経済産業省
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総合資源エネルギー調査会電気事業分科会原子力部会(第18回)-議事要旨

日時:平成21年2月13日(金)9:30~12:00
場所:三田共用会議所1階講堂

出席者

委員:
田中部会長、秋庭委員、秋元委員、井川委員、植草委員、宇佐美委員、内山委員、大橋委員、岡崎委員、長見委員、神田委員、木場委員、木元委員、神津委員、河野委員、佐々木委員、澤委員、末次委員、末永委員、鈴木委員、武井委員、寺島委員、内藤委員、中川委員、南雲委員、西澤委員、服部委員、松村委員、森嶌委員、森本委員、山地委員、山名委員
事務局:
石田資源エネルギー庁長官、本部資源エネルギー庁次長、西山資源エネルギー庁電力・ガス事業部長、伊藤総合政策課長、後藤電力・ガス事業部政策課長、増田電力市場整備課長、高橋原子力政策課長、森本原子力立地・核燃料サイクル産業課長、渡邊放射性廃棄物等対策室長
オブザーバー:
内閣府原子力政策担当室土橋参事官
外務省総合外交政策局軍縮不拡散・科学部国際原子力協力室新井室長
文部科学省研究開発局板倉原子力研究開発課長、中澤原子力計画課課長補佐

議事概要

議題1 原子力政策を巡る最近の動向と当面の課題について

事務局より、資料2-1、資料2-2及び資料2-3について説明し、電気事業連合会高橋原子力部長より、資料2-4について説明。各委員からの主な意見は以下のとおり。

  • 出力増強や高経年化対策、リプレース等の資源エネルギー庁の施策には全て規制、つまり保安院が関係している。規制と推進の分離とは言うけれど、保安院とよく連携して施策を進めるべき。
  • 研究開発費を炉に関しては次世代軽水炉、FBRに重点化しているのはいいと思う。放射性廃棄物事業、サイクル事業についても、文科省とともに着実に予算をつけて進めていただきたい。
  • 経済産業省と文部科学省で連携して原子力教育の取組をさらに強化してもらいたい。
  • 原子力発電と再処理は一体的に推進すべき。日本原燃はガラス固化体試験で苦労しており、そのため審査も延びている。ガラス固化体試験の失敗について原因究明し、今後安全を大前提に研究開発を進めていっていただきたい。国及び関係機関が責任をもって教育する体制を再構築すべき。足下を固めないと先の政策を議論しても意味がない。核燃料政策は地に足を付けた検討をすべき。
  • 原発立地地域はもともと産業が発達していないところや過疎地が多い。そのような地域における産業振興が最も重要。
  • 既設炉の活用について、立地地域の人との相互理解が不足していると感じている。今後も対話を深めていくことが重要。
  • 原子力広報に関して、文科省、環境省と結束して温暖化問題における原子力の有益性等をアピールできるようにすべき。
  • 「国民相互理解」は評価。一方的に国民に理解してもらうのではなく、互いに理解することが重要。広報予算が減ったのは残念だが、「本気で取り組む国民との相互理解」を実施してもらいたい。
  • 広く国民に放射性廃棄物処分事業の必要性、原子力の有用性をアピールし、理解促進を図るべき。それが候補地への後押しになる。
  • 原子力関係の報道は事故やトラブルなどのバッドニュースばかり。低炭素社会の実現に向けて中心となる原子力、スウェーデン、ドイツも脱原子力政策をやめつつあるという明るい原子力のニュースがあり、今こそイメージチェンジできる時なので、広報をしっかりやっていってほしい。
  • マスコミに取り上げられているバッドニュースであるもんじゅ、再処理等が「原子力発電推進強化策」(以下、「強化策」)に入っていないが、それでいいのか。推進体制における人材・能力の面を文部科学省とも連携して改善することが重要。
  • 推進と規制は分けるべき。規制当局の信頼性と、規制体制そのものを強化すべき。
  • 技術の進歩、経験の蓄積、諸外国の経験も踏まえ、規制の体系について不断の見直しが重要。原子力の安全、品質向上を図る上で、合理的な規制体系は重要な要因、柱と考えている。
  • 新検査制度によるオンラインメンテナンスや状態監視の導入により作業が平準化するため、地元及び電気事業者にとってもプラス。
  • 国民との相互理解を図るときに、日本で2020年または2050年のCO2削減目標の達成のために原子力をどう位置付けるかという観点から相互理解を図るべき。ポスト京都のCO2削減目標の議論と結びつけて考えることが重要。国民との相互理解を図るとともに、環境省との相互理解も図るべき。
  • 我が国CO2削減量の中期目標が総理主催の「地球温暖化問題に関する懇談会」において検討中であるが、その中で原子力が1つの柱であるという流れが見えてきている。政策論とリンクした数値目標を出さなくてはいけない。削減目標ごとに、原子力の新増設を含めて、国民に対して何をどうしなくてはいけないのかというシナリオを提示しながら中期目標とリンクさせていくべき。原子力の位置付けは大切だが、その一方で、新エネにも努力すべき。
  • 過去に比べて技術はもっと進んでいる。日本には設備利用率90%を達成できる技術がある。米国や韓国も達成している。それだけの実力がないと原子力先進国とは言えない。2020年、2030年の低炭素社会実現に原子力がどれだけ貢献できるかを調べるときに、84.2%で考えるのか、90%で考えるのかで全体の対応のコストも変わる、目標達成のための努力も変わる。
  • グリーン・ニューディール政策において原子力の評価が低い。マスコミが再生可能エネルギーと原子力をバランスよく報道すべき。
  • 国を挙げた官民推進体制の再構築に向けたアクションプランを真剣に検討すべき。強化策の策定が知的整理で終わってはならない。
  • 強化策の定量的なコスト効果を明らかにし、効果が高いものから実施していくべき。
  • エネルギーセキュリティーと地球温暖化対策の両面を世界的視点で改めて見ると、日本のおかれている立場は、原子力産業を日本の産業の中で最も重要な中核の産業として位置付けられると思う。これが実現されれば、後世の人にとって良いビジネスチャンスを与えることになる。
  • 海外展開について、諸外国との環境、制度面の整備を着々と進めていることを評価。日本メーカーは今後、米国におけるプラント建設に向けた具体的な契約を結ぶ段階になり、そのため一層の国の理解及び支援が必要。
  • 設備利用率の向上と着実な新増設は喫緊の課題。柏崎刈羽運転再開、再処理本格運転、プルサーマル実現、もんじゅ運転再開など、日本の原子力政策にとって正念場の年。海外展開にするにしても国内の問題を処理する必要がある。強化策に期待する。
  • エネルギー政策の進め方について、諸外国ではエネルギー安全保障が最重要課題。温暖化対策とともに一体的な解決方策が戦略的に議論されている。一方我が国は、資源の供給構造の脆弱性を国民がどれだけ理解しているのか。きわめて高い戦略性と具体的ビジョンが要求されるエネルギー政策の基軸がぶれていないか、懸念がある。
  • 現状の原子力発電については、(1)力を出し切っていない、(2)十分理解されていない、(3)長期的対策についてがんばってはいるが、まだよく見えないところがある。強化策はこの3つに取り組むものと理解している。強化する施策は短期的なものと長期的なものに分けるべき。短期的なものとして、設備利用率の向上があるが、最近の設備利用率の低下要因は、不祥事、予防保全、地震。これらを解決すれば設備利用率はある程度まで向上すると理解。その上で出力増強や検査の合理化でさらに高いところを目指すという二段階アプローチがいい。
  • 低炭素社会における電力需給構造の変化を考えると、原子力に柔軟性を持たせることが重要。原子力発電所の負荷追従運転や原子力の導入時期の調整、出力向上等を実施し、原子力発電に柔軟性を持たせて他電源とのベストミックスを図るべき。

議題2 国際戦略検討小委員会の審議状況について

事務局より、資料3に基づき報告を行った。

その他

  • 以上の議論を踏まえ、部会長により当部会の議論を総括した。部会長総括については、後日確認した上で、公表することとなった。
  • 最後に事務局から、次回の原子力部会は4月頃に開催したい旨説明があった。

以上
文責:事務局

第18回原子力部会部会長総括

総合資源エネルギー調査会電気事業分科会
原子力部会長 田中 知

エネルギー調査会電気事業分科会第18回原子力部会(平成21年2月13日)における参加委員からの意見を受けて、議論の要点を次のとおり総括します。

  • 原子力発電は、経済成長と地球温暖化問題の解決とを両立させるエネルギーとして極めて重要。新エネルギーへの社会的関心が高まる今こそ、ゆがみのない客観的な評価が必要。新エネルギーか原子力かの二者択一ではなく、各々の特性を活かし、総合的に進めていくことが重要である。また、マスコミが事実に基づく正確な情報発信をバランスよく行うことも重要である。
  • 安全確保を大前提とした原子力の推進無くして低炭素社会の構築は不可能である。そのために国民意識の醸成に取り組むことが必要である。今般、経済産業省より、低炭素社会づくりに向け、「原子力発電推進強化策」(仮称)をとりまとめる方針が示された。原子力部会として、新増設・リプレースの円滑化、既設炉の活用、国民との相互理解の促進などについて、精力的に議論していく。
  • 核燃料サイクル確立についてしっかりと取り組むことは、現下の重要課題である。六ヶ所再処理工場の竣工、高レベル放射性廃棄物処分、高速増殖炉の早期実用化に向けた取組の推進や、プルサーマルの着実な実施等に全力を尽くす必要がある。

このような3つの点について、国を挙げた実行・推進が必要である。

 
 
最終更新日:2009年2月26日
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