経済産業省
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総合資源エネルギー調査会電気事業分科会原子力部会(第11回) 議事録

平成18年5月30日(火)

田中部会長
 それでは、定刻になりましたので、ほぼ予定されている方、若干名まだ追って来られるかと思いますけれども、始めたいと思います。
 ただいまから総合資源エネルギー調査会電気事業分科会第11回原子力部会を開催させていただきます。
 本日は、ご出席いただきまして、まことにありがとうございます。本日は約2時間のお時間をいただくことを予定しておりますが、議題が4つもございますので、できるだけ効率的に審議を進めていきたいと考えておりますので、よろしくご協力のほどお願いいたします。
 では、事務局から配付資料の確認をさせていただきます。
柳瀬原子力政策課長
 本日は、議事次第、出席者名簿、資料1から5、さらに本日ご欠席の末永委員からご意見をいただいておりますので、参考資料としてお配りをいたします。
 また、本日は高速増殖炉サイクルの実用化戦略調査研究フェーズIIについてご報告いただくために、日本原子力研究開発機構次世代原子力システム研究開発部門長の向和夫様にお越しをいただいております。
 以上でございますが、資料に過不足ございませんでしょうか。
田中部会長
 よろしいでしょうか。
 よろしければ、早速議題に進んでまいりたいと思います。
 1つ目は、電力自由化と原子力に関する小委員会の取りまとめについてであります。本議題につきましては、昨年秋に一度ご議論いただき、その際、小委員会を設置し具体的な議論を進めることとさせていただきました。その後、私が委員長をさせていただき、ことしの1月から議論を重ねてまいりましたが、先日、小委員会としての取りまとめをさせていただきましたので、本日ご報告をさせていただきます。
 では、事務局からご説明をお願いいたします。
柳瀬原子力政策課長
 それでは、お手元に資料が2つございます。1つはパワーポイントの概要、もう1つは小委員会での取りまとめの本体でございます。時間もございますので、概要のほうでご説明をさせていただきたいと思います。
 1枚めくっていただきまして、1ページ目でございます。電力自由化と原子力に関する小委員会は、需要の伸びの低迷や電力自由化の進展の中で、原子力発電所の当面の新・増設及び2030年前後からと予想される本格的なリプレース投資を円滑に進めていくための課題と対応策を検討するために設置をされたものでございます。
 まず、政策目標でございますが、当然のことながら、原子力政策大綱での30から40%程度以上を原子力で担うという政策目標でございますけれども、この新規建設という観点で、当面の目安として2006年度の供給計画において13基の新・増設案件が掲げられているということでございますので、これらの実現を目指すというのを当面の目安と置いているわけでございます。
 2枚飛ばしていただきまして、4ページでございます。これはこういった政策目標の課題と実現の可能性はどうかというのを財務面、立地面、需要面で分析したわけでございます。
 まず財務面を見ていただきますと、4ページの右上でございますけれども、一番財務インパクトが深刻に出る時期は各社によって違いますが、各社ごとに一番影響が大きい時期を見ますと、今の経常利益に比べて0.3倍から1.8倍の幅がありますけれども、経常利益1倍ということは、経常利益全部で新規建設のための償却負担が生じるという意味ですが、1倍を超す会社が結構あるということで、やはり新・増設、リプレースが集中する時期には、会社によっては相当大きな資金面での影響を受けるという可能性があるということでございます。
 2つ目に立地面でございますけれども、必要な電力量を地点数で考えますと、各社別に足りているかどうかは別にして、少なくとも全国ベースでの用地の確保は可能であるという整理でございました。
 それから需要面でございますけれども、ピーク電力の伸びが低迷をしているということで、4ページの右下の表を見ていただきますと、今後10年間のピーク電力の伸びを見ていただきますと、原発1基、これから150万キロワットクラスということが中心になるとしますと、10年分の伸びでもこの150万キロワットに届かない電力会社さんが結構あるわけでございます。日本全体で見れば1,700万キロワットを超えますので原発10基分以上の伸びはあるわけですけれども、各社別に見ると、1社では1基にも満たないというところございます。
 こういった各方面での影響は電気事業者さんのほうで協力をして広域的運営を行うということで、財務面、立地面、需要面での影響が緩和されるということでございます。
 1枚めくっていただきまして、5ページ目、この政策目標を実現するに当たっての基本的な考え方でございます。まず、国が原子力政策大綱を閣議で決定をしているということでございますので、この政策目標の実現に向けて、電気事業者さんが自主的に経営判断として投資が行われるように、国のほうは事業環境の整備を行うことが必要だということでございます。
 電気事業者さんは、バックエンド対策、地方との信頼関係の強化、科学的合理的な安全規制など国による取り組みが進められるということであれば、この政策目標をガイドラインとして全力で取り組むという決意を小委員会の中で表明をされたわけでございます。電気事業者におかれましては、こういった国の事業環境整備のもとで政策目標が実現されるよう最大限の努力を行うことを期待をするという整理でございます。
 3つ目の○で、事業者がこうした投資判断をした結果、万が一、政策目標に達しない場合の対応策をどうするかという議論も随分ございましたが、まずは電気事業者さんの決意を尊重して、この取り組み状況を見守ることとするという整理をしたわけでございます。
 1枚めくっていただきまして、6ページでございます。国のほうでとる対応策をどうするかということで、4つの柱で議論をしていただきました。1つ目は、原子力発電に特有な投資リスクの低減・分散。2つ目が、初期投資・廃炉負担、特にリプレースの場合は同時にこの負担が生じるものですから、その負担の低減・平準化。3つ目に、広域的運営の促進。4つ目に、原子力発電のメリットの可視化ということでございます。
 順に見ていきますが、7ページを見ていただきまして、まず原子力発電に特有な投資リスクの低減・分散ということで、1つ目に、やはり事業者さんのほうから見るとバックエンドのリスクが原子力はほかに比べて随分大きいということでございました。今回、原子力政策大綱で、使用済燃料は我が国で全量再処理をするという方針が確認をされましたので、六ヶ所再処理工場で再処理される分を超える分につきましても、第二再処理工場を建設して、将来費用が発生するということが確実になったわけでございます。現状、この費用は合理的な見積もりが可能になった時点で一括計上するという整理になってございますけれども、この右のグラフを見ていただきますと、2010年から第二再処理工場に向けての検討が始まったとして、仮に2030年ごろに、大体こんな施設で、こんな金額だという合理的な見積もりができたとしましても、今度の第二工場が六ヶ所工場と同じ単価のものができるとしますと、その時点で3兆円程度の手当がされていない費用が発生するということでございまして、将来、必ず費用が出るわけでございますので、一時的に過大な財務負担が生じるというのは好ましいことではないということで、対応策というところでございますが、具体的な再処理計画が固まるまでの暫定的措置として、まずは企業会計上、毎年度引当金として積み立てることとして、収支を平準化できる制度を今年度決算から導入することを目指すべきではないか。具体的に幾らぐらい、どんな企業会計上の取り扱いにするかは、電気事業分科会のもとで専門的に検討していただいたらいいのではないかということでございます。
 1ページめくっていただきまして、原子力のリスク対策の2つ目、国内における安全規制変更、国際的なフレームワークの変更などのリスクへの対応ということでございます。8ページの下の右でございますけれども、アメリカにおきましては、こういった裁判、あるいは安全許認可のおくれによって損害が出た場合に、今後、新しい新規建設6基分については公的な保険制度を整備して、国がその保険料のかなりの部分を賄うというのを昨年の包括エネルギー法でつくったわけでございます。日本で必要と感じられているリスクとアメリカで感じられているリスクが随分違うものですから、これを直輸入するのは日本では意味がないと思いますけれども、日本でもあらかじめ想定することが困難なリスクがあるということで、対応策のところでございますが、そうしたあらかじめ想定することが困難なリスクにつきまして、このアメリカの制度も参考としつつ、官民が協力する形でリスクを低減・分散する対応策というのを今後検討していこうという整理でございます。
 1枚めくっていただきまして、リスクの3つ目ですけれども、一時的な需要の落ち込みへの対応ということで、将来、原子力比率がだんだん政策目標に沿って上がっていった場合に、正月やゴールデンウィークなど、一時的な需要が落ち込んだときに負荷追従運転が必要となる可能性があるということでございます。対応策でございますが、電気事業者さんは、この負荷追従運転の必要性が高まってきた段階でどのような運転方法をするのかということをご提示いただいて、国はこれに基づいて安全規制上の対応の必要があるのかどうかということを検討するということが適切だという整理でございます。
 1枚めくっていただきまして、2つ目の柱、初期投資あるいは廃炉負担の軽減・平準化でございます。1基3,000億ないし4,000億かかる投資が集中するというところの減価償却費負担をどうするかということかということでございますが、その対応策のところでございます。企業会計上、運転開始の前からあらかじめ初期投資額の一部を引当金と積み立てることとする。運転開始後の減価償却費負担はこれによって平準化すると、こういった制度を今年度決算から導入することを検討する。具体的に幾ら、どんな形でというところについては、専門家の方に詰めていただこうということでございます。
 1枚めくっていだたきまして、11ページ、廃炉費用負担の軽減・平準化ということにつきまして、現在、原子力発電施設解体引当金制度という制度がございますが、その後、新たなクリアランス制度、安全規制の変更などもございましたので、最新の知見に基づいて、積立不足あるいは積立余剰がないかどうかということで1回洗いがえをしようという、過不足の検証をするということでございます。
 1枚めくっていだたきまして、12ページ、広域的運営の促進ということで、先ほど申しました財務面、立地面、需要面、それぞれの制約を克服していくためには、この広域的運営促進に対して国が積極的に支援をしていく、環境をつくっていくべきだということでございます。まずは連系線や送電線の建設費用の負担に関して、個々のケースに応じて国は柔軟に取り扱いを認めていく。中立機関におかれましては、事業者間の調整プロセスを開始するための基準策定など、その関与について検討をしていただくというような整理をしてございます。
 1枚めくっていただきまして、13ページ、原子力発電メリットの可視化でございます。ことしの4月から地球温暖化法の改正によりまして、大口の需要家の方はCO2の排出量を算定して国に報告するということになったわけでございます。したがいまして、今後、電気の需要家の方は、CO2排出について敏感になっていくということになると思いますが、2つ目の○ですが、しかしながら、現在、需要家がCO2排出量を算定するために必要となる電気事業者さんのCO2排出原単位の算定方法が統一されていないということで、お客さんのほうから見ると、どこの電力から電気を買うとCO2が少ないのかというのがわかりづらいということがございます。そこで対応策ですが、国は原子力発電におけるCO2メリットが需要家にわかりやすく示されるように早急に統一的な算定方法の基準を定めるべきだ。ただし、その際、CO2削減は今すぐの努力が結果として出てくるのは数十年先でございますので、CO2排出クレジットの取得など、事業者のCO2削減に向けた努力が適切に反映されて、電気事業者間の公正な競争に資するように配慮していくことが必要だということでございます。
 1枚めくっていだたきまして、14ページ、今までは今の自由化のもとで原子力の新規建設投資が円滑にいくようにということでございますが、来年から全面自由化をするかどうかというのが電気事業分科会で電気事業制度全体の議論が行われます。それについての考え方でございますけれども、電力自由化は、以下の3つの点で原子力発電投資に影響を与える可能性がある。1つは、法的供給独占の需要確保や総括原価によるコスト回収の保証がなくなること、競争の高まりで設備投資抑制圧力が高まること、電力会社間が競合関係に置かれて公的企業がなかなか難しくなること、こういったことがございます。
 今後の留意事項でございますが、全面自由化を行うかどうか、こういった電気事業制度のあり方については、今後の原子力発電投資に及ぼす影響に十分に配慮して、慎重な議論が行われることは適切だということで、原子力発電投資以外にもいろいろ競争政策、環境政策、いろいろな観点で電気事業制度全体の議論がされますが、少なくとも原子力発電投資の観点は十分に配慮して議論していただきたいということでございます。
 15ページでございますが、新規参入者をどう取り扱うかという議論がございました。このPPSの取り扱いについて、新・増設と既設に分けて議論がされました。新・増設につきましては、これに見合う需要を電気事業者各社とPPSとが補完する場合には、原子力政策を推進して上で政策上の意味を用いる可能性があるということで、まずは電気事業者とPPSさんとの間でどのような形態で、期間、規模で参画をされるのかというところの話し合いをしていただくのが大事ではないか。その過程で、制度上の何か手当が必要だというようなニーズが出てきた場合に、国が環境整備を行うべきではないか。
 一方、既設の原子力発電所のPPSの引き取りにつきましては、優先給電指令など、既に安定的に既設の原子力発電所は稼働される仕組みになってございますので、改めてここでPPSさんに引き取っていただくというのは、原子力政策上の意味合いは薄いということでございます。ただし、原子力政策以外の観点からの意味合いもあると考えることから、今後の検討課題として整理をしていく。先ほどのCO2の排出係数の問題についても、これは競争上大きな影響を与えるので、CO2の算定方法の策定において工夫できるかどうか検討していくということに整理をしてございます。
 以上でございます。
田中部会長
 ありがとうございました。
 小委員会においてまとめられました取りまとめの概要についてご説明いただきましたところであります。文章そのものは資料1-2のほうにあるところでございますので、この小委員会からの取りまとめに関しまして、ご意見とかご質問がありましたらお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。築舘委員、お願いします。
築舘委員
 小委員会での議論の結果として、電力自由化時代の今後の原子力開発においても、まずは事業者の自主的な取り組みが尊重されるということになったと理解しておりまして、この点、私どもとしては共感できるものでございます。
 この小委員会では、立地からバックエンドまで幅広い視野で検討を行っていただきまして、その中でバックエンドへの対応、それから減価償却費負担の平準化、そして廃炉費用負担の軽減・平準化など、事業者が原子力の推進にインセンティブを抱くような環境整備について、その方向性が整理されたことに感謝しております。今後、制度化等のための具体的な検討に入るものにつきましては、実効性のある仕組みとなるように引き続きよろしくお願いをしたいと思います。
 今後、さまざまな環境整備の取り組みが進められていく中で、事業者といたしましては、原子力政策大綱の基本目標の達成を目指しまして、新・増設並びに既設、リプレースに最大限の努力をしていきたいと考えております。
 以上でございます。
田中部会長
 ありがとうございました。
 内山委員、お願いします。
内山委員
 2点ほどコメントをさせていただきたいんですが、まず説明された資料の4ページの政策目標の課題と実現可能性の中での財務面なんですが、この原子力発電の財務のキャッシュフローとか、いわゆる将来の問題が示されておりましたけれども、これは、電気事業者にとっても火力発電所も含めて検討すべきことであって、実際にはリプレースとしては火力のほうが設備容量としまして圧倒的に多いのではないか。それを含めて、総合的にこの財務面は検討すべきものではないかということを1つコメントさせていただきます。基本的に、バックエンドとか廃炉についての対応策については具体的に明示されているんですが、発電部門についての国からの支援についてはあまりはっきり明確にされていないというところが気になりました。
 2番目は、最後の15ページですが、実はこれは私もあまりよく知らなかったんですが、PPSが原子力の新・増設に対してそれなりの対応をもっていきたいということですが、これはPPSにとっては、原子力の新・増設に伴うさまざまなリスクがあるわけですけれども、財務とかあるいは需要の、先ほど説明されたさまざまな課題が残されていますけれども、それについても同時にリスクを負うということを前提で言っているんでしょうかというところを確認させていただきたかったんですが、よろしくお願いします。
田中部会長
 わかりました。確認あるいはコメントがありましたので、今答えられるところは答えていただきたいと思います。
柳瀬原子力政策課長
 財務面につきましては、おっしゃるとおり火力も含めてということなんですが、原発の場合には火力に比べて1基当たりの建設費がものすごく大きくて、計算して火力を原発に置きかえていくということになると、火力に比べても全くけたが1つ違う負担になっているという分析でございまして、原発の分だけで財務がどれだけ悪化するかというのをPL、BS両方で見たという分析でございまして、それに対する支援、そもそもフロントサイドに支援するのかどうかという議論もございましたけれども、これについては、まずは新規建設の財務面での悪化を平準化するために減価償却費を事前に積み立てられる制度を導入することによって、財務の悪化の時期が集中しないようにというのが今回の対応策でございます。
 それから、PPSさんが新・増設についてリスクの負担を負う覚悟があるのかどうかというのは小委員会でも随分議論されまして、それは個々のPPSさんによって、個々のケースによって違うでしょうから、そこは具体的な商談の中で、どこまで費用あるいは期間を負担するのかという話し合いをいただいて、電力さんのほうからすれば、当然いいところだけではなくて、そういうリスクについても相当負担をしていただくのであれば話ができると思いますと、こういうようなやりとりでございましたが、これはいずれにしても、当事者同士でまずはお話をいただくという整理でございます。
田中部会長
 内山委員、よろしいですか。
 山地委員、お願いします。
山地委員
 4ページの、内山先生が先ほど引用されたページです。多分これは私の勉強不足だと思うんですが、私は下のピーク電力の伸びのほうについて質問ですけれども、これは需要のほうのピーク電力の伸びの想定だと思うんですけれども、それがすなわち今後の電源設備の需要になるとは限らなくて、現在の供給予備力がどうかということを踏まえて今後の新設分が決まると思うんですが、それはどうなんでしょうかということですね。
 もう1つは、原子力はベースロード対応の運転ですから、ピークよりもベースの部分がどれぐらい上がるかというほうが、より原子力の新・増設の必要性を考えるときには重要だと思うんですけれども、そちらのほうのデータはないのでしょうか。
 以上。
田中部会長
 事務局からお願いします。
柳瀬原子力政策課長
 おっしゃるとおり、原子力はベースロード対応なので、ベースロードの数字があれば一番いいわけですけれども、そこはかちっとした公表した数字がなかったので、内々教えていただいてみると、ピーク電力の動きとベース電力の動きは、数字的にはそんなに違わない数字でございました。この小委員会でも山地先生のご指摘と全く同じご指摘もいただいていました。大体ベースロードの動きとピーク電力の動きでそんなに政策的なインプリケーションにほとんど差が出ないというようなことでございましたので、むしろ公表されている数字のほうで置きかえて出させていただいています。供給力もほぼ同じようなインプリケーションだったというふうに理解してございます。
田中部会長
 山地先生、よろしいですか。
山地委員
 予備力はどうですか。多分、最近、最大電力、更新されていませんよね、随分長い間。あるいはそれに対応してあんまり設備増強をやっていないので予備率が落ちているのかもしれませんけども、それはいかがですか。現在の予備率は押さえておられますか。
田中部会長
 片山さん、お願いします。
片山課長
 現在の予備率は、供給計画ベースでいきますと大体10%強、12%ぐらいでございまして、向こう10年間、おおむね10%ぐらいで推移するというのが10社まとめた供給計画でそういう数字になっております。予備率が非常に極端に上がるといったような絵にはなっておりません。
田中部会長
 よろしいですか。
 それでは、鈴木委員、お願いします。
鈴木委員
 バックエンドの不確実性について、リスクにてついてきちんと対応していただいてよかったと思うんですが、ここで質問があるんですけれども、6ページと7ページの六ヶ所再処理以外の使用済燃料に関する費用について今度、制度をつくっていただくということでいいと思うんですけれども、6ページのほうは、第二再処理工場という言葉が出ているんですけれども、今回、この件は既に特定の工場を想定したりとか、事業主体を決定したりとか、そういう想定で計算するのではないということでよろしいでしょうか。たしか前のあれでは、2050年のFBRに備えて考えるということで、再処理費用というのはいずれ発生するから、それは固定のものではない、こういうことでよろしいですか。
柳瀬原子力政策課長
 おっしゃるとおりです。第二再処理工場をどうしていくかというのは、2010年から原子力委員会で議論するというところは変わってございません。
鈴木委員
 はい。
田中部会長
 よろしいですか。
鈴木委員
 もう1つ。それと関連して、今後、六ヶ所以外の再処理についてなんですけれども、8ページに核管理構想など国際的なフレームワークの動向によって影響が及ぶ可能性があるという文書が入っているんですけれども、これは要するに、今後の再処理についていろいろな形式があり得ると。そのときのコストというのは別途考えると、こういうことでしょうか。
柳瀬原子力政策課長
 そういうことだと思います。
田中部会長
 よろしいですか。
鈴木委員
 はい。
田中部会長
 山名委員、お願いします。
山名委員
 原子力メリットの可視化について伺いたいんですが、原子力メリットというのは二酸化炭素だけではなくて、最も根幹的な部分はエネルギーセキュリティ、つまり燃料の短期安定性、それから長期にわたっての安定確保というのが非常に大きなメリットであります。原子力にリプレースしていく際の経済的なリスクでもって火力が入っていった際には、むしろそういった長期的リスク、燃料に関するリスク、短期的変動的のリスクを負うことになりますし、原子力の場合には、逆に国として大きなエネルギー安全保障を確保していくというメリットがあるわけで、その部分のエネルギーセキュリティ上のメリットが何らかの形で可視化されるなり、評価される仕組みが欲しいなと思うところです。二酸化炭素の量だけじゃなくて、エネルギーセキュリティという観点で、電源ごとに何らかの指標なり目安のようなものをつけるということが今後必要になっていくのではないかということを1点指摘させていただきたいと思います。
 それから、負荷追従についてですが、先日、フランスのEDFの方の話を聞きましたところ、フランスでは原子力の負荷追従運転というのは通常のようにやっているということでありまして、日本の電源の系統の状況とヨーロッパと違うんでしょうが、いずれにせよ、今言ったような長期的な安定性を重視ながら原子力をベースロードに入れていった場合に、つまりベースロード部分が上がっていった場合に、いずれにせよ、負荷追従運転、負荷追従ではなくて負荷調整というんですかね。長いスパンで負荷を調整するようなことはいずれ必要になるのではないかというふうに考えます。そうすると、ヨーロッパでやっているような実績などもよく考えながら、その安全性をよく評価した上で、いずれその負荷を調整するということは避けて通れない道かなと考えますので、今後、積極的にそこの実現性を考えるべきであるというふうに考えます。
 以上です。
田中部会長
 ありがとうございます。1つ目のメリットについて、報告書のほうには少しあるところで。
柳瀬原子力政策課長
 要約版ではしょっちゃったんですけれども、セキュリティと供給安定性と2つあって、今おっしゃったのは国全体のセキュリティメリットというのは研究しましょうと、こういう整理になっていて、原子力発電を投資するかどうかという会社の経営者のとってのメリットについては、供給安定性のメリットはかなり燃料価格の形で取り込まれているんじゃないかと。むしろ国全体のメリットは、引き続き検討課題という整理にしてございます。
田中部会長
 2つ目はいかがですか。
柳瀬原子力政策課長
 負荷調整、まだこれは現実的な必要性になったところでは、深刻に考えましょうというところまできていて、まずその時期がくれば、むしろおくれずにちゃんとやりましょうという、そういう整理をさせていただいています。
田中部会長
 よろしければ、秋庭さん、お願いします。
秋庭委員
 私は、14ページの全面自由化の検討を行うに当たって留意すべき事項というところで一言申し上げたいと思っております。検討に当たっての留意事項は、今後の原子力発電投資に及ぼす影響に十分配慮してというふうに思いますが、柳瀬課長の先ほどのご説明でも、この観点だけではなくて、ほかにもいろいろあるけれども、原子力投資について考えるべきという話ですが、私ども消費者にとっては、いよいよ2007年から家庭を含めた全面自由化ということで、自由化を検討することが始まるということで考えていかなければならないなというふうに思っています。その際には、原子力のあり方というよりも、私たちの家庭で、暮らしがいかに安心して暮らせるかということを、そこを第1に考えていきたいというふうに思っておりますので、そのときに原子力がどうあるべきかという観点で私たちは考えないかなというので、ここのところ、多少違和感を覚えています。ただし、もちろん部会では今後の原子力のあり方について、政策のあり方について検討すべきところではありますので、そのことも含めて、全面自由化に当たってどのようなことが考えなければならないのかという情報提供を私たちにきちんとしていただきたいなと思っています。いろいろな話が、アメリカのカリフォルニアや東部のほうで起きた停電のこととか、いろいろなことが報道されたりしました。でも、私たちもそういうことも含めて情報提供していただき、メリット、デメリット両方を考えて今後しっかり勉強して考えていきたいと思っております。ということで、これだけを集中して、この点から考えるということに違和感を感じましたので、意見を申し上げました。失礼します。
田中部会長
 ありがとうございます。
 この小委員会は、電力自由化と原子力という観点で検討するというところがございまして、今後、電気事業分科会においては、またさまざまな観点から検討されますので、そのときにはまたさまざまな情報がそこで公開されると思いますし、また必要があれば、また事務局のほうからいろいろな情報についてご報告がお願いできるかと思います。
 あとはいかがでしょうか。大体ご議論をいただいたかと思いますが、特に報告書については強いご反対がなかったようなことかと思いますので、逆に言うと、おおむね小委員会の取りまとめを支持されるというふうなご意見が多かったかと思いますので、小委員会の取りまとめ内容をこの本部会の報告書の取りまとめに反映させていくことにさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 どうもありがとうございました。ご協力いただきまして、ありがとうございます。
 次の議題に移りたいと思います。次は、放射性廃棄物小委員会の審議状況についてであります。放射性廃棄物対策につきましては、第1回の本部会でこの小委員会の設置についてご了解をいただきまして、その後、森嶌委員に委員長をお引き受けいただき、精力的に審議をしてきていただきました。先日、小委員会の報告書(骨子)が取りまとめられましたので、これまでの審議状況についてご報告をいただきたいと思います。
 では、事務局からご説明をお願いいたします。
吉野放射性廃棄物等対策室長
 放射性廃棄物対策室長の吉野でございます。よろしくお願いします。資料の2-1、参考資料の2-2を適宜使いながらご説明を申し上げたいと思います。
 まずお手元の報告書骨子でございます。恐縮ですが、一番最後を見ていただきたいと思うんですけれども、小委員会の審議の経過でございます。先ほど田中部会長からご案内がありましたとおり、部会から審議の付託を受けまして、過去これまで8回の審議を進めてきております。それから、委員会の名簿につきましては、後ろから2枚目に添付をさせていただいております。
 小委員会の検討テーマでございますが、頭の目次の部分をごらんいただければと存じます。大きく3のテーマでございまして、一番目には最終処分の候補地選定に向けた取組の強化、2つ目には海外からの返還廃棄物に関連する制度的措置、3番目には長半減期低発熱放射性廃棄物(TRU廃棄物)地層処分事業の制度化というものでございます。
 中身の説明の前に、今回の議論の対象となりました放射性廃棄物の整理をもう一度いたしたいと思うんですが、お手元の参考資料の17番のところを開いていただければと存じます。放射性廃棄物は、大きく高レベル廃棄物と低レベル廃棄物に区分されるわけでございますが、高レベル廃棄物の方は再処理工場でウラン・プルトニウムを取り除いた後のものを固めたもの、それ以外を低レベル廃棄物と総称するわけでありますけれども、今回の議論としましては、○の2つ目にあります長半減期低発熱放射性廃棄物(TRU廃棄物)を議論の対象としたということでございまして、右の図で申しますと、再処理工場、それから注にありますけれども、MOX工場の操業に伴って発生するものということでございます。
 次のページ、18番のところに再処理施設の事例を載せております。これは見ていただいたとおり、再処理施設の処理工程でございますが、真ん中あたりに高レベル放射性廃棄物でございます。他方、ピンク色で色づけしたものがTRU廃棄物でございまして、ここにあるさまざまな工程から出てくる廃棄物でございます。
 この整理を念頭に置きまして、骨子のほうのご説明を順次進めてまいりたいと思います。
 まず1ページ目、高レベル放射性廃棄物の最終処分の候補地選定に向けての取り組みの強化でございます。小委員会におきましては、まず特定放射性廃棄物の最終処分に関する計画の改定につきましてご議論を賜りました。この計画は、法律に基づきまして5年ごとに改定をするものでございまして、小委員会、この部会でもご報告をした上で昨年10月に改定をされました。置かれている状況が大きく変わっておりませんので、改定自体は小幅なものでございましたけれども、計画に記されておりますスケジュールに関しましては、一通りの議論がございました。
 また参考資料のほうで恐縮ですが、参考資料の3番のところでございます。処分地選定プロセスを掲げております。この図の下半分が最終処分計画に掲げられておりますプロセス、スケジュールでございますが、真ん中あたりを見ていただきますと、第2段階に精密調査地区の選定、これを平成20年代前半を目途に掲げておりますが、これに向けて、それに先立つ調査も控えておりまして、現下の状況を見ますと、スケジュール全般に関しての余裕がないという状況ということでございます。そういうことから、小委員会ではもろもろ議論はございましたけれども、核燃料サイクルの前向きな動きですとか、原環機構(NUMO)がかかわっております地点の動向などを踏まえまして、このスケジュールは維持をすると。他方、関係者によって一層の努力を促すことが適当と整理をされたところでございます。
 骨子の(2)でございますけれども、一方、NUMOの取り組みでございます。これまで3年余り公募を続けてきたわけでございますが、現時点で正式な応募はございませんが、現在関心のある複数の地域での理解促進活動が続けられているということでございます。
 今後の取り組みとしましては、先ほど申し上げましたようなスケジュール、厳しい状況がございますので、今後一、二年を正念場と意識しまして、最大限を努力を行うべき。○の次のところですが、このため、原環機構におきましては、関心を有する地域における、さらに密着した活動を続ける。国としましては、地域支援措置の大幅な拡充、さらには広報活動に重点的に取り組むべき。また、電気事業者においても、原環機構の活動の支援をすべきと、こういうした議論があったわけでございます。
 次の点は省略をさせていただきます。
 めくっていただきまして、海外からの返還廃棄物に関連する制度的措置でございます。これにつきましては、過去、我が国の電力会社が海外に再処理を委託しました結果、発生した廃棄物に関する議論でございます。再処理によりまして、先ほど申し上げましたように、高レベル廃棄物とTRU廃棄物が発生するわけでございますが、そのうち高レベル廃棄物については、既に当初のスケジュールに従って順々に返還をされつつあります。残るTRU、低レベル廃棄物に関しまして、委託先のイギリス、フランスからそれぞれ提案が示されておりまして、それに対応する議論を進めてきたということでございます。
 まず、イギリスからの提案でございますけれども、参考資料の8番をごらんいただければと思います。イギリスからは、返す予定となっております低レベル放射線廃棄物を、それと放射線影響が等価な高レベル放射線廃棄物に交換をして返還を行うというものでございまして、原子力政策大綱におきまして、輸送回数の低減や貯蔵管理施設の規模が縮小できる等の効果が見込まれる。その交換をするための指標の妥当性を評価して、提案が受け入れられる場合には制度面の検討を速やかに行うべきの方針が示されたわけでございます。
 小委員会のほうでは、その提案のメリット、交換指標の妥当性についての審議を行いまして、その基本方針にありますとおり、まずこの提案を受け入れることは妥当であるという方向性、それから必要な措置としまして、交換されて返ってくる高レベル放射性廃棄物については、現行の特定放射性廃棄物最終処分法の処置対象になっておりませんので、これを措置すること。それから、これまで低レベル放射性廃棄物で返ってくるとした場合の廃棄物の処分費用は電力会社が積み立てることとしていた制度に関しまして、全体の費用額の調整でございますとか、対象廃棄物が変わることに伴う調整を行うこと、こうした整理がなされたわけでございます。
 それから、次のフランスからの提案でございますが、これは低レベル廃棄物の形態をアスファルトで固化したものからガラスで固化したものに変えるというものでございまして、まず原子力委員会のほうで、変えた後のガラス固化体の処分ができるかどうか、技術的成立性の議論をいただきまして、問題がないとの判断がなされたところでございます。
 制度論としましては、この廃棄物はいずれも地層処分相当の廃棄物でございますので、処分に当たりましては、以下に示しますTRUの地層処分に関する制度の中に溶け込んでいくと、こういうふうな整理をいたしたところでございます。
 続いて3ページ目でございます。長半減期低発熱放射性廃棄物の地層処分の制度化でございます。まず3.1としまして、TRU廃棄物処分事業のあり方を掲げておりますが、まず入り口の議論としまして、濃度区分に応じた処分のあり方についての整理をいたしました。参考資料の20ページをお開きいただきたいと思います。TRU廃棄物はさまざまなものが含まれるわけですが、濃度の区分によりまして浅地中ピットに処分をするもの、余裕深度処分をするもの、それから地層処分をせざるを得ないものと、こういう大きく3つのカテゴリーに分けられるわけでございますけれども、小委員会の議論としましては、この地層処分を必要とするものに関しては、○の3つ目にありますように、長期安定性、長期安全性、社会的信頼性と、こういう観点から国の法的関与等により計画的かつ確実に事業の遂行が可能な事業形態とすることが必要と、こういう整理をいただいたわけでございます。
 その整理を踏まえて、地層処分事業のあり方とありますのが3.2のところでございます。まず(1)地層処分事業の特殊性を考慮した制度のあり方でございます。ここについては、地層処分をするということであれば、基本的に、既に高レベルの廃棄物に関して適用されている事業スキームと同様なものではいいのではないかと、こういう議論がなされました。
 数枚めくっていただきますと、参考資料24番のところに基本的なスキームをお示ししております。このスキームの基本となりますところは、下にございます廃棄物の発生者、ここでは主として再処理事業者、それからMOX燃料の加工事業者、電力会社とありますのは、海外からの返還分がありまして、これについては電力会社が発生者になるということですけれども、それぞれから廃棄物の発生の状況に応じて拠出金の納付をいただく。その納付を受けました実施主体が処分地の選定ですとか最終処分の実施を進めていく。この実施主体、その他に関して国が認可を行うとか、その他の監督を行うということでさまざまな規定を設けるというものでございます。
 こういうふうな仕組みを掲げるわけでございますが、他方、高レベル廃棄物と同じ地層処分をするということであれは、○の2つ目にありますように、高レベル放射性廃棄物の処分施設の近傍に地層処分が想定されるTRU廃棄物の処分施設を併設して処分を行う、この併置処分が検討の俎上に上がってきたわけでございます。両方並べて行うということについての技術的な問題については、さきに原子力委員会のほうで議論をいただきまして、それについては問題がないと整理がされたところでございます。
 ○の3つ目に、この併置処分の実現によりまして、処分場数を減らせる、それから処分地選定プロセスや施設の共有化によって経済性の向上が見込まれるということがあるわけですので、国としては、関係者の理解を前提としまして、併置処分を視野に入れた施策にすることが重要。制度的には、高レベル放射性廃棄物の処分実施主体がTRU廃棄物の処分実施主体ともなり得る制度とすることが合理的との整理がされました。
 他方、次のページでございますけれども、○の一番上にありますとおり、既に現在、高レベル放射性廃棄物の処分地選定手続が先に進んでおりまして、TRU廃棄物の処分がその手続に加わってくるという状況が想定されます。したがいまして、TRUを含めた地層処分を円滑に進めていくためには、いずれにせよ、地元の理解を得ていくことが重要であるという点でございます。
 また、次の○ですけれども、併置処分に関して、TRUと高レベルとの処分、それぞれに関して求められる地質環境は基本的に同様と考えてよろしいかと思うんですが、他方で、与えられた地盤が十分なスペースを有しているかどうかということに関しては、やはり調査をして確認をする必要がございます。そういう意味で、候補地点の実地調査の結果が得られた後に、最終的に併置処分が可能かどうかという判断があり得るのではないか、こういう点も指摘をされました。
 以上のような地元との関係、地質の環境といった観点から、若干の不透明感がある、不確実性があるということで、併置処分の制度については、これをあらかじめ義務づけるのではなくて、事業のオプションにするべきと、こういう整理がなされたところでございます。
 次に、(2)費用確保のあり方ですが、まず(1)費用措置の全体ですが、これは基本的に地非常に長期にわたる事業に要する資金を確実に確保しなければならないということで、あらかじめ拠出金として手当をすることが必要という点でございます。
 それから2つ目は、現在の高レベル法もそうでございますが、その資金については安全性・透明性を確保することが必要ということで、独立の主体による資金管理が行われることが必要との整理が行われました。
 次に、費用措置の前提でございます。まず○の1つ目は、TRU廃棄物のうちの地層処分対象となるもの、すなわち拠出金制度の対象とするものというものでございますけれども、参考資料はもとに戻っていただきまして、申しわけありません、19番のところでございます。ここではTRU廃棄物を4つのカテゴリーに分けておりますけれども、このうち左側の2列については、付着している放射性物質の濃度といったところから地層処分が確実なものというもので、右側の2列は雑多なものが含まれるために、部分的には余裕深度処分・浅地中処分ができ、他方で、ある一定の濃度上限値を超えるものは地層処分にいくと、こうなっております。いずれにせよ、今申し上げた整理のもとで地層処分をしなければならないものを拠出金の対象にするという制度をいたしたところでございます。
 他方、研究所から出てくるちょっとした廃棄物ですとか、細々この拠出の対象から漏れるものも出てまいりますので、現在の高レベル法と同様に、個別の大臣認可による受託のスキームについても、少しそこは余裕を見ておこうということを考えております。
 それから、次の○ですけれども、TRU廃棄物の地層処分事業の費用見積もりでございます。今度は参考資料の26、27でございます。先ほど申し上げました返還廃棄物の関係で物量が若干前後するケースはあるわけですけれども、いずれにせよ、TRUの処分費用としては約8,000億円の費用が見積もられております。仮に併置処分ができるとなった場合には約6,000億強の費用がかかると、こういう整理がなされております。小委員会のほうでこの見積もりについて議論をいただきまして、まず制度設計を行う上での前提としては一定の合理性があるという判断をいただきまして、これをもとに、ただいま申し上げているような制度の方向性を見きわめつつあると、こういう状況でございます。
 それから、○の3つ目でございます。併置処分によりまして、今申し上げましたように、若干の費用の低減が見込まれるわけでございますけれども、併置処分としていくかどうかについての判断について、若干その判断に至るまで時間を要するという点がございますので、費用措置に関しては、当初はTRUの処分を単独で行うという前提で費用の措置がございまして、その後、併置処分ができることとなった場合には、費用の変動を拠出金制度に反映させていくと、こういう整理もいただきました。
 次に、5ページ目でございます。(3)の拠出資金制度、ここでは拠出のスケジュール等でございます。ここにつきましては、端的に記しておりますが、まず、再処理事業やMOX燃料加工事業の事業実態に応じての積み立てを想定する。基本的に、自然体でございますけれども、毎年度の操業の状況、それから廃止措置等によりまして廃棄物が発生してくる、その状況に応じまして拠出がなされるべきと、こういう整理をいただいております。
 他方、既に行われました再処理事業、海外の再処理委託と、こういうものによりまして、既に発生した、ないし発生するTRU廃棄物がございます。これらについての地層処分費用に関しましては、制度改正をする、何らか法的処置をした上でしかるべき期間において、いわゆる経過措置として拠出がなされるべきということの整理もいただいたところでございます。
 それから、最後に、国、発生者及び処分実施主体の役割ということでございますが、いずれにせよ、密接な連携のもとでこの事業を着実に進めていくということが重要であるわけでありますけれども、特に○の3にありますように、処分実施主体が決まるまでの間というものが大切でございます。この間、国、発生者等の関係者を中心に理解促進活動、技術開発を進めまして、実際に処分実施主体が決まりました後に、その事業が円滑に進むべくあらかじめ地ならしをしていく必要があると、こういう整理でございます。
 非常に細々した整理でございますけれども、本日さらにご議論賜りまして、次回の部会に向けまして報告書の形で取りまとめるといいますか、その中に盛り込む形で改めてご報告をいたしたいというふうに考えております。
 以上でございます。
田中部会長
 ありがとうございました。
 それでは、各委員の方からご意見、ご質問がございましたらお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
 伊藤委員、お願いします。
伊藤委員
 ただいまのご報告に対して3点ほど電気事業者から申し上げたいと思います。
 まず第1点ですが、地層処分相当のTRU廃棄物処分や海外からの返還廃棄物について、今回放射性廃棄物小委員会におきまして、費用確保策、あるいは実施主体等にかかわる基本的な考え方が示されたわけでございますが、地層処分事業の特性等が考慮されており、適切な方向性であると認識しております。この基本的考え方に基づきましてぜひ制度整備を進めていただきたい、と思います。
 2点目ですが、今後はTRU廃棄物処分につきまして、広く一般にわかりやすい形で理解活動やさらなる合理化に向けた研究開発を着実に推進していく必要があると考えておりますが、高レベル放射性廃棄物の地層処分を行いますNUMOからも意見を伺いながら、国、研究開発機関、処分実施主体、そして発生者がそれぞれの役割分担を踏まえて密接に連携することが重要であると考えております。
 3点目、特に処分実施主体が決まるまでの期間におけます対応が大変重要であるとの認識で、電力としても、国等の関係者とよく連携しつつ、理解促進活動、研究開発に取り組んでまいりたいと思っております。
 以上でございます。
田中部会長
 ありがとうございました。
 あといかがでしょうか。鈴木委員、お願いします。
鈴木委員
 2点ほど質問があるんですが、1つは、NUMOによる公募、理解促進活動の件なんですけれども、既に複数の地域から問い合わせがあって、実際に説明会や勉強会をされているということなんですが、どの程度情報公開できるんですか。要するに、これはどのぐらい進展しているかという目安を見たいというふうに思うんですが、実績として果たしてどれぐらいの件数があって、どの程度進んでいるかというのは公表できるかものかどうかということをまず1つお聞きしたいのと、それからもう1つは、この部会の第1回のときにご質問させていただいたんですけれども、政策大綱で書かれている直接処分の研究開発についてどういうふうなフォローアップをされるのかということは、この委員会のあれではないとすれば、どこで議論されているのか。この2点です。
田中部会長
 ありがとうございました。
 1点目、あるいは2点目について。
吉野放射性廃棄物対策室長
 お答え申し上げます。
 まず、現時点でどの場所が動いているかということに関しましては、これは地元との信頼関係もございますので差し控えたいと思うんですけれども、他方で、これまで新聞等で報道された地点、いずれもなかなか難しい状況でございますけれども、これについては過去6地点出てきております。中には地元の有志の方々が議会に対して請願を出されると、この請願をめぐって、議会の回数にしまして3回、4回問題にしていただいた、こういうケースもあったりしまして、それなりに各地元における関心、またそれに対応した理解促進活動が進められているものというふうに考えてございます。
田中部会長
 ありがとうございました。
 はい、お願いします。
戸谷内閣府参事官
 2点目の直接処分に関する研究の件でございますけれども、私、内閣府でございますが、原子力政策大綱におきまして、確かに「使用済燃料の直接処分技術等に関する調査研究を適宜進めることは期待される」ということが記載されまして、その後、私ども原子力政策大綱のフォローアップという関係で、この点につきまして、どこがやっていただけるのかということにつきまして、経済産業省及び文部科学省とも相談いたしまして、日本原子力研究開発機構さんのほうに検討をお願いしております。
田中部会長
 あといかがでしょうか。秋元委員、お願いします。
秋元委員
 海外から戻ってくる廃棄物、TRUについての一定の方向を出していただいたこと、これは大変評価したいと思っているんですけれども、ただ、全体として高レベル廃棄物といいますか、この廃棄物問題、一番最初、ご説明の中にもありましたけれども、日本は非常にほかの国に比べたら立ち遅れているんだということへの認識というか、危機感というか、そのあたりはまだ不十分なんじゃないかという感じがしてしようがないんです。とにかくアメリカにしても、フランスにしても、いろいろ問題点を抱えていますけれども、既にちゃんと立候補地があるわけです。よその国でもそうなんですが、日本の場合には、先ほど幾つかの候補地が手を挙げたというふうにお話がありましたけれども、挙げた途端に反対が乗り込んできて、次々とつぶしてしまうというような繰り返しが起こりかねない。これは隣の韓国でも、隣で中低レベルの廃棄物の立地のときに、同じようなことが何回も繰り返されて、結局17年たっちゃったということがあります。もう失敗をくりかえす時間がないところまで来ているにもかかわらず、具体的な立候補地もはっきりしていない。これはもちろん、全く当てがないというふうに私も思いませんけれども、もしそういう立候補地が出てきたときに、それを一体どこまでバックアップをして、それを実現させるための具体的な措置がとれるのか。そこで国と地方自治体と発生者、電力との間の関係があるわけですけれども、そのお互いの最終責任がどこにあって、それを実際に立地を成功させるためいろいろな問題が起きてくるところで、どこまでそれぞれ泥をかぶって踏み込んでやっていくのか、そこら辺のところが、これだけを見ても、あと一、二年が正念場なので、みんな一生懸命やろうよというところまでは書いてあるんですけれども、具体的な踏み込みが見えない。これで本当に立地が決まるのか非常に心配であります。そのあたりは、なかなか一概に議論しにくい部分ではあるかもしれませんけれども、ここの姿勢がきちっと定まっていないと、この問題は解決しないんだろうと思うんです。韓国の場合にも、国が最終責任をきちっと負うというところの姿勢がはっきりしてきたところで、地方の考え方が変わったわけですね。この問題、もう少し踏み込んで今後もご議論をいただければありがたいというふうに思っております。
田中部会長
 ありがとうございました。
 特にございますか、事務局から。
吉野放射性廃棄物対策室長
 私ども、この地層処分の問題、放射性廃棄物の問題というのは各国共通の問題でございまして、さまざまな機会を通じて意見の交換をしております。先般、フランスのほうに参りまして、昨今、新しい法案も出されたということで事情聴取をしてきたんですが、その際にさまざま伺いました中で、私どもとしても参考にするべくは、候補地となりつつある場所のみならず、その地域を中心に幅広いエリア、フランスでは2つのデパートメントにまたがる60のミュニシパリティの理解を得ながら進めていると、こういう説明をいただきました。私どもとしても、関係する地点のみならず、幅広い理解を得ていくことが必要である。その上で、国もその理解のための支援、また都道府県の方々にも理解いただくための支援というものが必要というふうに認識をした次第でございます。
 また、韓国のケースを見ますと、最終的には幾つかの候補地点で、ある意味競争のようなことになったと。図らずも、各地点が競争をされて非常に高い投票率、非常に高い支持率というものを得られたわけでございますけれども、私ども、ぜひ、そこまで至るように各地点、1つ、2つと限らず、できるだけ複数の地点において理解が進むように、広報活動、また地元地域に対する支援というものの拡充に努めてまいりたいというふうに考えてございます。
田中部会長
 ありがとうございました。
 秋元委員のご心配のことは、おそらくここにいらっしゃる委員の方のほとんどの方、あるいは原子力関係者のかなりの方のお考えかと思うんです。ここでは一層の努力を促すというふうな言葉でまとめられていますけれども、これは本当に努力の効果が出るように、また関係者、あるいは委員の方もぜひいろいろなお知恵を出していただき、また自分のこととしていろいろと努力をお願いするところでございます。
 山名先生、手が挙がっています。
山名委員
 二度目の発言ですが、ありがとうございます。
 政策大綱に廃棄物に関する基本原則というのを幾つか明記いたしまして、発生者責任、合理化、最小化、国民の理解という原則をうたったわけです。きょういただいたこの報告書の中には、特に合理化の原則、最小化の原則を追求しているという視点があるので非常によくまとめられているというふうに思います。その中で1点だけ吉野室長に質問があるんですが、イギリスから返ってくる廃棄物の等価交換の考え方で、ITPという指標が出てまいります。参考資料の11ページにありますが、放射性核種を年摂取限度のアーリーで割って、500年から10万年まで積分した値を用いるということですね。これは中に入っている潜在特性の等価指標として極めて合理的であるというふうに思います。
 ただ、お聞きしたいのは、我が国では放射性廃棄物の処分の区分管理は、放射能の濃度、それぞれの放射性核種が持っている半減期などに応じた核種ごとの上限値のようなものを設けてやっている。つまり濃度の放射性核種のスタイルによって、例えば深地中でなければいけないとか、浅地中でいいというのを決めている。そこでITPという指標は今のところ入っていないわけですね。ITPの場合には10万年までの積分ですから、その半減期の部分は時間で全部積分してしまっていますから、長く細いものも、太く短いものも等価になるわけですね。
 お聞きしたいのは、我が国で行っている放射性廃棄物の処分にかかわる区分管理の考え方、ITPというものがないものに対して、ITPという指標が入ってくることの整合性のことを伺いたいんです。ただし、私は、ITPというのは廃棄物を等価に、いろんなスタイルが違っても等価に考える指標としては非常に適切だと思っておりまして、区分管理との整合をうまくとって、うまく使っていただければ、その政策大綱でいう合理化、最小化にどんどん生かしていけるというふうに考えておりまして、その整合性について質問したいというのが趣旨でございます。
田中部会長
 よろしくお願いします。
吉野放射性廃棄物等対策室長
 ただいまの点、ストレートな答えになるかどうかわからないんですけれども、次の資料番号12番のところに、このITPをほかの方法と比較をして整理したものでございます。処分時の線量というものとのかかわりで、このITPをどう評価するかということですが、まず、ここでは、日本国内の廃棄物の規制の状況ですとか、処分の区分ですとか、そうしたことの関係での評価をしておりまして、その点からしますと、日本の国内において、より厳しい線量評価をする、安全評価をした場合に、逆に戻ってくる廃棄物の量の増えて返ってくると、こういうことが起こり得る。基本的には、それぞれの国における廃棄処分の仕方を考慮せず、ニュートラルな方法のほうがよろしいのではないか。少なくとも今の日本の規制制度の状況から考えると、線量を前提にした交換では戻ってくる物量が大幅に増えるという整理をいたしまして、ITPのほうが合理的ではないかという評価をいたしたということでございます。他方、今先生がおっしゃられましたところに関しましては、さらに私どもの政策の中においても議論を継続的にしていきたいというふうに考えてございます。
田中部会長
 ありがとうございました。
 ということでございまして、これからの検討だと思います。最終的にはわかりやすくというふうなことかと思いますが、ほか、秋庭先生、お願いします。
秋庭委員
 最後に今委員長がおっしゃったように、わかりやすくということなんですが、やはりこの廃棄物のことはもっともっと国民にわかりやすく伝えていただきたいと思います。例えば、イギリス提案の廃棄物の返還についても、よくよく考えればよくわかるんですけれども、消費者が原子力発電に対して持っている不安の大きな原因に、放射性廃棄物を子孫に残すということをよく挙げられております。その放射性廃棄物とはどういうものなのかということがまだまだしっかり伝わっていない状態で、次から次といろいろ難しい問題が出てきて、この交換の問題もそうですし、TRU廃棄物のこともそうです。そして、そのTRU廃棄物についても、きちんと考えなければないということはわかるんですが、浅地中処分であるとか、余裕深度処分であるとか、地層処分ということすら、どういうことなのかということをはっきりまだわからないときに、次から次といろいろ難しい言葉も出てまいります。そこで、今回の報告書にも「国民にしっかり理解を得ることが大切」ということが書いてありますし、またNUMOのほうでも、いろいろとテレビ放映したりとかフォーラムを開いたりしてご努力なさっているとは思いますが、いま一度、どのように国民がどういうことを知りたがっており、また、どのように言えば伝わるのかということを評価しながら国民の理解にぜひぜひ努めていただきたいと思っております。
 以上です。
田中部会長
 ありがとうございました。
 ほか、いかがでしょうか。
 ちょっと教えてください。名称なんですけれども、中ではTRU廃棄物という言葉が出てくるんですが、初めのところでは長半減期低発熱放射性廃棄物と出てくるんですが、これは最終的にはどういうふうな形になるんですか。
吉野放射性廃棄物等対策室長
 名称に関しましては、原子力委員会のほうの技術検討会のほうで、目次のほうにございますように、長半減期低発熱放射性廃棄物という名称が公に使われておりますので、今後、私どもとしては、この名称を基本にしていきたいというふうに考えてございます。
田中部会長
 わかりました。おそらく名称もいろいろと変わるというのが、世の中の方から見たらわかりにくいかと思いますので、そろそろ大体の全体像がわかってきましたので、名称も含めまして、こういうふうなのが廃棄物として日本ではあるのだということが、国として示すことがまず理解の第一歩かと思いますので、よろしくお願いします。
 ほかになければ、さまざまなご意見をいただきましたので、今後また小委員会で行われていく取りまとめの参考にさせていただきたいと思います。また、次回の原子力部会に小委員会の最終的な取りまとめ結果について改めてご報告いただく予定でございます。どうもありがとうございました。
 3つ目の議題に移りたいと思います。高速増殖炉サイクルの実用化に向け、日本原子力研究開発機構が電気事業者とともに「実用化戦略調査研究」に取り組んでいることは、委員各位におかれてはご案内のとおりですが、昨年度までのフェーズIIについて、このたび日本原子力研究開発機構等が報告書を取りまとめましたので、その概要について、まず日本原子力研究開発機構の向部門長からご紹介いただきたいと思います。また、その後、引き続き事務局から、実用化戦略調査研究の成果を円滑に実証プロセスに移行していくための今後の対応についてご説明いただきます。
 それでは、向部門長、お願いいたします。
向部門長
 お手元の資料3-1、A3の資料でございますが、これに基づいてご説明させていただきます。この後ろには200ページの報告書と約数千ページの技術検討書がございます。この1枚で説明するのはなかなか大変ですけれども、ポイントだけ簡潔にご説明させていただきます。
 左のほうの1.からですが、FBRサイクルということで、高速炉、原子炉、再処理、燃料製造と、この一連のサイクルについて合理的なものを探してきたわけでございます。概念としては、炉で40概念ぐらい、再処理あるいは燃料製造でそれぞれ10概念ぐらいから絞り込んできて、1999年からスタートしてフェーズIを終え、それから約5年間かけてフェーズIIを取りまとめたということでございます。
 きょうはその結果だけご説明しますけれども、1.のピンクのところに書いてございますように、5つの開発目標を掲げて、それへのサイクル全体としての適合性、総合的にどれが一番ふさわしいかということを検討しております。その5項目、それに技術的な実現性、これは国際協力を踏まえて、それも考慮した上での実現性、それぞれの概念の現実の技術レベルというよりはポテンシャルを評価したということでございます。
 その結果として、緑のところにございますように、主概念、総合的に最も各目標に適合性が高いということで、原子炉としては、酸化物燃料を用いたナトリウム冷却炉、再処理としては先進湿式法再処理、燃料製造としては簡素化ペレット法という、この組み合わせが最も適合性が高いということで選んでおります。細かいことは省略します。
 それから、その下にいきまして2.で、原子力大綱に2050年ごろまでに商業ベースを導入するということがうたわれておりますけれども、そこまでの開発ステップとして、第1段階、これは現在でございますけれども、今までのフェーズII、今後10年間かけて実用化像、具体的なFBRサイクルの像を示すと、あるいはそれ以降の開発計画を提示するということが第1段階でございます。それを踏まえて、第2段階で具体的な実証試験施設を用いて、これら幾つか革新技術を用いることが前提になっております。そういった技術を実証していく第2段階。それから第3段階で、先ほど2050年ごろと申しましたけれども、商業ベースのプラント規模等を想定してスケールアップが可能な規模の実用規模プラントをつくって安全性、経済性を立証するという、そういった第3段階、この3つのステップにおいて開発していくということを考えております。
 それから、ちょっと早いですけれども、右側のほうにいきまして3.ですが、さらに具体的に今後10年、2015年ごろまでの研究開発としてどういうことを考えるか。実際には、この技術開発はこの10年が非常に重要で、さらにその中の前段の5年、ことしから2010年までの5年間、この期間に、幾つかの革新技術採用と先ほど申しましたけれども、それを本当に採用するかどうかという見きわめをする、この5年間が最も重要になろうかと、ここにかなり集中的に投資をする必要があろうかというふうに思っております。その後の5年間は、これらの革新技術を用いて、「もんじゅ」等の実際のプラントの実績なども踏まえて、先ほど申しましたように、FBRサイクルの技術的な実用化像を提示すると、この5年間でまとめ上げる。簡単に言いますと、概念設計書を提示するぐらいのところまで持っていきたいというふうに考えております。
 その下にナトリウム冷却炉の開発計画、この10年間の1つの例がございます。これはほんの一部でございますが、こういったそれぞれのロードマップを作成して、今後着実に進めていきたいというふうに思っております。
 それから、その下にいきまして、(2)研究開発上の重要課題。幾つかそこに書いてございますが、1つは、このFBRサイクルの実用化ということが国家機関技術として先般指定されたわけでございますが、そういう意味では、国の強力なリードのもとに国内の総力を結集して開発に当たっていく、あるいはその体制を構築することがまず重要であろうかというふうに思っております。
 それから、この開発に当たっては、その下にありますように、国際協力、GIFとかGNEPとかいろいろ提唱されておりますが、特にアメリカ、フランスを中心とした先進国といかに国際協力をして我々の開発を合理的に進めていくかということが必要になろうかというふうに思っております。
 それから最後でございますが、2015年以降の課題としまして、2015年までにそういった実用化像を示し、あるいは開発ステップを提示するわけですけれども、その後、具体的な実証施設をつくって、それに基づいて、本当に実用化できるかどうか見きわめていく必要がある。それにはどういった施設が必要か、どの規模が必要かということが必要になるわけなんですけれども、そういった方策の選定、あるいは実施方法について検討していくことが重要であろうかというふうに思っていますし、もちろんこれらの役割分担、私どもの国の研究機関はもちろんなんですが、民間あるいは行政機関、どういうふうに役割分担をしていくか、この辺の整理が必要かというふうに思っております。
 以上でございます。
田中部会長
 ありがとうございました。
 事務局からお願いします。
柳瀬原子力政策課長
 それでは、お手元の資料3-2、先ほどのフェーズIIの報告書を受けた後の今後の対応についてという事務局の提案でございます。
 1ページ目に問題認識でございますけれども、最初の○でありますが、2005年度にフェーズIIが終了して、今年度からIIIに移行して、より実用化に近い段階にスップアップをしていくわけでございます。しかしながら、この研究開発側の調査研究から実証・実用プロセスへの円滑な移行に当たっての課題について、関係者間での検討や認識共有は十分に進められていない状況だというふうな認識でございます。
 サイクル絡みの技術はいつもそうですけれども、新型転換炉(ATR)もそうでしたし、再処理技術もそうでしたけれども、研究開発段階でずっとやって、あるときぼんと実証・実用段階ですといってバトンタッチが行われて、それがうまくいかなかった歴史の繰り返しでございます。こういった研究開発側から実用化への円滑な移行がうまくいかないというようなことをFBRで同じ轍を繰り返すことは許されないというふうに考えてございまして、過去の轍を踏まないための工夫が必要ではないかということでございます。
 3つ目の○でございますけれども、何年度までは研究開発段階、2015年以降が実証段階とぽんと不連続でつなげるのではなくて、今の2015年までの実用化戦略調査研究が終わる前から、具体的には今から実用化戦略研究と並行して、関係者間で実証プロセスに向けた検討を進めて、その結果をまた実用化戦略調査研究に反映していくという、2015年までの間にある種並行して、ダブルトラックで検討していく必要があるんじゃないかという問題意識でございます。
 1枚めくっていただきまして、2ページでございますけれども、そこで対応の方向の案でございます。今、研究開発側で原子力開発機構さん、文部科学省さんで検討していただいておりますけれども、これに実証炉側、実用側ということで経済産業省、電気事業者というのも加わりまして、もちろんメーカーさんにも加わっていただいて、この5者で、例えば、その下に書いてありますような検討項目について認識を共有し、実用化戦略調査研究に反映をしていくということにしてはどうかということで、例えば開発スケジュール、先ほど2015年以降という話もありましたけれども、それを実証炉に中核となるようなメンバーも含めてスケジュール、実証ステップをワンステップでいくのか、2つ炉をつくるのか、実証プロセスに移行するためにはどんなことが必要か、世界はどう動いているのか。炉だけつくってもしようがないので、燃料、再処理といったサイクル側についてどういったリクワイヤメントを出していくのかというふうなことでございます。実施主体、資金負担につきましては、第7回の原子力部会で随分掘り下げて議論していただきましたので、当面はあの整理の状態で、むしろこういった技術的な中身について詰めていったらどうか。
 次の○ですけれども、この検討を効果的なものとするために、先ほどの2015年を待たずに速やかに関係者による協議を開始すべきではないか。また、その内容を専門的知見をもって詰めるために、学識経験者を加えた研究会を設置してはどうかという提案でございます。
 それから最後の○でございますけれども、最近のエネルギーセキュリティブームでFBRが随分いろいろなところで声が高まっているわけでございますが、このFBR、あるいは高速炉サイクルは過去もずっと気合だけでやってきてうまくいかなかった歴史でございますので、同じことをまた繰り返すのではないかということを心配していまして、足元で予算がどんどん厳しくなって研究費が削られていく中で、導入目標の議論だけが上滑っているように見えるわけでございまして、そういうことでは将来のビジョンだけで絵にかいた餅になってしまうと、足元の予算をしっかり確保していくことが大事だということで、この点につきまして、第7回の原子力部会でも大変多くの委員の方から強い心配の声が出たわけでございまして、政府では、こういったFBRの実証・実用化に向けた予算確保について特段の取り組みが求められるというのが、前回の原子力部会の皆さんのご議論ではなかったかということで、そういう整理をさせていただいています。
 以上でございます。
田中部会長
 どうもありがとうございました。
 それでは、各委員から、実用化戦略調査研究報告書に関するご意見や今後の対応について、ご意見、ご質問等がございましたらお願いしたいと思います。いかがでしょうか。神田委員、お願いします。
神田委員
 大分近づいてきた――大分進んできたという感じを受けるんですが、テーマの中に検討項目がいろいろ書いてありますが、前も同じ発言をしたんですが、中国とかインドとか韓国とかは日本とやりたいという国際協力という路線が、ものすごく強く要望が出ている。それから、片一方で、アメリカも、ロシアも、フランスもやっているという、そういう段階にあって、研究開発における国際協力という言葉が含まれたらいいかなと。1ページ目に、世界の技術開発動向を無視して我が国の技術のみに着目して検討しても、世界のマーケットから孤立するということが書いてあるですが、研究開発における国際協力というのが検討項目に入れていただくといいと思います。
田中部会長
 ありがとうございました。そうさせていただけたらと思います。
 内山委員。
内山委員
 1点だけ質問といいますか、確認させていただきたいんですが、ただいま柳瀬課長から、「もんじゅ」についてダブルトラックで推進していくという説明をいただいたんですが、このことは基本的には、「もんじゅ」の運転というのは、実証炉が建設されてからも運転するという考え方なんでしょうか。ダブルトラックという意味がどういう範囲までのことなのかを確認したい。というのは、「もんじゅ」がいつぐらいまで大体運転できるのかというところなんですね。運転する期間が、実証炉ができた後も運転するのか、あるいはその前で終わるのか、その辺まだ確認されていないのか、決まっていないのか、それも含めてお聞きできればと思っています。
田中部会長
 先ほどのダブルトラックの意味を。
柳瀬原子力政策課長
 ダブルトラックと言葉が滑りましたけれども、これは「もんじゅ」と実証炉という意味ではなくて、今、実用化戦略調査研究という実証炉に向けた調査研究を研究開発側でやっていただいていますけれども、今まではそれが研究開発側の検討が終わるのを待って実証側とか実用炉をつくるほうが検討を開始するというふうにやっていたわけですけれども、この実証炉を研究開発する側と実証炉を導入する立場にあるものとで検討をそれぞれ整合的に進め、そういう意味でのダブルトラックでございまして、実証炉と「もんじゅ」が同じ時期に重なるかどうはまた別の議論だと思っていまして、「もんじゅ」をいつまで動かすというのは、今文部科学省さんのほうでご検討いただいていることだと思ってございます。
田中部会長
 よろしいですか。
内山委員
 ということは、今のところ「もんじゅ」がどのくらいまで運転されるかわからないと理解してよろしいわけですね。
中村文科省課長
 文部科学省の原子力研究開発課長の中村でございます。
 今、2015年から50年までも含めまして、どのようなロードマップがあり得るのか検討をしてございます。現在5案出ており、またそれを1つに決める時期ではないという意見がありますので、正確に言えば、決まっておりませんが、その案の中の1つの例ですと、実証炉が動き出す頃においてもまだ「もんじゅ」は、例えば中性子による照射で材料を研究する場などに使えるのではないかということで、研究項目がありそうだという意見が出ております。そういう意味では、今のところ、多分、実証炉ができたからすぐ「もんじゅ」が止まるということではなくて、ある程度研究項目が残るのではないかと想定しております。
田中部会長
 それでは、伊藤委員、お願いします。
伊藤委員
 電気事業者の立場からただいまの報告につきまして数点認識を申し上げたいと思います。事業者としても、このFBRといいますのは、軽水炉にかわりうる将来の大事な電源の1つと認識しており、その研究開発については、私どもも積極的に協力していかねばいけない、という認識でいるということを申し上げたいと思います。
 次に、大きく3点ほど申し上げたいと思います。まず1点、調査研究から実証プロセスへの移行に当たって、関係者の認識の共有が大事だということが述べられておりますが、まさにそのとおりだと思いまして、このことは2050年ごろのFBRサイクル導入という方針を円滑に進めていく上で極めて重要なことである、と思います。
 第2点目ですが、きょうあまり具体的なお話がなかったのですが、このFBRサイクル開発について協議を行う際には、第二再処理工場の技術課題、高レベル廃棄物発生量の低減方策等につきましても、今後の課題として検討していく必要があると考えており、この点につきましても、しっかり議論していくべきであると思います。第二再処理工場の具体的実施時期等につきましては、ウラン資源の状況、核不拡散体制の強化をめぐる動向などとも密接に関係いたしますので、国レベルの政策の重要な課題として検討していただけるものと、そう認識をしております。
 第3点目ですが、ご説明の中でも何度か出てまいりましたが、まず足元が大事、そしてこの10年が正念場ということでございます。このFBRサイクルの研究開発を進めていくに当たりましては、シナリオを想定し、そして課題を明らかにして、国全体で関係者が力をあわせて取り組んでいくということが極めて重要であると考えております。しかしながら、実際に商業的に導入をされるためには、現在の軽水炉に比べて比肩し得る競争力と信頼性を持ち得るかがそのかぎになってくると認識しております。今回、実用化調査研究のフェーズIIはまとまったものの、経済面、あるいは技術面でブレークスルーが起こったというわけではなく、今後、技術的難易度の高い革新技術の克服などを乗り越えていかなければならない課題がまだまだ多くあると思っております。
 さらに、FBRの研究開発に当たりましては、世界のマーケットを意識すれば、日本のFBRサイクル技術が国際標準となるよう取り組んでいく必要があるわけでありまして、最近のGNEPの機運の高まり等を考慮しますと、まさにこれからの10年間が正念場だと考えます。したがいまして、まずは直面しております技術課題を解決できるよう適切な予算を確保して、足元の課題解決に向けての研究開発に全力を注ぐことが何よりも重要なことと考えております。以上でございます。
田中部会長
 ありがとうございました。
 殿塚委員、お願いします。
殿塚委員
 ただいまお話がありましたFBRサイクルの技術開発を担う事業主体の、責任者として一言決意表明をさせていただきたいと思っております。先ほど向部門長からご説明しましたとおり、この開発に当たりましては、2010年までに革新技術を決定するということ、2015年にはFBRサイクルの実用化像、それから研究開発計画を提示すると、こういうことになっているわけでありますけれども、この実現に向けて積極的かつ着実に研究開発を進めていきたいと考えております。そのためには、お話もありましたとおり、当然のことながら、研究開発資金の確保ということが重要でありますけれども、柳瀬課長からもお話がありましたとおり、過去のいろいろなケースにおける経験というものを踏まえて、研究開発を進めるための体制づくりが重要な提案であると思っております。経産省、文科省、あるいは電気事業者メーカー、それに私ども関係者が一丸となって、海外との協力という問題も含めて、その検討を開始すべきであると思っております。
 それから、中でもメーカーの技術維持体制は重要だと考えておりまして、実用化に向けて重要な課題として、国際的な戦略も加味しつつ検討をすることが不可欠であると考えております。
田中部会長
 ありがとうございました。
 メーカーのことも出たんですけれども、齊藤委員、お願いします。
齊藤委員
 関係者の一員として指名されたメーカーとしまして、手身近に一言発言させていただきますけれども、ただいま柳瀬課長からご説明ありました本ペーパーの現状と課題、それからこれを踏まえた今後の対応の方向については、我々過去の経験も踏まえ、基本的にこの資料のとおりであると認識しております。
 今後の具体的な進め方として、関係者による協議の場が設定されるというご提案でありまして、メーカーとしましても、技術開発とか、あるいはものづくりを分担するという視点で積極的に参加させていだたきたい。殿塚委員からお話がありました、技術、人材の維持の点も含めまして、ぜひ積極的に議論に参加させていただきたい、そういうふうに考えております。
 以上でございます。
田中部会長
 ありがとうございました。
 秋元委員、お願いします。
秋元委員
 向さんのご発表いただきまして、主概念というのを決めていただいた、これは大変な進歩だというふうに思っています。今までは炉の概念だけが先行しまして、夢の原子炉というところばかりがクローズアップされ、そのサイクルは一体どうするのか、それは炉の概念が決まってから考えればいいというような感じの流れでずっと試験が進んでいたのではないかと思うんですけれども、ここではきちっと、炉と同時に、それのためのサイクル、燃料加工、この3つの概念をきちっと規定していただいて、それを同時進行させて進めていくというお考えが示されたというふうに思っています。そういう形で進めないと、炉の実用化の体制を整えるまでに大変な無駄手間をかけてしまうということにもなりますので、ぜひともこの3つを同時的に進行させていくというような、研究開発の方針で進めていただきたいと思っているんです。
 ところが、この紙を見ましても、左のほうには先進湿式法再処理の施設の絵まで書いてあるのに、右のほうの2015年までの研究開発の項には、ナトリウム冷却炉だけしか書いてない。これは例示なんでしょうか。いわゆる先進湿式法再処理についても、こういうような形での開発計画があって一緒に進めていただいているということであればよろしいんですけれども、そのようにぜひお願いしたいと思います。現実、燃料サイクルで先進湿式といいましても、例えばここに出てきている湿式一つ一つの技術は、ほとんどまだビーカーテストでテストをされたという程度の経験しかないわけですね。ですから、再処理技術の中では湿式は一番経験のある分野なんですけれども、それでもやはりもし本気でやるとなると、2045年の第二再処理までのんびり待っているというわけにもいかないし、あるいは2010年になってから第二再処理を議論し始めるということでもだめなんだろうと思うんです。こういう形で出していただいたからには、ぜひとも原子力立国計画で進められるときに、この3つの同時進行のスケジュールを具体的に出していただきたい。そのためには、先ほど課長のお話がありましたように、まず予算措置からきちっととっていかなければいけないというようなことがありますので、どういう施設をつくり、どういう予算をとっていくかということまでも含めて少し掘り下げていただければと思っています。
 もう1つは、私がちょっと気になる点は、このペーパーではすべてが増殖 炉サイクルという名のもとでまとめられていることです。対応の方針の項にも、「世界技術マーケット動向の関係を見る」というふうには書いておられるんですが、世界の動向は、アメリカも、フランスもプルトニウムの燃焼炉からまず入ろうという考え方です。増殖というのは、もちろん高速炉の最後の目的であるわけですけれども、その前の段階以前に、軽水炉サイクルではどうしても解決できないTRUなどの問題を高速炉に解決してもらいたいというニーズが世界的に非常に強くなっているということがあると思います。
 更に、核拡散問題を考えるときに、軽水炉で生まれてくるプルトニウムは、核拡散抵抗性がかなりあるんですけれども、高速炉のブランケットから出てくるプルトニウムはそのまま核兵器の原料に使える。だから、ウランで言えば、低濃縮ウランと高濃縮ウランの違いに匹敵する拡散抵抗性の差が、軽水炉から出てくるプルトニウムと高速炉から出てくるプルトニウムの間にはあるわけですけれども、増殖ではそういうものを使っていくんだということについての意識を、もう少しきちっと認識した上で、計画を進めていっていただきたいのです。
 日本もようやく燃料供給グループには入れてもらったわけですし、日本が核拡散の意図がないということは世間は一応認めてくれているんですけれども、そういう中で、例えば研究炉でも高濃縮ウランは使わないようにすべて改造して、原子力の平和利用から高濃縮ウランそのものを排除しようとする国際プロジェクトが進められているような時代なわけですから、こういう時期にあえて増殖を前面に立て標榜することにどれだけの意味があるのか。高速炉開発の究極目標としてはそこへもっていくわけですけれども、まず世界が考えていることと、もう少しすり合わせをして進めていただくことのほうが、より実現可能性が高くなっていくのではないか。目標とする増殖に心おきなく取り組める国際的な環境が整うまでは、その方針がいいのではないかと思っているんですけれども、そのあたりについてもご意見を聞かせていただきたいと思います。
田中部会長
 ありがとうございました。
 1つ目のご心配の点は、炉以外にも、燃料とサイクルについても研究開発が重要であること、きょうはたまたま、炉のことについても検討されています。
 2つ目、3つ目については、まだビーカー段階じゃないかという指摘、増殖炉開発という中で核不拡散とか燃料加工というのをどういうふうに考えていくのかというのが、まさしくこれからの検討のところかと思います。
 あと4名の方が挙がっていまして、末次委員、山名委員、児嶋委員、井川委員でございますが、時間もございますので、要約してご発言いただけたらと思います。よろしくお願いします。
 まず、末次委員、お願いいたします。
末次委員
 大体いつも議論から要約せよと、もう散々なれております。
 大変重要な時期にこういう中期的な戦略目標を、この部会のシリーズの最後のところにきて論議ができたということはすばらしいし、日本原子力研究開発機構のほうからも、FBRサイクルという非常に戦略的なターゲットについて大変絞りに絞った目標、おそらく国際競争力、この路線を追求していけば、国際競争力のあるFBRサイクル、炉とサイクルの技術について、あるいは世界的なモデルを日本社会が提示できるかもしれないというところまで絞っていただいた。これはおそらく、文科省も原子力委員会もそうだというご認識をいただいている上でのことだろうと思いますので、大変プロセスとしては非常に結構だと。
 しかし、問題は、原子力の日本の国家的な戦略、あるいは産業戦略としては、このFBRサイクルだけを考えるわけにはいきません。これだけでもものすごい民間部門と公的部門のR&D資源の増強、そして適正な資源、分担配分、大きな大きな仕事が待っているわけです。しかも、世界有数の公的負債を背負ってひいひい言っている歴史の段階で、これだけ大きな仕事をやると。しかも、これは軽水炉の延長に置かなければならない話で、部会で大きなテーマできましたように、次世代軽水炉の開発という、国際競争力のある原子炉、軽水炉をどうやって日本社会が持っていくか、また世界に貢献するか、より安全でよりフリーな、そしてより不拡散的な軽水炉体系をどうするかという大きな宿題があって、そのためにもR&Dをものすごく資源配分しなければならない。同時に、これが世界的に前倒しでFBRサイクルへのR&D挑戦をやらなきゃいけないという、全体のチャレンジの大きさと負担の大きさ、その資源配分の難しさ、これを本当に我々の部会は全体的にアセスメントをして、方向づけを出さなきゃいけないときだというふうに思います。ですから、柳瀬課長からご提案のあったR&Dから実証プロセスへのより合理的な移行、国民ステークホルダーが全員集まって協議するという研究討議プロセスは全く必要だと思います。
 これはそれでいいと思いますけれども、中身の問題については、やはり電力産業、日本はこれだけ一応フランチャイズシステムで、配送配電一環で非常に力のある体制を国際的に見ても、民間プレーヤーを持っているわけですね。ですから、これを維持するという大前提で、民間セクターが、特に電力セクターが、二重、三層の課題ですよ。軽水炉の高度化、そしてFBRの前倒しになってくる世界要請に対して、チャレンジしていくということにどれくらいR&Dの貢献、努力、参画をするか、この点が非常に重要になってくると思います。今まで部会で出された年間250億円あった電気事業者のR&D予算が50億円もないというような状態になってきている、競争自由化でということですよ。これで一体どうするんですか。これは、これからFBRサイクルについては、電力業界は炉のほうに傾斜するのか、あるいはサイクルのほうに傾斜するのか、そこの役割分担もお決めいただきながら、このステークホルダー全体のR&D戦争にきっちり参画すると。今、殿塚さんも伊藤さんも積極的にやりますという大変すばらしい意思表示があったのでよかったと思いますけれども、全体の中での役割分担については、よほど検討、頭を痛める必要があるんじゃないかと思います。
 それから、何といっても、これは国家主導型の段階に入ってきたことは間違いないんです。セキュリティ、不拡散、そして環境保全、解体廃棄物の資源化、こういう大きな世界が求めているターゲットについて、日本が国際モデルを打ち出すということですから、これはセキュリティ、環境、国際戦略、すべてを含めて、国家予算の中で相当もう一回高い位置へ引き上げていただいて、必要な予算を文科省にしても、経済産業省にしても獲得していただいて、全体をリードしていくということが必要になるんじゃないか。ぜひ、アメリカからせっかくいい時代的な提案が出てきた、このGNEPの路線と、日本はこれから進めていかなきゃいけない軽水炉の近代化、高度化、そしてFBRサイクルのR&Dの積極化を、このGNEP路線とどう整合性があるのか。整合性はあるようです。ですから、これをよく国民に説明しながら、パブリックアクセプタンスを高めつつやらなきゃいけないんじゃないかなという感じがいたしますが、研究会の設立には賛成です。
 以上です。
田中部会長
 ありがとうございました。大変重要なご指摘、どうもありがとうございました。
 続きまして、山名委員、お願いいたします。
山名委員
 すいません、きょう3回目の発言で新記録なんですが、ぜひ言いたいことがございます。
 まず、今提案されたペーパー、末次委員もおっしゃいましたが、経産省と文科省が垣根を外して1つの実用路線に向かう開発体制を進めようという提案です。画期的なことでありますし、これによって予算の合理化、あるいは技術力が結集できるということで、私は非常に高く評価したいと思います。
 次に、くしくも伊藤委員がおっしゃられました軽水炉からの移行期のあり方をこの中で入れていくということは非常に重要だと思います。なぜならば、秋元委員もおっしゃいましたように、高速増殖炉は軽水炉がつくり出した遺産を受けとめるバケツのようなシステムなわけです。1つの例として、高速増殖炉1基の炉心に入れられるプルトニウム、核分裂性で大体6.5トンぐらい入ります。プルサーマルで1年に100万キロワット級に供給するのが0.2トンぐらいです。ですから、高速炉というのはいかに大きな、軽水炉がつくり出した遺産の受け皿であるかということを強く認識する必要がありまして、特に中間貯蔵でため置いた燃料、それからプルサーマルの使用済燃料、これは第二再処理で処理することになりますが、そういったものをいかにうまく高速炉のところに、その大きなバケツに持っていくかという最も合理的な手法、それから技術、それを考えていくということが非常に重要であるということであります。
 それから3つ目に、ヒト・モノ・カネのうちのモノとカネについては大体決意表明が出たのでヒトの人をしたいんですが、仮に実証炉が2025年、あるいは2030年と考えます。もし私が開発担当者であれば、この開発設計に従事した人間がこの実証炉の運転にまで従事していくような人の流れというのを考える。そうすると、2030年に運転につく人間というのは大体50歳ぐらいですから、今大体25歳ぐらいの人間がその実証炉の開発の中心、リーダーシップとっているはずです。ということは、今の時点で25歳とか24歳ぐらいの優秀な人間をたくさん集め始めて、2030年、2020年ごろにその人たちが技術的リーダーシップをとれる体制にもっていく必要があるということです。くしくも、第3期科学技術基本計画総合科学技術会議で決まりましたが、国家基幹技術ですよね。科学技術計画の中で、5つの国家基幹技術の中に高速増殖炉の開発というのが入ったわけです。国家によって非常に基幹的な技術であるということが認知されている。ということであれば、ぜひ優秀な技術者を今のうちから、もうおそいぐらいですが、どんどんこの開発に流れ込むような人的な流れを確保していく必要があるということです。私、大学の人間ですので、大学からそういう人間を出していく、それを受けとめてくださる研究開発機関、メーカー、そういった人材の受け皿、これを確保しながら、ぜひそのころにしっかりした技術が発展するような路線を組んでいく必要があると。
 以上です。
田中部会長
 ありがとうございました。
 児嶋委員、お願いします。
児嶋委員
 私も申し上げたいと思うことは大分皆さんがおっしゃったんですが、あえて申し上げますと、経済産業省と文部科学省とが手に手をとって、そしてさらに電気事業者メーカーと日本原子力研究開発機構の5者が、まさに国家主導型の研究会を発足させるということで、私の思っていたことをきちっと書いていただいたことを本当に私も高く評価したいと思います。その5者の話し合いのもとに予算の確保が図られるものと思っております。
 それともう1つ、今末次さんが申されましたが、この原子力立国計画というのは後でまた説明されますが、名前も私は大変いいと思っているんですが、原子力がなければ立国できないという意味だと思いますが、その意味でも、この国家主導型であるということとの整合性が出てきたと思っております。そしてまた、この原子力立国計画、これから説明されますけれども、5年間は少なくとも前倒しでいくということが書かれておるようでありますが、何としても、FBRの早期実現のためにもこれが大事だと。そしてまた、先ほど柳瀬課長さんが申されましたダブルトラックという考え方、これも非常に重要であると私は思っております。そういう意味で、このダブルトラックという視点が、フェーズIIで出されたことからにはあまり伺えないといいますか、特に大きいA3の図の下のほう見ますと、商業ベースの導入までの開発ステップのところで、第1段階から第2段階のところへ細って矢印がいっていると。第2段階から第3段階から細っていっていると。確かに指向性は見えるんですけれども、ここがおそらくダブルトラックであるべきだというふうに私は思っています。柳瀬さんが申されたのも多分そうじゃないかと思いますので、その辺の図が誤解を生むのではないかと思いますので、この辺修正してもらいたいという感じがいたしました。
 ともかく大変いい方向にきたと私も喜んでおります。どうもありがとうございました。
田中部会長
 ありがとうございました。
 井川委員、お願いします。
井川委員
 手身近に申し上げますと、実は柳瀬さんのおっしゃった、昔は気合でやっていたというのがめちゃくちゃ気にかかってどうしても言いたいと。むしろ気合がなかったんじゃないかと思っている次第なんです。何でそんなことを申し上げるかというと、昔の高速炉、FBR開発というのがストップしたというのは、当然のことながら「もんじゅ」が長々ととまって、その間に、それまで築き上げてきたことが雲散霧消してしまったというのが僕の印象です。表面的には旧動燃の事故後のマネジメントがなってなかったというのが一番の理由ですけれども、当時のことを振り返ってみると、実態として言えば、みんな同床異夢できちっと本当にやっていたのかというのが最大の原因だと思います。
 何を申し上げるかというと、動燃に行けば、昔は次世代の再処理という技術の研究をやるために、施設棟までつくるために巨大な穴も掘っていて、僕らが行くと遠隔ロボットまで使って、こんなすごいのをやるんだぞというのを見せてくれたり、あるいは電力業界さんも協力して、日本原電さんで実証炉の概念設計みたいなものまでやっていました。そういう意味では、昔はきちんとやっていたというに私は理解しています、気合じゃなくて。ところが、それが「もんじゅ」事故という、しかもそれが本質的ではなかったにもかかわらず、それで雲散霧消してしまったというのは、きっと皆さんの間で、何が問題でどういう課題があってというのが実はよく詰まってなかったし、何を開発しようかという意思もしっかりしていなかったというのが、僕は実は最大の原因だと思う次第です。
 なおかつ、もう1つ、一番もっと大きな理由というのは、国民に高速増殖炉というものを開発するということが何で必要なのかということを十分政府が広報していたのか、あるいは学会の方、あるいはメーカーの方、電力業界の方が本心から必要だと思うことについてきちんと説明してきたのかという最大のクエスチョンマークがあるわけです。
 1つだけお願いしたいのは、先ほど柳瀬さんがおっしゃった気合という言葉と一緒にご説明なされた3-2の検討項目の中に、これは国民の方に、これだけ大きな事業になるし、おそらく政府が突っ込むお金というのも相当なものになるだろう。しかも、電力業界さんもその地域に2050年以降立地していくということであれば、相当大変な説明の努力というものをしなければいけないということになるとすれば、国民の理解をどうやって得ていくかという検討項目をぜひ入れなければ、また多少のトラブルがあれば雲散霧消してしまうぞと、こういうことを申し上げさせていただきたいと思います。
 以上です。
田中部会長
 ありがとうございました。
 さまざまなご意見をいただきましてどうもありがとうございました。時間もあって、もっといただきたかったんですが、時間もございませんでしたので、きょういただいたご意見は、1つは、実用化戦略調査研究の今後の検討に当たりまして役立てていただければと思います。また、事務局からご提案のありました、今後、実証プロセスに向けた協議を開始するということにつきましては、おおむねご説明いただいた内容を支持するご意見だったかと思いますので、いただいたご意見を踏まえつつ、政府におきまして具体的な協議を開始するということで、本部会として了解いただくことでよろしいでしょうか。
 どうもありがとうございました。
 それでは、最後の議題に入ります。予定した時間はあと5分しかないんですが、あまりおくれないように進めたいと思いますので、少しご辛抱いただければと思います。
 最後の議題は、原子力部会の取りまとめに向けてでございまして、これまでのご議論や、本年2月に中間骨子(案)をお示しした際にいただきましたご意見を踏まえまして、報告書(案)の骨子を作成いたしましたので事務局からご説明をお願いいたします。
柳瀬原子力政策課長
 それでは、これまで個別のテーマについてご議論いただいたものを骨子の形で整理いたしました。資料4でございます。タイトル、事務局としては「原子力立国計画」ということで掲示をさせていただいてございます。
 1枚めくっていただきまして、今までの議論していただいたテーマの全体の整理でございますけれども、まず最初に、基本方針、第2部に時代環境ということで、改めてなぜ今原子力が必要なのか、世界がどういうふうに今原子力回帰の動きが出ているのか、他方、産業が寡占化をしているという動き。それから、個別の課題と対応策ということで、自由化時代の原子力発電の新・増設、既設炉の活用。第2章で、今の軽水炉サイクルの推進と、それを支える産業の強化。第3章に、高速増殖炉サイクルの実用化。第4章に、技術・産業・人材の厚みの確保・発展。第5章に、原子力の輸出・振興。第6章に、GNEPなど原子力発電拡大と核不拡散の両立への取り組み。第7章に、地域との関係の強化。第8章に、廃棄物対策ということでございます。
 ポイントだけ、飛ばし飛ばしご説明させていただきますが、2ページでございます。今まで議論していただいて、この2年間、みんながそうだなと思っているようなことで強く委員の方から言われたことを整理したつもりでございます。
 1点目が、一番最も多かったと思っていますのは、まず一番最初に、いずれにしても安全の確保がすべての大前提であるという認識のもとで以下の5つの基本方針と書いてございます。中長期的にブレない。2番目に、一方で戦略的な柔軟さを持つ。3点目に、国、電気事業者、メーカー間の協力関係を深化をする。そのためにはコミュニケーションをきちっととり、ビジョンを共有する。まずは国が最初の第一歩を踏み出す。4点目に、国家戦略だけでは原子力の場合は動かないということで、個別地域政策の重視。5点目に、開かれた公平な議論によって政策決定をすることがかえって政策の安定性を確保するんだと、こういう5つということでございます。
 1枚めくっていただきまして、なぜ今原子力で、世界はどう動いているのかということで、その下の図表の4ページを見ていただきたいと思います。ポイントだけ申し上げますと、エネルギー自給率、日本は世界先進国最低の4%、食料自給率ですら40%でございます。その左上の右の表でございますが、過去40年間10年ごとに見ますと、新規油田発見はずっと減り続けて、いまや生産量を下回る状態になっているわけでございます。これがオイルピーク論の不安の根拠になっているわけでございます。
 左の上から2番目、中国ですごい勢いで電力需要が伸びているわけでございまして、この楕円の丸で書いてありますけれども、メキシコ一国、あるいは日本で言えば東京電力全体に相当する需要規模が1年間で電力需要が中国一国で伸びているということであります。
 左の一番下、天然ガスがCO2対策の切り札だという見方がありますけれども、原子力は発電過程でCO2を出さないということで、圧倒的に天然ガスと比べても原子力はCO2がすぐれている。
 4ページの上ですけれども、原発をやめて全部新エネにという議論がございますが、原子力発電所100万キロワット級たった1基を新エネで置きかえようとすれば、太陽光発電であれば山手線の中を太陽パネル全部敷き詰めてやっと1基分。風力であれば、山手線を3.5個分全部風車で埋め尽くしてやっと原発1基分でございまして、日本は今原発が55基動いてございますけれども、これすべて新エネで置きかえるというのは現実的と思えないということでございます。
 右の下、海外における原子力発電の動きということで、アメリカは、皆さんよくご存じのように、スリーマイル以降とまっていた新規建設をいよいよ新規建設をするんだ、あるいは直接処分路線から核燃料サイクル路線に舵を少し移すと、こういうようなことでございます。カナダも原発を一時期とめていましたけれども、環境問題で石炭火力をとめるということで、今急遽、原子力発電はみんな再開しようという動きでございます。ヨーロッパにおきましても、フィンランドもチェルノブイリ以降、原発から脱原発ということでございましたが、ロシアにエネルギーを依存するのは危険だということで、いよいよ原発を新規建設する。スウェーデン、スイスも国民投票で原発をやめるということでございましたが、いまだにそれぞれ原子力比率4割、あるいは半分以上、いまだに原発に依存しておりまして、実際に脱原発するというのは遠のいているということでございます。
 個別論に移らせていただきまして、7ページ、最初に申し上げました電力自由化時代の原子力発電の新・増設促進ということで、リスク対策、初期投資負担の平準化、広域的運営の促進、原子力発電のメリットの可視化ということでございます。
 1枚めくっていただきまして、9ページ、安全確保を大前提とした既設の原子力発電所の活用ということでございまして、1つは、運転保守の高度化ということで、状態監視保全、あるいはオンラインメンテナンス、リスク情報の活用ということで、運転中の状態を監視するなど、そういったことで安全レベルを上げるとともに、科学的、合理的な規制に対応していくということでございます。
 高経年化、古くなった炉についてもきちっと運用をしていくということでございます。
 それにあわせて、規制側も実効性の高い検査への移行を今検討していただいているわけでございます。
 1枚めくっていただきまして、11ページ、軽水炉サイクルでございます。これは何としても、個別にやっているプロジェクトをしっかり立ち上げていくというのが何よりも大事ということで、来年8月の六ヶ所再処理工場の本格稼動、2010年までにプルサーマル16基から18基、ウラン濃縮工場の新型遠心分離機の導入が2010年、2012年には新型軽水炉のMOX燃料加工工場の操業開始というようなことでございます。
 それを支える産業の強化ということで、ウラン濃縮については新型遠心分離機の開発を成功させて、それを量産体制でコストダウンにもっていく。再処理は、何といっても六ヶ所できちっと操業して、運転経験のノウハウを蓄積する。ウラン鉱山開発につきましては、日本も積極的に権益を取りにいくということで、政府の資金も入れてリスクマネーを供給する。再転換、JCO以降1社になっておりますけれども、本格的に濃縮工場を量産体制にもっていくためには、やはり増産、あるいは新しい再転換施設をつくる必要がある。燃料成形確保につきましては、裏の廃棄物の処分方策を具体化する、そういったことに努めていく必要があるということでございます。
 それから1枚めくっていただきまして、高速・増殖炉サイクルの早期実用化。まず1番目に、その移行シナリオをつくるという議論をしていただきました。まずは、「もんじゅ」を早期に再開して、信頼性の実証とナトリウムがちゃんと取り扱いできるということをはっきりさせる。実証炉及び関連サイクル施設、前回議論していただきましたときには2030年前にということでございましたけれども、今の世の中の流れで、もっと前倒しということで、政治的な決意ということで2025年ごろまでの実現を目指す。さらに、六ヶ所工場の終了時ごろに第二再処理工場の操業を開始して、それは軽水炉から出てきた使用済燃料を高速増殖炉の燃料向け用に再処理を行う。商業炉については、2050年より前に開発して、以後、運転を終える軽水炉からリプレースするときには高速炉に置きかえていく。
 それから、その以降シナリオにおける国の役割の明確化ということで、実証炉につきまして、軽水炉相当分のコストとリスクは民間負担が原則と。それを超える部分は、電力自由化時代であること、核不拡散問題で世界的に国の関与が強まることということで、従来の整理を超えて相当程度国が負担をすべきだという整理でございます。実施主体につきましては、経済性への見通しが現実的な視野に入っていれば、それは民間事業者さんが実施主体になられるのが一番望ましいけれども、それが困難である場合には、国が相当程度関与することも必要だと、こういうことであります。また、技術の継承という意味で、先ほどの議論ではありまませんけれども、ぶちっと切れて失敗をしてきた日本の歴史でございますので、実際の技術継承が行われるように、実証プロセスの実施主体には、研究開発をやってきた原子力機構が参加する。一方で、実用化にうまく、円滑につなげていくためには、民間事業者が参画するという、両者が参画する形にしないとうまくつながっていかないということでございます。
 3点目に、前回議論いただきました戦略的な国際協力の推進ということでございます。
 4点目、5点目がきょう議論していただきました実証・実用化に向けた関係者の協議を開始する、必要な予算を確保するということでございます。
 15ページでございますが、次世代を支える技術・産業・人材の厚みの確保ということで、第1点目、ABWRが開発してから二十年強経ちますが、次の2030年前後の本格的なリプレースに備えて、世界で勝負できる日本型の次世代軽水炉を開発しようということに着手をするということでございます。
 2つ目に、世界的な産業再編にあわせて、国内でも我が国メーカーが世界で通用できる規模と競争力を持つように体質を強化していく。
 3番目に、実際の安全安定運転を支えている現場の技能者、地域の下請け企業のメンテナンスの技能者の方の人材育成、あるいは技能継承、こういったことを地域単位での取り組みが幾つか出始めておりますので、それに対して国も積極的に支援をしていく。
 4点目に、大学・大学院などにおける原子力人材育成が大事だというのは、この部会でもたびたび議論をされているわけでございます。
 1枚めくっていただきまして、17ページ、日本の原子力の輸出支援するということでございます。1つ目に、政府として、はっきり日本の原子力産業の輸出に対して支援をするという政府の意思の明確化をする。それから、相手国に対して人材育成協力をする。それから、ベトナム、インドネシアを中心に、これから導入しようとする国に対して制度整備などのノウハウを支援する。公的金融はやはり必要でございます。それから、安定的な法的関係、二国間協力協定をきちっと結ぶことが輸出をしやすくなる環境づくりでございます。さらに、今の京都議定書では、クリーン開発メカニズム、あるいは共同実施から原子力だけが排除をされてございますので、これの対象にポスト京都議定書でするということが原子力輸出のインセンティブになるわけでございます。
 そのページの下、18ページでございますが、GNEP、あるいはロシア、エルバラダイ、いろいろな構想が出ていますが、日本は核不拡散と原子力平和利用の両立を実現している模範国としてモデルを示すということで、単に日本の特殊性、例外性を主張するだけではなくて、これまでの経験や技術を最大限に生かして、むしろ積極的に協力・貢献をPRするということではないかと思うわけでございます。
 1枚めくっていただきまして、19ページ、立地地域との信頼強化、きめ細かい広聴・広報の実施ということでございます。前回議論していただきましたけれども、国が立地地域の実情に応じて、国の顔が見える形で、あらゆるレベルで真摯に取り組みを行って、日ごろの信頼関係を強化するという、こういう大道をいくしかないということでございます。1つ目に、地域住民との直接対話の強化ということで、シンポジウム、あるいはきめ細か車座、こういったことを徹底してやっていく。2つ目に、そういった地道に上げた信頼関係の上で、最後に大臣など責任者が出ていって、しっかり責任者として国の考え方を地元で表明をする。地域振興の取り組み。それから、始めましたけれども、保安院の検査に自治体の方にも参加していただく。それから、行政体制の強化をする。
 大きい2つ目の柱として、今年度から始めていますような交付金、地域への交付金の制度の強化ということもあるわけでございます。
 3点目に、きめの細かい広聴・広報の実施ということで、まずは広聴、その上でメディアへの適切な情報提供、地域の草の根オピニオンリーダーへの情報提供、女性層、次世代層という関心の低いところに重点的に取り組むと、こういったようなことをやっていくということでございます。
 21ページでございますけれども、きょうご議論いただきました放射性廃棄物対策の強化ということで、1つ目に、最終処分地選定に向けて取り組み強化する。2つ目に、海外から返ってくる返還廃棄物について必要な制度を整備する。3点目に、長半減期低発熱放射性廃棄物の地層処分について法的な制度の手当をすると、こういったようなことでございます。
 以上のような整理でご提案させていただいております。
田中部会長
 どうもありがとうございました。
 それでは、各委員からご意見、ご質問等ございましたら、お願いしたいかと思います。神津委員、お願いします。
神津委員
 短く。この原子力立国計画というものの第2部の第1章というところが、「何故原子力が必要なのか」という文言のパラグラフになっております。大げさなんですけれども、私はここの出来いかんで国民の受けとめ方というのが決まるのではないかなというような気がしています。先ほど井川委員もちょっとおっしゃっていらっしゃいましたけれども、結局、そこに信念が込められているということが、散々ここの部会で出てくる、国が前に出るとか、国の顔が見えるということは、おそらくこの第2部第1章の「何故原子力が必要なのか」というところに書かれたことでわかることなんだろうと思います。予算のことも、それから計画の現実的な実施のこともすべて大切ですけれども、国民がこういうものをぱらっと読んだときに、第2部の第1章を読んだところで腹が決まるんじゃないかなという気もしているので、報告書というものの限界は十分あることはわかっておりますけれども、ぜひとも情熱と信念と哲学を持って書き上げていただきたいというふうに思っております。
田中部会長
 ありがとうございました。
 続きまして、古川委員、お願いします。
古川委員
 私も今、神津委員のおっしゃったこと、全く同じことを考えておりました。ここの原子力立国計画と題している骨子に書いてあることについては、その内容について理解をいたします。ただ、いずれにしろ、これをやっていくにはどっかの部隊でやっていかなくちゃいけないということであります。私は原子力関連施設の立地している自治体の代表として本日参っておりますけれども、まさにここに書いてあるように、なぜ原子力が必要なのか、そしてまた、本当に大丈夫なのか、この2つについてきちんと説明できれば、この立地に対するハードルが非常に低くなっていろいろな政策がやりやすくなるということだと思います。
 前回、第10回のテーマの1つが国と地方の関係で、本来、私、出席すべきところ参りませんで大変失礼をいたしましたが、3月末にプルサーマルの事前了解をしたということもありまして、なかなかこちらに来ることができませんでした。その議事録を読んでおりましたけれども、国と地方の関係ということで何か話題になっているかなと思いましたが、ほとんど議論されてないということがありまして、何か今日言って帰らなければいけないと思って発言をお願いしている次第なんですが、まさに今おっしゃったように、1つは、皆さんにわかるようにしてほしいということなんです。そのときに、国が前に出る、目に見えるという形がありましたけれども、実は目に見えるだけではだめだというのが私の今回の経験です。それはどういう意味かというと、国の方に来ていただいて話をしていただいても何をおっしゃっているのかがわからないんです。それは極めて科学的に正しい説明をされているんだと思いますが、科学的な正しさとわかりやすさは往々にして反することがあります。野口参事官にも何度も来ていただいて、広範にはものすごくわかりやすくなられたんでありますけれども、つまりは、国が全面に出てこういう方向をやることが必要というふうにここにも書いてありますけれども、実は求められているのは、出ていくことだけではなくて、わかりやすく説明をするという説明能力なんですね。聞いた人が姿を見て納得するというふうな呪文みたいなものじゃなくて、話を聞いて、心に落ちて、あ、そうかとわかってもらうような説明をしていただく必要があるということでございます。
 その点、事前了解の最終段階に至ったときに、志賀原発で耐震設計について、地裁レベルでありますけれども、電力会社が負けるという判決が出ました。本当にぎりぎりのときだったので大丈夫かというふうに不安だったんですが、保安院の佐藤課長のほうに来ていただいて、極めてわかりやすくストレートな説明をしていただきました。私自身も、この説明なら大丈夫だと思いましたし、実際に大臣に来ていただいた場面で、その考え方を披露していただきましたけれども、私どもの事前了解に際しては、そのことがそんなに大きな障害にならなかったということは、わかりやすい、ストレートな説明があったということではないかというふうに思っているところでございます。
 また、今回の骨子の中の「何故原子力が必要なのか」の次に「世界の動向」が書いてあって大変ありがたいと思っています。というのは、実は私どもがよく聞かれる質問の多くが世界のことなんです。特にチェルノブイリから20年目だったということで、質問の結構多くが、世界は脱原発でしょうとか、チェルノブイリの事故から20周年目の節目の年ではないか、こんなことを随分言われたんです。それに対して最新の原子力動向というものを把握していらっしゃるのは、これはもうとりもなおさず国でありますので、そうしたところからタイムリーな情報を提供していただくと、私どもも自信を持ってきちんと説明できるということがございます。最新の動向について、残念ながら新聞記事と雑誌の記事を見るしかなかったというのが現状だったのであります。そのことを申し上げたら、そのことについては、これからはタイムリーに提供していくというふうにいただいておりまして、それは皆様がひょっとしたら思っていらっしゃる以上に、現場を預かる者にとってみると極めて重要な情報になっているということを申し上げたいと思います。
 あと最後に1点なんですが、この骨子の中で1点だけ誤った報道に対するタイムリーな対応というのがありまして、これは前回も相当議論になりましたし、井川委員から、むしろそんなことぐじゅぐじゅ言うなというお話もあったというふうに記憶しておりますが、誤った報道に対するタイムリーな対応はもちろん必要でありますし、ぜひお願いしたいと思います。私どももどう反論していいかわからないということがままあります。ただ一方で、報道が正しいということもあると思います。国としては認めたくない事実であっても、正しい報道をされたときには素直に認めていただきたいと思います。間違ったときには間違ったと言っていただく人の言うことをみんなは信じます、我々も信じます。何が何でも自分たちも守るということではなく、フランクに、正直にしていただくことこそが、私は、国民、そして地域住民のこの原子力問題に対する理解を深めることにつながるというふうに信じるものでございます。
 以上であります。
田中部会長
 どうもありがとうございました。大変重要なご意見、ご指摘、どうもありがとうございました。
 続きまして、河野委員、お願いします。
河野委員
 私は、この原子力政策立案に当たっての5つの基本方針のうちの一番最初に書いてある、中長期的に政策がブレないということが一番大切だと思う。これは国が技術専門家や電力会社に約束したことです。ひっくり返してみれば、国がワンスルーの話を真剣に検討した時期があるんですよ。そのワンスルー論が全部虚妄の議論だと私は全然思わない。思わないけれども、そういう議論があって当局の方針が揺れたことは事実だ。民間から言えば、またそこに戻ることはないんだろうなという念押しです。極めて重要なことを一番最初に書かれたから結構だと思っています。
 問題は、これから先のこと。この中で極めて重要だと思っているのは、最初に自由化と原子力のレポートがあったけれども、電気事業分科会で来年早々、全面自由化について議論を始めることになっているけれども、そのときには、原子力のことから見れば十分慎重にやってもらいたいということが書いてある。これは普通の言葉で言えば、全面自由化にはネガティブということ。この政策もブレないということの基本だと僕は思っている。
 3番目、さっき技術の専門の方たちが高速増殖炉の重要性を強調されていた。こういうペーパーが出ると新聞報道は、見出しに苦労するが、今回は高速増殖炉に対する投資をより格別積極的にやると書いてある点に注目するだろう。普通、総花的に書けば、優先順位はどうするのかと問われる。それに先手を打って、今度は、高速増殖炉を中心にやるよということが書いてある。大いに結構。私だったら、これを見出しにとる。最近の新聞は、地球だとかエネルギーだとか原子力については、あまり大きくは扱わない。だから、見出しが大切になる。いずれにしても、担当の課長が変わっても、この方針は守ってもらいたい。政策の一貫性です。
田中部会長
 ありがとうございました。
 続きまして、杉江委員、お願いします。
杉江委員
 この1点だけを言うために2時間20分待っていました。意見は1分もかからないです。
 第1部、私、これは憲法で言えば前文というふうに理解していますけれども、この中に、「安全の確保」の次にこの字句を入れていただきたいというのが私の意見です。「安全の確保と国民の理解・協力を得ることが」ということで、国民の理解等についてはきょうも他の委員からも言及がございました。これを入れてほしいという私の意見、その理由はもう既に他の委員の方が述べたとおりでございます。今の字句を入れていただければと思います。
田中部会長
 ありがとうございました。
 次は、植草委員、お願いいたします。
植草委員
 事前説明をしていただいたときに安全確保という言葉が非常に少なかったのを、この最初のところに入れていただいたのは大変ありがたいと思っています。ただ、その後のページで、安全に関しては、9ページで、既設原子力発電所の活用のところ、それから15ページで、技能者の育成のところで述べているだけで、安全確保全体についての指摘が非常に弱いと思います。どこの章に入れるかというのは難しいかもしれませんが、安全確保が大前提とした以上は、もう少しきちんとしたものを書くべきだろうと思います。私、今までいろいろな委員会、特にエネルギー庁の委員会に出てきましたけれども、例えばここで今こういう政策を議論しているときに、環境とか安全とかというのは、ほかの委員会とか部会でやっていますから、そちらをごらんくださいといって取り上げてくれない。自由化のときにも、この種の電源が増えていくというのは、政策のうえで大問題だからここで議論しようといっても、それはほかの部会だと言う。そのようなことで、1つの報告書の中に全体的整合性がとれない場合が多い。ですから、もし保安院を含めてほかの部会等での報告書があるなら、ここにこういうことが述べられているというように記載することが大事だと思います。
 それからもう1点は、12ページに核燃料サイクル関係がありますが、この間も申し上げましたけれども、この発電所の下にプラントを製造する部門、それから建設する部門、そのほかにこのサイクル全体に輸送というのがものすごく大きな作業としてあるんですね。この全体産業の安全性を確保しなければならないということを申し上げました。これは全然指摘されていないという点を含めて、安全への言及をもう少し増やすべきと思います。
田中部会長
 ありがとうございました。ご検討させていただきたいと思います。
 次は、木場委員、お願いします。
木場委員
 先週、中低レベル放射性廃棄物の処分場をめぐる韓国の住民投票で、89.5%の賛成率で慶州市が勝ち取った件の取材に行ってまいりました。国と慶州市と原子力産業の広報担当、市長などに取材しましたので、広報の面で参考になりそうな点をご紹介してお話を進めようと思ったのですが、ちょっとお時間がないので、次回の部会に時間があればぜひご紹介させていただきたいといたします。
 1点だけ、もし盛り込んでいただければというところでいうと、19ページの11番の広聴・広報なんですが、3番の「きめ細かい広聴・広報の実施」のところで、前回の部会でも文書でお出ししたのですが、全体としての構成には大変賛成でございますが、下から3つ目の○の「誤った報道へのタイムリーかつ適切な対応」のところで、以前に申し上げましたけれども、誤っていなくても、例えば肯定的な原子力への意見を意図的に流さず、不安だけを助長するような報道というのもありますので、そのあたりを盛り込んで、この骨子案を「誤った報道や不公正な報道へのタイムリーかつ適切な対応」にしていただかないかなと思いました。これは内閣府の戸谷さんなどもお感じかと思いますが、例えば3月の世論調査も、6割近い方が原子力を容認しているという情報は流さずに、7割近い人が不安と、こちらしか流さない報道機関もあったわけで、テレビなどの影響は大きいですから、このあたりもチェック体制があったほうがいいように思います。
 1つだけ韓国の例を挙げますけれども、水力原子力株式会社というところの本社で聞きましたら、社員が夜10時まで交替制でニュースのモニタリングをしていて、それで不公正な報道があったかどうかをチェックして、あまりひどいときは戦略会議を開くということを聞きました。それに関して何かまずい報道がなされそうなときだけですかと確認したのですが、何もなくても毎日残ってチェックしている、というお答えでした。こういった平時の対応も重要だという印象を受けました。
 あと残りのことは文書で提出いたします。二、三あります。失礼いたしました。
田中部会長
 ありがとうございました。
 次に、佐々木委員、お願いします。
佐々木委員
 二、三申し上げたいと思います。
 まず、こういう我々の部会の報告というのは、どういうものであるべきかということについて申し上げたいのですが。私は、こういう最終的な部会のまとめというのは、やはり部会で精力的にやったこと、これを素直にというか、きちんと整理してまとめていくということだと思うのですね。そういう点からいうと、私は、1つは、あまりここの部会でやらなかったことが急にここで出てきたのではないかと思うところが若干あるのです。それからもう1つは、部会でやってきたことがもう少し書き込まれていいのじゃないかなというところが少々あると思う。
 まず前者ですが、まず最初に表紙を見て思ったのは、児嶋委員さんが帰っちゃったから言いやすいのですが、「原子力立国計画」という、この言葉は初めてですよね。部会では全然この言葉は今まで議論されていないと私は思います。それが急に出てきた。それでよいのか。
 それからもう1つは、もうちょっと中身に入りますが、例のスケジュールの話です。13ページあたりの「サイクルの早期の実用化」、この辺のところも我々がここでいろいろやったところの年数というか、時期とは、先ほどの課長さんのご説明にもありましたが、5年程度、幾つかの点については前倒しになっている。これについては、私は、ここでいろいろ議論してきたかと思うのですよ。そういう点からいくと、むしろ、私の考えは、ここで議論のベースとして一応前提としてきたところを、そのまま、まとめとしては出したほうがいいのではないか、そのほうが気持ちがいいというか。それが外部に出たあとで、それをお読みになって、我々原子力部会を超えるより上位の機関とか政府が、いや、これはもうちょっとこの辺、前倒ししたほうがいいと考えて修正なさることは自由だというふうに思います。部会としては、今までやってきたものを、ここでの議論の土台として事務局資料にあった年度のままで部会報告として、まとめる方がいいと思います。それが1つ。
 それからもう1つは、同じ13ページのところですが、一番下にある「国際協力」、これについては、ここのまとめ方が私は弱いのではないかと思います。ここで議論がありましたが、非常に重要だと思ったことが2つあって、1つは、「我が国がリードして、(その次の言葉は「世界標準化」という言葉を使っていたと思うのですが、この13ページは「国際標準化」となっていますが)、ともかくそういうようなものを目指すコアの技術」ですね、そういうものと、それから「世界から取り残されないように国際機関へ参加したり協力していく、そういう技術の部分」と2つに分けて議論してきたと思うのですが、そのことがここの13ページの3のところであまり書かれていない。やはりここが非常に重要だと私は思いますので、ぜひまとめるときには書いてもらいたいということが1つ。
 それから、最後に非常に簡単なことを申しますが、ある意味で形式的なことなのですが、1ページの目次に当たる部分と、そこから後ろの22ページに及ぶ部分の整合性が必ずしもとれていない。つまり中身としてはとれているのですけれども、例えば、目次では「第3部」となっているが、第3部を見ると全然違う。第3部という言葉もありませんし、5ページのところ、「基本目標と課題」というようなことが書いてある。目次の第3部の第1章の第1節が後ろにきているのですね、7ページ、4というような形で書かれている。そういうふうに見てくると、全体の体系という点からいった場合に、一番最後の「放射性廃棄物」のところが12になっていますが、この目次では第8章となっているように。我々がこういうものをつくるときに2つの方法があって、普通は目次を先につくってから、それに整合性が合うように後ろの内容をつくっていくというやり方と、反対に、中身を先につくってしまってから、それにあわせた形で後から目次をつくるというやり方と2つあると思うのですが。どうしてここの「目次」と後ろの内容とがこういうふうになってしまっているのか不思議です。次回これを文章化する場合には、ぜひ統一というか、整合性をとるようにしていただきたい。
 以上です。
田中部会長
 ありがとうございました。次回には報告書案というか、文書のほうで出すときにはそれが対応すべき点になると思いますし、また国際協力のまとめのところが弱いんじゃないかというご指摘を検討させていただきたいと思います。前段部分の名称、あるいは前倒しのところはどうですか。
柳瀬原子力政策課長
 原子力立国計画という名前とか、あるいはFBRの実証炉が2025になっているというのは今までの議論でなかったり、違っている部分でございます。この原子力立国計画というのはどこから出てきたと申しますと、これは全く実務的で、この原子力部会だけに入っている方には申しわけないんですけれども、こういう原子力部会、新エネルギー部会、石油部会というのがあって、それをまとめて総合部会を開いて、そこで決まっていくというのが普通なんでございますけれども、今回、委員、部会長などのスケジューリングとかで、総合エネルギー調査会の総合部会がこの原子力部会より先に開いてしまったということがありまして、それは総合エネルギー調査会全体としては総合部会が各部会のパーツについて一番大きいところは決める、もちろん各部会の意見を踏まえてということでございますけれども、その中でそれぞれのパーツにネーミングをしていって、そこの総合部会で割り振られた名前が原子力立国計画という名前でございまして、実は私も天から降ってきたような状態なんですけれども。そういうことでございます。総合エネルギー調査会全体として、そういうことでございますので、これはもし特段のご議論があればまた議論していただきたいと思いますけれども、そういう位置づけであります。
 それから、2025年というのは、確かにおっしゃるとおり、一応2030年ということで事務局案を出させていただいて、あのときも遅いんじゃないかという議論を何人かの委員にいただいて、それはサブシナリオとして前倒しケースというものをお出しをして、もっと前倒しを検討すべきだという、こういう分かれで、25かどうかというのは別にして、そういう意見もいただいていまして、2030でよくて2025じゃだめだという決め手にも欠くものですから、今回政治のほうでもご意見いただいて、それじゃあそれにあわせましょうかということで、総合部会の新国家エネルギー戦略のほうでこれの骨格を出すときに調整することになっていますので、これもそういう形で、特段、絶対無理だとか、2030じゃなきゃ逆に絶対できるとかという決め手も欠くものですから、そういうふうにさせていただいています。
 それから、これは実は、先ほど、細かいところは何でずれているかというのは、確かにこれだけ見ていただくそうなんですが、実はこれは200ページぐらいの本体文書を先につくっていまして、先にまず骨子だけお出しをしようと思って、実はこの1ページ目の目次は本体のほうの目次を先に見ていただこうということで、実はきょう間に合えば一緒に本体の200ページの原案もお出しをしようと思ったんですけれども、ちょっと間に合わなかったものですから、こっちの骨子のほうだけを先に出させていただいたので、そういうことでちょっとずれがあって、これだけぽっと見ると違和感が確かにおありかと思います。最後に部会長のほうから総括していただきますが、骨子のほうで大きいところを議論していただいて、その意見を踏まえて、実際の200ページぐらいの文書のほうを直したほうが手戻りが少ないかなと思いましたので、この資料で言えば、2ページ以降の骨格のところのご議論を踏まえて、細かい報告書本体も変えさせていただいて、文書で事前に各委員にお届けをしてコメントをいただくというプロセスをとろうかと思ってございます。
田中部会長
 よろしいでしょうか。
 あと4名の方、挙がってございますので、まず神田先生、お願いします。
神田委員
 骨子を見させていただいて、たくさんのことがよくまとめてあると思って関心しました。その中でちょっと気になったというか、抜けているんじゃないかなと思ったのは、国際展開の仕事をやっているときに、原子力損害賠償保険、原賠保といいますが、あれがかなり議論されて、我が国はIAEAのウィーン条約とOECDのパリ条約に入っていない。それにもかかわらず、輸出するときは先方には原子力損害賠償保険に入っていることの条件を出すと、日本はそういうのはどっちにも入っていないのに、どうしてもおれたちにそういうことを言うのか。我が国には非常にすばらしい原賠保があって、そのあたりは少し検討する、この場でやってくれとは言いませんが、何とかやっていただいたら。例えばアメリカと日本とインドネシアというのは2つの条約に入っていなくて、地勢学的な理由で、周りに国がありませんから、共同で補償するという、そういう体制がないとか、いろいろな点があるので、そのあたりをどっかで検討していただけるとありがたいというふうに思います。
 もう1つは、個人的な意見みたいな気がして恐縮なんですが、私は武蔵工業大学という大学で教授を今しておりまして、そこで先日、原子力安全工学科という新しい学科をつくるということを決めまして、あと2年間したらスタートするんですが、そのために優秀な学生をどうやって集めるか。原子力の世界というのは単身赴任を非常に嫌うということがいろいろな調査でわかりまして、例えば電力会社のような場合に、単身赴任で来て、二、三年で帰るような人の話を聞けるかという意見がたくさんあるんですね。ですから、東京で学んで故郷に帰ろうという、そういう現地から繰り上げてもとに戻すという、そういう人材をつくろうという大学をつくることが決まったばっかりなんです。それに対してもう少し、文科省のほうは大分協力してくれるというけれども、経済産業省のほうも、電力業界のほうも、電気工業界のほうも、あわせてそういう計画について一緒に考えていただけるとありがたいというふうに思います。
 2つでございます。以上でございます。
田中部会長
 ありがとうございました。
 中島委員、お願いします。
中島委員
 簡単に申し上げたいと思います。
 5番の既設原子炉発電所の活用の問題でありますけれども、私ども原子力の職場に入りますと、科学的合理的安全規制の確立についての意見が非常に多いわけでございまして、現行の安全規制のもとでは大幅な労働時間の増加ですとか、検査の重複等々によりまして大変非効率、あるいは非合理的となっているのではないかということで、この辺が大きな課題だということが出てまいります。このような状況を改善して、職場のやる気、やりがいにつなげていかなければ政策目標の取り組み、意欲等々の低下を招くことになるのではないかということを懸念しているところでございます。したがいまして、ぜひ発電所のさらなる設備安全性の向上、あるいは働く者の被爆の低減にもつながる科学的合理的安全性の確立については、ぜひ政策目標の実現達成に不可欠だというふうに思いますので、強い意思表示をお願いしたいと思いますし、最終的な取りまとめの段階では、ぜひ被爆低減の観点からの要請などについても表記していただければありがたいというふうに考えているところでございます。
 以上です。
田中部会長
 ありがとうございました。同じような意見はこれまでも何人かの方からいただいていますので、保安院との関係がございますけれども、ここをどういうふうに整理していいのか検討させていただけたらと思います。
 次は、木元委員、お願いします。
木元委員
 さきほどの表題のことに絡めてと、それからもう1つ、杉江委員がおっしゃったように、2ページの基本方針のところに「国民との理解」とか「国民の理解を得て」とか、そういう言葉を入れていただいたほうがベターであると考えます。
 表題ですけれども、「原子力立国計画」、私はなかなかいいと思ったんです。初めて、こういうふうに、この部会で積極的な姿勢を示したんですから、悪くはないと思っておりました。そこで、1つ。ちょうどいい機会だと思うんですが、原子力を日本がどういう姿勢で利用しているかという場合、原子力基本法がありますし、非核三原則もあります。諸外国から、日本は核兵器を持てる能力を持っているとか、持つのではないかとか、いろいろ疑心暗鬼の目がありますので、できれば、ちょっと長くなって恐縮ですけれども、「原子力平和利用立国」としていただきたい。世界に日本の決意を示すのにもいいチャンスだと思いますし、先ほど神津委員もおっしゃったけど、情熱と信念と哲学を盛り込むには表題から入るほうがいいんじゃないかと思いますので、それだけです。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
田中部会長
 ありがとうございました。
 最後になります。長見先生、お願いします。
長見委員
 大物の後で、締めが私で申しわけないんですけれども、私もタイトルの原子力立国計画というのはちょっと違和感がありまして、木元さんのおっしゃったようなタイトルのほうがよくわかりやすいという気がしました。なぜなら、貿易立国のように、日本が原子力で成り立つにはちょっとまだ早いんじゃないかという気がいたしましたので、木元さんのおっしゃるような言いぶりでしたらわかりやすいのではないかなという気がしました。
 それと同じようなことなんですけれども、原子力部会ですから、こういう報告書になるのは当たり前だとは思うんですが、一般の人には受けないものです。普通の人たちの生活の範囲というのはいろいろあるので、エネルギーをやっているんだから重要だというので言われればわかるんですが、生活の中との関連はどうなるのかとか、例えばほかの産業との関係はどう変わるのかというようなのがこのストーリーの中では見え難い。やっぱり原子力分野だけの技術的なとか、将来の計画というふうになってしまいますので、何かもうちょっと社会の中で原子力がどうあるのかというようなことを、ぜひ最終的な報告書の中には少し、意気込みと同時に書き込んでいただきたいと思います。そうしないと、それはそちらの分野の問題でしょうみたいになって、マスコミなどで紹介しにくい。非常に難しくて、全く関係がなさそうに見えてしまうんですね。何かその辺のところをもっと前段で、特に最初のスタートのところで入れ込んでいただきたいと思います。お願いします。
田中部会長
 ありがとうございました。そういうふうなことをぜひ入れたいと思いますので、ここの場にはその辺の分野のご専門の方もございますので、ぜひアドバイス等いただければと思います。よろしくお願いします。
 先ほどの名称の件はいろいろと意見があったんですけれども。
柳瀬原子力政策課長
 総合部会で割り振られているものですから、ここから私もフレキシビリティがないものですから考えさせていただきますけれども、すぱっと決意を出す、シンプルにしたほうがメッセージの強さが出ていいと、こういう意見も、いろいろ議論の中にある「原子力平和利用立国」というのも議論の中で一案としてあったわけでございますけれども、短いほどメッセージは強くなるということで、ちょっとストレートにやらせていただきたいと思います。
田中部会長
 ありがとうございました。時間もオーバーしてかなりいろいろとご議論いただきましたので、きょうあったご意見は報告書案のほうに反映できるものはさせていただきたいと思います。先ほど事務局から話があったとおり、報告書の案につきまして、後日、委員の皆様にお届けいたしますので、ご一読いただいた上で次回の部会でご議論いただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 ほかにないようでしたら、事務局から今後の対応等につきましてお願いいたします。
柳瀬原子力政策課長
 それでは、次回12回は、6月16日、金曜日の午後2時から、この部会の報告書の案、きょうは骨子でございますけれども、報告書本体の案と、あわせて放射性廃棄物小委員会の最終報告書のご報告ということを議題にさせていただきたいと思います。場所はきょうと違いまして、如水会館のスターホールでございます。次回の部会でご議論が大きい方向でまとまるようであれば、部会長とご相談をして、成案にして、パブリットコメントを1カ月程度実施して、8月8日、火曜日に第13回の原子力部会でその結果についてご報告をし、最終的なこの部会の報告書についてご議論をいただきたいと考えてございます。
 以上でございます。
田中部会長
 ありがとうございました。
 それでは、これをもちまして、第11回原子力部会を閉会いたします。本日は、私の不手際で時間をかなりとりましたことをおわび申し上げます。どうもありがとうございました。
── 了 ──
 
 
最終更新日:2006年6月20日
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