経済産業省
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総合資源エネルギー調査会電気事業分科会原子力部会(第15回) 議事要旨

日時:平成19年9月18日(月)15:00~18:00

場所:霞ヶ関東京會舘ゴールドスタールーム

出席者

委員

田中部会長、秋庭委員、秋元委員、井川委員、浦谷委員、大橋委員、岡﨑委員、長見委員、河瀬委員、神田委員、木元委員、河野委員、佐々木委員、清水委員、末次委員、末永委員、鈴木委員、高橋委員、武井委員、内藤委員(村上代理)、中川委員、南雲委員、服部委員、松村委員、森嶌委員、森本委員、山地委員、山名委員

事務局

望月資源エネルギー庁長官、平工資源エネルギー庁次長、西山資源エネルギー庁電力・ガス事業部長、後藤電力・ガス事業部政策課長、片山電力市場整備課長、吉野電力基盤整備課長、高橋原子力政策課長、渡邊放射性廃棄物等対策室長、鈴木原子力発電立地対策・広報室長

オブザーバー

内閣府原子力政策担当室黒木参事官(牧野代理)、外務省総合外交政策局軍縮不拡散・科学部国際原子力協力室小溝室長(長沼代理)、文部科学省研究開発局原子力計画課山野課長、原子力研究開発課板倉課長(稲田代理)

議事概要

1.議題1「中越沖地震の柏崎刈羽原子力発電所への影響と政府及び電気事業者の対応について」

清水委員(東京電力)より資料2-1について、事務局より資料2-2、2-3について説明。各委員からの意見は以下のとおり。

  • 風評被害の発生には、報道のされ方、情報伝達の在り方に問題があったという背景がある。風評被害の解消のためには、マスメディアを含めた社会全体の原子力への理解向上、原子力アレルギーの解消が必要。
  • 他方、地震発生後の報道や国、電気事業者等関係者による情報伝達の過程において、技術論と感情論が錯綜したという点も背景として挙げられ、その解消のためには、原子力についての正しい知識を持った専門家と、マスメディア、政治、行政との連携が不可欠。
  • 今後、今回のような風評被害の発生を防ぐための具体的対策としては、(1)電気事業者や国の広聴・広報の強化、特に、電気事業者として事態に即応した情報発信ができるような責任ある体制を構築することや(2)二次的に正確な情報を社会に発信することができる知識人の育成等が必要。また、(3)原子力に関する教育や、(4)放射線の人体に与える影響に関する医学的研究の強化も重要。さらに、(5)情報を伝えるにあたっては、国民が知りたいとおもっている情報は何かを広聴した上でないと伝わらないということを、今回の出来事を契機に再認識すべき。
  • 中越沖地震を受けても原子炉の基本的安全機能がしっかりと作動したという点を含め、原子力平和利用の重要性や安全性についての正しいメッセージを世界に発信していくためにも、(柏崎刈羽原子力発電所の)早期運転再開に向けたしっかりとした目に見える取組を継続していくことが必要。その際、社会全体としての冷静かつ科学的・客観的判断に繋がるような対応が重要であり、それは可能であると考える。
  • 東京電力及び国の事後の対応について、異例の自然災害を受けつつも火災対策、情報連絡体制整備、電力安定供給確保等の着実な取り組みを行ってきたことについては一定の評価ができるが、立地地域を第一に考えた迅速な情報提供があるべきだったとの反省点がある。
  • 今後、柏崎刈羽原子力発電所の炉心内部の点検等の動向を注視するとともに、地元との共生の在り方について良く考える必要がある。
  • 今回の事象は自然災害である地震への対応として世界の教訓となり得るものであり、また、国内において原子力を冷静で客観的かつ科学的に受け止められる雰囲気を確かなものとするためにも、原子力部会としての考え方をメッセージとして発信すべきだ。
  • もちろんこのような対応において地元の理解を得ることの重要性はいうまでもない。

2.議題2、議題3「原子力を巡る世界情勢と我が国における原子力立国計画の進捗状況について」及び「平成20年度予算概算要求について」

事務局より、資料3、資料4について説明。各委員からの意見は以下のとおり。

  • 原子力を巡る情勢は、原子力立国計画策定時に比べて格段にグローバル化した。企業の国際展開が進展するとともに、立国計画が海外の原子力政策運営にも影響を与えているのではないか。また、石油業界等他の業界と原子力業界との連携も進みつつある。
  • 原子力回帰の流れについて米国のGNEPに力点が置かれすぎている。原子力回帰の流れは、原子力の必要性・優位性等を踏まえた世界にとって普遍的なものと認識すべき。
  • ウラン資源確保に向け、今後とも国を挙げた取り組みに期待。
  • 人材育成について、現場や大学における人材育成の強化がなされることは評価するが、それに加えて、小・中・高校におけるエネルギー教育への体系的な取り組みも必要。
  • 次世代軽水炉開発については、メーカーがそれぞれ国際提携を進めていく中で、炉としての日本型を追求するのではなく、日本が知的所有権を有する要素技術の開発に注力していくべき。
  • 核燃料サイクルの推進について、(1)濃縮、転換、再転換等サイクル全般を総合的に評価した国としての戦略を持った上で国内産業体制の在り方を考えるべき。特に、濃縮能力への注目が不可欠。(2)第二再処理工場の検討の準備にあたっては、次世代再処理技術の在り方という広い視点からの検討が必要。(3)ウラン価格、濃縮価格の高騰等を受け、世界的に回収ウランの利用に関心が集まっている。
  • 高速増殖炉の早期実用化に向けて、五者協議会での議論、中核メーカーの選定、必要な予算の確保等着実な進展が見られる。
  • 広聴・広報等の取り組みを通じて、発電所や製造工場等の現場で原子力に携わる人々の国益に貢献しているというプライドが回復するよう努めるべき。
  • 安全規制について、書面手続き等に忙殺されるだけでなく、現場の保守人材、メーカー等の方々に元気がでるような在り方を考えて欲しい。原子力技術開発も安全確保を大前提に進めていくものなので、規制当局と推進当局の連携は不可欠。
  • 電気事業者から、安全確保を大前提にまずは信頼回復に努め、その上で、プルサーマルの推進や六ヶ所操業開始など原子力立国計画の進展に貢献していくとの決意と、メーカーから、次世代軽水炉開発等先端技術をもって世界に打って出でていくことで、世界の原子力平和利用拡大に貢献してきたいとの決意が示された。

3.議題4「放射性廃棄物小委員会中間とりまとめ(案)及び今後の審議事項について」

事務局より、資料5-1、資料5-2について説明。各委員からの意見は以下のとおり。

  • 国が前面に立って取り組む、申し入れの追加には賛成。とりまとめ案にある強化策について、危機感をもって、国、NUMOだけでなく電気事業者とも連携して、実効性のある運用に努めてもらいたい。このとき全体をマネージメントする仕組みが大切、国に期待するところが大きい。
  • 公募による方法においても、申入れによる方法においても、地域の理解が重要である。また、国民全般へも本事業を自分の問題として捉えてもらえるように広報を拡充すべきである。
  • 地域振興構想については、雇用の発生や若年者の定着など、都道府県全域も含めた実効性のあるものを提示すべきである。
  • 最終処分事業に対する理解を促進するためには、(1)公正性、(2)事業の価値、(3)事業に対する知識(能力)の要素が認知されることが重要である。

4.その他

  • 以上の議論を踏まえ、部会長により当部会の意見を総括し、別添資料の通りとりまとめた。
  • 最後に事務局から、次回の原子力部会は適切な時機をみて開催したい旨説明があった。

文責:事務局

(別添)
原子力部会における委員からの意見総括

原子力部会長 田中知

総合資源エネルギー調査会電気事業分科会原子力部会(第15回)における参加委員からの意見は、概ね以下の通り総括される。

<中越沖地震の柏崎刈羽原子力発電所への影響と政府及び電気事業者の対応について>

  • 風評被害の発生には、報道のされ方、情報伝達の在り方に問題があったという背景がある。風評被害の解消のためには、マスメディアを含めた社会全体の原子力への理解向上、原子力アレルギーの解消が必要。
  • 他方、地震発生後の報道や国、電気事業者等関係者による情報伝達の過程において、技術論と感情論が錯綜したという点も背景として挙げられ、その解消のためには、原子力についての正確な知識を持った専門家と、マスメディア、政治、行政との連携が不可欠。
  • 今後、今回のような風評被害の発生を防ぐための具体的対策としては、(1)電気事業者や国の広聴・広報の強化、特に、電気事業者として事態に即応した情報発信ができるような責任ある体制を構築することや(2)二次的に正確な情報を社会に発信することができる知識人の育成等が必要。また、(3)原子力に関する教育や、(4)放射線の人体に与える影響に関する医学的研究の強化も重要。さらに、(5)情報を伝えるにあたっては、国民が知りたいとおもっている情報は何かを広聴した上でないと伝わらないということを、今回の出来事を契機に再認識すべき。
  • 中越沖地震を受けても原子炉の基本的安全機能がしっかりと作動したという点を含め、原子力平和利用の重要性や安全性についての正しいメッセージを世界に発信していくためにも、(柏崎刈羽原子力発電所の)早期運転再開に向けたしっかりとした目に見える取組を継続していくことが必要。その際、社会全体としての冷静かつ科学的・客観的判断に繋がるような対応が重要であり、それは可能であると考える。
  • 東京電力及び国の事後の対応について、異例の自然災害を受けつつも火災対策、情報連絡体制整備、電力安定供給確保等の着実な取り組みを行ってきたことについては一定の評価ができるが、立地地域を第一に考えた迅速な情報提供があるべきだったとの反省点がある。
  • 今後、柏崎刈羽原子力発電所の炉心内部の点検等の動向を注視するとともに、地元との共生の在り方について良く考える必要がある。
  • 今回の事象は自然災害である地震への対応として世界の教訓となり得るものであり、また、国内において原子力を冷静で客観的かつ科学的に受け止められる雰囲気を確かなものとするためにも、原子力部会としての考え方をメッセージとして発信すべきだ。
  • もちろんこのような対応において地元の理解を得ることの重要性はいうまでもない。

<原子力を巡る世界情勢と我が国における原子力立国計画の進捗状況について>

  • 原子力を巡る情勢は、原子力立国計画策定時に比べて格段にグローバル化した。企業の国際展開が進展するとともに、立国計画が海外の原子力政策運営にも影響を与えているのではないか。また、石油業界等他の業界と原子力業界との連携も進みつつある。
  • 原子力回帰の流れについて米国のGNEPに力点が置かれすぎている。原子力回帰の流れは、原子力の必要性・優位性等を踏まえた世界にとって普遍的なものと認識すべき。
  • ウラン資源確保に向け、今後とも国を挙げた取り組みに期待。
  • 人材育成について、現場や大学における人材育成の強化がなされることは評価するが、それに加えて、小・中・高校におけるエネルギー教育への体系的な取り組みも必要。
  • 次世代軽水炉開発については、メーカーがそれぞれ国際提携を進めていく中で、炉としての日本型を追求するのではなく、日本が知的所有権を有する要素技術の開発に注力していくべき。
  • 核燃料サイクルの推進について、(1)濃縮、転換、再転換等サイクル全般を総合的に評価した国としての戦略を持った上で国内産業体制の在り方を考えるべき。特に、濃縮能力への注目が不可欠。(2)第二再処理工場の検討の準備にあたっては、次世代再処理技術の在り方という広い視点からの検討が必要。(3)ウラン価格、濃縮価格の高騰等を受け、世界的に回収ウランの利用に関心が集まっている。
  • 高速増殖炉の早期実用化に向けて、五者協議会での議論、中核メーカーの選定、必要な予算の確保等着実な進展が見られる。
  • 広聴・広報等の取り組みを通じて、発電所や製造工場等の現場で原子力に携わる人々の国益に貢献しているというプライドが回復するよう努めるべき。
  • 安全規制について、書面手続き等に忙殺されるだけでなく、現場の保守人材、メーカー等の方々に元気がでるような在り方を考えて欲しい。原子力技術開発も安全確保を大前提に進めていくものなので、規制当局と推進当局の連携は不可欠。
  • 電気事業者から、安全確保を大前提にまずは信頼回復に努め、その上で、プルサーマルの推進や六ヶ所操業開始など原子力立国計画の進展に貢献していくとの決意と、メーカーから、次世代軽水炉開発等の先端技術をもって世界に打って出でていくことで、世界の原子力平和利用拡大に貢献していきたいとの決意が示された。

<放射性廃棄物小委員会中間とりまとめ(案)について>

  • 国が前面に立って取り組む、申し入れの追加には賛成。とりまとめ案にある強化策について、危機感をもって、国、NUMOだけでなく電気事業者とも連携して、実効性のある運用に努めてもらいたい。このとき全体をマネージメントする仕組みが大切、国に期待するところが大きい。
  • 公募による方法においても、申入れによる方法においても、地域の理解が重要である。また、国民全般へも本事業を自分の問題として捉えてもらえるように広報を拡充すべきである。
  • 地域振興構想については、雇用の発生や若年者の定着など、都道府県全域も含めた実効性のあるものを提示すべきである。
  • 最終処分事業に対する理解を促進するためには、(1)公正性、(2)事業の価値、(3)事業に対する知識(能力)の要素が認知されることが重要である。
 
 
最終更新日:2007年10月9日
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