます。
 また、この資料の4ページのほうにも、信頼関係を強化するため、省内各関係部課や関係省庁が連携をして地域振興へ継続的に取り組むことと、記載をされておるわけでございますけれど、極めてこれは大事だと思っておりまして、きめ細やかに実施をしていただきますようにお願いをするわけでございます。こういうところで、冒頭言いましたように、いろいろといい文章で書いていただいておりますけれど、やはり、これを実行していただく、このことが非常に大切でありますので、ぜひ、今ほど述べました、敷衍的なところもございましたけれども、全般的にはこういう形でやっていただきたいという思いでございますので、発言をさせていただきました。
 よろしくお願いいたします。
田中部会長
 ありがとうございました。
 引き続きまして、児嶋委員、お願いいたします。
児嶋委員
 きょうの、この国と地方の信頼関係の強化についての資料を読ませていただきまして、私は、ほんとうにうまく書けていると思います。国が前面に出るべきであると、国の顔が見える取り組みが必要であるということが書いてありますので、私、全面的に賛成でありまして、このことを既にこれまで、私も何度か申し上げましたけれども、少なくとも私の主張が取り入れられていることを大変うれしく思います。
 これを読むに当たりまして、いろんな事例もあるかと思いますが、非常にうまくいった例が一つございます。それは、ちょうどもんじゅの改造工事云々について、まだ最高裁の判決が出ていないとき、裁判所のゴーサインが出ていないとき、まだ最高裁がオーケーと言っていないときに、サイクル機構さんのほうで、もんじゅの改造工事についての説明会をされたときに、当時の文部科学省の局長だった坂田さんが出てこられまして、国としての主張をしっかりと説明されて、そしてまた、いろんな質問に真剣に答えられました。そしてまた、それは福井市で行われたんですが、県庁所在地の福井市でなくて、敦賀、地元でも開いてほしいという要望があったときに、坂田さんがすぐに「わかりました。やりましょう」と言って応じていただいて、そして、非常に真剣な説明をされました。その坂田さんの姿勢に、私は感動したんでありますが、つまり、国がこのように前面に出てきてきちんと説明して、そして、深い地元の理解を獲得する。そしてまた、国に対する信頼関係を非常に強く築かれたと、私は思っております。それが改造工事に結びついたと、私は思っておりますが、いずれにしろ、国がやはり前に出てきちんと説明するということが非常に重要であるということを、坂田さんの態度を見て、おやりになったことを見て、私は感じました。そのことが、しっかり今回ここに書いてあります。ですから、そういう意味でも、非常にいいと思いました。
 さらに、もう一つ今、保安院のことが8ページに書いてありますが、国の検査への地方の参加と。今、河瀬市長さんも申されたように、この保安院の検査への立地地域の立ち会いですね。立地地域の方々の市町村、あるいは県の方々がきちんと立ち会うと。これは、福井県で美浜3号機の検査にも立ち会ったということがありますが、これを、私は、非常にいいことであると思っております。一たん保安院が検査した後、地元の委員がもう一遍立ち会うというのは、やはり二度手間であり、三度手間になる可能性があるわけですが、国と地方との信頼関係の上で、こういう立ち会いが同時に行われるということは、非常に私はいいことだと思っておりまして、その点もここに明記されている点を、私は高く評価したいと思います。今回のこの国と地方との信頼関係の強化は、非常によくできたものであると、私は思います。その点、うれしく思っております。
 ありがとうございました。
田中部会長
 ありがとうございました。
 末永先生お願いします。
末永委員
 この資料2ですか、今、児嶋先生も申されておりましたけれども、大変基本的には、全く異存はございません。ただ、そういう中において、我々、青森県なら青森県の一県民として、これをどのように具体的に進めていくのかということが、これから国、あるいは自治体、あるいは県民の一人として、その具体的な内容というのを詰めていくことが必要だろうと思っています。そういう中で、昨今の、特に青森県の動きを若干紹介いたしまして、その中から、いささかでも具体的なことになるヒントをちょっと申し上げてみたいなと思っております。
 ご承知のように、再処理事業に関しましては、この3月31日から、いよいよアクティブ試験に入りました。そのアクティブ試験に入る前に、事業者も、住民説明会というのを県内4カ所でやりまして、あるいは、県も、県内6カ所で7回やったんですが、そのような県民説明会、住民説明会というのを行っております。特に県が行ったこの住民説明会、県民説明会におきましては、これは前にも申しましたけれども、このアクティブ試験の住民説明会だけじゃなくて、ほかの例えばウラン試験のときもそうだったんですが、国の担当者が必ず出席してくださっておりました。国の担当者の方が説明員の一員として出席してくださったわけですが、特にそのときに、規制面とか、あるいは政策面ですね、そういったことに関しまして、大変きめの細かい説明をしてくださったと記憶しております。実はそのことが、事業者とか、あるいは県当局のさまざまな努力というのをさらに実り多くしていったということは、これは疑い得ないことだろうと思っています。そういった意味で、そういう中においては、国が大変貢献してくれたということは、私は県民の一人としても大変感謝いたしますし、あるいは国の役割というのが極めて重要であるということですね。そのことを如実に示しているものと思っております。
 繰り返しになりますが、特に国の役割といいますか、そういう中においては、安全性とか、あるいはそれと裏表の関係ですが、それに伴う不安を除去するということですね。そういったことに関しましては、例えば原子力安全・保安院ですね、そういったところの方々が、ある種の権限と権威を持っているわけですから、そういう方々が出てきていただいて、判断基準、あるいは判断理由等々を地元にきちんと説明していただく、こういったことが、これからますます重要になってくるのではないかと思っていますので、その辺で事業者、あるいは県当局、そして国が、それぞれどういう形において住民説明を行っていくのか、また、その中における役割分担と、そこにおける国と地方との信頼関係というのを、そういう中において構築していっていただきたいと思っています。
 それからあと、「顔の見える」云々とありました。これも極めて重要だと思います。3ページ、あるいはその他に書かれています。そういう中においては、この間でありますが、アクティブ試験の実施に当たりまして、または六ヶ所村に国から駐在員――正式な名称をちょっと忘れたんで恐縮なんですが、これはプルトニウムの抽出になりますので、駐在員がいらっしゃったはずです。ところが、地元の新聞の取り上げ方というのは、まさにべた記事であります。そういう方が来ているということも、ほとんどわからない。ましてや、そういう方々が何のために来たかもわからないということであります。したがいまして、せっかくそういう方々が来ていらっしゃる。つまり、これは、安全、あるいは核防御その他の観点からいらっしゃっているわけですが、そういう方々の存在とその役割、あるいはさらに、日常的にどのような業務をやっているかということは、ぜひとも広く、やはり広報する必要があるだろう、知らしめていく必要があるだろうと。そのことが、いわゆる「顔の見える」ということの具体的なことになるんじゃないかと思っております。
 それからもう一つ、地元のニーズをとらえた形での説明会、あるいはシンポジウム等々、そういうことが書かれています。これは、けだし当然だろうと思っております。ただし、もう一つ、確かに地元のニーズ、あるいは地元の意見、質問等々に答えていくというのは極めて重要だと思いますが、やはり同時に、例えば世界のエネルギー事情、あるいはFBRとか、プルサーマルとか、あるいは再処理もそうですが、そういう極めてこれからの我が国の原子力政策にとって重要な事業等々、あるいは核不拡散の問題もそうだと思いますが、そういった問題というのは、地元のニーズというよりは、むしろ国あるいは県等々が、こちら側から問題提起をして、住民に対して知らしめていく、あるいは住民の理解を得ていくということは、これまた、重要ではないかと思うんです。あまりニーズ、ニーズ、あるいは質問等々に答えるとなりますと、どうしてもやはりその辺では、悪いですが、日本の原子力政策全般を理解した形における住民というのはなかなかおらないわけですから、その辺は、こちら側からも踏み出していくことが必要だろうと思っています。
 いずれにいたしましても、国と県等の地方ですね、あるいは市町村自治体、さらには事業者も一体となった、先ほどもありましたが、効率的な、そういう情報発信、あるいは関係というものを築いていっていただきたいということを一つ申し上げたいと思います。
 それからもう一つですが、これは、私は青森県におりまして感じたことなんですが、例えば再処理事業のアクティブ試験を行うとき、実は青森県だけの問題にもはや限定されなくなってしまいました。つまり、隣県の岩手県からも、住民説明会を開いていただきたいという意見が出ておりましたし、また、開きました。あるいは、さらにその南でありますが、宮城県のほうからも、これは海流との関係なんですが、住民説明会とまでは言わないんですが、説明会的なものを開いていただきたいということを漏れ聞いております。としますと、これは実は岩手県で開かれた2回は、たしか国のほうも、事業者と一緒になって出ていってくださって、いろいろ説明してくださったと聞いておりますが、もう隣県、あるいは隣々県ですね、そういう、青森県なら青森県というところを離れたところでの住民説明会等々になりますと、これは多分、事業者だけには決して任せておけない。むしろ、このような問題は、これからさらに大きくなってくると思います。さまざまな形で出てくると思います。したがいまして、そういうときは、立地当該県に関しましては、事業者が第一義的な責任を持つというのは当然でありますが、そうでないような場合におきましては、やはり国が前面に出て、きちんとした説明等々をやっていただきたいと、そういうことを昨今感じたということであります。
 以上であります。
田中部会長
 ありがとうございました。
 伊藤委員お願いします。
伊藤委員
 今回のテーマの1つである、国と地方の信頼関係の強化につきましては、地域で発電事業を営む電気事業者にとっても、非常に大きな課題ということで、事業者の立場から、一言ご意見を申し上げたいと思います。
 国と地方との関係ということで言いますと、国へのニーズは、その地域の事情によって、いろいろと違うと思いますが、基本となりますのは、やはり、国と地方、それからもう一つ、私ども電気事業者の、この三者の信頼関係がしっかり構築されていることであると考えておりまして、このため、日頃からの、コミュニケーションが大切と考えております。
 私ども事業者としましては、地域の方々との信頼関係がより一層向上するようにということで、日頃からさまざまな工夫を凝らしているわけでございますが、まずは透明性のある発電所の運営、それから、安全確保への取り組み、あるいは事業計画などについてご説明をしたり、また、一方で、それと同時に双方向で地元の方々のご意見に耳を傾けるということも大事なことであり、そういう中で、情報発信をしているところでございます。本日の資料にもありましたが、発電所の職員が直接対話することによりまして、地域の方々のご意見を伺い、また、こちらのお話もさせていただくという全戸訪問活動、これも日頃から取り組んでいるところでございます。
 このように、できる限りの努力をしていくつもりでございますが、事業を進めるに当たりまして、国の政策上の位置づけや、あるいは安全規制における判断というものにつきましては、どうしても私ども事業者からの説明には限界があると思っております。今も末永委員から、青森県でこういう規制の問題、あるいは政策の問題について、国が前面に立って説明していただいたのは非常に有効であったというお話がございましたが、まさにそういうことであろうと思います。これはぜひ国のほうに、特にお願いをしたいと考えております。今回、国が前面に立ったコミュニケーションの強化等の方向性を打ち出していただいたということは、そういう意味で大変ありがたいと考えております。
 原子力には、当然でございますが、厳格な安全確保が求められ、また、国のエネルギー政策の基本として、エネルギー・セキュリティ、あるいは温暖化対策等に貢献しているという位置づけがあるわけでございますが、国には、地域の方々のニーズに応じて、政策上の必要性や、あるいは、事業者が行う安全確保のための活動を国としてきちんと確認しているということなどにつきまして、今後とも責任ある立場でご説明をしていただき、地域の方々に理解を深めていただくことが重要であると考えます。例えばこれまでもトラブルなどが発生しましたときに、その原因の究明と対策の妥当性などにつきまして、国のほうから、県あるいは地元に直接ご説明もいただいてきておりまして、こうしたことが、地域の方々のご理解を深め、あるいは安全・安心につながっていると考えております。
 繰り返しになりますが、私ども事業者は、今後とも発電所の安全・安定運転はもとより発電所運営の透明性向上に努め、そして、国と、地域と、私ども事業者が、日頃から緊密にコミュニケーションを図っていくことによりまして、原子力の円滑な推進に努力をしていきたい。これが、安全・安心の、基本だと考えております。
 以上でございます。ありがとうございました。
田中部会長
 ありがとうございました。
 続きまして、長見委員、お願いいたします。
長見委員
 今回のこの資料2のところに出てくる地方自治体というものは、立地の地方自治体をイメージしてできていると思うんですね。ただ、それだけではなくて、先ほど末永委員がおっしゃっていましたけれど、そのほかの地方自治体というものとの関係というのも、大変実は重要ではないかと思うわけです。私は、巨大な電力消費地の東京におりますけれど、東京都という自治体が、こういうエネルギー問題をどう考えて、どういう政策を提案しようとしているのかとか、住民に対してどういうコミュニケーションをしようとしているのかというのは、全く見えないんですね。東京都のお知らせとか、区のお知らせとかというのは、私は結構きちんと読むほうですけれど、そういうものはあらわれてこないわけです。それと、立地の住民の方たちとお話ししていると、結局、消費地の人たちがどう思ってくれているんだろうかということを非常におっしゃいます。私たちのこの思いを理解してくれているんだろうかとか、やはり、何かあるとすぐ風評被害を受けるとか、そういうことがやはり不安に輪をかけていくような感じを受けましたので、やはり、消費地の行政というものの役割というのは、非常に大事ではないかなと思うんですね。そして、その消費地の自治体のほうが、やはり、住民とのコミュニケーションを一番とりやすいわけですから、同じ目線で政策を考えるということが大事になると思うんです。
 これは、この後の広報・広聴の話にも結びついていくんですけれど、決して例えば原子力だけのことではなくて、総合的なエネルギーというものの考え方とか、環境だとか、いろいろな産業とか、そういうものも込みで、それぞれの地方自治体がもっと取り組んでほしいと思っているんですね。それを国が後押しをする形の政策がやっぱり必要なんではないかなと思いますので、そういうものもちょっと書き込んでいただけたらと思います。
 以上です。
田中部会長
 ありがとうございました。
 佐々木委員、お願いいたします。
佐々木委員
 二、三、申し上げたいと思います。
 非常に大きな問題でありますが、まずこの問題についてのアプローチというか、手法に関して申します。これは、資料2の1ページの冒頭のところで、昨年秋の、この部会での議論を、部会長の「まとめ」というか、「総括」というところに書かれている。丸が幾つかありますが、その3番目の丸のところが一つの、手法についての意見が分かれたところの「まとめ」の部分だと思います。どういうアプローチがあるかというと、一言で言えば、この3番目の丸の一番最後のあたりにある、ソフトアプローチというか、相互理解とコミュニケーションを深めていく、信頼関係をより濃密にしていく、そうすることによってというのが、ソフトなアプローチ。それに対して、私はどちらかというとハードのアプローチというか、そのときは少数派意見だったと思いますが、そういうことを述べました。
 もう一回ちょっと、私自身の意見というか、私はハードのアプローチというのはこう理解しているということを簡単に申し上げた上で意見を申し上げたいのですが、私は、国策に及ぶような、例えば基地の問題、基地の建設とか、あるいは国際空港の建設とか、それから、原子力発電所の建設とか、そういう国策に非常に大きくかかわるような、特にインフラですが、そういうインフラの建設というものについては、国と地方との関係、役割分担はどうあるべきか、特に、国と当該の立地地域の利害が衝突するときにどう解決するか、どう調整するかというルールをつくるべきだということを申し上げたと思います。それも、ここで言うハードなアプローチの中に入るのだろうと思います。もちろん、ほかの、ここで言うハードなアプローチ的な意見を述べた方が必ずしも私の意見と同じとは思いませんけれども、しかし、私の上記の意見は一つのハードなアプローチと言えるのではないかなと思うのですね。
 それはそれとして、本資料は、しかし、今の1ページのところの3番目の丸のところにございますように、そういう意見は少数派であって、そうでなくて、ソフトなアプローチがより効果的であるという意見が多かったと書いてあるのです。この資料は、したがって、2ページ以降はずっと、いわゆるソフトなアプローチでつくられているというわけで、これはこれでこの資料を評価をしますというか、それはそれで納得しますけれども、もう少し、ただ単に「効果的である」という「意見が多かった」というのだけでいいのかなと、若干注文をつけたい。それは、本資料のつくり方として、私の立場から言うと、もう少し分析的につくれないかと思うのですね。どちらかというと、非常にある意味で作文的というか、作った方に申しわけありませんが、そう思わざるを得ない。
 その1として、例えば立地の当該地域については、いろいろな国の、あるいは地方のリソースですね、これが、おそらく金、人材、情報等々、いろいろなリソースが投入されている。そのインプットに対して、アウトプットはどうなんだろうかと。もっと具体的には、例えばその当該地域の「雇用創出効果」というものがどうなってきているかということとか、あるいはいろんな施設ですね、社会基盤、そういう「インフラの整備率」がどうなっているかとか、あるいはその当該地域からあふれてお隣の、隣接する自治体に、いわゆる「スピルオーバー効果」というのがあろうと思うのですが、そういうような効果の、できれば測定ですね、あるいは計測、そういうようなこともあっていいのだろうと思います。
 それから、もちろん、そういうものが立地して、いろいろなインプットがありましたから、そういう地域の「世帯あたりの収入(所得)」はどう増加しているかというような問題とか、そういうようなことをもう少し入れていくと、もっと分析的というか説得的な資料になったのではないかというのが一つ。
 もう一つは、こういうようなもの、特に原子力発電所等々が立地している地域について、国等々がいろいろな支援とか、そういうことをやっているのは、我が国だけではないわけですね。ほかの外国でも、幾つかの国ではそういうことが行われている。そういう場合の類似のことをやっている国の施策の手法や、あるいはそのボリュームというか、支援の量・質ですね。そういうものと、我が国のやり方との比較ですね。どう違うのか、あるいはどういうところに日本的な特徴があるのかというようなこと、これもお調べになって、この資料の中に入れていったほうが、より説得的になるのではないかと思います。
 それから最後に、この資料はこの資料で認めますけれども、ソフトアプローチと言われるものを今後も続けていく場合に、これはこれで利点はあるわけですね。どういうところに利点があるかというと、私の理解では、一つは、非常に「現実的」であると。いわゆるハードアプローチよりもソフトアプローチは非常に現実的です。もう一つは、今までも同じようなアプローチをしてきましたから、そういう意味では「継続性」があると、そういう点でも優れていると思います。それは、評価をします。しかし、今後も、これからも、このいわゆるソフトアプローチをずっと我が国は続けていけるのだろうかなと、ちょっと疑問に思うのですね。そう思ったときに、もう一度もとに戻ってというか、ある段階から、特に事務局にお願いしたいのは、いわゆるハードなアプローチと言われるものについても、今から研究をしておいていただきたいということです。
 以上。
田中部会長
 ありがとうございました。重要なご指摘をいただきました。
 中島委員、お願いします。
中島委員
 基本的に今回のご提案については、賛成の立場でございますけれども、まず地方というんでしょうか、立地点におかれましては、国のエネルギー政策というのをきちんと踏まえられた上で、原子力についても、そのエネルギー安全保障とか、そういった観点から、自主的な判断のもとで立地にご理解いただいたのではないかと考えているところでございます。したがいまして、国、あるいは地方における主たる目的、その辺については一致しているんではないかと受けとめております。そして、原子力推進という観点からは、やはり、安全や信頼の確保について、国が、地方がということではなくて、行政として役割分担を明確にしながら一体的に取り組んでいただくことが必要ではないかと考えているところでございます。
 第8回の部会の中間骨子におきましても、原子力政策は、国家戦略であると同時に、個別現場施策だということが示されております。個別現場施策ということは、個別の立地地域ですとか、現場の一人一人の理解をどのように得ていくのかということであろうと思いまして、行政の一体的な取り組みが必要不可欠であろうと思うところでございます。
 今回示されております地元住民との直接対話の強化等々に加えまして、ぜひ地方と国におけるトップの間、あるいは担当者の間の話し合いを、形にこだわらずに徹底的に実施していただきたいと考えているところでございます。
 その上に立ちまして、国が一歩前に出て、信頼を得ようとする姿勢や取り組みにつきましては、評価したいと思います。先月も二階大臣が日本原燃の六ヶ所再処理工場ですとか、九州電力の玄海原子力発電所を訪問していただいたということは、職場のモチベーションですとか、使命感の一層の向上につながったということを、現場からも声が届いているところでございます。感謝申し上げたいと思います。
 それから、ちょっと細かいことでありますけれども、4ページのほうに全戸訪問という記述がございます。これは、私は大変重要で、意義のある活動だとは思っておりますけれども、しかし、これはやはり、事業者の自主的な判断によってなされるべきものだと思っておりまして、義務的に実施すべきものではないと考えます。市町村合併などによりまして、訪問戸数なんかが劇的に増加しているという地域もあると聞いておりまして、理解活動イコール全戸訪問ということになると、少し厳しいんではないかなという思いもするところでございます。当然のことですけれども、私どもとしては、地域の方々とのコミュニケーションというのを重ねていきながら、ご理解をいただくことの努力は進めてまいりたいと考えております。
 それから、後の広聴・広報のほうで申し上げようと思ったんですけれども、長見委員がおっしゃったことに私も全面的に賛成でございまして、ここで申し上げたいと思うんですけれども、立地地域と、その消費地域の原子力に対する理解ですとか、意識を見ますと、私は相対的に立地地域の方のほうが高いんではないかと思うところでありまして、その立地地域での広聴・広報活動の重要性というのは十分認識しておりますけれども、一方で、やはり、消費地における広報活動こそ、国と地方が一体となって取り組んでいただくべき課題ではないかと考えているところであります。このことを、原子力政策における重要な位置づけとして、ぜひ取り組んでいただければありがたいと考えているところでございます。
 以上でございます。
田中部会長
 ありがとうございました。
 大橋委員、お願いいたします。
大橋委員
 私は、実は佐々木先生と同じ意見で、この資料ですとか、先生方のご発言を聞いて、まさにそのとおりなんですけれども、どうも目標とする時間スパンがせいぜい三、四年でこういう形でうまくはいくけれども、その先はちょっと見通せないというような印象でいます。ちょうど原子力のこういう問題は、国にしろ、地方自治体の方にしろ、事業者にしろ、安全規制をする側にしろ、私がよく申し上げているのは、だれも悪い者がいない、みんながみんな、それぞれの立場で一生懸命よかれと思ってやることが、全体として極めてアグリーな形になっていて、動かなくなるというのが民主社会の特徴だと思っているんですけれども、何となくそんな方向へ行きつつあるところを極めて憂えているところなんですけれども、もうここらで、こういう原子力の問題は、やはり、技術の問題ですから、科学技術で物事を判断していかなきゃいけないということが一つです。もう一つは、燃料サイクル等含めて原子力技術を国内で進めていくかどうかというのは、国民的な意思の問題、言いかえれば政治の問題ですから、その技術的な安全の問題と、国民の意思の政治的な問題は、もう切り離すべきときに来ているんではないかと思います。
 安全というのは、どなたもご心配で、大変重要な問題ではあるんですけれども、あまり誤解されると困るんですけれども、安全というのはとどまるところを知らないという特徴を持っていまして、それは、おれは心配だとおっしゃられれば、それは安心だ、安心だというほうにつながっていって、とどまるところを知らないと。原子力発電を安全に運転するのは極めて簡単で、出力を10%で運転すれば、何があっても燃料は溶けませんから、絶対安全ですと言えるんですけれども、また、それは現実にはそぐわない、ばかげたことであるわけです。
 それで、安全の問題をきちんと理解している原子力関係者は、私は1割ぐらいしかいないんだと思っているんですけれども、その原子力安全の問題と産業安全の問題を切り離すこと、それから、原子力安全というのは、実は実際の安全の問題というよりも、ロジックの問題という側面を持っていますから、そこのところを切り離してリスクなど、あまり国民的には理解のしがたい事柄であっても、国民的課題としてとらえて、安全の問題を客観的・技術的に議論しながら、それを使うのか使わないのかというのは投票行動で国民が示すというごく当たり前の方向に持っていかないと、このままの外装では行き当たらなくなるような気がします。
 以上です。
田中部会長
 ありがとうございました。
 末次委員、お願いいたします。
末次委員
 きょう、事務局から提示されたテーゼは、2つあると理解しました。1つは、事業者・地方・国、三位一体の関係において、中央政府が地域との直接対話を強化するということ。それから、原子力発電の一番大事な問題である安全性の確保をめぐる三位一体関係の再構築のために、安全性保安チェック、これを一種の共同チェック化すること、この2つの方法論が提起されたと思います。
 賛成です。今一番必要なことだと思います。中島委員からもお話があったように、最近の難しい局面に対して、経済産業省が大臣、エネルギー庁長官、電・ガ部長以下、地方との直接対話を大変進めておられる。この効果は既に出てきているということですから、方法論としては、いいと思います。
 問題は、どういうスピリットでこの2つの方法論を駆使するかということについて、原子力部会で、ぜひ合意・コンセンサスがあるといいと思います。この三位一体の関係をめぐって、最近一つの事象、傾向がある。これは警告的に見るべきか、正しい合理的な方向へ向かっている一つのあらわれと見るか、評価が難しい問題が我々の前にあらわれていると思います。それは、各原子力サイトの地方自治体と事業者との間に結ばれてきていて、内容的に拡充が次々に進んでいる安全協定というものです。これは中身的には、地方が立ち入り検査できるように、あるいは運転の停止を求められるようになってきています。
 そして、運転再開については事前に協議をするようにということもある。これは中央政府による保安体制主導型の安全規制体系に対する一つの不信のあらわれとも読めかねない。これが、不信のあらわれではなくて、よりきめ細かく原子力発電所の運営改善について、地元と事業者の間の望ましい対話の増強措置として設営され、受けとめられればいいと思います。けれどもこれが、三位一体関係のすき間に対する地方住民の不満、あるいは地方自治体の不審感というものだとすると、安全協定というものが、事業者と地域の間の紳士協定ではなくなっていく恐れがある。むしろ、私的契約が公的な契約化していく。そこからは、本来の目的である安全性の維持の範囲、領域を越えて、経済資源の配分、所得配分にまで行きかねない。我が国社会の一つの統治のルールといいますか、システムとしても大きな問題をはらんでいる、そういう状況にあると思います。したがって中央政府の直接対話、あるいは地元との合同の安全性チェック、こういうものは、安全協定的なものがあしき方向に行かないように、一番大事な三位一体の信頼関係を再構築するという大きな目標を持って展開される必要があるんじゃないかと思います。
 この直接対話は、受けとめる地域の方としては、これを経済資源の再配分の手段に使おうというようなことの思いを強めては困ると思いますし、中央政府のほうも、これでもって中央政府の権限の強化、あるいは権威の強化、そういうことではなくて、ほんとうに原子力発電システムという社会的なインフラを信頼関係のもとで運営していかないと、大変なことになるというその1点で、具体的な措置を追求すべきではないかと思うんですが。
 以上です。
田中部会長
 ありがとうございました。
 河野委員、お願いいたします。
河野委員
 さっき佐々木さんと大橋さんかな、もうちょっとハードなアプローチをしなければ進まないんじゃないかという話があったですね。私も、本音はそれに近いんですよ。しかし、それでも、ここで集約したソフトアプローチを支持する理由は、下手にハードのことをやれば、逆効果だということです。逆効果なことをやることは、愚かなことです。そのかわり、ここで国が前面に出てくるということを書いてある。これが大切なことです。役人が地元へ行って懇切丁寧に、10人、20人の人を相手にしながら質疑応答する、それはベースですよ。しかし、そういう能力のある人が院・庁の中にどれだけいるか知らないけれど、1人や2人いると思うから、それを使ってやるべきなんだ、タレントが必要なんですよ。
 しかし、それだけではない。ほんとうは、ここにちょっと書いてあるけれども、何かのときにどなたか、青森の人が言われたけれど、大臣が出てくる、六ヶ所もそうだったし、九電の玄海もそうだ。それは大変ありがたいことだと言われている。それなら、役人が出ていくと同時に、ハードコアになっている地域に政治的アプローチが必要だ。全部の立地県がテコでも動かない状況になっているんじゃないんです。大半は話は幾らでもできるんです。そうじゃないところがあるから、そこに対して政治的なアプローチをこれからしかけていかなけりゃ、事態は全く改善しない。「ソフトアプローチ」と書いて結構だけれども、内に秘めたものとしては、そこに対してはかなりはっきりした行動をとるという決意を秘めていなければ、ただの作文に終わっちゃうんだ。
 そのときには、一番最終段階のセレモニーのときに大臣が行って握手すれば、めでたし、めでたしということになっているというのは一見結構だけれども、大臣にほんとうに出動してもらうんだったら、途中の段階で出るべきなんですよ、流れを変えるために。最後にセレモニーに行って握手しているだけだったら、意味がない。途中でも役人が出てもいいけれども、同時に、大臣に出ていってもらう。その場所は限られている。それがなければ、絵にかいたもちになっちゃう。
 僕は、ソフトアプローチ支持だけれども、やることについては、具体的なことを考えて、ちゃんと頭のいいのがそろっているんだから、考えていると思うから、それを信用して、この文章は結構だと言っている。
 もう一つは、ちょっとこれは半分皮肉なんだけれども、少なくとも原子力に関しては、事業者というのはあまり信用がない。何かというと、かつて、完全に安全だ、と嘘をついたという話から、情報を隠した。最近でもつまらん事故が結構頻発している。数年前のことが内部告発で出ている。いろいろあって、とにかく、東電を含めて、オール電力業者というのは、そんなに信頼がないんですよ。情けない話だけれども。だから地元は、国に出てこいよという。今どき、国家機関に対する信頼が低下している時に、異例のことだよ、あなた。しかし、この分野では、まだ国が出る余地があるし、出ればかなり効果があるぞと言ってくれているわけです。これは、珍しい遺産ですよ。まだ残っている、経産省には。これを生かすべきですよ。
 その2つさえ腹に入れておいてもらえば、このペーパーで十分に打開できると、私は思いますね。
田中部会長
 ありがとうございました。
 大橋委員か、あるいは佐々木委員か、何かございますか。いいですか。
大橋委員
 佐々木先生は、ハードとおっしゃったんですけれど、新しいやり方も検討するべきだとおっしゃられまして、私は、特にハードということではなくて、もう少し別の視点で構成し直すんだという意見だったかと思います。
田中部会長
 ありがとうございます。あと2人いらっしゃいますので、井川委員、お願いします。
井川委員
 今、河野委員のほうから、最初の一つは、言っていただきたかったので、よかったと思いました。やっぱり、これ、国が前面に出るって書いてあるんですけれども、事業者のことが何も書いていなくて、本来は事業者の方が、地元自治体なり、いろんな人にきちんと説明できることが重要であって、国が最初から前面に出るようなというのは、多分、それは前提なんでしょうけれども、まるで国が出ていって地元の方を納得させれば何とかなるよというような書きぶりにどうしても見えてしまったものですから、これ、一義的には事業者の方が本来的にはやるべきことであって、むしろ、国は支援すべきものであって、それは河野さんおっしゃるように、事業者が信頼ないせいなのかもしれないですけれども、それはほんとうはよくなくて、ただし、最近は、一部地域を除いては、ちゃんとしているのかなと。
 中部電力さん、浜岡で、国が必要と言っている以上の耐震の改修工事を自分で判断されてやられて、原子力安全委員会がそれについて教えてくれと言ってきても、うちは独自にやっていますのでと、原子力安全委員会はこけにされちゃったような事例もありましたけれども、それなりに取り組んでおられる事業者もおられるので、むしろ、これに書いてあることもそのとおりなんでしょうけれども、事業者のそういった取り組みをますます促進するようなことも、もう少し言及されてはいかがかなと思ったのが一つと、それともう1点は、佐々木先生のおっしゃるとおりで、今のこういった、書いてある地域振興のことなんですけれども、現状の地域振興でほんとうに継続していけるのかなというのは、僕はほんとうにクエスチョンマークをちょっと持っています。
 僕たちマスコミが、よく原子力が立地している地元のことを紹介するとき、うちはどうだかあれなんですけれども、テレビなんか、在京のテレビが青森だとか、いろんなところへ行ってやるときは必ず、こういう原発が立地している自治体は、こんな大きい立派なホールがあります、体育館があります、何とか公民館がありますと言って、かなり皮肉っぽく取り上げて、こういったことで地域の人は幸せに感じているんでしょうかみたいな、わけのわからない締めくくりに大体なるというのが、テレビなんかを見ているとそうなんですね。
 それで、前回も国と地方の関係のことで、ちょっと欠席させていただいたのですが、意見を2点書かせていただいて、その1点について、もう一度あえて申し上げさせていただきたいのは、国が地域の方のことをいろいろ考えてあげるという、この書いてある資料のアプローチも一つ重要なのですけれど、地域の方が、自分たちの地域をどうしようかというのをもう少し考えてもらえるような環境というのをつくらないと、国頼りで、国から金を取ってきて、建物を建てれば何とかなるべという考え方だけでは、おそらくそれだけではないと思うのですが、どうしてもそういう傾向がいろんなところで散見されるというのが実感だと思います。
 それで、むしろ、その地域の方に原子力関連の施設を持っているということが、国に対する大きな貢献であるという、もっと幅広い考え方をしていただくということが1点、さらには、それを使ってもう少し高度な発展をするというようなことをしてもらうためには、その地域の方に、地元の自治体の職員であるとか、議員の方であるとか、商工会の方であるとかという方に幅広い視野を持っていただきたいなというのが多分、僕は言いたいことで、そのために前回書かせていただいたんですけれど、例えば地方自治体の方に、国の人が、いろいろ留学とかするように、世界を見てもらう、いろいろな留学制度をつくるとか、それはほんの一例ですけれども、その自治体の方がみずから考えていただけるような支援の仕組みというのを、もう少しつくれないものかなと思う次第です。
 以上です。
田中部会長
 最後のご発言になるかと思いますけれども、秋庭委員、お願いいたします。
秋庭委員
 次に発言しようと思ったんですが、ここでもどうしても黙っていられなくてお話しさせていただきます。
 私は、消費地の女性たちと、それから、立地地域の方たちとの交流活動などをしております。そのときいつも、立地地域の方たちが、もっとやはり国に前面に出てきてほしいと、国策だから協力しているっていうことを、常に常に、国策だから国策だからとおっしゃいます。どうしてそう言うのかなと思うんですが、やはり、国策だから協力をしているというそのプライドでしょうか、そういうものが必要なんだなと思っています。でも、それが、徐々に今変わりつつあるような気がします。やっと国が前面に出ます、前面に出ますと言ってきたころには、地元の方たちは既に意識が少しずつ変わっていて、国が出てくればそれでオーケーというのではなくて、やっぱり、自分たち自身で、今、井川委員がおっしゃったように、国に頼るのではなく、自分たち自身がもっとまちづくりを考えていかねばならないと、そんなことを今気がつき始めているような、そんな気がいたします。
 そんな中で、自分たちがもっと発言したい、そして、もっと聞きたいという思いをいっぱい持っていらっしゃるので、今回のこのまとめの中で、地元住民との直接対話で小さな単位でやっていくということは、私はとても重要なことだなと思っています。
 ただ、この中で、住民と国の担当者の対話といっても、住民全員と対話するわけではありませんので、その中にどういう住民と対話していくのかということも必要ですし、国がその住民全員とは対話できないわけですから、そうすると、それをどうやってうまく効率的にやっていくかと考えると、やはり何人かのオピニオンリーダーの方にお話をして、その方たちと、また、違う住民の人たちとが、直接住民同士が話し合うことによって理解を深めていくという仕組みをつくっていくということも大事だなと思っています。
 そして、6ページの3つ目の矢印のところを見ていて、何か随分ここは具体的に書いてあるなと思うんですが、「資料などの説明は必要最小限に留めることを基本とする」と書いてあって、まあ、こういうことに気づいていただいたのは大変重要なことなので、こういうふうに、この後の話になりますが、住民が何を望んでいて、そして、それに対してどう答えていったら理解していただけるのかということを、まず考えていただきたいと思っています。
 それから、何よりも、こういうようなことは、例えばプルサーマルがあるから、それから、再処理をするからというように、何かのために突然あらわれて、突然わかってください、聞いてください、聞きます聞きます、というのでは、やっぱり信頼が得られないと思います。常に日常的なやはりコミュニケーションというのが必要だと思っております。そういう意味では、各サイトに広報官がいらっしゃっていますが、この広報官の方たちが、常に住民の方たちと日常生活を通じて信頼を得ていくということが、とても重要じゃないかなと思っています。
 それから最後に、実は私はこの週末に韓国に行ってまいりまして、後でまた、女性団体との交流によって得たことをお話ししたいなと思っていたんですが、例の中・低レベルの処分地が決まったところにも行ってまいりました。そして、そこでお話を聞いたことによりますと、やっぱり交付金の使い道についてお話を伺いましたが、それについてどのようにしているのかというと、建物とか、そういうものに制限されているかどうかという話なんですが、そういうことはなくて、教育や医療、福祉などを含めて、その5キロ以内の町の方たちが自分たちでプランをつくり、そのプランに沿って相談に応じるという形で、それを大事なこととして進めているというふうに、それがやはり、今回の中・低レベル処分地が非常に高い――89.4%だったと思いますが、住民投票で高い支持を得たのは、やはりそこで自分たちのまちづくりを中心にやっていってくれるという思いがあったのではないかなと思いました。
 以上です。
田中部会長
 ありがとうございました。
 さまざまな委員の方々からご意見をいただきましたので、これから政府内での具体的な施策に役立てていくとともに、報告書の取りまとめに当たっては、参考とさせていただきたいと思います。
 議題というか、議論の中身が、広聴・広報のほうにも移りつつございますが、次の議題はまさにそれであります。本議題につきましては、本部会の審議項目について第1回目にご議論いただいた際に、多くの委員の皆様から、国民にいかに原子力政策をご理解いただくかが重要であり、本部会でも議論すべきとのご意見をいただきましたので、それを受けまして、今回ご議論いただくものであります。
 本日は、まず原子力広聴・広報の課題と取り組みの方向性などについて、岡野原子力発電立地対策・広報室長からご説明いただき、その後、エネルギー全般の広聴・広報の基本的考え方や、課題と取り組みの方向性などについて、成瀬エネルギー情報企画室長からご説明いただきたいと思います。
 では、岡野室長、成瀬室長、お願いいたします。
岡野原子力発電立地対策・広報室長
 それでは、次の資料3-1に移っていただければと思います。この3枚ほどの資料で、これまでの原子力広聴・広報活動、どういう現状になっているかということと、そのある程度評価をさせていただいた上で、課題、あるいは今後の方向性といったようなものを、ちょっとご紹介させていただければと思います。
 私の資料は、原子力についての活動でございますけれども、私の後の説明では、その原子力も含めて、エネルギー全般の分野での広聴・広報についての検討がございますので、私のお話は、その中の部分集合と位置づけられているとご認識いただければと思います。
 まず最初、1のところの原子力広聴・広報の現状という紙でございます。結論的には、これまで私どもいろいろと活動してきてございまして、一定の成果はある程度上がったのかなと。そして、なお引き続きまだ課題も存在しているというのが、評価でございます。
 最初の丸ですけれども、世論調査によりますと、原子力発電、そもそもどのようなものなのかという、二酸化炭素が排出されないとか、ウラン等を回収することができて、というようなことをどれぐらいそもそも知っているのかというのが、7年前には20%台だったものが、やや上昇しまして、30%台半ばぐらいになってきてございます。だから、向上はしているんですけれども、なお引き続き低い水準にあるということかなと思います。
 それから、次の2つについては木元先生のお話のところとも重複しますけれども、国民の方が、エネルギーに関する情報収集入手ルートで一番大きいのは、やっぱり、テレビ・ラジオだということで言っていまして、その中で、行政、私どものいろんな媒体からのものは高くない状況にあります。しかし、では、その中で信頼度というか、実際どうなのかということになりますと、それが、テレビと、それから、行政のものというのはほぼ同じに並んでくるということから見ると、総体的には信頼性があるということを評価いただいているかなと思っております。
 それから、次ですけれども、関心の度合い、これですね、エネ庁の中での調査をいたしました結果なんですが、男性と女性ということで分けますと、数字では、女性が、数字が大きくなっております。それから、年齢については、両方とも若くなればなるほど低いということが出てきてございます。これはきっと、10代とか、あるいはもっと小さい子供は調査しておりませんけれども、そこまでいくと、もっと高くなるということなのかなと思っています。
 それから、最後、核燃サイクル政策の中で、国がやるべきことは何なのかという声を集めましたら、やはり、正しい知識を得る機会を増やすべきというのが一番大きくなっているというデータが出てまいります。
 次の2でございますが、具体的な課題を、いろいろとさらに具体的にいきますと、まず最初の丸ですけれども、昨年の大綱の中でも、位置づけは、広聴活動がまず先にありきでありまして、それから、供給地と消費地の間の相互理解をすると。それから、それらを踏まえた上で、継続性を踏まえた上で、効果的、効率的な実施が必要ということで出されております。
 それから、次のもうちょっと具体的な指摘の例でございますが、これは、その次のエネルギー情報研究会の中での声なんですけれども、大多数のサイレントマジョリティの声が聞こえてこないとか、正論は取っつきにくいんですけれども、逆に極端な表現みたいなものを使っているのは比較的浸透しやすいとか、あとは広聴がまず先にあるべき、でありますとか、メディア等から間違った情報が出たときの初期対応の必要性でありますとか、草の根広報では、消費者、市民団体等のグループを巻き込む必要性でありまして、それから、あともう一つ、フォローアップ・評価の必要性が出てまいります。
 それで、これらの声を踏まえまして、ちょっと私ども事務局としてのある程度の方向性の案を幾つか並べたものが3ページ目でございまして、まず先ほどのお話のように、一つは、広聴が先でありまして、というのはイコール、ニーズの把握ということかと思います。それから、先ほどテレビ・ラジオの主要な情報源でありますが、ここに対して良好な関係を構築するということをベースにした上で、適切に情報提供を行いながらやっていくということでございます。
 あと、「草の根オピニオンリーダー」という言い方をさせていただいておりますけれども、先ほどの秋庭先生のお話に共通するかと思いますけれども、こういう方々から、国民全員に国がやるというわけにもなかなかいかないということを考えますと、こういう必要性も出てくると思います。
 それから、先ほどのデータのように、低関心となっている、これはきっと情報が的確に届いていないということも相まって、相乗的になっていると思いますけれども、これらのターゲットに重点的に取り組むということ。
 あと、それぞれの対象によって、立地地域、現場向けのやり方と、それから、国民全体に広く呼びかけるというものによりまして、情報の受け手が異なると同時に、何が、じゃあ、必要なのかということも変わってくるんだろうと思っています。
 次の丸は、これも、今の草の根オピニオンリーダーみたいな話も含むお話なんですが、私ども国の考え方を適切に伝達していただけるような人材を育成するという必要性があるかなと思っています。
 あとは、先ほど初期対応の話がありましたが、タイムリーに適切な対応の必要性、それから、フォローアップ・評価、PDCAによる施策の改善ということで、ちょっと私どもの考えておりますもののご紹介をさせていただきました。
 以上です。
田中部会長
 ありがとうございました。
 関連するかと思いますけれども、本日ご欠席でありますが、木場委員から、事前に本件に関してご意見いただいております。参考資料としてお配りしてございますので、ご一読いただければと思います。
 成瀬室長、お願いいたします。
成瀬エネルギー情報企画室長
 それでは、資料3-2、大きな資料、A3の横長の資料でございます。恐縮でございますが、それをお手にとっていただきまして、まず右下のほうにページ数が書いてございますが、5ページをちょっとめくっていただきたいと思います。
 資源エネルギー庁の長官の私的研究会といたしまして、木元委員に座長をお願いして、昨年末から鋭意、原子力を含むエネルギーの広聴・広報・教育のあり方について検討をいたしておるところでございます。まだ検討の最中でございまして、本日はその検討の状況をご報告をして、ご意見を踏まえて、6月に取りまとめを行う予定ということでございます。本日はその簡単なご紹介ということで、お聞きいただければと思います。
 戻っていただきまして、1ページ目でございますけれども、エネルギー広聴・広報・教育事業の主な課題と。研究会においてご指摘をいただいたものでございます。
 まず情報発信上の課題といたしまして、現在の広報については、さまざまな人々に、分野ごとに限定された部分的な情報ということを発信している傾向が見られるんではないかと。そういった意味で、今後オピニオンリーダーに対して、日本が置かれた世界においての日本の状況とか、これまでの原子力導入の努力といった国際的、歴史的な視点を含めて、かつ暮らしに密着した説得力のある、トータルなエネルギー情報の発信というのは不十分ではないかというご指摘がございます。
 また、国民が必要なときに、必要な情報を入手できるような体制といった点についても不十分ではないかと。
 それから、教育につきましては、学校の教育課程において、エネルギー教育というのが、位置づけが不十分であると。また、先生のニーズと必ずしも合致していない素材の提供というご指摘もございました。
 また、地域・家庭教育の重要性が高まっておりまして、それに対する支援事業が不十分であるとか、また、エネルギーに関する現場に触れて体験学習できる機会というのが少ないんではないかというご指摘がございました。
 また、最後に、対応・評価上の課題でございますけれども、メディア等によって不正確な記事・番組が報道された際に、国としての適切な対応が不十分ではないか、また、評価については、その露出面での評価、それから、目的面での評価、当然ながら費用対効果によるその評価が不十分ではないか。また、その事業全体について、PDCAサイクルにより評価する体制が構築されていないんではないかというご指摘をいただきました。
 それに対応いたしまして、2ページ目でございますけれども、今、研究会において検討中の事項でございます。その情報発信上の課題への対応といたしまして、NPOの方々も含めて、そのエネルギーに関する情報発信を意欲的に行っている人、いわばそのエネルギー・コミュニケーターと言ってもいいんではないかというご指摘がございますけれども、そういう方々に対する広聴、情報交換と。それから、それをもとにした情報提供といったことを推進すべきと。また、このような方々を講師等として必要としている団体、学校等への紹介をしていく取り組みというのを推進していくべきじゃないかと。
 また、メディアとの広聴とか、意見交換を推進して、それをもとにメディア等が必要としている情報を提供していくということによって、エネルギーに関する記事化・番組化を支援する。
 それから、WEBやメールマガジン等による情報発信を推進して、国民が必要なときに必要とする情報を入手できる体制の充実を図っていくと。さらに、エネルギー関連の報道がなされた際には、その事実関係等についての記事解説的なものをタイムリーにWEBに掲載していくというような形での、わかりやすい形での情報発信というのがあるんではないかと。
 それから、国、自治体、産業界等の情報共有を促進するためのWEB上のリンクというのも構築すべきではないかということでございます。
 次のページでございますけれども、教育上の課題への対応といたしまして、文科省との連携強化ということで、早ければ本年度中の見込みでございますけれども、学習指導要領の改正が行われるということでございますので、その中できちんとエネルギー教育が位置づけられることが必要ではないかと。また、学習指導資料等の作成にも協力する等、文科省との連携を強化すると。
 それから、学校の先生に対する広聴を強化し、その現場のニーズを踏まえた素材提供というのを推進していく。また、家庭・地域教育への支援強化ということで、エネルギーを体験、実験できる休日の学習塾、理科教室等に対しての支援を、エネルギー施設への見学会のアレンジといったものを含めて考えていくと。
 それから、そういった見学会を拡充できるような条件整備をして関係者と調整をしていくと。
 最後でございますけれども、対応・評価上の課題への対応ということで、不正確な記事・番組が報道された際の迅速かつ適切に訂正記事等が出されるような広報の一環としての対応の見直しを行う。
 評価体制については、各事業について、露出評価、目的達成評価、費用対効果といった多面的なその枠組みを構築し、全体の事業についても、効果的・効率的に実施するための評価というものをしていくということのご意見がございます。
 こういったことをさらに検討を進めていきたいと思っておりまして、6月ごろに取りまとめをしていくということでございます。
 木元委員のほうから補足があろうかと思いますけれども、事務局からの説明は、以上でございます。
田中部会長
 ありがとうございました。今話がありましたですが、議論の最初に、木元委員に広聴・広報についてのご意見を少しお話しいただくようにお願いしてございますので、木元委員のほうからよろしくお願いいたします。
木元委員
 ありがとうございます。きょうは研究会の座長として、改めてお話しさせていただくわけですが、資料3-3について、レジュメのようなものを添えて、ご説明させていただきます。今、成瀬室長からお話がありましたように、これはエネルギー情報研究会の広聴・広報・教育のあり方の検討についての論点ということなんですが、「原子力・国民の理解を求めて」というタイトルがありますが、私は、これに強い字で「の姿勢からの脱却」と書き、まず広聴・広報、そして、国民との相互理解という形にさせていただきました。
 Iとして書きましたのは、先ほど岡野室長のお話もございましたけれども、いろんな考えの国民がおります。その国民がエネルギー、ましてや原子力に対して何らかの考えをお持ちでしたら、その考えのもとになった情報はどこからとるのかというのが一番気になります。最近、内閣府の政府広報室が出しましたエネルギーに関する世論調査の中から、ちょっと抜粋しました。
 エネルギー広報で一番多くとられているのは、トップがテレビ・ラジオを通じたCMや番組で76.6%です。それから、2番目が、新聞・雑誌等を通じた広告や特集記事ということで54.5%、これはマルチ回答です。それから、行政はどうかということで、先ほど岡野室長のほうにも、丸がしてありましたけれども、行政のほうの広報紙、これは自治体が出しているのも入りますけれども、これは27.4%、それから、事業者がお出しになっているパンフレットとかリーフレットのことだと思いますが、それが26.2%です。
 それから、では、こういうものから情報をおとりになって、信頼できるのはどこですかというのをお聞きしてあります。そうしますと、やはり、テレビ・ラジオを通じたCMや番組に対する信頼度は高いんですが、全体を通してみますと、42.5%ということになりました。
 しかし、行政は、信頼できるほうでは2番目に上がってきています。3番目が新聞・雑誌等を通じた広告や特集記事で、4番目に入りましたのが、エネルギーの専門家の発言というのがあります。
 次に、それでは、国民は、得た情報によって、原子力なら原子力をとると、それをほんとうに理解できたのかということが疑問になるわけです。それで、私たちがまたフォローいたしました。そうしましたときに、その得た情報は知りたい情報であったかと伺うと、そういうものもありますけれども、知りたい情報は届いていないというお答えが多い。原子力委員会の市民参加懇談会でも、「知りたい情報が届いていますか」というのを副題に挙げるときもあります。それぐらい、ギャップがあります。出しているほうから見れば、これだけ出しているんだから届いているだろうということのようですけれど、いや、届いていないよというのが、実感としてあるんですね。
 それで、「独善的な」と2つ目の四角に書きましたけれど、一方的な説得情報、つまり、教えてやる、説得してやる、知らしめるということが感じられるものは、だめです。頭に入ってこないです。
 では、知ってほしい情報を、だれが、どのように、何の媒体で伝えるのかというのは、これは原子力大綱にも書いてありますけれども、正確に伝わって理解されているのかというようなフォローが足りないので、そこをやらなければいけない。それが、「広聴」です。まず広聴を行って、広く伺う。対象はいろいろです。その上で適切な広報を行うということです。
 これは原子力大綱の第2章の2-5なんですが、「原子力と国民社会との共生」というところで、広聴活動を国民、地域社会との相互理解を図る原点とし、広報や対話活動を実施すると。まずあなたはどういうお考えですか、そういう情報はどこからとりました?それで、あなたはどうお感じになりましたかということをまず、幅広く、私たちが疑問に思うことも伺ってみる。その後で、今私たちが考えていることはこういうことなんですけれど、どうですかと、またお話しをする。その上で相互理解が生まれます。相互理解が生まれると、やっと物事が見えてくる、わかってくださるということにつながりますので、国民を理解させるのではなくて、国民との相互理解が前提です。それがあってこそ、広報が入っていきます。今度の大綱の中にきちんと書いてありますが、その一環として、市民参加懇談会が原子力委員会の中にもあると考えていただいて結構です。
 原子力委員会の政策をつくっておりますときに、「広聴」というのは聞いたことがない、広く聴くという言葉は今まで聞いたことがないというご質問があったんですが、広辞苑の第四版ですけれども、これには、「広聴」はきちんと出ています。国民または住民の行政に対する意見、要望の収集活動というようなことで、「広聴」はあります。公に聴くのはないのか、ありません。公に聴くは、「公聴会」としてはありますが、「公聴」は載っていません。広く聴くの「広聴」のほうが、市民権を得ております。
 広聴によって相手の考えを理解して、次にこちらの考えを理解してもらう。「国民を理解させる」のではなく、「広聴活動による相互理解」なのだと、あえて書かせていただきました。
 ここでちょっと言わせていただきたいのは、今エネルギー基本計画の見直しがされていると思うんですが、きょうも国と地方の事業者、国民との役割みたいなお話もありましたけれども、その各主体の役割分担を書いてある項が、エネルギー基本法の第5条から第9条にあります。
 まず、国の責務。国は、基本方針にのっとり、エネルギーの需給に関する施策を総合的に作成し、実施する責務を有する――と書いてあります。
 それから、地方公共団体の責務。地方公共団体は、国の施策に準じて施策を講ずる責務を有する。
 それから、事業者の責務。事業者は、自主性、創造性を発揮しつつ、エネルギー利用の効率化、地域環境並びに地球環境の保全に配慮したエネルギー利用に努めるとともに、国・地方公共団体の施策に協力する責務を有する。
 それから、4つ目なんですが、国民の努力という形になっています。「国民は、エネルギーの使用に当たっては、その使用の合理化に努めるとともに、新エネルギーの活用に努める」と書いてありまして、ちょっと違うんですね。
 そして、相互協力とありまして、国、地方公共団体、事業者、国民等は、エネルギーの需給に関し、相互に、その果たす役割を理解し、協力する。そうならば、私は国民にも「責務」という言葉を使ってほしいんですね。なぜならば、エネルギーを消費することには責務があります。「あなた、つくる人。私、食べる人」ということでひんしゅくを買ったコマーシャルがありましたけれど、それと似たような構図なので、やはり、国民もエネルギーを消費することに責務を負うべきではないかと考えます。
 それで、広聴の後の広報、これには積極的広報と消極的広報があると考えています。積極的広報は、いわゆる通常に行われている広報で、国や事業者が国民に伝えたいと思う情報、これはさまざまな手法で発信していることはご存じのとおりです。当然のことながら、発信する場合には、広聴を行ってから発信してほしいわけです。
 しかし、情報の送り手である国とか事業者が発信した情報を伝達媒体のメディア、ジャーナリズム、これは常に公正・中立に伝えているだろうかということ。もちろん、多くはきちんと伝えているのですけれども、不正確な情報が伝わっている場合があります。勇み足情報、事実と異なる誤情報、それから、偏向している情報、あおり立てるような扇動の情報もあります。また、不勉強による情報というのも、多々見受けられます。ですから、予想もしなかった不正確な情報が出されることがあるので、この不正確な情報に対してどう対処していくかというのも、やはり広報の仕事の一つではないかと考えています。それは積極的広報に比して、消極的広報と言えるのではないかと。それは反論、反証であったり、あるいはコンタクトして、伺って、どうしてこういうお考えなんですかということを伺うのも一つの手かもしれません。
 とにかく、不正確な情報が出た場合に、何も手当てをしないでいると、これが正確な情報として認知されまして、一度認知されますと、それは正しいものになってしまうんです。消しゴムは全くききません。ですから、消極的広報、出た情報に対する対応ですけれども、それは初期消火が原則だと、私は考えています。火が広がる前に正確な情報をお届けすることも、広報です。
 正確な情報をお届けした上で、お互いがまた議論し合うという構図が一番ベターなのではないかと思って、実例として、物を持ってきました。お回しします。これはコピーですけれども、福井新聞に去年の12月8日に出ていた記事広告です。これは全面広告として、下に「意見広告」と書いてあります。当然、出す権利はあります。福井新聞に出ました。もんじゅがひっくり返っています。灰色ということが出ています。これに対して、いわゆる原子力機構がどういうリアクションをなさるかというようなことが論議されたことがあるんですけれど、これは意見広告です。しかし、この中で間違った情報、異なった事実があった場合にどうするのかということが、疑問でした。
 当然これはごらんになっていらっしゃると思っていたんですが、翌日にある方が、新聞社にお電話をなさったりした経緯があります。実はそれで終わってしまったんですね。ですから、こお情報はひとり歩きをしてしまいました。
 私は、これに対してのリアクションは、一つの原子力の広報だと思っています。きょうは、殿塚理事長もいらっしゃいますが、とてもお辛かったと思うんですが、殿塚理事長の耳に届いたのはかなり後です。ご相談も受けましたし、リアクションの原文も見ました。3ヶ月以上経っています。反論をするタイミングではない。そこで、こういうふうに「もんじゅは、いま」というタイトルで、改造工事を安全第一で進めていますという、一種の全面広告を出しました。これが一番いいだろうと。一々反論、反証はしてありません。ただし、長期間停止していて、再起動したのはないということが書いてあったので、それについては事実と異なるのできちんと再起動の事例を書いてあります。そういうような広報をまずやっていかなければ、今の時代は間に合わないぞということで、これも資料としてお回しさせていただきます。
 ですから、不正確な情報が出た場合に、すぐそれに対してリアクションを起こしてお互いがいい方向に進めていくというのはとてもすばらしいと思うんですね。そういう方向にいかないと、やはり正しく伝わらないということがあります。これも広聴・広報なのです。
 では、これもお回ししていいですか。いろいろ、きょう持って来ちゃったんですが、すみません。
 高校の教科書です。これが『現代社会』。これは東京書籍で、かなりシェアを占めていると思うんですが、まず、資源エネルギー問題と私たちの生き方という、大変大事な問題をここに取り上げています。しかし、資源エネルギーとして取り上げたトップは、風力発電で大きく、アメリカの写真が出ております。その下が地熱に潮力。それもいいと思います。その中で、日本の原子力発電ということのコメントがあります。これも後で読んでいただければいいんですが、「原子力は大量のエネルギーを供給でき、温室効果の影響も少ないと言われる反面、人体に有害な放射能を大量に発生させるため、その安全性が問題になる。1979年のアメリカのスリーマイル、1986年のチェルノブイリ発電所の事故を契機に、オーストリアでは、完成したまま使われずに封鎖されていた原子力発電所の解体が始まり、スウェーデンでは国民投票で原子力発電の全廃が決められた」ということが、事故の写真だけ掲載されています。
田中部会長
 時間が長いです。
木元委員
 はい、ちょっとはしょります。それから、原子力発電是非のディベートをしようと書いてあります。しかし、原子力の写真は、チェルノブイリの事故と、JCOの事故だけでございます。皆様方のお目にとまることもあると思いますが、それをぜひチェックしていただきたいと。正確な情報が伝わるようなものを考えていかなければならないし、やはり、教育のあり方でも、広聴・広報を、きちんと重要視していっていただきたいなと考えております。
 ご指名をいただきましたので資料を用意してまいりました。それにご報告ということで時間をとらせていただきまして、ありがとうございました。
田中部会長
 ありがとうございました。
 それでは、各委員からご意見、ご質問ございましたらお願いしたいと思いますが、ちょっと時間も押してございますので、要点をよろしくお願いいたします。内山先生。
内山委員
 もう時間もないものですから、簡単に述べさせていただきます。
 実はこの広報関係につきましては、去年、全国の自治体に対して、エネルギー原子力政策についてのアンケートを、社会経済生産性本部が実施しましたので、その中から二、三、これに関係したことを言わせていただきます。この回収率は、47都道府県全部から回収されていますし、2,400の自治体から、およそ半分くらいの割合で回収された結果でございます。
 その中で、一つは、原子力の情報に関して、防災も含めてですが、評価が、立地地域では肯定的、しかし、大都市地域では非常に否定的な結果が出ております。ですから、原子力広報というのは、やはり、人口が非常に多数を占めている大都市圏での問題が非常に大きいということなんですね。そこにおきまして、エネルギー政策、原子力政策に対する認識が非常に低いということなんですね。ですから、ほんとうに、非常に難しい問題だということを感じます。立地地域というのは、いろんな形で広報・広聴活動をやっていますので、人々の認識が非常に高いという特徴があります。
 2番目が、情報提供の信頼度の問題ですが、これは、今回の先ほど発表された結果と同じようなことで、電気事業者と専門家に対する信頼度が非常に低いということなんですね。これはゆゆしき問題でありまして、これは根本的な問題は何かというと、教育問題かと思います。やはり、日本における教育活動が、私から見ると、あまりエネルギー問題に対して客観的に教育されているとは言えないのではないかと。そういう点を考えると、教育活動を今後どうしていくかということは、非常に大きな課題になってくるかと思います。
 3番目は、三者交流活動の問題ですけれど、立地地域については産消交流をやるというのは非常に高い。ところが、大消費地域はあまり関心はありません。ですから、大消費地域というのは、エネルギー問題そのものにそれほど大きく関心を持っていないという実態があります。そういう点を考えますと、今後産消交流をどう図るかということ、これはやはり、きちんと考えていく必要があるかなと思います。
 最後になりますが、三法交付金の問題ですけれど、これは、もらっている都道府県・市町村は、非常に今後も大事だとおっしゃっています。ぜひ、それをいろんな形で有用に使わせてもらいたいという意見が大半です。ところが、もらっていない都道府県はほとんど関心がないという状態なんですね。つまり、何を意味しているかというと、この三法交付金というのは、多くのもらっていないところが多いわけですから、そういう人たちがあまり関心がない状態で維持されている、そういう制度になっているということですね。そういう点から見ると、今後三法交付金というのは、どう全国民にそれを理解してもらい、そして、どのように活用したらいいのか、それを考えていくことが必要になるのではないかと思っております。
 以上です。
田中部会長
 ありがとうございました。
 殿塚委員、お願いします。
殿塚委員
 先ほど木元委員から、初期対応の重要性をご主張されましたが、その典型的ないい例を私どもは結果的に示してもらったものですから、その重要性というものを、私自身も同感であるということの観点から、一言だけ申し上げたいと思います。
 この「もんじゅ廃炉へ」という広告の問題につきましては、実は私も内心じくじたるものがあるんでございますけれども、私が知ったときには、既に私どもの責任者から、相手の新聞社の責任者に口頭で抗議をし、そして、謝罪を受けたということでけりがついたような格好になっておった。そのときに私自身が知ったということなものですから、私は、これはいかんと思いまして、紙の上のことだから、紙の上で対決しなきゃいかんということで、大変なやりとりをやって、その過程で木元先生にもいろいろとご指示、ご示唆をいただいたわけでありますけれども、私は改めてこの問題に直面いたしまして、結果的に私どもの色刷りで見ていただいた全面広告でけりをつけたわけであります。やはり、こういう問題については、間違った記事についてはきちんとペーパーで素早く対応すると、しかも、責任者同士をきちんとしておくと、こういうことが非常に重要なんだなということを改めて感じております。
 昭和61年ごろでしたか、チェルノブイリがあった後、ご案内のとおり、「広瀬隆現象」というのが起きたわけでありますけれども、私も、この「広瀬隆現象」をもって原子力推進者側における、いわゆる広聴・広報活動の重要性というのが改めて再認識されたんじゃないかと思っております。私も当時、その広瀬隆の講演会に行って、これは全くびっくりしたんでありますけれども、わざと暗い部屋でもって、あすにも、今にもその炉心溶融崩壊が起きそうだと、こういう雰囲気で聴衆を脅かすという手段を使って、あることないこと脅しまくる。こういうことをやって恐怖のどん底に陥れるやり方が彼一流のやり方であったわけでありますけれども、こういうものに対しても、どう対応するのかということのいろんな知恵ができたんじゃないかと思います。
 この一つの具体的な話が、今お話がありました方法の中にきちんと、項目としては書いてある。ですから、私も、こういう項目に書いてあることを具体的にどう実践をするのかということが大切だろうと思っております。
 私どもの卑近な例で申し上げますと、鳥取県の方面地区というところにあるウラン残土の問題につきまして、これは、私どもは最高裁で負けて、残土をどかしなさいというのが判決だったわけでありますが、これは残土が危険であるからどかしなさいとは、判決文には何も書いていない。どかすという約束をしたんだから、約束どおりにやりなさいというのが裁判の趣旨でありますが、あたかも危険物だという風に、残土の有害性というものだけを天下に喧伝された。こういうことで私どもは大変迷惑を受けているわけでして、これに際しても、その都度きちんと記者会見の席上でも、この残土は、言うなれば胸のレントゲンを1回撮る量の130分の1ぐらいのものしかないんだということで安全の問題を説明しているということでありますけれども、なかなかそういう説明については、新聞記事もきちんと取り上げてくれないことが多いものですから、私どもも、執拗に繰り返しやるということも必要だなと思っているところであります。
 いずれにしても、きちんとした、毅然とした態度を示すということが不可欠だと思っております。
田中部会長
 ありがとうございました。
 時間も過ぎてございます。あまり遅くならないうちに終わりたいと思いますが、4時15分ぐらいまでに終われればと思いますので、ご協力いただければと思います。
 森嶌委員、お願いします。
森嶌委員
 木元委員ご発言のように、広聴が重要なことは言うまでもありません。しかし、国民の60%が原子力について関心がない、ないし知らないという現状では、立地地域などにおけるニーズなどの汲み上げ(広聴)と同時に、政治家、マスコミ、消費地域住民など各層のステイクホルダー(利害関係者)に向けて積極的に、まず、なぜ原子力が必要なのかという問題に関して、情報を提供するための対話活動(広聴・広報)を展開すべきです。
 広聴・広報の具体的な方法や情報内容は、広聴・広報の相手となる対象によって当然異なりますが、取り上げられるべき事項としては、(1)安全性:核燃料・核廃棄物などの放射能に関する情報、操業時の安全確保・情報開示等に関する情報、事故時の対策に関する情報、(2)エネルギー源としての原子力の位置付け:新エネルギーとの比較(技術的信頼性、供給量、供給安定性、経済性)、長期的エネルギー・セキュリティ(石油等との比較)、地球温暖化問題(CO2排出)、(3)地元の利益(地域振興):消費地にとっては原子力の必要性、ということになります。原子力に関する客観的な広聴・広報活動は、緊急に求められていますが、それは「効率的、効果的」に行われなければならず、原子力部会は、そのための戦略を早急に策定すべきではないかと考えます。
田中部会長
 ありがとうございました。
 秋庭委員、お願いします。
秋庭委員
 先ほどお話しいたしましたように、私は、NPOとして草の根活動をしております。そういう意味では、今回草の根の取り組みが大変重要で、それに対して適切な情報提供などを行っていくことが必要と、ここに書いていただきまして、ほんとうにありがたく感じています。
 いつも、大変申しわけないんですが、この原子力部会に来ると、実は私は、とっても違和感を感じることが多いんですね。ここの中では原子力政策を検討しているわけですから、当たり前のことなのかもしれませんが、原子力ありきで、もっとやれ、もっとやれという感じがどうもお話の中で多いんですが、一歩外に出てみますと、私の日常生活の周りの中では、まだまだ原子力に対して、何となく不安という方たちが多くて、まだまだ原子力政策について論じるというようなものが、なかなか少ないように感じます。その中で、私たちは、少しでも正確な情報が伝わってほしいと思って、いろいろな会を活動しているんですが、もう少し、私たちのような会があちこちにはあるんですが、それぞれが、自分たちのできる範囲でやっておりますので、なかなか、それをネットワークして大きな動きとしていくことができません。そんなところをもうちょっと国がサポートしていただけるとありがたいなと思っています。
 ただし、申しわけないんですが、それぞれの地域にはそれぞれの暮らしがあり、そして、その暮らしに合った活動のやり方をしておりますので、自主的な取り組みを尊重しながら、それをサポートするような、そんなことを国にお願いできたらいいなと思っています。そこからじわじわと大きな政策的なものを伝えていく、政治的な動きとか、そういうものとはまた別に、何と言うんでしょうか、大地のほうから少しずつじわじわと広報ができるといいなと思っています。
 先ほどお話ししましたように、この週末に韓国の女性団体でWIIN(Women Interested In Nuclear)という団体があります。女性の、私たちと同じように仕事を持ちながら原子力の啓発活動をしている大きな団体で、これは1万人も会員がいて、全国に広がっている組織です。国の政策とともに一緒に歩んで、国の政策をわかりやすく伝えるということを目的としています。今回は、釜山で、釜山の方たちとお話ししましたが、その副総裁の方に、どうしてこういうような活動をしているんですかと、私は聞きました。私も活動をしているとき、なかなか変な目で見られたりすることも多いものですから、そう聞きましたら、「国と社会との発展のために、私たちはプライドを持ってやっていますと」と言い切られて、もうすばらしいなと、ほんとうにそう思いました。私たちも、ほんとうに胸を張ってこういうふうにあちこちで自分たちの目的について語れるようになるといいなと思いました。
 そんなことで、ちょっとご意見をさせていただきました。ありがとうございました。
田中部会長
 ありがとうございました。時間もないので、十分なご意見をいただけなかったところもありますが、どうもありがとうございました。
 山名委員、お願いします。
山名委員
 手短に。まず、きょういろいろ、広報・広聴についてお話を伺いまして、検討が進んでいるということはよく理解いたしました。大事なのは、今後の施策として具体的にどうされるかということであります。
 ご承知のように、昨年の策定委員会でしたか、広報予算の使い方についていろいろ意見が出たということで、予算も減ったと聞いておりますが、今お話を聞きますと、やはりきちんとした予算をつけて、広聴・広報を積極的に行うということが、政府として求められているということであると思います。
 特に、最近市民の方と話す機会をいただくことが多いんですが、テーマが2つあるわけです。必要性は何か、安全性がどうか、この2つに絞られている。必要性については、政策課が、なぜそれが必要かということを説明して、やや理性的に理解していただくということになりますが、さて、安全性についての説明については、保安院が中心になるのかどうか、私はよくわかりませんが、非常にやはり、市民との対話が難しいところがありますね。おそらく安全性の理解について、やはりもっと力を入れてやらざるを得ないだろう。政策的に言えば、予算を増やして、広聴・広報を進めるということが必要であると思います。内閣府、経産省、資源エネルギー庁、だれが、どういう組織で、どうしっかり予算をとって、広聴・広報を進めていくかということを、できれば次回あたりにご紹介いただければありがたい、これが1点でございます。
 もう一つは、最近ちょっと気になっていることで、話題が変わって恐縮ですが、核物質防護の件で法律が変わりまして、今年から原子力施設の内部の情報を表にあまり出してはいけないということが法的に厳しくなったわけですね。ところが、市民からしてみると、実際に物が見えないということはとても不安だし、マスコミにしても、報道しようがないというところがあるようです。これはジレンマでありまして、情報公開すると、テロリストに情報が渡る。一方で、PP上、情報を制限しますと、市民の方たちに正確な情報、つまり、百聞は一見にしかずという情報を伝えにくくなる。このジレンマにあるわけですね。お願いしたいのは、おそらくその最適なバランスがきっとあるであろう。この情報公開の制限について、どこが所掌されているかよくわかりませんが、いずれにせよ、過度に情報を制限することなく、なおかつ適切にテロリスト対策で情報を制限するという最適なところを、ぜひご担当の部署が考えていただきたい。特に、市民の方にいたずらに情報制限することで不安をあおらないような最適な情報公開のあり方をぜひ考えていただきたい。とっても難しいお願いをしているんですが、ぜひそこをよくお考えいただきたいと思います。
 以上です。
田中部会長
 ありがとうございました。
 築舘委員、お願いします。
築舘委員
 原子力発電を始めて以来、事業者として、広報・広聴活動を私どもとしてはやってきたわけですが、そういう経験、あるいは苦労を踏まえまして、特に国に期待したい点、2点を申し上げたいと思います。
 まず1点目でありますが、教育についてでございます。これまで私どもとしましては、教育の現場で、できるだけエネルギーについて取り上げられるように、副読本の作成・配布、あるいは学校への社員による出前授業というようなことを精力的に行ってきております。特に出前授業では、9電力会社計で年間20万人を超える子供たちに、エネルギーと環境の話を聞いてもらっているわけですが、残念ながら全体から見れば、ごくわずかな割合にとどまっているという状況でございます。そこで、昨今のエネルギー・セキュリティと環境問題の重要性の高まりということを踏まえますと、次世代を担う若者たちに関心を持ってもらう、そして、理解してもらうということを、国としてきちんととらえて踏み込んでいくべき時期に来ているのではないかと考えるわけでございます。私どもとしましても、引き続き次世代層の理解を深めるように取り組んでまいりますが、例えば文部科学省にも、教科の中のカリキュラムにきちんと組み入れるというようなことで、体系的なエネルギー教育について本格的に検討していただけないかと思うわけでございます。さらに、その中で、原子力の必要性や役割などについても踏み込んでいただくようにお願いしたいと考えております。先ほど成瀬室長のお話を伺っていて意を強くしたわけでありますが、ぜひ前進をしていただきたいと思います。
 2点目でございますが、きょうの資料にもありましたように、各種の調査結果などを見ますと、一般の方が原子力についての情報を得るのは、圧倒的にテレビ、あるいは新聞というようなマスメディアからでございます。そうした影響力の大きさを考えますと、原子力の報道につきましては、正確な事象を伝えていただきたいと思っているわけでありますが、そのためには、事業者としてはできるだけわかりやすく、丁寧な情報発信に努めているつもりではございますけれども、各種報道を見ておりますと、どちらかといいますと、場合によっては本質的なことよりも話題性をねらった報道に偏るというようなこともあったりいたしまして、全体をとらえないで、ごく一部の事例を大きく扱う、そして、結果として原子力が正当に評価されにくくなったりしているということもあるのではないかと感じております。
 私どもとしましては、一般の方々に誤解を与えかねないような報道がなされたときには、先ほどの木元委員のお話にもありましたが、即座に当該メディアに対しまして申し入れをするとともに、皆様へのご説明に努めるように心がけてはいるのでございますが、当事者でありますものですから、なかなかご納得をいただきにくいというような実情もございます。そういう際には、国にも積極的な情報発信を行っていただきたいというのが、私どもの願望であります。国が客観的な立場から事実の説明ということを行っていただくことによりまして、一般の方々が正確に原子力を理解・評価することにつながると。そして、結果として原子力の正当な理解を深めるということになるのではないかと考えます。さらには、報道機関の方にも、その後の報道のあり方を考えていただける契機となるのではないかと、そんなふうにも期待するわけであります。よろしくお願いします。
 以上でございます。
田中部会長
 ありがとうございました。
 あと手が挙がっている方5名ほどいらっしゃいますけれども、よろしく、要点お願いいたします。
 杉江委員、お願いします。
杉江委員
 ただいまの築舘委員のお話を受けるような形になりますが、私、地方の新聞社という立場からお話をしたいんですけれど、木元委員から先ほどありました不正確な情報、これは不勉強に基づく、確かに耳の痛いところでして、そういう部分があろうかと思います。あと、間違った記事を出したら、たたではおかんぞというこの記述も、皮肉でも開き直りでもなく、非常に素直にいいことだと、私は受けとめます。緊張関係があるということは非常にいいことだと思いますので、私どものほう、新聞の側としては、間違わないようにということで、この会のかなり早い段階でちょっとご紹介いたしましたけれど、原子力発電所が立地している地域の地方新聞が、地方紙エネルギー研究会というものをつくって、勉強不足を何とか補おうという努力をしております。これは多少自負を交えてですが、やはり勉強不足ということは、言いかえれば情報不足ということにもなろうかと思いますし、東京に地方新聞の支社というのが60近くございます。この中で、編集スタッフをかなり置いているというのはむしろ例外でして、東京での営業、いわば広告関係のビジネスの出先としての支社という機能が、かなり強い傾向がございます。したがいまして、例えばきょうもプレスの取材が入っているのかと思いますけれど、全国紙、あるいは通信社の方は、ここにもしかしたら取材に来ていても、地方紙が取材に来ているということは、まずないと思います。そういうことで言いますと、地方それぞれで、やはり情報不足というものは否めませんので、あらゆる機会を通して中央での情報を伝えるような場をつくっていただきたい。
 先ほど末永委員が、青森での、あれ、広報官のことなんでしょうか、赴任というか、着任されたのがべたにして出ていなかったと。これは、当該の新聞社のセンスが悪いのか、あるいは取材に行ったけれど、例えばとりあえず取材に応じるというより、まず仕事を始めるのが筋ですからなんていうことをおっしゃったのか、それはどちらだかわかりませんが、役割、機能を十分に説明して、それで地域に名前と顔を売るということは、私は、非常に有効なことだと思いますので、その方がよく新聞にある人欄か何かに登場する、なぜそういうことができなかったのかと、よそ様のことながら、ちょっと心配をいたしましたけれど、そういうことも含めまして、地方の新聞社に、ちょっとこれ手前みそですが、ぜひ、いろいろ情報をお寄せいただきたいと思います。それぞれの地域では、大体地方の新聞社というのが一番普及率が高くございますので、そういう意味では、PR効果もあろうかと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
田中部会長
 ありがとうございました。
 あと、さっきまだ4名挙がっていまして、もし必要がなければ、ご発言を控えていただきたいんですが、もし必要があれば、簡単に言っていただけたらと思います。秋元委員、どうぞ。
秋元委員
 大変よくまとめていただいているので、ほとんど尽くされているとは思いますが、この中で、ちょっと読めない部分があったと思います、一つは、海外から、このごろいろいろ広報あたりで反対派が入り込んで、逆宣伝をするというような事例が結構ございます。例えばプルトニウム再処理をやると、そこからすぐ原爆が何個できるというようなことを、どこかの国の偉い人をわざわざ呼んできて言わせるとか、そういう形の動きが出てきています。やはり、広報は、国内的な問題ではありますが、そういう意味では国際的な協力、それから、インフォメーションの交換というようなこともぜひとも必要だろうと思いますので、広報・広聴における海外連携といいますか、そういった観点のことを一つ入れていただければ大変ありがたいと思っております。
 あとは、今までも山名先生その他がおっしゃいましたので、あえてつけ加えませんが、一議員がちょっと指摘されますと、途端に全予算が何割も動いてしまうというような、過剰反応的なことが起こるのは、広報の継続性という面から見て、非常に問題だろうと思います。広報は何といっても継続性が大事でございますので、その極端な伸び縮みがないように、ビジョンを持ってやっていくということをぜひともお願いいたしたいと思います。
 それから、教育の問題ですが、これも実は何回も文科省や中教審にもお願いに上がっているわけですけれども、総合学習などで非常に立派なエネルギー教育をされている先生もおられますし、そういったいろんなインフラを、こちらも提供しているわけですが、これが点であって、なかなか線・面にならない。これは、ひとつ当局が学習の指導要綱のような形で取り上げて、先生にこれが必要なんだよということをアナウンスしていただかないと、なかなかそこまでいかないだろうと思っています。具体的には、今、環境教育指導要綱という立派なものができておりますので、環境とエネルギーというのは、私は裏表だと思いますし、これを例えば環境・エネルギー指導要綱というような格好にブラッシュアップしていただいて、ぜひともエネルギー教育ということについて、子供のころから教育ができるような環境をつくっていただければありがたいと思います。
田中部会長
 どうもありがとうございました。
 井川委員、お願いします。
井川委員
 すみません、時間がないところ。ただ、メディアのことをいろいろ言われたので、言っておきたいなと思います。
 それで、言いたいことは何かというと、いろいろ書かれていますけれども、難しいぞということと、本来やるべきことは、正しい情報というか、深い情報、考える情報、理解できる情報というのを地道に発信していくことが大事であるということを言いたい。
 まず第1点、何で難しいかというと、何を知りたいかということを、ここにまず第1点で書いていますけれども、何を知りたいかがわかれば、これはもう大したものなんで、一般の国民は何が知りたいかわからないというのが現状ですということをまず言いたいということです。
 それから、メディアに正確さを求めると、正確な情報を出すように云々という、いろいろご意見が出まして、何だか聞いているとマッカーサー委員会みたいで、何か物騒だなという感じがしましたけれども、ただし、これ、何が正確かって、相当問題があるんであれば、訴訟でも何でも起こされればいいわけで、営業に支障があれば営業妨害ということで訴訟を起こされればいいし、名誉毀損であれば、名誉毀損の訴訟を起こされればいいんで、そういう何か陰でこちょこちょ言っていてもしようがない。なおかつ、間違った情報というのは、番組とか、テレビとか、新聞とか、いろんな長い記事とか、あるいは長い番組になると、なかなか、何が間違っているかというのを訂正しようもないぐらい入り組んでいることがあるわけです。先日のNHKのチェルノブイリだって、あれはひっくり返してみれば、健康食品か何かを、何人かが効きましたよと言って、それでみんなが効くんだろうと思わせるのと、それをひっくり返したように、一部、もちろん、ご苦労されているんだろうけれども、病気の方を出して、みんな死ぬみたいな言い方で番組やっているわけで、でも、事実はどこも間違っていないわけで、これをどうやって訂正を求めたらいいんだというのは非常に難しいわけです。
 だから、むしろそういうことよりも、皆さんが、理解したい、あるいはきっちり学びたいという人にきっちり情報を出せるような体制、あるいは百科事典みたいなものをちゃんとやらなきゃいけない。以前インターネットでそういうものをつくっておられましたけれども、私どもの新聞がたたいたせいか、なくなってしまって、途切れて、今は更新されていなくて、どうしようもない状態になっています。なおかつ、新聞とかテレビをたたいても、インターネット等で情報を得る方は非常に多くなっていますから、むしろ、正しい情報を流さなきゃいけなくて、そういう意味でインターネット等、いろんな情報を活用して、むしろきっちりした情報を知りたいという人に深く答えていけるような情報まで出していけるように、体制を早急に構築することのほうが大事だと思いまして、ここで、マスコミの小さな揚げ足をとってみても、全然生産的なことにはならんぞということだけは言いたいなと思います。
田中部会長
 神田先生、お願いします。
神田委員
 予算のことなんですけれど、エネルギー広報関係の、小平さんいなくなってしまって残念なんですけれど、予算があったのがおととしぐらい、何か庁内のスキャンダルか何かで一気に予算を減らせという指示が出たということで、私みたいに地方の都市をぐるぐる回っている人間からすると、そこから来た予算というのは一気に減り始めて、今年度なんかミゼラブルな状態に入ってきているんですが、何かそういうスキャンダルのことと現場の予算というのを関係づけるというのはよくなくて、やっぱり、エネルギー広報関係の、広報・広聴の予算というのは、きっちりつけていただきたいと思います。
 以上です。
田中部会長
 ありがとうございました。
 児嶋先生、お願いします。
児嶋委員
 一言申し上げます。広聴・広報は、この資料の中で結構ですが、さらにやはり教育というのを入れてほしいと思っておりましたら、資料3-2にありましたので、少し安心いたしましたけれども、しかし、教育は非常に重要であると、皆さん、何人かの方が申されました。やはり、それに対する予算措置を、文部科学省と経済産業省とぜひ協調してやっていただきたいと思います。
 そしてまた、もう一つは、いわゆる原子力立地の地方自治体ですね。地方自治体それぞれが、エネルギー教育の先進市町村であると言えるような施策を、そう言えるようになるような支援を、ぜひ予算的にしていただければと。例えばきょうは、敦賀市長さん、お帰りになりましたけれども、敦賀市がエネルギー教育の最先端を走っているというようなことになれば、それに見習って皆さんが進んでいけると、こういうような立地地域への教育支援、これについてもお考えいただきたいと思います。
 以上です。
田中部会長
 ありがとうございました。
 時間の関係で十分なご意見をいただけなかったところもございますが、さまざまなご意見をいただきましたので、今後具体的な施策とか、報告書のまとめなんかについては、役立てていきたいと思います。
 その他、何か事務局のほうでございますか。
 本日の議題は以上でございますが、私の不手際もあって、時間が参りまして、どうもご迷惑をおかけいたしました。
 次回以降の会場につきまして、事務局からお願いいたします。
柳瀬原子力政策課長
 次回11回は、5月30日、火曜日の午後2時から、原子力等電力自由化についての2回目のご議論、高速増殖炉サイクル実用化戦略調査研究のフェーズIIについての報告、その後、本原子力部会の報告書の骨子(案)についてご議論いただくことを考えております。場所は、きょうと同じ場所でございます。
 その次、第12回、6月16日、金曜日の午後2時から、本部会の報告書(案)についてご議論いただくことを考えております。場所は、追ってご連絡いたします。
 以上でございます。
田中部会長
 ありがとうございました。
 ということで、これから報告書の案の検討等も始まっていきます。よろしくお願いいたします。
 それでは、これをもちまして、第10回の原子力部会を閉会いたします。本日は、どうもありがとうございました。
──了──
 
 
最終更新日:2006年5月22日
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