経済産業省
文字サイズ変更

総合資源エネルギー調査会電気事業分科会原子力部会電力自由化と原子力に関する小委員会(第4回) 議事録

平成18年4月10日(月)

田中委員長
 それでは、定刻になりましたので、ただいまから総合資源エネルギー調査会電気事業分科会原子力部会の第4回電力自由化と原子力に関する小委員会を開催させていただきます。
 本日はご多忙のところご出席いただきまして、まことにありがとうございます。2時間ほどの時間をいただくことにしておりますので、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
 それでは、事務局から配付資料の確認をさせていただきます。
柳瀬原子力政策課長
 本日は議事次第、出席者名簿、資料1から4の合計9種類をお配りしております。
 なお、佐々木委員におかれましては、先日、神戸大学名誉教授にご就任されましたので、出席者名簿を修正させていただいております。
 また、事務局に人事異動がありましたので、ご紹介させていただきます。
 電力・ガス事業部政策課長でありました菅原の後任としまして、宮川正が本日より着任しております。
宮川政策課長
 宮川でございます。省エネ新エネ部の政策課長から、きょう付けで電力・ガス事業部の政策課長になりました。よろしくお願いいたします。
柳瀬原子力政策課長
 以上でございますけれども、過不足ございませんでしょうか。
田中委員長
 よろしいでしょうか。
 それでは、本日の議題に移りたいと思いますが、その前に以前からご意見をいただいておりました政策目標について、考え方を整理させていただきたいと思います。ご意見では、原子力政策大綱に挙げられた3~4割か、それ以上という政策目標を今後の官民による役割に資するよう、より具体的でわかりやすい形に整理すべきだとのご意見が中心だったかと考えております。それらのご意見を踏まえまして、今後の取り組みの方向性という形で整理いたしましたので、事務局からご説明をお願いいたします。
柳瀬原子力政策課長
 それでは、お手元の資料1の1枚紙でございます。以前、宿題になっていた件でございます。
 まず、最初の○でございますが、この小委員会のミッション、原子力政策大綱の政策目標、3~4割か、それ以上の実現に向けた具体策の検討でございます。
 2つ目の○ですけれども、原子力政策大綱の目標がキロワットアワーでございます。それが稼働率によって設備容量が随分変化をいたしますので、この小委員会、自由化時代の新・増設、リプレース建設の円滑化という観点では、基数などをベースに方向性を共有するほうが、議論が進みやすいのではないかというのが2つ目の○でございます。
 そこで、3つ目の○でございますけれども、今般まとまりました2006年度供給計画におきましては、昨年2基運転開始しましたので、15から13に減っておりますけれども、13基の新・増設案件が掲げられているところ、これらの新・増設案件の実現に向け、国は事業環境の整備を行い、電気事業者は最大限努力するというのが、前回の電気事業者さんの代表の委員の方のご発言でありましたので、こういうことで整理をするということが当面の取り組みの方向性として妥当ではないかというので案を出させていただいております。
 ちなみに、13基の内訳として左下に個別の立地地点が書いてございます。それから、右下でございますけれども、13基が供給計画で実現した場合の原子力比率の見込みですけれども、稼働率によって当然変わりますが、過去10年間の平均値であります77%という稼働率であれば原子力比率は36%程度、稼働率がアメリカやドイツ並みの90%ということになると、原子力比率は4割を超えてくるという数字であるということでございます。
 以上でございます。
田中委員長
 ありがとうございました。
 それでは、各委員からご意見等をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。築舘委員、お願いいたします。
築舘委員
 どうもありがとうございます。私ども事業者といたしましては、今回、事務局から示されました当面の取り組みの方向性を尊重いたしまして、安全確保を大前提に、そして既設炉の最大限の活用を図りますとともに、新・増設につきましても着実に取り組んでいきたい。そして、政策大綱の目標の達成に向けて最大限の努力をしてまいりたいと思います。
 以上でございます。
田中委員長
 ありがとうございました。あと、いかがでしょうか。特によろしいでしょうか。特にご意見がなければ、政策目標については本日の資料の形で整理させていただきますということで、次に進めさせていただきたいと思います。
 それでは、本日の1つ目の議題でありますが、原子力の視点から見た自由化のあり方についてご議論いただきたいと思います。第1回目の小委員会でも事務局から説明がありましたように、今後の自由化についての議論は、電気事業分科会において平成19年度を目途に開始されると承知をしております。自由化の議論は原子力の観点のみならず、競争政策の観点などを含めて総合的に行われていくものと理解しておりますが、ここではその際の電気事業分科会における検討に資するよう、原子力推進の観点からのご意見をいただきたいと考えております。
 まずは、実際に原子力発電所の建設・運営を行う立場にある電気事業者としての考えを築舘委員からお聞きし、その後、各委員よりご意見をいただきたいと思います。それでは、築舘委員、よろしくお願いします。
築舘委員
 ありがとうございます。それでは、資料2-1に沿いまして、若干のプレゼンテーションをさせていただきます。
 2ページをごらんいただきたいと思います。ページ数は右下のほうに打ってございます。
 まず、原子力発電の位置づけについてでございますが、原子力は安定供給のベースでございまして、環境面・経済面からも長期安定的な運転を前提といたしますと、私ども電力会社にとりまして重要な基幹電源でございます。したがいまして、開発のインセンティブは十分にあると考えております。
 原子力の特性ということで左側でございますが、経済性ということで見ますと、他の電源と比較しても遜色のない水準であるということが考えられますし、発電コストに占める燃料費の割合が低い。そして、国際的な燃料価格の変動の影響を受けにくいということもございます。
 環境面で申し上げますと、炭酸ガスの排出原単位を削減していくという電事連大の自主目標達成にも寄与すると思います。
 供給安定性ということで申し上げますと、調達の不安定性が少ない、備蓄効果もあるということ、それから原子燃料サイクルによる燃料の再利用が可能であるということでございます。
 他の電源とのコスト比較ということで右のほうに示しておりますが、これは平成14年度の実績に基づいた試算値でございますので、今現在の燃料費等の諸元で計算しますと、相対関係、あるいは絶対水準が若干、あるいはかなり違ったものになるかと思います。
 続きまして3ページをごらんいただきたいと思います。原子力発電の位置づけの続きでございますが、今申し上げましたような原子力のプラス面があるわけでありますが、一方で原子力の開発はこれから申し上げる点に留意が必要でございます。
 1つ目は、大規模電源開発となる原子力は1基当たりの初期投資が3,000億円ないし4,000億円というオーダーになりまして、財務インパクトが大きいということ。それから2つ目として、フロントのみでなく、発電後のバックエンドも含めた対応が必要であるということであります。原子炉廃止措置への対応、原子燃料サイクルへの対応、放射性廃棄物の処理・処分への対応等々でございます。そして3つ目として、経済性を発揮するための安定稼働に影響を与え得るリスクがあるということでございます。
 続きまして4ページに移っていただきまして、原子力に対する国の環境整備について申し上げます。原子力に対する安定的な運転や投資環境の整備の観点から、自由化以前も含めまして、これまで例えば以下の環境整備が国によって行われてきたということで、黄色のハッチングをしてある部分がこれまで行われてきた政策展開でございます。税制で申し上げますと、原子力発電施設解体引当金、使用済核燃料再処理引当金、次に法整備ということで申し上げますと、バックエンド積立金法、あるいは特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律、さらには優先給電指令制度、連系線の混雑処理による長期固定電源の優先利用も工夫されております。
 これが以上のこれまでのことでありますが、今後も着実に原子力を推進していくためには、本部会でさらなる対応・環境整備を議論していただく必要がありますし、既に議論してきていただいていると思っております。特に以下の環境整備が重要だと思っておりまして、3つ挙げております。安全を大前提とした科学的合理的な安全規制の実現、地方自治体に対する国のリーダーシップの発揮、バックエンド対策の整備であります。
 5ページに移っていただきまして、現行自由化制度における原子力の位置づけでありますが、現在の制度における発電部門及び原子力等の大規模電源の位置づけと、それから一般電気事業者が果たすべき役割といいますのは、平成14年2月の電気事業分科会の骨格答申に述べられております。
 関係するところを抜粋的に申し上げますと、1つが発電・販売部門につきましては、私企業による競争を通じ、事業者が切磋琢磨する中で機能の向上・強化が図られることが期待される。原則として私企業の自由な事業活動を可能とするよう市場環境を整備することが求められるとうたわれております。
 2つ目として、電気事業制度の中核的役割を担う一般電気事業者には、原子力発電や水力発電等の初期投資が大きく、投資回収期間の長い長期固定電源の推進に向けた取り組みが引き続き期待されるということ。
 3つ目に申し上げたいのは、特に原子力等の大規模発電事業を推進するためには、送電事業との一体的な実施が求められることを踏まえると、現行の一般電気事業者が引き続き重要な役割を果たすことが期待されるということで、私ども一般電気事業者といたしましては、発電部門は私企業による競争分野になったと考えております。そして、原子力は一般電気事業者にとっての中核電源でございまして、その経済性を確保・向上させていくことが自由化のもとで競争をしていくポイントになると考えております。私どもとしてはそのようにこれまでの流れを受けとめて、みずからを納得させながらやってきたところでございます。
 6ページに移っていただきます。これまでの原子力開発の推移ということでありますが、1990年代後半から電力の自由化が開始されたわけでございます。一方、電力需要は、経済成長の低迷、省エネの一層の進展、あるいは自家発・ガス冷房といったような競合エネルギー事業の影響等から延びが鈍化してきております。需要の延びの鈍化によりまして、原子力の開発量は以前よりは減少してきておりますが、必要とする原子力開発は着実に行ってきたと考えております。
 下に示しておりますグラフは、赤い線が電力10社計の年間最大電力でございまして、右目盛りで見ていただきます。平成10年度以降ほとんど横ばいで、フラクチュエーションしているという状況でございます。一方、棒グラフのほうは原子力の設備量でございまして、それぞれの年度の運転開始したユニットがブルーの線で示されております。
 最後に7ページでございます。今後の原子力開発と自由化についてということでございますが、これまで私ども一般電気事業者は原子力は環境面にすぐれている、経済的にも他電源と比べて遜色がないという判断のもとに、資本市場や消費者からの効率化要請にこたえながら原子力推進に取り組んで、エネルギーセキュリティ、あるいは環境問題といった公益的課題の達成に寄与してきたと考えております。今後も電力といたしましては、安全確保を大前提に既設炉の最大限の活用を図りますとともに、新・増設に着実に取り組んでいくなど、政策大綱の目標達成に向けて最大限努力してまいりたいと考えております。
 我が国における電力自由化は、諸外国の先例から、経済性にかかわる規制緩和の流れの中で議論されつつも、エネルギー資源が少ないという日本固有の事情を踏まえたエネルギーの安全保障、安定供給をベースに、地球環境保全というようなさまざまな要素を考慮しながら、冷静かつ慎重に段階的に進められてきたものでございます。今後の自由化の検討につきましては、まずは現行の自由化制度の評価をしっかりと行う必要があると考えます。その上で、エネルギーセキュリティや環境保全等の問題との両立でありますとか、ユニバーサルサービスや中長期的な安定供給の責任のあり方、自由化による選択肢の拡大に対するお客様の考え方、先行する諸外国での自由化制度の長短得失など、幅広い視点から総合的に勘案して議論されていくべきものだと考えております。
 以上でございます。ありがとうございました。
田中委員長
 それでは、各委員からご意見等をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。質問等でも結構でございますが、佐々木委員、お願いいたします。
佐々木委員
 意見を求められましたが、原子力発電と電力自由化のテーマというか、議題については、今の築舘委員さんのご発言についての意見ということなんでしょうか。むしろ、次の資料2-2という2枚ものがありますが、これをやってしまってから、我々に意見を求められたほうが言いやすいんじゃないかなというふうに感じないこともないんですが、どうなんでしょう、この辺は。
田中委員長
 そうですか。そういう意見もあるみたいですから、先走りになるかもわかりませんけれども、2-2をやったほうがいろいろと議論がしやすいかと思いますので、先にそちらをやってください。
柳瀬原子力政策課長
 それでは、お手元の資料2-2で、事務局のほうで先に用意させていただきましたけれども、原子力の観点から見た自由化について、いろんな方のお話、これまでの原子力部会の議論などを整理すると、こういうことではないかということであります。
 まず、これまでの自由化が原子力発電の新・増設に影響を与えた可能性として3点挙げてございます。1つは、法的独占で需要が確保されていること、総括原価主義でコストが回収される保証があること、この2つの法的な保証が外れたので、原子力発電のリスクの重さがより強く感じられるようになって、新・増設に影響が出たという可能性。2つ目に、自由化で競争が高まって、それを背景にコストの圧縮努力が行われて、そのかなりの部分が設備投資を抑制するという圧力に向かって、その結果、原子力発電の新・増設に影響を与えたという可能性。3つ目が、電力間競争が導入されたことで、共同開発などがしづらくなってきているのではないかという可能性。3つほど可能性として指摘されてございます。
 さらなる自由化というのが今後電気事業分科会で議論されますけれども、それに原子力の新・増設の観点で、これから見てどういうふうな見方があるかということで、今まで伺っている話は2種類に分けてございます。1つ目の(1)は、残された規制分野は主として家庭用なので、自由化しても一遍に大きな需要の離脱があるとは考えられないことから、今後自由化が進んでも原子力発電の新・増設には大きな影響はないという見方。
 2ページ目を見ていただきまして、(2)とありますけれども、2つのことが書いてありますが、1つは家庭部門であっても規制分野には安定的な需要が見込まれるので、原子力発電のような巨額でリスクの大きい投資を支える効果があるという見方。もう1つは、規制分野がなくなった場合に、新たな電気事業制度の体系自体がどのようなものになっていくのかというのが不透明、制度自体が不透明になるということで、そういう意味での需要離脱のリスクではなくて、制度の不透明のリスクが上がるので、大きい投資、長期間にわたる投資を決断しづらくなる。こういう見方もあるわけでございます。
 きょうの議論を踏まえてということに最後はなるわけですが、この原子力部会と申しますか、この小委員会として将来の電気事業分科会での自由化の制度設計の全体論について、原子力の立場からこうだよということにどういう言い方をするかというのは、きょうの議論を踏まえてということで空欄にしてありますけれども、2つ目の●でございますけれども、競争政策など原子力政策以外の観点も含めて、自由化の制度設計が総合的な観点から行われることになりますが、原子力の観点からはこういうことを留意して制度設計に当たってほしいというのが、きょうの皆さんのご議論を踏まえて、この小委員会の報告書の中に織り込んでいくということではないかという紙でございます。
 以上でございます。
田中委員長
 ありがとうございました。資料2-2の最後のまとめをどういうふうにし、それを親部会の報告書のほうに反映させていくのかというところがまとめ的には重要な点かと思いますが、いろいろとご議論いただけたらと思います。末次委員。
末次委員
 今、電力業界の代表とエネ庁のほうから、多岐にわたる解析が行われたと思います。今、電力の自由化と原子力をどういう視点で評価するかということについては、大体社会的な受けとめ方としては、エネルギーのセキュリティに対する対応準備、枠組みの強化が優先的だろうということについては、社会的コンセンサスがおそらくできているんだろうと。と同時に、地球大の環境保全に対する対応も必要だということを行う。
 そういう中で、エネルギーセクターにおいてエフィシエンシーを追求する手段としての自由化という手段、それをどれくらいのマグニチュードで今、あるいは今後追求していくべきかという点については、自由化の体制準備を始めた6~7年前とは明らかにがらっと状況が変わっている。それから、しばらくオアシアラブル・フューチャー、おそらく今申し上げた構造は変わらないだろうと思いますので、明らかに電力自由化の現在及び今後の評価については、日本社会としては自由化もセキュリティもということではなくて、セキュリティ第一、そして環境、エフィシエンシー、自由化という順序でいろんな制度、仕組みの改変を行っていくというのが、おそらく社会的合意になっているだろうと思います。
 そういう点では、ぜひ今後の申し送りという、今、柳瀬課長からもありましたが、明らかに今後の電力セクターにおける自由化を考える基本的な視点は、エネルギーセキュリティに対する万全な体制を構築することを最優先するというクライテリアで、おそらくいろんな制度の見直し、あるいは補充が行われるべきだろうと思います。
 そういう点から考えますと、今、事務局からお出しいただいた問題点の視点に、今後、自由化を進めても、例えばいわば家庭用の自由化というツールに手をかけたとしても、あまり大幅な顧客の離脱はなくて、原子力発電の大型長期投資に対する影響力が大きく出るということはないだろうという見方も一方にあるという今整理をされましたし、同時にこれからさらに大幅な自由化促進をやれば、制度リスク、規制リスク、企業・産業規制リスクが非常に高まって、全体として社会的リスク、政治的なリスクがある原子力発電に対する投資の促進は明らかに難しくなるだろうと。そういうふうに雰囲気に色濃くなるのではないかという整理がもう1つ行われたんですが、私はどう考えても今の時点では後者の整理が当たるんじゃないかと思います。
 自由化の強度をさらに上げるということが今後行われるとしますと、それは産業リスク、規制リスクだけじゃなくて、それは同時にもう1つ原子力のリスクである政治的リスク、パブリックアクセプタンスリスク、あるいは地方の反対リスク、こういうものに同時に火を注ぎますので、リスクとしての相乗効果が出てくるという点も考慮すべきではないかなと考えます。
 大体、今はそういうぐあいに考えております。
田中委員長
 ありがとうございました。佐々木委員、お願いします。
佐々木委員
 ありがとうございます。資料2-2という事務局が準備された2枚もののペーパーでありますが、それの1枚目のところに2つのことが書かれていて、1のところでは「これまで」の、つまり現行の自由化政策について書かれている。それから、大きな2は「これから」の、つまりさらに自由化を今後進めるべきかどうかということについて書かれている。
 2つのことを申し上げますが、まず前段の「これまで」の自由化についての記述ですが、私がこの文章でちょっと気になるというか、引っかかるのは最初の●のところです。原子力発電の新設から増設、これに影響を与えた「可能性がある」というふうに書かれている。ほんとうは私が書いてほしいのは、影響を与えたのか、与えなかったのかをはっきりしてほしいのです。「可能性がある」というのは、ある意味では非常にあいまいだと思う。というのは、現行の自由化政策を19年度以降どうするかということについて考えるときに、実績を踏まえて考えるということであったと思います。
 そういう点からいくと、これでは実績にならないのじゃないですか。「影響を与えた」というふうに切れていればいいけれども、「可能性がある」というふうに書かれると、何でこうなるのだろうかと思う。例のもう1つ小委員会がありますよね、自由化の制度改革評課小委とかいう。それの実績というか、実績評価というか、そこのところを我々はこの小委で全然聞いてない、まだ中間報告も。そうすると、そのことの実績評価を聞かないと、ここに影響を「与えた」のか、「与えなかった」のかということについてのところがどうもあんまりはっきりしないのではないかと私は思います。
 先ほどの築舘委員さんのペーパーの7ページ、最後のところでやはり同じようなことを書かれていると思います。そのペーパーの最後の黒ポツの中段のところ、「まずは現行の自由化制度の評価をしっかりと行う必要がある」と。これが非常に大事だろうというのは私も同感なのです。そのために、実績の評価についてのもう少し実証的な数値に基づいた分析が要るのではないかと思います。それが前段。
 後段について、今後の自由化については「さらなる」自由化をどうするかということが書かれている。これは次のページについても、大きな3の初めの黒ポツのところで「さらなる自由化」と書いてあるのですが、1の「これまで」の自由化と、今、つまり現行のINGで進んでいる自由化の政策、それと今後、さらにそれを広げるかどうかということの前に、1ページの大きな1と大きな2の間にもう1つ中間的なものがあり得るのではないかと思います。それはどういうことかというと、現行の今、進行形の形で進行している自由化の政策そのものを見直したり、それをもう少しもっと具体的に言えば、例えば「19年度以降」という年度があるけれども、それをもっと繰り延べるとか、20年度とか21年度ということもあってもいいのではないかと思う、実績の評価いかんによっては。
 ですから、現行の自由化の政策そのものは、ギブンとして「今後さらなる」というふうに考えるのではなくて、1と2の間に、現行の自由化政策そのものをもしかしたら見直す必要があるかもしれないという余地があってもいいのではないかなと思います。その辺のところを、この資料では看過して大きな1から大きな2に飛び越してきているのではないかというのが私の意見です。
 以上です。
田中委員長
 ありがとうございました。今の点について何か今答えられますか。
片山電力市場整備課長
 今、ご指摘のとおり、制度改革評価小委員会で議論しているさなかでございまして、制度改革評価小委員会としての結論を今の時点でいただいているわけではございません。
 これまでの議論の中でのご紹介ということもしれませんが、この1.の(1)から(3)に掲げられている事項について言いますと、(1)というのは明らかに制度がこういうふうに変わったということ以外ないのではないかと思います。
 それから、あと(2)につきましては、今日の築舘委員からのプレゼンテーション資料にありましたように、特に6ページ目でございますが、制度改革評価小委員会では原子力発電投資ということに焦点を当てた分析をしているわけではございませんけれども、他の電源も含めてこういう電源の投資、あるいは送電線に対する投資というものが、ここにありますような最大電力が平成9年あたりで急速に伸びがとまっているという状況に平仄を合わせるような形で、設備投資が推移をしているというあたりは検証させていただいているところでございます。
 それから、(3)の競争の状況というところについて、詳細は避けますが、一言で申し上げますと、直接的な需要家の奪い合いという意味での競争というのはあまり顕著ではないものの、新規参入者を含め電力間で価格の引き下げ競争が非常に行われていて、電力各社の料金の差が急速に縮まってきている。そういう意味で競争圧力というのは、これまでの自由化の中で非常に働いているのではないか。こういったファクトを示させていただいております。
 ただ、そういうことが具体的な設備投資行動に、定量的にというお話がございましたが、これは前提をどう置くかによって答えが随分違う話でございますので、そこまでは踏み込めていませんけれども、おおむねそういったファクトを今示させていただいているところでございます。
柳瀬原子力政策課長
 もう1つの自由化についての検討を19年から始めるということでなくて、検討開始をやめるとか、先に送るという議論でございますけれども、ここの理解は、19年から検討するということは規制改革委員会とか、その他国会などとの関係で決まったことでございますけれども、検討の中で必ず全面自由化するだとか、さらなる自由化をするということは全く与断を与えられてないと認識していまして、その検討した結果をさらに技術的評価がまだ足りないから、もうちょっと延長しましょうとか、そういうのは全く排除されてないと思っています。ただ、検討しちゃいけないというのはちょっとむちゃがありますので、それは約束事ですので、検討はしましょうということだと思います。
田中委員長
 よろしいでしょうか。武井委員、お願いいたします。
武井委員
 ありがとうございます。エネットの武井でございます。
 今、安定供給、エネルギーセキュリティ、地球環境と自由化という話が出ていますけれども、ご意見として安定供給やエネルギーセキュリティ、地球環境が優先して、自由化というのはその後考えるべきものだという意見がございます。今は、デジタルの時代ですから、二者択一、1か0かというのは非常にわかりやすいのですが、人間の知恵をもってすれば両立はできなくはないと思っています。それはいかに関係する人が知恵を絞って、どうすればいいかということを議論していけばできる話であろうと思います。
 その前に、こちらが先だから自由化の方はという議論になりますと、自由化の中で我々は企業として切磋琢磨して、お客様に少しでもリーズナブルな値段で電力を供給する、そういう使命を持って会社ができていると思っておりますから、その辺のことも十分勘案していただいて、検討を進めていただければと思います。
 先ほどの築舘委員のお話について、若干私共としても意見を言わせていただきたいと思います。これまで原子力について主力となって導入推進を図られてきました各電力会社さんのご努力には、私共といたしましても敬意を表するところでありますし、導入に当たっては大変な困難を解決されて、逆風のときにも耐えて、今の状況に結びついたということについては、電力会社さんの努力の賜物と思っております。
 そういう中で私共も電力事業を行っているわけですけれども、各電力会社さんは戦後、9電力体制になられてから還暦60年を迎えようかというのに対して、私共は6年程度です。ご存じのように、こういう設備産業、特に電力のような足の長い産業になりますと、原子力ではつくる、運転するまでに20年、火力でも10年かかるということでして、これは人間の成長と同じようなもので、20年たたないとなかなか成人にはなれません。
 そういう中で私共が6年、人間でいうと小学校に入学して、これから義務教育を受けなければいけないという者と、立派に熟年になられて、地位も名誉も手に入れられている電力会社さんと、何もなしで、これで競争しろと言われてもなかなか厳しいものがあります。特に原子力については、この6年間でいくら努力しても、逆立ちしても我々としては活用することができないわけですから、そういう意味でこれだけの生い立ちの違いがある会社の競争については、少なくとももうちょっと社会人として義務教育を受けさせるぐらいの余裕を持って、競争の場を設定していただければと思っているところでございます。
 私共が後から入ってきて、何も努力しないで原子力をよこせというつもりは毛頭ございませんけれども、我々も相応の努力をしながら、少しでも先行の電力会社さんに近づきたいと思っていますので、その辺のご理解もお願いしたいと思います。
 以上です。
田中委員長
 ありがとうございました。また、3つ目の議題でその辺のところはもう少し踏み込んだ議論があろうかと思いますが、河野委員、よろしいでしょうか。
河野委員
 ここで事務局当局が用意したペーパーをベースに、簡単なコメントをしたいんですけれども、要するに去年の4月から具体化し、拡大し普及しつつある自由化の評価の問題と、これから先、一応スケジュールにのっている全面自由化、つまり国民を全部相手にした議論をどうするかという話が2つあるんです。原子力の見地から自由化というのを見ると、控えめながら、問題があるということが書いてある。
 しかし、自由化というのはもっと全体を評価してみれば、それは金本先生がやる専門の仕事だけで、もっといろんな意味があって、プラスの面が圧倒的に僕は多いと思っているんです。この自由化は電力の体質を強化する。それは大変大きな実績なんです。
 たしかにここに書いてあることは原子力の見地から物を考えればという限定つきの意見です。私は、ここに書いてあるようなことは事実問題、そのとおりだと思っている。築舘委員は常に着実に、着実にと言っておられる。ゆっくりやりますよという意味だと思いますので、とにかくなかなか進まない。しかし、それは自由化の影響ももちろんあるんですよ、間違いなく。
 それよりももっと決定的に大きいのは、長期の5年、10年、15年先の電力需要がどんなものなのかということについての危惧の念でしょう。これは過大に心配し過ぎているんじゃないかという意見もあるし、僕は確かにそういう意見はあっていいと思うけれども、目下のところそういうふうな控えめな数字が出ている。とかく長期見通しは間違うことが多い。道路の建設1つとったって、空港建設をとったって全部間違うんですよ。だから、電力の長期停滞見通しというのはほんとうかどうかわからないけれども、今、我々が利用できる信頼できそうな数字はこういうことになっている。
 そうすると当分の間、電力供給能力の過剰が続く。そんな時に投資を拡大することは、普通の常識論からいったらできないんです。やらないほうが賢明なんです、経営者としては。私の言いたいのは、自由化のマイナスというのは明らかに現実にあるけれども、それは決定的な要因であるかというとそうではなくて、需給見通しの不透明のほうが決定的に大きいんじゃないかということだ。
 もう1つはこれから先の話で、さっき佐々木さんが意見を出されていたけれども、今の自由化の水準を後退させるとかという議論には同調できない。特に一番問題なのは、ほんとう言うと、電力間競争を進めると政策当局が考えて出したパンケーキ廃止です。希望はありますよ、しかしこれを修正するのは、それは現実問題として容易じゃない。
 ということを考えてみれば、去年の4月以降丸1年たった自由化の枠組をどうこうするということは現実的に、政治的にも、経済的にも好ましくない。不可能に近いと思っている。
 問題はここから先の話です。規制緩和=自由化という議論が今なお延々と続いているけれど、これから先は原子力のことをもうちょっと考えてちょうだいよということをどうしても言わざるを得ない。原子力は別会社でやったらどうだという考えもあるけど、そんなことをやることが好ましいかどうかは全然別の話だ。全面自由化に向かって来年あたりから、しかるべき審議会で議論が始まるということになって、予定されていることは事実だと思うけれども、原子力1点から見ても、それは2番目に書いてあるみたいに、いろいろ今よりも問題が大きくなるかもしれないよとここに書いてある。
 しかし、それよりもっと決定的に大きなのは、仮に全面自由化したとき、電気事業法に代わって一体どういうルールで電気産業という巨大なインフラ産業、この国民生活密着型のものをどういうふうにコントロールするのか。電気事業法に代わるビジョンがなければ全面自由化には踏み出せない。単純な延長線上で、自由化だから先が決まっているからいくというのは良くない。
 それで、ここに書いてあるみたいにブランクにしてある、原案のところは。総合的に検討をすることは必要だけれども、少なくとも原子力の視点から見ればどう出すといったら、これは僕が書くんだったら、慎重に検討しろということを書けばいいんですよ。全面反対なんて言うことはない。慎重にと書いたらいい。日本語の意味はそういう意味だから、当たりさわらず。だけども、メッセージは伝わる。もし総合的に見れば、もっともっと言いたいことは山ほど出てきますよ。全面自由化論者はそれに対して答えがあるのか。
 と考えれば、ここのブランクのところを埋めるんだったら、僕だったらえらい官僚用語で常套的ではあるかもしらんけれども、慎重に議論しなさいよということを、まず原子力部分から言ったら言いたい。総合的に見たら、もっと別の言いたいことは山ほどあるかもしれない。それはここで議論する場じゃないから。ここでは全面自由化後のルールはいかにあるべきかという議論は1回もやってない。みんな腹の中でぼんやり思っているだけだから、学者も関係者も全部。そんなのは書けませんよ、ここには。
田中委員長
 ありがとうございました。次に松村先生、お願いします。
松村委員
 2番の今後の自由化というところなんですが、先ほど末次委員から両論併記で、前者よりも後者がということがあったんですが、私は両論併記が正しいと思っているんですけれども、2のほうが重要だと考える人がいるというのは間違いなく認めるとしても、1のような考え方もあるということは当然あり得ると思うので、このような両論併記は当然必要だと思います。
 それで、2番目の点なんですが、制度の不確実性があると投資しにくいという事実はあると思うんですけれども、これは自由化するかどうかということと基本的にニュートラルな話だと思っています。どうしてかというと、仮に19年度の時点でまだデータが十分でないので、先延ばししますということをやって自由化を進めなかったとしても、不確実性が減ったわけではないというわけで、将来の制度がどうなるのかというのが先送りされちゃった。逆に19年度に制度の大枠を抜本的に決めちゃうということをすれば、その時点でむしろ不確実性が減るということもあり得るわけですから、制度がこの後どう変わるのかが不確実で、投資がしにくいというのは事実だとしても、これは制度を設計するときに常に考えなければいけないことであることは間違いないんですけれども、だから自由化がいいとか、あるいは自由化しないほうがいいということではないのだと思います。
 したがって、2の点というのは、制度が不確実になるから、自由化をこれ以上進めるべきでないという見方は何となく変じゃないかと私は思っています。
 以上です。
河野委員
 それならこの文章はどういうふうに修正すればいいんですか。とにかく案文を決めなきゃいかん、これ。今の先生の話だと両論併記だと。前者の意見もあるよ。それは先生はそうかもしれないし、私は後者の意見だけれども、それでこういうふうに並べるのか。こっちが少数意見で、こっちが多数意見なのか。少なくともどっちかに区切らないとぐあいが悪いんですよ。文章をまとめるんだから、これ。話を二分すべきじゃないから、これ。どういうことですか。
松村委員
 だから、現行の両論併記でいいのではないかということです。
河野委員
 両論併記ね。まあ、それでいい。
田中委員長
 よろしいでしょうか。いろんな意見があるかと思いますが、まず手が挙がっています内藤委員、お願いいたします。
内藤委員
 結論的には、私は19年度からの検討は一応白紙に戻って検討すべきである。それで、検討した結果に応じて新たな対応を決めるべきで、既に既成のラインがあるから、淡々とそれで進めるんだということではないのがいいと思っております。
 その理由は、まず自由化というのは、理屈の上ではプライスメカニズムの効用を最大限に求めるということは、プライスダウンが非常に象徴的に出てくるということでありますけれども、今までの自由化でその成果は相当に上がったということで、効用を求めてきたことについては成果があったと思います。
 しかし、効用と限界という中で、先ほど来、時代の潮流として考えた場合に、セキュリティと環境という2つのものは、理屈の上では限界に対応するものであるということで、そこで改めて制度設計を時代の変化とともに考え直すということを1度とどまって考えるべきではないかと思います。
 そのときの要素として、先ほど河野さんの言っておられたような需要の伸びの停滞、地域別の需要の伸びの格差ということが、人口の減で非常に明確になってきたのは最近であるということ。それから、かねてからのリスクがバックエンド等に伴うもの以外に、いろいろ地方公共団体のアクセプタンスも含めて、稼働の停止というリスクが現実化してその後起こってきたということ。それから、企業経営上の財務インパクトが大きいということ。それから、ビジネスモデルのつくり方いかんによっては、一般消費者を対象にしてマンションとか、ビルだとか、地域供給ということのモデルを新たに構築するということになると、電力間競争のさらなる促進にもなるということ。要するに先ほど申し上げたプライスメカニズムの限界として、今、原子力が脚光を浴びているという中で、原子力をめぐる状況が大きく変わり、具体的な検討をしなければならない事項が多々あると思います。
 そういうことで、むしろ両立し得ない可能性もあり得るということを踏まえて、制度設計を白紙で検討するということを19年度にお願いしたいということで、繰り返しになりますが、既定路線で当たり前、淡々とというのは適当でないと思っております。
 以上です。
田中委員長
 ありがとうございました。1つ確認なんですけれども、内藤先生がおっしゃった白紙という意味はどういう意味なんですか。
内藤委員
 白紙という意味は、今までの自由化、ここまで進んできたものについては、それは先ほど初めに申し上げましたとおり、効果があるということですから、そこまでは一応尊重をする。要するにさらなる自由化については白紙ということであります。
田中委員長
 ありがとうございました。次、植草委員、お願いいたします。
植草委員
 資料2-2についてはどうもよくわからない。わからないのは理由が2つあると思うのです。
 まず1.で、これまでの自由化について、3つの点で自由化が大きな影響を与える可能性があると記されている。さらに自由化を進めたら、この可能性はさらに強まるという論理にすればよかったが、その次のところでは自由化を進めても、小口分野を含めて需要離脱は大したことないとか、大きな影響があるとか、実証も何もなされていないものが出てきて、両論併記されている。これは飛躍し過ぎと考えます。
 むしろ1.の(1)で、小口も含めた全体で総括原価方式は採れなくなる。そして、海外の状況を見ても、全面自由化すると、設備投資の抑制で送電線と投資が削減されて、大停電が起きる事態もあった。そして、電力間の各社間競争も熾烈になるだろう。そうなれば、ますます原子力等への投資の意欲は減退するだろうという形で説明して、最後に、もしこうした事態が起こるとするならば、原子力の投資というものが危機に瀕する。これを通じて環境問題と供給の安定性も損なわれる可能性がある。少し一方的な議論とは思いますけれども、論理的にはこうした説明をしなければわからないのです。
 最後に、この委員会での議論を踏まえて結論を出せと言われても、出しようがないのです。あえて私は全面的に賛成はしないけれども、これ以上自由化すると危ないという結論にしたいなら、それでも構いません。構わないというのは無責任で言っているのではなくて、このような論理できちんと結論をつけるなら、それで構わないという意味です。そうした意味で、いつもは明快な資料を出していただいて敬意を表しているのですが、2-2の資料は非常にわかりにくい印象を持ちます。
 2番目にわかりにくくしているのは、きょう目標がせっかく出されました。ようやくここまでたどり着くのにほんとうに時間がかかりましたが、内藤委員と私とで目標を明確にして欲しいとさんざん言ってきたのが遂に出されたので、きょうは何にも言わないで心から賛成したいと思っています。せっかく目標が出たのだから、この目標を実現するためにどういう障害があって、その障害をどう克服しようかという論理を次に展開していただき、その際に自由化が大きな障害となる可能性があるならば、それに対処する論理を展開すべきだったんです。
 ですから、きょうの資料2-2は、どちらにしても少し難解でわかりにくいということで、説得力がないような気がいたします。
 最後に私が申し上げたいのは、日本で行われた自由化をもう1度考えていただきたいのですが、日本における電力自由化ではアンバンドルをしなかったのです。これが国際的に見て、非常に特異なものとして注目されているわけです。このアンバンドルをしなかったということについて、当時の第1次、第2次、第3次の報告書の中に、理由は電力の安定供給の確保ということが基本的に書かれていますけれども、もっと根本的なことは2点ありまして、その1つは原子力を維持発展させるということであります。
 そして、もう1つは原料の確保であります。原料を確保するための経営規模の維持を念頭に置いたのです。それをつくり上げるまでの苦労はほんとうに大変なものでした。その当時のことを今からここでお話しすることはできませんけれども、こういった基礎があって今があるので、実は日本の自由化モデルは電力会社の組織を基本的に維持しながら、新しい競争制度を導入するが原子力を維持発展させるということが根本ベースにあったのです。これを忘れては困るのです。
 この根本ベースを覆す、ないしは変えていくような自由化というものが正しいかどうかというのが自由化論議で議論されるべきなのです。それは分科会でやることで、ここでやることではないとすれば、きょう明確な新しい目標が出ましたから、これを実現できないような、それを阻害するような要因は何か。そして、それに対して国は何をすべきかということを書くべきであると考えます。これまで共同開発、共同投資、それにリスク対応、外部経済性の評価ということをやってまいりましたけれども、きょうの2-2の資料はこれまでにほとんど議論されている内容ですので、私はきょうのこの資料内容に不満を感じるところです。
田中委員長
 ありがとうございました。2-2の資料でやや論理の一貫性がないんじゃないかというご指摘も、本問題が難しいことを1つあらわしているのかと思いますが、この議論を今後どうまとめていくのかという点もあろうかと思うんですけれども、もし植草先生方のご意見等からすれば、2-2の2ページ目の最後のまとめはどういうふうなことをここに書き込むことが適切だとお考えになりますか。
植草委員
 自由化論について、結論をここで出せるような内容ではないですね。ですから、申し上げているのは、この目標である13基を新・増設するということのために障害になるのは何か。そのうちの1つに自由化があるとすれば、河野委員も本日おっしゃったとおり、自由化論議は十分慎重にしていただきたいくらいの内容が一番妥当だと考えます。
田中委員長
 ありがとうございました。鶴田委員、お願いします。
鶴田委員
 ありがとうございます。先ほど内藤委員が19年度からの検討は白紙にして議論せよとおっしゃいましたけれども、決まっていることは全面自由化の是非を検討するということだけであって、全面自由化をするということにはなってない。したがって、19年度に検討を開始するという今までの既定の路線で私はいいと思います。それについて、その段階で分科会でどういう議論になるか、それは委員の方々の判断次第だとなります。
 それから、自由化論について、小委員会で今検討されていると思いますが、したがってどういうふうな評価になるか、その結論を待ちたいと思いますけれども、原子力の観点から見た自由化という議論でございますけれども、自由化を推進せよとか、そういうことはあまり意味がなくて、先ほど植草委員が極めて正確なことをおっしゃったけれども、政策目標に対してどういう政策手段を使うのかという、そのうちの1つとして自由化というツールがあると思うんです。したがって、さまざまな政策を使っていって、なおかつ政策手段の1つとして自由化を使うことの是非を議論すべきだという植草さんの提案は全く理にかなっていると私は思います。
 そのことを前提として、全面自由化について積極的に推進せよとおっしゃったのは、前回の分科会で東京電力の南前社長だったと記憶しています。その他の方々は全面自由化せよという発言は、された方もいらっしゃるかもしれないけれども、声高におっしゃったのは南前社長であります。それが新聞にも大々的に載りました。
 今、私の隣に築舘さんがいらっしゃいますから、東京電力さんはどういうふうな立場ですかということを聞きたいんですけれども、その前に、消費者が一体自由化についてどう考えているかという1つの参考意見を申し上げますけれども、私は都市ガスの政策小委員長をやっておりまして、都市ガスの製造についての議論をいたしました。そのときに消費者代表の方が、自由化政策は消費者利益の確保を最優先にしなさいとおっしゃったんです。その方に消費者利益の確保最優先というのは2つの視点がありますけれども、どちらですかと。つまり家庭用まで自由化を推進する。そうじゃなくて、家庭用までは自由化を推進しない。どちらの立場でおっしゃっているんですかと聞いたら、もちろん自由化しないという考え方でありました。つまり消費者代表の方は、自由化を望んでないとおっしゃったんです。
 後で築舘さんにお答えいただきたいと思うんですけれども、東京電力さんはどういう立場なのか、あるいは電力会社さんは今どういうふうに考えているのか。もし電力会社さんが自由化を推進せよというのであるならば、それは検討に値するかもしれない。でも、我々が自由化しろと言っても、消費者が嫌だ、電力会社の方々が嫌だと言うんだったら、僕らがいくら自由化せよと言ったってあまり意味のあることじゃない。そういう意味で供給者の方々がどういうふうな考え方を持っていらっしゃるのか、そのことをお聞きしたいなという気がいたします。
 ただ、それは結論は自由化するかしないか、どちらかにしても、仮に今まで議論がありましたように、規制として残すんだったらば、例えばそこの規制として残した場合の問題点は何かないのかということを考えておく必要があると思うんです。例えば今、景気が大分よくなってまいりました。日銀の量的緩和も推進されました。近いうちに長期金利の引き上げということが総裁から言及されるかもしれない。あるいはアメリカも相当金利を上げてまいりました。世界経済全体を見て怖いのはインフレだと思うんです。その可能性がもし顕在化した場合に、規制を残しておいて、電力料金を値上げという規制をだれが行うのかという非常に大きな問題があるような気がしました。お聞きしたところによりますと、二十何年前に値上げの規制を行って、それ以降やってないと言いますから、多分、お役所ではヒューマンリソーセスが枯渇しているんじゃないかと思うし、電力会社もそういう業務に精通した方は相当偉くなっちゃって、実際的な実務はできない可能性もあります。
 したがいまして、この自由化の議論というのは、先ほども申し上げましたように、目標に対してどういう政策手段を使って実行するのか。そのうちの1つのツールというふうに位置づけながら、もし規制を残すならば、そのときの問題点は何かということをきっちり考えておく必要があると思います。
 以上です。
田中委員長
 ありがとうございました。内藤委員、お願いします。
内藤委員
 白紙と申し上げたことについての誤解があるようでございますので、一言申し上げたいのは、ここの場で現実に議論をしたときに、19年以降の自由化は消費者、一般家庭用で、大したものではないと。したがって、淡々と進めるという路線があり得ますよという答弁が事務局当局からあったことがありました。したがって、淡々と進めるものではないということを申し上げたかったということであり、現在の事務局当局は非常にいろいろ考慮しておられますけれども、何でも自由化ということで走った過去の経緯もあるということをあえて申し上げているわけで、その点の誤解のないようによろしくお願いします。
田中委員長
 築舘委員、お願いします。
築舘委員
 ありがとうございます。今、鶴田先生のほうから、自由化論議の過去の経過の関連で、今現在の電力、あるいは東京電力の考え方はどうかというご質問をいただきました。
 それで、過去何年か前なんでしょう、自由化の議論がされて、当然いろいろな文脈で、いろいろなディスカッションがされたんだろうと思います。結果として、今、プロセスとして認識が共有されている、これまで高圧までの自由化が現実に進み、そして次のステップを来年以降議論していこうという流れになっているわけで、そういう議論の結果として今現在の流れになっているという、そこは業界としても納得をし、意識を共有してきている今現在だと思っております。
 今、どういう考えなのかということにつきましては、私の資料の7ページで申し上げましたように、自由化というのは原子力も含めていろいろ多面性のある大変重要な問題でありますから、幅広く慎重な議論をしていくべきだと考えているというのが現在の東京電力の考え方でございます。
 以上です。
田中委員長
 ありがとうございました。河野委員、お願いします。
河野委員
 今、鶴田委員が言われたことは、4年前か5年前に電力事業分科会で当時の南社長さんが言った話です。南さんはそのときに1枚の紙を出してきて、冒頭で頭から全面自由化を拒否しているものじゃないよということを言われた。電力は抵抗勢力じゃないぜという思いもあってのことだけど、後にいろんな条件がついている。
 以来、電事連会長は2代続けて変わっちゃったけど、あの発言を公式の場で後の電事連会長が修正したことはよい。しかし必ず電事連会長はどこかの段階で、改めて見解を求められる。当時の電気事業連合会の会長は南さんの発言について、中立的な立場に戻すのか、全然変わらないと言われるのか。それは末次さんが言ったとおりですよ。もうそろそろ言わなきゃならん時間が迫ってきているんですよ。3年後に言うという話じゃない。私はいずれタイミングを見ておしゃべりになると思う。
 もう1つ、消費者が全面自由化というのをウェルカムかどうかという議論が大きな論点なんですよ。今度全面自由化をやるとすれば、消費者の意見というのは決定的に重要なんです。これだけ乗るわけにはいかないけれども、決定的に重要であることは間違いない。今の自由化とは関係ありませんから。今の自由化について消費者団体はいろいろなことを言ったけれども、消費者のところに不利にならないようにせえよということを言っただけなんです。
 僕の知っている限りは、おそらくこういう場であろうと、非公式の自分らの組織の中で議論する立場の人であろうと、これは全部保守的。保守的という言葉が悪ければ、もっと現実的、今や。自由化ウェルカムで、我々に全部選択の自由を与えてくれなんて言っている人はほとんどいない。これは私の知っているメンバーのそこで議論するであろう人たちの共通の意見です。
 なぜか。なぜかといったら、それは数年前と世界のエネルギー情勢が変わったということを知っているんです。電力は今まで値下げ一方のことをやってきたし、それはそれで立派だったと思うけれども、これからは流れは違うんじゃないのか。そんなら消費者保護の観点でいつも消費者は物を言うわけだから、消費者の利益を守ってくれるのは経産省かもしれない。きちっと監視していろ。そういう立場の人の議論が結構多いんです。消費者保護論ですよ。私の知っている消費者代表は極めて慎重だと思いますよ。それも頭に入れて自由化論はいろいろやってもらいたい。
田中委員長
 植草委員の関連してのご意見をお願いします。
植草委員
 私は鶴田委員と河野委員と意見が少し違います。当時、南さんが全面自由化をしてもいいと言ったのは、私はニュアンスのかけ方が少し違っていたと思うのです。普通の会社になりたい、いろんな意味での規制から解放されたいというニュアンスであり、普通の会社として企業組織を変え、企業で働く人たちの意識を変え、電気事業全体を変えたいのだということを表現したのは間違いないことだと考えます。
 振り返って規制緩和をし、自由化をしたけれども、確かに規制官庁における規制権限は従来からすれば随分狭まったけれども、ほんとうに規制されている側は規制が緩和されたのか、自由化がどこまで我々の手に入ったのかについては極めて懐疑的なのです。
 私の聞くところでは、電力会社の一部の経営者は全面自由化はいいと言っています。それは普通の会社になりたい、規制緩和するのなら規制緩和の実を上げるようなものにしてほしいという願いが強くあるということについて、もう1度考えるべきだと思います。
 当時、全面自由化という言葉と完全自由化という言葉がありまして、完全自由化というのはアンバンドルをして、発電はあらゆる種別に全部会社をつくり、送電は1社独占ですからイギリス的なものにして、配電についてはこれもどこでだれが売っても良いというもの。そして、全面自由化というのは、大口から小口までの販売先を段階的に全部自由化する。当時の南さんは完全自由化なんか全然考えていなかったと思うのです。私は当時、全面自由化という発言を南さんはしたけれども、真義は少し違うところにあった、ニュアンスは違うところにあったと理解しています。
河野委員
 そこまでおっしゃるなら、私もよく知っているから、ちょっとコメントしておきますけれども、南さんの哲学は、今、彼は社長をやめて、顧問でいらっしゃるけれども、経産省の規制の枠から逃れたいというこの1点なんです。いろんな規制があるから、もっと身軽になりたい。しかし、我々は公的な役割を担う重要なインフラ産業だから、自主的に、自分で責任を果たすという決意が裏にある。セットですよ。もっと自由に何でもやらせてくれなんていうことを言っているわけじゃない。
 今、ここに9人に電力の社長を、沖縄電力は別だから、呼んできて、ほんとうの話を聞いてみなさいよ。まず、僕の知っている限りでは、絶対的に全面自由化ということを公式に主張する人なんかは1人もいないと思っている。ちょっと慎重に考えて下さいよというのがマジョリティですよ。
 ただ、その下にいる企画段階で先々のことを言うので、自分らが社長になるときはどうなっているかということを考える人たちは、また別の意見を持っているかもしれない。今、現役で社長をやっている人たち、これは違うんですよ。経産省だってそうだもん。次官とかのレベルとこっち側とは違うんだから。先々のことを読むから。しかし、今、判断を求められれば、それが裸の真実に近いと思っているんだ。
 だから、僕が勝俣さんにあえて名前を言ったのは、いずれそういうことを全部総合して、どこかの場でこの議論をやらざるを得ないんだったらば、そこでもう1度改めて、後任電事連会長としてはこの問題は基本的にこういうことなんだということを意見表明する必要があると思います。なるべく早く言ったほうが世間の議論を整理する意味でいいです。
田中委員長
 なかなか難しいところでもあるんですが、この小委員会としてどういうふうにまとめて、分科会の議論にするにはどうすればいいかというところもおありかと思います。横山委員、ずっと手が挙がっていましたが。
横山委員
 どうもありがとうございます。原子力と送電ネットワークの関係から、1点だけ簡単に意見を言わせていただきたいと思います。
 これまでもこのネットワークの構築の歴史を振り返ってみますと、地域間の連系線といいますのは大型の発電所の建設と一体となって構築されてきたというふうに思います。したがいまして、原子力発電をこれから推進していくのと、このネットワークの整備とは一体として考えていくのが重要でありまして、この点で分科会のほうで自由化の議論をぜひしていただければと思います。
 以上でございます。
田中委員長
 ありがとうございました。いろんな意見があって、これをどうまとめるのかというのが難しいところでございますが、意見があったことをすべて列挙するのもいいかと思うんですが、大まかというか、おおむねは慎重にという意見が多いかなと思います。2ページ目の下の括弧の中にもし書くとすれば、慎重にという。慎重という意味はさまざまあるかと思いますが、政策目標の達成のためにどういうふうな方法があるのか。その中で自由化というのはどれだけ効果があるのか、あるいはデメリットがあるのかということをよくよく考えて慎重にし、また鶴田先生がおっしゃっていましたけれども、自由化の中でもし別の規制を考えていったときには、それがどれだけ効果、あるいは非効果というか、デメリットがあるのかという、いろんなことを考えて慎重にすべきじゃないかという意見が多かったかというふうな感じがいたします。
 今後、これを報告書のほうにどういうふうに分けていくのかということについては、その文面の中でまたいろいろと議論していただくことになってこようかと思いますが、おおむねは慎重に対応すべきじゃないかという考えでまとめられるのではないかなという感じがいたしました。そういうふうにして、今後、またさらに報告書をつくる段階の中で検討し、また構想の段階の中で、きょう委員の方々からさまざまな貴重なご意見をいただいたところの真意が十分に反映されてないとすれば、その中でまた、場合によったら個別にご意見を聞くということも踏まえまして、対応させていただけたらと思いますが、そういうふうにさせていただいてよろしいでしょうか。ありがとうございました。
 次の議題も重要な議題でございますが、次にいきたいかと思います。新規参入者の位置づけについてでございます。
 まずは、事務局から資料3-1に基づきご説明いただき、その後、新規参入者を代表したお考えを武井委員から資料3-2に基づきご説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。
柳瀬原子力政策課長
 お手元の資料3-1に事実関係を書いてございます。PPSさんの全体に占めるボリューム感を見ていただくための資料でございます。PPSさんが新規参入を2000年にされてからほぼ5年ほどたちますが、その間、PPS全体のピーク電力がどれぐらいかというのを見ていただきますと、1枚目の左下でございますけれども、過去5年間でほぼ200万キロワットでございます。その間、ほかの電力9社のピーク電力の伸びと比較しましても、PPS全体でいうと、9社のところよりも大きいピーク電力の伸びを実現しているということでございます。
 1枚めくっていただきまして2ページでございますけれども、他方、過去10年間の電力9社のピーク電力の伸びというのを見ていただきますと、左の下でございますが、9社中8社が200万キロワットを割り込んでいるということでございまして、これは先ほどの1ページ目は5年間ですけれども、今回、9社の場合は10年間とりましても、200万キロワットを切っているのが9社中8社ということでございまして、PPSのシェアが今後も増える見込みだということで、原子力発電の新・増設におけるPPSの取り扱いというのは無視できない存在であるということでございます。
 1枚めくっていただきまして、他方、今のはピーク電力の伸びでございますけれども、根っこの体力自体を見ていただきますと、3ページの下でございますけれども、需要規模全体で比較しますと、一番左でございますが、PPS全体でこのボリュームでございますので、電力9社と比べますと圧倒的に小さいということでございます。それを踏まえますと、上の文章でございますけれども、PPSの規模を考えますと、巨額の初期費用、長期にわたる投資回収という大型電源の原子力発電を独自にやるということは現実的でないので、そこで工夫が必要だという議論でございます。
 イントロダクションは以上でございます。
田中委員長
 ありがとうございました。引き続きまして、武井委員のほうからお願いいたします。
武井委員
 ありがとうございます。私からは、PPSから見た電力自由化と原子力発電について説明させていただきます。時間も限られているようですので、資料に沿って要点だけ手短に説明させていただきます。
 1ページの目次については省略させていただきます。
  まず、我が国のエネルギー政策及び原子力発電に対する基本認識について述べさせていただきます。電力会社とPPSは、安定供給の確保、環境への適合、こういった両目的を考慮しつつ、市場原理の活用による規制緩和等の政策を推進するというエネルギー政策基本法の基本方針を踏まえ、安定供給と環境では協調し、料金やサービス面で競争すべきというふうに考えております。
 原子力発電が期待される役割を果たすためには、お客様が等しく安価な電力供給を受け、企業も国際競争力を高めるという電力自由化の本来の目的を維持しながら、いかに原子力発電の推進を図るかが大きな課題であると認識しております。
 本小委員会でのこれまでの議論では、電力需要の伸び悩みや電力自由化の進展により、大綱に掲げられている政策目標の達成が懸念されることが議論の出発点でありまして、その懸念を回避するために、電力会社が主体となって原子力発電を支えることを前提に、新・増設やリプレースを円滑に進めるための支援策の検討が本小委員会の議論の主眼であったというふうに思います。そういった中で、原子力発電の新・増設、リプレースに当たっての課題として、需要の不確実性への対応、投資リスクの大きさへの対応、外部経済性の可視化などの課題が示されてきました。
 次に4ページ以降で、こういったことを踏まえてPPSとしての基本的な考え方について述べさせていただきます。
 PPSの販売電力量についてはこれまでは小さいものでしたけれども、下の図を参考にしていただきたいのですが、電気事業分科会の制度改革評価小委員会で、PPSの電力は着実に増加しており、今後も大規模な電源立地計画が予定されているといった評価がなされております。PPSとしても安定供給と地球温暖化防止という国策に有用な原子力発電に、微力ではありますが、何らかの貢献をしたいと考えております。
 電力自由化の環境下におきましては、原子力発電の競争中立性を確保しつつ、PPSの需要家を含めた国民全体が原子力発電を支えて、またその経済性や環境性のメリットを等しく享受できる仕組みを構築することが重要と考えます。原子力の電気を国民全体で利用するということは、需要家や地元住民の理解を深め、国策として原子力を推進する上で大きな施策ツールとなるのではないでしょうか。今後の原子力発電の開発推進におきましても、日本原子力研究開発機構はもとより、民間の持つ技術や知恵を結集させれば、今後の途上国へのエネルギー協力や、国内の人材育成面でも大きく貢献できるのではと思っております。
 6ページでございますけれども、また、電力需要不確実性への対応として、今後も伸びていくことが見込まれるPPSのお客様の需要も含めて、国民全体で原子力発電を支えることができれば、自由化の進展に伴う需要離脱のリスクが軽減されると思っております。具体的には、PPSに対して、例えば現行のRPS制度に準じて販売電力量見合いで原子力の電気を購入させるといったことや、あるいはフランスのVPP(バーチャルパワープラント)制度のように、各電力会社の原子力の電気の供給権を競売するといった方策が検討すべき課題と考えております。
 次に、7ページでございますけれども、原子力発電の投資リスクの大きさについての対応についてでございます。電力自由化によって、投資規模が大きく、投資の回収に長期間を要する原子力発電については、事業者によっては資金面、収支面の状況が厳しい年度に直面する可能性が指摘されております。投資リスクへの対応として、国が超長期の不透明なリスクを負担することを前提に、PPSなどを含めた共同開発といったものや、多くの民間企業が参画できるような、これらは民間でありますので、国営のPFIとは違うのですけれども、それに近いようなスキームを検討してみてはどうでしょうか。これらについては2007年に予定されている全面自由化の検討と並行して、原子力発電を国民全体で支えるための方策を検討していただきたいと思っております。
 次に、8ページでございますけれども、原子力発電の外部経済性の可視化については、地球温暖化対策として、原子力発電が非常に貢献度が高いということを国民や地元住民に十分理解していただくという観点から必要であると考えております。
 しかし、それを改正温対法施行令の算定報告公表制度で電気事業者の選別に用いることは、以下の観点から原子力の競争中立性が保たれず、競争政策上大きな問題となることが懸念されます。
 例えば、前にも金本先生が指摘されておりますけれども、電気事業者のCO2排出係数の大小は、過去のストックである原子力発電比率に大きく依存していまして、今後の事業者の排出削減努力が反映されないということがございます。
 さらに、2つ目には、特にPPSは所与の前提として原子力の電力を利用できないといったことから、原子力を有する電力会社との排出係数の格差を縮める有効な手だてがないため、需要家が離脱して、事業の継続が困難になるという事態が想定されます。
 改正温対法施行令は既に4月から施行されておりまして、喫緊の課題でありますので、CO2排出係数を算定するルールの整備に当たりましては、原子力のあるなしで競争阻害が生じないよう適切な措置をお願いしたいと思います。
 最後の9ページでございますけれども、最後に要望事項とまとめとして、3点ほど申し上げたいと思います。
 1つ目は、電力自由化の本来の目的を維持しつつ、国策として原子力発電の推進を図るためには、国民全体が原子力発電を支えて、その経済性や環境性等のメリットを等しく享受できるような仕組みの構築が必要である旨のメッセージを本小委員会から発信していただきたいと考えております。
 2つ目は、原子力発電を国民全体で支える具体的な仕組みの検討については、2007年4月を目途に開始される予定の全面自由化に関する検討と並行して、ぜひ行っていただきたいと思います。
 最後の3つ目ですけれども、PPSにとって喫緊の課題となっている個別事業者別のCO2排出係数算定ルールの整備の検討に当たりましては、原子力発電の環境性が電力会社の先行者利得となって電力自由化が阻害されることのないよう、適切な措置をぜひともお願いいたします。
 以上でございます。
田中委員長
 ありがとうございました。議論に移る前に、一般電気事業者としての考え方を築舘委員から伺いたいと思いますのが、よろしくお願いいたします。
築舘委員
 ありがとうございます。今の武井さんのお話に対して、若干のコメントをさせていただきたいと思います。
 この小委員会で新規事業者の位置づけというものを議論する場合には、原子力推進の観点から、原子力においてPPSはどのような役割を担えるのか、どのような位置づけであるべきなのかという検討を行うことが求められているといいますか、期待されているんだろうと思います。そういう点を踏まえて考えますと、新・増設、あるいはリプレース等の推進につきましては、PPSさんが共同開発などに参画して応分の役割を担う。そういうことも考えられると思います。
 ただし、民間同士の電力の需給にかかわることでありますので、あくまで民民での合意に基づくものであるべきだと私は思います。したがって、割当制度といった、あるいは強制的な性格のものであるべきではないと考えます。
 一方、既設炉についてでありますけれども、これもあくまで業界大として申し上げにくくて、各社の判断によるものでありまして、そういう性格のものだと思いますけれども、電力各社とも電源ベストミックスの中核電源として原子力は考えて、位置づけて、使っているわけですが、最大限活用しているという状況にあります。したがいまして、既設炉についても、原子力をみんなで支えていく仕組みが新たに必要だということにはならないのではないかと私は思います。
 それから、私どもは原子力が長期的な競争力の源泉になると思えばこそ、原子力立地という大仕事に懸命に取り組めるものだと考えておりまして、もしこの原子力を競争相手に強制的あるいは義務的に売らなければいけない、販売しなければいけないということになりますと、原子力開発のインセンティブが働かなくなるわけでございまして、原子力開発の促進要因ということにはならないのではないかと考えます。
 それから、現在の電力自由化制度は、電気事業分科会報告にもありますとおり、発電部門につきましては、私企業による競争を通じて機能の向上、強化を図るということが基本的な考え方となっているわけでございまして、今のプレゼンテーションの中にもありました原子力が競争中立という考え方、これは私どもとしてはなかなか理解しにくいというふうに感じます。
 それと、炭酸ガスの排出量の関係で、PPSさんにも原子力の電気が渡るべきであるというご意見でありますが、これは政策に関する指摘でありますので、私ども事業者が答える立場にはないのかなと思いますが、あえて申し上げさせていただきますと、電力会社とPPSさんの間の卸取引は、現在でも卸電力取引業所を通じて行われているところでありますけれども、報道されている情報などから判断しますと、PPSさんは炭酸ガス排出量を算定する際に、電力会社からの卸売分については、原子力を織り込んだ全電源平均の数値で計算しておられるように見受けられまして、今でも原子力の電気を利用しているというご認識を持っていらっしゃるのではないかと思います。
 その上で、さらにPPSさんが特に原子力の電気に的を絞って購入したいというご意向であるとすれば、これもまた電力各社がそれぞれの判断でお答えすることかもしれませんが、あえて私の個人的な見解で申し上げさせていただきますと、電力各社は原子力の電気というのは、電源ベースミックスの中の中核電源として最大限活用している状況にありますので、引き続きそういう考え方になるのではないかと感じます。
 以上でございます。
田中委員長
 ありがとうございました。ここでいろいろ議論いただきたいんですが、先ほどの佐々木委員からの意見もありましたが、資料3-3の資料はこういうふうな議論になっていくんじゃないだろうかということを少し検討しながら、事務局のほうで整理したものでございますので、まずそれを示したほうが議論が実効的かと思いますので、まずそちらを説明していただきたいと思います。
柳瀬原子力政策課長
 それでは、事務局のほうで用意しました資料3-3でございます。それから、この小委員会の原子力の新設・増設の観点からのPPSの取り扱いという観点で整理をしてございます。1枚目が新規建設の場合、2枚目が既設の原子力発電所の取り扱いでございます。
 1枚目の新規建設につきまして、原子力の新・増設に当たり、これに見合う需要を電力会社とPPSとが補完する場合など、これは原子力の新規建設促進という意味で、このPPSの参加は有意義な意味を持ち得る可能性があるということでございます。この議論の進め方として、まずは電力各社とPPSとの間で、どのような参画の形態がいいのか、どのような期間、どのような規模かということについて検討していただくのがまず最初ではないか。その上で、検討の過程で政策ですとか制度、環境整備、そういったニーズが出てくるようであれば、これは必要に応じて国として環境整備を検討していくということではないかと考えるわけでございます。
 1枚めくっていただきまして、既設の原子力発電所についてでございますけれども、既設の原子力発電に関するPPSの取り扱いについては、現行の電気事業制度において、優先給電指令など一定の手当てがされておりまして、原子力発電は既に安定稼働を担保される仕組みとなってございますし、実際に引き取り手がないのに原子力発電の運転が支障を来すという話は、現実問題として全くないわけでございまして、それについてまた引き取りの手当てをするというのは、原子力政策上別にそれで原子力発電所が増えるわけでもございませんので、原子力政策上の意味合いは薄いということでございます。
 今回のPPSさんの原子力発電に対するニーズとして、CO2排出係数の低下ということが指摘されると思いますけれども、それをどう扱うかというのは排出権取引など、さまざまな代替手段を含めて検討を行っていくということではないかと考えてございます。
田中委員長
 ありがとうございました。
 それでは、ご議論、あるいは質問等ありましたら、お願いしたいと思います。
河野委員
 この前も一言申し上げたので、あれ以上荒っぽいことを言うのは避けようと思っているんですけれども、それでも一言で言えば、PPS側からの問題提起とそれに対する築舘さんの答えを見ると、どちらかに好意を持つとか持たんとか、新規だから少し甘いことを言ってやろうじゃないかとか、そんなことを除いて、客観的に言ってPPSの完敗だと思う。PPSが少し加担したら、それが国民全体の支えになるということになるというのは、言葉のあやとしてはそういうロジックもないとは言わないけれども、無理な話じゃないかと思うんですが、率直に言って。
 これからPPSさんの皆さんが総力を結集して、新しいのをつくるんだったらうちに参加させてちょうだいよと言うのなら、それも1つの立派な覚悟だと思うけれども、既設の原子力、純粋原子力の電気を分けろということは常識ならあり得ない。
 しかも、それを風力発電と同じように義務として割り当てる。これはものすごく強引な議論だと思いますな。その要求がすぐ通ると武井さんは思っていらっしゃるとは絶対思わない。僕は武井さんの本を読んだことがある。実に合理的に物を考える方ですよ。しかしこれになると、これほど強引な議論をやらなきゃならんのは、つらい立場だと思うんです。つらい立場なんですよ、今、PPSは。このCO2論議が表に出てきて、規制に加わってくるからね。それはよくよくわかるんだ、そのことは。それを割り当てでしのぐのか、ほかのいろんな手法を考えるのかというと、それはこれからの話でしょ。ここで右か左かということを言う必要はないと思うけどね、この委員会は。もっと広範なところでこの議論をゆっくりやったらいいんですよ。だから今、答えを出せと言われたら、私は反対だということだけですね。
田中委員長
 ありがとうございました。末次委員、お願いします。
末次委員
 このPPSのきょうの原子力へのアクセスですね。既存原子力発電能力、そこから出てくるキロワットアワーへのアクセス、それから新規に新・増設、原子力発電所をする場合への参画、2つの方法論でのご提案なんですが、また武井先生に聞かなきゃいけないかもしれないけれども、ほんとうの動機がちょっとわからない。これは要するに今の電力セクターにおける自由化の中で新規参入はしたけれども、キャパシティを維持するのがほんとうに大変だ、キャパシティを増強するのが大変だと。それから、CO2削減が大変だと。これも2つの点で新しいレジュームが出てきて、エネルギー危機とCO2危機と。これに対応するのが大変で、生存の危機を自分たちは覚えている。
 そこで、これから国民的な人気を2つの面で得られるような原子力に対するアクセスを自分たちにも許してくれ、したいんだということだろうと思うんですが、どっちに力点があるのか。何しろ競争力のあるキャパシティを、第三者の力でもいいから自分のキャパシティにかえて、競争で生き延びていきたいということなのか。CO2という目標はほんとうに大変だと。原子力というゼロエミッションの電源に対する何らかのアクセスでもしない限りは、我々はCO2の問題で電力セクターから捏造するということなのか。その点はもうちょっと冷静な論議として確認をしておく必要があるなと思います。
 しかし、今、我々が議論しているのは、原子力発電を我が国においてどれだけ1基でも多く増設すべきかということなんです。そういう点では新規参入論に沿って、原子力発電の新規のキャパシティに対して、PPSグループも何らかのコミット、何らかのアクセス、その投資用のプレーヤーとして参画したいということがあったと思うので、その点は大きな議論に値すると思いますよ、この点だけは。既存へのアクセスは別ですよ。新規。これはこれだけ公共性、公益性がますます大きくなっていく原子力発電に対するキャパシティの増強を、9電力会社だけに、あるいは一部の卸売電力会社だけに任せていていいのかどうかですね。ただ、ますますベンズでほかの隠れた力を持った資源を導入するということができたら、それは理想的ですね。
 ですから、その理想に向かって検討はするということで、今の事務局のエネ庁のあれにもそこのところはいろいろな方法論、規模、参画の仕方、いろんな形態、これをとにかく交渉してみようじゃないか、議論してみようじゃないかというのが出てきた。僕はこれは非常に正しいと思います。
 ただ、これは非常に難しいものを何とか社会的に、はっきり言って電力会社をおだてると言っちゃいけませんが、おだてたり持ち上げたりなんかしながら、大変だろうけれども、何とかしてやってくれませんかという要素もあるし、これをおやりになると電力セクターでの競争力は国民からの信認が得られますよということを申し上げながら、それを政策化、制度化しようとしているのが現状の段階ですね。要するに難しいという前提があるわけです。これはバックエンドの問題から、キャピタルリスクの問題から、あるいは社会政治的なリスクから大変だと思うんです。これを全部担うつもりで、部分的参画をするつもりがあるのかどうかですね。
 もしそこまで踏まえても参画するんだと、国民経済全体のためにということであれば、非常に動機は明快だし、非常にねらいはよしだと思いますから、そういう前提条件を幾つかクリアにしながら、これをきょうエネ庁から出たように、新規参入、新・増設に関してはPPSの参画というものはどこまでやれるか、どういうハザードがあるのか、これを大いに検討することは非常に価値があることだと思うんですが、ただ現実から見たときには、電力会社でもおそらく今ほんとうのところはやりたくない心境だってあるんだろうと思うんです、これからいろんなファクターがそろわなければ。それがほんとうに参画できるのかとか、むしろその点を今の論議の段階でみんなで議論をする必要がある。みんなでですよ。武井さんとじゃないですよ。する必要があるなと思います。
田中委員長
 ありがとうございました。武井委員のほうから何か。
武井委員
 PPSがどうして原子力を欲しがっているかという話を聞きたいということもありましたので、それも含めてお答えいたします。PPSはこういう設備産業に新しく入ってきたわけで、言ってみれば我々がそれなりの設備を持って、それなりの準備をして入ってこれたわけではないのです。我々としては丸腰で、余剰電源をできるだけ高く買い集めて、お客さんにいかに安く売るかという、言ってみれば非常に利が薄いボランティアみたいな事業をやっております。こういう中で、世の中で余剰となっている電源というのは、どちらかというとミドルとピーク対応で、ベースというのは今石炭関係が考えられますけれども、これは皆さんご存じのように、地球環境の絡みでかなり厳しいということになると、私共としてはベースとなる電源が不足しており欲しいわけです。いずれのPPSも、会社創立からどうやってお客様に供給できる安価なベース電源が手に入るかなということにかなり苦労していて、その中で原子力というのも対象に挙がっているということだと思います。
 そういう中で、さらに今、地球環境絡みで炭酸ガスの排出係数の問題が出てきております。クリーンな電源というのはそう転がっているわけではなくて、クリーンエネルギーと言われている新エネルギーについては、かなり変動が激しくて、なかなか安定な供給には耐えられない。そういう中で水力についてはどうかといえば、これは過去の開発の経緯があって、我々としては入手がなかなか難しいというのもあるので、原子力について何らかの参画ができないかというところでございます。
 原子力について我々に能力があるかどうかという話もございましたけれども、先ほども申しましたけれども、60年この事業をやっておられる各電力会社さんと、発足して丸5年、6年で、人間でいえば新入社員のPPSが財布をどれだけ持っているかというのは皆さんご存じのとおりでございまして、必ず成長した暁には電力さん並みにそれなりの覚悟と、皆さんの期待を受けてやりたいと思っていますけれども、今、我々としては意志はありますけれども、現実にそれだけの能力はあるかと言われれば、皆さんのご存じのとおりだと思います。ただ、我々はそれなりの役割を果たしていきたいという意志はありますので、ぜひその辺についてはくみ取っていただきたいと思っております。
 河野委員から、国を挙げてということはちょっと虫がいいというような雰囲気もありましたけれども、これは電力会社さんが原子力を開発するときの地域に対しても、国のため、エネルギーセキュリティのためとおっしゃっていて、これまでは独占ですから、当然それでよかったと思うのですけれども、自由競争になったときに、果たして競争の手段として使うためというのでいいのかどうかということも少し考えていただきたいということでございます。
 以上でございます。
田中委員長
 ありがとうございました。金本委員、お願いします。
金本委員
 今のお話と関連しますが、私自身は別にPPSがまだまだ6年生だから、守れとか、弱いものを育成しろとかいう議論をするつもりは全くないんですが、電力自由化の基本は、あまり政府がかかわらなくても、競争が機能して、市場支配力で値段がどんどん上がっていくということがないような仕組みをつくるというのが主眼だったということで、現状のところは料金は下がっていますけれども、これが続くかどうかというところが心配だということです。基本的には、競争者がいなければ値段が下がり続けるのはあり得ないというところで、そういう競争者がいるマーケットにできるかどうかというところを非常に懸念しております。
 今、武井さんのほうからお話がありましたけれども、電力は、特に今の日本の仕組み、託送制度ですと、需要家のピークに追従する電源を持っている必要があるということですが、大きな電力会社のように電源のポートフォリオをベース電源用、ピーク用と持っていればコスト上非常にアドバンテージは高いという状況になります。
 ここで、新規参入者の小さい人が入って、うまくいくかというところがあって、ミドル、ピークのところはわりと小さい人でもできますが、ベースのところは実態上は石炭か、原子力かということで、両方ともかなりの規模がないと効率的でないということになります。そういう状況で競争的な市場を育てていくために何かしなければいけなくなる可能性はかなり高いと見ております。特に環境問題が入ってきますと、ほっといていいといった状況ではないのではないかと思っていまして、これは将来にわたって検討する必要があると思います。ただ、これは今の原子力関係の話というよりは、自由化の今後についてどうかというお話で、なかなか難しい問題ですが、検討する必要がある。
 あと、この具体的な文言ですが、エネ庁さんのまとめられているところの後者の「そもそもPPSの原子力発電に対する主なニーズはCO2排出係数の低下である」というのは、ちょっと言い過ぎというか、狭い。これだけかというとそうではなくて、基本的にベース電源が足りないところがあって、CO2の問題はそれをもっと強化しているというか、ひどい状況にしているにすぎない。この排出係数の問題がなくても、すぐに多分ベース電源の問題に突き当たるだろうと思っております。この辺のところはもう少し文言を検討していただきたいと思います。
田中委員長
 ありがとうございました。植草委員、お願いします。
植草委員
 きょうは河野委員と末次委員が武井委員からのプレゼンテーションにやや批判的というか、反論に近い言葉をおっしゃられた。今の金本委員の発言はかなり中立的で、武井提案に一定の評価をしなければならないというものであり、私も金本委員と同じ立場です。したがいまして、きょうは2対2でありますから、どうぞ慎重にご議論いただきたいと思います。
 これは武井委員自身がプレゼンテーションの7ページで、来年4月から始まる議論の中で検討していただきたいとおっしゃっています。また、築舘委員は、この問題はすぐれて政策的な問題だとおっしゃっているのですから、これは政策論議として、その政策論議はどういう内容のものかということを説明するのは、きょうはとても時間がありませんからやめますけれども、大事な政策論議でありますので、来年適切な時期にきちんと議論をすればいいと私は判断いたします。
田中委員長
 ありがとうございました。植草委員からまとめ的なことまで言っていただきましたが、築舘委員、何かご発言あるんでしょうか。
築舘委員
 いえ、ありません。
田中委員長
 武井委員、何かご発言あるんですか。じゃ、佐々木委員、お願いします。
佐々木委員
 ありがとうございます。簡単に申し上げます。いまの植草さんの「2対2」の意見のいずれかに組するわけではないのですが、私はもうちょっと中立的な立場から申し上げたい。
 事務局が用意された資料3-3ですが、1ページ、2ページのところで「新設」の問題と「既設」の問題を分けて論じられている。これは非常に重要だと思います。というのは、先ほどの電力サイドからのご意見からもわかりますように、「新設」についてはかなり新規事業者と既存の電力事業者との間の話し合いの余地は十分あるというふうに見られるわけです。それに対して議論が非常に対立するというか、なかなかうまく折り合わないと思われるところは「既設」の問題に関わるところだろうと思うからです。
 そういう目で見ると、資料3-3の2ページのつくり方というか、例えば特に後段の○ですが、環境面についてあまり偏り過ぎて整理されているのではないかなと思います。というのは、私は元来、新規参入者側からの原子力の問題に対するいろいろな要望とか、今までのご意見をこういう公式の場で初めて聞いたのは、例の「コスト等小委」のときだったと記憶するのです。あのときに原子力発電の特にコスト、これが他の電源と比べて遜色ないという議論があった、あの段階あたりから、特に新規参入者側からの原子力発電に対する要望が出てきたというふうに思うのです。そういうふうに考えると「コスト」というか、むしろ「経済面、経済性」の話、こちらのほうにもっとウエートを置いて武井さんは議論をなさったほうがいいのではないかというふうに私は思うのです。
 だから、先ほどのPPSさんの要望というか、特に既設の問題についての要望ですが、これは私は河野さんの言うように簡単にすっぱりNOと割り切ってしまうというふうにすべきではないのじゃないかと思います。例えばどれぐらいの量の電気が欲しいのか、あるいはその量をPPS側に都合のよいときだけではなくて、何十年も続いて、コンスタントにかなり長期にどれだけの量が必要なのか。そのときのPPSが考えている値段はどれ程のものなのか。例の「コスト等小委」等々で1つのモデルの計算をしましたが、あれは全く問題ではないというか、あれは単なる計算値ですから、現実の問題として価格の問題も重要だろうと。
 そうすると、先ほど築舘さんがおっしゃったような、この問題は民と民、民間事業者間の問題だからということになると、もし両者がもめたら、これは公正取引委員会のほうの議論の対象というか、取り扱いの対象になるだけであって、我々の原子力部会とか、あるいは自由化との絡みの本小委員会の議論からは離れるのかというと、必ずしもそうではない。やはり自由化という環境下における原子力のあり方を考えるときに、PPSの問題というのはもう少し慎重に考えたほうがいい。
 ですから、そういうふうに考えると、きょうの武井さんのプレゼンテーションは、今、私が申し上げたような、特に「経済面」についての主張というか、その辺の詳細があまり出ておられなかったのではないかと思うのです。ですから、そういう意味では一番最後の武井さんの意見にあった、この小委員会で1つのメッセージを出してほしい、提言をしてもらいたいと言っていますが、もう少し今のいくつかの件についてご説明が要るのではないかと私は思っています。
 以上です。
田中委員長
 ありがとうございました。特にあと追加的なご発言はございますでしょうか。末次委員。
末次委員
 今の佐々木先生のお話ですが、1つ私が気になるのは、これは既設の原子力発電所のキロワットアワーに対する第三者のアクセスという問題をどういう観点から取り上げるかというのが大事で、さっき植草先生もおっしゃいましたけれども、これはあくまで日本の戦略選択として、今の時代は原子力発電をどうやって増強するか、増強することをインプリメントすることは非常にいいことだ、大事なことなんだということなので、その視点から大いにこの問題も議論せざるを得ないので、PPSのキャパシティの不足に対する手当ては、エネルギー政策全体の観点からまた取り上げる必要があれば、取り上げていただくというコンテンツだろうと思う。
 そうすると、既設も既存の原子力発電所に対するアクセスを第三者に許すということが新・増設に対してどういうインパクトを持つかという点で慎重に議論するというのが、おそらくこの原子力部会、小委員会のマンデートだと思います。そういう点では佐々木先生のセットされた問題点の論点の置き方は、私は少し方向がどうかなという感じがいたします。
河野委員
 このまま原子力発電を原子力委員会の委員長が決めたような方向でどこまで持っていくかなということの議論をやることになっているんです。それに付随して武井さんは、我々に原子力発電を割り当てれば、そうなるよというロジックを展開されたわけだ。しかし、私はそれに同調できない。しかし、次の場で、電気事業分科会がしかるべきに開かれるし、全面自由化議論をやる場ができるわけだから、PPSという存在を政策的にどういうふうに位置づけるのか。全部つぶしていいなんていう議論をする人はいない。切磋琢磨で淘汰されるのは当たり前だとしても、まるっきり生存不可能だということをするような政策はあり得ない。そこの場でやればいいんですよ。この場で今の議論を詳細にやろうといったって無理ですよ。
田中委員長
 ありがとうございました。鶴田委員、お願いします。
鶴田委員
 出なかった論点について簡単に申し上げたいと思うんですが、武井さんのこのリポートはいろんな見方がありますけれども、要するにPPSが原子力の電気を買えないということをおっしゃっているんですが、自由化されて市場構造を見ると、要するに9社いるわけで、9社全体が売らないよというのはちょっとおかしいんじゃないかと思うんです。民と民の関係とおっしゃいましたけれども、9社のうちどこかは売ってもいいよというのがあってもしかるべきであって、逆に言えば今の電力の市場構造にすごく問題があるんじゃないかというのが僕の印象です。9社あって、昔のように肩寄り添っているんならともかくとして、今は競争しているわけですから、どこかの会社はPPSに原子力の電源を売ってもしかるべきじゃないか。それが競争的な市場構造ができたんだというふうになると思うんです。くどいようですけれども、市場構造に大きな問題があるなという印象を最後に申し上げておきます。
河野委員
 今のは架空の話。そんなことがあるわけがないと申し上げておきます。
田中委員長
 さまざまな意見ありがとうございました。まとめは難しいんですが、事務局でまとめた3-3の議論の進め方、新設、既設に分けて掲げていますが、ここに書いているようなことでおおむねいいのかなと思いますが、先ほど金本委員と佐々木委員、あるいは末次委員からもおっしゃられたようなことをここに含めることによって、よりまとめがうまくいくのかなと思います。
 あと、政策論議等々の議論が出たんですけれども、これは19年度から行われるんでしょうか、電気事業分科会のほうでまた議論していただくほうがいいのかなと思います。もちろんきょう議論していただいたことは、まとめてそちらのほうで議論するようにしたいと思いますが、くどいようですけれども、資料3-3ということで、先ほどの金本委員、佐々木委員、末次委員のコメントをうまく反映することによって、小委員会としてのまとめがいいのかなと思いますが、そういうことでよろしいでしょうか。どうもありがとうございました。
 次の議題ですが、事務局のほうから何かございますか。
柳瀬原子力政策課長
 きょうの原子力の観点から見た自由化のあり方と、新規参入者の取り扱い、これは2つともきょうの議論の1つの結論は、大きい電気事業分科会で、電気事業制度全体のあり方の中で最終的には議論しましょうということでしたので、この小委員会としてどういうメッセージをそこに出すかという素案をきょうのご議論を踏まえて、次回整理してお出しするということにさせていただきたいと思います。
 次回第5回でございますけれども、5月15日月曜日の午前10時から、きょうの議論もありましたけれども、それまでの財務負担の問題ですとか、外部経済性の話をいろいろやってきましたので、それも全体を整理させていただいて、本小委員会としての取りまとめの方向性についてご議論をいただいて、できればその次、第6回5月22日月曜日の午後1時半に最終的な取りまとめを目指したいと考えてございます。場所は追ってご連絡をさせていただきます。
田中委員長
 どうもありがとうございました。
 それでは、これをもちまして第4回の小委員会を閉会いたします。本日はどうもありがとうございました。
── 了 ──
 
 
最終更新日:2006年5月30日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.