経済産業省
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総合資源エネルギー調査会電気事業分科会原子力部会(第16回) 議事要旨

日時:平成20年2月6日(水)14:00~16:30

場所:霞ヶ関東京會舘ゴールドスタールーム

出席者

委員

田中部会長、秋庭委員、秋元委員、内山委員、岡﨑委員、長見委員、神田委員、木場委員、木元委員、河野委員、佐々木委員、清水委員、末次委員、末永委員、鈴木委員、武井委員、内藤委員、南雲委員、服部委員、松村委員、森本委員、山地委員、山名委員、和気委員

事務局

望月資源エネルギー庁長官、西山資源エネルギー庁電力・ガス事業部長、安藤総合政策課長、後藤電力・ガス事業部政策課長、高橋原子力政策課長、中西原子力立地・核燃料サイクル産業課長、渡邊放射性廃棄物等対策室長

オブザーバー

内閣府原子力政策担当室黒木参事官、外務省総合外交政策局軍縮不拡散・科学部国際原子力協力室小溝室長(長沼代理)

議事概要

1.議題1「放射性廃棄物小委員会中間とりまとめについて」、議題2「『特定放射性廃棄物の最終処分に関する基本方針』及び『特定放射性廃棄物の最終処分に関する計画』の改定について」及び議題3「TRU廃棄物の最終処分費用、拠出金単価について」

事務局より、資料2、資料3-1、資料3-2、資料3-3、資料4-1及び資料4-2にについて説明。各委員からの主な意見は以下のとおり。

  • 原子力の推進に伴って発生する高レベル放射性廃棄物等の処分は、必ず解決しなければならない重要な課題である。国民の関心も高まりつつあり、解決への期待も大きい。TRU廃棄物を含む処分の全容を整理して、国民各層との相互理解を深めるとともに、地域住民の目線に立ったきめ細かく、分かりやすい広聴・広報活動が不可欠である。
  • 今後の取組として放射性廃棄物小委員会中間とりまとめ、基本方針、最終処分計画に示された内容について、NUMOや電気事業者など関係者が連携して、国が前面に立ってしっかりと進めていくことが重要である。その際には、地元の実情に応じた工夫をする必要がある。
  • 次世代、子供に対するエネルギー教育にしっかりと取り組むべきである。

2.議題4「『原子力立国計画』の進捗と最近の動きについて」及び議題5「原子力政策を取り巻く現状と今後の方向性について」

事務局より、資料5及び資料6について説明。各委員からの主な意見は以下のとおり。

  • 官民一体となって、中長期的にブレない原子力政策の推進に努めることが必要である。例えば、カザフスタンへの資源外交に代表されるように、官民一体となった燃料供給の安定確保に努めていくことが重要である。
  • 我が国原子力産業が蓄積する平和利用の経験と技術力を、アジア、中東を含めた世界に展開していくことが求められているし、また、その好機である。そのためにも、国際的な核燃料供給保証構想について、我が国が供給国としての立場から世界をリードするべく、実体的な貢献策を検討するとともに、国内での核燃料サイクルの確立を追求していくことが重要である。
  • 地震という自然災害と原子力発電の安全性との関係について、過剰に反応する考え方が広がる流動化現象が起きているとも言える。安全性については、これまで以上に確認し、社会的な確信を強める必要がある。科学的に合理的な社会認識や判断を確保するため、耐震性など原子力安全規制のあり方についても、今までと同じ体制や方法論で臨むのではなく、新たな検討が必要である。
  • 柏崎刈羽原子力発電所の早期再開に繋げるためにも、地震と原子力発電の安全性との関係について、地元との対話・相互理解を深め、電力消費地での広聴・広報にも力を入れるべきである。
  • 中越沖地震での柏崎刈羽原子力発電所の経験を活かして、官民一体となって、国際的な耐震安全性向上への貢献努力を継続・拡大していくことも不可欠である。
  • 地球温暖化問題が一層深刻化する中、大量のエネルギーを安定的に供給し、発電過程において二酸化炭素を排出しない原子力発電は、経済成長と地球温暖化問題の解決とを両立させるエネルギーとして、極めて重要な役割を担っている。地球温暖化対策として省エネ・新エネへの社会的関心が一層高まる中、原子力発電と地球温暖化対策との関係について、ゆがみのない客観的な評価が行われる必要がある。国民や地方自治体との相互理解を深めるため、具体的で目に見える取組が不可欠である。特に、原子力の価値と不安に対する国民の疑問に対し、わかりやすく答えていくことが重要である。
  • 我が国が、世界全体の温室効果ガス排出量を2050年までに半減との長期目標を提案する中で、温室効果ガス削減に有効な技術を総動員していくという観点から、我が国が国際的なリーダーシップを発揮し、核不拡散、原子力安全及び核セキュリティを確保した形での原子力平和利用拡大の重要性について、時間をかけてしっかりと国際的にアピールしていく必要がある。世界銀行の活用を含めて、原子力平和利用拡大のための基盤整備に向け、官民一体となって世界に貢献していくことが必要である。
  • 原子力エネルギーは、地球温暖化問題の解決のために、最も重要な役割を果たすことから、環境エネルギー技術革新計画の中に原子力を明確に位置付けるべき。
  • 先進国が将来的にエネルギー需要を抑える流れの中で、大規模電源である原子力の位置付けについてエネルギー需要全体の中でしっかりと議論し、不可欠な基幹電源としての原子力の位置づけを確固たるものとなるよう、国として対応することが必要である。
  • 本年は、G8北海道洞爺湖サミットや竣工を控えた六ヶ所再処理工場が立地する青森県においてG8エネルギー大臣会合等が予定され、議長国として、原子力平和利用拡大に向けた国際的リーダーシップを発揮する好機である。特に、地球温暖化対策を進めるためには、原子力が不可欠であることを世界に訴えていくべきである。
  • 国際的なリーダーシップを発揮するためにも、そして、今後のボトムアップ型での日本の総量排出枠を定めるプロセスを進めていく上でも、科学的・合理的に安全を確保した上で、原子力発電所の早期の操業再開等を実現し、設備利用率向上に繋げていくことが不可欠である。原子力発電所の安定的稼働を実現するべく、政府、地方公共団体、電気事業者を含む国内関係者の努力と理解が求められる。
  • 六ヶ所再処理工場の本格操業開始、プルサーマル計画の進展、最終処分事業の進展、もんじゅの再開等の国内における核燃料サイクルが着実に進展していくことが不可欠である。
  • 将来的に原子力発電の持続的発展を確保する高速増殖炉サイクルの我が国における実用化と高速炉の国際展開に向け、同様の国家戦略を有する米国、フランスとの戦略的研究開発協力を進めていくことは有益である。
  • 我が国原子力産業が有する強みを最大限、そして、将来にわたって活かすための戦略的産業政策を展開することが重要である。かかる観点から、適切な人材育成を進めていくべきである。
  • 我が国原子力産業に対しては、これまでの国内における着実な原子力発電所建設の実績が着目され、ロシアなどを含めた世界的な期待が集まっている。こうした期待に我が国としてどのように応えていくかについて、国全体としての体制を整えるための検討が必要である。
  • 我が国原子力産業の強みの源泉である機器、部材製造の国内基盤を維持発展させつつ、その強みが我が国全体として最大限活かされた形での国際展開に繋がるような連携関係に発展するよう、我が国全体として戦略性と柔軟性を共有すべきである。
  • 我が国全体としてのエネルギーセキュリティーを確保するという観点から、化石燃料の確保だけを追求する資源外交を進めるのではなく、例えば仏国のように、エネルギー外交として、我が国の原子力産業への国際的な期待やその技術力を自国のエネルギーセキュリティー向上に最大限活かしていく、という発想が必要である。

3.その他

  • 本日議論した内容について、国民との相互理解に繋がるよう、分かりやすい形でしっかりとしたメッセージを発出すべきである、との意見があった。
  • 以上の議論を踏まえ、部会長により当部会の意見を総括し、とりまとめた資料を公表することとなった。(別添資料)
  • 最後に事務局から、次回の原子力部会は適切な時機をみて開催したい旨説明があった。

文責:事務局

(別添)
第16回原子力部会部会長総括(主たるメッセージ)

総合資源エネルギー調査会電気事業分科会
原子力部会長 田中知

総合資源エネルギー調査会電気事業分科会第16回原子力部会(平成20年2月6日)における主要な議論として、以下の点について概ね意見の一致をみた。

  • 地球温暖化問題が一層深刻化する中、大量のエネルギーを安定的に供給し、発電過程において二酸化炭素を排出しない原子力発電は、経済成長と地球温暖化問題の解決とを両立させるエネルギーとして、他の省エネ・新エネといった取り組みとの関係においても、客観的に、かつ、高く評価されるべきである。
  • 本年は、我が国がG8北海道洞爺湖サミットや竣工を控えた六ヶ所再処理工場が立地する青森県で開催されるG8エネルギー大臣会合等の議長国となる。国際的なリーダーシップを発揮し、原子力平和利用拡大の重要性を世界にアピールしていく好機である。原子力発電の重要性や安全性について、政府は国民の相互理解を深め、官民一体となって世界にアピールしていくとともに、原子力安全や核不拡散等の原子力平和利用の基盤整備に貢献していく必要がある。
  • こうした国際的取組を推進するとともに、我が国の電力安定供給を引き続き確保するためにも、科学的・合理的に安全を確保した上で、原子力発電所の早期運転再開等により、我が国の原子力発電所の設備利用率向上を実現することが不可欠である。
  • プルサーマルを始めとする核燃料サイクルの進展は原子力の推進に不可欠である。
  • 原子力の推進に伴って発生する放射性廃棄物の処分は、必ず解決しなくてはならない課題である。国民との相互理解を深め、関係者と連携して、国が前面に立ってしっかり進めていくべきである。

その他、本部会における主要な議論は別紙の通り総括される。

(別紙)
原子力部会における主要な議論

<地球温暖化問題と原子力について>

  • 地球温暖化問題が一層深刻化する中、大量のエネルギーを安定的に供給し、発電過程において二酸化炭素を排出しない原子力発電は、経済成長と地球温暖化問題の解決とを両立させるエネルギーとして、極めて重要な役割を担っている。地球温暖化対策として省エネ・新エネへの社会的関心が一層高まる中、原子力発電と地球温暖化対策との関係について、ゆがみのない客観的な評価が行われる必要がある。国民や地方自治体との相互理解を深めるため、具体的で目に見える取組が不可欠である。特に、原子力の価値と不安に対する国民の疑問に対し、わかりやすく答えていくことが重要である。
  • 我が国が、世界全体の温室効果ガス排出量を2050年までに半減との長期目標を提案する中で、温室効果ガス削減に有効な技術を総動員していくという観点から、我が国が国際的なリーダーシップを発揮し、核不拡散、原子力安全及び核セキュリティを確保した形での原子力平和利用拡大の重要性について、時間をかけてしっかりと国際的にアピールしていく必要がある。世界銀行の活用を含めて、原子力平和利用拡大のための基盤整備に向け、官民一体となって世界に貢献していくことが必要である。
  • 原子力エネルギーは、地球温暖化問題の解決のために、最も重要な役割を果たすことから、環境エネルギー技術革新計画の中に原子力を明確に位置付けるべき。
  • 先進国が将来的にエネルギー需要を抑える流れの中で、大規模電源である原子力の位置付けについてエネルギー需要全体の中でしっかりと議論し、不可欠な基幹電源としての原子力の位置づけを確固たるものとなるよう、国として対応することが必要である。

<G8サミットを控えた本年、我が国に期待されるリーダーシップについて>

  • 本年は、G8北海道洞爺湖サミットや竣工を控えた六ヶ所再処理工場が立地する青森県においてG8エネルギー大臣会合等が予定され、議長国として、原子力平和利用拡大に向けた国際的リーダーシップを発揮する好機である。特に、地球温暖化対策を進めるためには、原子力が不可欠であることを世界に訴えていくべきである。
  • 国際的なリーダーシップを発揮するためにも、そして、今後のボトムアップ型での日本の総量排出枠を定めるプロセスを進めていく上でも、科学的・合理的に安全を確保した上で、原子力発電所の早期の操業再開等を実現し、設備利用率向上に繋げていくことが不可欠である。原子力発電所の安定的稼働を実現するべく、政府、地方公共団体、電気事業者を含む国内関係者の努力と理解が求められる。
  • 六ヶ所再処理工場の本格操業開始、プルサーマル計画の進展、最終処分事業の進展、もんじゅの再開等の国内における核燃料サイクルが着実に進展していくことが不可欠である。

<長期的にブレない安定的な原子力発電の実現について>

  • 官民一体となって、中長期的にブレない原子力政策の推進に努めることが必要である。例えば、カザフスタンへの資源外交に代表されるように、官民一体となった燃料供給の安定確保に努めていくことが重要である。

<核燃料供給保証構想への貢献について>

  • 我が国原子力産業が蓄積する平和利用の経験と技術力を、アジア、中東を含めた世界に展開していくことが求められているし、また、その好機である。そのためにも、国際的な核燃料供給保証構想について、我が国が供給国としての立場から世界をリードするべく、実体的な貢献策を検討するとともに、国内での核燃料サイクルの確立を追求していくことが重要である。

<柏崎刈羽原子力発電所と地震について>

  • 地震という自然災害と原子力発電の安全性との関係について、過剰に反応する考え方が広がる流動化現象が起きているとも言える。安全性については、これまで以上に確認し、社会的な確信を強める必要がある。科学的に合理的な社会認識や判断を確保するため、耐震性など原子力安全規制のあり方についても、今までと同じ体制や方法論で臨むのではなく、新たな検討が必要である。
  • 柏崎刈羽原子力発電所の早期再開に繋げるためにも、地震と原子力発電の安全性との関係について、地元との対話・相互理解を深め、電力消費地での広聴・広報にも力を入れるべきである。
  • 中越沖地震での柏崎刈羽原子力発電所の経験を活かして、官民一体となって、国際的な耐震安全性向上への貢献努力を継続・拡大していくことも不可欠である。

<高速増殖炉サイクル研究開発の国際協力について>

  • 将来的に原子力発電の持続的発展を確保する高速増殖炉サイクルの我が国における実用化と高速炉の国際展開に向け、同様の国家戦略を有する米国、フランスとの戦略的研究開発協力を進めていくことは有益である。

<原子力産業の強みを活かす戦略的産業政策の展開について>

  • 我が国原子力産業が有する強みを最大限、そして、将来にわたって活かすための戦略的産業政策を展開することが重要である。かかる観点から、適切な人材育成を進めていくべきである。
  • 我が国原子力産業に対しては、これまでの国内における着実な原子力発電所建設の実績が着目され、ロシアなどを含めた世界的な期待が集まっている。こうした期待に我が国としてどのように応えていくかについて、国全体としての体制を整えるための検討が必要である。
  • 我が国原子力産業の強みの源泉である機器、部材製造の国内基盤を維持発展させつつ、その強みが我が国全体として最大限活かされた形での国際展開に繋がるような連携関係に発展するよう、我が国全体として戦略性と柔軟性を共有すべきである。

<放射性廃棄物の最終処分事業について>

  • 原子力の推進に伴って発生する高レベル放射性廃棄物等の処分は、必ず解決しなければならない重要な課題である。国民の関心も高まりつつあり、解決への期待も大きい。TRU廃棄物を含む処分の全容を整理して、国民各層との相互理解を深めるとともに、地域住民の目線に立ったきめ細かく、分かりやすい広聴・広報活動が不可欠である。
  • 今後の取組として放射性廃棄物小委員会中間とりまとめ、基本方針、最終処分計画に示された内容について、NUMOや電気事業者など関係者が連携して、国が前面に立ってしっかりと進めていくことが重要である。その際には、地元の実情に応じた工夫をする必要がある。

<その他>

  • 次世代、子供に対するエネルギー教育にしっかりと取り組むべきである。
  • 我が国全体としてのエネルギーセキュリティーを確保するという観点から、化石燃料の確保だけを追求する資源外交を進めるのではなく、例えば仏国のように、エネルギー外交として、我が国の原子力産業への国際的な期待やその技術力を自国のエネルギーセキュリティー向上に最大限活かしていく、という発想が必要である。
  • 本日議論した内容について、国民との相互理解に繋がるよう、分かりやすい形でしっかりとしたメッセージを発出すべきである。
 
 
最終更新日:2008年2月14日
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