経済産業省
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総合資源エネルギー調査会電気事業分科会原子力部会(第14回) 議事要旨

日時:平成19年2月26日(月)14:00~16:20

場所:霞ヶ関東京會舘ゴールドスタールーム

出席者

委員

田中部会長、秋庭委員、秋元委員、植草委員、内山委員、岡﨑委員、長見委員、神田委員、木場委員、木元委員、神津委員、河野委員、児嶋委員、古谷委員、齊藤委員、佐々木委員、末次委員、末永委員、武井委員、築舘委員、内藤委員、中島委員、森本委員、山名委員、和気委員

事務局

望月資源エネルギー庁長官、舟木資源エネルギー庁電力・ガス事業部長、木村総合政策課長、宮川電力・ガス事業部政策課長、野口大臣官房参事官(原子力立地担当)、片山電力市場整備課長、後藤電力基盤整備課長、柳瀬原子力政策課長、中西原子力立地・核燃料サイクル産業課長、吉野放射性廃棄物等対策室長、鈴木原子力発電立地対策・広報室長

オブザーバー

内閣府原子力政策担当室黒木参事官、文部科学省研究開発局原子力計画課山野課長、原子力研究開発課中村課長

議事概要

  1. 新任委員等の紹介
  2. 電気事業者からの説明
    • 田中部会長から、議題に入る前に、最近の原子力発電所等におけるデータ改ざん等の問題について電気事業者に説明を求め、築舘委員から説明。

    (築舘委員)

    昨年の秋以降、複数の電力会社で法令違反やデータ改ざんがあったことが明らかとなってきており、立地地域の皆様をはじめ広く社会の皆様にご心配、ご迷惑をおかけし、また電力会社に対する社会的信頼を大きく損なう結果となったことに心より深くお詫び申し上げたい。現在、電力各社で行われている調査の結果については、3月末までに報告・公表する予定である。

    東京電力では、平成14年8月の原子力発電所に関する不正の公表後、「しない風土」と「させない仕組み」の構築を目指し、再発防止策を策定し、職場への定着化を努めてきたところであるが、昨年秋以降、他の電力会社の事例を踏まえ、すべての発電所業務について過去に遡った再点検を実施した結果、水力発電所のダムや水位に関するデータ、或いは原子力発電所、火力発電所の温排水データなどに過去の不正を確認するに至った。引き続き、水力・火力・原子力発電所の過去の不正や不適切事例を洗い出すべく、現在まで徹底的な調査を行ってきているところ。1月31日に途中段階ではあるが、定期検査を偽装して受検したことなど法定検査に関して不正があった事案を報告・公表し、併せて、法定検査には関わらないがヨウ素や希ガスの放射能濃度に関するデータや記録が改ざんされていた原子力の事案4件も報告・公表した。これまで進めてきた再発防止策の有効性なども含めて、現在も調査継続中であり、その取り纏め結果は3月1日、さらには3月末までに報告・公表する予定である。

    当社としては、法令違反・データ改ざんは断じてあるまじきことであり、社会的信頼を根底から崩し、企業としての存立基盤を危うくするものと認識しており、この度、過去のこととはいえ、不正事案が明らかになったことについては、痛恨の極みである。今は過去の膿を出し切ることが当社として取るべき唯一の途である。不正事案が明らかになることは、原子力を支えていただき、理解を賜っている方々からの信頼を裏切ることになり、誠に辛いことであるが、膿を出し切ることが、永い目で見て原子力発電の御理解を深め、また当社への社会的信頼回復につながることになると覚悟を決めているところ。今後とも厳しいご叱正をお願い申し上げたい。

    (委員からの意見)

    • 本問題については、東京電力の徹底した情報公開と法令違反への陳謝を踏まえた上でなるべく短時間で解決し、その上で原子力立国計画について前向きに話を進めていくことに重点を置くべきである。2002年の東電の不正データ問題が招いた事態を繰り返してはならない。原子力安全・保安院は、早急に法律に基づいた厳しい行政指導を行うべきで、東電においては当事者としての自覚を持ち、信用できる対策を検討・実施してもらいたい。原子力発電所の稼働率を上げるという不動の目標を掲げた原子力立国計画の「ブレない政策」を貫くことが重要である。
    • 2002年の不祥事以降、国民は学習してきており、最近の一連のデータ改ざん問題について「東電はよくここまで情報を出した。褒めるべきことではないか。」との意見も出てきている。今回の東電の徹底した情報公開の姿勢を評価したい。今後も正直にすべての情報を出すという姿勢を崩さないでもらいたい。

    (田中部会長)

    電気事業者におかれては、委員からの意見も踏まえ、安全の確保に努めていただきたい。

    (望月長官)

    データ改ざん問題のポイントは、故意がなければ改ざんはしないという点。事故やトラブルであれば、再発させないために万全の努力をするという対応となるが、データ改ざんについては「二度としない」ということ。大臣名で、すべての電気事業者に対して徹底的な調査を指示したが、膿を出し切った後は、「二度と改ざんをしない」ことをきちんと納得してもらうことが国民との関係で大切である。

  3. 「ポスト「原子力立国計画」の行動計画」について
    • 柳瀬原子力政策課長より、資料2-1について説明。
    • 各委員からの意見。

    (総論)

    • 原子力立国計画を昨年8月に策定後、フォローアップをしっかり行い、具体的な取組が進んでおり、流れができてきている。
    • 「原子力立国計画」を確かなものとするためには、原子力施設は安全最優先の取組、透明性のある企業運営の中で地元の理解を得ることが原点である。このため、電気事業者は、昨今のデータ問題への対応、高経年化対策、耐震設計指針、新たな検査制度導入など当面の対応について着実に実施し、安全運転に努め、既設原子炉の最大限の活用を図る所存。
    • 電力自由化の下で新増設・リプレースを円滑に進めていくため、国の環境整備方策として、企業会計上の制度・措置、TRU廃棄物処分の制度化などを着実に整備された。今後も状況変化が考えられるので、柔軟な対応をお願いしたい。
    • FBR、人材育成、広聴・広報活動はいずれも、将来にわたり原子力のブレない位置づけのための重要な課題。電気事業者の立場で協力していきたい。「原子力立国計画」の実現には、関係者がビジョンの共有し、弛まぬ努力を継続していくことが不可欠である。

    (原子力発電メリットの可視化)

    • 二酸化炭素排出原単位の公表は、既設原子炉も対象となっており、新規参入者にとっては厳しいハンディキャップになっていると考えている。公正取引委員会においても言及されていることであるが、公平な制度となるよう配慮をお願いしたい。

    (既設炉の活用)

    • 原子力安全は原子力のもう一つ柱である。「原子力政策大綱」、「原子力立国計画」のように、定期検査や高経年化対策など原子力を保全する指針のようなものが総合的に含まれたものが必要ではないか。保安院を含め関係者に意識していただきたい。

    (柳瀬課長)

    保安院にもご理解をいただくよう伝えたい。

    • 二酸化炭素の排出削減が停滞しているのは、原子力発電の稼働率の低迷が原因であると考えている。安全確保が大前提となるが、稼働力の向上に向けた取組に積極的なご配慮をお願いしたい。

    (核燃料サイクル産業の戦略的強化)

    • 国内企業の海外企業との提携は好ましいことであるが、日本の原子力政策からみると遠心力になる可能性がある。一方で核燃料サイクルについては、国内でサイクルを完結させるための求心力が必要であり、いかに民間企業を組み込みながら国策を進めていく事業構造をつくっていくかが課題となる。

    (資源確保戦略)

    • 世界的なエネルギー需要の拡大と資源ナショナリズムの台頭など、世界のエネルギー需給が構造的に変化している。我が国のエネルギーセキュリティを確保するためには、資源外交の重要性が高まっている。国を挙げての資源国への外交展開を引き続きお願いしたい。
    • カザフスタンへのアクセスは国家レベルで行う必要があるが、中国やロシアがいつどのような影響力を行使してくるか不透明である中で、世界的な原子力時代を迎えて日本は基本的な燃料の安定供給に向けた世界的なシステムを構築しているという揺るがない意識を培養していかなければならない。

    (高速増殖炉開発)

    • 高速増殖炉の開発計画をもう少し前倒しにできないか。ウラン資源は70~80年で供給ピークを迎える。米国や中国・インド、東南アジアで原子力発電所の建設計画が進められている状況下で、ウランが有限な資源であることは確かである。

    (柳瀬課長)

    高速増殖炉の開発計画については関係者間で検討しているところだが、実証炉の実現時期は技術的に2025年が限界である。

    • 高速増殖炉サイクル開発については、五者協議会など関係者間の良い連携スキームが構築されている。引き続き、このスキームが維持されるよう配慮をお願いしたい。

    (次世代軽水炉開発)

    • 国内メーカーが海外メーカーと連携し、市場の海外展開が進んでいることは、技術力の健全な発展につながる点で歓迎すべきこと。
    • 現在フィージビリティスタディが進められている次世代軽水炉開発プロジェクトは国内市場のみならず世界市場に通用する高い技術レベルの原子炉を開発することを基本方針としているので、日本メーカーと海外メーカーとの提携によってプロジェクトが変わるものではない。
    • 産業体制はもう少し一体化すべき。韓国の原子力高官やフランスの有識者が日本企業を部品メーカーとして利用するという考えを持っていた。国内の意識と外国の日本に対する認識が異なっていることを指摘しておきたい。

    (柳瀬課長)

    日本の原子力メーカーが海外メーカーの下請けになり下がることがないように開発能力を持ち続け、技術開発のイニシアティブを持ち続けることが重要である。基盤的分野についてはメーカー3社が協力して取り組んでもらいたい。

    (人材育成)

    • 人材育成の分野で文部科学省と経済産業省が連携した意義は大きい。これを継続していただきたい。

    (原子力発電拡大と核不拡散の両立に向けた国際的枠組み作りへの積極的関与)

    • GNEPへの協力を進めていけば、バックエンドもやがては国際展開を見据えた体制が必要になってくると思うが、日本としてはどういう対応が可能か。

    (柳瀬課長)

    六ヶ所再処理工場では年間約800トンの使用済燃料が処理されるが、日本国内だけで1年間に1,000トン以上の使用済燃料が発生している。六ヶ所再処理工場の次の「第二再処理工場」の議論の際には再処理容量などの技術論だけでなく、核不拡散に関する議論も必要であると認識している。

    (広聴・広報)

    • 「原子力立国計画」を進めていくため、広聴・広報を更に進めて頂きたい。また、広聴・広報活動によって国民にどの程度、情報が浸透したかという検証も必要である。昨年行ったアンケートによれば、消費者が知らない用語のトップ3は「バックエンド積立金」、「クリアランス制度」、「TRU廃棄物」。また、消費者が知りたい用語は「電力の自由化」、「臨界」、「バックエンド積立金」であった。「放射線」、「高レベル放射性廃棄物」、「プルサーマル」についてもっと知りたいとの意見もあった。
    • 関西圏内では、57%の人が原子力発電が二酸化炭素を排出し、温暖化へ拍車をかけるとの誤った認識を持っているなど、基礎的な原子力の理解が徹底されていない。国民への基礎的な情報の周知徹底が重要。ストーリー性を持たせた広報活動を段階的に戦略的に行うことが必要である。
    • 地方自治体の原子力の理解は大きく前進している。高レベル放射性廃棄物やプルサーマルなど限られた分野だけでなく、原子力の幅広い分野で地方自治体との連携の枠組みについても努力をお願いしたい。
    • 地方自治体との定常的な双方向情報流通の枠組み構築が重要。
    • 六ヶ所再処理工場アクティブ試験の進捗に伴い、放出放射能に対する近隣住民の不安がふくらんでいる。許可基準を満たしているので事実上は全く問題がないのだが、反対派の印象論的な主張が根付いてしまうと、事業者だけの問題ではなくなる。国においても積極的な市民とのリスクコミュニケーションが必要な段階。政策の周知は十分に図られていることはわかるが、基本的な事項についての説明も十分に行っていく必要がある。

    (地域振興)

    • 発電所建設計画などの事業の遅れは地元住民に懐疑心を与えることを理解すべき。事業の遅れは、交付金に影響を及ぼし、地元が計画している事業の白紙化や先送りにつながる現実がある。安全が大事であるが、原子力事業者には、責任を持ってタイムテーブルを組み、着実に進めてもらいたい。また、事業計画に遅れが生じた場合には、住民への説明など十分な手当をお願いしたい。
    • 定期検査等で地元の従業員を恒常的に活用するなど、地元の雇用に直接結びつくような取組をお願いしたい。

    (高レベル放射性廃棄物最終処分場の確保)

    • 東洋町に関する記事を拝見すると、県と国の認識にだいぶズレがあるので、国として、日本の県知事や県議会に対して、安全性やエネルギー政策により一層の理解を得る努力をしていだたきたい。
    • 東洋町の応募は国が一歩前に出た成果。頓挫することのないよう、国がしっかり取り組んでいってもらいたい。マスコミの反応も、反対派・推進派の双方の考え方を受け止めた編集がなされるようになってきている。このチャンスを逃すことないよう、地元の理解、世論獲得のための広聴・広報などの活動を進めていってもらいたい。
    • 政治的には、東洋町の賛成派は劣勢であるが、地球温暖化対策を考えれば原子力発電しかなく、最終処分場の確保は不可欠である。国・NUMO・電気事業者の三者間の密接な連絡を図っていただきたい。
    • オクロ天然原子炉は、生成した核分裂生成物のほとんどが散逸せず、当時のままの状態が保持されている。高レベル放射性廃棄物最終処分場の確保に向けた一連の説明において例示に挙げたらどうか。

    (望月長官)

    東洋町の問題は難しい課題であるが、ルールに則って理解を求めることが必要。手続を定めた法律に則って、愚直に説明してまいりたい。また、今国会では、これに関係する法案を提出する予定であり、国民の皆様の前で公に議論していただく良い機会と考えている。

  4. その他
    • 経済産業大臣からの諮問に対する答申について

      田中部会長から、2006年8月の原子力部会報告書「原子力立国計画」及び本日の「ポスト『原子力立国計画』の行動計画」をもって、経済産業大臣からの諮問に対する答申とすることについて委員に諮り、了承された。

    • 今後の原子力部会の進め方について

      事務局から、適切な時機を見て部会を開催したい旨説明。

文責:事務局
 
 
最終更新日:2007年3月15日
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