経済産業省
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総合資源エネルギー調査会電気事業分科会原子力部会(第11回) 議事要旨

日時:平成18年5月30日(火)14:00~16:45

場所:霞ヶ関東京會舘ゴールドスタールーム

出席者

委員

田中部会長、秋庭委員、秋元委員、井川委員、伊藤委員、 植草委員、内山委員、大橋委員、長見委員、神田委員、 木場委員、木元委員、神津委員、河野委員、児嶋委員、 齊藤委員、佐々木委員、末次委員、杉江委員、鈴木委員、 武井委員、築館委員、殿塚委員、内藤委員、中島委員、 古川委員、松村委員、山地委員、山名委員

説明者

日本原子力研究開発機構次世代原子力システム研究開発部門  向部門長

事務局

細野資源エネルギー庁次長、 野口大臣官房参事官(原子力立地担当)、 安達資源エネルギー庁電力・ガス事業部長、 宮川電力・ガス事業部政策課長、 片山電力市場整備課長、後藤電力基盤整備課長、 柳瀬原子力政策課長、 櫻田原子力立地・核燃料サイクル産業課長、 吉野放射性廃棄物等対策室長

オブザーバー

内閣府政策統括官付 戸谷参事官
文部科学省研究開発局原子力研究開発課 中村課長

議事概要

(1)電力自由化と原子力に関する小委員会 とりまとめについて

柳瀬原子力政策課長より、資料1-1について説明。

各委員からの意見。

  •  小委員会での議論の結果として、電力自由化時代の今後の原子力開発においても、まずは事業者の自主的な取組は尊重されるという整理だと理解しており、この点は事業者として共感できる。この小委員会では、立地からバックエンドまで幅広い視野で検討が行っていただき、バックエンドへの対応、減価償却費負担の平準化、廃炉費用負担の軽減・平準化など、事業者が原子力の推進にインセンティブを抱くような環境整備について、その方向性が整理にされたことに感謝。今後、制度化のために具体的な検討に入るものについては、実効性のある仕組みとなるよう、引き続きお願いしたい。事業者としては、原子力政策大綱の政策目標の実現を目指し、新・増設並びに既設、リプレースに最大限の努力をしていきたい。
  •  電力事業者の財務面の分析について、リプレースは、原子力発電所よりも火力発電所の方が圧倒的に多く、火力発電所も含めて検討すべきである。実際には、火力発電所のリプレースの方が設備容量として圧倒的に多いのではないか。これを含めて総合的に検討すべきである。
     また、バックエンドなどの対応策は具体的に明示されているが、発電部門の投資促進に向けた直接的な国の支援が見受けられないのが気になった。
     PPSについて、原子力の新・増設にそれなりに参画していきたいとのことだが、その時に新・増設に伴うリスクについても負担する覚悟あるのかを確認したい。
(柳瀬課長)
 財務面については、原子力の場合、火力に比べて1基当たりの建設費は桁が1つちがう負担となっており、原発の分だけでどれだけの財務が悪化するかをPL、BS両方から分析した。フロントサイドへの支援については、そもそもこれを行うのかという議論もあったが、まずは減価償却費を事前に積み立てる制度をつくることによって、財務に影響を与える時期が集中しないようにすることが今回の対応策である。
 PPSの新・増設に係るリスクの負担については、小委員会でもずいぶん議論された。個々のケースで異なるで、具体的な商談の中でどこまで費用、期間を負担するかという話し合いをいただく、電力事業者としてもPPSが相応の負担をしていくなら話はできるとのことで、まずは当事者同士で決めていただくという整理。
  •  ピーク電力の伸びの想定が、今後の電源設備の需要になるとは限らず、現在の供給予備力がどうなのかということも踏まえて今後の新・増設が決まってくると思うが、どうか。
     また、原子力はベースロード対応の運転であり、ピーク電力よりもベース部分がどれだけ上がるかの方が、原子力の新・増設の必要性を考える上で重要。そのデータはないのか。
(柳瀬課長)
 原子力はベースロード対応なので、その数字があれば一番良いが、正確な公表データが存在しない。内々に教えてもらったデータでは、ベース電力とピーク電力の動きは、数値的にそれほど違いはなかった。したがって政策的なインプリケーションにほとんど差は出ないということで、公表されている数値に置き換えて検討させていただいた。
  •  予備力はどうか。ずいぶん長い間、最大電力は更新されていない。それに対応して、設備増強があまり行われていないので、予備率が落ちているかもしれない。現在の予備率はおさえているか
(片山課長)
 現在の予備率は、大体10%強、12%くらいで、向こう10年間、概ね10%位で推移するというのが、10社まとめた供給計画での数字である。予備率が極端に変化するということにはなっていない。
  •  バックエンドの不確実性について、リスクにきちんと対応してもらうのは重要で、今回、六ヶ所再処理以外の使用済燃料に関する費用について制度を作るということで良い。「第二再処理工場」という言葉が出ているが、これについては、現時点で特定の工場を想定したり、事業主体を想定した上での計算ではないとの理解でよいか。前の議論では、2050年のFBRに備えて今後考えるということであり、今回の制度は、再処理費用というのはいずれ発生するからということを前提に、特定のものを想定して作られるものではないということで良いか。
(柳瀬課長)
 第二再処理工場をどうしていくかというのは、2010年頃から原子力委員会で議論するという点に変更はない。
  •  六ヶ所以外の再処理について、核管理構想など国際的なフレームワークの動向によって影響が及ぶ可能性があるとなっているが、これは今後の再処理については、いろいろな形式があり得るということで、そのときのコストは別途考えるということか。
(柳瀬課長)
 そのとおり。
  •  原子力のメリットは、二酸化炭素だけでなく、最も根幹的な部分はエネルギーセキュリティ、つまり燃料の短期安定性と長期にわたっての安定確保にある。原子力にリプレースしていく際に経済的なリスクがあるために、火力が入っていった際には、むしろそうした長期的リスクや燃料に関するリスクを負うことになる。原子力を導入した場合には、逆に国として大きなエネルギー安全保障を確保できるメリットがある。この部分のエネルギーセキュリティ上のメリットが、何らかの形で可視化、評価されていく仕組みが欲しい。二酸化炭素の量だけでなく、エネルギーセキュリティという観点で、電源ごとに指標なり目安をつけることが今後必要になるのではないか。
     負荷追従運転については、フランスのEDFの関係者に聞いたところ、フランスでは原子力の負荷追従運転は通常のように行われている。今言ったような長期的安定性を重視して原子力のベースロード部分を上げっていた場合、長いスパンで負荷を調整することはいずれ必要になるものと考えている。欧州の実績を参考にしつつ、安全性をよく評価した上で、今後積極的にその実現性を考えるべきである。
(柳瀬課長)
 要約版では省略してしまったが、報告書本体にはエネルギー安全保障上のメリットについても記載している。経営者にとっての供給安定性のメリットは相当程度燃料価格の形で取り込まれている。国全体のメリットについては今後の検討課題として可視化に向けた研究をする、と報告書本体に整理してある。
 負荷追従運転については、現実に必要となったところでは、むしろ遅れずにきちんと検討しましょうという整理。
  •  全面自由化の検討を行うに当たって留意すべき事項について、「原子力投資に及ぼす影響に十分配慮して」とあるが、消費者の立場としては、原子力のあり方よりも消費者が如何に安心して暮らせるかを第一に考えて検討を行っていきたいと思っているので、多少違和感を覚える。もちろん部会は、今後の原子力政策のあり方について検討するところであるので、全面自由化にあたってどのようなことが考えなければならないのか、情報の提供をきちんとしてもらいたいと思う。米国カリフォルニアの停電などを含めた情報提供の中で、メリット、デメリット両方から考えて勉強していきたい。
(田中部会長)
 小委員会は電力自由化と原子力という観点で議論を行う場であったが、今後電気事業分科会においては、様々な観点から検討されるので、その際にはまた様々な情報が公開され、また、必要があれば、事務局の方にいろいろ情報について報告をお願いできるかと思う。
 大体ご議論をいただいたが、特に強い反対はなく、逆に概ね小委員会のとりまとめを支持される意見が多かったと思うので、小委員会のとりまとめ内容を部会報告書に反映させていくということにしたい。

(2)放射性廃棄物小委員会の審議状況について

吉野放射性廃棄物等対策室長より、資料2-1、2-2について説明。

各委員からの意見。

  •  TRU廃棄物処分、海外からの返還廃棄物について基本的な考え方が示された。適切な方向性であると思っており、この考え方に基づいて進めて頂きたい。
     今後は、TRU廃棄物処分について、広く一般にわかりやすい形で理解活動、更なる理解に向けた研究開発を着実に推進していく必要があると考えているが、NUMOからも意見を伺いながら、国、研究開発機関、地方自治体など関係者が、それぞれの役割分担を踏まえて密接に連携することが重要ある。
     実施主体が決まるまでの対応が大変重要である。電気事業者としても、国など関係者と連携しつつ、理解促進活動、研究開発に取り組んでまいりたい。
  •  NUMOによる広報、理解促進活動について、すでに複数の地域から問い合わせがあり、実際に勉強会を行っているとのことだか、どの程度進展しているのか知りたい。実績として件数など公表できるか。
     「原子力政策大綱」で書かれている使用済燃料の直接処分の研究開発については、どのようにフォローアップされるのか。
(吉野室長)
 最終処分候補地の応募に向けて、どの場所がどの程度検討しているかについては、地元との信頼関係もあるので差し控えたい。他方、これまで、新聞等で報道された地点については過去6地点ある。過去、地元の有志の方々から出された請願が、3、4会期に亘って議論されたケースもあった。各地元における要望に対応した理解促進活動が進められている。
(戸谷参事官)
 「原子力政策大綱」で書かれている使用済燃料の直接処分の研究開発については、日本原子力研究開発機構にお願いしている。
  •  全体として高レベル廃棄物問題について、日本は他国に比べれば立ち後れているという危機感がまだ不十分ではあるという気がしてならない。米国、フランスなども問題を抱えているが、既に候補地はある。日本は、立候補しようとしても反対派が出てきてつぶすという形の繰り返しである。候補地が出てきたときに、どこまでバックアップして具体的な実現の措置がとれるのか。国と地方自治体と電気事業者はそれぞれどこまで責任を負うのか。具体的に踏み込んで検討していかないと、この問題は解決されない。
(吉野室長)
 地層処分とサイト問題は国際的にも共通の問題であると認識しており、様々な機会を通じて意見交換を行ってきている。
 先般、フランスを訪問した際、新しい法案を出されたとのことで、意見交換を行ってきた。参考とするべきは、候補地となりつつある場所だけでなく、そこを中心とする幅広いエリア、フランスで言えば2つの県にまたがる60の市町村の理解をえながら進めているとの説明であった。韓国のケースでは、複数の地域で競合したことが功を奏した。我が国も、関係する地域だけでなく、周辺地域や都道府県等を含め、幅広く理解を求めていく。その上で、国だけでなく、都道府県の方々にも理解のための支援に取り組んで頂く。複数の地点で、理解が進むように広報活動支援等引き続き行って参りたい。
  •  「原子力政策大綱」に廃棄物に関する4つの基本原則が明記されている。発生者責任、合理化、最小化、国民の理解。この報告書については、特に、合理化、最小化に資するものであり、よくまとめられていると思う。
     イギリスから返還される廃棄物についての等価交換の考え方について、ITPという指標が出てくる。我が国における廃棄物処分の区分管理は、核種ごとの放射能濃度の上限値によって行われており、ITP指標は用いられていない。ITP手法が入ってくることに対する整合性について伺いたい。
(吉野室長)
 資料2-2の12ページで、ITPと他の指標を比較整理した資料がある。我が国の安全規制における線量を中心とした評価方法では、返還物量が増えてしまい、ITP評価のほうが合理的である。そのため、それぞれの国における処分に対する考え方を考慮しないニュートラルな方法として適当であると認められた。
  •  廃棄物については、よりわかりやすく国民に伝えて頂きたい。消費者が原子力発電に対し不安をもつ原因に、放射性廃棄物を子孫に残すことへの懸念が挙げられている。放射性廃棄物がどういうものか、まだしっかり伝わっていない状況で、TRU廃棄物や廃棄物交換など次々に難しい問題が出てくる。
     TRU廃棄物についてもしっかり考えなければならないが、地層処分すらよく理解できていないのに、「浅地中処分」、「余裕深度処分」などが出てくる。今回の報告書にも、国民の理解を得ることは大切と書いている。NUMOもTV放映やフォーラム開催など努力されているが、国民がどういうことを知りたいのか、どう言えば伝わるかを評価しながら、国民の理解に努めて頂きたい。
  •  名称について「TRU廃棄物」、「長半減期低発熱放射性廃棄物」はどうやって決められたのか。
(吉野室長)
 原子力委員会の技術検討会で公に用いられている名称で、今後「長半減期低発熱放射性廃棄物」を使っていきたいと考えている。
(田中部会長)
 様々なご意見を頂いたので、今後の小委員会のとりまとめの参考として頂きたい。
 

(3) 高速増殖炉サイクル実用化戦略調査研究フェーズII最終報告書及び今後の対応について

向部門長より資料3-1について、柳瀬課長より3-2について説明。

各委員からの意見。

  •  テーマの中に、検討項目が書いてあるが、中国、インド、韓国など日本でやりたいという国際協力の強い要望が出ている。一方で、米国もロシアもフランスもやっている。「研究開発における国際協力」というのが検討項目に入れて頂ければよいと思う。
(田中部会長)
 そうさせて頂ければと思う。
  •  柳瀬課長から「もんじゅ」についてダブルトラックで推進していくという説明があったが、もんじゅは実証炉が建設されてからも運転するという考え方なのか。「もんじゅ」がいつぐらいまで運転できるのか。運転期間は、実証炉ができた後も運転が行えるのか、その前で終わるのか、或いは、まだ決まっていないのか。
(柳瀬課長)
 ダブルトラックというのは、「もんじゅ」と実証炉という意味ではなく、実用化戦略調査研究が終わるのを待って実用側が検討を開始するのではなく、実証炉を研究開発側と導入側とでそれぞれ検討を整合的に行うことである。
(中村課長)
 「もんじゅ」の運転期間については、2010~2015年を含めて、どのようなロードマップがあり得るのかを検討しているところである。検討案の1つに実証炉が動き出す頃においても中性子照射による材料研究に利用できるのではないかとの意見もあり、実証炉ができた後もある程度研究項目は残るのではないかと想定している。
  •  電気事業者もFBRは軽水炉に代わる将来の大事な電源の一つと認識しており、その研究開発においても積極的に協力していかなければならないという認識である。
     関係者の協力の点について、調査研究の実証プロセスの履行に当たって関係者の認識の共有が大切とあるのは、この方針を円滑に進めて行くためには極めて重要なことである。
     FBRサイクル開発について協議を行う際には第二再処理工場の技術課題、高レベル廃棄物発生量の軽減方策等について、今後の課題として検討していく必要があると考えており、併せてしっかり議論していくべき。
     第二再処理工場の実施時期については、ウラン資源の状況、核不拡散体制の強化をめぐる動向と密接に関係するので、国レベルの政策の重要な課題として検討していただけるものと認識している。
     FBRサイクルの研究開発を進めていくに当たっては、シナリオを想定して課題を明らかにして、国全体で関係者が力を合わせて取り組んでいくことが極めて重要。
     商業的に導入するためには、現在の軽水炉に比較して呈しうる競争力と信頼性を持ち得るかが肝要。フェーズIIはまとまったが、今後その技術的に難易度の高い革新的技術の克服などの課題がまだまだあると考えている。
     さらに、世界のマーケットを意識すれば、FBRの研究開発にあたっては、日本のFBR技術が国際標準となるよう取り組むことが必要。
     最近の機運の高まりを考慮すれば、この先10年が正念場である。したがって、直面する技術課題を解決できるような適切な予算を確保し足下の課題解決に向けた研究開発に全力で望むことが何よりも必要。
  •  サイクルの技術開発を担う事業主体の責任者として決意表明をしたい。
     先ほど向部門長から説明したようにこの開発に当たっては、「2010年までに革新技術を決定する」、「2015年にはFBRサイクルの実用化像、研究開発を呈する」ことになっているが、実現に向けて積極的かつ着実に研究開発を進めていきたい。
        そのためには、当然のことながら、研究開発資金の確保が重要であり、それ以上に、軽水炉の経験を踏まえた体制づくりが重要な提案である。国、電気事業者、メーカー、研究開発機関など関係者が一丸となって、国際協力を含めてその検討を開始すべきであると考えている。
     メーカーの技術維持体制も重要であり、実用化に向けて国際的な戦略も加味しつつ検討していくことが重要であると思っている。
  •  メーカーとして一言。現状と課題、今後の対応の方向は、基本的には資料のとおりであり、過去の経験も踏まえて認識している。関係者の協議の場が設定されることは、メーカーとしても、技術開発や物づくりを分担するという視点で積極的に参画していきたい。技術、人材の維持の点を含めて積極的に議論に参加していきたい。
  •  主概念について、いままで炉の概念だけが先行しがちであったが、ここでは、炉、サイクル、燃料加工の3つの概念を規定し同時進行させていくという考えが示されている。是非3つ同時進行の研究開発スケジュールを出して頂きたい。
     そのためには、予算措置をきちんととらなければならいので、どういう施設をつくり、どういう予算をとっていくかも含めて掘り下げて検討頂きたい。
     全てが増殖炉サイクルという形で話が出ているが、米国もフランスもプルトニウムの燃焼炉からまず入り、増殖炉は最終目的である。その前に、軽水炉の時代で持っている問題を解決してもらおうというのが強い。
     核不拡散の問題を考えると、軽水炉は核不拡散に対し抵抗性があるが、高速炉は抵抗性が少ない。ウランの領域で言えば、低濃縮ウランと高濃縮ウランくらいの違いがある。そういうものを使うことをもっと認識をした上で計画を進めて頂きたい。
     日本も燃料供給グループに入れてもらい、日本に核拡散の意図がないことも世界に認めてくれているが、高濃縮ウランの使用を全てなくそうとしている時代にあえて、増殖ということを標榜することにどれくらいの意味があるのか。もう少し世界の動向とすり合わせを図った方が実現可能性は高くなるのではないか。
  •  日本原子力研究開発機構からもFBRサイクルという非常に戦略的なターゲットについて、この路線を追求していけば、国際競争力のあるサイクル技術、世界的なモデルを提示できるかもしれないというところまで絞っていただいた。文科省も原子力委員会もそうだという認識をもっているものだと思うのでプロセスとしては結構。
     しかし、原子力の国家戦略、産業戦略としては、FBRサイクルだけでは不十分。これだけでも民間部門、公的部門のR&D資源の増強、適正な資源配分が待っている。同時に、前倒しのためのR&D調整をしなければならない。全体のチャレンジの大きさと負担の大きさ、資源配分の難しさについて、部会としてアセスメントをして方向付けをしなければならない。柳瀬課長から提案のR&Dから実証へのより合理的な移行を関係者が集まって協議することは良いことである。
  •  経産省と文科省が垣根を外し、一つの実用路線に向かう開発体制を進めるという提案は画期的なものあり、予算の合理化、技術力を結集できるものであり、高く評価したい。
     軽水炉からFBRサイクルへの移行期のあり方について、FBRは軽水炉の築いた遺産を受け継ぐものであることを強く認識する必要がある。
     人材について、実証炉の開発設計に携わった者がその運転に従事していく人の流れを考えると、運転に携わる人間は50歳くらいであるので、開発設計でリーダーシップを取るべき人間は25、6歳である。今の時点で、25、6歳の優秀な人材を集めるべきである。
     総合科学技術会議の5つの国家基幹技術に入ったことを考えれば、優秀な技術者がFBR研究開発に流れ込むような人的な流れを確保する必要がある。
  •  経産省と文科省が協力して、国家主導型の研究会を発足させることは評価。「原子力立国計画」というタイトルとも整合が図られるものと思っている。
  •  昔のFBR開発で築き上げたものは、「もんじゅ」停止により雲散霧消していった。
     国民にFBR開発の必要性について、政府、学会、メーカーが本心から説明をしてきたか。今後の対応の検討項目の中に、国民の理解をどうやって得ていくかということも加えて欲しい。
(田中部会長)
 頂いたご意見は、調査研究の今後の検討に役立てて頂ければと思います。
 また、研究会については、政府において具体的な協議を開始することで、部会として了解するということとする。

(4)原子力部会の取りまとめに向けてについて

柳瀬課長より、資料4について説明。

各委員からの意見。

  •  「何故、原子力は必要か?」の内容次第で国民の受け止め方が決まってくると思っている。ぜひとも、情熱と哲学と信念をもって書き上げて欲しい。
  •  原子力の必要性、本当に大丈夫であうということをきちんと説明できれば、原子力に対する国民の理解のハードルは低くなる。
     国の説明は科学的であるが、わかりにくい。科学的正しさとわかりやすさは別である。国が前に出ることだけでなく、説明能力が重要である。
     世界の動向について書かれているのはありがたい。よく聞かれることの多くは、世界の動向である。チェルノブイリ事故から20年目ということもあり、質問の多くが、「世界は脱原発でしょ」とか「チェルノブイリ事故から20年目の節目の年」ということを言われた。世界の最新の動向を把握している国からタイムリーな情報を提供してもらえれば、地方自治体も自信をもって説明ができる。現場を預かる者にとっては、極めて重要な情報になっていることを申し上げたい。   誤った報道へのタイムリーな対応は大切である。一方で、正しい報道の時は、国は素直に認めて頂きたい。
  •  「中長期的にプレない」確固たる国家戦略というのを、基本方針の1つ目に挙げていることは重要であり、ワンスルーの議論に戻らないことを念押ししたい。
     電気事業分科会での電力自由化の検討に対して、「原子力について慎重に」としていることは大切なことである。
  •  第一部について、安全確保の後ろに国民の理解と協力を得ることを加えて欲しい。
  •  安全確保についての指摘が非常に弱い。もう少し、安全確保に関する言及を増やすべきである。
  •  「きめ細かい広聴・広報の実施」について、「誤った報道へのタイムリーかつ適切な対応」のところで、誤っていなくても、不安だけを増長させるようなものもあるので、「誤った報道や不公正な報道へのタイムリーな対応」として欲しい。
     韓国の事業者においては、社員が夜10時まで残り、ニュースのモニタリングを行い、不公正な報道がなされたときには対応をしているという。
  •  「原子力立国計画」という名称は、いままで部会に出てこなかった言葉である。FBR早期実用化のスケジュールについても、議論してきた内容と異なるものとなっているが。
     また、高速増殖炉サイクルの早期実用化の国際協力のまとめ方が弱い。
(柳瀬課長)
 「原子力立国計画」については、総合部会で議論された「新・国家エネルギー戦略」において割り振られた名称である。本会合よりも先に開催されたため、順序が逆となってしまった。
 FRB実証炉の時期については、2030年の事務局案に対し、遅いとする意見もあったこと等踏まえて、そうさせていただいたものである。
  •  国際展開支援も関連するが、原子力損害賠償の話をどこかに入れて欲しい。
     個人的な話で恐縮だが、武蔵工業大学で原子力安全工学科を設立する。優秀な人材を集めたい。原子力分野の方は、単身赴任を嫌うので現地の人間が東京に出てきて勉強し現地に帰るというスタイルを考えている。文科省に協力をいただいており、経産省においても協力をお願いしたい。
  •  既設炉の活用について、科学的・合理的安全規制の確立についての意見が多い。
     現行の安全規制の下では、大幅な労働時間の増加などたいへん非効率になっている。これらの状況を改善し、職場のやる気、やりがいにつなげていかなければ、政策目標を実現するための取組意欲の低下を招くことになる。発電所のさらなる設備安全性の向上、被ばくの低減につながる科学的・合理的安全規制の確立については、政策目標の達成に不可欠であるので、意思表示をお願いしたい。
  •  原子力と国民の生活や他産業との関係が見えない。もう少し、社会における原子力のあり様を書いてもらいたい。
(田中部会長)
 本日頂いたご意見については、報告書案に反映できるものは反映させ手頂きたい。報告書案については、後日皆さんに送付しますので、ご一読された上で、次回の部会で後議論頂きたい。

(5)その他

事務局より次回以降のスケジュールの連絡。

  •  第12回は、6月16日(金)午後2時から。放射性廃棄物小委員会報告書のご報告と、本部会の報告書(案)について議論予定。場所は、如水会館スターホール。
  •  また、次回報告書案について了承頂ければパブリックコメントを1ヶ月程度実施した上で、8月8日(火)の第13回部会でその結果を報告し、本部会報告書についてご議論いただく予定。
(文責 事務局)
 
 
最終更新日:2006年6月15日
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