経済産業省
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総合資源エネルギー調査会電気事業分科会原子力部会(第18回)-議事録

日時:平成21年2月13日(金)9:30~12:00
場所: 三田共用会議所1階講堂

議事概要

  • 田中部会長
    それでは、定刻になりましたので、ただいまから総合資源エネルギー調査会電気事業分科会第18回原子力部会を開催させていただきます。
    委員の方におかれましては、ご多忙のところご出席いただきましてありがとうございます。
    2時間半の時間をいただくことを予定しております。できるだけ効率的に審議を進めていきたいと考えておりますので、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
    まず、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。
  • 高橋原子力政策課長
    おはようございます。原子力政策課長の高橋でございます。
    お手元の資料でございますけれども、本日は座席表、議事次第に加えまして、資料1、資料2-1、2-2、2-3、2-4、それから資料3、資料4、資料5の10点をお配りさせていただいております。欠落等ございましたら、お知らせいただければ、事務局で対応させていただきますので、よろしくお願いいたします。
  • 田中部会長
    よろしいでしょうか。ありがとうございました。
    また、本日、所用のため、金本委員、河瀬委員、村井委員、和気委員がご欠席となっております。
    それでは、本日の議題に入りたいと思います。議題1といたしまして、「原子力政策を巡る最近の動向と当面の主要課題について」でありますが、まずは事務局からご説明をお願いいたします。
  • 高橋原子力政策課長
    それでは、お手元の資料に基づきまして、私からご説明させていただきます。
    まず、資料2-1「原子力政策を巡る最近の動向」をご覧いただければと思います。
    前回の原子力部会は昨年の8月に開催させていただいておりますけれども、それから約半年経っておりますので、その後の状況につきまして、ポイントを絞ってご説明させていただきます。
    おめくりいただきまして、資料2ページになりますけれども、新増設の状況でございます。ご承知のように中部電力の浜岡発電所の1号機、2号機が1月30日に廃止されておりまして、現在、稼働中の原子炉は53基でございます。また、3基の建設中のプラントを含めまして、供給計画上は13基の新設が予定されてございます。そのほか右の枠の中に最近の動きと書いてございますけれども、北海道電力の泊3号機は建設中でございますが、1月25日から燃料装荷をして、運転を開始しております。それから、13基の新設の外数となりますけれども、中部電力の浜岡6号機の増設計画が発表されております。また、九州電力の川内3号機についても、1月8日に地元に申し入れがされたという状況にございます。
    それから、3ページ、設備利用率の動向でございます。グラフが出ておりますけれども、歴年で2008年の暫定値でございますが、設備利用率は58%ということで、大変低い数字になっており、これは柏崎刈羽の停止等の影響によるものでございます。ちなみに、直近の利用率が98年に84.2%という高いピークがありますけれども、この水準で稼働すると仮定しますと、2007年度のCO 2排出量は、90年比で実績値より5%分改善するということとなり、その分、設備利用率の低迷によって、京都議定書の目標達成にもマイナスの影響が出ているということでございます。
    4ページは原子力発電比率でございます。2007年度の数字でございますけれども、25%という数字でございまして、今まで3割とか3分の1と言っておりましたが、4分の1にまで下がっております。政府としての目標は、2030年以降も30から40%以上、それから2020年度におきましては「ゼロ・エミッション電源」として50%以上という計画になっておりますので、設備利用率、原子力比率の向上も大きな課題であると考えております。
    それから、5ページが柏崎刈羽発電所についてでございます。これは供給面、それから温暖化対策、経済性の面で、柏崎刈羽発電所が止まっているということについての影響が大きいということでございます。CO 2の発生量としては1年間で約3,000万トンということで、これは90年比2.3%相当でございます。また、その分、オフセットするためのCDMの購入費用、それから柏崎刈羽が止まっている分、燃料費が増大するという意味では、国民経済的にもマイナスの意味が非常に大きい状況になっているということです。
    それから、6ページでございます。これは新検査制度の導入ということでございます。今年の1月から新検査制度が導入されております。これは設備・機器の特性に応じたきめ細かな検査をすることによって、安全性の向上を目指すというものでございます。順次、各電力会社から保全計画書の届け出が今後される見通しでございます。
    7ページでございますが、出力向上に関する取り組みでございます。現在、日本原電の東海第二発電所におきまして、原子炉熱出力、電気出力を5%向上するという出力向上の計画が検討されております。原子力安全・保安院では1月27日にワーキンググループの設置を決定しておりまして、今後、この安全性、健全性等についての検討評価をするということになってございます。
    それから、プルサーマルの状況を8ページに書いてございます。九州電力、四国電力、中部電力ではMOXの燃料製造が完了しています。それから、関西電力でもMOX燃料の製造が進められているという状況でございます。青字で書いてありますところが地元のご了解を得ている部分でございまして、赤字が地元に申し入れを行ったものでございます。最近では、去年の11月に東北電力が女川3号機について地元への申し入れを行っているという状況にございます。
    それから、9ページが六ヶ所再処理工場の状況でございます。現在、最終的なアクティブ試験が第5ステップに入っているところでございますけれども、溶融ガラスの流下に関して運転方法の調整等、時間をかけて最終的な調整をしているということでございます。現在のところ、今年8月の竣工を予定しているという状況でございます。
    それから、10ページが高速増殖炉サイクルの研究開発の関連でございます。20年度も継続して事業を実施しており、来年度も所要の予算を確保し、実証炉の概念検討の充実・強化、それから機器開発試験施設などを活用しながら技術実証を進めていく予定でございます。特に今後、2010年に重要技術の最終判断をしていくので、この技術選択を進めるという上では、研究機関、メーカー、それから何よりも電力エネルギー、他の電力を含めました推進体制をつくっていくということが課題であろうというふうに考えております。
    それから、国際協力の面でも昨年1月に日米仏の3カ国の研究機関間で高速炉の協力についての覚書が結ばれておりまして、昨年8月にさらにそれを延長して、検討を進めてきているということでございます。今後も、特に安全面も含めて国際的な連携・協調を進めていくということが課題であろうと考えております。
    それから、11ページが放射性廃棄物処分事業でございます。昨年8月以降の動きといたしましては、地域振興構想の提示ということで「地域振興構想研究会」を開きまして、処分事業全体を通じた具体的な地域振興プランがどういうものがあるのかという具体例を取りまとめております。本日、こういった冊子という形としてお手元にもご配付をさせていただいておりますけれども、具体的に高レベル処分場と地域が共生しながら発展していくメニューとしてどういうものが考えられるのかという具体例を提示させていただいております。そのほか研究開発及び理解促進活動などを進めてきているという状況でございます。
    12ページ、13ページが広聴・広報活動でございます。これも先生方のご指導を仰ぎながら、自治体に私どもの担当者が赴いてご説明をさせていただいたり、プルサーマルシンポジウム、個別地点意見交換会、それから地方自治体の方を対象にした説明会などを実施してきております。若者あるいは次世代層に対する説明、あるいは立地地域向けの説明などを進めておりますけれども、さらに今後、国民との相互理解を進めていく上でも取り組みを進めていく必要があろうかと思っております。
    以上が国内の動きでございますけれども、14ページ以降が国際面の動きでございます。14ページの世界地図では、最近原子力に関する動きがあった国について、主なトピックを地図の上に書いてございます。
    まず、アメリカでございますけれども、新しいオバマ政権が発足して、これから政権の骨格がどんどん進んでいくと思いますけれども、アメリカにおける新規建設に向けて日米連携を進めていくと。そのための政策協力を進めていくということも、これから引き続き進めていく必要があろうかと思います。
    それから、カザフスタン、ロシアにつきましては、カザフのウラン権益の獲得ということを契機といたしまして、現在、原子力協定の交渉が進められております。また、ロシアにつきましても、同様に今、濃縮分野をはじめとする協力の可能性が高いということもありまして、原子力協定の交渉が進められているところでございます。
    それから、フランスは同じく核燃料サイクルを政策的に進めている国として様々な面での協力が進められておりますし、イギリスにつきましては再び原子力発電を推進するという政策転換が行われたことをきっかけに、日英間の官民合同ミッションにおける意見交換などが進められております。
    それから、新規導入国につきましては、現在、ベトナム、UAE、インドネシアとの間で協力の覚書を結んでいるところでございます。それぞれ今後、原子力発電を導入するという動きが進んでおりますので、協力を進めていきたいと考えております。
    15ページがアメリカの動向でございます。これはDOE長官の原子力に対する見解として、1月13日の公聴会での議論の一部をご紹介してございますけれども、議会の公聴会での発言では、原子力がエネルギーミックスの一部を構成することについて支持をする、新規建設のための債務保証プログラムは引き続きこれを加速していく、廃棄物については長期的な処分方策を今後提示していきたい、それから、研究開発の重要性ということについて発言されているところでございます。核燃料サイクルにつきましては、選択肢として注意深く検討をしていくということ。それから、再処理は重要な課題であるという指摘がございますけれども、さらに長期的な観点から研究開発を進めていこうというような姿勢と受けとめております。
    また、16ページはアメリカの国内建設の進捗状況でございますけれども、現在、26基についてNRCに建設・運転一括許可の申請がされております。DOEの債務保証についても募集が進められて、現在、選定手続きが進められているということでございます。昨今の金融危機、金融不安の影響もありまして、特に自由化が進んでいる州の電力会社にとっては、長期資金の調達が大変課題になっているということだろうと思いますし、また現場技能者もこれからどうやって育成していくかというところが政策的な課題かと考えております。
    17ページがベトナムの状況でございます。ベトナムにつきましては今後、原子力発電導入可能性調査(FS)に入るということで、日本としてもこのFSに協力をしていこうということを政府ベースでも表明しているところでございます。
    それから、18ページが中東諸国の動向でございます。各国で原子力を導入する動きがございますけれども、UAEにつきましては2017年に初号機を運転するという計画のもと、現在、具体的な建設計画の策定と事業者の選定という手続きが進められているという状況です。フランスは原子力協定を締結しておりますし、アメリカは今、協定に署名をしている段階です。それから、イギリスも協力の覚書に署名をしているということで、各国ともUAEとの協力を進めているという状況でございます。日本ですけれども、先月、私どもの吉川副大臣がUAEを訪問し、原子力の協力覚書に署名をしているところでございます。
    それから、19ページがインドを巡る状況でございます。ご承知のとおり、昨年9月にNSGの臨時総会でインドへの原子力協力を可能とする声明が採択されております。その後、各国がインドとの原子力協力に動きを進めてきているという状況にございます。アメリカは10月に協定の署名をしております。フランスも協定の署名をして、新たに2基建設をするという契約をしたという報道がございます。それから、ロシアも既に2基の建設を進めておりますけれども、さらに4基を追加するということ、その他カザフ、カナダなどが原子力協力に動き出しているという状況にございます。私どもは二階経済産業大臣と先方のアルワリア計画委員会副委員長との間で、お互いの原子力エネルギー政策について情報交換をするということが確認されているという状況でございます。
    以上、この半年ぐらいの主立った動きでございます。
    それから、20ページ以降が原子力政策を取り巻くその他の政策動向ということで、3点ほどご紹介したいと思います。
    1点目が21ページ、22ページ、総合資源エネルギー調査会総合部会での議論でございます。昨年10月に経済産業大臣から、今後の石油代替エネルギーの開発導入政策、その他の政策についていかにあるべきかという諮問がなされまして、審議を総合部会の政策小委員会でご議論いただいた上で、先月、総合部会の報告書が取りまとめられたところでございます。
    ポイントといたしましては、石油代替エネルギーの導入促進ということではなく、化石燃料においては高度利用、有効利用を図る、それから、原子力再生可能エネルギーなどの非化石エネルギーの導入拡大をしていくことが必要であるという報告を取りまとめていただいております。
    これを進めていく上で、原子力発電はクリーンな基幹電源として2030年以降、30から40%以上、それから2020年をめどにしたゼロ・エミッション電源50%という目標の達成のため、最大限の努力を進めていくべきだと。それから、今ある石油代替エネルギーの導入促進に関する法律を見直しまして、新しい法律のもと、誘導的規制措置を導入すべきという報告書がまとめられております。今、この報告書に基づきまして、資源エネルギー庁の中では新しい石油代エネ法にかわる法律の策定作業を進めているという状況にございます。
    それから、23ページ、24ページが電気事業分科会における料金制度の検討状況でございます。これも昨年10月に燃料の大幅な、かつ急激な変動及び地球温暖化問題への対応のために、今後の料金制度はいかにあるべきかという諮問が経済産業大臣からなされておりまして、第1次報告が1月にまとめられております。この報告は、主に燃料費調整制度についての報告でございます。それから、今後の論点として2次報告を今後まとめる予定になっておりますけれども、その論点として、電気料金の今後の行政関与の在り方に加えまして、地球温暖化問題への対応の必要性を踏まえた料金制度の在り方ということで、新エネの大量導入に伴うコスト論、それから「見える化」の議論とともに、原子力発電のバックエンド対応、償却費負担、廃炉費用の平準化など、これまでとった対応を踏まえまして、あるいは状況変化を踏まえて、追加的な課題整理をどう考えていくかということをご議論いただく予定になっており、今年の春に2次報告としてまとめられる予定になっております。
    それから、25ページが気候変動問題に関する動きでございます。これはポイントを申しますと、昨年12月にCOP14が開かれまして、今年12月に開催が予定されているCOP15に向けての様々な議論が行われたわけです。そして、日本としての中期目標を今後どうするかという議論ですけれども、昨年11月より総理の地球温暖化問題に関する懇談会のもとで、中期目標検討委員会で検討が進められております。昨日はその懇談会が開かれておりまして、右の表にあるような複数の選択肢に基づいて、今後、中期目標について議論をするということになっております。また、麻生総理は6月までに中期目標を発表するということで、先月のダボス会議において表明しております。今後、その中期目標をどのように達成するか、その中で原子力の位置づけ、重要性についても、今後議論がされるのではないかと考えております。
    以上が最近の状況について資料2-1でございます。
    それから、資料2-2が来年度の「原子力立国計画」関連予算の概要をまとめた紙でございます。時間が限られておりますので、ポイントを絞ってご説明させていただきますけれども、2ページの1.が次世代軽水炉と高速増殖炉の関連でございます。次世代軽水炉につきましては来年度19億4,000万円、高速増殖炉につきましては経産省と文部科学省との協力のプロジェクトということで、所要の予算を確保させていただいているところでございます。
    それから、2.の軽水炉核燃料サイクル総合利用方策の充実・強化という項目ですけれども、フルMOXの技術開発、それからウラン濃縮の遠心分離機の開発などなどでございます。
    それから、放射性廃棄物対策は53億円ですけれども、これはNUMOにおける広聴・広報の推進、技術信頼性の向上などの研究開発の推進などでございます。また、文献調査の実施申し入れなどを対応して、進めていくという関係の予算です。
    それから、4.が海外ウラン探鉱の予算でございます。JOGMECを通じた探鉱資金の助成などが含まれております。
    それから、3ページですけれども、5.が国際的な原子力発電導入に向けての貢献ということで、新規導入国の基盤整備支援を官民協力のもとに進めていくと。それから、IAEAに対するコントリビューションということで、予算を計上させていただいております。
    6.が原子力人材育成ということで、人材育成プログラム、それから現場技能者の育成について引き続き実施をしていくという内容です。
    それから、7番目が広聴・広報を始めとする相互理解ということで、予算がまたゼロ、撲滅運動で削減をされておりますけれども、工夫しながら進めていきたいと考えております。
    8.が地域振興、各種交付金などの予算措置でございます。
    以上が予算でございまして、駆け足で恐縮でございますけれども、資料2-3に基づきまして、今後の当面の重点検討課題について私どもとしての考え方をご説明させていただいた上で、委員の先生方にもご議論いただければと思っております。
    今、説明申し上げましたように、エネルギー安定供給と地球温暖化対策の同時達成に向けて、今後、原子力が担っていく役割は大きいということでございます。今後、低炭素社会づくり、中期目標の策定などもございますので、私どもとしては原子力部会で原子力の推進を強化していく上でどういう取り組みが必要なのかという点につい部会の先生方にご議論をいただいた上で、夏ぐらいまでに原子力発電推進強化策というものを取りまとめていけたらと思っております。特に設備利用率が低く、今後、新増設も円滑に進めていかなくてはならないという中で、課題を整理した上で具体的な取り組みを進めていきたいと考えております。
    主なポイントといたしましては、1点目が新増設・リプレースの円滑化ということでございます。中長期的に原子力発電の比率を維持向上させていく上では、新増設・リプレースを円滑化にしていくということが重要だろうと思っており、そのための対応について検討したいと思っております。
    なお、事業環境の整備という観点からでは、料金制度の問題も関連するということでございますので、この点につきましては先ほどちょっとご説明いたしました料金制度小委員会での議論との連携も図りながら検討を進めていきたいと思っております。
    それから、2点目の大きな検討項目としては、既設炉の活用ということでございます。2020年ぐらいまでの期間をターゲットと考えれば、既設炉の有効利用、高度利用というのは非常に重要な手段でございます。出力向上の取り組みやオンラインメンテナンスなど、アメリカでも様々な取り組みが進められておりますので、こういった既設炉の高度利用につきまして、原子力政策上も最重要課題の一つとして明確に位置づけた上で、国としての取り組みを進めていきたいと思いますし、私どもとしては事業者として目標、あるいは取り組み方針を明らかにしていくということも期待しております。
    それから、3点目といたしましては国民との相互理解の促進ということで、原子力政策を進めるに当たっての基盤となります国民との相互理解に向けて、どうやって取り組みを進めていくべきかと。先ほどちょっと予算面では触れましたけれども、予算は厳しい状況にありますけれども、うまく工夫をしながら先生方のお知恵も借りながら進めていきたいということで、こういった点についてもご議論をいただきたいと考えております。
    また、国際的な動向につきましては、後ほどの議題でご紹介をさせていただきますけれども、国際戦略検討小委員会で今議論を進めていただいておりますので、その成果を受けて改めてご議論をいただくという形にしたいと考えております。
    駆け足になりましたけれども、ご説明は以上でございます。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。
    では、続きまして資料2-4につきまして、森本委員からご説明をお願いいたします。
  • 森本委員
    ありがとうございます。関西電力の森本でございます。これから電気事業者の取り組み状況につきましてご説明いたしますが、その前に一言述べさせていただきます。
    今、国を挙げて低炭素社会に向けて取り組んでいるところでございますが、新エネ、省エネはもちろん大切ですが、何と言っても、その中核を担うのは原子力発電と思います。低炭素社会実現のためにも、その役割に応じたバランスのとれた対策がぜひとも必要です。今回の議論はまさにタイムリーであり、我々事業者といたしましても心強く、広くご議論賜りたいと思っているところでございます。
    そのためにも私ども事業者は、まずは既設の原子力発電所の安全、安定運転を着実に行うことが重要であり、トラブル低減対策、予防保全対策などにより、リスクを先手先手でつぶし、自らの足元を固めることが大前提と考えております。残念ながら我が国の設備利用率は近年低迷しておりますが、現在、電力各社において耐震対策、予防保全など、懸命に取り組んでいるところで、これらの課題は明らかになっております。今後、徐々に回復に向かっていくものと考えております。
    しかしながら、さらなる高度利用のためには、諸外国で取り入られている科学的・合理的な規則や運用の検討を進める必要があるとも考えております。また、原子力発電所の新増設・リプレースを円滑に進めるためには、建設から運転開始までのリードタイムの合理化も重要な点であり、国のご支援をお願いしたいと考えております。
    また、原子燃料サイクルの着実な推進につきましても重要な課題でございます。特に六ヶ所再処理工場の早期運転開始はこれからが正念場であり、電気事業者も自らのこととして精いっぱい取り組んでまいる所存でございます。国におかれましても引き続きご支援をよろしくお願いしたいと思います。
    そして、これらを進める上で国民との相互理解は不可欠でございます。これまでも私ども事業者は情報公開を徹底し、また広聴・広報活動を強化してまいりました。今後ともたゆまず努力してまいりますので、引き続き皆様方のご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。
    最後に、原子力発電の利用拡大に向けた当面の取り組みを、原子力発電推進強化策に取りまとめると先ほどご説明がございました。電気事業者といたしましても、強化策の作成に当たり国に協力してまいりますとともに、その強化策を踏まえた事業者としての取り組み方針につきましても検討を進め、皆様のご期待に沿えるよう全力で取り組んでまいる所存でございます。
    それでは、電気事業者の取り組みの詳細につきまして、電気事業連合会の高橋原子力部長からご説明いたします。
  • 高橋原子力部長
    それでは、お手元の資料2-4に基づきましてご説明をさせていただきます。
    2ページ目をご覧ください。低炭素社会の実現に向けた電気事業者としての基本的な考え方を示しております。電気事業者でございますけれども、安定供給、環境保全、経済性の3つを同時達成しながら取り組んでいくということを基本としております。その上で供給サイドにおける効率の向上と低炭素化、それから需要サイドにおける高効率機器の普及と省エネの実施という、いわゆる需給両面の取り組みを進めることが低炭素社会実現の一番の近道であると信じております。このため、供給サイドでの取り組みの最大の柱が原子力でございます。
    それでは、次のページをご覧ください。過去40年の使用電力量、それからCO 2の排出量、原子力発電電力量を示しております。黒線で示しております一番上、右肩上がりに上がっておりますのが使用電力量でございます。これまで電気の使用量は一貫して増加しているということでございますけれども、原子力を中心としたベストミックスに努めてきたことによりまして、緑線で示しておりますCO 2の排出量の増加は抑えられてきておりまして、その結果、赤線で示しておりますCO 2の排出原単位は低減してきております。
    一方、2000年代に入りましてトラブルなどで原子力の発電電力量が低下したことで、CO 2排出原単位は近年やや上昇していますが、2020年までに原子力を中心とする非化石エネルギー比率50%を目指すということで、低炭素社会の実現に貢献をしてまいりたいと考えてございます。
    次のページをご覧ください。原子力発電の設備利用率を示しております。先ほどの高橋課長の説明では歴年でございましたけれども、これは年度で示されております。発電設備をいかに有効に利用したかという指標となるものでございますが、具体的には通常の運転期間、定期検査期間に加えまして、故障などによる計画外停止頻度や期間というところに依存してございます。図に示しておりますとおり、我が国では1998年度には84.2%の設備利用率を達成しております。
    一方、近年、図に示しておりますように、原子力の不祥事、予防保全による定期検査期間の長期化、それからトラブル、自然災害、そして中越沖地震の影響によりまして設備利用率は低下しております。
    次のページをご覧ください。これは日米のパフォーマンスの比較をしておりますが、左の上が設備利用率、それから原子炉の自動停止回数が左の下、右の上が作業員の被ばく線量、右の下が燃料破損率をそれぞれ示しております。どのグラフも青線が日本、赤線が米国でございます。米国と比較いたしますと自動停止回数が少なくて、高い安全性については示されていることがわかりますけれども、設備利用率に関しましては近年低くて、設備を有効に利用できていないという状況にございます。
    次のページをご覧ください。電気事業者が取り組んでおります信頼回復に向けた取り組みの一例を示しております。一連の不祥事やトラブルで損なわれました社会の信頼を回復するために、不祥事やトラブルの再発防止対策にしっかり取り組むということと継続的な改善を進めてきております。特に品質保証について評価をするということで、取り組みといたしまして電力会社間はもちろんのこと、メーカーや海外の電力会社とも新たな枠組みを構築いたしまして、情報の共有、グッドプラクティスの共有等に努めているところでございます。ここに示しております、例えばNUCIAですとかオーナーズグループ、日本原子力技術協会といったところを活用いたしまして、積極的にPDCAを回して活動していくということで、より高水準の信頼性が確保されている原子力発電所を目指しているところでございます。
    次のページをご覧ください。繰り返しになりますが、原子力発電は低炭素社会を実現する上での中心的な役割を果たすと考えております。その役割を果たすためには、ここに示しておりますとおり、既設炉の有効利用、新増設・リプレースの計画的な実現、原子燃料サイクルの着実な推進、そして国民理解の促進といった課題を解決していく必要がございます。また、経営の観点でございますけれども、それぞれの課題の持つリスクをしっかり認識いたしまして進めていくことも重要な点であると考えております。
    では、次のページからは、それぞれの課題に対する取り組み状況をご説明してまいりたいと思います。
    8ページ目でございますけれども、耐震安全性に対する取り組み状況を示しております。ご承知のとおりで、電力会社は既設炉について耐震バックチェックを実施しております。中間報告では安全上重要な機能を有する主要な施設について、安全機能が維持されているということを確認しております。今後とも耐震安全性に対する信頼性の一層の向上を図るとともに、引き続き災害に強い発電所づくりに努めてまいりたいと思います。
    なお、地震やその後の調査で得られた貴重なデータ、知見というものがございますので、日本の原子力発電所全体に役立てていくということはもちろん、正確な情報や貴重な教訓を世界に向けても発信いたしまして、共有していくことも重要であるというふうに考えております。
    次のページをご覧ください。新検査制度についてご説明をしたいと思います。新検査制度でございますけれども、従来の一律の定期検査というところからプラントごとの特性に応じたきめの細かい検査に移行することになります。事業者の取組として、科学的/合理的な最新の知見/根拠に基づく信頼性を重視した保全のプログラムを導入いたしまして、「適切な手段を適切な機器に対して適切な時期に」ということで保全・保守を行うことで、さらなる信頼性の向上を目指していきたいと考えております。
    また、新しい保全プログラムの導入と並行いたしまして、運転中の点検、すなわちオンラインメンテナンスの導入を図っていきたいと考えてございます。オンラインメンテナンスを効果的に実施するということは、定期検査期間における機器の分解点検などの集中の緩和ということにもつながりまして、作業の錯綜回避による品質のさらなる向上が期待されております。
    なお、機器の点検内容を適正化する結果といたしまして、従来の13カ月という定期検査期間よりも長い原子炉停止間隔の設定ということが可能となります。
    次のページをご覧ください。高経年化対策についてご説明をしたいと思います。これまで安全機能を有する機器・構造物につきましては、運転開始後30年になる前ということで60年間の使用期間を仮定した健全性評価を行って、この評価を踏まえて、その後の保守管理に追加すべき対策を取りまとめました長期保全計画を策定いたしまして、保守管理を実施してまいりました。先ほどご説明いたしました新検査制度では、この長期保全計画に相当いたします「長期保守管理方針」というものを定めまして、それが国の認可対象ということになりました。今後2010年度には、この図で見ていただきますとわかりますけれども、40年目に入る発電所が出てまいりますので、しっかりと評価をして対策を講じて、安全に運転をしてまいります。
    11ページ目でございますけれども、その他の取り組むべき課題ということを挙げております。既存の発電所の出力向上、より科学的・合理的な規制の実現に向けまして、関係機関と協力をさせていただきながら検討を進めてまいりたいと考えております。
    次のページをご覧ください。12ページ目は、先ほどもご説明がありましたけれども、新・増設計画を示しております。赤枠で示してございますのが現在建設中の3基でございまして、黄色で示しているのが今後10年間で計画をしている9基でございまして、着実に継続的に取り組んでまいりたいと思っております。
    13ページ目でございます。制度面でご検討いただきたい課題ということで、幾つか示してございます。1つが、料金面といたしまして六ヶ所の再処理工場の処理量を超える使用済み燃料の再処理費用につきまして、まだ費用回収ができていないものがあるということでございます。原子力政策大綱におきましては、六ヶ所再処理工場以降の再処理計画につきまして、2010年ごろから検討開始予定となっておりまして、こうした状況を踏まえながら、当該費用の料金原価算入へ向けた検討が適宜行われるということを希望いたしたいと考えております。
    また、ご存じであると思いますが、原子力は立地の申し入れから建設、運転開始まで非常に時間がかかるということでございますので、法令にかかわる手続きなどを合理化するということなどをして、これらの期間が少しでも短縮されるようお願いしたいと考えてございます。
    次のページをご覧ください。原子燃料サイクルについてご説明したいと思います。六ヶ所再処理工場は最終試験の段階でございますけれども、昨年判明いたしましたガラス流下性の低下などについて、現在、原因の究明に鋭意取り組んでいるところでございます。また、炉内点検のために取り外していた配管を閉止するためのフランジ部から2度にわたりまして建屋内での廃液の漏えいによりまして試験再開が遅れておりまして、ご心配をおかけしております。再処理工場の竣工に向けましてはこれからが正念場ということでございますので、電力会社は精一杯再処理工場の早期運転開始に向けて日本原燃の支援に取り組んでいるところでございます。
    次のページをご覧ください。15ページと16ページでございますけれども、サイクル施設の現状を簡単にまとめておりますが、各事業の説明は省略をさせていただきます。原子燃料サイクルの実現に向けまして、今後も取り組みを強化していく必要がございますけれども、官民一体となった取り組みも必要でございますので、引き続き国の支援をよろしくお願いしたいと考えてございます。
    17ページをご覧ください。国民との相互理解を促進するため、事業者の取り組みを示しております。事業の透明性を一層高めるとともに、様々な活動を通じまして一層の信頼確保に努めてまいりたいと思います。
    次のページをご覧ください。18ページ目でございますけれども、最後になりますが、最終処分事業を推進するための電気事業者の取り組み状況を示しております。電気事業者はNUMOへの人材派遣とか、最終処分の必要性のご説明、ガラス固化体の処分技術にかかわる研究の支援、地域事業に関する情報提供など、国とともにNUMOの活動を支援しております。最終処分施設でございますけれども、原子燃料サイクルの確立のために不可欠な施設でございますので、平成40年代後半の操業開始に向けまして、電気事業者も国やNUMOとともに全力で取り組んでまいります。
    ご説明は以上となりますけれども、電気事業者は低炭素社会の実現に向けて中心的な役割を果たす原子力発電を推進していくために、原子力に対する信頼回復に引き続き全力で取り組むとともに、安全確保を大前提に様々な課題について着実に対応していく所存でございます。
    以上でございます。
  • 田中部会長
    どうもありがとうございました。それでは、ただいまの事務局及び電気事業者からの説明につきまして、委員の皆様からご質問、ご意見などございましたらお願いしたいと思います。
    なお、多くの委員の皆さんにご出席いただいているため、各委員のご発言は3分以内でお願いしたいと思いますし、できるだけ多くの方から発言をお願いしたいと思います。また、例によってネームプレートを立てていただけたらと思いますが、何人かの方からもう既に立てていただいていますので、まずそれでは大橋先生、お願いします。
  • 大橋委員
    ありがとうございます。手短にお話し申し上げます。
    原子力政策の最近の動向をエネ庁でまとめていただいて、このとおりぜひこれを進めていただきたいのですけれども、20世紀はこういうトップダウンで国がこういうことをやるというとずうっと浸透していって、まさにフォードというような会社がプロイセンを模して、トップダウン型のピラミッド型の組織をつくって運用に成功したようになっていると思うのですけれども、21世紀は非常にたくさんのステークホルダーが出てきて、トップダウンも重要ですけれども、現場のところでだれがどう動くかとか、そういうステークホルダーの調整をどうするかというのは非常に難しい社会になってきているように思います。
    要は出力増強でありますとか、高経年化ですとか、リプレースということに関しますと、すべて規制側と呼んでいます原子力安全・保安院が関係してきまして、保安院がやっておられることとエネ庁がやっておられることの立ち位置が随分ずれてきているような印象です。もちろん我々は原子力の有効利用ということで、同じ中で別の側面を見ているだけですので、ぜひこのあたりをうまく調整して、本来は推進と規制の分離というのは私はアジアの国には向かないと思っているのですけれども、その分離というのは決して情報公開も協力もするなという意味ではないと思いますので、ぜひその辺をうまくやっていただきたいと思います。
    もう一つは、原子力の研究開発は非常に特殊でありまして、これが原子力の人材がなかなか供給できない原因の一つだと思っておりますけれども、ほかの産業のように若い方がいいアイデアを思いついたから、それを研究開発で実用化していくということが基本的にあり得ない業界で、ロバストな流れに沿って、それを実現していくための地道な努力が10年、20年と必要なところでございます。そこに人材としてはまた別の観点を考慮する必要がありますけれども、原子力の研究開発としてはこういう予算要求にまとめられたように、炉に関しては私は次世代炉と高速増殖炉の2つに特に重点を置いて開発していくのが非常に妥当だと思います。また、燃料サイクル、放射性廃棄物についてももちろん重要で、この4点に関して、文科省も含めて予算要求をぜひ進めていただくようお願いしたいと思います。
    最後に、先ほど聞いていて思いついたんですけれども、リプレースするということが大変重要になってきますが、我々は常識では、例えば福島第1の1号機を例に挙げさせていただきますと、リプレースする場合には、第1の1号機を廃炉にしてからリプレースをする、つくり出すということを考えているんですけれども、それじゃ、供給量に穴があくわけで、廃炉にする時期が例えばこれから20年後と決まれば、そのときに稼働するように建設していって、オンタイムで何の損失もなくつなげていくような仕組みを考えるのがおもしろいと思いました。
    以上です。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。続きまして末永委員、お願いします。
  • 末永委員
    ありがとうございます。きょう聞いておりまして、特に電事連さんからの決意表明というか、大変いいお話を伺って大変うれしかったと思います。
    私は2点大きく申し上げたいのですが、その前に前回休みましたので、ほぼ1年前、第16回目のときでありましたけれども、私を含め各委員の方が異口同音にいわゆる温暖化、あるいはCO 2の問題で、これは省エネと新エネに偏っているというご発言をされたと思います。私もそういうふうに発言いたしました。その後、そうではいかんということで、低炭素社会の実現という中において原子力が非常に重要な意味を持っているということを、政府もいろんなところにおいて強調されてきているということで大変よろしいんではないかなと思っています。
    ただ、これまた極めて卑近なことで恐縮なんですが、先月、1月21日だったと思いますが、青森県の県会議員の人たちのエネルギー政策研究会というのがございまして、これは超党派で行っているものですが、そこにおいて経産省の東北経済産業局の方に来ていただきまして、低炭素社会に関するご講演をいただいたわけです。私もそこに出ておりますので、聴かせていただきました。そうしますと、どうも新エネ、省エネのほうに重点を置いて、最後に原子力もありますというちょっとつけ足し的な説明も依然としてあるんです。それは時間の関係であったかもしれません。そういうふうなことではちょっとまずいと思いますので、今後ともよろしくお願いしたいと思います。
    さて、2つの点を申し上げたいのですが、1つは核燃料サイクルに関する問題であります。これから原子力発電推進強化策というのをまとめていくと。それもテーマと期限というものを限って設けて、集中的に議論していくというのは大変いいんだろうと思います。その課題も幾つか挙げられておりました。ただ、このようないわゆる原子力発電に関しましては、もちろん日本ではこれを基幹電源とするということになっておりますが、いわゆる原子力発電と核燃料サイクルというものは一体的に推進されていくべきであるということは、こんなことは私が言うまでもなくご承知のとおりです。しかし、その点を明確に我々としては意識してやってなければならないいかなくてはならないだろうと思います。
    そういう中でちょっと考えますと、現在、これまでも触れられましたが、日本原燃の六ヶ所の再処理工場はご承知のように、ガラス固化設備の試験で大変苦労されている、苦戦しているということであります。竣工が2月から8月に延びたというのもその経過であります。もちろん日本原燃としては当然のことですが、その原因究明等々はきちっとやっていただきたいし、かつまた、それに基づいて、安全かつ着実に今後試験を進めていってもらいたいというふうに思っております。
    ただ、これは間違っていたら恐縮ですが、このガラス固化設備に採用している技術、これはもともと旧サイクル開発機構が開発した国産技術だというふうに伺っているわけです。そうしますと、これまでの開発とか、あるいは日本原燃に対する技術移転、その辺の在り方に反省すべき点があったのかどうか、これも1回検証してみるべきではないかなというふうに思っています。
    いずれにいたしましてもある新聞の社説にも出ておりましたが、まさにオールジャパンとして国あるいは関係機関、それらが現在の六ヶ所村のサイクル工場の課題についても責任を持って、これは電事連さんも申されておりましたが、責任を持ってこれに協力していくという体制をもう一度再構築していただきたいということでございます。同時に今後の研究開発や人材育成、これらについても事業者に全面的に協力していただきたいというふうに思っているということでございます。
    それからもう一点でございます。きょうも放射性廃棄物処分事業に関する地域振興構想の冊子をいただきました。これはすでに私にも送られてきまして見ましたけれども、ほんとうのことを言っていささかがっくりいたしました、正直申し上げまして。こんなモデル集がというふうなということで、何をかなという気がしたんです、正直申しまして。と申しますのは、これはもちろんこれでいいのですが、この事例として出ているのはほとんどが施設、あるいはある種イベント等々です。圧倒的にそうですね。
    ところが、日本の原子力関連の様々な施設が立地したところというのは、大体においてもともと産業基盤が弱い。青森県もそうです。あるいは人口の過疎地であります。そういったところに立地しているわけでありますので、当該地域の産業振興といったものが最も重要な課題になるわけであります。当然、したがってこういう施設をつくったり、あるいはイベントをやることもそのための一助となるのは否定はいたしません。ただ、私がずうっと青森にいて思っていることですが、それだけでほんとうにいいのかと。もう少し突っ込んだ地域共生というものが必要ではないかというふうに思っています。それは例えばJAEAさんが青森県でも始められておりますが、あるいは福井県で行ったような、例えば成果展開事業のようなもの、あるいは日本原電さんも今必死になって行っておりますが、例えば予備品倉庫見学会とか、あるいは原子力メンテナンスマッチングフェアとか、様々に自分たちの技術とかノウハウ、そういうのを可能な限り見せて、地元の企業等々にそれを披瀝することによって、お互いにそこでまた新しい産業を起こしていこう、あるいは産業振興を図っていこうという、そういう地元の企業との結びつきをやっていくことが、これからは非常に重要な課題になっていくのではないかなというふうに思っております。
    その辺につきましても、重要な課題として取り上げていただき、これはもちろん事業者がやればいいのですが、当然国のほうも地域振興云々という場合に、そういう点にも目配せをしていただいた形での予算等々の配分、そういったものをできればお願いしたいということであります。
    以上です。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。内山委員、お願いします。
  • 内山委員
    ありがとうございます。この原子力部会の役割の中で一番大事だと私が思っているのは、核燃料サイクルを我が国においてどのように実現するかということです。そういう視点で2点ほど質問させていただきます。
    再処理工場の最近の操業トラブル、これがいろんな面で今後、燃料サイクルに影響を与えると思いますが、国産のMOX燃料がどんな時期にどのくらい使えるのかというのを、ああいうトラブルから再検討しているのかどうか、それが1点目です。
    2点目は、FBRの実用化にはもんじゅが動かなければ何にもならないわけで、このもんじゅの稼働が今延期されていますが、もんじゅの稼働の見通しがどうなっているのか。足元を固めなければ、いくら先のことを議論しても、それはすべて砂上の楼閣になってしまいます。核燃料政策はもう少し足が地についた検討を今後進めるべきだと。これはおそらく皆様方自覚していることだと思いますが、そういった点で2点ほど質問させていただきました。
  • 田中部会長
    質問の答えについては後でまとめてさせていただけたらと思います。
    それでは、続きまして神津委員、お願いします。
  • 神津委員
    ありがとうございます。地球環境問題にリンクして、原子力ルネッサンスと長年言われているんですけれども、日本の場合は柏崎刈羽、六ヶ所、もんじゅなどで非常に停滞感のほうが強くて、ルネッサンスの気配というのはあまり感じないというのが実感です。しかも、前にここで申し上げたことがあるんですけれども、温暖化とか、気候変動とか、低炭素という部分の中にあって、新エネへの大きな期待感というのはクローズアップされるんですけれども、CO 2削減に関する、あるいは京都議定書の目標を達成するためのコスト負担という論議や原子力に関する議論はほとんど存在感を示せていないような気がするんです。
    予算等難しいところはあると思いますが、内山先生もおっしゃった核燃料サイクルのこと、NUMOの事業の推進のためにも、原子力が学習指導要領に入ったということもありますし、例えば広報ということに関しても文科省、環境省などと連携というよりはむしろ結束をして、一緒になってきちんと温暖化であるとか、気候変動であるという中で原子力の有益性をアピールできるように、経産省のみ、資源エネルギー庁のみということではなくて、もう少し連携を通り越した結束したこれからの在り方というのも示せる広報も考えていただけないものでしょうか。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。続きまして、木元委員、お願いします。
  • 木元委員
    ありがとうございます。資料2-3「当面の重点検討課題について(案)」を踏まえまして、今、電事連から「事業者の取り組み」のご説明がありました。そこで2つ、3つご質問させていただきたいのですが、資料2-4の9ページに「新検査制度の導入」とございます。これはほんとうに待っていたという感じですけれども、この場合にちょっと伺わせていただきたいのは、アメリカ的に運転期間を長くして、検査期間のほうがやや短くなってくる。それで、オンラインメンテナンスが導入されるともっと短くなるという感触がございます。地元では「我々の雇用状態はどうなるのか」という疑問が生じている。点検のスケジュールを地元でも組んでいて、旅館まで用意していると。それで、何名来てくれると期待している。そうすると、新検査制度では地元がどういうことで関与できるのか、地元の希望はちゃんと受け入れられるのかという懸念がありますので、その点をお答えいただければと思います。
    前にも申し上げていたことなんですけれども、ハサップ(HACCP)的な発想がオンラインの中で組み込まれるわけですね。いわゆるクリティカルポイントのところだけを今でも運転中に点検なさっていらっしゃるというお話も伺っております。そういう形で「適切な手段を適切な機器に対して適切な時期に行う」となると、地元はそこのところで安全性はどうなるかと心配いたします。9ページの最後に運転期間の延長に関する地元理解の促進という言葉が使われておりますので、そこを踏まえてお答えいただければありがたいと思います。
    それから2つ目ですけれども、これは言葉になります。拝見しますと「地元理解」という言葉がありますし、17ページのところでは「国民との相互理解」と書いてあって、これは大変うれしいことです。やはり「国民との相互理解」でないと、7ページのように単に「国民理解」とコンパウンドされ、国民を理解させる、理解してもらうというような言い方では受け入れられません。つまり、国民がこの件に関してどういうように考えているのかと、まず相手を理解した上でこちらの考えを述べ、お互いに理解し合うという対応の姿勢であることです。そして、事業を進めていきましょうと。常に、相互理解という言葉を使っていただきたいと思っております。
    それから、肝心なお願いなんですが、これはページ数を申し上げます。7ページの下から2行目、それから14ページ、15ページ、16ページ、すべてタイトルも「原子燃料サイクル」となっております。ところが、今、末永委員も内山委員も「核燃料サイクル」とおっしゃいました。原子力政策大綱にしても、エネルギー基本計画も、原子力立国計画も、こちらで報告を出すときも、それぞれ「核燃料サイクル」と言っております。そこで、核燃料サイクルについていろんな資料やパンフレットをつくります。ご説明をするときにも一般的に私たちは「核燃料サイクル」と言いますが、一方で電事連を中心とする電気事業者の方々がお出しになる資料では「原子燃料サイクル」になっています。「原子燃料サイクル」と「核燃料サイクル」となぜ分けているのか、国民は疑問に思っています。実は事情があり、あるときに「核」という言葉を使うと、国民が非常に危険だという意識を持つ傾向があるということで、電気事業者が原子燃料にお変えになった事もよく存じております。
    ですけれども、今、この時期、核という言葉を使ってもみんなわかってきています。法律を含めて、社会が「核燃料サイクル」と言っているときに、事業者の方々だけが「原子燃料サイクル」と言うのは、そろそろ元へ戻してもいいのではないかという思いです。その辺は今お答えいただけないとは思いますけれども、これは事業者のためです。なぜ事業者の方々だけがそういう言い方に固執しているのかと妙に勘ぐられ、逆に不信感、不利益を生みますので、その辺、十分にお諮りいただければありがたいと思います。
    以上、3つです。ありがとうございました。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。質問は後でまとめて回答をお願いします。
    では、次は寺島委員、お願いします。
  • 寺島委員
    私は資料1の25と26ページに関連して発言しておきたいのですけれども、実は昨夜、先ほどご報告があった、いわゆる温暖化に関する中期目標の内閣府での首相を取り巻く懇談会というのが行われまして、私も参画していたんですけれども、その際、二階大臣がこの原子力を大変力説していたというのが印象深かったんですけれども、それで25ページの6つの分析対象ケースというのが今まさに俎上にのっているのですが、現実に考えてみたときに、2020年までに京都議定書を超えた中期目標として、マックス25%からむしろプラス6%なんていうCO 2の削減といいますか、目標というのが選択肢として我々の目の前に提示されてきたと。
    常識的にいうと、米国のオバマ政権が90年比ゼロということを言い、EUはマイナス20%ということを言い、そのあたりを視界に入れなければならない全員参加型の新しいルールをつくらなければならないというのが日本の課題だと思います。日本の削減量を極端に少なく設定するということは現実的じゃないと思います。国際的な事情もそうですし、国内も、例えば野党は25%なんていう数字を出していますし、公明党も25%削減なんていうことを言っていますから、政治的な数字としてこの数字がひとり歩きしてきている。そういう流れの中で6月末までに中期目標を出すと言ってしまって、いろんな視点から考えてみて、科学的・合理的根拠のある削減目標というのは、マックス15%ぐらいではないかなと私は個人的に判断しています。CDMを使ってもマイナス25%に近づけていくようなことをやらなければならないかもしれないと。
    そういう中で原子力が一つの柱であることは、ある種の流れが見えてきていると思います。であるならば政策論とリンクした数値目標を出さなければいかないわけで、その数字、削減目標ごとにここで出てきている原子力の新増設も含めて、国民の前に一体何をどうしなければならないのかというシナリオをはっきり提示しながら中期目標とリンクさせていくべきだというのが、私の申し上げたい一つの大変大きな論点です。
    この原子力発電推進強化策というのを本年の夏までにまとめるというご報告がさっきありましたけれども、まさにこの中で中期目標としっかりリンクしたストーリーを国民に提示すべきだと思います。その際、柏崎刈羽が止まった事情を考えて、国民の意識からすれば耐震性能というところにものすごく関心があるわけで、IAEAの議論を見ていてもわかるように、日本の耐震性能に対する評価は 非常に高い。地震列島で原子力を推進していくというところのボトムラインは、絶対にメルトダウン的なものは起こさないという技術基盤を確立していることを明確にしていくことが何よりも前提になると思うので、そのあたりのストーリーをしっかり明示していくべきではないのかと思います。
    それからもう一点は、26ページに最大導入ケース、努力継続ケースとありますけれども、この中で原子力の位置づけは大切だけれども、世界の流れからしたときに新エネ2%とか、3%というあたりを2020年に設定しているということはどうなのかなと。やはり小さ過ぎるのではないのかなと。私はグリーンニューディールを過大評価する気はないですけれども、アメリカのバイオマスと太陽と風力が一次エネルギー供給に占める割合が2007年で5.5%であるのがいきなり20%とか30%になるとはちっとも思わない。それでもアメリカが再生可能エネルギー分野に大変思い切ったR&Dと投資をしてくるということを考えたときに、日本の技術が絡みますから、日米間の産業連携の中で再生可能エネルギー技術が大きく進歩すると思います。それを日本として新エネの割合を2%、3%って想定しているのには非現実的なものがあるのではないかなと思います。原子力を4割ぐらいで設定して、再生可能エネルギーとのバランスをとるシナリオにしておくことのほうがいいのではないのかなというのが2番目の論点です。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。では、続きまして秋庭委員、お願いします。
  • 秋庭委員
    ありがとうございます。私は重点項目の中の国民との相互理解の促進について、既に神津委員や木元委員もおっしゃっていますが、重ねて意見を申し上げたいと思っています。
    国民がエネルギー、原子力について情報を得るのは何と言ってもマスコミからですが、いつもはどちらかというとバッドイメージというか、事故やトラブルが起きたときのことばかり報道されて、そこから悪いイメージを受けていると思います。そういう意味では今、低炭素社会の実現に向けて中心となる原子力、あるいは海外でもスウェーデンやドイツなど脱原子力政策の方針転換への動きがある中で、今こそが明るいイメージの原子力にしっかりイメージチェンジができるときなので、広報というものはしっかりやっていただきたいなというふうに思っています。
    ところが、先ほどの予算を拝見していますと、高橋課長もとっても残念だとおっしゃいましたが、国民に向けて相互理解と言いながら、広報予算が減少してきたことは大変残念です。いつもいつもこういう政策論議のときに、必ずどこでも国民との相互理解の促進ということを言っていただいているんですが、私は今度こそ前に形容詞をつけて、「本気で取り組む国民との相互理解」ということをぜひやっていただきたいと思います。
    このところ、今までせっかくやってきたとてもよい広報事業が次々と予算がなくなって、今年で中止されていると聞いています。1つは、例えばエネルギーコミュニケーターといって、一般の人たちでしっかり勉強した方々、あるいはメーカーさんや電力会社さんなどを退職なさった方々が、学校を中心として公民館も含めて出前講座のようなことをしていました。しかしながら、これも今年度で終わりということで、残念です。ただ、私はとてもよかったなと思っているのは、コミュニケーターの方々に今後のことを聞いてみますと、謝礼なしで自前で交通費を払っても、アレンジしてくれれば行きますという方々がとっても多くて、80%程度の方々が何らかのことで謝礼がなくても行きますというお答えをしています。特に29%の方が交通費も自己負担にして、それでも自分たちが生きがいとなって、エネルギーについて普及啓発をやっていくと言っていることはとっても私はうれしいな、ありがたいなというふうに思っています。
    このようなことともう一つは、この2年間取り組んできた都市部の女性たちへの女性セミナーです。こういう広報事業ってどうしても東京からぱっと地方へ行って、大きな会場で開催することが多いんですが、女性が参加しやすい出前講座という感じで、ベッドタウンに近い公民館、お住まいの近いところへ行って託児をつけて、みんなが参加しやすいような形で続けてきた女性セミナーも今年度で終わりということでとても残念です。
    結局は費用対効果という言葉に泣いているんではないかと思うのですが、費用対効果が人数で計られているのはいかがなものかと思います。大きな会場でほんとうに伝わっているんだろうかと思うこともよくあります。それに比べると、たった20人や30人でも出前講座へ行って、そして目を輝かせて「こんなことは知らなかったわ」、「これからはきっちり自分たちの使っているエネルギーについて考えなくちゃいけない」ということを感じ取っている方々も大変多くあります。
    そこで、今年度は仕様がないですが、次年度からほんとうの意味での費用対効果というのはどういうものなのかということを財務省にちゃんと提示できるように、予算請求の前ではなくて、今の時期からそういうことをお示しできるようなことをぜひ検討していただきたいと思います。
    以上です。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。では、次、秋元委員、お願いします。
  • 秋元委員
    広報問題についても今、秋庭さんの言われたことはまさにすべて賛成でございまして、同じことを繰り返しても仕方ありませんので、広報問題についてはもう一段のご努力をぜひお願いしたいということを申し上げたいと思います。
    今日いろいろとお話をいただきまして、特に電事連さんのお考えや国のお考え、原子力に前向きに取り組んでおられる姿勢がはっきり出てきました。今までスウェーデンだの、イタリアだの、海外のほうはルネッサンスが進むのですが、どうも日本では、中では潮目の変わっているのが見えないというのが実感だったわけですけれども、今日このお話を伺って、やはり日本でもルネッサンスの流れが今出始めているのかなというふうに思うわけです。
    ぜひともこれを成功させていきたいわけですけれども、そこで今度、原子力発電推進強化策に取り組まれるということで、そこへいく一つの目標として、先ほどから過去に84.2%の稼働率の実績があったので、そこまでとにかく戻すのだというお話が政府の案からも、電事連の案からも出てきたのですが、実は84.2%を達成しても、世界のレベルには達しないわけですね。90%なのです。これはアメリカが90%を超えているだけではなくて、韓国もそうですし、いわゆる原子力の先進国はそれに近い成績を上げている。フランスのようにロードフォローをやっていて、低いという特別な事情があるところはありますけれども、それだけの実力を持ってないと今は先進国ではない。私はこれからの日本は世界をリードし引っ張っていく国にならなければいけないと思いますので、2020年度、2030年度に原子力がどれだけ貢献できるか計画を立てていくときに、84.2%の原子力で考えるのか、90%の原子力で考えるのか、是非前向きの姿勢で臨んで頂きたい。これは全体の対応のコストにも大きく響いてくると思いますし、そこへ持っていく我々原子力界の覚悟のほどにも影響すると思いますので、そういう数値目標を示して頂きたい。こういう計画を踏まえて、当然、出力向上や、大メンテナンスなど、いろいろ対策を具体化させてゆく必要がある。
    特に私が気になっているのは、炉を起動させる時のいろいろな条件でありまして、安全性は確認されているのだけれども、不安だから、地域住民からの理解が得られないからという格好でずるずると延びる。安心させるためといってまたいろいろな手続きのために延びていくという、よその国にはないような状況が日本にはあるわけで、そこをどうやってクリアしていくか。そのためには、先ほどの話へ戻るのですが、秋庭さんのお話のように、地元の方たちに本当の原子力の実態を腹の底からわかっていただければ、こういう不安も減っていくわけで、そういう活動をぜひやらなければいけないのではないかなと思っており、ぜひそのあたりも検討の材料に入れていただければと思います。
    それから、サイクルの問題が幾つか出てきました。最近、いろいろと感ずるのですが、サイクルは自由市場経済に任せていたのでは絶対に進まないという、これは歴史的にそうなので、例えばイギリスは一時はサイクルの先進国だったのですが、自由市場経済に委ねた結果、完全に失敗をしてしまいました。ドイツは市場経済というよりは政争の道具になってつぶされたわけですが、成功しているフランスなどを見てみますと、一応民間の活力をフルに利用するわけですけれども、国がきちっとした戦略で先導して、国としての一貫した政策に則り、その戦略のもとで進められているから、立派なサイクル事業ができ上がっているということがあります。
    原子炉そのものを建設していく事業と、サイクルを持続的に進めていく事業との間では、事業の性格も全体の収益構造も全く違いますので、原子炉建設のマーケットイメージだけでサイクルビジネスまでも全部まとめてしまおうとしますと、どうしても無理が出てきて、そこがひずみになってしまうということが出てくるわけです。
    日本でも一番最初、原子力事始め、古いことを言いますけれども、昭和30年台の初めには、まず原子燃料公社というのができまして、国がサイクルについては最終責任を持つとの意思表示が非常にはっきりしていたと思うのですけれども、その後、核燃事業団になり、あるいはサイクル事業団になり、原子力機構になり、いろんな格好で電力もサイクルに絡んでくる過程の中で、サイクル全体の総合戦略がどこでまとめられていて、その責任分担はどういうふうになっているかが曖昧になってしまった。このことへの反省といいますか、詰めが今まで1回もされないまま、ここまで来てしまったということが問題であろうかなという気がいたします。
    今年は再処理、もんじゅがぜひ動いていただきたいわけですけれども、それが動いてもまだ日本のサイクルはつながっていない、一つの輪になっていないわけです。これはこの後の国際戦略のところでもいろいろとご議論があると思うのですけれども、サイクルを完結させるということは、日本の原子力発電を長持ちさせるということだけではなくて、これから海外に進展をしていくためにも、日本がサイクル国として核燃料サイクルに関するノウハウとか、資源を提供していく能力がないとそれはできないわけです。最終的には原子炉の国際展開にもつながるわけですけれども、その前提となるサイクルについての取り組みがまだ日本では非常に弱いという感じがいたします。ぜひともサイクルを日本はどう戦略的に取り扱ってゆくべきかということについて、少し深く掘り下げるような議論をしていくような場を、国際戦略検討小委員会でも結構だし、どこかでやっていただければ大変ありがたいというふうに思います。
    以上でございます。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。南雲委員、お願いします。
  • 南雲委員
    ありがとうございます。エネルギーを取り巻く内外の情勢を踏まえれば、既設炉の利用率の向上と着実な新増設の同時達成は、まさに喫緊の課題だというふうに思っております。本年は柏崎刈羽原子力発電所の先月の復旧ですとか、六ヶ所再処理工場の本格運転、プルサーマルの実現、もんじゅの運転再開など、我が国のエネルギー政策にとってまさに正念場の年だというふうに思います。また、現在、論議が進められております我が国の原子力発電の海外展開についても、これら課題の達成なくしてはおぼつかないものと認識をいたしております。それだけに今回策定をされる原子力発電推進強化策については、大いに期待をいたしております。私たち電力関連産業に働く者としても、自らに課せられた使命と責任を改めて自覚をし、これまで同様、安全・安心を最優先に地域の皆様はもとより、国民の皆様のご理解も得つつ、我が国の原子力政策を前進させるために全力で取り組んでいきたいと思っております。
    その上で2点意見を申し上げます。1点目は労働安全衛生の確保でございます。私たちの働く仲間たちは今このときも原子力発電の安全を担い、新たな検査制度をはじめとする近年の安全規制見直しへの対応、さらには原子力固有の課題とも言える立地地域の皆様に対する理解活動等に懸命に取り組んでおります。こうした中、既設炉の利用率向上は私たち現場第一線で働く者にとっても目指すべき大きな目標でございますが、そのことは原子力の安全確保が大前提であることは言うまでもありません。私たちはこれまで一貫して、原子力の安全性は職場の安全衛生の確保が大前提と訴えてきたところでもございます。原子力発電所の利用率向上もやりがいを持って、生き生きと働くことができる職場、そして何よりも立地地域の皆様のご理解があって初めてなし遂げられるものと考えております。
    また、原子力発電にかかわる安全規制も規制のための規制ではなく、安全性を高めるための規制でなくてはならず、そのことがひいては発電所の利用率向上にもつながるものと考えております。経済産業省におかれましても、職場の安全衛生の確保に向けた労働組合のこうした考え方につきましても、引き続きご理解をいただくようお願いをしておきたいと思います。
    2点目はエネルギー政策の推進に向けた政府の役割についてでございます。国にとってエネルギー政策はまさに国益にかかわる基本政策でございます。とりわけ近年のエネルギーをめぐる大きな環境変化の中で、諸外国においてはエネルギー安全保障が最重要テーマであり、地球温暖化対策の推進とともに、いかに一体的に解決していくか戦略的に議論されております。
    翻って我が国の状況はどうかということになりますと、資源の供給構造が極めて脆弱な省資源国であることが国民全体にどれほど自覚されているのか。石油ショックの経験が、過去の教訓が風化してはいないのか。極めて高い戦略性と具体的ビジョンが要請されるエネルギー政策がいっときの情緒に流されて、その基軸がぶれるようなきらいはないのかなど、少なからず懸念をいたしております。言うまでもなく、我が国のエネルギー政策、とりわけさきに述べた原子力政策上の課題の克服は、まさに待ったなしの状況だと思います。経済産業省資源エネルギー庁におかれましては、新国家エネルギー戦略や原子力立国計画など、これまでの政策議論の積み重ね、そしてこのたび策定されようとする強化策について、決して取りまとめることをゴールとはせず、これを原子力立国に向けた挑戦の新たなスタートラインとして、他省庁も含めた政府全体の戦略目標と位置づけるとともに、これまで以上に政府が前面に出た上で、私たち民間の取り組みを最大限にバックアップしていただくことをお願いし、意見といたします。ありがとうございました。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。続きまして服部委員、お願いします。
  • 服部委員
    ありがとうございます。原子力発電の推進強化策に関しまして、今回、低炭素社会の実現に向けてということで、原子力発電の着実な新増設並びに既設炉の活用について官民の取り組みを強化して、国としての強化策をまとめるという今回の取り組みを高く評価したいと思いますし、策をまとめるだけではなくて、これをきっちりタイムリーに実行していくということが大事だというふうに思っております。
    私ども原子力産業協会は、電気事業者や原子力産業の直接の当事者ではございませんで、そういうことから全国の原子力発電所の立地の自治体も私どもの会員になっていただいておりまして、事業当事者でない立場で立地地域、自治体の団体との対話も行っております。
    そういう中で、既設炉の活用に関しまして、これまで立地地域の住民の皆さんにその意義についてわかりやすい説明が不足していたのではないか、定量的なイメージといいますか、そういうこともつかみにくいということになっていたのではないかというふうに感じておりますし、反省しております。今後、対話を一層深めてまいりたいというふうに考えております。安全が最優先するということは言うまでもございませんけれども、原子力発電の活用に関しまして国民経済的な視点、あるいは立地地域の発展の双方の視点で強化策に取り組むことが大事かと思っております。また、幅広い会員を私どもの事業基盤とする原子力産業協会といたしましても関係機関と連携いたしまして、国民相互の理解の促進に関しまして私どもの役割を果たしてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。ありがとうございました。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。続きまして鈴木委員、お願いします。
  • 鈴木委員
    ありがとうございます。私から今後の推進強化策の3つの点についてコメントさせていただきます。
    まず第1に、全体的にぜひこの推進策のコスト効果を明らかにしていっていただきたい。たくさんある施策の中でコスト効果の高いほうから実行していくというのが重要なのではないか。昨年来、マッキンゼーが出した温暖化削減コストカーブが有名になっていますけれども、国立環境研の出したコストカーブを見ますと原子力は入っていないと。これはやっぱり問題でありまして、ぜひこの原子力部会で新しいコスト試算を出していただきたい。たとえば、「既設炉の稼働率を5%上げると6,300万トン削減される」という説明がありましたが、これはCDM費用に換算すると、さっき柏崎の停止で700億円払っているということですから、単純に計算しますとこれだけで1,400億円の節約になると。こういうふうな定量的なコスト効果についても、ぜひ議論していただければありがたい。
    それから、新設についても多分発電コスト5.9円/キロワットアワーという推定から見直しがされてないので、ぜひ今回それも見直していただいて、その中に温暖化削減効果も算入して、原子力のメリットの可視化というのを強めていただきたい。これが1点。
    それから、核燃料サイクルの着実な推進も非常に重要でありまして、私もきょうの説明には大変賛成なんですけれども、先ほどの六ヶ所村の問題で動いてないということが非常に深刻な問題になる可能性としては、使用済燃料の行き先がなくなるだろうということで、この点もぜひ明記していただきたい。使用済燃料の貯蔵の確保というのは大変重要なポイントであると。
    それから、第2再処理工場の費用についてのお話もございましたが、もちろんそれも大事なんですけれども、現在の六ヶ所再処理工場の費用の問題、これが一体どうなっているのか。たしかこれは基金をつくったということですので、基金の運用状況についてもぜひ明らかにしていただいて、サイクルの推進の国民的な理解促進に努めていただきたい。これだけでございます。ありがとうございました。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。次、内藤委員、お願いします。
  • 内藤委員
    この議題についての現状整理のご説明を伺ったり、あるいは次の議題である小委員会の論議も読ませていただくと、論点はよく整理されていて、着実に実行しようという意欲は感じますけれども、前向きに大きく前進するという点からいえば、これらの整理を基に今後同じような進め方をすれば、知的整理にとどまるのではないかという懸念を持ちます。国を挙げて実行を推進するという体制の構築にぜひ焦点を当てた具体的なアクションプランを真剣に検討していただきたい。フランスで議論に参加して強く感ずるのは、官民の首脳や関係産業の首脳が一体となって、単なるおつき合いの意見交換ではなくて、本音で戦略を語り合い、実行を考えているということで、国家首脳を中心に、かつそれを経済的・外交的に推進しているということに感心します。
    日本でもこのような官民の首脳で検討を進め、推進のプランをつくり、チェックしていくという体制の再構築をお願いしたいと思います。したがって、知的整理に終わってはいけないのであって、もし現状のままで話が進められると、結局、当面の重点事項である既設炉の活用や2020年までの13基の増設、あるいは廃炉負担を含む料金制度等の個別の問題の検討にとどまるのではないかという懸念を持ちます。
    もう少し具体的に戦略の進め方について言及させていただきますと、エネルギーセキュリティをめぐる原子力の見直しと、地球温暖化の対策の両面を世界的視点から見て改めて考えますと、日本の原子力産業は今後の日本の産業全体の中でも最も重要な中核産業の一つとして位置づけられるのではないかと思っております。そういう位置づけを明確にした上で、特にそれを実現すれば、日本の後世の人にとって非常に良いビジネスチャンスを与えられたということになるのではないかと思います。
    そういう点で国の先導を含め、政策的に検討していただきたいことを3点だけ申し上げますと、第1は官民一体となって、メーカー間の一致協力を可能にする産業体制の整備や、電力とメーカーとの協調体制づくりを検討していただきたい。海外との連携が重視され、国内間の連携というのがおざなりになっているという体制問題が第1点であります。
    第2点は、核燃料のサプライチェーン構築ということが今後の世界展開では不可欠ですから、フロントエンドからバックエンドまで一貫した体制を、必要があれば一部国際協力も含めて、(検討は進められておりますけれども)具体的に推進するということに力を入れていただきたい。
    第3番目は、充実した研究体制をぜひ整備していただきたい。今後の日本の少子・高齢化社会を考えても、限られた研究者を効率的・集中的に活用しての国を挙げての研究体制、その前提として企業の体制整備、それを支える研究体制が必要だと思います。現状の企業別の分散型体制では、フランス、ロシア、アメリカ等に劣後していくのが目に見えるように私は感じます。それから、研究の方向についても国際標準づくりということをやらなければ、国際展開ができない。そういう点も明確に意識してほしい。例えばFBR一つをとりましても、いつまでもループ型のみにこだわることで良いのか。タンク型をもんじゅに適用し、その結果を踏まえて、現状で素直に判断するというふうな焦点の当て方についても必要なのではないかということで、この3点は国がもっと力を入れて主導すべき政策分野であると私は感じております。
    非常に厳しいことを申し上げましたけれども、初めに申し上げましたように、今後の原子力産業の重要性、それが日本の将来発展について重要であるということを考えて、検討の場の引き上げも含めてご検討をいただきたいと思います。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。次は岡崎委員。
  • 岡崎委員
    ありがとうございます。各委員からのご発言も踏まえまして、3点ばかり発言をさせていただきます。
    まず第1点は、内山先生からご指摘がありました高速増殖炉開発の中核施設であるもんじゅの将来の見通しについてであります。ご承知のとおり、運転再開を控えた最終段階でありますし、今、プラント全体の機器設備の健全性の確認を進めてまいりました。大変残念なことに幾つかの課題に直面をしましたし、その中でも昨年9月に原子炉補助建屋の屋上に設置してあります排気系ダクトに腐食が見つかりました。
    大変初歩的な点検漏れであったということを言わざるを得ないというのは大変残念なことでありますけれども、速やかに補修をして、安全を確保していかなくてはなりません。今後、数カ月をかけてこの補修を完成し、残されたプラント確認試験を終えるということが何よりこの運転再開に備えた不可欠なことであります。残念ながらこの補修に数カ月、そしてプラント確認試験を終えるのにおそらくまだ半年以上かかるという状況で、今の予定ですと、このプラント確認試験を終える予定が8月末ということと我々は考えているところであります。同時に国民、あるいは地元の皆さんの関心が高い新しい耐震の基準に基づく耐震評価というものも速やかに完成しなければなりません。
    こういった設備面についての万全の対策、そして同時に私どもの組織、運営面についても強化をしなければならない課題というものがございます。こういったものに取り組みまして、できるだけ早く運転再開に備えて、十分安全に行っていけるという見通しをしっかり示すということが何よりも大事だと思っています。このもんじゅの運転再開に当たりましては、地元の皆さんの改めての同意が必要であります。したがって、こういったこれからの補修や耐震問題等の見通しをしっかりつけた上で、改めて運転再開の時期をしっかりと確定して、説明を進めていきたいと思っています。もちろんのことながら、このもんじゅに対しては大変大きな内外の期待を寄せられている課題であります。大変大事な課題でありますので、しっかりと今申し上げた体制を組み、安全第一で取り組んでいきたいと思っています。
    第2は、大橋先生からご指摘があった研究開発はもとより、原子力活動全体に対して若い人の意見をできるだけ反映していくような仕組みを取り入れていくということがこれから大変大事になってくるのではないかということで、私どもも今までは大学院の皆さんとの連携を中心にやってきたわけでありますけれども、それを学部レベルまで広げていく。あるいはさらには高校、あるいは小中学校の原子力教育についても、この原子力の分野について取り組んでいくということは大変大事な課題であろうかと思います。ぜひ経済産業省、文部科学省が連携をされた、こういう取り組みをさらに強化して、原子力教育にぜひ努力をしていただきたいと思っています。
    3点目は末永委員からもご指摘がありました六ヶ所の再処理施設、特にガラス溶融施設についての今のトラブルへの対応であります。私どもの技術を六ヶ所の再処理施設のガラス溶融施設に移転をするということで、協力をして取り組んでまいりました。1年ほど前からこのトラブルが発生して以来、私どもの中核的な研究者を派遣いたしまして、ともに今この問題の解決に努力をしているところであります。ただし、私どものこれまでの経験の中でも十分取り組んでいなかった分野についても残念ながら含まれているということで、場合によっては基礎的データまでさかのぼって、速やかなこの問題の解決に今取り組んでいるところであります。原燃が今、計画されている運転再開に我々も十分間に合うように全力を挙げて運転開始に向けて取り組んでいきたいと思っています。
    以上であります。ありがとうございます。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。次は長見委員、お願いします。
  • 長見委員
    ありがとうございます。何人かの委員の方が既に関連したことをおっしゃっていますが、私も、度重なる六ヶ所の再処理工場ともんじゅの運転実用化の延期、技術的な問題での計画の遅れというのは非常に残念に思います。外的な要因ではなくて、技術的なというところに国民としては大変不安を感じて、信頼感が揺らいでくる可能性があるわけです。かといって、計画通り進めようとして無理な実施をするというのはより一層いけないことですが、電事連さんの報告の中にありましたように、再処理事業のところで触れられていますが、基礎基盤技術の強化における官民一体の取り組みが必要というふうに指摘されているわけです。それは非常に重要なことで、今、岡崎委員がおっしゃいましたけれども、技術的な人材が非常に心配になるところがあります。ぜひ官民一体となってこの問題に当たって、国民の信頼感を得ていただきたいと思います。
    以上です。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。引き続きまして佐々木委員、お願いします。
  • 佐々木委員
    2点お願いいたします。資料2-1の19ページに関連して、特に対インドの問題でございますが、この左のほうの「インドへの原子力協力に関する国際動向」という左のほうに○(丸)が打ってあって、○(丸)の上から4番目、9月に原子力供給国グループ(NSG)の臨時総会があって、インドに対して「原子力の協力を可能にする」という声明を採択したというふうに書いてある。この直前の8月末に我々は原子力部会を行っています。先ほどの事務局のご説明では、ここのところをさらっと流してしまったのですが、私はそんなにこれは簡単な問題かと思うのです。つまり、この表題にあるように、直近の「原子力の政策をめぐる最近の話題」の基本にかかわる点ではないかと思っております。この点に関していえば、我が国は19ページの左の上2つの○(丸)、これが原則です。「核兵器の不拡散条約に加盟していない国」、例えばインドに対しては2つめの○(丸)の通り「制裁」がある。つまり。「原子力に協力しませんよ」というのが「制裁」で、それを4番目の○(丸)のところでそういうこれまでのポリシーをおろしたと思うのです。そのことについて「なぜ」日本はそういう政策を今回とったのかということを、この原子力部会の場で説明すべきではないかというふうに思うのです。それをネグレクトしていいのかなというのが私の疑問です。
    どうしてかといったら、日本はこの面でグローバルに見て、今まで先導的な役割を果たしてきたというふうに私は理解しています。それを曲げてまで、こういう政策転換を今回やった。その説明が必要だ。新聞報道では、例えば原子力というのはCO 2を減らすことに貢献するとか、云々とかいろいろありますよ。しかし、こんな説明は理由にはならないと私は思っています。今回、どうしてこういうような非常に例外的に扱いをインドに対してしたのかということについてのきちっとした説明が要るというのが1つ。
    それから、今のことと関連して、本来、この問題は原子力委員会でやるべきことだというふうに思います。この点について、『エネルギーレビュー』という雑誌があるのですが、それの直近の2月号に近藤委員長が論文を書いている。これを読んだのですけれども、非常にわかりにくいのです。どこがわかりにくいかといったら、こういうふうに書いているのです。「9月の半ばに原子力委員会をやった。それで、こういうようなインドに対するポリシーの転換について、原子力委員会としてはその見解についてイエスと言うのか、ノーと言うのか、これについて検討した。」そこのところにこう書いてある。「外務省からの説明を受けて、これによって原子力委員会は今回のNSGの合意を肯定的に評価した」と。
    私はここのところを見て、ほんとうにこんなものでいいのかなと思ったのです。「委員会」というのは政府と直結したものではないだろうと思うのです。「委員会」というものはその本質からいえば、政府がある決定をしても、それに対して「ノー」であれば「ノー」と言うべきものだと思うのです。ところが、この文章では、外務省の説明によって肯定的に評価したとあるが、これは正しいのだろうかと。「独立性」という委員会の非常に重要な本質からいった場合に、ほんとうにこういうような理解でいいのかどうか。これは原子力委員会の話なのですけれども、この席にたまたま内閣府の方も外務省の方もいらっしゃいますから、ちょっとこの辺のことを教えてもらいたいのですが、この点について原子力委員会はどういうような議論をして、肯定的な「イエス」というふうに今回の国の政策転換を評価したのか、この辺についても教えてもらいたい。以上2点。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。後ほど事務局から質問に答えていただけたらと思います。
    それでは、続きまして西澤委員、お願いします。
  • 西澤委員
    私から2点ほどご説明させていただきます。
    1点目は柏崎刈羽原子力発電所の現況です。点検評価の計画書に基づきまして、設備健全性の確認を1号機から7号機において順次進めています。現在のところ、安全上重要な機器の機能に影響を与えるような損傷は一切認められておりません。最も進んでおります7号機ですが、2月3日にタービンの復旧は完了しております。系統の機能試験もすべての試験が2月4日に終了し、健全であると私どもは評価しております。系統試験の結果につきましては、昨日、保安院へ報告書を提出し、ご審議いただいている状況にあります。また、今後計画をしております原子炉を起動して、蒸気を発生させて行う試験、いわゆるプラント全体の機能試験につきましても、昨日、保安院に計画書を提出しております。
    当社といたしましては、現段階でプラント全体の機能試験に向けた、いわゆる物理的な準備がほぼ整ったというふうに認識しておりますが、開始に当たりましては保安院、原子力安全委員会でのいわゆる最終的な審議をきちんと踏まえるとともに、地元のご了解をいただくことが大前提であると考えております。
    その他の動きにつきましても、6号機は機器単位の健全性評価は完了しております。現在、系統試験を行っている状況ですが、2月4日には燃料装荷を開始して、順調に試験を進めているところです。耐震強化の工事は1月25日に終えることができました。それから、1号から5号機につきましては、機器単位の健全性の評価の確認を一つずつ丁寧に進めております。これらの状況につきましては、引き続き立地地域の皆様をはじめ、広く国民の皆様にお知らせしていきたいと思っております。
    2点目は原子力発電の推進に関するものです。何人かの委員の方からもありましたが、原子力は低炭素社会実現の切り札であります。国におかれましてもこれまでも事業者の取り組みをいろいろ評価いただきまして、合理的な規制構築の検討など、様々な推進へのご支援をいただいているところですが、技術の進歩や経験の蓄積、諸外国の経験などを踏まえて、いわゆる電事法や規制法などをはじめとする規制の体系については、不断の見直しをぜひともお願いしたいと思っております。原子力の安全、品質向上を図る上で、合理的な規制体系は重要なファクターであり、柱であると考えております。その点をぜひともお願いしたいと思っております。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。山名先生、お願いします。
  • 山名委員
    原子力発電推進強化策について一言申し上げたいと思います。まず国がイニシアチブをとってこれを進めていくことは大変歓迎であります。
    まず、現在の原子力の現状というのを簡単にいうと3つの点があげられます。1つは力を出し切れていない。2つ目は十分理解されていない。3つ目が長期的な対策について頑張っているものの、まだよく見えないところがある。この1、2、3があるわけですね。強化策はこの3つに取り組むものだというふうに理解しておりますが、私は強化の方法は短期的なものと長期的なものの2つに明確に分けてやったほうがいいだろうと。混在させるとややこしいというふうに思っております。
    例えば短期的なものでいいますと、設備利用率の増強が挙げられるわけですが、先ほどの電事連の設備利用率の推移を見てみますと、84%から60%までに下がった原因は、不祥事と予防保全と地震ですよね。ですから、この3つを解決していけば、そこそこのところまではまず上がるというふうに理解されますし、この不祥事と耐震設計のある種の不足というのは過去の清算が要るわけです。これをまず清算して、きちんと84%レベルまでに戻すということがとても大事だと思いますので、それをまずきちんとやる。それから、出力増強や検査の合理化等で、さらに高いところを目指すという2段階アプローチがいいだろうというふうに思っております。
    ところで、この方策を表明していくときに、現在の国民のいろんな反応を見ていますと、例えばプルサーマルに対する反対活動、再処理工場に対する反対活動、地震に関するいろんな不安等を見ていますと、かなりいろんなものが今混在しておりまして、出力増強などが同時並列で国民に対して説明していけ得るものなのかという気がします。ですから、一つ一つ片づけながら、次にここを目指すというような段階アプローチというのがいいのではないかというふうに思っております。
    それから、長期的な視点では、リプレースとか高経年化は当然着実に進めていただきたいのですが、特に長期的な視点で大事なのが再処理と中間貯蔵です。現在、ガラス固化でトラブっておりますが、再処理も決して1年、2年の話ではないわけです。長い話でありまして、ある意味で長期的にきちんとしたものにしていく。そのときには再処理と中間貯蔵のペアが非常に大事なわけです。現在でも六ヶ所というのは半分しか処理できません。あとは中間貯蔵ですから。それにしては中間貯蔵の議論というのはきょうの説明でもほとんどなくて、再処理と中間貯蔵をうまく組み合わせながら長期にわたって乗り越えていくという姿勢がもう少し詰められるべきだというふうに思います。
    それから、低炭素の話について寺島委員からご発言がありましたが、私も同感でありまして、最大導入ケースで2030年14%減を目指すパターンでいくんですが、この際にエネルギーの消費のパターンがかなり変わる。つまり、かなり大きな省エネ社会になっていますので、電力の消費パターンがかなり変わってくる。そのときに火力の利用の方式、あるいはプラグインハイブリッド自動車、あるいはヒートポンプの対応等、いろんなパターンが入ってくる。そういうことを考えると、原子力にある種の柔軟性を持たせておくということが大事なのではないか。例えば負荷追従運転、あるいは原子力の導入の時期、それから出力向上もある意味では出力の変動幅を持たせるという意味を持っていまして、原子力にある種の柔軟性を持たせるという意味で、低炭素エネルギーのベストミックスの役割を考えていくべきだろうというふうに思います。
    それから、最後に原子力発電推進強化策ですが、この名前が何となく原理主義的で、推進というのは何もなかったときに入れていこうという言葉だと思うのです。推進強化策というと、いくぜ、いくぜというふうに聞こえまして、今、原子力は今言いましたように、短期的・長期的に息長く安定で、利用性の高い電源として確固たるものにしていくんだという、そのための方策であると思いますので、もう少しいいネーミングはないかなということを今ちらっと思いましたので、ご検討いただければ幸いです。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。木場委員、お願いします。
  • 木場委員
    どうもありがとうございます。私からは原子力立国計画なども作成の途中でも申し上げたのですが、あの中の内容が中長期的なことが多い中、一番短期で取り組まなければいけない課題として、放射性廃棄物処分場の問題があるのではないかということを申し上げました。
    その広報について少し意見を申し上げたいと思うのですが、いただきました最近の動向の冊子の11ページについてでございますけれども、こちらで地域振興構想研究会が取りまとめた報告書というのが冒頭に出てきます。きょう自宅から持ってきたのですが、皆様のところにもちょうどご配付されていますけれども、こちらに目を通させていただきまして、大変うまくまとまっているという印象を持ちました。処分事業がもたらす直接的なメリットにとどまらず、地域の自律的な発展につながる等にというスタンスで、現在の国の施策ですとか経済的メリット、それから地域振興プランについて内外の例をたくさん取り入れて、非常にわかりやすくまとめていると思いました。大いにこちらを活用して広報していただきたいと思いますが、同じページの中にそういった表現がたくさん出てきております。「様々な機会を利用して理解活動を展開する」とか、「全都道府県での説明会等で引き続き実施する」とか書いてあるのですが、実際に広報の現場でどのようにご活用になっていらっしゃるのかということも少し質問させていただこうというのが1点目でございます。
    2点目は、今のお話というのは候補地への理解促進活動になると思うのですが、もう一つ大切なのは、候補地の自治体もそうですけれども、広く処分場の必要性について国民の皆様に理解いただくことが、候補地への後押しにもなると思われます。処分場の前に、原子力の有用性についてもっともっとご理解いただく努力が必要だと感じております。例えば昨年のサミット直後に内閣府が発表したアンケート結果によりますと、低炭素社会に向けてどんなことが有用だと思いますかという選択肢の中で、原子力という答えが一番低いところにございました。15%ぐらいでございました。その3年前のアンケートでも、原子力が環境性に非常に有用であるということを知っている方は3割強しかいらっしゃいませんでした。このあたりでもっともっと広く国民の皆さんへの広報について考えていただければと思います。
    最後に、広報手法について一言。私自身、月々2~3回シンポジウムや講演などで環境のお話をさせていただく現場で感じることでございます。例えば経済産業局さんの仕事なども結構あったのですが、まだまだ広報するときに、例えばパワーポイントですとか、冊子ですとか、目で見るものをご用意なさらない現場というのがたくさんございました。口頭だけで今のエネルギー事情をわかっていただくというのは非常に難しいことですので、そのあたりの工夫をまたお願いしたいのと、逆にパワーポイントは用意していても、1つの画面に資料が4つも一遍に詰め込まれていて、字が小さくなって全く読めないとか、英語のままであるとか、その部分でも確実に1枚1枚ご理解いただけるような工夫というのは広報の部分では必要ではないかと。そんなことを感じました。
    以上です。ありがとうございました。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。井川委員、お願いします。
  • 井川委員
    ありがとうございます。3点手短に申し上げたいと思います。
    1つは地域振興についてで、最近、よく出ておみえになるのが双葉町の町長さんがよくテレビに出てきまして、何をおっしゃるかというと、給料をただにして、自治体として非常に困っているというご発言があって、地域振興というのは難しいんでしょうけれども、原子力が立地している地域でこれだけ苦しんでいる地域というのが毎度毎度マスコミに出てくるというのは、原子力が立地してもこれは大変なんだなというイメージがあるわけです。それで、自治体の運営ですので、これは国とか事業者が物申すことではないというのは当然の大前提としつつも、これまで地域振興の中でアドバイスとかを適切に国はやられてきたのかというのは、ちょっとクエスチョンマークが残るわけです。
    それで、先ほど末永先生からはちょっと辛口、それから今、木場委員からは評価される、地層処分の地域振興プランのことについてありましたけれども、僕はこういうのをつくって、ぜひ宣伝してほしいと言ってきたわけですけれども、これは末永先生がちょっとおっしゃったように、これはメニューを並べただけで、これをどうきめ細かく後押ししていくのかという部分が足りるのかというのはちょっと感じなくはなくて、これは原子力を推進する側でやられている資源エネルギー庁さんとしては地層処分に限らず、地域振興をどうやって進めていくのかということをもう一度真剣に取り組んで検討して、これを核にして、ここまでやられたわけですから、ぜひ取り組んでいただきたいなというのが1点あるわけです。
    それでもう一点は核燃料サイクルで、これは何人かの先生がご指摘になっているところであります。それで、秋庭先生から先ほどマスコミがバッドイメージを流すとおっしゃったんですけれども、今、サイクルは大体マスコミの記事で原子力について悪くというか、これ、先行き進まないよねってよく取り上げられるのは、再処理とプルサーマルと放射性廃棄物処分と高速炉のこの4点セットで、全部うまくいかないではないかというのが大体取り上げられているところであります。
    それで、この中で当面の重点検討課題の中に入っていないというのが、いささかこれはほんとうに大丈夫なのかと。つまり再処理を見ても、全部これを見ましても、推進体制の中で人の面でも能力の面でもとんまなことをやっているなというのが、先ほど岡崎委員からちょっとご紹介があって、それにまたさらにむち打ちようで申しわけないんですけれども、とんまなことをやっているなみたいなことを世間からとらえられるようなことが立て続けに起きているというのが実態だと私は申し上げざるを得ない現状だと思います。
    そうなると、これは文部科学省さんも含めて、この部分についてどうしたら引き締めを図れるのかというのをもう少しきっちりやらないと、これはいけないと思って、当面の重点検討課題の中にそれをぜひ入れていただきたいなということが1点です。
    もう一つは、先ほど来推進と規制の話について大橋委員と南雲委員からちらっと出てきた話でありますけれども、私は推進と規制については厳然と分けなければいけないと思っています。規制のための規制とか、あるいは推進と規制を分けなければならないというのはご指摘があったようですけれども、これは何がこれまで今までいろんな問題が起きたかというと、規制に対する信頼感、あるいは規制の取り組みの弱さというのがむしろ逆に足を引っ張ったのではないかと私は思っています。最近の話題の中で98年には84.何%までいったというんですけれども、このとき何が現場で起きていたのかということは、その後、点検における問題点等々の問題で明らかになっているわけです。そのときに保安院なり、規制当局の点検の在り方の検討が長々と進まずに延々とやっていて、実際問題として具体的に表へ出てきて、ちゃんとした結論が出ないで世界におくれていたというのが、ああいった問題を起こした背景にもあるわけですけれども、これは翻してみれば規制体制、規制に取り組む人たちの体制が弱かったのではないかということが言えると思います。
    今後、当面の推進強化策の中でいろんな出力等について向上させるのであれば、規制当局というものの信頼性、あるいはそれを実際にやるのをチェックする体制というのが強くないと、これは地元の方に全くご理解いただけない。また、逆に冷え込ませてしまうということも起こりかねない。したがって、むしろ今の規制の保安院等の体制を見ていると非常に忙しそうで、家へ帰る暇もなく、朝から晩まで死にそうに働いているように見えるので、むしろここにおいて人でも組織でも強化してあげるというのが重要ではないかと私は思います。
    以上です。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。次、河野委員、お願いします。
  • 河野委員
    何カ月か間を置いてこの会議を開くと、これだけメンバーがいますから、普段思っている不満なりを全部吐き出すのが通例になっている。出る不満は2つぐらいしかなくて、今、事業者もいらっしゃるし、評論家もいるし、学者もいるし、様々だけれども、共通の問題を持っているのは核燃料サイクルの至るところでトラブルが起こっているということ、この1点です。さっき岡崎委員から反省の弁があったけれども、それはそれでいいんだけれども、みんなそれに対して注文と不満を持っている。
    もう一つは、今のオバマ大統領が掲げたグリーンニューディール政策。それにのっかるような再生論というのが今環境省から噴き出している。最近の太陽光発電に対する持ち上げた方というのはすごい。それに対して技術力ナンバーワンである原子力に対する世の中の評価は全く低い。これは報道の問題。
    さっきも何人かの女性の委員から広報問題について問題提起された。これはこの人たちは遠慮して言わないことが1つある。予算が減るなど、広報の問題ももちろんあります。そんなことよりもマスコミのテレビと新聞が、公平にバランスよく再生エネルギーと原子力の相互の力関係を置いて報道すれば、こんなものは解消する。そんなものは役所が税金を使って何億円つぎ込んだって知れている。この中だって評論家でも何でもマスコミの中で生きている人はたくさんいるから、マスコミ批判というのはみんなタブーになっている。しかし、それをやらないと本音の議論にならない。
    去年1年から今年の1年間、これからもあるけれども、例えば再生エネルギーに対する記事の配置の仕方、行数の割り当て方、それに対して原子力関係に対する記事の配信の仕方を見てみると、どなたか興味があったら調べてみたらわかるけれども、圧倒的な差です。片方は非常に肯定的で、片方はネガティブな話。この風潮を打破しないことには、予算を若干つけたぐらいでは改善しない。
    それで、私の言いたいことは、きょうアジェンダの設定の仕方で経産省は第一に増設の問題を挙げ、2番目に既設炉の活用の問題を挙げた。それで、電事連のほうは、1番目に既設炉の活用の問題を挙げている。2番目に新増設。しかし、一番原子力の実力をみんなに認識してもらういいチャンスが目の前にぶら下がっている。それは2020年の中期目標に対して、どういう数字を積み上げるかは知らないけれども、どうやって実現するかということです。
    2020年にどうやったら目標値に達成するのか、エネルギー供給面だったらどうなるのという議論をやらざるを得ない。いやが応でも新聞やテレビで報道せざるを得ない。新エネは経産省で随分一生懸命やることになっているし、予算も随分これからつけるから、やりますよ。数字は一応出てくる。原子力の稼働率を上げることでこんなに貢献するんですよということが数字に出てくる。これを公平に報道してもらうだけで、広報問題がほとんど吹き飛ぶような話です。ここは、マスコミがやるかどうか。
    マスコミ批判というのはタブーになっているから、遠慮しているけれども、ほんとうはもうちょっとバランスよく報道しなさいと言いたい。報道においては公平な扱いというのが原則。再生エネルギーを取り上げれば紙面は売れるし、テレビは結構評判がいい。こんなことをやったら国は誤ります。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。次、末次委員、お願いします。
  • 末次委員
    いろいろ資料をいただいて、当面の強化策、これは非常に時期を得た政策提言だと思いますので、ぜひ固めていただきたいと思いますが、日本の原子力発電は計画外停止の数にしても、作業員の放射線量の被爆の問題にしても、とにかく世界一流のパフォーマンスを長い間達成しているのに、設備の利用率という点で第2、第3ランクに落ちてしまっているということ、これに対する挑戦だと思います。
    これはいろんな問題がありますけれども、言ってみれば原子力発電をめぐる日本の文化、原子力発電文化、日本のもの、これを大化の改新ではありませんけれども、この文化の改新をこの際は行わないとだめだという視点からいくべきではないか。これは明らかにアメリカ、韓国が原子力発電を動かしている原理的な文化、これをもう一遍学ばなければいけない。要するに非常にプラグマティックな確率論に沿った、これはクリティカルなトラブルに至らないというものだと判断をする。これは下手をすると、クリティカルなトラブルにいく可能性があるぞというその判別をしっかりして、それをローカルコミュニティも、サイト区域も、それからメディアも保安規制員もしっかり踏まえていくということですね。今のやり方というのはほんとうに保安規制にのっとって、これはちゃんとそのとおり修理できたか、あるいは表に出た症状がクライテリアに合っているのか、合ってないのか、そこの原因も究明して、何回も時間がかかってしまう。
    それで、日本は世界的に比べてローカルな電力会社が原子力発電を持つに至ったというすばらしい実績があるのに、これは判決の問題だ、地震に対する問題だ、対応策だ、それからいろんなトラブルだ。特にモラルを問われる、バッシングされる、この面で一旦止めると、非常に時間がかかってしまうというところへ来ているわけですから、モラルとか、プラグマティズムに関する原子力発電文化にかかわる根底のところに今回いろいろメニューをいただいた措置を、照準を合わせて対応策を打っていかなければならないのではないかと思います。
    目標値はどうでしょうか。はっきり85%を目指すと決めたら、ちゃんとやれば日本は達成できる。それをいち早くやろうという、ある程度の数値目標があってもいいのではないかという感じがいたします。
    それから、きょう事務当局からも、それから電気事業連合会からも、僕らはなかなかわかりにくい点だけれども、非常にクリティカルな問題についてのご説明とご発表があったということは、この原子力部会としても重く受けとめるべきだと思いますけれども、それは我が国の原子力発電サイクルのつぼね、一番チョークポイントにある再処理機能、核燃料再処理機能の六ヶ所村の、しかもその一番最後のつぼね、最も重点的なポイントであるこのガラス固化体という廃棄物を日本は世界的に例を示さなくてはなりません。軽水炉の最後のところの廃棄物はこういうぐあいにしてやるんだ、やれるんだということを、あえて世界に日本は商業的であれでやってくれという要請もあるわけで、そこのところに非常に技術的なチャレンジを今迫られているという、非常に大きな課題について、きょうはきちんとかなり明らかに発表があったということは非常にいいことだと思いますし、これに対応しなければならない。
    今、我々はこの技術的なネイチャーについて、専門家たちがよく認識を一致させるような方向へ持っていったほうがいいのではないかと思うのです。それほどガラス固化体の技術ネイチャーには列国で苦しんでいます。フランスもドイツもイギリスもインドも、それからアメリカもみんな技術的に苦しんでいるところで、これは世界共通のチャレンジだということだと思います。
    きょうお示しいただいた中で私なりに解釈したのは、ここのところに対応する一番大事な認識は、ガラス固化体に関するアプローチというものは実はフランスもそうですけれども、再処理工場を実際操業させながら、そこの部分について改善・改良を一生懸命やらなきゃならない。どうもそういう技術対応を必要とするような分野であるという感じがいたします。いわば2両立ての列車ですね。新しいレールもできて、貨車もできて、2両立ての機関車もできた。これが今動き出したということで、既に330トンも核燃料を再生してくれているし、工事完成率99%というきょうの経産省の評価もあります。できているというわけですから、列車でいえば動き出して、試験に入っているんですね。しかし、これは一旦動き出したら、40年、50年と貨物を運ばなければならないという長期的な目標を持ったものなので、今の時間をさらにかけていく完成までの時間というものについては、許容せざるを得ないと思います。
    そして、操業と改善・改良のテスティングを二本立てでやれるのならば、この技術に対する対応の仕方としては、いろいろな方法を駆使するということが必要ではないかと思うのです。お子さんが生まれるという間際に来たときに、名医と名看護師たちはいろんな方法を考えるはずです。陣痛促進剤を打つ、そのタイミングをどうする、あるいはほかの方法を講じる。予定日を何十日過ぎたって大丈夫なわけです。予定日はあくまで予定日ですから。ここのところはぜひフレキシブルに対応する。オプションをそろえて、それを断行するということですね。そのことをぜひ田中部会長のイニシアティブで、原子力に戦略的な理解を持っておられる二階経産大臣に、答申ということじゃなくて、ぜひ手紙をお出しいただきたい。そのコピーは原子力安全委員会にも、保安院にも行くでしょうから、そういうような措置をとったらどうかなと思います。
    以上です。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。澤委員、お願いします。
  • 澤委員
    ありがとうございます。私は低炭素社会の実現、あるいはエネルギーの安定供給のために、先ほどから議論がございますように、原子力発電は非常に重要であると思っております。現在の国の原子力政策は非常に的を射たものであり、バランスがとれたものであると考えております。私どもJEMA、メーカーの立場で申しますと、国内では既設炉の有効活用、あるいは軽水炉プラントの新増設の促進、FBR開発、さらには原子燃料サイクルの確立等に向けてメーカーの立場でしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
    また、海外展開につきましては、私ども日本のメーカーは幸いなことに世界で原子力の建設が滞っていたときにも、国内電力各社、あるいは国のご理解の下にいろいろな研究開発やプラント建設を進めてまいりました。その結果、現在、我が国のメーカーは世界において非常に存在感があるものと思っております。国ではいろいろ諸外国との環境や制度面の整備を着々と進めていただいているということに対して御礼申し上げます。例えば米国の例で申しますと、現在は許認可がメインで進んでおりますが、今後、いよいよ実際のプラントの建設に向けての具体的なEPC契約という段階に入ってこようかと思います。そうしますと、さらにいろんな面で国のご理解、ご支援を得なければならない点があろうかと思いますので、引き続いてのご指導をよろしくお願いしたいと思います。
    簡単でございますが、以上でございます。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。最後になりますけれども、森嶌委員、お願いします。
  • 森嶌委員
    低炭素社会といいますか、低炭素化に向けての原子力の役割という点から2点申し上げたいと思います。1点は国民の相互理解という観点から、もう一点は先ほど内藤委員が言われた産業戦略という点からでありますが、第1点につきましては先ほど寺島委員、ただいまの河野委員、お2人が言われたことと関連いたします。
    国民の相互理解を得ようというときに、原子力がどれだけ安全か、原子力は大事だ、必要だというときに、日本で2020年のポスト京都、あるいは2050年にどれだけのCO 2の削減が必要かということとの関連で、これは低炭素、脱カーボンをしていくときに、先ほど河野委員も言われましたけれども、それじゃ、再生可能エネルギーでどれだけできるのかということをいいますと、ありていにいえば現時点ではできません。ほかにカーボンを地下に取り込むとか、石炭をガス化してクリーン化するということは将来的にはあるのかもしれませんけれども、現時点ではコストとか、技術的可能性とかいう観点から、今、少なくとも2020年では原子力を抜きにしますと、原子力のいい悪いはともかくとして、今のところとてもできない。先ほど寺島委員が言われたように、15%削減するなんていうことを考えますと、とてもとてもできないわけです。
    日本がヨーロッパやアメリカなどとともに先進国としての役割を果たそうとすると、これは原子力というのをどう位置づけるかという観点から、原子力というものを考えてほしいということを国民に理解をしてもらうと。先ほど木元委員が言った相互理解をしてもらうという、そこから出発して原子力の理解をしてもらうということが、ぜひとも今の段階では必要ではないか。国民に受け入れられるとすれば、ポスト京都のCO 2の問題と結びつけて議論をするということが必要ではないか。
    ちなみに申しますと、現在の環境省の中にこの点についての相互理解はまだ十分でないと。私は中間審の委員をやっておりますけれども、ぜひともエネ庁、経産省、環境省ともまずそこの相互理解をやっていただいて、政府一丸となって国民との相互理解というものを進めないと、国際的な信用も失うことになります。ですから、それと同時に国民と一体となって進めていただきたいと思います。それが第1点です。
    細かい点につきまして、先ほど寺島委員も言われましたし、河野委員も言われましたから、それ以上は申しません。
    第2点でありますけれども、まさに今、世界が原子力の産業技術というものを再評価する、あるいはもっと進めようとしているのは、リカーボナイズして、その1つの大きな産業として、ほかの技術としてCCS等ほかのものもありますけれども、原子力というものを評価しているわけで、そこで先ほどいろいろご紹介がありました。その意味では日本は今まで技術を持っているわけですから、日本がこれから産業戦略を考えていく場合に、先ほど内藤委員がおっしゃいましたけれども、これを確保しておかないと。最も有力な産業であろうと思われます。その意味で、先ほど内藤委員がおっしゃったのをどなたかフォローアップされたかもしれませんけれども、ぜひともこれをお考えいただきたい。
    結論的に申しますと、この原子力立国などという原子力だけぽんと上げるのではなくて、むしろ世界全体が地球温暖化との関係でリカーボナイズする。つまり低炭素化の中で、ほかのいろんなものとの関係で原子力というものをどう位置づけていくか。その中で原子力政策なり、あるいは国民の受け入れというものを位置づけていく。そうでないと、そこだけでやっていくとなかなかうまくいかないのではないか。その意味では先ほどの原子力発電推進強化策、その他のこともぜひ全体の中の一環として位置づけて、推進していただきたいと思います。どうもありがとうございました。
  • 田中部会長
    どうもありがとうございました。時間も長くなりましたが、いろいろとご意見ありがとうございました。
    何点か質問がございましたので、事務局から答えていただけたらと思います。まず高橋課長、お願いします。
  • 高橋原子力政策課長
    たくさんのご指摘いただきましてありがとうございます。ご指摘に対して時間の関係で全部お答えなり、私どもの考えをお話しできませんけれども、主要なポイントについてちょっとお話しさせていただきます。
    規制と推進との関係についてご指摘がありましたけれども、当然、安全規制当局は非常にパフォーマンス強く、力強い体制でやるということが原子力の設備利用率を上げるということにつながりますので、私どもも保安院とは実態上ほとんど分断されておりますけれども、そこは保安院の取り組みも独立した形できちっとやっていることを期待したいと思っております。
    それから、サイクルの重要性について、いろんな先生方からご指摘がございまして、サイクルの重要性は原子力発電の持続的な利用について基本的な条件でございますので、その重要性についてはそのとおりでございます。
    六ヶ所の問題につきましては、これから40年運転をするという前提のもとに、長期的な視点に立ってやっていくということでございますし、その点のご指摘も山名先生を含めございました。鈴木先生はお帰りになりましたけれども、サイクルに必要な基盤的な問題につきましても、長期的な観点からぶれずに進めていくということだろうと思います。
    それから、地球温暖化との絡みで、原子力の重要性についてたくさんの先生からご指摘がございまして、政府全体として原子力の位置づけをきちっとするように、これから中期目標の議論なんかも進めていくことだと受けとめております。
    それから、佐々木先生からNSGにおけるインドのお話についてご質問がございました。NSGの会合につきましては、開催自体は事前に非公表ということでございますので、またそこでの日本政府等の対応につきましては、政府部内でのいろんな検討を重ねた上で対応しておりますけれども、事前に原子力部会へのご説明は事柄の性質上できないということだろうと思います。事後的に日本政府の考え方をきちっとご説明するのは、この原子力部会の開催が遅いのではないかということにつきましては、この部会で開催するか、あるいは個別にご説明するかはちょっと工夫をさせていただきますけれども、外交の交渉ということですので、そこら辺はご理解を賜ればと思います。後ほど外務省からもし補足があれば、加えていただければと思います。
    それから、広報・広聴、高レベル廃棄物の処分場の問題も含めまして、予算が限られているのは私どもとしても残念なんですけれども、無いながらも工夫を持ってやっていかなければいけないし、地域振興という観点からメニューをつくっただけではなくて、ほんとうに地元の方々に受け入れられ、それがプラスになるようなやり方というのも考えていくということはご指摘のとおりだと思いますので、取り組みを進めていきたいと思います。
    それから、あとは広報の一環として、河野先生からマスコミの問題などご指摘がございまして、私もできることならばそういうふうに世の中で受けとめていただければと思っております。テレビの報道なんかも大分時代とともに変化をしてきておりますので、私どももそういう取り組みを工夫しながら進めてまいりたいと思います。
    とり急ぎ私からは以上でございます。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。外務省のほうから特にございますか。はい、お願いします。
  • 新井軍縮不拡散・科学部国際原子力協力室長
    外務省の新井と申します。先ほどの佐々木委員からのご指摘の話ですけれども、当室で直接関与しているNPTにしても、それから直接の主管ではないNSGにしても、外務省の立場ということで申し上げますと、従来からインドに対してはNPTに入るようにということで働きかけてまいりましたし、これからもそういうことになると思います。核不拡散体制の中でNPTというのは非常に重要な位置を占めますので、そういう立場に一向変わりはございませんけれども、他方においてインドが軍の施設を分離したり、IAEAの措置を受け入れる、あるいは核実験のモラトリウムを継続する、あるいはリスク管理をより厳しく実施すると。そういうのをコミットメントしたということがございまして、一歩でも二歩でも国際的不拡散体制に組み入れていくという現実的な対応というプラス面もあったわけでございまして、その辺のぎりぎりの判断としてコンセンサスに調印したという立場をとっております。
    以上です。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。電事連のほうから先ほどの質問について回答ございますか。
  • 森本委員
    木元先生から新検査制度に関するご質問がございました。定期検査はご案内のとおりだと思いますが、検査をするのに千人、二千人オーダーの作業員が必要になるわけでございまして、そのためにピークが立っています。それで、ピークが立ちますと、地元以外の皆さん方に来ていただくことになります。新検査制度は運転中もオンラインメンテナンスとか、状態監視とか、そういうもので見てまいりますので、どちらかというと作業が平準化される方向になります。そういうことで、地元にとってはかえって雇用という問題ではプラスに向けるというか、我々電気事業者としてもプラスに向くように体制をとるということで、地元のご理解を頂きつつございます。
    オンラインメンテナンスにつきましては、設備に冗長性を持たせるなどの取組をいたしまして、安全性はもちろん十分確保した上でのメンテナンスになりますので、実際に作業をしていただく方にも安全であるというご理解を得ながら実施していくということです。状態監視もそうですが、技術の開発が随分進んでおりまして、遠隔から温度をはかることができるとか、それから運転中でしかわからない異常振動が起こるとか、そういうものも新しい計測器ができておりますので、有効活用して、人間ドックにかかるとき以外も常に健康を監視しながら運転しているという取り組みということでございます。
  • 木元委員
    労働安全の仕組みをどう説明するかということです。
  • 森本委員
    委員の方々から我々事業者へ稼働率の向上につきまして発破をかけていただいたと認識しています。目標値の話も何人かの委員から出ましたが、我々は稼働率を上げる最大の方策は、毎日毎日安全・安定運転をするという結果がそれに結びつくということです。最初から高い目標を掲げることは、逆に安全面のトレードオフの関係になっておりますので、その辺も気をつけなければいけないと思っております。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。時間もオーバーしています。もう一つ議題がありますから、事務局からの回答はこの辺でご勘弁ください。
    次、議題2の国際戦略検討小委員会の審議状況について、事務局から簡単にご説明をお願いいたします。
  • 高橋原子力政策課長
    それでは、資料3に基づいて、国際戦略検討小委員会の開催状況についてご説明させていただきます。
    1枚めくって1ページになりますけれども、前回の原子力部会において設置をご了解いただきました国際戦略検討小委員会ですけれども、検討が進められております。様々な国際的な動きに対して、日本として今後どう対応していくかということでございます。田中部会長を小委員長として、左の下に書いてありますメンバーの先生方にご議論いただきまして、これまで第3回まで開催をしております。今後、3月、5月ごろまであと2回議論を重ねまして、報告をまとめていただきまして、この部会にご報告をさせていただくという考えでございます。
    主要な論点ですけれども、2ページから4ページまで掲げております。1点目が新規導入国等への支援です。それから、3ページ、4ページになりますけれども、先進原子力利用国との連携、3点目が核燃料の安定供給確保と核燃料サイクル関連産業の強化、4点目が原子力関連産業の競争力強化と国際展開支援という観点からご議論をいただいているところです。
    6ページ以降に、これまでの議論で出てきたご意見の中身を整理しております。まだ小委員会では取りまとめという作業に入っておりませんので、これは私どもの責任で整理をしたものでございますけれども、ポイントだけご説明しますと、全体としては日本の原子力の優位性をきちっと利用した上で、国際協力を進める。それが日本のためにもなるということ。それから、個別企業では担えない部分というのもあるので、企業間連携、国のサポートも重要であるということ。
    それから、新規導入国支援につきましては首脳外交、きょうもご議論がございましたけれども、政府トップの取り組みというのも重要で、国がもっと前面に出るべきである。あるいは日本の顔が見えるような一元的・中核的な組織というものもつくる必要があるのではないか。それから、海外への貢献という意味では、メーカーの原子炉の建設だけではなくて、電気事業者の運転、保持の経験というのも重要であるということ。それから、核燃料サイクルの重要性のほか、原子力損害賠償の国際的な制度枠組みについても重要であるというご指摘をいただいております。
    それから、7ページですけれども、ウラン資源・核燃料供給確保については、ウラン鉱山開発についてはM&Aなどの活用も重要であろうということ。それから、ウラン燃料という観点では、電気事業者の調達というだけではなくて、メーカーの問題としても重要性が高まっているということです。
    それから、核燃料サイクル産業については、国際的な中でのサプライチェーンの構築というのが重要であると。ビジネス展開としても、この核燃料サイクルの重要性が高まってきているということです。当然のことながら、日本としては核燃料サイクルの輪を閉じるということが重要であると。その中での国際連携も視野に入れる必要があろうということでございます。また、きょうのご議論でもございましたけれども、メーカー・電力、あるいは国との相互連携が重要であるということです。
    それから8ページ、先進原子力利用国との連携でございますけれども、他の先進利用国というのは国営的な企業がほとんどで、そういう面での日本の産業体制の違いを踏まえながら、日本としての取り組みを進めていく必要があるということでございます。
    今後、さらに議論を積み重ねまして、この報告書につきましては、この部会に改めてご説明をさせていただくということでございます。きょうはお時間の関係で、これまでの議論の経過を中間的にちょっとご報告させていただくということにとどめさせていただきます。
    以上です。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。私はこの小委員会の委員長もやらせていただいていますけれども、国際戦略という名前になっていまして、原子力における国際連携、あるいは国際展開を考えると、我が国が外国とどんなふうに関係していくのかという大きなグランドデザインも大事だという中で、この議論をしていかなくてはならないと思っています。また、いろいろとご意見をいただけたらと思います。時間もありませんが、ぜひこの場で要望などありましたら、委員の方から言っていただいて結構だと思います。
    神田委員、お願いします。
  • 神田委員
    1月の下旬にちょっとアメリカに行ってきましたので、簡単にその骨子だけ説明します。
    エネルギー省のチュー長官というのが今度任命されました。チューさんというのは知り合いがたくさんいて、原子力の人はみんなチューさんのことを仲間だと思っているということで、あんまり原子力から離れることはないのではないかという感じを受けました。それから、日本の原子力に対する技術力が非常に高く評価されていて、これからアメリカが一斉に原子力を始めるけれども、7割ぐらいは日本と関係があるということを強調されたということ。それから、グリーンニューディールというのは今年の4月にでき上がるんだそうですが、3月にヒアリングをすると。その中に日本の代表団も入れたいということで、特に中で強調されたのは再処理技術というのがGNEPであったんですが、その再処理技術だけはGNEPに残ることになったということで、それを中心に議論したい。それから、高速炉についても議論したいということがありました。それから、再処理はユッカマウンテン問題が一番問題になっていて、減容する、容積を小さくする減容の問題がハイライトであるということでした。
    それから、ちょっとだけ別のことですが、ベトナムの問題で、ベトナムのFS、フィージリビリティスタディが間もなく始まるんですけれども、日本がベトナムに支援を行うことに関してはアメリカとしては協力をしたいという意向を示して、ベトナム頑張れという感じを受けました。
    以上です。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。秋元委員、お願いします。
  • 秋元委員
    国際展開を進めていく上で日本が注意しなければならないのは、今、海外にいろいろ原子力技術を売ろうとしている国はみんな核兵器国なんです。燃料サイクルを全部フルセット許されている非核兵器国で、このようなことをやるのは日本だけということになるわけです。したがって、日本からは例えば核不拡散のための在り方とか、核燃料供給保証の在り方など、核兵器国とは全く違った立場から、日本がユニークなものをつくっていかなくてはならない。いわば日本がパイオニアにならなければならないと思うのです。
    日本も核不拡散問題については、いろいろ部署が対応しておられます。外務省は外務省で、NPTを中心にいろいろな国際協約をどういう形でまとめていくべきかということについて非常に熱心なご議論をしておられるし、文科省は日本原子力研究開発機構と一緒になって、核不拡散のための効率的な技術はどうなのかという問題について非常に熱心にやっておられる。経産省は経産省で、この核不拡散技術がこれから展開される原子力事業との間でどういうコンパティビリティを持つのかということについて興味を持つということで、各々の分野について一生懸命やられて、ある程度きちっとした成果を出しておられるんですけれども、結局、言葉がちょっと過ぎるかもしれませんけれども、部分適合という格好にとどまっていて、日本全体としての核不拡散政策を一体どこがまとめて、どういう形でやっていくのかというメカニズムがいまだに見えて来ないのです。
    日本の国内だけなら、このままの体制でやっていくのもいいんですが、海外へ持っていくということになりますと、日本の核不拡散政策はこういうものなんだ、日本はこういうことを目指してやっているので、これから原子力の平和利用を進める国々も、日本のモデルを見習ってほしいと、世界をリードするような組織が必要なのであろうと思うのです。それが例えば原子力委員会の下の組織でやるのか、何でやるのかわかりませんが、少なくともオールジャパンで、これはこの問題に限らず、環境でもほかの問題でもいろいろと各省庁の間の壁を取り除いていくというのは非常に大事なのですが、特に核不拡散政策の場合には技術だけで完結しない、いわば政治的な要素が非常に大きな分野ですから、日本の政治的な意図はどうなのかということまで含めて議論をしないと、正解が出てこないのです。ぜひこのあたりについてもきちんと議論をして、将来の日本の戦略をリードしていただけるような仕組みをお考えいただければ、大変ありがたいと思っております。
  • 田中部会長
    それでは、井川委員。
  • 井川委員
    ほんとうに短めで1点だけ申し上げたいのは、台湾がさっきの稼働率じゃないですけれども、アメリカの規制をあのまま導入したら稼働率が一気に上がって、安全に運転できているということがあるわけです。日本も原子力を展開していくとき、規制体系も輸出できるぐらい日本の規制体系も洗練させるし、しかもそれを移転できるように、保安院なり何なりで別に議論もしてもらったほうがいいのではないかという提案です。
  • 田中部会長
    いろいろと議論をいただきましてありがとうございました。今後の検討に反映したいと思います。
    ちょっと時間が過ぎてございます。本日の議題は以上でございますが、最後に石田長官からごあいさついただきたいと思います。よろしくお願いします。
  • 石田資源エネルギー庁長官
    資源エネルギー庁長官の石田でございます。本日、朝早くから長時間にわたりまして活発なご議論をいただきまして、ほんとうにありがとうございます。この部会で原子力立国計画を策定していただいたのが3年前ということでございます。きょうもいろいろご議論がありましたけれども、例えば温暖化問題の中期目標、あるいは長期の目標を達成する上で、あるいはエネルギー安全保障という観点から考えたときに、原子力抜きではこれは実現できないのは明らかなわけであります。その点についての国民の理解を一層求めながら、官民の取り組みをより強化していく必要があろうと思っています。
    今回の部会のテーマというのは、まさに原子力分野での日本の実績、あるいは不拡散や安全を含めた運転管理の実績というのは世界に誇り得るものがあるわけですけれども、その持てる潜在力を今後十二分に発揮していくために、今何をなすべきかということだろうと思います。国際展開についても、まさに今待ったなしのところまで来ておりますし、日本の原子力産業としての真価を問われているということでもございますし、国内的にも稼働率の問題、あるいはサイクルの問題等々、いろんな課題がまだたくさんあるわけでございます。その点も含めまして、今後、この場で議論を深めていただきまして、名称についてどうかというご指摘もございましたけれども、次の推進強化策というものを夏までにまとめていただければと思う次第でございます。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
  • 田中部会長
    どうもありがとうございました。もう時間はございませんが、例によりまして、最後に本日の議論を踏まえまして、私から総括させていただけたらと思います。まだ文章になってないところもございますけれども、もしよろしければ後でご意見いただけたらと思います。
    議論の要点を次のとおり総括します。原子力発電は経済成長と地球温暖化問題の解決と両立させるエネルギーとして極めて重要である。新エネルギーへの社会的関心が高まる今こそ、ゆがみのない客観的な評価が必要である。新エネルギーか原子力かの二者択一ではなく、おのおのの特性を生かし、総合的に進めていくことが重要である。また、このとき正しいマスコミ報道が重要である。
    2つ目、原子力の推進なくして低炭素社会の構築は不可能である。国民全体が認識すべきであり、その醸成に取り組むことが必要である。今般、経済産業省より低炭素社会づくりに向けて、原子力発電推進強化策を取りまとめる方針が示された。新増設・リプレースの円滑化、既設炉の活用、国民との相互理解の増進などについて精力的に議論していきたい。
    3つ目でございますが、あわせて高速増殖炉の早期実用化に向けた取り組みの推進やプルサーマルの着実な実施、六ヶ所再処理工場の竣工、高レベル放射性廃棄物処分等の核燃料サイクル確立について、しっかりと取り組むことが現下の重要課題である。
    このような3つの点について、国を挙げた実行推進が必要である。そんなことで考えさせていただきました。また、委員の皆さんからの意見を踏まえて、必要があれば若干修正し、近いうちにホームページに掲載させていただけたらと思います。
    以上でございますが、今後の審議スケジュールにつきまして事務局から。
  • 高橋原子力政策課長
    大変恐縮でございます。それでは、資料4をご覧いただければと思います。今後の審議スケジュールですけれども、きょうお諮りをさせていただきました原子力発電推進強化策につきまして、次回、4月から5月ごろに部会でご議論いただきまして、それから6月、7月ごろにもう一回議論ということで、2回ぐらいの議論を踏まえましてまとめさせていただければと思っております。日程については改めて調整をさせていただきますので、よろしくお願いします。
  • 田中部会長
    ありがとうございました。時間をオーバーいたしまして申しわけございませんが、これをもちまして第18回原子力部会を閉会したいと思います。どうもありがとうございました。

以上

 
 
最終更新日:2009年5月7日
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