経済産業省
文字サイズ変更

計量制度検討小委員会第3WG(平成17年度第9回) 議事録

日時:平成18年4月14日(金)14:00~16:00

場所:経済産業省別館11階1120会議室

出席者

今井座長、石川委員、伊藤委員、河村委員、久保田委員、 芝田委員、杉山委員、瀬田委員、田畑委員、中野委員、 畠山委員(代理 池田理事)、本多委員、松本委員、 望月委員、山領委員

議題

  1. 計量制度検討小委員会第3WG第8回会合議事録について
  2. 第3WGの報告書(案)の審議について
  3. その他

議事内容

吉田課長
 知的基盤課長の吉田でございます。委員の皆様がおそろいでございますので、開会させていただきます。
 まず最初に、委員の交代について報告をさせていただきます。
 梶原委員のご後任として、三菱化学株式会社技術・生産センター技術部長兼企画調整部長の石川委員でございます。石川委員からごあいさつをお願いいたします。
石川委員
 ただいまご紹介いただきました三菱化学技術・生産センターの技術部兼企画調整部の石川でございます。
 この3月31日で前任の梶原から引き継ぎました。私は、四日市事業所の企画管理部というところにおりました。今回、梶原の後任ということでこの委員会のワーキンググループ委員になったということですから、産業界という立場での意見ということかと思いますが、皆さんのご協力を得ながらやっていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
吉田課長
 石川委員におかれましては、小委員会の委員もお願いをすることとしております。
 続きまして、本日ご欠席の委員を紹介させていただきます。
 筑波大学の桑委員、社団法人日本分析機器工業会の齋藤委員、社団法人日本試薬協会の三浦委員がご欠席でございます。また、日本電気計器検定所の畠山委員の代理としまして池田理事様にご出席いただいております。
 それでは、以降の議事進行は今井座長にお願いをいたします。
今井座長
 前回、第8回のワーキンググループにおきまして私どもの報告書の最終案をご審議いただきましたが、その後、計量行政審議会等に報告しましたので、その経過、あるいは皆様からいただいたご意見等も踏まえて、当ワーキンググループとしての最終案をきょうご審議いただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 なお、毎回申し上げておりますが、この会合での発言内容は原則公開となっておりますので、ご承知おきいただきたいと思います。
 それでは、議事に入らせていただきます。
 まず、本日の議題1として、3月10日に開催されました第8回会合の議事録についてご審議いただきたいと思います。既に電子メール等でお送りして、ご意見等も伺っておりますが、何か特段この場でご発言いただくことはございますでしょうか。
 特にご意見はございませんようですので、議事録は承認とさせていただきます。経済産業省のホームページで公開ということになりますので、ご承知おきいただきたいと思います。どうもありがとうございました。
 それでは、先ほどご説明がありましたが、議題について、進め方をご説明させていただきます。
 中身が大分濃くなっておりまして、4つぐらいに分かれておりますが、前回の審議と同様に、最初に計量標準とJCSSをまとめて、そして、後半に、計量証明事業と特定計量証明事業をまとめてご審議いただきたいと思います。
 それでは、最初の計量標準とJCSS制度についてご説明いただきますが、資料にもございますように、この中身を4つに分けてご議論いただきたいと思います。
 まず、第1は、当ワーキンググループでまとめたものを先日の計量行政審議会にかけていただきましたので、その結果を事務局から報告していただきます。そして、2番目に、最終報告案の計量標準とJCSSの該当箇所について事務局からご説明いただきます。そして、3番目に当委員会の委員でいらっしゃいます化学物質評価研究機構の松本委員からご意見がございましたので、ご説明をいただきます。そして、4番目として、本日はご欠席でいらっしゃいますが、桑委員から、松本委員のご意見に対してご意見をいただいておりますので、それを事務局から読み上げていただきます。
 それでは、逐次、事務局からご説明等をお願いいたします。
江口課長補佐
 それでは、まず初めに、3月23日に開催されました第2回計量行政審議会の審議経過についてご報告申し上げます。
 ここにおきましては、第3WGの検討の方向性骨子案というもので事務局から報告をさせていただきまして、その検討の方向性についてはご了解をいただいたところでございます。
 なお、資料2にございますように、第3WG関連では、以下の内容のご発言をいただきました。
 簡単に申し上げますと、今回の骨子案によると、国家計量標準開発・供給体制の構築や総合調整機能の充実といった視点で経済産業大臣と産総研の役割が明確になっている。このことは我が国JCSS体系が国際的な認知等を受けやすくなるとともに、国内的にもユーザーが標準供給を受けやすくなるということにおいて、大いに歓迎する。このような趣旨のご発言がございました。
 続きまして、本日の議題でございます資料3の「第3WG報告書(案)」についてご説明をさせていただきます。先ほど座長からご紹介をいただきましたように、最初に計量標準とJCSSについてご紹介させていただきます。
 その前に、この資料全体について若干触れさせていただきますが、タイトルが「第3WG報告書(案)」となっておりますけれど、中には、小委員会、そして小委員会傘下の第1WGから第3WGまでの検討内容についてすべて整理をしてとじ込んでおります。そして、きょうご審議いただきますのは、そのうちの第3WGの関係の部分、具体的に申し上げますと、8~25ページ、37~47ページについてご説明をさせていただき、ご意見をいただきたいと思っております。
 この内容でございますが、前回、第8回に第3WGの報告書案ということでご審議をいただきました。そして、WG、また、メールでご意見をいただきました。ご意見を反映した上で、皆様方に再度、報告書案についてお送りしたと思いますが、その内容と基本的に変わっておりません。用字・用語の部分の修正はございましたが、内容的な変更はほとんどございません。そこで、今日は変更した点のみをご説明させていただきたいと思っておりますので、ご了承ください。
 まず、11ページをごらんいただきたいと思いますが、ここで第2図―1を追加いたしました。これは、標準物質というものはどのように使うのかというところを図をもってわかりやすく紹介するという意味で、追加をさせていただきました。
 それから、17ページの(イ)具体的方針でございますが、18ページの下にa)~d)とございます。ここではNMIJの総合調整機能の内容について紹介をしていますが、今回、d)を追加させていただいております。
 内容は、読み上げさせていただきますが、「NMIJは、現行は経済産業省が告示により示す国家計量標準及び特定二次標準器に係る情報、さらに指定計量標準(仮称)に係る情報を体系的に整理し、校正事業者等にわかりやすいデータベースを構築してホームページで公開することとする」ということで、NMIJの総合調整機能の充実強化の一環としてこの点を挿入させていただいた次第でございます。
 続きまして、20ページで、(v)ユーザーの需要の把握及び優先順位付けを行う場の設置でございます。ここは、ユーザーのニーズの把握と、その把握したニーズに優先順位をつけて計量標準を開発していくという場をつくりましょうというご提言をさせていただいているところでございます。具体的には、a)国際計量研究連絡委員会(国計連)及び同委員会の分科会を活用する、b)計量行政審議会計量標準部会のもとに小委員会を置いて審議をするということでございますが、その前段階として、日々のポータルサイトといいますか、ユーザーニーズを把握する場といたしまして、産総研に設置されているNMIJ計測クラブ等の活用を考えた方がより効率的ではないかということで、関連の内容を挿入させていただいております。
 具体的には、上から3行目をごらんください。「したがって、NMIJが運営するNMIJ計測クラブ等を活用し、日ごろから具体的な要望を定期的に収集し、ユーザーの需要を十分に把握するとともに、要望窓口を設けて改善提案を収集する必要がある」を追加させていただいております。こういったものを、先ほど申し上げましたような国計連あるいは計量行政審議会の場に内容を紹介し、提供していくということになろうかと思っております。
 引き続きまして、20ページの下から、(2)でJCSSについて触れてございますが、そのJCSSに関して、24ページをお開きいただきたいと思います。
 (イ)具体的方針で、(i)指定計量標準(仮称)の活用によるJCSSの拡充ということを記載しておりますが、ここではまず、第5’図として新たなJCSSトレーサビリティ階層化の枠組み(案)という図を追加させていただいて、指定計量標準というものがトレーサビリティ体系の中でどういう位置づけになるかということを絵で示しております。
 次の25ページですが、(ii)JCSSの利用の促進方策といたしまして、先ほど、計量標準供給のところでユーザーニーズを把握する場として、NMIJ計測クラブ等の活用を追加させていただきましたが、JCSSの利用促進策の検討等においてもそういう場の活用というものが必要ではないかということで、25ページの(ii)JCSSの利用の促進のところのa)とb)の後に、「また、ユーザーの需要を把握し、制度の改善に努める必要がある。需要の把握には、必要に応じ2.(2)(2)(v)の場を活用する」というところを追記させていただいております。
 簡単ですが、以上でございます。
今井座長
 ありがとうございました。
 それでは、関連いたしまして、まず資料4にて松本委員からご意見のご趣旨をご説明いただきたいと思います。
松本委員
 化学物質評価研究機構の松本と申します。この「指定計量標準(仮称)制度の創設」ということに関して、ご意見を述べさせていただきたいと思います。
 資料を最初に読ませていただきます。
 本制度の趣旨ですが、これは私どもの方でこの制度をこう理解しているということをおさらいする意味で書いてみました。
 指定計量標準とは、特定二次標準器(特定二次標準物質)と同等とみなす計量標準を経済産業大臣が指定する制度で、それには、(1)海外のNMIが供給している計量標準、(2)国内の業界、学協会の関係者間の合意に基づき利用されている計量標準、(3)種々の理由により暫定的に使用されている計量標準などが想定されていると思います。そして、国家計量標準レベルのものが出現するまでの期間、暫定的に国家計量標準の代替となる計量標準である。
 前回の資料を拝見させていただきまして、私どもではこのように理解をしております。それで、私どもの要望といいますか、意見を読ませていただきます。
 計量標準のすべてを一国家が整備するということに困難さが伴うことは我々は理解をしております。そこで、海外の計量標準を活用するということは、CIPM/MRAの観点からもよろしいと思っております。
 しかし、次の点において検討をお願いしたいと思っております。
 (1)上記の(1)、(2)、(3)のような計量標準をJCSS制度で供給することが定着すると、今後、国家計量標準や特定標準物質など時間と経費を要する開発が敬遠され、本来のスキーム(特定標準、特定二次標準、実用標準)の発展が阻害されるのではないかという気がいたしております。
 (2)ですが、これに関連いたしまして、私どもの直接の業務の話になりますと、この制度は、対象として主に標準物質を想定しているようですが、この制度が主流となった場合、私どもは濃度(標準物質)の指定校正機関として業務をしているわけですが、それに影響を与えるのではないかと考えております。
 というのは、我々がJCSS制度で供給しようとして標準物質を開発するということが、今後なくなっていくのではないか、そういうことが難しくなる状況にあるのではないかと考えております。
 そこで、私どもでは、この制度を立ち上げるに当たって、例えば、計量標準を指定する場合の基準ですとか、国家標準が整備された場合の基準を取り消す、そういったものの基準を明確にしていただくことと、そういうことを透明性を持った公のこういう席で決めていただきたい。例えば、安易に指定をするということは避けていただければと我々は思っております。
 以上です。
今井座長
 ありがとうございました。この指定計量標準(仮称)の制度については、私どもの報告書の中でも割と大きな位置を占めていると思いますので、また後ほど、それぞれの委員の方々からご意見をいただきたいと思います。
 それから、このご意見については、あらかじめ委員の皆様にもメールでお送りしてあると思います。それに関して、今日ご出席いただけないということで、桑委員から、資料5として文書でご意見をいただいておりますので、事務局からご紹介をお願いいたします。
江口課長補佐
 それでは、本日ご欠席の桑委員のご意見について、正確を期すために私の方で朗読をさせていただきます。
 「第3WG報告書(案)」の「指定計量標準(仮称)制度の創設」についての「松本保輔委員の意見書」に対してという題でございます。
 1.松本委員の意見書は、「指定計量標準制度が導入され、それが定着すると、時間と金のかかる国家計量標準や特定標準物質などが軽視され、安易に指定標準を指向する流れに変わってしまう。これにより、国家計量標準の発展が阻害され、これまで国家標準(特定標準物質)の開発・供給を担ってきたCERIの業務が阻害される。」という御指摘と理解します。
 2.これまでの議論では、本制度は、「指定計量標準は、国家計量標準が開発・整備されるまでの間、暫定的に指定するものであり、指定標準のうち重要度の高いものは国家計量標準の開発に傾注し整備することになる。」とされていたと思います。
 3.こと臨床検査の分野におきましては、国家計量標準の開発・整備を待っていますと、 診療上も支障を来たし、また国民の健康維持などのために有効な検査結果が出せなくなります。ですから、暫定的にでも国の頂点を指定する本制度の創設は、極めて意義深いものであり、かつ急務であると思います。是非とも実現を切望する次第です。
 以上でございます。
今井座長
 ありがとうございました。
 全体の審議に入ります前に、重要な点でもございますし、文書として2点出されておりますので、この点についてほかの委員の方々から何かご意見があれば、どうぞお願いいたします。
 内容といたしましては、松本委員の整理された指定計量標準というものの位置づけについてはほぼそのとおりだと思います。また、松本委員のご心配の点も理解できます。それから、桑委員のご意見は、分野によって急ぐ必要がある、さらには当面は、国家計量標準のスキームで構築することが非常に難しい分野について、指定計量標準をつくろうではないかいう趣旨ではないかと思いますので、ご心配の意見とそれに対する全体あるいは各分野からのご意見ということで出されたかと思います。
 ほかの分野も含めて、委員の皆様方からご意見がございましたら、どうぞお願いいたします。
芝田委員
 最初の松本委員の本制度についての理解という点で、私は、前回、吉田課長さんに説明をお伺いして答えをいただいたので記憶に残っているところなので、再度確認させていただきたいのですが、この制度は、海外のNMIの供給している計量標準と、そうでない残りのものとについて分けて考えていて、海外の計量標準については安定的にずっと使っていて、日本として国家計量標準は改めてつくらないという回答をいただいたという認識が私はありますが、その辺を確認させていただいてよろしいでしょうか。
今井座長
 前回どういう回答をされたか確認してからと思いますけれど、今の芝田委員のご理解のように、外国に標準があるものは、例えばMRA等でつながっておりますので、そのままずっと続けていくこともあるでしょうし、場合によると、日本で技術が進展して、日本として独自にJCSSの制度にのせるということもあり得ると思いますので、私の理解としては、一概に外国からとれるものは日本ではやらないということではないような気もいたします。
 ただ、当面、JCSSの制度にのっていなくて、外国の標準につながるものがあれば、それを取り入れていくという、しばらく続くかもしれませんが、暫定的に日本のJCSS制度にのるものもあると思いますので、一概に外国にあるものは日本ではやらないということではないように私は理解します。
吉田課長
 前回議事録の10ページをごらんいただきたいと思います。2行目ぐらいから私の回答がありますが、「NISTなどの海外の有力な計量標準機関を供給していて」というところで、「これは日本で同じものをつくるということでなければ、ずっと安定的に使っていくことだと思っております」と答えております。この意味は、NISTのものはSIトレーサブルのもので仮にあるとしますと、国家計量標準と同じレベルのものだと思われますから、ずっと安定的に使っていくことだと思いますが、日本で同じものをつくるところがなければということですので、仮に例えばNMIJとかCERIで同じレベルのものをつくったとしますと、それは当然に国家計量標準に指定をされると思います。
 そのときに、この指定計量標準をどうするのかというのが、恐らく松本委員のご指摘ではなかったかなと思います。したがいまして、私の答えは、日本で同じものをつくる場合には、外国のものはむしろやめるというニュアンスがここではあるのではないかと思います。
今井座長
 ですから、JCSSが立ち上がればそれに従うと。もちろん、JCSSではなくて、外国からとったものと同等なものとみなせば、両方続いていくこともあり得るかと思います。
芝田委員
 例えば、国家の標準物質を決める場合に、海外にあるということだったら、当然、論議の中で、あるのにわざわざ改めて国内でつくる必要はないということになるのではないかと思うのですけれど。
吉田課長
 そこについては、国家計量標準になりますと供給義務が計量法で生じます。したがいまして、例えば、桑先生のような臨床検査のお医者さんが「必要だ」といった場合には、必ず供給しなければいけません。
 ところが、NISTなどの海外の機関がつくった標準物質のいいものがあったとしまして、それを輸入してまいります。そして、在庫があればよろしいですけれど、海外の機関がやることですから、なくなるかもしれません。そのときに、新たに購入できないかもしれません。そのときに、国家計量標準がなければ、供給義務はありませんから、それは手に入らないからしかたがないということになります。
 その場合にどうなるかといいますと、指定標準の考え方は、それでいいものが手に入らなければ、その手に入るものの中で一番いいものをまた指定するということになると思いますし、国家計量標準の考え方ですと、一度、国家計量標準に指定をした以上は、必ず安定的に供給をしてもらう、なければつくってもらうと、こういう考え方になると思います。
今井座長
 資料4と資料5に関連して、ほかにご意見がございますでしょうか。
瀬田委員
 これはむしろ確認させていただきたいのですが、JCSSと指定計量標準との関係ですけれど、特定二次標準器と同等の位置づけとされているということは、指定計量標準をトレーサビリティソースとするその下位の校正機関の認定というものは、JCSS制度にのるという理解でよろしいですね。
吉田委員
 そこについては、私も全くそのように理解をしておりまして、まさにそれを絵にしましたのが、24ページの第5’図というものでございます。22ページに第5図というのがありまして、これは今、計量法の説明でどこでも使っている資料でありますが、それの第5図にかえまして、24ページに第5’図というものをつくっております。
 それで、24ページをみますと、今、瀬田委員がおっしゃったように、国家計量標準からJCSSのトレーサビリティが始まっているのが当然あるわけですが、さらに加えまして、特定二次標準と同等のレベルの指定計量標準(仮称)というものが指定されまして、そこからトレースが始まるというイメージを考えております。
今井座長
 日本の国としての、技術的にも法律的にもきちっとした位置づけで動かそうと、そういう趣旨だと思いますので、今、吉田課長がご説明されたように、第5図と第5’図の比較で、これまでと今後という意味で理解しやすいのではないかと思います。
本多委員
 これも確認ということで、前回もちょっと発言させていただいたのですが、18ページで、「ISO/IEC17025等の要件を満たすことが必要である」と書かれておりまして、この場合、17025の中には、他国の標準からつないでよいということが明記されているということを指摘させていただいたと思います。その部分をJCSSの枠組みでうまく機能させるためにこのような制度を考えていると、そういう理解も1つあるかなと思いますが、それでよろしいでしょうか。
今井座長
 では、瀬田委員、相場感をどうぞ。
瀬田委員
 我々としては、自分たちのやるJCSSの範疇がそういうふうに広がることだと、そういう理解をしております。むろん、現行でも、ASNITEという制度でやれなくはないのですが、ブランド力と信用力でまだ大分格差がありますので、そういう意味でいえば、JCSSの側が広がることはありがたいと理解しております。
今井座長
 ほかにいかがですか。
久保田委員
 先ほど来の松本委員の懸念されておられる点でございますが、現在のこの暫定案ですと、暫定のこの報告書の中では「あくまでも暫定的に指定する」という書きぶりになっておりますから、将来とも永久的にそのまま国家標準にして使うのではないととれると思います。
 そうだとしますと、いずれは国家標準になるのだろうととったとしましても、2つ問題点があって、1つは、指定の仕方が非常に緩い場合に、どんどん適当なものを暫定に指定していくとすると、それが比較的一般的な流れになってしまって、国家標準を開発するという本来の目的の熱意が失われるのではないかというのが、松本委員のご指摘の1つだと思います。
 もう1点は、暫定的というのは、ともすれば実態として次のそれにかわるものが開発されませんと、暫定イコール半永久的という感じになりかねないという危険性をはらんでいるように思います。したがいまして、一番大切なことは、暫定標準を決めるときに、その基準をきちんと決めて、それにのっとったものをしかるべきところで審査して指定したものということと同時に、できればその暫定の期間なり、あるいは国家標準をできる限り緊急度やニーズから見て大切なものについては、暫定でなくて正式なものをつくるということをあくまでも基本とするのだというところがもう少しみえるようにした方が、その辺の懸念が少なくなるのではないかと思います。
今井座長
 貴重なご指摘をありがとうございます。おっしゃるとおりだと思いますが、このワーキンググループでも最後のところまで決めるわけにはいかないと思いますし、方向づけとしてこういう方向であると。ただ、ご指摘のように、報告書の中に書けることは将来のことも含めて極力書き込んだ方がよいかと思いますが、事務局、そういうことでよろしいでしょうか。
吉田課長
 はい。
今井座長
 また後ほどメール等でご意見をいただく機会があると思いますし、最終的な報告書につきましては、その際に事務局からの修文をごらんいただいて、あるいは修文案を委員の方々からお寄せいただいて、最終確認をしたいと思います。ご意見として承っておきます。ありがとうございました。
本多委員
 今のご意見に関して、図の中に「不確かさ付き」ということが付記されておりますので、どういう標準になるかは別として、その質についてきっちり保証されているということですから、その範囲内で供給をされているということでよろしいのではないかなと理解します。
今井座長
 その技術的なグレードみたいなものがおのずとわかるのではないかということですね。ご意見、ありがとうございました。
中野委員
 感想ですけれど、こういう指定計量標準のような形をとるのか、それとも、もう1つ上のランクの国際的な整合されたいわゆる国家計量標準の形をとるのかは、最終的には社会のニーズが決めていくと思っておりまして、例えば、臨床とか水道検査のように国内の値だけ至急とりたいということであれば、その部分でもいいのかもしれませんが、例えば、農薬のように食品の輸出入に関わるというように、国際的な整合が必要となった場合には、社会の要請に基づいて上に国家計量標準をつくっていくということだろうと思います。
 その意味で、この報告書の中にニーズの調査をしっかりやると書かれているというのが、今回のこの指定計量標準をうまく動かすかどうかの鍵という印象をもっております。
今井座長
 ご意見、ありがとうございました。
 それでは、指定計量標準に関連した議論はこれで打ち切らせていただいて、計量標準の開発・供給とJCSSという報告書案の前半の部分について、ほかのご意見を委員からいただきたいと思います。
本多委員
 今の中野さんのご意見と同じような話だと思いますが、枠組みとして、計測クラブというものについて、このワーキングの中で名前が出てきたのかどうか、私は記憶にないのですが、どういうものかという実態がみえるような形のドキュメントとか附則を書いていただかないと、このまま載せていいですよとはいいにくいなという気がします。
吉田課長
 それでは、注釈で内容確認いたします。
今井座長
 せっかくの機会ですので、中野委員から計測クラブのご紹介をいただきたいと思います。中野委員、どうぞ。
中野委員
 それでは、せっかくの機会でございますので、宣伝させていただきます。
 そもそも私どもの問題意識としては、NMIJが活動してまいりまして、私どもはニーズを拾い上げる面からいうと、登録事業者、校正を行っている方々の意見というのは比較的拾い上げることができるのですが、実際に計量標準を使っている末端の方々のユーザーの意見というのは、なかなか拾い上げることができなかったかなという反省をもっております。
 それで、今回、計測クラブということを分野ごとに立ち上げまして、個人の資格で、興味がある方々はどんどんそのクラブの中に入ってきていただいて、計量標準全般にかかわる要望、ニーズ、意見を我々とディスカッションをできるような場を設けたということでございます。この場の目的は、先ほど申しましたように、末端の方々も含めて、広い意味でのニーズを把握して、それを計量制度の中に取り込んでいきたいと、そんな思いをもってクラブを運営しつつあります。
今井座長
 ありがとうございました。詳しくは産総研のホームページをごらんいただくとたどり着くようになっています。今、分野は30ぐらいあるのですか。
中野委員
 20弱です。
今井座長
 まだ増えるようですので、ぜひごらんいただきたいと思います。
 それから、このワーキンググループでも議論していただきましたし、制度の検討小委員会の方でも課題として議論いたしました情報公開とか伝達ということも非常に重要であるとご指摘をいただいておりますで、そういう点でも、なるべく情報提供をし、そして情報を受けるというご要望を受けたり、ニーズを把握するという意味でのやりとりの場として活用できるのではないかと思います。
 前回いただいたご意見については、ほとんどその趣旨に沿って補足説明なり、あるいは新たな文章等を入れたと思っております。それから、説明につきましても、脚注で詳細に説明をしていただいておりますので、この場の議論だけではなく、むしろこの分野の参考資料として活用できるぐらいにできているのではないかと思っております。
 前半部分の計量標準とJCSS、トレーサビリティ関連について、ほかに何かご意見がございましたら引き続きお願いいたします。
 それでは、全体的な議論のときにもし思い出されたらもう一度お願いすることにして、きょう予定しております報告書の案の後半の部分に移らせていただきたいと思います。
 計量証明事業と特定計量証明事業ということで、再び事務局から資料3に基づいてご説明をいただきたいと思います。それから、資料6に関しても関連の内容が書かれております。それでは、事務局、お願いいたします。
江口課長補佐
 それでは、先ほどと同様の方法でご説明をさせていただきます。
 計量証明の事業について、39ページをお開きいただきたいと思います。
 (2)新たな方向性、(ア)基本的考え方でございます。ここにつきましては(i)から(iii)がございますが、(i)と(ii)につきましてこれまでは1本で記載しておりましたけれど、分割をし、加えて再整理をさせていただいております。基本的な考え方は変えておりませんが、内容をわかりやすく具体的に説明をさせていただいております。39ページ(2)新たな方向性について朗読させていただきます。(朗読、略) 40ページ(イ)(iii)に対応しまして、私どもといたしましては、計量証明事業の登録のあり方について検討を開始したところでございます。資料6をごらんいただきたいと思います。「計量証明事業の登録の在り方に関する検討状況について(報告)」という紙をご用意させていただいております。
 1として、背景・検討状況でございますが、ただいまもご紹介をさせていただきましたけれど、これまで第3WGの検討におきましても、計量証明事業者の能力・品質を担保する方策として、「立入検査の実施や講習会等の実施に加えて、更新制をぜひ導入していただきたい」との意見が述べられておりました。
 一方で、その更新制というのは平成4年の計量改正で撤廃されたわけでございまして、再度導入する場合には、地方公共団体の事務量が増える等の問題も想定されるところでございます。したがいまして、私どもといたしましては、都道府県あるいは登録事業者の代表で構成する者に対してヒアリングやアンケートを行って、この問題について調査・検討を行いたいと思っているところでございます。
 具体的には、以下の検討スケジュールで実施をしたいと考えておりますが、これらの検討結果については、速やかに意見集約をした上で、第3WGの委員の皆様方にメール等によってご紹介・ご報告をしたいと考えておりまして、必要に応じてきょうご紹介をしております報告書案と新案の修正を行っていきたいと考えているところでございます。
 2として、具体的な検討スケジュールでございますが、まず、4月5日に東京都さんからヒアリングをさせていただきまして、実施状況等について教えていただいております。
 そして、4月中旬には、計量証明事業者数が上位の都道府県に対してアンケートを実施いたしまして、論点を整理したいと考えております。
 そして、4月19日、これは来週になりますが、計量証明事業者と都道府県実務者による検討会を開催させていただきたいと考えているところでございます。
 そして、それらを踏まえた上で、4月下旬に、全国都道府県に対してアンケートを実施し、また、関係団体を通じまして計量証明事業者からの意見の集約を図りたいと考えております。
 3として、これまでの検討状況を簡単にご報告させていただきますと、計量証明事業の届出の管理強化という点で、事業者1社1社を特定して、聴聞、公告を経て取り消す、あるいは登録更新制の復活、あるいは所在不明の事業者について届け出を失効させるなど、登録のあり方に関しての選択肢というものがあるのではないかということでございます。
 41ページからの特定計量証明事業につきましては、変更点はございません。前回のとおりでございますので、説明を省略させていただきます。簡単でございますが、以上で説明を終了させていただきます。
今井座長
 それでは、本日の報告書案の後半部分の計量証明事業と特定計量証明事業についての記述に関して、また、資料6でご説明いただいた内容も含めて、ご意見をいただきたいと思います。
松本委員
 計量証明事業者の能力と品質の担保というところをみておりまして、これは立入検査とか講習会が非常に効果的であるということが書かれております。実際、私どももやっておりますけれど、技能試験というのが今かなり普及しておりまして、そういったものの成績などを入札なりのときの資料として添付するとか、そういう方法が技術的なレベルで判断する場合にはとても有効ではないかと思います。
 それと、MLAPの方を、ISO/IEC17025を基準にしようと書かれておりますが、例えば一般の環境計量証明事業はISO/IEC17025ということは余りお考えではないのでしょうか。
吉田課長
 まず、前半の技能試験の件は、都道府県の環境部署等が発注するときの1つの手段であるかと思いますので、そのような記載を加えるような方向で考えたいと思います。
 それから、ISO/IEC17025について、現在、特定計量証明事業については、今後の改正で完全にISO/IEC17025に合わせましょうという方向を既に出していただいておりますが、一般計量証明の方は、私どもの考え方としては、現在の届け出基準を満たしたものが自由に参入できるというハードルが低いものでございますので、そこをISO/IEC17025を課すというよりも、仮に現在、濃度の薄いものについて特定計量証明事業ということで、事実上、ISO/IEC17025を課すわけですが、仮に将来、現在の特定計量証明事業よりも幅広い分野でISO/IEC17025を課した方がいいという分野が出てきた場合には、その分野を特定計量証明事業に追加をしまして、そしてそれにはISO/IEC17025が必要だという考え方でいきたいと思っております。
 したがいまして、結論としましては、まず制度として計量証明事業にISO/IEC17025を課すということでは考えておりません。そして、ISO/IEC17025を仮に現在のダイオキシンなどの特定計量証明事業以外に必要であるということは、論理的な可能性としてあり得るのではないかと思いますが、そういうことが生じた場合には、むしろ特定計量証明事業の拡張によって対応したいと考えております。
今井座長
 よろしいでしょうか。実際には都道府県等でも技能試験的な要素を含めて考慮しているのだと思います。それから、今ご説明いただいたように、全部の分野にISO/IEC17025というのはなかなか難しいと思いますので、要求に応じてということではないかと思います。ご質問に対しては、よろしいですか。
松本委員
 はい。
久保田委員
 今の技能試験についてはちょっと疑問の点がございますので、1つ意見を述べさせていただきますと、現在の技能試験の場合に、個々の試験場の結果を地方の行政機関等にそのまま連絡するという方式はなるべく避けているのではないかと思います。それはなぜかといいますと、もしそういうことを行った場合に、既にアメリカ等で実例があると聞いておりますが、技能試験が行われるときだけ、そのサンプルに関してだけ、社内で非常に技能の高い人を試験に使うといったこともありますし、もっとひどいケースですと、それに関して非常に技能の高いところにむしろ委託してしまって、その値を使うということも起こり得るし、現実にそういう例もあると聞いています。
 日本ではまだそこまでの具体例は聞いておりませんが、そういった懸念があるために、ISO/IEC17025の中での技能試験の考え方としては、あくまでも試験場の能力を埋める1つの手段であって、個別の各試験ごとに、何点だからここを排除するというために使うべきものではなく、むしろ試験場はみずから自分の能力を改善するために使うのであるから、それの手助けとなるような仕組みであると私は理解しております。
 したがって、地方の行政機関がそのまま例えばプロバイダーに対して個別の試験場の値を聞くというようなことに関しては、もしそうするのであれば、本当にそれが国際的にもよろしいのか、あるいは試験場認定のあり方なりプロフィセンシーテストのあり方に対して、本当にそれがよい方向に向かうのかということを十分に考えながら実行していくことが必要ではないかと思います。
 ですから、できれば、技能試験の個々の値よりは、ISO/IEC17025のようなものがあるわけですから、トータルの能力としてその試験場がよいか悪いかというところが判定できる、そういう基準あるいは審査結果に基づいて行政機関が判断するということの方がよろしいのではないかと思います。
今井座長
 ご意見、ありがとうございました。今の点は非常に大事な点だと思います。
 一般的に通常の状態でどれだけアウトプットが出るかということが一番大事だと思いますけれど、普通の状態でのということで、日本語があいまいな点もあるので、あいまいな点がいいところもあるのですが、一般にMRAなどで使われている言葉で、「routinely available」、「ordinarily available」という、通常の状態での能力はどうかという書き方をしていると思います。通常の状態でやれるその機関としての最高能力であって、その機関の中のベストの条件をそろえて出すということではなく、平常業務の中で得られるという値だと思いますので、その辺をきちっと理解するというか、むしろそういう考え方を広めていく必要があると思います。
 貴重なご意見をありがとうございました。何らかの形でそういう文言が取り込めればよろしいかと思います。
吉田課長
 今のご意見も含めまして修文案を考えたいと思いますが、実は45ページに同様のことが書いてございまして、これは特定計量証明事業の記述でございまして、信頼性の確保の下りのb)認定後のチェック機能の強化というところでございますが、2つ目の段落に、「認定基準の要件として参加が義務づけられている技能試験」――これはISO/IEC17025をベースにしていますので、こういうものが既にあるわけですが、これまでは技能試験の結果により認定の取り消しを行った事例はないという事実が書いてございまして、「しかし、能力が低い特定計量証明事業者が多いとの指摘もあることから、今後は、技能試験やフォローアップ調査において、その成績が一定基準以下であった場合は、再試験等を経て、計量法第121条の2第2号に定める技術的能力を有しないものとして、更新をしないことや認定を取り消すことについて運用の強化を検討する」ということで、これから詳細を検討することになりますが、この辺についてもご示唆をいただければありがたいと思います。
今井座長
 ありがとうございました。ほかにご意見はございますでしょうか。
芝田委員
 資料6についてお伺いしたいと思います。計量証明事業者の更新制の問題というのは、1度、報告書案に盛り込まれかけたのですが、都道府県に対するアンケートで反対意見が多かったのでやめたという認識でいたのですけれど、これは再度アンケートをして検討するという意味は、どういうところにあるのでしょうか。同じことをやっても同じ反応ではないかと。それとも、いろいろ説明とか手続を変えることによって違う結果が得られるという見通しがあるのでしょうか。
吉田課長
 前回の委員会で複数の委員からご質問がありまして、そのご質問の意味としましては、計量証明事業の登録をもう少しきちんとした方がいいと。その手段として、シンプルには更新制というものがあるのではないかということが再度提起されたと思っております。
 私どもとしましては、更新制を入れるということに対しては確かに都道府県は大変だというご意向は承知をしておりますが、ほかに代替手段がないだろうかということを今検討しているということでご理解をいただきたいと思います。
 この資料6の中に選択肢と書いてありますが、例えば、「事業者を1社1社特定し、聴聞、公告を経て取り消す」ということは今でも可能でございまして、ある自治体はこれをやりつつあると聞いております。
 それから、所在不明事業者について届け出を失効させるというところについては、解釈として、やっていいのかどうかよくわからないところがありますので、検討したいと考えております。
 そういったことを踏まえまして、更新制につきましては、指摘がありますので、代替の答えではあるかもしれませんが、何らかの答えを出したいなと事務局としては考えております。
 経緯を申し上げますと、計量証明事業については、平成4年の改正時までは都道府県知事の登録を有効期間10年としている更新制がございました。そして、平成4年の改正時に更新制を廃止したわけでありますが、そのときには「適合命令や立入検査又は登録の取り消しにより事業の向上を担保する」ということで、資料6の選択肢の中の一番上でやるという考え方であったかと思います。
 ただ、それが現場でなかなかうまくいっていないのではないかという声もあって、この第3WGの場でも、前回も含めて何回かご指摘がありますので、私ども事務局としましては、今後は、その平成4年の改正で登録の更新制を廃止しているという事実を重く受けとめながら、計量証明事業や地方公共団体の方々の意見を率直に聞いていきたいと考えております。
 その上で、この選択肢の中でうまく現場でも対応できるようなめどが立ちましたら、この第3WGの委員の皆様に対してメールなどで、必要があれば当初案の修正をお願いしたいと考えておりまして、可能であれば次の小委員会あるいは審議会にその修文をしたものでかけられればと思って、今、作業をしているところでございます。
田畑委員
 ちょっと確認をさせていただきたいのですが、先ほど久保田委員から技能試験等についてのご意見がございましたけれど、その後、吉田課長の方から、45ページの「今後は、技能試験やフォローアップ調査において」というところをご説明いただきましたが、この文章はこのまま残していただくということでよろしいでしょうか。
吉田委員
 この特定のところは、前回から今回も変えておりませんし、このままというのが私ども事務局の案でございます。
田畑委員
 ありがとうございました。
今井座長
 私の記憶では、更新制の問題に関して、前回、都道府県等から回答をいただいた中身は、更新制を復活させるということに対してネガティブであった、そのなぜネガティブかという中身がいろいろあったと思うのです。ただ技術的ということだけではなく、いろいろな観点からみてネガティブであったという、それでトータルが幾つかになっていたと思います。それをまさに精査するということではないかと思います。
河村委員
 第3WGの最初のころから、計量証明事業者の能力に問題がある、倫理観に問題があるということが再三にわたっていわれてきて、それをどうするかという方向性がここで決まろうとしているわけですが、この資料6を見ますとアンケートをもう一回実施するということが書かれています。私の素朴な意見としては、この間みせていただいたアンケートからみても、簡単にいえば、都道府県がお金も人もなくて困っているということに尽きると思うのです。
 ですから、お金も人もどうにもしてあげられないのだけれど、クオリティを上げるにはどうしたらいいかと何度聞いたとしても、それではクオリティは上がらないのではないかと思うのです。自分たちに無理がかかることを「やります」と、志や心意気だけでやるということはできないと思うのです。
 ですから、とにかくこの改革はコストを削減するのだという一点張りでいきますと、再三にわたって指摘されるどうにも覆い隠すことのできないレベルの低さというのでしょうか、証明事業者の能力や倫理観の問題を解決できないのではないでしょうか。ある程度コストをかけるという選択肢を出さなければ、幾らアンケートを繰り返しとっても結局無理ですねと。そして、無理だといっているからやめましょうというのでは世の中はよくならないと思います。アンケートをもう一回とられるのでしたら、更新制だけではなく、更新制だけでよくなるとも私は思いませんし、どうすればレベルが上がるのか、そして上がる手だてをする必要があるかという質問と、それができるかどうかという質問を分けたらどうでしょうか。例えばどういう前提があれば、どういう条件が整えばそれができるかと、その辺をアンケートすれば、どうすればいいかが見えてくるのではないかと思います。
今井座長
 ご意見、ありがとうございます。おっしゃるとおりだと思います。要するに、政策的にこういうこともやるべきではないかということも含めてアンケートをとる。何が問題点となってできないのかということですね。
吉田課長
 私どももそういう考え方で対応していきたいと思いますが、39ページの基本的な考え方というところをもう一度みていただきたいと思います。
 (2)新たな方向性の(ア)基本的考え方の(i)でありまして、計量証明事業が申請を行い、登録の基準を満たすかどうかを地方公共団体の計量法担当部署はまずチェックをいたします。それから、大体5年に1回程度、立入検査をいたしまして、登録の基準を引き続き満たしているかどうかもチェックをいたします。
 そういう事業をやっておりまして、今まさにおっしゃったお金も人もいないといった状況がそこにはございまして、そこで特に困っているのは、登録をした後にちゃんと住所変更もしてくれないような場合に、彼らにアプローチすることさえ大変になってしまって、そこでまた手間暇がかかってしまうと。ただでさえ人もお金もないのに。そういう現場の要望がありまして、これは何とか改善する方法が現場の実務的な知恵でないかということで、検討をしていきたいと思っています。
 2番目の「他方」というところから始まります地方公共団体の環境担当部署等が発注する話は、お金は実はあるわけでして、幾らでこういう計量証明をやってくださいという予算があって発注をするわけでございますから、その予算の中で、何らかの方法でちゃんと発注者としての管理責任を果たすということをやっていただきたいなというのが私どもの願いでございまして、それに対して役立つことは、計量の専門家としてできることはないかということを考えたいと思っております。
伊藤委員
 計量証明事業者の能力の品質の担保ということは非常によろしいかと思いますが、計量証明事業者の最終的な責任というのは、私の理解ですと、計量士にあると理解しております。したがって、計量士の能力や品質の担保もあわせて考えていっていただきたいと思っております。
吉田課長
 おっしゃるとおりだと思います。そこで、先ほどの39ページ(ア)の前段の登録の基準を満たしているかどうか、都道府県はフォローするのは大変だという話を申し上げた1つの事例としまして、登録された時点の計量士さんが本当にまだいらっしゃるのかどうか、これも把握することが困難だという現場の声もございます。
 そういったことが円滑にできるようなことも、お金も人もいない中でどのようにやったらいいのかということについても知恵を出したいと考えております。
今井座長
 計量士の教育ですとか質の向上については、小委員会の方でも1度議論したことがございますが、やはりそういう場をきちっとつくるべきだという意見が出ておりますので、全体の報告書の中には盛り込まれると思いますし、ここでも可能な範囲で含めていきたいと思います。
久保田委員
 先ほど課長が発注者の管理責任とおっしゃったところは大変大事なところで、ここの部分が書き加えられてあるということで、大変喜ばしいことではないかと考えております。
 つけ加えさせていただきますと、全体として、この書き方自体、内容として悪いということではないのですが、いかにも計量証明事業者が、特に環境計量証明に限ってお話しいたしますと、私のみる限りその大多数はきちんとまじめにやっている機関であって、ごく一部が例えばレベルが低いとか怪しいとみられがちなところがあるということは事実かもしれませんが、決して悪者ではないわけです。
 どの機関も非常に厳しい環境ビジネスの状況の中で頑張ってやっているという実態がございますので、それに対して罰則だけを強化するとか、あるいは道徳的な基盤をもっと上げようと、それは必要ですけれど、そういうことだけを行いますと、例えば、運転免許証の書きかえと同じであって、最近、飲酒運転に対しての罰則が強化されましたけれど、その結果としてひき逃げがふえたと、逃げてしまう人がふえたというのをテレビで昨日もいっておりました。ですから、非常に罰則を厳しくすればするほど、一面、不正をする土壌をもつくりかねないということがあるのではないでしょうか。
 したがいまして、こういうことは大事ですけれど、さらに大事なのは、管理責任として発注者の側が行うべきことは、そういう技術的なレベルを確認するということと同時に、例えば地方の場合ですと、入札参加者の資格の問題はもとより、その入札そのものが適正に行われているかどうかも含めてきちんと管理しませんと、そういう制度上の規定のみで、環境証明事業自体の価格破壊が起きているような状況をみないような状態で罰則だけ強化しても、根本のところは解決しませんので、非常に難しいのではないかなという感じがいたします。
 ですから、繰り返しになりますけれど、やはり管理責任のところの意味合いをもう少し幅広に考えていただいて、きちんとそういうところが対応できるようにしていただいた方がよろしいかなと思います。
今井座長
 ご意見、ありがとうございます。管理責任も、そのときだけでなく、通常の管理責任ということだと思いますので。おっしゃられるように、ごく一部のよからぬ部分が強調されるのは、よくやっているところにとっては非常に迷惑なことですけれど、やはり全体としてこうなのだということを決定していかなければいけないと思いますので、どのようにしたらそういうことを盛り込めるかというのはなかなか難しい問題であると思いますが、ご指摘、ありがとうございました。
 それでは、ご意見を大分いただきましたが、先ほどの資料6に関連いたしまして、今後の調査等もございますけれど、それを踏まえて、メールベースになりますが、委員の方々に最終的なまとめの案を提示させていただいて、ご意見をいただきたいと思います。しかし、また集まる機会はないと思いますので、ご意見をいただいた中で修正したもののやりとりはメールでさせていただきますけれど、最終的な小委員会に報告する内容については座長一任ということで、よろしいでしょうか。
 (「異議なし」の声あり) ありがとうございます。それでは、事務局と相談してそのようにまとめさせていただきます。
 前半と後半に分けてご意見をいただいてまいりましたが、この報告書全体について何かさらにご意見があればいただきたいと思いますけれど、いかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。前回も含めて、今日も大分ご意見をいただきまして、報告書としてさらによいものができると思います。前回の計量行政審議会でも、特にネガティブなコメントではなくて、よい方向だとご理解いただいていると思いますが、さらによいものにしていきたいと思います。引き続き、またメールベースでのやりとりでご意見をいただきたいと思います。
 それでは、本日予定いたしました内容については審議終了とさせていただきます。
 今後の取り扱いについては後ほど事務局からご説明いただきますが、予定では4月18日までに皆様からご意見をいただいて、本日の議論の内容も含めてまとめさせていただきたいと思います。
 それから、それによって修正された報告書につきましては、4月27日に予定されております小委員会に最終報告として私の方から提出させていただきます。これも先ほどの資料6に関連する皆様方のご意見も含めて、最終的な中身については座長一任とさせていただきたいと思いますが、さらに本日の議事録につきましてもまた集まってご意見をいただく機会がないと思いますので、メールベースでのやりとりの後、最終的な確認は座長一任とさせていただきたいと思いますが、これもよろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

ありがとうございました。それでは、そのようにさせていただきます。
 それでは、その他ですが、今後の進め方について事務局からご説明をお願いいたします。
吉田課長
 繰り返しになりますが、きょうの議論を踏まえまして、ご意見につきましては、事務局あてに4月18日までにいただけますようにお願いいたします。
 今後のスケジュールでございますが、27日に計量制度検討小委員会がございまして、この第3WGの報告をかけさせていただきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
今井座長
 それでは、そのように進めさせていただきます。
 以上をもちまして本日の議事はすべて終了いたしました。長時間ありがとうございました。最後の機会でございますが、松本審議官にはほとんど皆勤に近い、私の記憶では外国出張以外はご出席いただいたのではないかと思いますので、最後にごあいさつをいただければと思います。よろしくお願いいたします。
松本審議官
 では、事務局を代表いたしまして、一言ごあいさつをさせていただきます。
 委員の先生方には、お忙しい中を9回にわたりまして熱心にご審議いただきまして、本当にありがとうございました。おかげさまで、計量標準の今後の開発・供給体制のあり方についても、指定計量標準(仮称)、あるいはJCSS制度の今後のあり方、そして先ほど来いろいろ熱心なご議論がありましたが、計量証明事業、あるいはMLAPについても、いろいろ貴重なご示唆をいただいたと思います。
 先ほど来説明がありましたが、これから4月27日には小委員会が、そして6月には審議会が開かれる予定でございます。私どもといたしましては、今までご議論いただいた結果を極力反映できるように努力させていただきたいと思います。
 これで今回の計量制度の今後のあり方についての検討は終わりになったわけではないので、委員の先生方におかれましては、今後ともぜひ温かい目でみていただくとともに、今後ともご指導、ご鞭撻をよろしくお願いしたいと思います。
 本当にどうもありがとうございました。
今井座長
 松本審議官、どうもありがとうございました。
 それでは、これをもちまして、第3WGの第9回の会合を終了させていただきます。まだメールベースでのやりとりはございますが、どうぞご協力をよろしくお願いいたします。長期間にわたりまして活発なご討論やご意見をいただきまして、どうもありがとうございました。
 
 

最終更新日:2006年6月2日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.