経済産業省
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総合資源エネルギー調査会電気事業分科会原子力部会(第22回)-議事要旨

日時:平成22年3月5日(金)10:00~12:30
場所:本省17階東6~8 第1~3共用会議室

出席者

委員:
田中部会長、五十嵐委員、井川委員、植草委員、長見委員、河瀬委員、神田委員、木場委員、木元委員、河野委員、佐々木委員、末次委員、末永委員、武井委員、種岡委員、内藤委員、中川委員、西澤委員、松村委員、八木委員、山名委員、和気委員
経済産業省(事務局):
増子副大臣、石田資源エネルギー庁長官、本部資源エネルギー庁次長、上田大臣官房審議官(エネルギー・環境担当)、横尾資源エネルギー庁電力・ガス事業部長、高橋長官官房総合政策課長、木村電力・ガス事業部政策課長、佐藤電力基盤整備課長、三又原子力政策課長、森本原子力立地・核燃料サイクル産業課長、矢作原子力国際協力推進室長、苗村放射性廃棄物等対策室長
オブザーバー:
内閣府原子力政策担当室中村参事官
文部科学省研究開発局田口原子力計画課長

議事概要

議題1「原子力発電の推進に関する最近の動向と当面の課題」について
議題2 その他

事務局より資料2、3について説明、電気事業連合会八木委員より資料4について説明、日本原子力技術協会藤江理事長より資料5について説明、事務局より資料6について説明。各委員からの主な意見は以下のとおり。

「原子力発電の推進に関する最近の動向と当面の課題」について

原子力発電比率

原子力の位置付けを改めて明確にしていただきたい。これまで原子力比率を40%以上を目標としていたが、これを明確に50%として旗印を上げてもらいたい。また、新増設も「2020年度まで12基新増設」という目標を掲げられないか。

原子力発電設備容量の中長期的シナリオの図について、例えば人口、エネルギーバランス、原子力発電比率をどの程度としているのか、諸外国との対比の中で自分たちの需給バランスを考えるべき。

原子力の役割として、ワットアワー(発電量の積分値)の議論しか出ていないが、省エネが進めば電力の需要パターンが変わるし、電気自動車のような新規需要、負荷変動なども考慮すべき。目指すべき方向性と選択肢としての太陽光、風力、原子力の役割を明確にする必要がある。

設備利用率向上

新検査制度により13ヶ月超運転の制度は整備されているが、問題は定期検査と計画外停止からの立ち上げにかかる時間の長さ。どのようなステップを踏めばよいか、解決のための方策を当部会で提案すべき。

日本に比べ定検期間が1/4程度の米国が科学的・合理的な根拠によって、安全が担保されて運用されているという事実は、我が国の設備利用率向上の説得材料にもしていくべき。

新検査制度による13ヶ月超運転は、様々な事情で未だ1カ所も導入するに至っていないということだが、最初の1カ所が非常に重要であり、電気事業者に期待。

米国と日本では安全文化が全然違う。日本では「安心」という抽象的なものを踏まえて安全文化が形成されているが、安全文化の違いをどう是正し、違ったものを構築していくのか。

地域住民等の信頼を得るのは容易ではない。現状でも設備利用率85%は実現できるが、まずは実績を積み、その実績を見せて理解を得ることによって、運転期間の延長、運転中保全の導入や出力向上推進などの次の課題に進める。信頼を犠牲にした形で進めるべきではない。

設備利用率の日米の比較や日本が低い理由は、この場でも随分勉強してきた。いま求められることは、実効性のある方策として何をやるべきかではないか。

トラブルからの運転再開におけるプロセスのあり方を見直して、公平で透明なルール化とか迅速化を図るなど、スムーズな仕組みを作るという対応も、結果として稼動率向上に結びつくのではないか。

2020年に設備利用率約80%は、要するに30年前の韓国、20年前の米国、10年前の我が国の水準であり、最低限達成すべきライン。電事連の「85%、さらにその上を目指す」というのが誠実なステートメントであり、合理的な改善を積み上げて、まずはそこを目指すべきではないか。

新増設

新増設9基は一部で不安要素もあるが概ね建設可能ではないか。地元との非常に良好な関係構築や、原子力発電比率を高めるという政策に位置づけられることにより、当初計画から建設が早まる可能性もある。9基の内容をもう少し柔軟に議論することは検討に値するのではないか。

稼働中のサイトの横でリプレースの建設を進めることにもっと積極的に取り組むべき。中長期の設備容量は、事業者と国でそれぞれ考えている最適量に乖離があるのではないか。望ましい姿を両者が一体となって決めることは当然であるが、その実現のためにコスト負担のあり方を含む政策手段のあり方に踏み込んで検討することが必要ではないか。

軽水炉の寿命延長にもっと力を入れて検討すべき。炉の寿命が40年であれば、2030年に30GWの設備容量を失う。安全性確保のため寿命評価に係る技術の精緻化を図り、使えない炉は早く止め、使える炉は長く使うようにすべき。

東電のデータ隠し問題の反省も踏まえ、定検を短縮するとしても、工程を明らかにし、削減してよい項目、してはいけない項目を峻別しなければ、地元の理解も得られないのではないか。設備利用率向上は急務だが、丁寧な議論が必要。

新増設・リプレースについて国の政策がほとんどない。設備利用率向上、高経年化対策も大事だが、産業政策、技術者育成、技能継承を考えると、本筋は新しい炉を作ること。使い勝手が良く、経済性が良く、安全性の高いものを継続的に作っていくことが最も重要。

海外展開

新聞報道では政府出資で東電、関電を巻き込んで、原子力輸出会社を作るとの報道もあるが、世界の原子力ルネッサンスに参加するのであれば、国内の方もしっかりやって欲しい。

国際展開を考える上で、設備利用率と合わせて、常時増設しており技術が蓄積されているというPRをしないと、韓国に対抗できないのではないか。

地域共生・地元の理解

定検間隔の延長により現実問題として、地元雇用への影響ということが懸念されるかと思うが、その際には、電源立地地域の交付金のあり方を、もう少し工夫したらどうか。例えば、設備利用率に対しインセンティブが働くようにメリハリをつけた交付金の仕組みはできないのか。平成22年度から発電電力量の増加に対するインセンティブが若干働きやすくなるとも聞いているが、この部分はより一層工夫をしていただきたい。

地域がネックになって検査期間が延びているのは、何も理由がなくて延びているのではなく、必ず理由があって延びている。その理由をきちんと解消しないと原子力を安定的に運転していくということはできない。地元住民を含めた国民の信頼性を常に得ているということが重要。

規制法等に問題のない事象であっても、地元自治体の要請により電力が自主的に停止させたケースがあるため、地元としても国の判断を尊重するということを、国をあげて徹底して欲しい。地方公共団体も客観的に対応すべきである。

地方自治体のスムーズな判断という話があったが、それぞれの自治体の立場の中で、しっかりと事業者の方、国から説明をいただかないと、そう簡単にはいかないということもご理解いただきたい。

国民がもっと原子力を理解し、「この前海外受注で負けてしまったんだ」ということが話題になるような、原子力に対する一層の広報活動、理解活動が重要。

その他

最近、保安院を内閣府に移転すべきとの議論が散見されることに危機感がある。JCO事故調査委員会で科技庁所管の安全規制をどこに所属させるか議論になった際も、原子力に関する情報をしっかり持っている側でないと安全規制は出来ないという意見もあり、最終的には通産省になった。

中立性を重んじるという観点から保安院を内閣府に移すということは、人材面でも不可能ではないか。海外に日本の原発を輸出する際には、日本の電力会社は相当程度の人材を送らなければならない。そのような状況の中で内閣府に保安院を持っていくことは断じてするべきではない。

保安院を原子力部会に招致し、欧米と日本の設備利用率の差に対して、保安院として現行制度やその改善をどのように考えているのか、我々と意見を交換してもらいたい。

消費者の視点から見た場合に、電気料金が今後どのようになるかに非常に関心がある。原子炉解体の技術的検討は急いで行い、それに基づき引当金制度の見直しや電気料金への影響等の検討を早急にやってもらいたい。

お問い合わせ

資源エネルギー庁
電力・ガス事業部原子力政策課

 
 
最終更新日:2010年3月11日
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