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総合資源エネルギー調査会電気事業分科会原子力部会(第17回)-議事要旨

日時:平成20年8月27日(水)13:00~15:30
場所:経済産業省本館17階西7第1特別会議室

出席者

委員:
田中部会長、秋元委員、井川委員、植草委員、宇佐委員、内山委員、大橋委員、岡崎委員、長見委員、神田委員、木場委員、木元委員、神津委員、河野委員、佐々木委員、澤委員、末次委員、鈴木委員、武井委員、内藤委員、中川委員、南雲委員、西澤委員、服部委員、松村委員、森嶌委員、森本委員、山地委員

事務局:
石田資源エネルギー庁長官、西山資源エネルギー庁電力・ガス事業部長、伊藤総合政策課長、後藤電力・ガス事業部政策課長、吉野電力基盤整備課長、高橋原子力政策課長、森本原子力立地・核燃料サイクル産業課長、渡邊放射性廃棄物等対策室長

オブザーバー:
内閣府原子力政策担当室 土橋参事官 外務省総合外交政策局軍縮不拡散・科学部国際原子力協力室 長沼首席(小溝室長代理) 文部科学省研究開発局 山野原子力計画課長、板倉原子力研究開発課長

議事概要

議題1:原子力政策を巡る最近の動向について、議題2:原子力政策の当面の主要課題と今後の方向性について

事務局より、資料2-1、資料2-2及び資料3について説明。各委員からの主な意見は以下のとおり。

  • 世界的に原子力発電の評価が一層高まっている。7月の北海道洞爺湖サミットで国際的に原子力が認知されたことは心強い。サミットからCOPへと繋げることが重要。
  • 温暖化対策にかかる費用負担をどうするのか。地震被害のような大規模災害に関するコスト負担とあわせて、しっかり議論すべき。
  • 「2020年までにゼロ・エミッション電源を50%以上」との目標も、基幹電源たる原子力発電が着実に推進されてはじめて達成可能。
  • 原子力安全については、科学的知見に基づいて、国民の正しい理解を得ることが重要。国民の安全に対する許容度について認識が必要。
  • 近年低迷している設備利用率の向上が重要。新検査制度の導入にも期待。趣旨を良く説明すれば国民の理解も得られるはず。
  • 柏崎刈羽の運転停止という機会を捉え、設備利用率について国民にわかりやすく説明すべき。
  • 既設炉の出力向上に向け努力するが、国の環境整備もお願いしたい。
  • CO2削減のためにも着実な新増設が重要。立地申し入れから運転開始まで相当な期間を要していることは大きな課題。
  • 原子力の重要性は、温暖化だけでなく、エネルギー安全保障の問題として説明、アピールすべき。国産エネルギーの脆弱性を補えるのは原子力のみだが、その認識が国内では十分ではない。
  • 広聴広報費が減少しているが、市民レベルの理解は進んでおらず、必要性はむしろ増大。原子力に対する世界的な熱気が国内には十分に拡がっていない。内容面の充実など工夫をして、効果的に取り組んでいくべき。
  • 電力のCO2コストを消費者にも目に見える形にしていくべき。
  • 国民との相互理解には、教育が重要。現職の教職員には、原子力に対する理解が乏しい。
  • 国が国策として核燃料サイクルを閉じて、高速増殖炉サイクルに繋げていくことが必要。六カ所再処理工場の竣工やもんじゅの運転再開等の諸課題を着実に解決していかなければならない。
  • 高レベル放射性廃棄物等の処分については、国民の理解をどうしたら得られるか、個々の事業をしっかり評価して、今後取り組む内容の精査を行うべき。
  • 原子力協力に関して一体的な体制づくりに着手することは喜ばしい。官民協力して事業を推進するが、政府のトップセールスなども重要。
  • 原子力産業の国際展開は、国が相当程度前に出るべき。原子力産業の産業政策上の位置づけも議論が必要。
  • 国と産業が一体となって資源外交を進めることが重要。
  • 次世代軽水炉開発プロジェクトについては、国内主要プラントメーカーの国際展開等の状況を踏まえつつ、要求されている技術スペックをいかに達成するかなど、組織体制を含めて議論すべき。
  • 人材育成が特に重要。大学の取組をサポートしてほしい。現場技能者の確保にも懸念がある。

議題3:国際戦略検討小委員会(仮称)の設置について

事務局より、資料4について説明し、了承が得られた。

その他

  • 以上の議論を踏まえ、部会長により当部会の議論を総括した。部会長総括については、後日確認した上で、公表することとなった。
  • 最後に事務局から、次回の原子力部会は適切な時機をみて開催したい旨説明があった。


原子力部会における議論の総括

原子力部会長 田中 知

エネルギー調査会電気事業分科会原子力部会(第17回)における参加委員からの意見を受けて、議論の要点を次のとおり総括します。

  • 資源価格の高騰と地球温暖化問題の高まりの中で、原子力発電の評価が一層高まっている。「2020年までにゼロ・エミッション電源を50%以上」との目標も、基幹電源たる原子力発電が着実に推進されてはじめて達成可能である。近年低迷している設備利用率を向上させるとともに、新増設計画を着実に実現していくため、官民一体となって取り組んでいく必要がある。

  • そのためにも、原子力発電の重要性や安全性について、政府や電気事業者は、国民との相互理解を深めていく必要がある。原子力に対する世界的な熱気が国内にも拡がるような仕組みを考えるとともに、六ヶ所再処理工場の竣工やもんじゅの運転再開等の足下の諸課題を着実に解決していかなければならない。また、高レベル放射性廃棄物等の処分は、原子力を推進する上で必ず解決しなければならない重要な課題であり、国が前面に立って、国民との相互理解を深め、関係者と連携してしっかり進めていかねばならない。広報広聴については、関連予算の見直しが求められるにせよ、一層の内容充実が求められるところであり、取組に工夫が必要である。

  • 資源獲得競争が激化する中で、エネルギー安全保障の観点から、核燃料サイクルの確立、高速増殖炉サイクルの実現の重要性がこれまで以上に高まっている。しっかりとした国の戦略の下で、プルサーマルや高速増殖炉サイクル実用化研究開発をはじめとする取組を着実に進めていくことが不可欠である。

  • 資源価格高騰や地球温暖化は、世界的にも、原子力発電の導入・推進の流れを拡大・加速している。G8エネルギー大臣会合やG8北海道洞爺湖サミットでこの点が確認された意義は大きい。高い技術力と豊富な経験を有する我が国としては、新規導入国の基盤整備支援など国際協力を積極的に進めていくことが求められる。国内関係者が連携を強化し、効果的かつ効率的な推進体制を構築していく必要がある。

  • 他方、世界的な原子力利用の拡大に伴い、燃料需給バランスの変化や産業競争の進展などが見込まれる。こうした中で、我が国原子力産業の核燃料供給確保や、国際展開、技術開発等を支援し、国際競争力を維持・強化していくことが、原子力政策の安定的推進の観点からも一層重要である。

  • 人材育成の重要性も改めて強く認識されるところであり、産学官の我が国原子力関係者の力を結集し、国全体の強みが最大限発揮できるよう、産業構造のあり方も含めた総合的な検討が必要である。

以上

 
 
最終更新日:2008年9月9日
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