経済産業省
文字サイズ変更

総合資源エネルギー調査会電気事業分科会原子力部会(第15回)-議事録

平成19年9月18日(火)

  • 田中部会長
    若干名の委員の方が追って来られるかと思いますが、定刻になりましたので、ただ今から総合資源エネルギー調査会電気事業分科会第15回原子力部会を開催させていただきます。
    委員の先生方におかれましては、御多忙のところ御出席いただきまして誠にありがとうございます。本日は約2時間半の時間をいただくことを予定しておりますが、できるだけ効率的に審議を進めていただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
    それでは、開催に当たりまして、望月資源エネルギー庁長官より御挨拶をお願いいたします。
  • 望月資源エネルギー庁長官
    資源エネルギー庁の望月でございます。今日は御多忙中のところお集まりいただきましてありがとうございました。開催に当たりまして一言御挨拶申し上げたいと思います。
    昨年8月に精力的な御審議の結果、「原子力立国計画」が取りまとめられましてから約1年が経過いたしました。今回の部会は、原子力立国計画取りまとめ後、本年2月にこの計画のフォローアップを行って以来の開催となりますけれども、この間も原子力を取り巻く国内外の環境は大変大きく変化いたしまして、これを受けまして、原子力立国計画の実現に取り組む我々も新たな課題に直面することとなりました。
    まず、国内におきましては、新潟県の中越沖地震を受けまして、柏崎刈羽原子力発電所への影響や、原子力発電所の信頼性への懸念が広がる中で、基幹電源である原子力からの電力供給の制約が生ずる、そういう中での電力安定供給をいかに確保するかという課題に直面いたしております。柏崎刈羽原子力発電所におきまして、設計基準時を大きく上回る揺れが観測されたにもかかわらず、同原子力発電所は安全に自動停止いたしました。また、同発電所から漏えいした放射性物質による周辺環境や地元産物への影響も全くないことは事実でございます。他方、火災の発生や事実の公表のあり方などを受けまして、原子力発電の信頼性に疑問が呈されていることも事実でございます。今年の夏は停電に至らず、安定供給が確保されましたけれども、原子力発電への信頼を回復し、基幹電源としての原子力発電の発電量を確保することが今後の電力の安定供給を実現する上で不可欠の課題となっております。
    世界に目を転じますと、エネルギー需給逼迫や地球環境問題といった問題への対応といたしまして、原子力回帰の流れが拡大いたしております。他方、我が国は、原子力にこれまで幾度となく逆風が吹く中も着実に原子力発電を推進してまいりましたことから、高い技術力と原子力平和利用の経験が蓄積いたしております。こうした中で、その蓄積を生かした世界の原子力平和利用拡大への我が国の貢献が期待されているわけでございます。ウラン資源獲得競争の激化とか、あるいは核不拡散と原子力平和利用拡大を両立させるための国際的な政策協調の必要性というような新しい課題が生じているわけであります。
    前回の部会以降、新たに起こりましたことを俯瞰してみますと、日米原子力エネルギー共同行動計画の合意がございました。こういったことを通じて、米国の高速炉サイクル路線への転換に協力してまいりました。原子力分野における新たな国際秩序を日米協力の下で構築していくということを目指すことができていると思います。また、カザフスタンへの官民合同ミッション派遣を通じまして、大型ウラン権益を確保するとともに、原子炉・核燃料サイクル分野に及ぶ互恵的協力関係発展のための環境整備を行うということも官民、関係者一体となった取り組みを通じて出来て参ったと考えているところでございます。今後とも世界の原子力平和利用拡大に向けた我が国への期待にこたえるべく、関係者一体となって貢献していくことが必要だと考えております。
    特に、来年7月の洞爺湖サミットにおきましては、ポスト京都議定書の枠組み作りの議長国である我が国が主導していくことが求められております。日本が提唱いたしました「クールアース50」においても世界的な二酸化炭素削減のための取組として長期的に次世代軽水炉をはじめとする革新的な原子力技術開発を進めること、それから中期的には原子力の安全で平和的な利用拡大のための国際的取組や、原子力導入のための支援を進めることが掲げられており、その着実な実施が求められております。
    本日の部会におきましては、このように国内外の環境変化を受け、新たに提示された課題について、我が国としてどのように対応していくべきかなどにつきまして、委員の皆様から忌憚の無い御意見を賜り、「原子力立国計画」を今後とも着実に実施していく上での新たな御知見、アドバイスを御教示いただければと存じます。
    最後に、是非とも活発かつ有益な御審議をお願い申し上げて、私の御挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。それでは、審議に先立ちまして、まず今回から新たに委員に御就任いただきました方々を御紹介させていただきたいと思います。事務局からお願いいたします。
  • 高橋原子力政策課長
    それでは、事務局から、今回新たに就任された方の御紹介をいたします。浦谷良美委員、社団法人日本電機工業会原子力政策委員長、三菱重工業取締役常務執行役員でいらっしゃいます。
  • 浦谷委員
    浦谷です。どうぞよろしくお願いします。
  • 高橋原子力政策課長
    それから、清水正孝委員、東京電力株式会社取締役副社長でいらっしゃいます。
  • 清水委員
    清水でございます。よろしくお願いします。
  • 高橋原子力政策課長
    それから、高橋雅博委員、全国地方新聞社連合会会長、北海道新聞社東京支社長でいらっしゃいます。
  • 高橋委員
    どうぞよろしくお願いいたします。
  • 高橋原子力政策課長
    それから、中川英之委員、福井大学理事・副学長でいらっしゃいます。
  • 中川委員
    中川です。どうぞよろしくお願いします。
  • 高橋原子力政策課長
    南雲弘行委員、全国電力関連産業労働組合総連合会長でいらっしゃいます。
  • 南雲委員
    南雲です。よろしくお願いいたします。
  • 高橋原子力政策課長
    服部拓也委員、社団法人日本原子力産業協会理事長でいらっしゃいます。
  • 服部委員
    服部でございます。よろしくお願いします。
  • 高橋原子力政策課長
    また、本日は御欠席でございますけれども、村井嘉浩委員、原子力発電関係団体協議会会長、宮城県知事にも新たに御就任いただいております。
    なお、これまで本部会の審議に御尽力いただきました児嶋委員、古谷委員、斎藤委員、築舘委員、中島委員、古川委員は御退任されております。現在の委員名簿は資料1として本日お配りいたしておりますので、御覧いただければと思います。
    なお、本日は所用のため、植草委員、内山委員、金本委員、木場委員、神津委員、寺島委員、村井委員、和気委員が御欠席となっております。内藤委員につきましては、代理で村上様が御出席いただいております。
    続きまして、事務局に人事異動がございましたので、御紹介だけさせていただきます。電力・ガス事業部長に西山が着任しております。
  • 西山電力・ガス事業部長
    西山でございます。よろしくお願いいたします。
  • 高橋原子力政策課長
    それから、電力・ガス事業部政策課長に後藤が着任しております。
  • 後藤電力・ガス事業部政策課長
    後藤でございます。
  • 高橋原子力政策課長
    同じく電力基盤整備課長に吉野が着任しております。
  • 吉野電力基盤整備課長
    吉野です。
  • 高橋原子力政策課長
    それから、放射性廃棄物等対策室長に渡邊が着任しております。
  • 渡邊放射性廃棄物等対策室長
    渡邊です。
  • 高橋原子力政策課長
    申し遅れました私は原子力政策課長の高橋でございます。よろしくお願いいたします。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。では、続きまして事務局から配付資料の確認をお願いいたします。
  • 高橋原子力政策課長
    本日は、お手元に座席表、それから議事次第、その後に資料1、資料2-1、2-2、2-3、それから資料3、資料4、それから資料5-1、5-2、あと資料6。以上、11点の資料をお配りさせていただいております。不足、欠落等がございましたら、お知らせいただければ事務局のほうから対応させていただきたいと思います。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。もし不足されている方がおられましたら、現在、あるいは後ででも言っていただければと思います。
    それでは、本日の議題に入りたいと存じます。議題1としまして、「中越沖地震の柏崎刈羽原子力発電所への影響と政府及び電気事業者の対応について」でございますが、まず清水委員と、それから事務局の方から御説明をお願いしたいと思います。まずは清水委員からお願いいたします。
  • 清水委員
    清水でございます。それでは、報告させていただく前に一言申し述べさせていただきたいと思います。
    まず、このたびの中越沖地震で被災された地域の方々には心よりお見舞い申し上げたいと存じます。柏崎刈羽原子力発電所も、大変大きな地震の直撃を受けまして被災いたしましたが、ただいま望月長官からお話がございましたとおり、止める、冷やす、閉じ込めるという原子力で一番大事な、安全上重要な機能は正常に作動いたしまして、原子炉は安定した状態で停止いたしました。また、地震発生時、発電所構内には当社の社員や協力企業の作業者の方々が約2,000名働いておりましたが、数名が打撲やすり傷などの軽症で済みました。大きな人身災害には至りませんでした。
    しかしながら、一方で、変圧器の火災や、周辺環境に影響は無いとはいえ、微量な放射能漏れが発生し、初期消火に手間取ったこと、また、安全に関する情報を必ずしもタイムリーにお伝えすることができず、立地地域の皆様をはじめ、関係者の方々にも御迷惑、御心配をおかけいたしました。改めて心よりお詫び申し上げたいと存じます。今回の反省の上に立ちまして、早急に改善策を施し、それを確実に実践してまいる所存でございます。
    柏崎原子力発電所は、御案内のとおり膨大かつ多岐にわたる設備が設置されておりますが、現在、一歩一歩着実に調査、点検を進めておりまして、引き続き設備の安全性、健全性をしっかり確認してまいります。そして、今回の事象から得られました知見、教訓をいかして、改めて災害に強い、安全な原子力発電所につくり上げ、そして、立地地域の皆様の安心を第一としまして、迅速、正確な、そして分かりやすい情報公開や事業者としてのリスク管理活動をより徹底してまいりたいと考えております。
    言うまでもなく、「原子力立国計画」にありますとおり、我が国にとって原子力の重要性は今後とも変わるものではございません。また、今回大地震に襲われましたが、私ども事業者としましては、まず何よりも地域の御理解をいただきながら原子力を推進していく、この確信と熱意はいささかも揺らいでおりません。
    どうか引き続き各界の御理解と御支援をよろしくお願い申し上げたいと思います。
    それでは、今回の地震関係につきまして、弊社の原子力・立地副本部長の武藤から報告申し上げます。よろしくお願い申し上げます。
  • 東京電力(武藤)
    東京電力の武藤でございます。それでは、お手元の資料2-1を使いまして、柏崎刈羽原子力発電所の状況と電力需給について説明申し上げます。
    資料の2ページと3ページを御覧いただけますでしょうか。7月16日に中越地方に震度6強の激しい地震が発生いたしまして、柏崎刈羽原子力発電所は大きな影響を受けたわけでございます。今回の地震は設計時の想定を上回るものでありましたけれども、当時運転中でありました2号機、3号機、4号機、7号機の4つのユニットは地震発生と同時に自動停止いたしました。定期検査で止まっておりました残りの3つの号機も含めまして現在7機全てが安定した状態で停止しております。発電所では設備の損傷、不具合等が多数発生いたしました。資料にございますとおり、不適合事象は9月13日までに2,758件発生いたしておりますけれども、プラントの周辺施設等、安全重要度の低い施設におけるものがほとんどでございます。
    それでは、4ページ、5ページを御覧ください。地震発生後のトラブルが3件ございまして、その中の一つでございます。地震発生直後に3号機の所内変圧器で火災が発生いたしました。これは地盤沈下によりまして、ダクトと接続端子がショートいたしまして、トランスから漏れた油に引火したものでございます。パトロール中に火災を発見いたしました4名が当直長に連絡した後、直ちに初期消火に当たったわけですが、消火系の配管が地震で破断していたということで、消火栓の水圧が低く、十分な消火活動ができませんでした。結果といたしまして、地元消防による鎮火までの約2時間、火災の状況がテレビで中継されまして、国民の皆様に大変な御心配をおかけいたしました。深くおわび申し上げます。
    6ページ、7ページを御覧ください。地震発生当日、6号機で放射性物質を含む水が放水口から海に放出されるトラブルが発生してございます。地震の揺れであふれました使用済み燃料プールの水が、電線管などを伝いまして放射線管理区域の外に流れ出たことが原因と推定しております。しかしながら、漏れました水に含まれております放射能量はごくわずかでございまして、これによって受ける放射線量は人が1年間に自然界から受ける量の約10億分の1でございます。本件による環境への影響はございません。本件につきましては、放射能の測定、確認に手間取りまして、発表が遅れましたことにつきまして深く反省いたしております。
    8ページ、9ページを御覧ください。地震の翌日、7号機の排気筒の定期測定で放射性物質が検出されました。これは原子炉が自動停止した場合、一定の時間内にタービンのグランド蒸気の排風機をとめなければならないのですが、その停止操作が遅れたことが原因と推定してございます。しかしながら、放出されました放射能量はごくわずかでございまして、これによって受けます放射線量は人が1年間に自然界から受ける量の約1,000万分の1ということで、環境への影響は無かったと評価してございます。
    11ページを御覧ください。今回の反省を踏まえまして、私どもは改善計画を提出いたしまして、既に出来るものから改善を始めております。具体的には、弊社すべての原子力発電所内に24時間体制の消火班を設置いたしまして、化学消防車を配備いたしました。また既に休祭日の放射線の測定員を増強してございます。今後は、放射性物質の漏えいの可能性が認められた時点で通報連絡を実施いたします。それから、緊急時対策室の強化、通信回線の強化といったようなことを行ってまいりたいと思っております。
    12ページを御覧ください。これまで約90回のプレス発表を行うとともに、できるだけ現場の状況を御覧いただくということで、積極的な公開を行っております。地域の皆様には新聞広告、チラシ等で情報提供しております。それから、地震直後には、発電所の職員が待避所へチラシを持参したり、訪問して説明を行ったりいたしております。
    それから13ページを御覧ください。今後発電所では、総力を挙げまして詳細な点検を実施していくこととしております。損傷いたしました機器につきましては順次復旧してまいりますけれども、非常に膨大な数の機器、配管がございますので、1つ1つの健全性を厳密に確認するのはかなりの作業量がございます。安全上、重要な設備につきましては、解析評価、それから専門家による詳細点検等を実施するということで、いましばらく時間がかかると考えております。最も重要な原子炉圧力容器の内側につきましては、8月21日から1号機で点検を始めております。今までのところ異常は認められておりません。ここには例示といたしまして、1号機の点検スケジュールを出しておりますけれども、7機すべてにつきまして、こうした形で毎週スケジュールを公表いたしております。点検中に出ました不適合につきましては、公表基準の考え方に則って速やかに公表してまいりたいと思っております。
    14ページを御覧ください。耐震安全性の評価でございますけれども、今回の地震で得られましたデータの分析・評価を行うとともに、海、陸の地質調査を実施いたします。これらも含めまして地震動を決めまして、安全上重要な設備の耐震安全性評価を行ってまいりたいと考えております。
    16ページ、17ページを御覧ください。今年の夏の電力需給について説明申し上げます。当初、最大電力は平年並みの暑さの場合に6,110万キロワットと想定しておりました。これに対して、供給力は6,500万キロを確保しておりました。しかしながら、今回の地震によりまして、柏崎刈羽原子力発電所が全台停止し、供給力が約700万キロワット低下したということでございまして、急遽他の発電所の増出力、他電力からの応援融通等によりまして、約470万キロワットの供給力を確保した上に、さらに広く一般のお客様に節電をお願いすることなどで、気温が著しく上昇して需給が逼迫する場合に備えておりました。
    御存じのとおり、今年の夏は大変な猛暑となったわけでございますが、8月22日に最大電力6,147万キロワットを記録いたしました。この日は、その前の日までに用意いたしました供給力に加えまして、他電力からの追加の応援融通、それから塩原発電所の緊急・暫定運転、それから17年ぶりにお客様との契約に基づく電力の使用抑制をお願いするといった緊急対策を実施いたしまして、予備力を何とか確保することができました。
    19ページを御覧ください。節電のPRが記載してございます。何とか御協力いただけましたおかげで、この夏を乗り切ることができました。誠にありがとうございました。
    20ページを御覧ください。柏崎刈羽原子力発電所は、私ども東京電力の設備量の約1割強、発電量の2割弱を担っております。今回の地震によりまして、今年度予定しておりました発電電力量が約400億キロワットアワー程不足いたしますけれども、当面の不足分につきましては他電源からの追加調達等によりまして供給力を確保してまいります。今後、今回の地震の教訓を十分に生かしまして、リスク管理を強化して、災害に強い発電所とするように努めてまいりたいと考えております。私どもといたしましては、今後もそれぞれの電源が持ちますメリット、あるいはリスクを踏まえて、電源のベストミックスを構成していく中で、原子力政策大綱、あるいは原子力立国計画を踏まえて、原子力を中核電源として活用してまいりたいと考えております。
    私の説明は以上でございます。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。引き続きまして、事務局から説明をお願いいたします。
  • 吉野電力基盤整備課長
    それでは、私のほうから資料2-2に従いまして、この夏の電力需給への対応につきまして御説明申し上げます。
    まず、1.柏崎刈羽原子力発電所停止後の対応でございますが、7月20日、経済産業省の中に関東圏電力需給対策本部を設置、開催いたしまして、この夏の需給対策を決定いたしました。東京電力に対しまして更なる供給力の確保を求めたほか、関係省庁、それから関東圏1都8県、産業界約1,050の団体に節電等の要請を行いました。
    それから、2.この夏の需給状況が厳しくなったときの対応としまして、まず8月20日の週の初めでございますが、翌日、火曜日の最大需要が6,000万キロワットとなる見通しが示されたことを受けまして、甘利経済産業大臣から談話を発表して、再度、節電の要請をいたしました。8月22日につきましては、今、武藤氏のほうから報告があったとおりでございますけれども、当省におきましても西山電力・ガス事業部長が記者会見を行いまして、需給状況の説明とともに、節電への協力要請をいたしたということでございます。
    次のページ、はしょりますが、3.今後の対応でございます。この夏につきましては、とりあえず一段落ということでございますけれども、今後とも関東圏の電力需給は厳しい状況が続くと考えられます。引き続き電力の需給状況、特に冬の需要期に向けての需給について注視していくことにしたいと考えております。今後、需給の状況を見ながら、冬期の省エネなかんずく節電対策につきまして、必要に応じて設置いたしました需給対策本部、またはその下にございます幹事会を開催して、必要な対策に万全を期してまいりたいと思っております。以上でございます。
  • 鈴木立地・広報室長サイクル課長
    続きまして、資料2-3でございます。風評被害対策について御説明いたします。
    風評被害の防止のためには、正確な情報の提供が重要であるということから、幾つかの広報関連の取り組みを実施いたしました。
    1枚めくっていただきまして、その新聞記事は7月31日の首都圏向けの全国紙、及び新潟県の地元紙に経産大臣、新潟県知事、柏崎市長、刈羽村長からのメッセージを発信するという形の新聞広告を掲載いたしました。その次のページですが、これは政府広報誌の8月10日付の「Cabiネット」でございますが、この中で、さらに1枚めくっていただきまして、安倍総理の被災地視察とあわせまして新潟県のイベントや産品をPRするという記事を載せさせていただいております。さらに1枚めくっていただきまして、「新潟県の皆様へ」というものですが、これとその次のページのものについては、新潟県下向けの新潟日報、これは新潟県の地方紙でございますけれども、ここにおきまして柏崎刈羽原発の影響及び現状について、あるいはこれを受けました原子力安全・保安院の取り組みというものを原子力安全・保安院からこのような新聞記事を掲載しております。それから、最後のページでございますが、これは国土交通省が9月2日付の読売新聞に掲載したものですが、ここでやはり新潟県のイベント及び産品についてのPRを行っております。
    これらのいわゆる紙媒体のほかにも、最初のページに戻っていただきまして、1.(2)ですけれども、8月13日には日テレ系の番組「ご存じですか」というものに、新潟県の職員に出演していただきまして、地元産品のPR等をしていただいております。それから、8月19日のNHK「日曜討論」におきましても、資源エネルギー庁の長官が出演しまして、政府一体として風評被害をなくしていく旨のメッセージを発出いたしました。(4)ですが、8月25日及び26日に、イトーヨーカ堂ららぽーと横浜店におきまして、柏崎の事業者に出展していただきまして、物産展を開催いたしました。
    そのほか、2.ですけれども、「国の顔が見える」広聴・広報活動の一環としまして、「個別意見交換会(座談会)」というものを全国20カ所で開催中でございます。このような場を活用しましても、正確な情報を直接住民に伝達していきたいと考えております。
    なお、風評被害の状況ですが、新潟県からの情報でございますけれども、県内の宿泊客は、市町村の数施設を抽出した調査と聞いておりますが、8月、9月は全体で概ね前年比1割程度の減少があったと聞いております。地震発生から約2カ月が経過いたしまして、県内の風評被害は全体としては鎮静化してきているというようなお話もございました。一方で、柏崎刈羽の状況は依然として厳しいというお話もございました。経産省としましては、今後とも風評被害をなくしていくため、地元からの要望も踏まえまして、関係省庁とも連携しながら、出来る限りの対策を講じてまいりたいと考えております。
    以上でございます。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明に対しまして、委員の皆さんから御質問、御意見などお伺いしたいと思います。本日は時間も限られてございますし、たくさんの委員の方が御出席されてございますので、各委員とも御発言に3分程度ということで、よろしくお願いできればと思います。また、御発言があるときには、ネームプレートを立てていただければ、こちらのほうから指名させていただきます。
    それでは、御質問、御意見等をお願いしたいと思いますが、まず初めに挙げられました河瀬委員、お願いします。
  • 河瀬委員
    よろしくお願いいたします。久しぶりに出てまいりまして、私も中越の方へ訪問させていただきました。私も全原協の仲間でございますし、その意味合いも兼ねて、また東電さんにもお世話になって、中等も全部視察させていただきまして、大変すさまじい地震が起きたということでびっくりしたところでございます。ただ、お話が先ほどからありましたように、極めて重要な部分については安全に作動して動いたということは、私も原子力を持っております地域にとりましては一つほっとしたところでもございます。ただ、地震というのは、いつ何時また起きまして、大変あのような大きな揺れがありましたので、先ほど東電の方からお話がございましたけど、当然100%ちゃんと対応することは人間として難しいということも感じたところでございますが、被災された皆様方には本当に心からのお見舞いをまず申し上げたいと存じます。
    そこで、対応等についてもそこそこやられたというのは感じたのですが、やはりメディア情報の中で、今ちょうど風評被害の話が出ましたけど、私どもも昭和56年に日本原電の放射能漏れの事故があったときも実は非常に大きな風評被害がございまして、大きなショックを受けた経験を持っております。そういう観点から、マスコミの皆さん方もお越しでありますけれども、事実なのですが、漏れたということが大きく報道され、現実は1年間に浴びる量の数千万分の1であるということが実態、逆に言えば数千万分の1の量の放射能が漏れたというものが最初に出ればいいのですけど、後ほどいろいろ風評被害対策ということで今お話も聞きましたが、実はこういうのは焼け石に水みたいなところがございまして、全国にばーっと広がった後に「大丈夫ですよ」という効果は、私は非常に薄いと感じております。もちろんやらなくちゃならないことは事実でございますけれども、それを回復する力というのは、最初に受けたインパクトのほうが大きいものですから、なかなかそれをスカッと回復するというのは難しいかなという観点から、是非今後とも色々なトラブル、私どもは無いように祈っておる立場でございますが、あったときの対応を、直ちに広報等、またマスコミの皆様方も是非事実の中でまず大丈夫であるというのが先に報道されればありがたいかなと実は感じておる1人でもございます。
    そういう観点で、広報のあり方等について、それと普段から色々な知識というものを私はいつもお願いして言っておりますけど、国民の皆さん方がよく原子力に対する知識を持っておれば、この風評被害はかなり減らせると思っている1人でございますので、是非そういう対応を今後ともしっかりやっていただきたいと思います。
    新潟県全体も色々なことを聞いております。特に今、まだ柏崎刈羽の方では、なかなか回復してきていない、人も来てもらえないという状況が続いておるようでございますし、皆様方も、やはりそういう地域の皆様方の応援という意味も込めまして、是非対応をとっていただきたいと思っておるところでございます。是非今後とも、私ども立地地域にとりまして、風評被害という言葉が出ないような対応をひとつしっかりととっていただくことを切に願っておりますので、よろしくお願いいたします。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。続きまして、神田委員、お願いします。
  • 神田委員
    何年か前に東京電力のトラブルで、一斉に原子炉が止まった時です。排出する炭酸ガスがどれだけ増えたのかということを、実は経済産業省のほうはちゃんとやらなくて、環境庁がやったデータが発表になった。そのデータは、原子力委員会の白書に出るという形で出ました。そのときに、そのすぐ後にあった日米会議で、アメリカ側が、東京電力は原子力というものをちゃんと評価して、原子力を止めるとどれだけ日本の炭酸ガスが増えたというのを公表したらどうかというかなり強い意見が出されました。
    今回の場合も、これによって我が国の炭酸ガスの排出量がどれぐらい増えるか、例えば朝日新聞なんかは2%とか適当な数字を発表していますけれども、国として、あるいは東京電力としてどれぐらいのものかということを、ある時期にはちゃんと発表したほうが良いのではないかという気がします。それから、特に来年からは2008年の計算の時期に入っていきますから、そこまで尾を引くのかどうかという当たりを、今お答えにならなくてもいいです、どこかでちゃんと発表しておいたほうが良いのではないかと思います。以上です。
  • 田中部会長
    ありがとうございます。秋元委員、お願いします。
  • 秋元委員
    非常に微量の放射能が漏れたという話なのですけれども、今の説明にございますように、非常に低い、実は流れ出た先の海にも、例えばウランなどいろいろな放射性物質がもともと天然に溶け込んでいますが、その海のレベルとほとんど変わらない程度のものしか出ていないわけであります。こういったことがこれだけ大きく騒がれて、風評被害になってしまうということ自体、(説明不十分という話もあるのですけれども)最初の発表でも何ベクレルかという数字は出ているわけでして、それを結局どうとらえるか、受取る社会に(これはマスコミもそれから周り全部を含めまして)それを評価するセンスがなかったと言わざるを得ない。更にはいわゆる放射能に対する過剰なアレルギーがあって、良識的な判断を打ち消すように働いたのが原因だろうと思っています。
    そういうことで、風評被害が出たわけですけれども、風評被害が出るたびに対症療法をやるわけです。対症療法というのは、非常にお金も手間もかかりまして、結局やっぱりある程度時間を待つしかないということになってしまうわけでして、それよりはアレルギーの元から消す、いわゆる感作療法といったことが必要なんじゃないかと思います。これは後で立国計画の中でも指摘をしたいと思っていたのですけれども、微量の放射能、放射線が生体に及ぼす影響に関するPRが非常に欠けているということがあると思います。特に教育の場でそういった放射線の被曝に関する教育が十分なされてこないということもあるわけですし、また本当に生態的にどういう影響があるのかという事の研究も十分にはなされていない、ということがあるのだろうと思います。
    今までも何回か放射能パニックがあったわけですけれども、今度の事は非常に良い教訓であろうと思いますし、是非ともこの機会に徹底的に、いわゆる過剰なアレルギーを国の中からなくしていくような教育、あるいは広報、さらには医学的な研究に腰を入れてやっていくということを、お願いいたしたいと思っております。以上であります。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。続きまして、河野委員、お願いします。
  • 河野委員
    7月16日という歴史的な日があって、丸2カ月経ったのですよね。この2カ月間を大局的に見ると、やっていることの中心は応急対策だったのです。というのは、火災が起こったということは、随分強い印象を与えた。連絡体制が、地元並びに中央の保安院だとかエネ庁、それから内閣官房に対する連絡が不十分だった。特にさんざっぱら書かれたのです。もう一つはマスコミの報道のあり方。これは今ちょっと2人の方がおっしゃっていたので加えることは無いけど、私は一応マスコミの卒業生として当たり前に言うことが許されるとすれば、明らかに一部の新聞なり一部の報道、若い記者が随分はね上がった、事態の評価を誤った、漏れた何とかということを、言葉だけが引用されて、実態の影響はどうだったかというと、バランスのとれた報道ができなかった。一部ですよ。総合的に考えてみて、それが風評被害に至ったのです。誰がどの責任だというのは難しいけど、この3つのことは間違いない。
    結局、この議論を鎮静化させたのは、情けないことにIAEAの専門家の現地視察後の評価レポートの発表でした。その後で、東電の夏の対策が出来上がって、一応これもクリアした。相対的に判断して、情報の連絡体制については随分と欠点があったことを皆自覚して手を打たれている。火災対策については抜本的な手が打たれつつある。マスコミのほうも実は内々で、自分らの報道したことに対する検証は行われていると私は信じたい。その形跡は幾らでも感知することが出来るから。全く無責任に書き放題書いて、俺達知らないよというんじゃ、マスコミが一番信頼を失うことになる。それは行われていると信じたい。
    したがって、全体として見れば、この2カ月間の第1期間というのは応急対策中心でやったけれども、とにかくかろうじて、1つ1つ点数をつけるのは難しいが、世界最大の原子力発電が巨大地震に見舞われたということの異例さを考えてみれば、全体の対策は、まあまあ許容出来る範囲内ですれすれ合格に近いところまで来たと思うのです。
    さっき長官からも異例の挨拶があったと僕は思っている。歴代長官から色々な挨拶を受けたことがあるけど、今日の長官の挨拶ぐらい、言いたいことをきっちり言うぞという決意が表れているのは珍しい。当然あるべきですよ、そんなことは。やっぱり3年間の討議の示した原子力立国計画を去年策定して、今年の3月に閣議決定でエネルギー基本計画にそれを全部盛り込んだ。だから国内の議論は混迷しているが、全体としてみれば、やっぱりこれはなるべく早く再開しなくちゃ、国益に関するという理解が一応あって、基本的にそれは揺らいでないと僕は思っているのだ。去年決めた立国計画はこの急場を支える役割を果たしていると思う。
    問題は、これから後、もう既に第2期は始まっているのです。我々が注目するのは、さっき清水さんもちょっとおっしゃっていたけど、10月初め、7号機の内部点検の結果がどう出るかということに最大注目点。2番目に、それよりウエートは低いけど、10月26日の静岡地裁における浜岡1号、2号、3号、4号機に対する運転差しとめ訴訟に対する判決が出る。ある程度予想はつくけど、いずれにしろ、これはマスコミの連中だけじゃなくて、皆の重要な関心事です。我々は静かにそれを見守りたいと思っているのです。どうやら、皆様がかなり冷静に扱うようになったので、科学的な、合理的な、冷静な議論が行える雰囲気だけは(空気は大切だから、いつの世の中でも)かろうじて今、まだ確保されているのではないかと。
    今日、長官の挨拶もあったし、後で部会長の見解もあると思うけれども、この時に我々はどう考えるのだと、原子力部会としては言うことをしっかりと世の中にメッセージを送ることは絶対です。こんなチャンスはあんまり無いわけだから。皆さんの意見を聞いた上で、まとめてもらいたい。以上です。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。次は大橋先生、お願いします。
  • 大橋委員
    この場で申し上げる話かどうかよくわからないですけど、先生方の御意見と私も全く一緒なのですが、ちょっと気づきましたのは、別のところで質問したのですけど、風評被害等についていろいろ対策を講じられておられることは大変評価しているのですが、やはり頭にはマスメディアの報道というのがあるわけです。それで、我々専門家の立場というのも、特に専門家は偉いと言うつもりは全くありませんし、マスメディアを批判するつもりも全く無いですけれども、原子力のような非常に高度に技術的な問題については、やはり科学技術的な知識が無いと非常に正確で迅速な判断は難しいという側面があります。
    例えばベクレルと聞いても、それがどれぐらいの意味合いを持つのかというのは分からないわけです。ところが、政治とか経済については、専門家の方もいらっしゃって、これは一般の国民にも分かりやすい話であると。何が言いたいかは、ごく迅速に言いますと、要はマスメディアの方にいろいろ記事を書かれているのですけど、おたくには原子炉主任技術者とか、放射線取扱主任者はいらっしゃるのですかとお伺いしたら、押しなべていらっしゃらないと。そういう専門家の方がいらっしゃらなくて、どうやって客観的で正確な報道が出来るのか、非常に疑問に思ったのですけど、あまり申し上げてもしょうがないので、この辺でやめにしておきます。
  • 田中部会長
    次は、末次先生、お願いします。
  • 末次委員
    地震国としての自然災害、それに一番枢要な原子力発電所がまともにヒットを受けたという事例は、地球上のやはり多くの地震国、地震大国、それで原子力発電所を持っている諸国、あるいはこれから原子力発電所をつくろうという諸国に対して、大変重要なメッセージを今出しつつあるのではないかと思うんです。中国、フィリピン、インドネシア、インド、それから中欧、東欧、イタリア、この環地震帯諸国は非常に注目して見ている。つまり、マンメードのイベントに対する事象、事故に対する対応ではないのです。人類共通の非常に強度な自然災害に対して、こういう戦略的な、経済的なインストルメントがどう対応するのかという点では極めて世界共通の宿題、課題だと思うので、こういう観点から是非強いメッセージをやはり各省は出していかなきゃいけない。
    ありていに言えば、一体どういうテンポでチェックして、どういうテンポで立ち上げていくのか、この自然災害から立ち上がっていくのかということについてのメッセージを日本は出す責務がある。この点では、既に女川原子力発電所で非常に特殊な波動の影響を受けて、対応したわけです。そういうケースを既に我が国は持っているわけで、しかし、今から言えば、多くの専門家がおっしゃっていると思います。どうして、あの程度の事故、イベント、地震の対応に対して1年11カ月もかかったのですかということです。今回も同じ問題が問われていると思います。
    ですから、今日も長官がお触れになっているし、それから東京電力のレポートにもあったのですが、要するに基本的に急所をどうやって早く押さえるか。立ち上がりについて、自然災害からの対応について、どうやって急所を押さえるか、どこが急所なのかということ。その急所がどこであるかということをアイデンティファイして、対応策を早く打たなきゃいけない。その途中に、秋元先生のおっしゃった原子力発電に伴うアレルギー症状に対してどう対処するかという2つの側面があると思うので、いずれにしても、経済産業省にしても、関係各省にしても、産業界にしても強いメッセージを、急所を絞って、いち早く立ち上がっていくということについて強いメッセージをやはり出すべきではないかと思います。
    アレルギー症もこれは特別なアレルギー症じゃないと思います。これは要するに、言ってみれば花粉症みたいなものです。これもやっぱり血液を調べて、どのタイプの注射がいいかということがはっきりすれば対応出来るわけであって、安全、安心のアレルギーに対しては対応出来る。ですから、とにかく急所をアイデンティファイして早くやるということだと思う。
    時間的には、日本の原子力発電所をとにかくエネルギーの経済的セキュリティー、安全保障のつぼになっているわけですから、これが揺さぶられているわけです。今のままでいくと、おそらく化石燃料発電、発電セクターで化石燃料をうんと焚かなきゃいけない。僕のざっとした計算では、このままだと1年間におそらく80億ドル、9,000億円ぐらいの所得移転になってしまいます。原子力発電所がこういうことで、すぐ立ち上がらないということになると、これは非常に大きいと思います。介護費、医療費の年間の増分に相当する金額が所得フライトしていくわけですから、これは早くやはり阻止なきゃいけないと思います。以上です。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。後今3名の方々の手が挙がっていますので、その3名の方から御意見をいただいて、もしまた後でさらに御意見がありましたら全部終わってから議論する時間があるかと思います。次は木元委員、お願いします。
  • 木元委員
    ありがとうございます。今日は風評被害ということで、それは私が常に感じていて、今回の地震以後も発言していることもありますので、まとめてお話しさせていただきます。今回の風評被害の場合は、東京電力と、国が関与している部分、つまり自分が抱えていて、自分から出さなければ当事者の情報と、それからもう一つは第三者が得た情報、言いかえれば自分が取材した情報を2次的に自分の所属するメディア媒体を通じて出した情報との2つに分けて考えないとうまく整理がつかないところがあります。
    今回、当事者が出していた情報というのは、間接的にNHKなり何なりが上空からテレビで取材していた画面です。事例は変圧器の火災です。あれは燃えていました。でも当事者のだれもコメントはしていませんでした。コメントをしているのは、ヘリから撮っている事象に対して、テレビ局のキャスターであるとか、あるいは取材している記者自身で、何か燃えている、だれもいない、白いホースはあるけれども放置したままで水は出ていない、激しく燃えている、壁に延焼しないだろうかと、ヘリコプターに乗って取材している人としては、こういう煽り立てるような現場の情報しかコメント出来ないところがありました。
    これがショックだったのですけれども、この場合に何が大事かというと、1次的に画面を作ってしまった当事者の存在です。東京電力はその画面を見ているはずです。放送の画面を見ていたなら、そこですぐ放送局なり何なりに、コメントさせてくださいと連絡すべきでした。それが広報です。私は、東京電力はまだ非常時の広報体制というのが整っていなかったから、どういうふうに連絡していいか分からなかったのだろうと思うのですが、社長直属の広報・スポークスマンが権限を持って、非常時の対応として即コメント出来る体制を作ってほしいのです。
    今回の変圧器の火災の場合だったら、画面を見ながら、「今届いた情報を早速申し上げますけれども、あの変圧器に消火すべく防でホースを持ってきましたが、全く水が出ません。周辺に人がいないように見えますが、ここの建屋の後ろに3人待機しております。それで燃焼の状況を監視しております」と。そして例えば、「正直申し上げて、あの変圧器に入っている油の量は計算できています。これは燃え尽きるのに後1時間弱はかかるかもしれません。しかし燃えても、隣接は防火壁で類焼するものではありませんので、見た目は燃え上がって怖そうに見えますけれども、これは1時間弱で消えます」。それから、「消防署には連絡を入れております」、入れている、いないということで間接的にメディアはコメントしていましたから。次に「入れておりますが、到着するのに時間がかかるようです」と、随時責任を持ったコメントを当事者がやらなければ、不安をあおり立てるだけなのです。
    ですから、メディアは、当事者がだれも言わないものだから、自分たちが類推して言っているわけです。それが夕方ずっと遅くまで続きました。また、今度は夜の提示の報道番組で、男性と女性のキャスターがいて、こちら側にコメンテーターがいる夜10時からの番組です。そのときに言ったことは、変圧器が燃えているVTRを見ながら、「どうしたのでしょうね。消防署に3回連絡したとか何とかって言いますけれども、東電っていうのは隠ぺい体質がありますからね。知らせなかったのじゃないんでしょうか」ということです。すると、コメンテーターも「考えられますよね」と同意しているのです。そうすると、それがもう「知らせない体質を持っているから、知らせないでほったらかしていた」ということが事実として喧伝されるわけです。ですから、非常時の場合に、仮にそこまで言われたなら尚更、すぐそこに電話を入れるなりして、訂正を申し立てるという体制ができていればここまで風評被害はなかったと思うのです。そういう残念さがとてもあります。
    それから、同じような局の番組で、どうも放射能が漏れたと。それでガイガーカウンターみたいなのを持って船を出しているのです。「どれだけ検出されるか、皆さんはかってみましょう。あれ、出ないですね」とやっているのです。ここにはちゃんとした放射線学者の方がいらして、これはよかったのですが、「出るはずありませんよ」と言っていらっしゃった。そういう情報がいろいろ混在して出てきているので、風評は拡大しました。
    私も、メディアにまだ関連しておりまして、こういう立場ですから、自分でできる限り、「これは違う」という訂正をいたしました。例えば、今年の夏は電力が足りないから契約しているところに需要の抑制をしてもらいたい、調整をしてもらいたいという要請をしたというニュースで、「何だ、東電は!」とキャスターがボードを叩いて、「自分のところでこういう災害があって電力が送れないのに、電力が必要な工場に操業を減らしてくれっていうのは何事だ」と言うわけです。私は番組に出演していましたので「いや、こういう調整契約をしていて、電力も安く提供している。いざというときには、申しわけありませんけれども少し需要を減らしていただきたいという契約内容でやっている。しかもこれは任意」と言いましたら、「あ、そう」で終わったのですけれども、例えばそういうふうに、その物事を知っている人がテレビ局の中でコメンテーターでいるならば、状況は随分変わるだろうと思うのです。
    これはまた、国民の方に色々な形で知識を得ていただくということになるかもしれませんけれども、やはりいざというときのために、特に原子力の場合は誤解が多いですし、先ほどのアレルギーがあるというお話もありますから、正確な知識を持っていて、正確にコメント出来る人を私は欲しいと思います。第1次的に情報を出す当事者と、それから2次的に情報を発信するメディアの側と、両方を押さえていかないといけないと強く感じております。
    最後にもう1つ申し上げさせていただくと、例えば視聴者には、知りたい情報というのがあるのです。では、知りたい情報は何だろうか、つまり広聴の部分に当たりますけれども、それをちゃんとわきまえて、情報を出していかないと、届かない情報と全く同じになっています。情報が届かなかったということになるのです。知りたい情報は何だろうか、そしてそれをどうやって届かせていったらいいのか、この辺はきちんとこれから真剣に、事業者、国、国民、皆で考えていかないと、風評被害はなくならないと考えますので、そういう意味ではいい契機だったかもしれません。ありがとうございました。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。秋庭委員、お願いします。
  • 秋庭委員
    私も2つ申し上げたいと思うのですが、1つは、この地震が起きたときの情報提供のあり方ということで、先ほども清水委員から情報提供の御説明がありましたが、日ごろは地域の皆様の御理解があってこそということで、地域の皆様第一と言いながら、実は地域の方への情報提供が大変遅くなったということがとても残念です。
    地域の方々に、東京電力からチラシが出されたのは7月26日と聞いております。もちろん東京へ、マス媒体に向かって言うこともとても大事なのですが、やはり地元の方々にまず御説明するということがとても大事だと思っていますので、今後、情報提供のあり方というのを是非考えていただきたいと思っています。
    また、国においても、先ほどいただいた資料でも、8月1日の新聞広告になっておりますが、こういうことが起きたときに、災害というのは予想出来ないわけで、急に紙面をとるということは難しいと思いますが、地元の方々の安心を得るために、できるだけ早く紙面取り出来るように努力をお願いしたいと思っています。
    やはり風評被害をなくすためには、地元の方々が外でこういうでたらめなことを言われても、そうではないと地元の方たちが外に向かって言うことが大事だと思っておりますので、まずは地元の方々にいち早い広報をお願いいたします。
    そして、今、もう一つ言えることは、町の中、柏崎刈羽の地域の中では、本当に全壊した家、半壊した家、そして商売が立ち行かなくなった方々が沢山いらっしゃっています。これを片づけようにも資金の目処が立たないということもあったりします。今、その町、地域が再生に向かって動いているときに、こんなときこそ発電所と地域との共生ということについて真価が問われるのではないかと思っておりますので、色々な問題はあるとは思いますが、本当の意味での共生になるように協力することがあるといいなと思っております。
    私たちも、地域と、そしてこの電気をいつも送っていただいている首都圏の者とがこれから一層交流を深めて、私たち自身も応援出来ることがあったらいいなと思っています。以上です。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。末永委員、お願いします。
  • 末永委員
    最後ですので、言うこともほとんどないのですが、まず私が、事故といいますか、地震が起こって、それが報道されたときに最初に思いましたのは、これは東京電力さんを褒めるわけでも何でもありませんが、日本の原子力技術は非常に高いといいますか、非常に完全なものだということをまず率直に感じました。
    運転中の原子炉はすべて自動停止、あるいは原子炉内の放射能放出を多層に防護する安全上重要な機能はすべて正常に作動して、原子炉は安定した停止状態に移行したということでありましたので、まさにその点は私は評価すべきであろうと思っています。
    さらにそういう中において、柏崎刈羽の原子力発電所がとまって、電力供給に対して大変不安な中において、東京電力がきちんとしたさまざまな手立てをとって、要するに公の使命を果たした、簡単に言えばそういうことになるのですが、私は、電力供給者として当然と言えば当然ですが、やはり大変称賛されてしかるべきであろうと思います。その点において、また国のほうもさまざまな形でサポートしたということでありましたので、それもまた大変良かったということをまず思っております。
    その次ですが、いわゆる風評被害の問題ですが、実はこの風評被害というのは多分どうしてもなくならないだろうと思っています。例えば、私の住んでいる青森県においても、たまたまある町でお米をつくっている方が首都圏の方に産直をやっていた。ところが、それが買ってくれなくなった。それは結局、再処理工場が動いたからだという、たったそれだけのことにおいて、風評被害だという訴えをしたこともあります。
    とにかく、風評被害というのは、ほとんど理由もなく、確たる客観的な事実も無い中でも起こってくるのが風評被害となっています。ただ、今回のこの地震に伴う風評被害を見ていますと、やはり先ほど皆さんが異口同音に指摘されましたように、大変マスコミの責任も大きかったと思います。私もテレビを見ていましたら、2時間ほど延々と変圧器が燃えているのをずーっと見せつけられた。あるいは、その後においても、例えば海水浴場にほとんど人がいない、それで先ほど1割ぐらい宿泊客が減ったというのを聞いて安心いたしましたけれども、そこの主人に聞けば、3割から半分ぐらい減っているということがまことしやかに流されていたということであります。この辺は、やはりもう少し客観的に、どのぐらい俗に風評被害があったか、これも難しいのですが、やはりとらえてみる必要性があるだろうと思います。
    ただ、その風評被害が起こった中において、また国のほうは、いわゆるマスメディア等々、さまざまな媒体を通しながら、要するに例えば首都圏で物産展といったものもおやりになったということを今日聞きまして、大変よかったと思います。このように、国のほうも被害、あるいは安全性だけじゃなくて、仮に風評被害が起こった場合には、それをどうするかということで、先ほどもおっしゃっておりましたが、国の顔が見えるさまざまな広報・広聴を今後ともやっていただきたいと思います。
    同時に、もう一つは、これも皆さんがおっしゃっていましたけど、やはり過剰な核アレルギーといったものがございますので、この辺も、事業者はもちろん、国のほうも客観的な、あるいは科学的な事実というものを国民に広く知らせていっていただきたい。そういうことを同時にやっていかれることは、多分今後の風評被害をより少なく出来る。根絶は出来ないでしょうが、少なく出来ることになるかと思います。
    最後にもう一つは、IAEAが来られたということでございますので、IAEAの調査がどのようなものであったかわかりませんけれども、いわゆる国際的に今回の事象といいますか、地震による影響等とそれに伴う知見等々、これを国際社会全体のヒョウイ化に努めていくといったことも大変重要だと思いますので、その辺もよろしくお願いしたいと思います。以上です。
  • 田中部会長
    ありがとうございます。先ほど3名と申し上げたのですけれど、実はもう一人いらっしゃいまして、岡崎委員、お願いします。
  • 岡崎委員
    恐縮です。一言だけお願い申し上げたいと思いますが、もちろん今回の地震によって、東電は大変多くの教訓を得られたというわけであります。原子力に携わる者、東電ばかりではなくて、すべての人間が今回得られた教訓を速やかに反映していく努力をしていくべきであるということは言うまでもありません。
    ただし、その中にあって、先ほど引用されたIAEAの現地調査の報告、あるいは今日の長官や、あるいは東電からの御報告にもありましたとおり、基本的な原子力発電所の安全性の重要な機能は発揮したということであるならば、やはりできるだけ速やかに運転再開を目指して、東京電力だけではなくて、国もしっかりとした取り組みをしていくことが今後の風評対策だとか、これだけの原子力発電が社会や、あるいは国民、経済上重要であるという認識があるわけでありますので、是非運転再開に向けたしっかりとした取り組みを目に見える形で取り組んでいただくということが、何人かの委員もおっしゃったとおり大事なことであるということだけお願い申し上げたいと思います。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。次の議題に移りたいと思います。もし今までの質問等に対して事務局のほうから答えることはございますか。いいですか。
    じゃ、次の議題に移りたいと思います。議題2ですが、「原子力を巡る世界情勢と我が国における原子力立国計画の進捗状況について」、及びそれに関連する議題3、「平成20年度予算概算要求について」でございますが、あわせて事務局のほうから御説明をお願いします。
  • 高橋原子力政策課長
    それでは、私のほうから資料3、資料4に基づいて御説明させていただきます。
    資料3は、原子力を巡る世界情勢と原子力立国計画の進捗状況でございます。資料は厚いのですが、時間も限られておりますので、前回の部会から変化のあった点を中心にお話しさせていただきたいと思います。
    1枚めくっていただいて、2ページ目ですが、原子力を巡る世界情勢について簡単にポンチ絵でまとめておりますけれども、御承知のように、原子力産業というプラントメーカーのほうは、国際的な連携が進んでおりますし、一方では、原子力発電所を導入しようという国、地域の数も広がりを見せています。また、その規模も非常に大きくなっているということで、原子力政策自体も国際的な協調、連携がますます必要になってきています。そうした中で、これまでの日本の知見に対する期待も非常に高まっているという状況と認識しております。
    1枚めくっていただいて3ページ目でございますが、そうした中で、各国が原子力エネルギーに積極的に取り組む大きな理由といたしまして、エネルギーの安定供給、化石燃料の安定供給自体も非常に懸念されるという中で、やはり原子力エネルギーというものの重要性、それから地球温暖化対策への解決策としても原子力発電に対する期待が高まっているということで、環境を中心とする方々、あるいはこれまで原子力に対して否定的な御意見を持っていた方々、例えばラブロック博士とかパトリック・ムーア氏なども原子力に対して今後の重要なエネルギー選択肢として位置づけていくべきだというお話をされております。
    4ページ以降に、海外における最近の状況についてまとめてございます。細かな御説明は時間の関係上省略させていただきますが、米国でも30年ぶりに原子力発電所を設立しようという動きになっておりまして、政府も支援策を講じてきております。カナダも、古い原子力発電所の改修を通じた運転再開を進めておりますし、フランスも積極的に進めてきております。
    5ページ、その他の国について書いてございますけれども、ロシアは2030年には約30%までの原子力発電比率を高めるということで、2013年ごろから毎年コンスタントに原子力発電所の新規運転を目指しているという状況でございます。また、アジアに目を転じてみますと、経済成長の著しい中国、あるいはインドでも今後のエネルギー需要の高まりに対応するために原子力発電所を相当大規模に入れていこうという動きになってきております。また、南アフリカでは、先月、長期的に原子力の自給自足を政策目標とした新しい政策を発表しているという状況でございます。自国のウラン資源を活用しながら、原子力発電事業に取り組もうという動きが出てきております。
    6ページ以降は各国の状況でございますけれども、時間の関係上、細かな御説明は省略させていただきますが、6ページのアメリカでは、今年にも建設・運転許可の申請が具体的に行われる、一部資材の調達が既に手当てされているという状況になってきております。それから、10ページにヨーロッパの状況を書いております。ヨーロッパは全部で165基の原子力発電所がございますけれども、ここのところ新規建設を志向する国が増えてきております。旧東欧諸国でもそのような動きが広がってきております。それから11ページが中国でございます。中国では、2020年までに原子力発電容量を4,000万キロワットまで引き上げるという計画を持っております。具体的なプロジェクトが相当なスピードで動いてきておりますし、またウラン資源を確保するということで、例えばオーストラリアとの原子力協力協定を締結するというような動き、積極的なウラン資源の確保に動いております。インドもアメリカとの原子力協力協定に実質的にこの7月に合意するなど、取り組みを積極化しているところでございます。それから13ページ、ロシアでございますけれども、ロシアはウラン鉱山から発電プラントまで、川上から川下までの原子力発電プラント事業を統合した一大原子力企業をつくるという動き、積極的に国力として資源、原子力エネルギーを活用していくという動きでございます。14ページ、アジア各国、あるいは中東でも原子力発電所を入れようという動きが出てきている状況でございます。
    こうした世界の動きの中で、やはり日本はこれまで、今もお話がございましたけれども、逆風に耐えながら原子力発電を進めてきたということで、期待が高まっているということでございます。
    16ページに、私どもの今後の原子力政策の運営の方針という基本的な考え方を書いてございますけれども、2005年の10月に原子力政策大綱で基本的な目標が閣議決定されております。また、この部会では、昨年8月に原子力立国計画をおまとめいただいておりまして、ここに書いてありますが5つの基本方針のもとに具体的なアクションプログラムが制定されております。中長期的にぶれずに確固たる国家戦略としてこれを実施するということでございますので、私どももそういう視点に立って、国内においては基幹電源としての原子力発電の供給安定性をきちんと確保する、そのために必要な技術面での手当て、あるいは広聴・広報活動に取り組むということでございますし、世界的な視野からは、日本の技術力や平和利用の経験を生かして積極的に貢献していく。こういう内外両面をきちんと認識しながら進めていくということだろうと考えております。
    18ページ以下に、おまとめいただいた原子力立国計画のフォローアップということで最近の動きが書いてございます。時間の関係上、ポイントを絞って御説明させていただきます。
    19、20ページをお開きいただきますと、原子力発電所の新・増設、リプレースのための投資の円滑化ということでございます。20ページの(1)ですけれども、直近、前回の部会よりの動きといたしましては、第二再処理工場関連の暫定的な積立金制度が今年3月から導入されて、2006年度決算から適用されております。それから、初期投資の負担の平準化ということで、初期投資費用の一部の引当金の積み立ても同じく今年の3月から導入されております。また、廃炉負担の平準化につきましては、積立金の過不足の再計算をしておりまして、今後具体的な制度に税制上の措置も含めまして落とし込んでいく作業をしたいと考えております。
    また、CO 2の排出における原子力発電のメリットの可視化ということでは、地球温暖化対策法の施行に伴いまして、事業者からのCO 2の排出量の報告が義務づけられておりますけれども、それに関連いたしまして、各電力事業者のCO 2の排出係数の公表がこの3月から行われている状況でございます。
    それから、23、24ページが原子力発電の安全性を確保した既設炉の適切な活用ということでございます。稼働率をどうやって上げていくかということでございますけれども、やはりきちんとした運転管理が行われた結果、安全性が担保されて、その結果稼働率も上がっていくことだろうと思いますが、この点につきましては、当部会ではなくて原子力・安全保安部会のほうで検査制度の見直しの議論が行われております。高経年化に対応するために、プラント一律の検査からプラントごとの特性に応じたきめ細かな検査制度に移行するということでございます。現在、その中で定期検査の間隔についても13カ月以外のカテゴリーを設けて、きめ細かな対応をするということも議論されているところでございます。その他、検査制度の高度化ということでは、運転中・停止中を問わず、安全上重要な行為が行われたときに、立入検査などが入る制度とか、あるいはトラブルの原因となる組織要因についての改善についての義務づけというような対応も導入されているところでございます。
    それから3点目、核燃料資源確保は27、28ページでございます。御承知のとおり、最近はちょっと価格が下がってまいりましたけれども、一時期に比べてウランの価格は非常に高騰しておりますし、中長期的にはウランの供給が逼迫することも想定されるところでございます。そうした中で、最近の動きといたしましては、冒頭、長官の望月からもお話がございましたけれども、今年4月に甘利経済産業大臣がカザフスタンに産業界の方々のトップと、150人のミッションで訪問いたしまして、広範な協力関係についての合意をいたしております。その際、日本の技術力を背景といたしまして、日本の年間のウランの総需要量の約3割から4割のウランの優先引取権の権益を確保してございます。今後、さらにカザフスタンとは原子力協力協定の締結を通じまして、協力関係を深めていくということでございます。
    ウズベキスタンにつきましても、国内のウラン資源の開発に対して、日本政府としても協力していく計画でございます。また、オーストラリアでございますけれども、3月に甘利大臣とハワード首相の合意がございました。直近でも、この前のAPECの首脳会議が行われた際、安倍総理とハワード首相が会談いたしまして、日本の原子力の平和利用の実績について高い評価をするとともに、さらに原子力分野での協力関係を発展させようという合意がなされているところでございます。そういった資源確保を裏から支えるものとして、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)を通じた海外探鉱に対する支援制度を本年度から開始しております。来年度につきましては、さらに外交的な案件などを中心に、JOGMECみずからこういった取り組みをするということで拡充を予定しているところでございます。
    それから、しばらく飛びまして、37、38ページでございます。核燃料サイクルの着実な推進ということでございます。38ページですけれども、サイクル関連では、まず六ヶ所再処理工場でございますが、9月からアクティブ試験の第4ステップに入っております。来年2月の竣工というスケジュールに今なっておりますけれども、政府としても顔の見えるきめ細かな取り組みを通じて、進行に向けて努力してまいりたいと思っております。
    それから、プルサーマルにつきましては、この7月に中部電力の浜岡原子力発電所で国の安全審査が終了してございます。私どもも引き続き地元でのシンポジウムなど、理解促進活動を実施して、円滑な実現に向けて努力してまいりたいと思います。
    それから、六ヶ所のウラン濃縮工場におきましては、現在、新型の遠心分離機の導入の開発が進められております。今年度からカスケード試験を実施しておりまして、私どもも技術開発に対する支援を講じているところでございます。2010年度頃からリプレースを予定しておりまして、最終的には1,500tSWU規模まで拡充する予定でございます。また、プルサーマル用のMOX燃料工場の竣工に向けての努力なども続けてまいりたいと思っております。
    それから、次の項目は43、44ページをお開きいただくと、FBR関連の事業でございます。現在、もんじゅはプラント確認試験に入っておりますけれども、その次の実証施設に向けた取り組みでございます。44ページの(1)でございますけれども、私どもも今年度から文部科学省と共同プロジェクトということで参加し、実用化研究を開始しております。この研究に当たりましては、(2)に書いてございますように、関連者間できちんと連携し、認識を共有して進めていくということで、文部科学省、電気事業者、メーカー、それから原子力機構と私どもの五者協議会を設置しておりまして、今年4月には開発に向けたロードマップを策定しております。それから、六ヶ所の現在の再処理工場に続く第二再処理工場について、2010年から検討するということになっておりますけど、そのための準備についても進めていこうということになっております。また、実証炉の開発に関する責任体制を明確化するということで、この4月に中核的なメーカーとして三菱重工を選定しております。また、高速炉の関係は国際的な動きが出てきておりまして、アメリカのエネルギー省が提唱しておりますGNEP構想の中で、アメリカが提案公募事業を進めておりますが、それについては、日本とフランスとアメリカの連合体でこれに応募するということを今年の6月に行っております。これは高速炉のグローバルスタンダードに向けた取り組みの一つと位置づけております。
    次は49ページ、50ページをお開きいただきます。技術、人材の関連でございます。大きな課題といたしましては、日本の国内の原子力発電所の新・増設はこの後しばらくそれほど大きくないということで、2030年ごろまでからのリプレースに向けて、どうやって技術、人材を維持していくかというのが大きな課題でございます。
    50ページになりますけれども、そのため私どもとしては、来年度から次世代軽水炉の本格開発に着手したいということで、来年度予算を新規に要求させていただいております。2030年ごろからの代替、今の既存炉のリプレースを念頭に置きつつ、かつ国際的な市場も視野に入れながらということで、現在のABWRやAPWR以来20年ぶりのナショナルプロジェクトでございます。コンセプトといたしましては、5%超の高濃縮度の燃料を使って、使用済み燃料を削減していく。それから、免震技術を活用して、立地条件の制約を緩和していこうというようなコンセプトでございます。
    それから、人材面につきましては、(2)ですけれども、原子力発電所の地元で運転、安全確保のために取り組まれていただいている協力企業の方々を中心に、各地域で研修の実施をさせていただいております。それから(3)が、「原子力人材育成プログラム」ということで、これは文部科学省と共同プロジェクトでございまして、特に大学における人材育成ということで、カリキュラム開発、教材開発から、原子力の現場におけるインターンシップ、それから研究者レベルでの研究に対する助成ということで、私どもと文科省が連携しながら取り組んでいくということでございます。
    それから、次は57ページ、58ページをお開きください。国際的な展開の支援ということでございますが、58ページの(1)で、日米原子力エネルギー共同行動計画ということで、今年4月に甘利大臣のイニシアチブによりまして、日米で共同行動計画に署名しております。これは、アメリカもGNEP構想を進めるに当たって、あるいは国内の原子力発電所を新設するに当たって、日本の知見を是非活用したいということで、お互いWIN-WINの協力関係というものを築き上げようということでございまして、日本の原子力の開発の歴史からすると、生徒対先生からお互い協力関係になったということで、一つの画期的なものと位置づけたいと考えております。
    そのほか、途上国では、ベトナム、インドネシア、カザフスタンなどが原子力発電所の導入を計画しておりますので、私どもは人材面での協力を中心に、引き続き協力を進めていきたいと思っております。それから(3)ですが、私どもも個別のバイラテラルでの協力とともに、私どもが新規に来年度IAEAに拠出金を出しまして、IAEAベースで原子力発電所を導入しようという国に専門家の派遣などの協力を進めていこうということで、これは来年度新規予算として要求させていただいております。そのほか、中国、ロシアとも協力関係を進めるということで、ロシアにつきましては、現在、日露原子力協力協定の締結交渉が進められており、交渉の加速化を進めてまいりたいと考えております。
    それから、71、72ページが国際的な枠組みへの積極的な協力ということでございます。1つは核燃料供給保証でございます。これは、途上国などが原子力発電所を導入する際に当たって、燃料を供給することを国際的な枠組みで構築していこうということでございます。昨年9月に、原子力委員会の近藤委員長から日本提案をしていただいておりますけれども、積極的な貢献をしてまいりたいと思います。17日からIAEA総会が開かれておりますけれども、まだまだ議論があるようでして、今回の総会ではなかなか議論が収れんしない状況のようでございますが、私どもも引き続き貢献してまいりたいと思います。
    それから、アメリカのGNEPへの貢献ですけれども、9月16日にウィーンで、アメリカのホストでGNEPの閣僚会議が開かれております。GNEPの基本原則に関する声明についてサインが行われておりまして、16カ国が参加しております。今後、さらにこの取り組みに日本も積極的に貢献してまいりたいと思っております。
    それから、75、76ページが国民・社会との共生ということで、先ほどの冒頭の議題で、中越関連の件でもさまざまな御議論がございましたけれども、私どももきちんとした形で私どもの政策を御理解いただき、また国民の皆様方のお考えになっていることもきちんと認識するということで、広聴・広報活動を進めていくということでございます。私ども担当のレベルから大臣のレベルまで、さまざまなオケージョンに応じまして、できるだけ現地に足を運ばせていただいて、直接国民の皆様方のお考えをお聞きし、私どもの考えも御説明させていただくということだと思います。また、先生方にも色々なアドバイス、お力添えをいただきながら、効果的な形で進めてまいりたいと思っております。また、地域の振興につきましても、交付金制度をきちんと活用して、地域の発展にも取り組んでまいりたいと思います。
    あと、87、88ページに放射性廃棄物の関連の項目がありますけれども、これは次の議題でも議論が予定されていますので、ここでの御説明は省略させていただきます。
    それから、今私が御説明したことを来年度の予算要求という形で整理したものが縦長の資料4でございます。説明がダブりますので項目だけなぞらせていただきますけれども、1ページ目に次世代軽水炉の技術開発ということで、来年度新規に15億円を要求しております。それから、2ページ目が文部科学省との共同でのFBRの実用化研究でございまして、私どもは来年度75億円、文科省と合わせて195億円という要求でございます。それから、2ページ目の下の3というところで、海外ウラン探鉱支援事業ということで、JOGMECの事業でございます。来年度40億円に拡充するつもりでございます。
    それから3ページの下のほうに4.国際的枠組みへの積極的貢献ということでございますけれども、これはGNEPなどでも途上国が原子力発電所を入れる場合に、やはり送電網の関係から、数十万キロワットの中小炉のニーズが高いということで、ここについての国際的な開発が大きなテーマになっております。私どもは、そういったところも念頭に置きながら、新規に8億円の国際的な枠組みのための研究という枠を設けて、中小原子炉の開発などに取り組みたいと思っております。
    それから、4ページの5.国際協力ということで、途上国への協力、あるいはIAEAベースに対する支援でございます。6.が大学との人材育成支援でございまして、2.6億円を11億円まで来年度は拡充して要求しております。
    7.保守管理、現場の技能者への研修制度。8が軽水炉サイクル関係の各種技術開発の予算58億円、それから9が放射性廃棄物対策でございます。後ほど御議論いただきますけれども、最終処分場への国民理解の促進のために10億円、それから、各種技術開発に対して52億円ということでございます。
    6ページが広聴・広報活動で、これは中身をきちんと、さらに効果的なものにしていくことだろうと思います。また、11で地域振興に対する交付金の要求に所用の額を計上しております。
    駆け足になりましたけれども、私からの説明は以上でございます。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。皆さんから御意見、御質問をいただく前に、本日御出席いただいています内閣府、文部科学省、外務省のほうから何か不足説明等がございましたらお受けしたいと思いますけど、いかがでしょうか。
  • 文科省山野課長
    特にございません。
  • 田中部会長
    無いようでございますので、今事務局のほうから説明がありましたが、原子力立国計画を着実に推進していくことが重要ということであったと思いますけれども、このときに当たりまして、特に留意すべき点がありましたらこの場で皆さんから御意見をお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いしたいところでございます。大橋先生、お願いします。
  • 大橋委員
    原子力立国計画に携わらせていただきまして私は非常に誇りを持っていますし、こういう風に着実に施策として反映されていくことが大変適切だと考えています。
    ただ、原子力発電は、建設だとか新しい計画という方向に今まで光が当たってきたのですけれども、今のような時代になってきますと、運転するプラントをいかに運営して、稼働率を上げていくかというのが最大の問題点になってきておるところ、現場の意見を聞きますと、規制側の顔ばかりが見えると。それは品質保証を軸にした現場での非常にばからしいと言っていいかどうかわかりませんけど、ドキュメントコントロールだとか、現実のものを離れて、アカウンタビリティーだけを追及していくような動きに変わってきているところを懸念しているところですが、そういうところから立国計画のことは大変高く評価するけれども、現場にどうも推進側の施策がよく見えないのだ、何でもう少し現場の発電を応援してくれないのだということが非常に強く聞かれるところです。
    この中にも、技能者だとか人材育成ということで大変心を砕いていただいていると思いますけれども、やはり大事なのは原子力発電所の現場ですとか、ものづくりをするプラントの工場の現場というところですから、そういうところを大事にしていただきたいというのが1つと、考えてみますと、日本はエネ庁の推進側と原子力安全・保安院の規制側に分かれていまして、ブレーキとアクセルという役目で説明されておるところ、今ブレーキ側が同じ経済産業省に属するのは不透明だから、分離独立せよという意見が外国から、また国内から出ているというところに非常に懸念しておりまして、推進と規制の分離というのは、欧米諸国のような性悪説、人間は悪いことをするのだということに基づいた契約社会でこそ有効に成り立ってきている歴史を反映しておるところですが、アジア型の日本のような社会にはあまり適さないのではないかと。是非分離独立させるというのはやめて、原子力発電というのは何も危険なものを推進側がつくって、安全側がそれを安全であるように規制するという構造でできているものではありません。もともと開発するときに、安全性を第一前提としてつくっているところでありますから、是非推進と規制のあり方をよく再検討いただきまして、規制側に関して一番懸念しておるところは、規制側の行政官の方は大変皆さん一生懸命やっておられるのですけど、活躍するポイントが非常に難しい。全部の原子力発電所をとめて、安全だと言っていれば行政官の方のポイントになるかというとそうでもないし、先ほど柏崎の運転再開のお話が出ておりまして、これは国益のために運転再開を目指すべきだと思いますが、じゃ、規制側がその運転再開に向けてとか、運転再開を目標にということが言えるかというと、今は色々な問題がありまして言えない状況にあります。そういう点、国民利益ということを第一前提に考えたときに、どういう推進と規制のあり方がいいのかというのをよくお考えいただきたいというのが1つです。
    もう一つは、広聴・広報の話と多少かかわるのですけれども、今のような時代になると、国民一人一人の原子力の必要性と安全性を理解しておくという、ある意味で遠大な目標は目標として、もう少し現実的に原子力に携わる現場の人だとか、プラントの設計に携わる人などのプライドを回復する。原子力に携わっていることが決して一企業だとか一産業の利益に即するのではなくて、国益のために、社会システムとしてある仕事を分担して、コミットしているのだというプライドを回復させたり、また先ほど電気事業者の方の現地での信頼が崩れているというお話がありましたけど、そういう信頼を回復していくような広聴・広報を少し念頭にお考えいただければと思います。
    以上、2点です。ありがとうございました。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。森本委員、お願いします。
  • 森本委員
    ありがとうございます。私からは電気事業者の立場からお話しさせていただきたいと思います。
    昨年、原子力立国計画を取りまとめて以来、私ども電気事業者に関係しまして、発電設備にかかわる不適切な事象、六ヶ所再処理工場の耐震計算のミス、そして先ほど来お話に出ております中越沖地震などいろいろ御心配をおかけしているところでございます。地震に関しましては、先ほど東京電力さんのほうから説明のありましたとおりでございます。特に耐震安全性につきましては、全電力共通の課題ということで、全電力一丸となりまして発電所ごとの耐震安全性につきまして、今回の地震事象の調査、分析を踏まえまして、国の御指導等々を仰ぎながら必要な設備対策、改善等を確実に実施いたしまして、安全、安心につなげていく所存でございます。
    また、発電設備の不適切な事象に関しましては、既に総点検結果を踏まえまして、国に報告させていただき、CSRを軸に各電力で再発防止対策の徹底に取り組んでいるところでございます。また、先ほど御紹介がございましたけれども、現在、検査制度の見直しが検討中でございます。これにつきましては、従来の全発電所一律の規制にかえまして、発電所プラントごとの特性を踏まえた最適な点検周期、手法といったものを導入することで、一層の安全性、品質の向上を目指す制度でございます。その結果、既設発電所のポテンシャルを最大限に引き出すことを可能になるものということで、地元の御理解を得て、制度の見直しの趣旨に沿って万全の対応を行うことといたしております。
    このように、私ども電気事業者といたしましては、これらの喫緊の課題にそれぞれ的確、着実に対応することによりまして、まずは既設原子力施設の安全、安定運転に努めまして、足元を固め、信頼を回復した上で、次のステップに踏み出すと考えているところであります。
    原子力立国計画の内容につきましては、電気事業としては全面的に賛同するところであります。その上で3点、コメントさせていただきたいと思います。
    1点目は、資源確保戦略であります。御紹介がありましたように、世界のエネルギー需給の構造は大変変化しておりまして、エネルギーセキュリティーの確保のために国を挙げて戦略的な資源外交を展開するということが重要でございます。カザフスタンの戦略につきまして、国を挙げて取り組んでいただき、権益を確保したということは非常に大きな成果だと思っております。他の国々に対しましても、今後とも戦略的な資源外交をよろしくお願いしたいと思います。既に私ども電気事業者もカザフスタンのウラン鉱山の会社につきまして、ウラン権益が有効に活用できるよう、その運営に尽力しているところであります。
    2点目は、原子燃料サイクルの推進に関してでございます。これにつきましても、紹介がありましたが、六ヶ所再処理工場におきまして、耐震計算ミスで試運転工程がおくれておりましたが、おかげさまで先月ようやく5段階あるアクティブ試験の内のステップ4に入ることが出来ました。今後とも安全を第一に着実に試験を進めて来年2月の竣工を目指してまいります。また、原子燃料サイクルの要でございますプルサーマル計画でございますけれども、2010年の燃料装荷に向け、全電力で不退転の決意で取り組んでまいりますので、引き続き御理解、御支援をよろしくお願いしたいと思います。
    3点目は、次世代を支える技術、人材の厚みの確保についてでございます。我が国としましては、将来にわたり、世界をリード出来る技術力を維持するということが大変重要でございます。そのためには次世代軽水炉、あるいはFBRのサイクル技術の開発、そして現在の原子力を支える人材の育成への取り組みが重要でございます。今回、御紹介されました国の予算措置等々につきましては、高く評価されるものでございます。今後とも継続的な対応をよろしくお願いしたいと思います。
    電気事業者としましても、最終ユーザーとして、引き続き事業者の役割を着実に果たしていく所存でございます。
    以上、いろいろ申し上げましたが、原子力立国計画を引き続き着実に推進するためには、我々電気事業者としては何よりもしっかりと足元を固め、今後とも安全最優先を肝に銘じて、地元の方をはじめ、皆様の御理解を得ながら、みずからの役割を着実に実施していく所存でございます。引き続き国の御指導、あるいは御協力のほど、よろしくお願いしたいと思います。私からは以上です。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。秋元委員、お願いします。
  • 秋元委員
    大変前向きの計画をいただきまして、前、立国計画で宣言しておられます、ぶれない政策、それから国が前面に出る姿勢が各々のポイントポイントで表れている大変力強い計画を出していただいたと大変評価しております。
    その上で、やや気づき事項を二つ三つ述べさせていただきたいと思います、1つはサイクルでございます。これは再処理濃縮プルサーマルに力点を置いておられるわけですけれども、サイクルのシステム全般に関する総合戦略といいますか、そういったものがちょっと弱いのではないかという感じがいたします。日本は御承知のように、供給保証国側に立つ唯一の非核兵器国でして、日本がこれから平和利用のモデル国としていろいろな途上国を応援していく上でも、日本がこのサイクルをどういうふうに構築していくかというのは非常に大きな問題だろうと思っております。
    そういうことで、サイクル能力、それから技術をどういうふうに保持していくかは、やはりある程度市場に任せるというのではなく国策として、どの程度の規模のシステムをどのような形で日本の国内に保持していかなければならないかという問題も、考えていく必要があるのだろうと思います。例えば、今濃縮も1,500トンというわけですけど、1,500トンでいいのかどうか、将来途上国その他に供給するとなれば一体どのぐらいが必要なのか。再処理についてもそうでありますし、あるいはここには出ておりませんけど、転換とか、あるいは再転換、さらにはMOX技術をバックアップするウランの燃料という、各々の要素を一つのシステムとして取り上げて、そこで国の考え方をきちんと明示した上で、市場原理を取入れるというような国策が必要なのではないかと思います。
    そういうことをすることによって、例えば回収ウランとか劣化ウランというものを日本の資源として、どれだけうまく使っていけるかという問題や、あるいは核物質の輸送に伴うリスクをどこまで回避出来るか、あるいは途上国向けに対していろいろな供給保証をしていくというような総合政策が可能になっていくのではないかと思っておりまして、そのあたりの総合的な見方をもう少しつけ加えていただいたらどうかと思っております。
    2つ目は、人材育成プログラムで今度、特に大学の教育を中心にしまして、文科省と一緒になって人材育成プログラムを立ち上げていただいた。これは大変すばらしいことだと思っているのですけれども、欲を言いますと、もう一つ前へ行きたいのです。やはり中高等教育のところで、エネルギー授業を志向するような理科マインドを持った、原子力アレルギーの無い人物を育てていかなければいけない。そのためには、やはり中高教育がどこまできちんとやれるかということが非常に大事になるわけですけれども、このあたりで見てみますと、例えば84ページにエネルギー教育の推進というのが出てはいるのですが、教育支援事業にとどまっていまして、中高で体系的なエネルギー教育をきちんとやるのだというところまでまだいっていない。そこいらを、これからきちんとやっていかないと、全体の人材育成につながらないのではないかという気がいたします。
    ちょっと揚げ足取りになるかもしれませんが、81ページを見ますと、真ん中のところに「低関心層に対する重点的取組」とあるのですけれども、中身は何かといいますと、次世代層と、それから女性なのですね。どうも実は我々男性の関心も決して高いとは言えないと思っておりまして、もしこの2つが低関心層であるとすると、やはり次世代層を低関心層にしておく今のシステムがよくないということになるのだろうと思います。是非小中学、高等学校レベルで体系的にエネルギー教育をやって、(環境の教育指導要網というのがあるのですけど)エネルギーの教育指導要網はまだ無いのです。そのあたりをきちんとして、子供たちにどういう形で原子力を教えていくか。一番最初に広島、長崎が出てきて、基幹エネルギーとしての原子力をきちんと教える場がない。そうすると、先ほどのアレルギーのような問題にもなってくるわけでして、放射線の影響などについてもきちんと教えていくことが必要なのではないかと、そんな感じがいたします。
    もう一つこれは最後、あるいは廃棄物のところで申し上げたほうがいいのかもしれないのですけれども、廃棄物でまた札を3回立てることになりますのでここでまとめさせていただきます。この中でいろいろ広報の必要性を強調してくださいました。非常に大事なことだと思います。また高レベル廃棄物処分のところでも、今度は国が一歩前へ出て、国が調査を提案するというところまで踏み込んでくださったわけでありますが、ステップの流れを全部見てみますと、もし地元の反対があったら先に進めないという形で全部くくってございます。ということは、結局地方の方々の同意が得られなかったらば、この高レベル廃棄物の問題は進めないことになるわけで、いわば地元の同意を得るために背水の陣を引いたと言ってもいいのかもしれない。
    であるならば、住民のコンセンサスを得る段階にいつごろまでに到達するのかをきちんと目標を定めておかねばいけない。広報ひとつとっても、いろいろな形で進めてくださることになっているわけですけど、その効果がどうなのかがきちんと評価出来ないといけない。いわゆる意識調査などもいろいろ始めてくださったわけですけれども、住民の意識調査なら、例えば来年までには理解度を何ポイント上げるのだとか、再来年までには過半数がこういう問題について理解してもらえるようにするのだという形で評価できるシステムを確立して広報の分野でもPDCAが回るというような形にしていただくのが一番いいのではないか。定性的に非常に力を入れるというだけで背水の陣になりませんので、ズルズル問題が先送りとならないようそのあたりの仕組みを是非組み込んでいただければありがたいと思っております。
    もう一つ、現場に元気の出るような安全管理規制を是非お願いしたい。手続書類に埋もれるような規制ではなくてということを申し上げようと思っておりましたけど、先ほど大橋先生が非常に明快に言ってくださいましたので、この件は重複しないで終わらせていただきます。以上でございます。
  • 田中部会長
    ありがとうございます。次は神田先生、お願いします。
  • 神田委員
    7カ月ぶりの原子力部会ですけど、先ほど高橋課長の御説明を聞いていると、その間も確実に進歩してきていると。原子力立国計画が本当に着実に、前向きに進んでいることは大変うれしいことだと思いました。
    その中で、特に人材育成のことに私は大変関心がすごいのですが、昨年度よりも予算が増えてきている。これは昨年初めて通ったとき、3年間ぐらいで4億ぐらいという話だったのですが、今回ははるかにそれよりも高い金額になって増えてきた。
    というのは、武蔵工業大学に来年4月から原子力安全工学科というのをつくるのですが、これは今、地方に、東京で学んで故郷に帰ろうというキャッチフレーズで宣伝して回っているのです。というのは、本社から3年間現地に来た人じゃなくて、一生そこで過ごす、社長にならなくてもいいけど、現場の責任者をやりたいという学生を育てたいと思ってやっているのですが、2週間前に第1募集の締め切りをしてみたら、さっぱりいないのです、今さら原子力という感じがあって。つくるときに教授会に通すのに非常に苦労して、わずか1票差でつくることが決まった苦心の学科ですから、この制度はありがたいし、大学院は今どんどんできていますけど、武蔵工業大学の学部につくって、一生現場で過ごすことを目指す人材を育てようと思っていますので、皆さんも是非御協力をお願いしたい。
    ところで、もう一つ意見を言うと、去年9月に国際的枠組みについて近藤委員長が日本の原案として提案された。その後にアメリカであちこちの方と会ったとき、大変高い評価点をもらいました。それは、濃縮ウランとかプルトニウムとか核燃料があればすなわち危険と言うのではなく、あるいは原子力の平和利用につながると言うのでもなく、それを加工したり爆弾をつくるという技術が必要がであり、原料だけで議論する今までの色々な国、IAEAとか色々なところに提案がありますが、それに比べて近藤先生の原案は、つくるというところを重点に述べられたというのは分かりやすいと言って褒められましたので、ちょっとお伝えしたいと思います。
    もう一点、つまらないことですが、6ページにアメリカの原子炉が103基と書いてあるのですが、104基です。というのは、先日、22年間眠っていた原子炉が突然許可になりまして、22年ぶりに運転が始まった原子炉があります。104基ですので、是非そうしてください。以上です。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。次、岡崎委員、お願いいたします。
  • 岡崎委員
    ありがとうございます。秋元委員から御指摘のあった最初の点に関連して、核燃料サイクルの着実な推進と高速増殖炉サイクル実用化研究開発に関連して、一言お願い申し上げたいと思います。
    おかげさまで、高速増殖炉サイクル技術開発が国家基幹技術に御指定いただき、具体的には、先ほど紹介があった五者協議会という関係者がまさに真剣に検討いただく場をおつくりいただいたことによって、予算的にも大変な御配慮をいただいておることを感謝申し上げたいと思います。加えて、炉のほうの実証炉までの中核メーカーの選定という形で、これからの研究開発体制がより強固になったということ、そのおかげで国際的なGIFや、あるいはGNEP計画に対して、我が国はこれまでの経験をしっかりと提案出来るような状況が今生まれつつあると申し上げていいと思います。
    1点、さらに秋元委員から御指摘があったサイクル関係について、やはり今後どのように進めていくべきかというのが課題であるわけですけれども、幸いにもこの五者協議会の枠内で、いわゆる第二再処理工場、六ヶ所の再処理工場に続く軽水炉燃料や、あるいはMOX燃料の再処理をどうしていくかということについての準備検討を開始していただいたということ。この動きは、大変我々高速増殖炉関係のサイクル技術と、それから将来の軽水炉再処理を含めた燃料サイクルが大変密接な関連を持ってくるわけであります。是非次世代燃料サイクル技術という大変幅広い視点からこの問題を取り上げていくことによって、日本のメーカーの皆さんも進んでこういった計画に御参加いただけるような、いわば国を挙げての開発計画につなげていくような努力をさらに加速していただきたい。これが国際的にも我が国の経験をこれからも発揮していく大きな力になるのだろうと思いますので、その点についての御配慮をいただければと思います。ありがとうございます。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。後は、こちらでわかっているのでは3名の方だと思いますが、よろしくお願いします。次、佐々木委員、お願いします。
  • 佐々木委員
    2点申し上げたいと思います。1点は、この「立国計画」のフォローアップですが、全体として私は非常によくできているのではないかと思います。特に際立って、私もこの「立国計画」の策定段階からタッチしておりますが、これをつくる段階で我々が感じていたより以上に、非常にこの問題がグローバル化という展開を急速に見せているということをまず感じます。これはマーケットにおいてもそうですし、あるいはこういう事業に携わる事業者というか、企業の連合とか連携という関係においてもそうですし、それから資源の調達に関わる外交という面からもそうです。非常にそういう面で、急速にグローバル化しているという点が、我々がこれを策定した段階以上のテンポで進んでいることに留意しておかなければならないことが1つ。
    それからもう一つは、「立国計画」をつくるときに、国際協力と国際展開という二つの用語に関し、私は前者はどちらかというと「ノンビジネス」としてという形で用語を用い、それに対して、国際展開というのは、「ビジネス」として用いていったらどうかということを何回か個人的に申し上げたことがあるのですが、その後の展開を見ると、もちろんこの2つは明確に分けることは難しいところももちろんあるわけですけれども、というのは協力が展開というか、ノンビジネスがビジネスになるということはあり得るわけですから、そういう点からいくと、やはりその後の時間の経過の中で感じるのは、国際協力という側面よりも国際展開という、いわゆるビジネスを伴った動き、しかもグローバルのというものが非常に進んできていることに気がつきます。この2つの点について非常によく書かれていると思います。
    それが全体として、最近の我が国の「立国計画」そのものが外国の原子力発電政策づくりにもインパクトを与えているのではないかということを感ずることがあります。具体的には、近年、フランスが原子力発電に関する色々な政策、特に廃棄物等々の処理、処分を含めて政策を発表していますが、そこに見られる考え方は、既に我が国で、我々がいろいろな面でつくってきたものに似通った考え方が随所に見られるというか、うかがい知れるようないろいろな叙述が時々見られるのです。ですから、我々にとって非常に理解しやすいということですが、そういう意味ではかなりインパクトを外国のいろいろな政策立案過程についても与えているのではないか、そういうふうに感じます。それが1点。
    それからもう一つは、御質問というか、お願いなのですが、この中で、23ページから26ページぐらいまでで、いわゆる「設備の利用率」、「稼働率」の問題が出てきています。我々はこの稼働率とか、あるいは設備の利用率の問題というのは従来「コスト」というか、つまり電力の料金と絡んで電気をつくる場合のコスト稼働率の問題が非常に関係するということから、欧米の非常に稼働率が高い一部の国と比べて、我が国の場合、どちらかというと近年落ちているということを気にしつつ、稼働率の問題については、特に「規制」というものを科学的、あるいは合理的にもっとすべきではないかということを、申してきました。
    ところが、近年、この中越沖の地震等と絡めて、今度は「安定供給」という面と絡めてこの稼働率、あるいは設備の利用率がかなり前面に出てきた。これは例えば今日の資料2-2の2ページ等々を見ても、追加供給力対策の中で定期検査の繰り延べというものが相当大きなウエートを占めていることを見てもわかります。それからもう一つ、資料2-1の16ページ当たりを見てもわかりますが、その点から、「安定供給」という面からもこの問題は非常に大きく絡んでいるということがわかる。それからもう一つわかったのは、つい最近の、これは分科会の資料で、設備の利用率が高い場合は、CO 2の排出量の減退等々の点においても非常に効いているということもわかります。つまり「環境適合」という点からいっても、この問題は非常に大きく効いているということがわかってくる。
    そういう点から、今までの我が国の、これに関する「規制」のやり方について、どう見直すべきか、どうあるべきかということを言ってきたわけですが、それについて、じゃ、どうしたらいいのかということになると、安全・保安院のほうで従来の一律13カ月を見直そうという動きが出てきている。これは非常に結構なことだと思いますが、我々原子力部会の側と、それから安全・保安院の側の2つをどう結びつけるというか、インタラクションというか、それが次の問題になるのではないかと我々の側からはそう思わざるを得ない。つまり、もし、従来の一律13カ月のものを18カ月とか24カ月というふうに見直していくとした場合に、そういう見直しが先ほど申した3つの側面、電気をつくる「コスト」の側面、それから「CO 2の排出量減退」の問題に与えるインパクト、それから「安定供給」に与えるインパクト、この3つの側面のそれぞれについて、どういうインパクトを与えるのかということについてのシミュレーションがあっていいのではないか。今後そういう面も勉強すべきではないかと思っております。できたらその辺についての検討を事務局のほうにまた別途お願いしたいと思っております。以上です。
  • 田中部会長
    ありがとうございます。また後2人だけ手を挙げておりますので、ちょっと時間を有効に使っていただくために要約してお話しいただけたと思いますが、次、鈴木委員、お願いします。
  • 鈴木委員
    ありがとうございます。今回の原子力立国計画のフォローアップの中で特に強調したい点として、より競争力のある原子力というイメージをもうちょっと強く出していただきたい。というのは、国際情勢の中で原子力の位置づけが復活している背景、もちろん温暖化問題とエネルギー安全保障があるのですが、相対的に原子力の競争力が上がってきているということは間違いないと思うので、それを是非もう一度きちんと書いていただきたい。
    そういう観点からしますと、ここで書かれている中で、ちょっと気になる点が2つほどあります。1つは、GNEPの位置づけがちょっと強過ぎるかなと。原子力の世界的な復活の中でGNEPの占める割合はそれほど大きなものではなくて、アメリカの方向転換は確かに大事なのですけれども、それはアメリカの原子力産業の発電所の経済性が上がったということが一番大きなことでありまして、GNEPによって別に原子力の経済性が上がったわけではないということが1つ。
    一方で、逆にGNEPの大事な点としてユッカマウンテンに対する対応策があるのですけれども、これも逆に産業界からは経済性が悪化する可能性があるということで、必ずしも賛成されているわけではないということで、経済性という観点から、GNEPをもっと慎重に見る必要があるのではないか。例えば再処理について言えば、イギリスは今年のエネルギー白書で、今後は廃棄物問題は再処理を前提としないと言っておりますので、その辺も明確にしていただきたいと思います。
    それから、ウラン市場の分析が出ていましたけれども、長期的に、もちろんウラン資源は大事な話なのですが、やっぱり短期的には濃縮市場のほうがむしろ競争が激しいのではないかと。この辺も、是非分析に入れていただきたい。
    それから3番目は、次世代軽水炉の開発の分析、目標、記述がありますけれども、50ページのところなのですが、たしか立国計画が議論を始めるときは国際的な連携がなかったころなのですけど、今は東芝-ウェスチングハウスとで炉を組んでいますので、いわゆる日本型軽水炉という言葉が消えているわけですが、私はここで書かれているように、国際的な競争力のある原子炉をつくるための重要な要素技術は何かということで、要素技術の研究開発に焦点を当てる。実際の次世代軽水炉は、多分各メーカーさんがかなり国際連携でやられると思いますので、日本でやるものとしては耐震とか、日本が持つ重要な要素技術に焦点を当ててやっていくのがいいのではないかというのが3番目のコメントです。
    それから、最後、先ほどの中越沖地震の話で、意見が出なかったのでつけ加えさせていただきたいのですが、風評被害は何も国内だけではなくて、国際的にもかなり影響を与えたということで、国際的な情報発信を是非やっていただきたい。英文の情報が非常に少なかったということで、かなり海外で誤解を招く情報があったということもありますので、海外的な情報発信も是非お願いしたい。今回の経験は、地震の多い国々の原子力発電所にとっては非常に大きな経験になると思いますので、教訓を是非国際的に発信していただきたいということであります。以上です。
  • 田中部会長
    ありがとうございます。また一、二名挙げていますので、少し短目にお話しいただけたらと思いますが、次、浦谷委員、お願いします。
  • 浦谷委員
    ありがとうございます。国がこの立国計画に基づく概算要求を出していただいたので、決意といいますか、我々メーカーとしての考えを少し述べさせていただきたいと思います。
    前回、前任の齊藤委員から説明させていただいておりますように、我々メーカーといたしましては、世界市場で通用する競争力を持った原子力産業の実現を目指して頑張っておるところでございます。したがいまして、それぞれのメーカーはそれぞれの会社の戦略に基づいて色々なことをやっておりますが、原子力立国計画の基本的な考え方に基づいて事業展開している、そのように思ってございます。
    このような基本的な考え方に基づいて、海外に展開していくとともに、先ほどから話題になっております次世代の軽水炉の要素技術をきちんと開発していく、FBRの実証炉をきちんと作っていく、そういうことをやっていくとともに、今、少しお話がございましたが、GNEP計画にも積極的に取り組んでいきたいと思います。それは日本の技術が世界的に認められるためにもやっていきたいという思いでメーカーとしては取り組んでおります。
    要は、メーカーといたしましては、日本の技術と経験というものをベースといたしまして、それを最大限に活かしまして、最先端の技術を組み合わせて世界に打って出るといいますか、世界で負けないものにしていきたい。原子力への回帰がございますので、それに貢献していきたい。そのように思っております。
    そういうことに取り組むことが、大橋先生が言われました原子力に携わる人間のプライドというものに一番つながっていくのではないかと思いますし、こういうことをやること自体が人材育成にもつながっていく、そのように思っております。海外展開や、新しいものに取り組んでいくということを通じて、原子力産業自身を活性化させ、それが日本国全体にとって非常にいい方向にいくのではないのかというような決意で取り組んでいきたい、そのように思っている次第でございます。以上でございます。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。次は、末次先生、お願いします。
  • 末次委員
    じゃ、短くあれしますが、せっかく予算化していただいて、大体原子力立国計画のプライオリティーが非常にはっきりしてきていると、よかったと思います。ウラン鉱石の確保、それから高速増殖炉の開発のスピードアップは、予算の数字的にも裏打ちされたものが出ていて、立国計画の姿が一層はっきりわかってきてよかったと思いますが、この核燃料戦略の中で一番脆弱性があると思われる濃縮ウランの自力開発に少しストレスが足りないという感じがしてしようがないのです。
    研究開発体制も含めて、それからグローバルな原子力発電化の中で、やはり供給核燃料保証、提供可能国としても、この濃縮ウランのところは本当に力を入れないと色々な脆弱性が出てくるし、我が国自身の核燃料セキュリティーの上でも出てくる可能性があると思う、さっき鈴木先生もお触れになりましたけれども。またこれも石油ガスに次いでロシアにお願いしなければいけないような大きな状況変化は想定しなきゃいけないということになると、もう少しここに力が入ってもいいのかなという感じがします。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。次、山名先生です。
  • 山名委員
    立国計画については、皆様方大体意見をおっしゃって、私も同感でございますので省略いたしますが、ちょっと新しい視点で御意見を申し上げます。
    先週、アメリカで行われました、原子力の国際会議に参加してきましたが、その中で私が受けた印象を少し紹介したい。それは、例えばHTGRを実現して、これを使ってオイルサンドやオイルシェール、あるいはタールを液体燃料にして、積極的に使っていこうとか、あるいはGTL(ガス・ツー・リキッド)というものに使っていく。あるいは、HTGRというのは高温ガス炉という新しい原子炉ですが、これと天然ガスのコンバインド発電所を合体させることによって発電効率を高めるとか、あるいは負荷スイジョウ性能を上げるとか、そういうアイデアが紹介されておりました。
    それから、軽水炉とガス発電と合体させるようなアイデアも出ておりまして、何を言いたいかというと、この立国計画を立ててから大分時間がたったのですが、その間に世界的な石油価格の上昇、あるいは二酸化炭素に対する世界的な懸念が急激に高まっている。そうすると、今この原子力が電力事業だけじゃなくて、本当に冗談抜きで石油業界、あるいはガス業界、自動車業界との連携といったものがかなり現実的に語られるような時代に、ここ1年急速に入ってきているような印象を受けたのです。特にアメリカで言えば、さっきの高温ガス炉と気化燃料の製造のところにエクソンが出資しているとか、現実的にそういうことが起こってきているようです。
    ということで、我々はこういう話は将来的な話ということで今まで考えていたのですが、これは意外と原子力産業として、電力を超えたあり方というのをまじめに考え始める時代にここ一、二年入ってきたのかなという印象を強く受けたわけでございます。もちろん立国計画はそこまでは行っておりませんし、文科省の開発マターであることも事実ですが、少し原子力というものの、エネルギー事業との発展的な連携を考える価値があるのではないかということを感じたということが1点でございます。
    それから、もう一つ興味深い話がありましたが、回収ウランの利用についての研究の発表があったのですが、簡単に言いますと、天然ウランの価格の状況に対して、回収ウランを再濃縮するケースと、それから高濃縮ウランとブレンドして使うケースと、回収ウランを廃棄物として処分してしまうケースの経済性評価のスタディーがあったのです。これを見ますと、来年から六ヶ所再処理工場が動きますと、年に800トンの回収ウランが出てくるわけです。それから先ほどお話がありました2010年から第二再処理のあり方を考えようと。これは、2040年ぐらいからは年に1,200トンぐらいの回収ウランが出てくるわけです。これをどう利用するかというのは実はかなり重大な話であると。天然ウランの価格によっては、結構これをやっていくメリットが出てくるという話が紹介されておりまして、こういった話も先の話ではなくて、かなり近々の話である、回収ウラン利用というのも六ヶ所の運転、第二再処理のあり方、両方の面から相当現実的に考えていくべき時代が来ているという印象を受けました。
    こういった国際状況の御紹介をもって、私としては今後、原子力のあり方として、より広い原子力、より積極的な原子力の利用のあり方を考えていくときに来ているということを少しお話ししたということでございます。ありがとうございます。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。最後になるかわかりませんが、井川委員。
  • 井川委員
    最後でもよかったのですけど、だんだん時間がなくなって、発言の機会がなくなりそうだったのでごめんなさい。それで3点ありまして、手短に申し上げます。
    1点目は、今から森嶌先生がお話になるだろう放射性廃棄物なのですけど、この立国の御説明資料の中で着実な推進と書いてありまして、おそらくこれから内容は詳しく出るのでしょうけど、着実で本当にいいのか、危機感をもう少し、強力な推進と書くべきなのだろうと、つまりそれほど危機的な状況になるのじゃないかと僕は思っていると、認識だけをまず申し上げさせていただきたい。
    それが1点で、もう一点目は、いろいろこれを拝見していると、国際的な色々な開発だとか、協力だとか、新たな技術に挑戦というのは大変結構なのですけれども、ちょっと気がかりなのは知的財産といったものの保護であるとか標準化というのは、世界的な戦略に本当につながるのかという心配をしているということです。それは、素人ながらですけれども、六ヶ所の再処理工場等の契約でも日本の技術はフランスにただで吸い取られるような契約になっていると聞いたことがありまして、こういった状態を放置されては、日本の技術、税金も投入して、知恵も絞ってやったものが海外にだらだら流れていくというのはちょっと困ったものだという気がしますので、そこら辺の目配りを是非この計画の中でしていただきたい。
    それから3点目は、広報の問題で、先ほど来お話が出ている柏崎刈羽のことなのですが、これは大きな教訓になるべきことなのですけど、先ほど来メディアがけしからんという御意見があったわけですが、多分現役にいる唯一の者として申し上げさせていただきたいのですけれども、今回のは、僕はちょっと実は違った観点から見ていまして、これはやはり技術的な議論と感情的なものを分けて考えなきゃ常にいけないのだけれども、それが今回、政府から政治からメディアまで全部失われた事態なのじゃないかと。11年前、こちらにおられる岡崎さんが当時、科学技術庁の原子力局長で、僕がその科学技術庁の取材をしていたときにもんじゅの事故が起きまして、あのときにまさに技術的な課題と感情的なものがごちゃまぜになって、もんじゅはその後もとまったままという現状が続いているわけですけれども、今回の場合も拝見していますと、固有名詞は出さないですが、日本のトップの方が最初の夜に隠したと表現されて、怒りの感情をまず出された。それから、地元自治体のトップの方もやはり隠したと怒りの感情を出されたわけです。それから、それに対して、経済産業省の側とか安全規制側も、皆さん結構感情的にいきなり出ちゃったので、これは多分メディアと競合する形で隠したとか、ちょっと否定的な要素が強くなったのではないかと僕は思っています。
    それに対して、専門家がどれだけ影があったのかというのが一番危惧されるところで、先ほど大橋先生から新聞社には原子力主任技術者はいないだろうという話ですけれども、私どもにはいないですが、ちょっとよく調べていただければわかると思うのですけど、新聞社によってはたしか工学部の原子力工学科を卒業した記者だの、そのトップがいる、偉い人が結構いるところもあるのですが、私どもの新聞は、ちなみに申し上げれば、最初の日にその原子炉の安全は万全でもこういうことが燃えると印象悪いぞと、不安をあおるぞと、これは考えた方がいいぞというふうに私は書きました。一日目に即座に書きました。それから19日という3日目に、原子炉が安全にとまっているということを政府も電力会社もきちんと説明しないといけないぞという社説も書きました。それでもとまらなかったのでだんだん後退していくのですけど、最後の24日になって、原子炉の安全は確保されていると当たり前のことを書かなきゃいけない。
    どんどんミクロになっていく社説を書かなきゃいけなかったわけですが、そのとき、19日に社説を書いたときに、ある新聞社によっては、世界で地震によって放射能漏れが起きたのは初めての事態だ、大変深刻だと、たしかその会社は原子力工学科の専門家がおられたのだと思うのですけれども、そういう意味では、僕は本当は思うのは、こういう事態において、専門家と社会、あるいはメディアとの交流というのは薄いのじゃないかと。だからこの広報・広聴を考える上では、やはり専門家とメディア、政治、あるいは行政が一度、今回の事態を教訓としてきちんと振り返ってみて、調べなきゃいけない。その意味では、専門家の方々の御意見も聞きつつ、そういう場が設けられるように、広報・広聴の中でも一度考えていただければありがたいというお願いをしたい。以上です。
  • 田中部会長
    ありがとうございます。立国計画の推進について、さまざまな大変重要な意見をいただいたところでございます。これらを踏まえてまたさらに効果的な推進に向けていろいろと検討していただきたいと思いますが、時間もありますので、次の議題4に移りたいと思います。「放射性廃棄物小委員会中間とりまとめ(案)及び今後の審議事項について」でございます。最終処分事業を推進するための取り組みの強化策につきましては、放射性廃棄物小委員会において森嶌小委員長のもと、6月から精力的に審議を重ねていただいたところでございますが、また、今後の小委員会での主要な審議事項についても、この中間取りまとめと、それからまた今後の重要な事項につきましてもあわせて御説明いただけたらと思います。
    まず、森嶌小委員長のほうから御説明いただいた後に、また事務局からも御説明いただけたらと思います。よろしくお願いします。
  • 森嶌委員
    森嶌でございます。御案内のように、高レベル放射性廃棄物の最終処分に関しまして、法律が7年前にできまして、それに基づき、5年前からNUMO、原子力発電環境整備機構というところが公募方式で最終処分候補地を募集しており、市町村が文献調査の候補地として手を挙げるようにということで、地元の意向を尊重する形で仕事を始めているわけであります。これまでいくつかの地元で手を挙げる動きはあったわけですが、これも皆さんがさきほどから言っている、どっちが悪いかはともかくとして、マスメディア、自称専門家など、いろいろ出てきまして、最近では高知県東洋町の事例に見られるように、政治的な問題もありまして、結局は公募に対して応募する手前の段階で挫折しています。そういうことで、これでは正念場を越えてしまうという危機感から、資源エネルギー庁では再度この仕組みをどうするかということで、最終処分事業を推進するための取り組みの強化策を審議しました。早々良い策があるわけではありませんけれども、先ほど部会長から御紹介がありましたように、放射性廃棄物小委員会では6月から3回にわたりまして、集中的に審議をしまして、9月12日に中間取りまとめ案をとりまとめております。詳細につきましてはこの後、渡邊室長から報告していただきますけれども、ポイントといたしまして、第1点は先ほどから出ておりました、広報活動を強化するということであります。
    1つは、そもそも高レベル放射性廃棄物の処分ということは国民全体に全く浸透、わかっていないというと語弊がありますけれども、理解されていないということから、最終処分事業の必要性を国民全体に対する広報を拡充するということ。次には、該当すると申しましょうか、それぞれの地域において最終処分の安全性の確認をして、処分の地域の選定をする手続はどうなっているのかについての理解。応募して一旦手を挙げたら最後までずるずる行くということではないのだということについて。それから、札束でほっぺたをひっぱたくと言われたことがありましたけれども、地域に対する交付金はそういうことではなくて、地域の振興ということを十分理解していただくということ。これらについての地域広報を充実、強化していくというのが第1点。
    第2点が、今まではNUMOが中心に事業をやっていたわけですけれども、やはり国が説明責任を負うということから、国が前面に立った取り組みということで、今までの公募方式に加えてといいましょうか、公募方式は前提でありますけれども、場合によっては地域の意向を十分に尊重した上で、国が文献調査について実施を申し入れるという仕組みであります。これは、国がしゃしゃり出るということではありませんで、国が全面的に説明等についての責任を負うという、国の申し入れ方式を追加したということであります。
    第3点は、今までは最後までといいましょうか、文献調査が始まらないとなかなか考えなかった地域振興構想を、最初から広域的な地域での、その応募市町村だけではなくて、その都道府県を含めた地域の広域的な地域振興構想を提示しながらやっていくということもあわせて提示しています。
    以上の3点が中核的なポイントでございますけれども、あわせて小委員会としては、NUMOだけではなくて、国、それから電力事業者がともに連携しながら、先ほど井川委員がおっしゃいましたけど、強力に事業を進めていかなければ間に合わなくなる、原子力事業そのものが成り立たなくなるのではないかという、危機的な意識を持って中間取りまとめを行っていることを申し添えます。
    それでは、渡邊室長、よろしくお願いします。
  • 渡邊放射性廃棄物等対策室長
    ありがとうございます。今もかなり委員長に御説明いただいたので、むしろ時間の関係もあるので補足という形のほうがいいかもしれません。
    お手元の資料5-1というものがございまして、そこにA3の資料が挟んであると思います。これは本文の6ページのほうに入っているものでございますが、そちらのほうを使って御説明いたします。
    補足という意味では、今小委員長のほうから御報告がございましたけれども、基本的には国が前面にもっと出るべきではないかという指摘が、先ほどお話があったように東洋町等々の経緯を踏まえて、数多くの声が寄せられたところでございます。
    そういったことを踏まえまして、さまざまな全国レベルの広報、それから、関心ある地域への広報といったものをさらに強化していく。そういった中で、文献調査に関心を持った地域に対して、この絵の右側の部分のプロセスというところにございますけれども、従来はこれを公募という形で文献調査に手を挙げる自治体を募っておったわけでございますが、この公募という方式は引き続き基本として残しつつ、新たにこのプロセスの一番最初の文献調査のところについて、文献調査を実施することについて国が関心ある地域に対して申し入れるということも場合によっては可能にしたらどうかということが新たに加わる部分でございます。もちろん、ここにつきましては、国からの申し入れがあった後に、地元のほうから受託の可否といったものについて、イエス・オア・ノーという返事をするということで、イエスと言って初めて文献調査に進む、ノーと言えば次には進まないというプロセスで、あくまで地域の意向を十分尊重した形で、こういったことを新たにやってはどうかということでございます。
    それから、地域振興構想につきましては、先ほどやはり小委員長からございましたけれども、やはり札束云々の批判もございました。ここはやはり地域振興というものがこういった形で具体的にあるのだということをしっかり示せるようにしようといったことでございます。
    それから、国民理解に資する研究開発といった点につきましては、やはり研究成果というものを是非国民の学習の機会としても利用出来るようにということで、地層処分といったものが体感出来るような設備を整備して、こういったものについて国民がさらに安全性を理解していただける、広報としても使えるようにしたらどうかということでございます。
    以上が、先ほどの小委員長のお話とあわせて補足という形で、この報告書についての御説明にかえさせていただきます。
    それからもう一点でございますけれども、資料5-2にございますが、今後の放射性廃棄物小委員会での審議についてでございますけれども、これについては、先ほどやはり小委員長からお話がございましたが、この6月に最終処分法の改正を行いまして、この改正で特定放射性廃棄物の法律の対象を追加したわけでございます。その追加に伴って、追加について来年4月1日、この法律を施行するということでございますけれども、この施行に必要な、そこにございますような審議事項について、秋から小委員会を再開して御審議いただくということでお願いしたいと考えている次第でございます。
    以上2点、私のほうからの説明とします。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。ちょっと時間の関係で説明を短くさせていただきましたけれども、大変重要な問題と思いますので、委員の方々から御意見、御質問等お願いしたいと思います。まずは河野委員から。
  • 河野委員
    森嶌先生がまとめられた小委員会の基本的な方向は大賛成。私はNUMOの三代にわたる理事長とこの問題について話し合ってきた。裏表でだれがどう苦労しているかということは全部知っている。ようやくここに到達したというのが実感です。公募方式というきれいなやり方は、日本で言えば手続民主主義の精神に沿っている。最初は国が前面に出なければだめだという議論はあったのですけど、それは途中で消えた。そして、何年かたって、試行錯誤した結果、やっぱり一方的な公募だけじゃだめだと結論になった。出発点に戻った。これが第1。
    2番目に、問題はどうやってこの新しい答申、小委員会の結論を有効に、実効あるように運用するか。一番のキーポイントは、昨日か先週か、電力社長会で、電力連合会内部に組織をつくって応援するということをうたったのです。それは東洋町の失敗の反省があるからです。これは一歩前進です。国と、NUMOと電力の三者が協調しなくちゃいかんのはそのとおり。しかし、国の役人が出て行ったり、NUMOの職員がネクタイを締めて現地に行ったって地元にとっては、しょせん外部の人間。何か知らないけど色々なことをおれに押しつけるかもしれないと受けとめられるのです。
    それだったら、一番キーになる人間は地元の電力会社の職員で、地元の人が地元の気持ちもわかるという形で中核になって動くべきだ。結局は運用の問題。
    2番目は、公募の方式と申し入れと二本立てということの評価。実際は公募方式できれいにいこうと思ってもうまくいかないから、申し入れ方式を入れたことになっているけど、これは僕に言わせれば一体の話。結局地元の主体性が基本だから。公募方式によって地元の村長、町長さんが自分で説得しようとしてもたちまちつぶされる。それだったら、誘致の意思があることを前提に、しかも専門家から見て、これはひょっとすれば、地質的にかなり適地かもしれない、意味があるかもしれない、と思われるところに国から申し入れをする。そうすればひょっとすれば文献調査に入っていく可能性が出てくる。むろんそこから先はこれはイバラの道ですが、これは覚悟するしかない。運用の問題だけ今日は申し上げておいて、あとは実際の行動を見守っていきたいと私は思っています。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。次は清水委員、お願いします。
  • 清水委員
    ありがとうございます。ただいまの河野先生のお話と大分重なると思いますけれども、今回の強化策には、東洋町の事例なども踏まえまして、国から文献調査の実施申し入れを行うことが示されており、これが最大のポイントであろうと思います。まさに原子力政策を推進する国が前面に出るということで、これを明確に打ち出したということで、大変意義のあることだろうと評価出来ると思います。
    私ども電気事業者の立場といたしましても、この最終処分事業の推進というのは、原子燃料サイクルを確立させる上で残された極めて重要な課題と認識しておりまして、これまで廃棄物の発生者の立場からNUMOに対する人的支援や地域事情についての情報提供を行ってまいりました。今回の中間取りまとめ案を踏まえまして、さらにNUMOとの連携をより密にいたしまして、広報活動やNUMOの活動支援に一層力を入れてまいりたいと思います。
    具体的には、9月14日に電気事業連合会の内部に地層処分推進本部を設置し、事業の安全性や候補地の選定手続に対する国民の皆様の御理解、あるいは認知向上を図るため、全国レベルの広報活動に積極的に取り組むとともに、NUMOが各地域で行う理解活動を全面的に支援してまいりたいと思います。
    どうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。次は末永委員、お願いします。
  • 末永委員
    今お二人の委員の言われたことと大分重なりますので、ちょっと疑問に思ったことだけ申し上げたいと思いますが、今回、国が前面に立って云々と、これは基本的に大賛成であります。あるいは今、清水委員もおっしゃったように、先ほど私もわかりましたけれども、そういう部会が電事連の中にできたということで、これも大変よろしいことと思っています。
    ただ、これは河野委員も触れられていたのですが、公募、それから申し入れは、基本的には結局同じになってしまうのではないかと実は思うところがあるのです。つまり、国が前面に立って取り組みたい、公募による方法に加え、地域の意向を尊重した国による云々による申し入れとありますけれども、この地域の意向云々ということになれば、やっぱり同じように公募として応募というプロセスと似たような結果に陥りはしないか、その辺においては、新しい基準でそういったものをもう少し、あるいは条件を明確化する必要があるのではないかということはちょっと疑問に感じた点です。
    それから、あとは大変よろしいかなと思ったのは資料5-1で、例えば最終処分事業全体に通じた地域振興構想の提示とありまして、これは是非ともやっていただきたいし、先ほど申されたように県レベルぐらいになるのでしょうか、非常に幅広い広域的な地域振興策を提示していこうということであります。
    ただ、こういう地域振興策等はよろしいのですが、やはり私のように、青森県の有効求人倍率が0.4いくつの全国一低いところにおりますと、そのときに単純な、上のほうでシンクタンクがつくったような地域振興策ではほとんど信じられません。ですから、その辺は基本的にきちんと考えて、やはり雇用とか、あるいは若年者の定着といったところを十分に認識したような地域振興策の提示というのは多分、本格的にやろうとしたら必要になるだろうということを、大変な取り越し苦労でしょうが申し上げたいと思います。以上です。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。次、秋庭委員、お願いします。
  • 秋庭委員
    ありがとうございます。東洋町のときには本当に残念な思いをいたしました。もっと国が前面に出て何かできなかったのかなと思いますが、現行ではなかなかできなかったということで、今回の申し入れも両方、両面でやっていくということは是非期待したいところです。
    何といっても、あのニュースを聞きながら思ったことは、私たちが国民として高レベル放射性廃棄物に対してマイナスなイメージしか持っていなくて、そして廃棄物をどこかの地域に押しつけるというマイナスのイメージがあるために、報道もマイナスなイメージのものになってしまうということが、何とかこれを反対に、長年にわたって経済の景気、不景気にかかわらず、一定の経済環境にあるとか、もう少し明るい面が強調されるようになったらいいのにと思いました。
    そして、中間取りまとめにもありますが、国民全体に対する広報というものをやはりもっと拡充していただきたいと思います。高レベル放射性廃棄物とは何かということがまだまだ行き渡っておりません。ガラス固化体というと、ガラスの中にそんな危ないものを入れてどうなるのと、そういうことを本当に思っている方たちもとっても多いです。何といっても、そして長期にわたる管理ではなくて最終的には埋めてしまうということも、自分たちの目の行き届かないところに埋められるということがどういうことなのだろうなど、いろいろ疑問があるところだと思います。
    そのためには、今回、地層処分の体感出来る設備、シミュレーション技術を利用したバーチャル処分場ということが打ち出されておりますが、私が思うには、例えば北海道や岐阜にそういう施設をつくるのではなくて、是非東京や大阪などにつくっていただきたいと思います。遠くの地域まで見学に行ける人というのは本当に少ないと思います。皆が自分の使った電気の後ろのほうというか、後始末というか、そういうところまで自分の問題として考える姿勢をつくるためには、バーチャルなものをシミュレーション出来るようなものを目の前で見て、そして自分や自分の子供たちも一緒になって考えられる、そんな施設が必要だと思っています。
    そういうことがあるからこそ、地域の処分場がどこに行って、そしてそれを自分たちも応援していこうということが前向きにとらえられるのではないかと思いますので、その辺のところを是非よろしくお願いいたします。以上です。
  • 田中部会長
    ありがとうございます。次、山地先生、お願いします。
  • 山地委員
    ありがとうございます。取り組みの強化策として4つ柱があって、幅広い国民の理解、それから地元住民の理解、国が前面に立った取り組み、それと地域との共生による地域振興。結構な内容だと思うのですけれども、その中で今までの発言、全体的には国が前面に立った取り組み、しかも具体的には国から申し入れるということが注目されているようですが、私はこの問題の難しさから考えて、今ちょうど秋庭委員が指摘された1番目の国民の理解獲得というのが一番重要じゃないかと思っています。そのときも、地球環境問題から始まって、エネルギー問題、原子力の必要性、それから再処理、高レベル廃棄物、技術の内容という形で理解促進しようとしても、なかなか聞いてくれないのではないでしょうか。この高レベル廃棄物の問題というのは、原子力に反対している人たちも対処しなきゃいけない問題です。高レベル廃棄物は既にありますし、今から動かせば出てくるわけです。再処理しようがしまいが、高レベル廃棄物は出てくるわけです。あるわけです。
    したがって、国民で取り組まなきゃいけない。その必要性を訴える、それを国民的に理解していただく。そうしないと、環境問題、エネルギー問題から始めて説きおこしていたのでは多分、高レベル処分のところまで行き着かないのではないかと思っていますので、是非そこを留意して取り組んでいただきたい。
    もう一つは、国が申し入れられるというのもいいのですけど、これは出口の途中でおっこっちゃう、次に進まないという可能性がいっぱいあるわけです。したがって、河野委員でしょうか、イバラの道とおっしゃった方がいて、本当にイバラの道ですよね。一つの道が見つかったからといって、とても安心出来ない。だから、やっぱり強いというだけではだめで、強靭でないといけないわけです。だからどう言ったらいいのですかね、一の矢だけじゃなくて、二の矢や三の矢が必要だということを考えておかないといけません。現状ではやはりスケジュール的に着実に進めていくという感じですよね。立地プロセスの不確実性に対して強靭に進めていくために、もう少しバックアップ案を持っておくとか、そういうことを考えるべきではないかと思っております。以上、2点でございます。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。次、岡崎委員、お願いします。
  • 岡崎委員
    ありがとうございます。この問題は、井川委員も御指摘があったとおり、大変な危機感を持って対応すべき課題であるということは間違いないと思います。
    そういう中で、最初のステップであるこの過程において、国が直接前面に立って申し入れるということ、いわゆる選択肢の幅を広げられたというのは私も大変いい提案だと思います。ただし、もちろん国が提案する場合には、よほどの信頼感、安心感を国民に与える、すなわちよほどの透明性をもって対応しなければならないということは言うまでもないと思います。
    そういう中で、具体的な今後の推移を考えたときに、これは前回も御提案申し上げたわけでありますけれども、具体的に市町村レベルでは大変関心を持って、場合によっては手を挙げていただける自治体が起こったとしても、何が起こっているかというと、すぐさまそれを所管する県当局、知事さんの対応によってほとんどがつぶされてしまっているという状況を考えると、是非今回の提案を実行に移されるときには、知事の皆さん方に対して、この事業の意味づけ、安全性、あるいは手続面についてよく御説明し、意見をいただきながら実施に移していくことが不可欠だろうと思いますので、是非知事さん方の連携はいかにとるべきかということについても、改めて御検討していただければいいのではないかという気がいたします。
    最後に1点、これは私も以前、この問題に携わった経験から、あまり軽々に申し上げるべきことではないと思うのですけれども、この法律がすべて最終処分という言葉を使っておられるわけであります。もちろん、この最終処分ということを使い始めたときには、科学技術的にも十分将来世代にわたって影響を与えることなく処分が出来るということと同時に、現在、原子力発電のメリットを享受している我々の世代が、決して次の世代にツケを残すのではないということを明確にするためにも、最終処分という概念で進めていただいているわけですけれども、ただ、今の時代において、あるいは海外でのいろいろな状況を見ますときに、最終というこの概念が果たして本当に国民に受け入れられる一番の道なのかどうかということについて、少し改めて御検討いただくというのも1つの検討すべき点ではないかということだけ申し上げさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。神田先生、お願いします。
  • 神田委員
    ありがとうございます。2つ説明しなきゃいけないことが欠けているような気がします。
    1つは、前回のこの部会でも申し上げましたけど、オクロの天然原子炉が30億年前にあって、その廃棄物が地下で安全に保管されているというか、移動しないである。要するに地層処分というのはこんなにすぐれているということがちゃんと説明されていない。
    それから2つ目は、なぜ公募が出来るのかというのは、日本の地層は堆積層と火山層と大きく分けて2つあって、堆積層については、幌延でその研究がある程度見通しが立ってきたと。それから火山層については、岐阜県の東濃で研究が大分進んで、これならどこの方が応募していただいても、我々はバックアップできますという体制が整ってきていますということを国民に知らせなきゃいけない。ただ公募しているというのは、ええんかな、うちの土地でと言うのではなくて、ちゃんと調べました、ざっと。で、いけるというのがわかったから公募しているのですということを国民に理解してもらう。
    このオクロのことについては、前回いいパンフレットをつくってくれとお願いしたところ、2005年3月に既に出ているのをいただきました。これを読むとかなり専門的でして、もうちょっとこれが国民にわかるような、簡単な三、四ページのパンフレットにして、地下に処分するということはこんなにすぐれているのですということがわかるだけでいいから、そんなものをつくってもらったらどうかと思います。以上です。
  • 田中部会長
    ありがとうございます。木元委員、お願いします。
  • 木元委員
    ありがとうございます。今回のこういう考え方というのは、私は大賛成です。というのは、原子力発電所ができるときもいろいろなプロモートがあるのですけれど、そのときに地元で、確実な反対じゃないけれども、ちょっと首をかしげている方々の御発言を承っていると、国が見えない、国の政策じゃないか、何で国がもうちょっと顔を出してくれないのかという声があったのです。
    今度の幌延放射性廃棄物の処分に関しても、国はどう考えているのだ、NUMOばかりが出てくると。それも、こういう分厚い4冊のブックがあるのですけれども、それを配布されている。それの説明も人によってまるっきり、理解出来るような説明をしてくれる人と、そうじゃない人もいると。わからないことが疑問になって残っているという声も聞いております。私も最初から、幌延放射性廃棄物の処分懇談会に森嶌先生のもとで勉強させて、働かせていただいているのですけれども、そのときから、河野さんもおっしゃいましたが、民主的に日本がこれを進めるためにはまず公募だ、自主的に手を挙げていただこうと。そのかわりこちらはちゃんとした条件を提示しようとして、最終的にはこういうブックが4つできたのですけれども、それの説明から始まっていくと延々遠くなる。
    それから、今度は、今3者が一緒になるということですけど、NUMOが独自でやった場合にちょっと疑問がありました。その段階で何が引っかかったかというと、NUMOが御説明する場合には、皆がそう説明しているわけじゃないのですが、たまたま御一緒させていただいたところは、「いいですか、皆さん」、一般の方のシンポジウムですから、皆さんにお話しするときに「いいですか、原子力発電所はいろいろお聞きのように怖い面がたくさんありますよ。動いていますからね。だけれども、この廃棄物を処分するというのは、地層に深く埋めてしまう。ちょっと熱いけれども、おとなしくそこで眠ってくれる安全なものなのですよ」。原子力発電は怖いけれども、処分地のほうは安全だと、同じ流れの中にいながらここだけを評価、説明する。そうするとよくわかってくれるという考え方があったのです。それでびっくりして、いろいろ申し上げたりしたのですけど、えてしてそういう方向になってしまうので、やっぱり国が出る、それから電気事業者が出る、原子力発電が話す。それから処分のことが出る。30%原子力に依存しているとこういうことになるということを一体になって説く必要があるのではないかと思うのです。
    それから、今日はこの27ページに諸外国の状況が出ているのですが、先日、室長とも御一緒させていただいたのですが、フランスから3人来て、シンポジウムがありました。そのときにビューロケンの例が出ていたのですが、そこの村長さんがお見えになってお話になったときに、「私たちは調査を受け入れる、つまり研究開発を受け入れることをしました」、ちょうど幌延でやっていることを受け入れたと。そのときに条件をつけました。ここにこう書いてあるのは、いろいろな流れが今日出ていますけれども、日本の場合でも、いいですよ、調査を受け入れます、だけれども、こういう条件をつけていいですかというのが今後出てくるだろうと思うのです。フランスで条件をつけたのは可逆性のことでした。可逆性ありということを条件につけてくれれば大いに我々は受け入れるし、その村長は村民に話すことが出来ると。だから、この中に深読みすれば出てくるのかもしれませんけれども、そういうこともこれからあり得るだろうと思うのです。
    それでも、ちゃんとやっていくうちに、我々が結論を出さないまでも、次の子孫が結論を出していくだろうと。それで私は、「フランスは、お金はどうなっているのですか」と言ったら、「たくさんおりる」と、その調査のために。ちゃんとはっきり言いました。だから、私たちが誤解している面も若干あるし、日本だけが高いお金を出しているととらえられがちですけれども、フランスだってやっているじゃないかということは確実にわかりました。
    それから、今日、とてもおもしろい経験をしたのですけれど、運転手さんが、私が原子力の話を何とかしていたら、「いや、原子力発電で今度、処分地困っているのだってね」という話を運転手さんが知っているのです。それで私はうれしくなっちゃって、「そうなのです。これからまたいろいろお願いしなきゃならないことがあると思うけれど、どうなのでしょうね」と言ったら、「夕張がどうして手を挙げないのだ」と言うのです。夕張は困っていて、あそこは探鉱をやっていたところで、洞穴がいっぱいあるじゃないかと。で、「何で夕張が手を挙げないのか。手を挙げるように勧めたらどうか」と言うから、「ちょっと待ってください、地質の問題がある。埋めていい地質と、こういうことは適していないという地質のブックがちゃんとある。そのブックを見た上で皆さんが立候補してくださるということになっているのですよ」、「もったいないな、夕張がいいな」と。だから、そういうふうに国民の中では、だれでも手を挙げていいのじゃなくて、やっぱり適した地域があるということをちゃんと調査しているという情報は全く届いていないのです。だから、まだまだやることはたくさんあるだろうという気がいたします。
    それと、NUMOのお話をして申しわけないのですけれども、御努力をいっぱいなさったと思うのですが、まだまだ人によって信頼されたりされなかったり、誤解されたりということが出ていましたので、それは三位一体になってフォローしていけば前向きにかなりいい方向にいくのではないかと期待しておりますので、またいろいろお話をしながら進めるほうを応援いたしますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
  • 田中部会長
    ありがとうございます。また最後になってきましたけど、山名先生に。
  • 山名委員
    すいません、遅くなっちゃって。たくさんの委員の方がおっしゃっていたことなのですが、最近事業のリスクに対するパブリックアクセプタンスの関係というのを勉強するために、さる社会心理学者の書いておられる本と文献を読んだわけです。そうすると、パブリックがリスクを認知する場合に3つの手法があるとおっしゃっている。1つは能力認知という方法です。2つ目は公正認知、3番目が価値認知の3つの手法がある。能力認知というのは、それが物理的に安全であるとか、問題ないという知識をきちんと理解させるという認知手法。2番目は、その事業が公正なものである、信じられるものである、信じるという信頼的な認知。3つ目が価値認知といって、これは価値を理解出来るという認知です。価値のないものには反対するわけです。この3つが大事であると社会心理学の方はおっしゃっていて、実際にアンケート研究をやると、一番点数が高いのが公正認知、2番目に高いのが価値認知、3番目が能力認知。つまり、物理的に安全だと理解しているというのは意外と低い点でありまして、公正だということを信じること、それから価値があるとわかることがものすごく重みがあるという研究結果が出ているそうです。
    今回、国が前面に出る、とても大事なことです。なぜならば、国益のためにやるわけですから、国が責任を持って説明していただくというのはとても大事である。そのときに、まず国が入っていくことで、多分能力認知は実施主体でも色々な学者さんでも説明していると思うのです、こんな安全なものだと。ただ、まだ足りないと思うから、それは強化しないといけない。それから、大事なのは価値認知、つまりこれをやることが日本の国にとってどんなに大事か、それが国に協力していただく地元の方に対してどんなに価値があるかということを説明する。そのときに、国が前面に出るというのは多分、相当大事なことであろうと思います。事業主体がやると、価値認知というのは、自分が事業をやりたいから価値があると言っているのだろうなんて言われてしまうのに対して、国全体として、価値があるということをわかっていただくために国が出る。これは大事なことなので。
    私が1つ言いたいのは、公正認知、つまりこの事業が公正である、皆が言っていることが信じられるというときに、国が公正さを失ってはいけないわけです。でないと、公正さを失ってしまうと、一緒に推進しているだけのように思われてしまうわけです。ですから、国が前面に出るときに、必ず国として公正さを持っている。これは事業主体とちょっと違う立場から、オーソリティーとして公正さ、責任を持っているのだということを国が示さないとだめなわけです。この公正さを失ってしまうと、国は単なる事業主体みたいに見えてしまって、これでは意味がないわけです。ですから、この方針で私は是非やっていただきたいのですが、それを進めるときに、公正認知をパブリックから獲得するための体制、手法、やり方、それからそれの広聴・広報のあり方です。それをきちんと組んだ上でやっていただく。常に国は公正さを保つためのオーソリティーであるということを示しながらやっていただくという手法を確立することが非常に大事だろうと。それをやれば、これは非常にいい符牒になるのだろうと感じました。以上でございます。
  • 田中部会長
    ありがとうございます。放射性廃棄物処分の問題は大変重要でございまして、皆さんから本当に色々な意見をいただいたと思います。現在、このパブリックコメントが実施中と伺っていますが、それとあわせまして、次回の放射性廃棄物小委員会で行われる最終的な取りまとめに、是非今のところを反映させていただけたらと思います。
    なお、次回の原子力部会では、本件に係る小委員会としての最終的な取りまとめ結果について、改めて御報告いただく予定でございます。また、先ほど御説明がございましたけれども、今後の小委員会での検討事項につきまして、本部会として御了解いただくということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。
    ちょっと時間がオーバーしてございますけれども、後10分間ぐらい御容赦いただけたらと思いますが、本日の意見総括についてですけれども、まず初めに、望月長官のほうから御発言がございます。
  • 望月資源エネルギー庁長官
    今日は本当にてんこ盛りの議題を真剣にいろいろアドバイスいただきましてありがとうございました。大変私どもの参考になりました。
    特に、国が前面にという話がいろいろございました。その点について一言だけ、今の山名先生のお話というのは、私どもにとっては頭を整理する上で非常に大切な話だと思っております。それぞれ場面によって適用例は少し違うのですけれども、私自身は、簡単に申し上げると、価値認知のところはエネ庁の仕事が主だと思っています。それから、公正認知のところは保安院の仕事が主だと思っています。能力認知は皆でやるということだと思うのですが、したがって、今の山名先生のお話に全く私は共感いたしております。
    原子力に携わる人たち、先ほど来の最初の立国計画のお話全体で申し上げれば、国際的にはフォローウインドだと思います。国内的には地震のおかげもあって、なかなかまた逆風が結構吹いていると思っています。したがって、この原子力立国計画を進めるぞというのは国も電力も皆様方も皆一緒だろうと思うのですけれども、そういう意味では、それぞれのお立場でスクラムを組んでやっていかないとだめだと思うのであります。
    そういう面で、先ほど神田先生の人材問題はまだ一生懸命やられているようだけれども、武蔵工大の受験生がそういう状態だというのは全然足りないと思いますし、それから私が逆風だと思っていますのは、安全、安心というのは基礎ということになっているわけですが、そういう意味での確信を得られているとは思いませんので、大変これから、今日挙げられた課題を1つ1つ遂行する上では、非常に難しい状況にあるという認識に立つべきだと思っています。
    そういう観点から申し上げますと、是非お願いしたいのは、大橋先生がおっしゃいましたプライドというのが非常に大事だと思います。原子力関係の全員がプライドを持つ。我々は国際的な環境が少しこうなってきたことで、エネ庁は大分プライドが持てるようになってきてはいるのでありますが、さっきお話がございましたように、規制当局としても、規制当局の片棒を担いだことはありませんですが、規制当局にもやっぱりプライドが大事であります。したがって、規制当局も、それから事業者も、それぞれやっぱりプライドが大事だという前提でこの問題に対応するということじゃないかと思っておりますので、是非その辺は、お互いの切磋琢磨は非常に大事でありますけれども、そこを抜きにするとぐあいが悪いと思っておりますので、一言お願いを申し上げます。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。長官のほうから大体意見をまとめていただいたところであるのですけれども、沢山また意見をいただきまして、私のほうからも少し全体的な総括をさせていただけたらと思います。
    まず1つ目の地震の発電所への影響、柏崎刈羽発電所への影響とそれから電気事業者の対応についてのところでございましたけれども、まずありましたのは、風評被害の解消に向けて、報道のされ方とか情報伝達のあり方に問題があったのではないかという意見があったかと思います。そのため、マスメディアを含めた社会の原子力への理解向上、原子力アレルギーの解消が重要であろうということであったかと思います。一方、技術論と感情論が入りまじってしまった面もあるのだということで、専門家としてメディア、政治、行政の交流が必要だろうということがありました。
    具体的対策として、電気事業者や国の広聴・広報の強化、特に電気事業者として事態に即応して、情報提供出来る責任ある体制の構築、2次的に正確な情報社会に発信出来る知識人の育成が必要であろう。また、国民への原子力に関する教育や放射線の影響に関する研究強化も重要であろうという意見がありました。原子炉の基本的安全機能がしっかりと作用したという点も含めまして、原子力平和利用の重要性と安全性についての正しいメッセージを世界に発信するためにも、運転再開に向けた、しっかりとした目に見える取り組みが必要であろうということかと思います。冷静、客観的、科学的な対応が必要であって、そういうことが出来るのだということであったかと思います。
    また、東京電力や国の事後の対応について、概ね合格という意見もありましたが、立地地域を第一に考えた情報提供があるべきだったという意見もありました。今後、柏崎刈羽の炉内部の状況把握とか、地元との共生のあり方等、注目すべき点もあり、部会として原子力発電の必要性、安全性に関するメッセージを発信すべきだろうということだったかと思います。また、今日は意見がございませんでしたけれども、地元の理解という重要性もあると思いました。
    その次の、2つ目の議題でありました原子力をめぐる世界情勢と原子力立国計画の進捗状況についてでありますが、世界情勢について、原子力をめぐる状況は立国計画策定時に比べてグローバル化しているのだと。また、他の石油業界と他業界との連携も見られるほどの進展があることも紹介されたところであります。一方、原子力見直しについて、米国のGNEPに力点を置き過ぎているのではないかということがあって、もっと世界的な物の見方も重要であろうという意見があったかと思います。
    原子力立国計画の各項目に関する発言といたしましては、核燃料サイクルの推進におきまして、濃縮、転換、再転換等サイクル全般を総合的に評価した国としての戦略が必要であろうかと思います。特に、その中で濃縮への注目が不可欠であろうということでありました。また、第二再処理工場の検討準備の中で、広い視点から検討することが必要であろうということがありました。また、回収ウランの利用につきまして、国際的関心が集まっていることも委員の方から紹介されたところでございます。高速増殖炉サイクルにつきましては、五者協議会の設置、中核メーカーの選定、それから必要な予算の確保について、順調に進んでいるのではないかという意見がありました。人材育成につきましては、現場、大学に加えて、中学、高等教育からの取り組みが必要であるということでありました。それから、次世代の軽水炉開発につきましては、メーカーが各々国際連携を進めていく中で、要素技術の開発に協力すべきであることとか、それから資源確保に向けた取り組みもさらに強化すべきであろうということでありました。安全規制のあり方につきましては、現場の人材、保守、メーカー等が元気の出る規制のあり方を考えてほしいとか、資源エネ庁が推進する技術開発も安全を考えて出されることが重要でありまして、その結果、規制との連携が必要であろうということでありました。
    また、電気事業者とメーカーからの決意も表明されたところでありまして、電気事業者は安全確保を大前提に、まずは信頼回復に努め、その上でプルサーマル推進や六ヵ所操業開始など立国計画進展に貢献していくのだということ、それからメーカーと次世代軽水炉開発等、先端技術をもって世界に打って出るということで、世界の原子力平和利用に貢献していきたいという決意が表明されたところであったかと思います。
    最後の放射性廃棄物処分関係でございますけれども、国が前面に立って取り組む中で、申し入れの追加は賛成だろうということであったかと思いますが、報告書にある強化策について、危機感を持って国、NUMOだけではなくて、電気事業者と連携して実効性を持って運用に努めてもらいたいということかと思います。もう一つ言うとすれば、全体をマネジメントすることが重要と思いまして、そういうことでは国が前面に立ってということですので、資源エネルギー庁にその辺のところは期待するところであろうかと思います。
    まだ十分じゃないかわかりませんけれども、本日の議論をまとめるとそういうことかと思います。十分なまとめになってないところがあるかと思いますけど、それはまた次回以降、御指摘いただけたらと思います。
    その次ですが、本日の予定した議題はこれだけですけれど、委員の方から特に御発言等がありましたらお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
    それでは、事務局から次回の開催予定についてお願いいたします。
  • 高橋原子力政策課長
    ありがとうございました。最後、部会長から部会としての私どもに対するさらなる取り組みを促すということも含めまして、力強い総括をしていただきましたので、引き続き頑張りたいと思います。
    次回でございますけれども、先ほど議題になりました放射性廃棄物小委員会の議論の進捗状況を見まして、後日、改めて御相談させていただきたいと思いますが、またこの立国計画の進捗状況、あるいは原子力をめぐる環境変化をにらみながら臨機応変に開催させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。
    それでは、これをもちまして第15回原子力部会を閉会いたします。
    本日は長きにわたりましてどうもありがとうございました。

──了──

 
 
最終更新日:2008年7月10日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.