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総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会高経年化対策検討委員会高経年化技術評価ワーキンググループ(第35回)-議事録
日時:平成21年3月24日(火)15:00~17:30
場所:経済産業省別館10階1014共用会議室
出席者
主査:
関村 直人
委員:
大木 義路、橘高 義典、小林 英男、庄子 哲雄、平野 雅司、宮 健三、飯井 俊行、山口 篤憲
議題
- 福島第一原子力発電所6号炉の高経年化技術評価書等について
- 敦賀発電所1号炉の高経年化技術評価書等について
- その他
議事概要
山本原子力発電検査課長
それでは、時間になりましたので、ただいまから第35回高経年化技術評価WGを開催いたします。
本日はお忙しい中、御出席をいただきまして誠にありがとうございます。
それでは、関村主査、よろしくお願いいたします。
関村主査
本日もよろしく御審議のほどお願いいたします。
それでは、議事に先立ちまして、定足数の確認と配布資料の確認につきまして、事務局からお願いいたします。
山本原子力発電検査課長
まず、定足数の確認でございます。
総合資源エネルギー調査会運営規定によりまして、定足数が過半数というふうに規定されております。現在、9名中6名の委員に御出席いただいております。後ほどお2人の委員が遅れて来られると思いますが、出席予定でございます。したがいまして、本ワーキンググループは成立しておるということを御報告いたします。
次に、本日の配布資料の確認をいたします。
お手元に議事次第がございます。その下に配布資料一覧ということで、1~6となってございます。
まず、資料技術評価WG35-1でございますが、これは前回のワーキングでの「委員コメント」1枚紙でございます。
2の資料「委員コメントに対する回答」というものでございます。
3が「福島第一原子力発電所6号炉高経年化技術評価書等に対する指摘事項案」でございます。
4は日本原電の資料で「敦賀発電所1号炉高経年化技術評価書(40年目)の概要」でございます。
5が「今後の審議の進め方について」でございます。
6が「日本原子力学会標準『原子力発電所の高経年化対策実施基準:2008』の技術評価に向けて」という資料でございます。
あと、資料番号を振っていませんが、前回第34回のワーキンググループの議事録(案)を配布させていただいてございます。ここにも書いてございますが、もし修正等ございましたら、3月31日の火曜日までにお送りいただければと思います。その後、修正したものを経済産業省のホームページに公開することにしているところでございます。
参考資料といたしまして、各委員の皆様の前にキングファイルを立てかけさせていただいております。福島第一6号炉と敦賀1号炉のそれぞれの評価書を用意しているところでございます。
あと、ファイルの方で、添付資料として3種類用意してございますので、御確認いただければと思います。
以上でございます。
関村主査
ありがとうございました。
ただいま御案内がありましたように、議事録につきましては、修正がありましたら、3月31日までに事務局まで御連絡をいただきますようにお願いしたいと思います。
それでは、本日は、継続の案件であります福島第一6号炉に関する件、それから、新規の案件となります敦賀1号炉の件、これらにつきまして御審議をお願いしたいと思います。
それでは、まず、福島第一6号炉の件でございますが、資料1の「委員コメント」及び資料2の「委員コメント回答」につきまして、続けて事務局から御説明いただければと思います。よろしくお願いいたします。
須之内調整班長
それでは、資料1についてでございます。前回、福島第一原子力発電所6号炉につきまして書面審査をした結果を御報告申し上げておりますが、このときにいただいたコメントでございます。確認の意味で読み上げる形で進めさせていただきます。
まず、橘高委員からいただきましたコメントとしまして、コンクリートの強度低下及び遮へい能力低下の確認結果についてのコメントでございます。
1番目といたしまして、照射量の数値をどのように確認したか。
2番目といたしまして、熱による強度低下でサイクル加熱は問題ないとしているが、その根拠となる参照文献を確認すること。
3番目といたしまして、経年化したコンクリートは熱による変化は少ないとする根拠として、3.5年加熱後で問題がないからとしているが、それで60年でも問題ないというのは言い過ぎではないか。60年後でも65度以下であることを確認すること。
4番目といたしまして、建屋内部に対して中性化の劣化外力区分による係数として1.0を採用している点について、内部は炭酸ガスが大きいので1.7に決まっており、係数の変更にはよほどの理由が必要であるというものでございます。
裏返していただきまして、小林委員からもコメントをいただいております。こちらも読み上げる形で進めさせていただきます。
2相ステンレス鋼の熱時効の確認結果について、ポンプ、弁の2相ステンレス鋼の熱時効が「実際の使用温度が278度程度であり、熱時効が問題となる高温(290度)にはならない」とした事業者評価の根拠をJNESが確認していることに対して、以下の内容のコメントをいただきました。
1番目といたしまして、ポンプケーシングや弁箱の2相ステンレス鋼の健全性予測評価の必要性に関して、SCCは生じない材料であり、また配管より低応力で疲労き裂も生じないと考えられ、かつ検査もしている。このような機器に対してはき裂を想定した評価は必要がないのではないか。
2番目といたしまして、健全性予測評価を実施する場合の評価方法に関して、2相ステンレス鋼の破壊形態は塑性崩壊が主体であり、Jが当てはまらないのではないか。JNESのマニュアルにあるJに基づく破壊評価やスクリーニングは妥当か。
3番目といたしまして、Jを適用したJNESのマニュアルでは290度より低温側にも適用しているが、用いているJの予測式は発電技研PLEX-PJでの290度以上の試験データに基づいて策定されたものである。運転温度が278度のBWRにこの式を外挿して評価を要求することは妥当か。また、式を更に低温側へ外挿してスクリーニングすることは妥当かというものでございます。
このコメントにつきましては、資料3の「福島第一原子力発電所6号炉高経年化技術評価書等に対する指摘事項案」の8ページに、JNESが指摘しておる内容が記載してございますので、併せてこちらも御紹介して、一緒にJNESの方から回答いただければというふうに考えてございます。
8ページの方を確認のためにもう一度おさらいさせていただきますと、東京電力から提出されました評価書の記載内容につきまして、以下のような記載がございました。PLRポンプの「羽根車及びケーシング等の材料はステンレス鋳鋼を用いており、熱時効による材料特性の低下が想定されるが、原子炉再循環系ポンプの実際の使用温度は、278度程度であり、熱時効が問題となる高温(約290度)にはならない。」という記載がございました。
これに対して、JNESから書面結果をした結果といたしまして、まず、発電技研が行った2相ステンレス鋼のPLEX研究成果によれば、熱時効温度290度でフェライト量が約21パーセント、17パーセントの材料では、数万時間の時効で脆化が認められているということから、290度が熱時効を考慮しなくてよい最高温度とは、これだけでは読めないのではないかという指摘がございまして、かつ東京電力の今回対象となっている部位につきまして、278度で使用されている部位でございますが、2相ステンレス鋼のフェライト量をミルシートに基づいて評価すると、約20パーセントと高いものであったというものであります。
また、JNESが定めております審査マニュアルでございますが、こちらにも、使用温度が278度で、フェライト量が20パーセントの材料は、脆化を考慮した健全性予想評価の対象として、マニュアルの方でも評価の対象どなっているということから、東京電力に対して、278度で使用されているフェライト量が約20パーセントのポンプや弁の熱時効が問題とならないとする根拠を確認する必要があると、確認を求めていたものでございます。
前回、保安院とJNESは福島第一6号炉に対しまして立入検査を行いましたが、この立入検査の場においても、JNESから書面審査で求めていた内容についての根拠の確認というのができなかったということから、指摘事項として残ったものでございます。これを併せて回答ということで御説明したいと思います。
なお、回答の方につきましては、2番目の資料でございますが、JNESの方から説明をしていただきたいと思います。
原子力安全基盤機構 中野上席研究員
それでは、お手元の資料2で御説明させていただきます。
まず、コメント(1)の照射量の数値をどのように確認したかということにつきましては、回答(1)で事業者がまとめた放射線照射量解析により確認を行っています。
福島第一6号炉の運転開始後60年時点で予想される中性子照射量及びガンマ線照射量について、放射線照射量解析の結果、中性子照射量が原子炉ペデスタルコンクリート上部で最大2.33×10
15ニュートン毎センチメートル、ガンマ線照射量が一次遮へい壁内面で最大1.74×10
6ラジアンあることを確認し、ともにコンクリートの強度低下に影響する放射線照射量を超えていないことを確認しております。
添付資料-1の左下にページが打っておりますけれども、6ページの表2の中性子照射量、それから、ガンマ線線量の赤い印をしてあるところが最大の数値であるというふうにしております。これで確認をしております。
次に、コメント(2)でございます。熱による強度低下でサイクル加熱は問題ないとしているが、その根拠となる参照文献を確認することということで、回答(2)コンクリートへのサイクル加熱の影響に関する参照文献としましては、第48回セメント技術大会講演集の「熱影響場におけるコンクリートの劣化に関する研究」の内容が評価書の中に記載されております。
その参照文献の中で「サイクル加熱の場合」というところがございまして、実験結果から、圧縮強度に関しては「アンシール条件においても残存比が増大しているが、シール条件ほど顕著ではなく、5サイクル以降は横ばい傾向を示し、120サイクル後においても大きな変化は認められない。」としております。
この参照文献の実験は、直径10×20センチメートルのシリンダー供試体を鋼製容器で覆っているシール条件と、覆いのないアンシール条件でサイクル加熱による実験を行っております。その結果、シール条件では残存比が120サイクル後に約150になるのに対しまして、アンシール条件では残存比が120サイクル後に約130と、これを比較しますと、シール条件と比較してサイクル加熱の影響が認められるものの、残存比100以上あるということで、サイクル加熱による影響は問題ないとするのは妥当であるというふうに判断しております。
ちなみに、福島第一6号炉の場合、運転開始後60年時点の加熱回数は、これまでの運転実績より118回程度になるということを確認しております。
コメント(3)ですが、経年化したコンクリートは熱による変化は少ないとする根拠として、3.5年加熱後で問題ないからとしているが、それで60年でも問題がないというのは言い過ぎではないかということで、60年後でも65度以下であることを確認することに対しましては、福島第一6号炉では、通常運転時に高温状態となる圧力容器支持脚部と原子炉ペデスタルコンクリートとの接触面における温度分布解析の結果から、最大58.34度になることを確認しております。これは添付資料-3の21ページの色刷りの脚部の左側の吹き出しの中の数字が58.34度、ここがコンクリートと接する面の最大値ということに解析がなっております。
熱的な境界条件が変化する要因はないというふうに考えまして、60年後でも通常運転時における最大温度は、コンクリート温度制限値65度以下であると判断いたします。
コメント(4)は、通常、中性化の予測式を用いる岸谷式の中で、劣化外力係数は屋内の場合、1.7と決まっているんですが、今回、評価書の中では1.0を採用して評価しているということで、1.7の係数に変更するのにはよほどの理由が必要であるということに対しまして、回答(4)で、岸谷式の屋内における劣化外力区分による係数を1.0から1.7に変更して再評価した結果を確認しております。添付資料-4の22ページの資料で、屋内の岸谷式の数字のところが再評価した結果を示しております。これにつきましては、いずれも鉄筋が腐食し始める中性化深さ、屋内の場合、6センチメートルが基準となっておりまして、それを十分下回っていることを確認しております。
コンクリートについては以上でございます。
関村主査
では、小林先生いらっしゃったので、小林先生のコメントに対する回答も続けてお願いします。
原子力安全基盤機構 大崎室長
資料2の23ページ「小林委員コメントに対する回答」のコメント(1)でございますが、ポンプケーシングや弁箱の2相ステンレス鋼の健全性予測評価の必要性に関して、SCCは生じない材料であり、また配管より低応力で疲労き裂も生じないと考えられ、かつ検査もしている。このような機器に対しては、き裂を想定した評価は必要がないのではないかということに対する回答でございます。
JNESのマニュアルでは、き裂を想定せず脆化程度だけでスクリーニングをかけ、その結果、脆化が著しいと評価された場合には標準的に破壊力学的な評価、標準的な方法として、き裂を想定した評価というものを、健全性予測評価が行われることを想定して作成をしております。
最初に、脆化が著しく塑性崩壊荷重以下で破壊が始まる、そういう部位をスクリーニングするということでございます。塑性崩壊する条件というのは、維持企画の破壊評価線図のところで示しているような式がございます。もしこの式を高経年化評価に適用する場合には、J
1Cの値を60年供用で時効した材料の予測値とするということになりますが、やはりKの評価にはき裂の想定が必要になってまいります。
JNESのマニュアルでは、Kの評価を行うことなく、き裂を想定することなくスクリーニングするため、J
1Cが十分大きい値、220キロジュール毎平方メートル、低合金鋼ですけれども、K
1C曲線の上限値に相当するような大きな値を設定をしておるということで、J
1Cの予測だけでスクリーニングができるということにしております。このJ
1Cに相当するような材料のフェライト量と運転温度の組み合わせでもってスクリーニングができるようにしておるということでございます。
スクリーニングされて引っ掛かってしまった場合には、定量的な健全性予測評価を求めているということでございます。き裂発生の可能性によらず、適用する検査法の欠陥検出性以上の大きさのき裂を想定し破壊力学により健全性予測評価する方法は、従来から2相ステンレス鋼の高経年化評価に用いております。米国でも同様に行われているということでございます。
この方法は、脆化した材料というのは、軽水炉の主要部では原子炉容器と熱時効の2つぐらいしか考えられませんけれども、その1つであります照射脆化した原子炉容器ベルトラインに対する健全性予測評価法、これは米国ではレギュラトリーガイドでございまして、日本はこれを準用してJEAC4206に入れておりますけれども、その方法でございます。
次のページに細かいデータがございますが、原子炉容器と、今、対象にしておりますポンプやバルブというもののき裂の発生の可能性というものを比較しておるわけでございますが、原子炉容器も低合金鋼に2相ステンレスといいますか、ステンレスの溶接金属のクラッドがございます。そういうことで、SCCのき裂の発生の可能性は非常に低いということでございます。
また、ベルトライン部というのは一般の構造不連続部ではございませんので、低サイクル疲労の対象部位でもないということでございますが、延性が必ずしも十分でなくなった場合、き裂を想定して評価しておるということでございます。
そういうことで、き裂を想定するということが目的ではありませ。定量的に評価するための方法として、破壊力学的にき裂を想定して評価するという方法を標準的な方法だとしてマニュアルに記載しておるということでございます。無論、これ以外の方法がございましたら、それを使用していただくことは問題ないということでございます。
25ページへまいりまして、コメント(2)でございます。健全性予測評価を実施する場合の評価方法に関して、2相ステンレス鋼の破壊形態は塑性崩壊が主体であり、Jが当てはまらないのではないか。JNESのマニュアルにあるJに基づく破壊評価やスクリーニングは妥当かということでございます。
これにつきましては、発電技研のPLIM-PJで、熱時効しました2相ステンレス鋼管に表面き裂を付与して破壊挙動を試験して以下の結果を得ております。
1番目でございますが、配管が不安定破壊する荷重は、脆化が著しい場合は塑性崩壊荷重を下回りますということで、次の26ページを見ていただきますと、表の方は試験結果の表でちょっとわかりにくいですが、表の一番下のところに塑性崩壊荷重と実際のき裂の成長が認められたとか、あるいは最大荷重というものとの比較をしております。
それをグラフにしたものが右の真ん中の図でございまして、塑性崩壊荷重との比で、黒く塗りつぶしたものが実測流動応力をベースにした場合。流動応力の予測というのはなかなか難しいものですから、規格値を用いまして低い塑性崩壊荷重と比較するというのが白抜きの部分でございます。横軸の方は、左の方が時効なしの場合で、右の方へ行きますと熱時効が進んでいく条件の場合ということでございます。実際の挙動としましては、黒抜きでありますように、塑性崩壊荷重よりも下の方で最大荷重になったり、あるいはき裂が成長したりということでございます。仮に規格値を用いまして見かけの評価をするとしましても、フェライト量が多いところとかは塑性崩壊荷重よりも小さい値で破壊が始まるということを示しております。
次のページがJを用いた評価でございます。実線は材料試験の結果でございまして、Jmatで、丸とか三角が実際のき裂の成長からJappを評価したものでございまして、丸や三角はモデルの違いを示しておるわけでございます。いろいろなフェライト量に対して、Jの評価はほぼ測定値と解析値が合っておるということでございます。
25ページへ戻っていただきまして、こういう結果から、Jを用いれば一定の評価余裕を設定した簡明な評価ができると判断をいたしました。塑性崩壊荷重をベースにしますと、いわゆるジャストファクターというものを設定してという方法がございますけれども、データ数としてはかなり足りないということもございまして、Jを用いて簡単に評価ができるのではないかというふうに考えたということでございます。
ただし、この方法は、先生にも御指摘いただきましたように、Jmatが非常に大きい領域では無効な試験データであるということで、その点を考慮されたものにはなっていないと考えております。この点につきましては、実機評価への適用に当たりましては、ここへ至る以前といいますか、スクリーニングにより対応するべきものではないかというふうに考えております。
JNESのマニュアルでは、今、実績を把握していないということで、220キロジュール毎平方メートルという非常に大きな値を用いてスクリーニングをしておりますので、非常に延性のある材料でも評価が必要であるというようなことで、過度に保守的になっている可能性はございます。今後、実機の負荷情報であるとか、検査記録などを評価しまして、この辺りの適正化は必要であるというふうに考えております。
28ページでございます。Jを適用したJNESのマニュアルでは290度より低温側にも適用しておりますが、用いているJの予測式は、PLEX-PJの290度以上の試験データに基づいておるということで、これを278度に外挿することが妥当か、あるいは更に低温側に外挿してスクリーニングすることが妥当かということでございます。
回答でございますが、PLEX-PJのデータを見る限り、290度のデータに脆化が認められております。
BWRにおいては、278度より高温側で脆化が無視できるデータがある。あるいは、保守的には、データのある290度のデータを用いて評価することが考えられるわけでございます。ただ、290度のデータでは、やはり278度の評価には過度に保守的となるという可能性も考えられまして、JNESのマニュアルでは、Jの予測式を低温側に外挿してもよいというふうに記載をしております。
その理由は、1つは、外挿であっても、実際に278度ということでございますと、実験値の10度程度の小さい外挿であるということ。
もう一つは、米国で同じようなスクリーニングを設定しておりますけれども、そのスクリーニングとそれほど大きく違っていない。同じような材料で、日米で違う予測式のようなものをつくっておりますので、それほど大きな差がないというのが当然なんですけれども、同じような判断をしておる。これが技術的に正しいかどうかということは無論確認はできないのですけれども、一応、米国とよく似たような結果にはなっておるというようなことから、PLEX-PJの予測式を外挿ということでマニュアルをつくっております。
なお、加速試験データに基づく予測式を実機のデータで検証する必要性というのは、技術戦略マップにも掲げておりまして、今後、廃炉等の実機データを採取して評価していきたいというふうに考えております。
以上でございます。
関村主査
ありがとうございました。
前回のワーキングでの福島第一6号炉に対する書面審査の結果についてのコメント、お2人の委員からいただいたものについて、回答を事務局とJNESから説明していただきました。
それでは、この件につきまして御意見をいただければと思いますが、いかがでしょうか。
小林委員。
小林委員
これは私がコメントしても、結局、水掛論というか、多分、対処のしようがないと思うんです。私が申し上げたいのは、要するに、BWRでのフェライト量と使用温度で脆化が起きるという確証はどこにもありませんねと言っているだけなんです。そういうデータをつくりますかと言われると、つくる必要がありますかという問題になってしまうと思うんです。だから、私の頭にあるのは、一昔前に、2相ステンレス鋼という話ではなくて、一般のフェライト鋼、炭素鋼、低合金鋼が280度というBWRの温度で熱時効を起こす心配がありますねということが盛んに日本とアメリカで言われたんです。日本で、そのためにプロジェクトをやったんです。そして、何も起きませんという結論が出ているんです。
私の頭にあるのは常にそれで、図3-1の温度とフェライト量で、290度の結果からJ
1Cを予測して、それを外挿しますという線を推し進めていったら、要するに、フェライト量が多いほど脆化するわけで、フェライト量100パーセントというのがフェライト鋼なんです。だから、フェライト鋼は全部、低温で熱時効で脆化しますというストーリーになってしまう。それはないでしょうという話なんです。だから、おっしゃるとおり、脆化が起きない、脆化が起きないというのは、2相ステンレス綱であってもフェライト綱であっても、全部塑性崩壊で壊れるわけです。その境界がどこですかというのは、とにかく実験結果がないからわかりません。わからないけれども、どこかに境界かあるわけです。私が申し上げたいのはそれだけです。
それから、心配だから大きな欠陥を想定して、それでJがドライビングフォースで破壊解析やって安全性、それは違うと思うんです。だから、出てくるき裂としては疲労き裂しかあり得ないわけです。超音波はできなくても、ちゃんと放射線透過試験をやっていますから、内部欠陥として大きな鋳造欠陥というのはないんです。そうすると、表面から疲労き裂が入りますねという話で、それはVT3の検査で保証されているわけです。非常に小さな段階で見つけることができます。だから、脆化するかもしれないという心配で非常に大きな欠陥を想定して安全性を確保しますというのは、ストーリーとして私は間違っていると思います。ただ、脆化するかしないか、というのはやってみないとわからない話ですから、それはその通りなんです。
ただ、一番の懸念は、さっきから言っているように、事業者に脆化するかしないかというのを、試験を強要しますか、あるいは国がそういうプロジェクトをやりますかというのは、かなり無駄なことをやることになるなというのが私の感じです。あとは多分、水掛論で、解決はないと思います。しようがない。
以上です。
関村主査
ありがとうございます。
その点で、技術的な面から何かございますか。
原子力安全基盤機構 大崎室長
最後に申し上げましたように、これについて試験をするということは確かに、はっきり言って無駄だと思います。廃炉の実機のデータを取って、起こっていないことを確認するとか、あるいは予測式が適用できるとか、そういうことを確認していけばいいのではないかというふうに考えております。
関村主査
どうぞ。
庄子委員
私は違った意見なので、ちょっと。今、NRCのカーブと比較していますけれども、NRCは温度低いところまでずっと真横に引いています。NRCは多分、実機のデータを取っているんです。私は小林先生と違って、278度とか、その辺で脆化が起きると思っています。ただ、デルタフェライトが幾らかわかりませんけれども、この線を見ると、結構低いところまで真横に引いているんで、そういうデータは多分、公開文献にあるんではないですか。ないですか。
小林委員
その件は、ASMEのSec.11の高度コミッティーでずっと議論になっていて、そこに出てくる資料としては、なしです。なしだから困っている。もしそれがあれば、それなりのよりどころができる。
庄子委員
アルゴンヌのヒーモック・チャンという人が出した論文で、デグラデーションの範囲か、そういうところに実機から取った、多分、ポンプケーシングだと思いますけれども、たしか、こんな温度で脆化しているということを言っていたように記憶しています。調べてもらった方がいいかもしれません。
関村主査
その確認をしていただきたいと思います。
資料3の8ページに、JNESはマニュアルではこういうふうに書いていただいているものですから、指摘事項にせざるを得ないという点はしようがないというふうにお考えかどうかも小林先生にお伺いをしたかったんですが、この点を含めて、今のような御意見ということで承ってよろしいでしょうか。
小林委員
図3-1に関しては、私はとにかく低温側への外挿はできませんと、それだけです。温度絡みの予測というのは全部、高温で、要するに、温度と時間の換算則が成り立つという前提であって、それを低温側で予測するというのは、技術的には間違いだと思う。
関村主査
ありがとうございました。
そうなると、指摘事項の件も含めて、今あった議論を事業者側からもきちんと丁寧に御回答いただくのが適切であろうと、こんなふうに今の議論をまとめられるのかなと思います。
その他の意見、何かございましたら、お願いしたいと思います。橘高先生の方からのコンクリの件につきましては、よろしいでしょうか。
橘高委員
これで結構だと思います。
関村主査
ありがとうございました。
それでは、今の件も、後の3の資料で改めて出てくると思いますが、次の指摘事項の案の件につきまして御紹介をいただければと思います。
古郡電気工作物検査官
それでは、お手元のWG35-3の資料をごらんいただきたいと思います。「福島第一原子力発電所6号炉高経年化技術評価書等に対する指摘事項案」となっております。
従来は、審査結果という形で表題を示しておりましたけれども、新検査制度になりましてから認可ということになりましたので、認可の前に結果というのは言えないということになりますので、表題を変えまして、指摘事項案という形で示しております。
最初に「高経年化対策実施ガイドラインにおける要求事項に係る指摘事項チェックシート」というのを5枚ほど付けております。
その後ろに中表紙がありまして、別添ということで「経年劣化事象別指摘事項案」の目次となっております。このように、ガイドラインが改正されたことによりまして、6事象に対して事象ごとに整理しておることと、6事象以外のその他の事象、それから、耐震安全性について、この後ろに付けております。
まず、チェックシートの方ですけれども、保安規定に長期保守管理方針が書かれて認可をするということから、認可の基準といたしまして、高経年化対策実施ガイドラインをよりどころに認可の基準としているということから、従来は標準審査要領の審査項目ごとに審査書類の方をつくり込んでおりましたけれども、このチェックシートをごらんいただきますと、例えば、3/5ページをごらんいただきますと、ガイドラインにおける要求事項7といいますのは、30年とか40年の節目に評価したものを、その後、評価の見直しを行うときの要求事項となっておりまして、これに対するものは、参考の標準審査要領における審査項目の列をごらんいただくと、該当規定なしとしておりまして、実は、標準審査要領の方では、こういった途中途中の評価の見直しに対する要求は特にしておりません。当然、見直しの中で、当初の評価と同じような審査が行われるということから、特段、標準審査要領の方では、見直しに対応したものは設ける必要がないということから、このようになっておりまして、該当規定なしというものが存在したりしております。
同じように、ガイドラインでは要求事項がありますが、標準審査要領では該当規定なしといったものが、4/5ページ、5/5ページにかけまして実際はあるということになりまして、今後の審査の中では、こういった標準審査要領にない部分のガイドラインの要求事項に対しましても、書面審査、立入保安検査等で確認をしていくことになっております。
それから、指摘事項の有無の欄がありまして、本日の時点で指摘とすべきものが確認できないものは、今のところ「無」ということで書いておりまして、書面審査、立入検査等につきまして指摘有としたものにつきましては「有」としまして、指摘有の場合の内容を書いております。指摘有の場合の内容に書いておりますものは、このチェックシートの後ろに付けております事象ごとのものに対応したものをここで抜き出して紹介しているわけであります。
指摘事項有につきましては、この後、続きます1ページの方から御紹介したいと思います。それでは、お願いいたします。
※資料3は、企業秘密、知的財産に関わる情報を扱っており、非公開のため議事録は省略
前田原子力安全専門職
以上、具体的な事業者の報告書内容について、それぞれ劣化事象別に指摘事項の要否を評価した結果を御紹介いたしました。
関村主査
ありがとうございました。
新検査制度の下での高経年化技術評価について御審議をいただくということでございますので、今回は指摘事項案という形でおとりまとめいただいた資料で御説明いただきました。
それから、6事象と、その他の事象と、こういう考え方にのっとって、指摘事項があるものは御説明いただいたということでございますので、今までとは少し異なった進め方になっているというところを御留意の上、御議論いただければと思っています。いかがでございましょうか。
ございませんようでしたら、私から確認なんですが、耐震安全性の部分については、具体的な工事の仕様を確認する必要がある。
前田原子力安全専門職
そうです。
関村主査
この時点で指摘事項にしたということは、そういうことを事業者がきちんと後ほど提示をしていただいて、それをこのワーキングでまた確認をいただくんだと、そういうふうに理解すればよろしいでしょうか。
前田原子力安全専門職
まず、今はサポートを取るということで、想定でサポート位置を決めて、そのサポート条件で耐震安全上問題ないという評価になっています。具体的にサポートを設置する場所決め、あるいはサポート設置自体は認可マターではなく、事業者サイドで、我々としては確認するすべはないということですから、事業者がサポート設置場所を確定した時点で、その確定条件で再評価をしていただく。再評価結果については、我々として確認するということになると思います。
須之内調整班長
一応、確認した結果については、ワーキングの方で確認しましたということは言っています。
関村主査
この場で改めてやることが適切だと、そういうことですね。わかりました。指摘事項にしているというのはそういう意味だという理解でよろしいですか。
小林委員
はい。
関村主査
よろしゅうございますでしょうか。指摘事項として、このような形で提示をするという案でございます。
それでは、特に御意見がないということで進めさせていただければと思いますが、私から1点、8ページにあった例の熱時効の件でございますが、指摘事項はこのとおりで結構かと思いますが、前回はJNESのマニュアルも御説明をいただいて、それから福島第一6号炉に関して、この点を更に御審議をいただいた。小林先生からいただいたコメントというのは、福島第一6号炉の書面審査の結果に対するコメントであると同時に、JNESのマニュアルに対するコメントでもあると、そういう位置づけでございました。ということは、JNESにもコメントがあって、宿題が出ていると、そういう理解をさせていただいて、確認をしたいなと思うんですが、JNESとしてもそういう理解をしていただいていると、そういう御説明をいただいたというふうに考えてよろしいですね。ありがとうございました。
それから、もう一点、新検査制度で、6事象とその他事象をきちっと分けながら、非常に合理的な、現状保全をきちんと確認していくという仕組みづくりについて、私、先週、IAEAの場で、たまたまこういう紹介をするチャンスがあったんですが、そのときには、こういう中身を非常によくわかっていらっしゃるインターナショナルの方々は、日本は何と合理的なシステムをつくったんだと、非常に称賛の言葉をいただきました。多分、これから高経年化になっていくようなところにとってはまだ手の届かないようなところまで日本はいいシステムづくりを、規制も、それから、事業者自ら保全をPDCAの中で回しているという仕組みを含めて、そういう仕組みが回っているんだということについては、これは誇っていいことではないかなというふうに私も感じたところでございます。ちょっと余分な件なんですが、あえてコメントをさせていただきました。ありがとうございました。
それでは、この指摘事項案につきましては、このように取り扱わせていただくということで進めさせていただければと思います。
それでは、次の新規案件の敦賀1号炉の高経年化技術評価の件に進ませていただきます。今回は4の資料で、事業者の方から概要を御説明いただくということでお願いできればと思います。それでは、原電の方から、よろしくお願いします。
日本原子力発電
私、敦賀発電所で保守室長をやっております山下でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
お手元の資料4で、敦賀発電所1号炉の40年目の高経年化技術評価の概要につきまして御説明をいたします。
ページをめくっていただきますと、右下にシート番号が入ってございます。2ページでございます。目次がございます。大きな項目として6項目に分かれてございます。1番が新検査制度と高経年化対策の関係について、2番目が敦賀1号炉の経年劣化対策の現状についてでございます。3~5番目が高経年化技術評価の中身になってございます。6項目が敦賀1号炉40年目ということで、今回、40年目の評価で追加する評価がございます。こちらをまとめたものでございます。今日は、1番、それから、6番の項目を重点に置いて御説明を申し上げたいというように考えてございます。
3ページの「1.新検査制度と高経年化対策」でございます。先ほどからの議論の中でも一部お話が出ているところがございますので、その辺については割愛させていただきたいと思います。
4ページでございます。「高経年化対策の経緯と敦賀発電所の取り組み」でございます。上の図でございますけれども、国の検査制度がどのように変わってきたかという変遷、大きなところを記載したものでございます。それぞれの時期に応じて、下の方の「主な経緯」というところで、どのような内容がかったかというところを記載してございます。
大きなところでいきますと、平成15年10月、高経年化対策の実施について規定されたということでございます。
その後、18年1月ということで、やった結果についての報告の義務化でございます。
それから、長期保全計画に基づく保全対策を定期事業者検査の中に位置づけて検査を行うというものが18年でございます。
それから、平成21年1月につきましては、新検査制度の施行でございます。こちらにつきましては、従来の長期保全計画を長期保守方針に改めまして、保安規定の中での認可事項という形になってございます。
こういった対応の中で、敦賀1号炉といたしましては、30年目の高経年化の技術評価につきましては、平成11年2月に報告をいたしてございます。
それから、最近におきましては、新検査制度の施行ということで、21年1月1日からということで、長期補修方針に改めまして、保安規定の中で定めたということでございます。
それから、40年目の評価ということで、2月17日に保安規定の変更認可申請を実施したところでございます。この中で、長期保守管理方針の添付書類という形で、今回の高経年化技術評価書が付いていると、そういう関係でございます。現状におきましては、国の方で審査を開始していただいているという状況にあるということでございます。
5ページでございます。「高経年対策に関する新旧制度の比較」ということで、左側が従来の制度、右側がブルーで網かけしてございますけれども、新しい検査制度ということで記載してございます。
法律上は、高経年化の評価につきまして、保守管理の条文が移行したというところでございます。
それから、真ん中の規制要求というところでございますけれども、先ほどから申しましたように、保安規定の中に取り込まれて認可事項になったということでございます。
それから、フォローアップというところでは、従来は長期保全計画に基づく実施状況を、事後報告ということで、定検の都度、報告をしてございました。今後につきましては、定検前に保全計画書を届け出るという仕組みでございます。保全計画書の中には、長期保守管理方針に基づく保全の内容が盛り込まれているという結果でございます。やった結果等につきましては、安全管理審査等で国の御確認をいただくという仕組みでございます。
6ページでございます。保安規定の見直しということで、高経年化対策にかかわるところでございます。保守管理の基本的な考え方に、以下を新規に規定というところで、赤字で示した分が高経年化の評価等にかかわる部分でございます。点検計画の策定方針を記載する、それから、保全の有効性評価を実施するということでございます。当然のことながら、高経年化の技術評価の反映もこちらに入るということでございます。
7ページのシートでございます。こちらは、新検査制度における通常保全と高経年化対策の関係がどうなるかというものを書いたものでございます。右側に図がございます。黄色で示した部分が、新検査制度が入ったことによって新たに設けられたプログラムでございます。それから、ブルーの網かけがしてございます。こちらが、高経年化対策がどの部分に位置づけられるかというところでございます。下の方に高経年化技術評価があって、それに基づいて長期保守管理方針が定められる。この方針につきましては、保守管理の実施方針の中に取り込まれて、それから開始されるPDCAのサイクルにきちんと入っていくというシステムでございます。
もう少し具体的にしたものが8ページのシートでございます。こちらでは、赤で縁取りをしたところが例示として入れ込んだものでございます。高経年化の技術評価、左下の評価のところです。今回、30年目で行いました技術評価の炉心シュラウドを例に取って、どうなるかというところを記載してございます。現状保全の継続により健全性は確保されるということでございますけれども、損傷事例等を調査し、その結果を適切に保全計画に反映するということでございます。これが長期保守管理方針のところで受けられた形になってございます。維持規格等に基づく点検を実施する。それから、研究成果等につきまして、適切に反映していくというようなことでございます。こういったものが保守管理の実施方針に取り込まれた形で、今後につきましては、保全計画の策定というところにつきましては、先ほど申しました保全計画書というところで、定期検査の前に届け出る書類の中にこういったものが取り込まれていくといことでございます。
それから、保全の有効性評価につきましても、高経年化技術戦略マップ等産官学等で行われております研究成果等もインプット情報として入りまして、こういう新しい知見を取り込んで有効性をきちんと評価されるということでございます。
続きまして、9ページでございます。こちらは、先ほど話題になりましたけれども、ガイドラインの話でございます。左側が現行の高経年化評価で、右側がガイドラインの中の枠組みを示したものでございます。こちらが通常保全の範囲でやるもの、それから、10年ごとの経年劣化管理としてPSRの中でやるもの、一番下は高経年化技術評価ということで、30年以降の定期的な評価ということでやっていくものでございます。
この部分の詳細につきましては、次の10ページでございます。高経年化技術評価につきましては、先生方御案内のとおりの評価フローになってございます。先ほど6事象のお話がございました。ガイドラインの中では、経年劣化事象を限定する条件というものが記載されてございます。これが右側の黒の縁取りをした部分でございます。日常的な保守管理において、劣化管理が的確に行われている経年劣化事象については、評価を行いまして、高経年化対策上着目すべき劣化事象を抽出することを要しないというようなことでございます。ただし、この場合におきましては、日常の劣化管理事象の管理の考え方等において、そういうものを技術評価書の中に明確に記載するというのが条件となってございます。
これに対して、敦賀1号炉の状況がどうかというところを左側の矢印で飛ばしたところでございます。敦賀1号炉の現状につきましては、新検査制度下での保全プログラムの運用というのはまだ開始されていないという状況でございます。したがいまして、今回の評価につきましては、6事象、または原子力学会標準の8事象等に限定したものではなくて、劣化メカニズムまとめ評価で抽出した劣化モードすべてで評価したということでございます。
11ページは、それでは、劣化メカニズムについて、どのように整理したものを用いて今回の評価を行ったかというものを示したものでございます。右側が劣化メカニズムの整理表の現状を示してございます。原子力学会のまとめ表、それから、電事連技術基盤チームの中で検討したもの等を併せた劣化メカニズム整理表検討会というものを電事連の中で設けまして検討をしているというものでございます。ここでできたものを当社の敦賀1号炉の方に生かしているということでございます。
下の方に、原子力学会のまとめ表につきまして、※をつけて注書きをしてございます。こちらは、過去の14プラントの評価を基にまとめたものでございます。これにつきましては、その後の知見等を取り入れて適宜改定していくことになってございます。基本的には、年1回程度、追補版が発行される予定というふうに伺っております。
この整理表を用いまして、敦賀1号炉につきまして評価を行っているというのが左側でございます。現状におきましては、敦賀1号、敦賀2号、東海第二で、保全プログラムの中で保全内容の決定表等を作成してございます。数が多いものですから、今は重要な設備を優先的に、策定がほぼ終わっているという状況でございます。今後、対象設備を広げていって、すべてのものをつくり上げるという計画でございます。
続きまして、12ページ以降、敦賀1号炉の経年劣化対策のこれまでについて御紹介したいと思います。
13ページは「敦賀発電所1号機の概要」でございます。国内唯一のBWR-2という型式のプラントでございます。特徴としましては、ジェットポンプがないということで、再循環ループが3ループあるというものでございます。
続きまして、14ページでございます。運転開始以降の設備利用率等について記載したものでございます。累積平均設備利用率は67.4パーセントでございます。前回、30年目の評価をいたしました。その時点の平均設備利用率と40年のものを比べますと、1ポイントぐらい向上しているという状況でございます。
15ページは計画外停止の回数を示したものでございます。近年におきましては、年1回弱というところでございます。
次のページに最近の停止事象の一覧を記載してございます。こちらにつきましては、30年目の評価期間以降のものを挙げたものでございます。この中で回数的に多いのが、原子炉再循環ポンプのメカニカルシールからのシールリークによるものが4回含まれてございます。現状、これらについてもいろんな調査をやって、対策に向けて検討を行っているという状況でございます。
17ページは、主な設備更新等の実績について記載したものでございます。横軸は年数になってございます。前回、30年目の評価を行った後のもので見ますと、SCC対策としては、炉心シュラウド等の取替えを行ってございます。それから、5.照射脆化の部分では、第6回目の監視試験片の取出しを行ってございます。こういったデータを今回の評価の中で生かしているという状況でございます。
次の18ページは、それをプラントの概略系統に落とし込んだものでございます。多くの設備が更新されているというものを示した絵でございます。
19ページ以降、技術評価の中身に入ります。
20ページは、実施体制でございます。評価書の方に記載されてございます。発電所を中心にして、評価を行ってございます。あとは必要な社内の委員会を経て、あと、第3者レビューということで、東海第二発電所の方でレビューをしてもらっているという状況でございます。
21ページでございます。「40年目高経年化技術評価の流れ」でございます。基本的には、30年目の評価と同様の手法で評価をいたしてございます。右側に40年目の追加評価というところがございます。大きな項目として3点ございます。経年劣化の傾向評価、これは30年目の評価との比較をいたしてございます。それから、真ん中が保全実績の評価でございます。30年目以降の10年間の保全実績について評価するということでございます。それから、一番下、3点目でございます。長期保守管理方針の有効性の評価。この3点が40年目の評価ということで追加した項目でございます。詳しくは後ほど出てまいります。
次の22ページでございます。こちらは評価対象の選定の流れでございます。特段、今回の評価と変わったところはございませんので、割愛させていただきます。
それから、23ページでございます。「経年劣化事象の抽出」でございます。特段、大きな、先行プラントの変更点はございません。割愛させていただきます。
24ページは、抽出結果の例を示したものでございます。
25ページから、技術評価の手法について説明したものでございます。この部分も従来からの先行機と同じでございます。25ページは、原子炉圧力容器の疲労について記載してございます。この中では、実過渡回数を出しまして、それに基づいて60年の評価を行ったというものでございます。併せて、環境を考慮した疲労評価も行ってございます。
26ページにまいります。耐震安全性評価をどのようにしたかというところでございます。左側のフローは、耐震安全性に影響する経年劣化事象の抽出をこういったフローで行ったということでございます。これも先行機と同じでございます。
右側の方でございます。評価条件というところがございます。今回の評価につきましては、敦賀1号炉の新指針における基準地震動Ssにつきまして、今、検討中でございます。まだ確定してございません。そういった関係から、今回の評価につきましては、旧指針の基準地震動を用いて実施してございます。今後、耐震バックチェック等終了後に、新しい指針での再評価が必要であるという認識でございます。
それから、2つ目の項目が、先ほども追加サポート等を条件にした評価というお話が出ておりました。敦賀1号炉につきましても同じでございます。現在、32回の定期検査を実施している最中でございます。配管減肉を考慮した一部の耐震評価につきましては、その中でのサポート追設等を前提条件とした評価を行ってございますので、福島第一6号炉と同じような条件にあるということでございます。
27ページからは「技術評価結果の概要」を示してございます。
28ページは、大きな項目について図の中に書き入れたものでございます。例えば、上の方、原子炉圧力容器の中性子照射脆化というところでございます。この部分につきましては、脆化を考慮した温度管理と非破壊検査を継続するということで、健全性は確保可能であるという評価でございます。今後、監視試験片がもう一つ残ってございます。これは規格に基づいて、今後、取出しの計画を立てるということ。それから、これは運転年数にもよるんですけれども、試験片の再生技術等の適用も今後検討していくということでございます。
それから、29ページでございます。高経年化技術評価結果と長期保守管理方針の関係について記載したところでございます。
2つ目の項目でございます。一部の機器につきましては、追加して実施すべき項目を、今回、長期保守管理方針としてまとめてございます。これを保安規定変更認可申請ということで、今、提出したところでございます。
その下に代表例というところがございますけれども、こちらにつきましては次のページにもございますので、そちらを見ていただきたいと思います。
30ページでございます。対象機器、部位、それから、経年劣化事象ごとに高経年化対策の概要というところで出してございます。あと、実施時期につきまして、短期と中長期ということでございます。これは5年以内と、5~10年といった中長期的なもので分けてございます。
原子炉圧力容器の中性子照射脆化につきましては、次回の監視試験計画を実運転相当期間、32EFPYになるまでにつくるというのが1点目でございます。それから、残存試験片が1組ということで、その後の運転につきましては、試験片の再生技術等の適用を検討する必要があるということでございます。こういったものが長期保守管理方針として掲げたものでございます。
31ページは、高経年化の技術評価のスケジュール関係についてお示ししたものでございます。現状におきましては、真ん中の列になりますけれども、40年目高経年化評価というところでございます。2月17日に申請したというお話と、それから、40年目は2010年3月14日でございます。認可をいただいた後は、今回の長期保守管理方針が効力を発するということで、それ以降は40年目の長期保守管理方針に基づいた追加保全策を実施していくということでございます。それから、耐震バックチェックに基づく高経年化耐震評価につきましても、今後、作業が発生するということでございます。
32ページ以降、主要な機器の個別の評価の結果について記載をしてございます。
33ページは「主な劣化事象の評価結果」という見出しでございます。
34ページは「原子炉圧力容器の中性子照射脆化」でございます。1~4と、健全性評価、現状保全、総合評価、高経年化への対応ということで記載してございます。
3の部分でございますけれども、60年運転時点での原子炉圧力容器の最低使用温度は、これは関連温度の移行量等を加味した結果としての最低使用温度でございます。こちらにつきましては、JEAC4201の2007年度版、それから、2004年度版の両方で評価をしてございます。これは表に掲げているものでございます。いずれにしましても、2007年度版で評価して、60年時点で78度ということでございます。運転管理の中で十分管理が可能な温度であるという結論でございます。
4の高経年化への対応につきましては、先ほど申しましたようなことを記載してございます。
それから、35ページ「疲労」についての評価結果でございます。こちらにつきましても、現状の規格に基づいて、それから、環境を考慮した評価をやってございます。右下の方に表を記載してございます。
それから、36ページにつきましては「応力腐食割れの評価」でございます。こちらでは、4の高経年化への対応の部分で、新しい知見等が出た場合には、追加の点検等や必要な措置を講じていくというのが1点目でございます。それから、排ガス系統というものがございますけれども、こちらにつきましては、一部について、今後、計画的な超音波探傷検査による健全性の確認を行っていくというのを追加保全という形で掲げてございます。
それから、37ページ「絶縁特性低下」というところでございます。こちらにつきましては、電気ペネトレーションの評価におきまして、熱加速の評価において、60年時点での健全性の確認というものは出てこなかったということで、46年の健全性の確認を実施しているという形でございます。
高経年化への対応につきましては、今、やられています研究等の成果を反映するというものが1点目。それから、現状保全の継続と、計画的な電気ペネトレーションの取替え等を追加保全策として挙げてございます。
38ページは「配管の減肉」でございます。こちらは私どもの管理マニュアルで知見等を反映して減肉管理を行っていくということでございます。
それから、39ページ「コンクリート性能劣化」につきましては、基本的には現状保全を継続すれば問題ないという評価結果でございます。
40ページでございます。先ほどから話題となっております「熱時効」に対する評価でございます。今回、JNESのマニュアルに基づいた評価を行ってございます。
それから、41ページは「耐震安全性評価の例」でございます。左下の評価の流れということで、補強工事を前提とした評価を行っていますということ。それから、必要最小厚さでの評価から、余寿命に対応した評価というものをやるということで、幾つかの系統でこういったことを実施しているということでございます。1つの系統におきましては、50年での耐震安全性を評価したという形になってございます。これらについては、減肉の余寿命管理と併せて、今後きちっと管理をしていく必要があるという結果でございます。
42ページは、耐震安全性につきまして、それぞれの劣化事象に対して、評価結果はどうだったかというのをまとめたものでございます。敦賀1号炉のユニークの部分はございません。
43ページからが「40年目の評価で追加する評価」というところでございます。
44ページに追加する評価の全体像を示してございます。ガイドラインの方で、40年目での追加評価はどんなものが必要かということが記載されてございます。大きく分けまして3点でございます。経年劣化傾向の評価は、30年目の評価との比較でございます。2点目が保全実績の評価。これは過去10年間の保全を評価するということでございます。3点目が長期保守管理方針の有効性を評価するということで、これは30年目に策定した長期保守管理方針がどうだったかというものを評価するということでございます。
概略につきましては、その下の表に記載してございます。例えば、低サイクル疲労につきましては、原子炉圧力容器等を対象に、1番の経年劣化傾向の評価につきましては、60年時点の疲れ累積係数、それから、実過渡回数の予測値がどうかというのを評価しております。これは30年、それから、40年の時点での比較評価をやっているということでございます。
2の保全実績の評価におきましては、過去10年間の保全実績、検査実績等を個別に評価しているということでございます。
3点目の長期保守管理方針の評価につきましては、30年目の予測評価の妥当性がどうかといったところを評価しているということでございます。
具体例が45ページから記載してございます。45ページは、経年劣化傾向の評価の30年目の評価との比較例でございます。それぞれの機器、部位ごとに、30年目、それから、40年目でのU
Fを記載してございます。相違理由につきましては、実過渡回数を反映したということ。それから、括弧の中は環境疲労評価の値を記載してございます。こちらにつきましては、予測式を最新のものを適用したということで数字が変わったという結果でございます。
続きまして、46ページでございます。同じく「経年劣化傾向の評価(30年目評価との比較)の例」でございます。こちらは中性子照射脆化についてでございます。それぞれ30年目の評価、それから、40年目の評価の数値関係を記載してございます。相違の理由につきましては、第6回の監視試験片の結果を反映してございます。
それから、評価手法といたしまして、関連温度の初期値をJEAC4206に基づく評価値に変更した。それから、JEACの最新のものに上部棚吸収エネルギーの予測を変えたといったところでございます。
それから、47ページが、評価の2点目の保全実績の有効性をどのように評価したかというところの評価例でございます。30年目の評価におきましては、SCC感受性の高い部位の計画的な点検、取替えや予防保全対策の保全計画へそういったものを取り込むというのが、30年目時点での評価でございました。
それに対しまして、1の保全の内容のところでございますけれども、炉心シュラウドを初め、炉内構造物の取替えを2000年の定期検査において実施してございます。
その取替えにおきましては、2の保全実施状況の評価のところでございますけれども、それまでの研究成果等を取り入れまして、それぞれの部位で最適な予防保全策となるような手法を用いて適用したというものでございます。
こういった観点から評価を実施しまして、今後も維持規格等に基づいた検査等を継続していけば、炉内構造物の健全性は確保できるんではないかというような評価をいたしてございます。
48ページは、3点目の長期保守管理方針の有効性をどのように評価したかということの例でございます。こちらは、30年目の技術評価におきまして、18項目の追加保全策を掲げてございます。それらにつきまして、逐次有効性を評価したというものでございます。
例といたしましては、低サイクル疲労割れについて、実過渡回数に基づく評価を実施してございます。その有効性につきましては、今の設計・建設規格に基づいた運転開始後の60年時点の健全性評価を実施してございます。それから、最新知見、過渡実績を反映した健全性の評価をいたしまして、問題がないことを確認したということでございます。
こういったことから、30年、それから、40年の評価におきまして、大きな相違はないというようなことから、前回打ち出した長期計画保守管理方針は妥当であったというような評価を私どもとしていたしてございます。
49ページは「40年目の評価で抽出された長期保守管理方針」でございます。こちらにつきましては、1つ目の項目は、運転開始後40年を迎える、来年になりますけれども、2010年3月以降、効力が出るということでございます。
それから、今回、新たに追加すべき保全項目として11項目を抽出してございます。それらにつきましては、長期保守管理方針ということでまとめたことを記載してございます。
次の50ページがその項目でございます。こういったものを今後、保安規定の認可等を受けた後、きちっと保守管理のサイクルの中に取り込んで管理をしていくということでございます。
51ページは「まとめ」でございます。60年の運転期間を仮定しても、今後も健全性を維持できるという評価をしましたということでございます。
それから、追加すべき項目につきましては、長期保守管理方針として策定したということでございます。
以上、長くなりましたけれども、我々の説明でございます。どうもありがとうございました。
関村主査
ありがとうございました。
それでは、ただいまの敦賀1号炉の高経年化技術評価書の概要について、事業者の方から御説明いただきました内容につきまして、御質問等ございましたら、お願いしたいと思います。
どうぞ。
大木委員
37ページに、一部の電線のペネトレーションのところで、46年の健全性を確認というか、46年しか確認できなかったということを受けて、50ページに、短期として、管理方針の項目の中にペネトレーションの気密性・絶縁特性低下というのが挙がっていると理解してよろしいんでしょうけれども、具体的にはどのようなことをされるか、お答えできますでしょうか。
日本原子力発電
電気ペネトレーションにつきましては、過去に取り替えたものも多くございます。今回、評価をやった結果として、高圧ケーブルが入っているようなものについては、実際の温度上昇を考慮すると、やや厳しいという評価がございます。そのようなものを中心に、今後、短期の取組みの中で、我々としては取替え等の計画をいたしたいということでございます。
大木委員
気密の方なんですか、それとも絶縁の方なんですか。
日本原子力発電
IEEEという、いろんな試験項目の中の、一番機密性を重視しておりますが、こちらの方のところで、シール剤のところです。
大木委員
機密性の方が問題になっているんですね。
日本原子力発電
そうです。
大木委員
具体的にはどういう対策を考えていらっしゃるんですか。
日本原子力発電
今、使っているものがキャニスターというものでございまして、現在主流であるモジュール型というものに取替えを計画するということで考えております。
大木委員
わかりました。
関村主査
小林委員。
小林委員
事実関係の確認で教えていただきたいんですが、18ページの「経年化事象に対する取組み」の絵で、圧力容器の図があって、その圧力容器の上鏡の下のところに、左側にオレンジのマークがしてあって、その引込線が「応力腐食割れ対策(原子炉圧力容器配管接続部等取替)」となっていますけれども、配管というのは、図でわかる炉心スプレー系の配管と読んでよろしいですか。接続部等ということの意味と、その2つを教えていただきたい。
日本原子力発電
ここは、代表例として炉心スプレー系のところから引出線をしてございます。もともとステンレスの材料を使っていましたところ、ほかの系統もございまして、そういうところも含めて配管取替え、例えば、カーボン台の取替え等を実施してございます。ここでは一応、代表例ということで、炉心スプレー系のところから引出線を引いたということでございます。
日本原子力発電
これはシュラウド取替えをやっていますので、そのときに併せて取り替えたということです。
小林委員
応力腐食割れが出たわけではなくて、対策として取り替えたと、そういう理解でよろしいですか。
日本原子力発電
そうです。ここでは昭和50年以降、年数かけてやってきたものを記載したと、そういうつもりでございます。
小林委員
スプレー系以外にもありますということですね。
日本原子力発電
ございます。
小林委員
よく理解しました。
もう一つよろしいですか。しつこくて申し訳ないけれども、40ページで、熱時効の評価フローは理解しているんですが、フローの右側の菱形にいく手前のところで「き裂進展解析に基づく評価用貫通き裂に対するJappを決定」の上で「配管破損防護設計規格」を参照して初期き裂を設定したと、これはどうしてですか。要するに、LBB評価の想定き裂をそのまま持ってきたということね。
日本原子力発電
はい、さようです。
小林委員
ほかに想定のしようがないから持ってきたぐらいの単純な話。
日本原子力発電
はい、さようです。
日本原子力発電
先ほど、き裂が入って、モードとして何を考えるかというお話もございましたけれども、そういった関係でございます。
小林委員
要するに、想定き裂で不安定解析しなさいというストーリーはあるんだけれども、想定き裂の想定のしようがないという話ね。
日本原子力発電
何を想定するかということです。
小林委員
わかりました。確認です。
関村主査
飯井委員。
飯井委員
41ページなんですけれども、復水系の配管については50年時点での耐震安全性を確認されたということなんですけれども、何回分の肉厚計測データを基に判断されたのかということと、それから、高経年化への対応として、適切な時期での対策を実施ということなんですが、肉厚測定を継続しという条件がついておりまして、この時期と、バックチェックの時期との関係はどうなっているか、この2点を教えていただきたいと思います。
日本原子力発電
回数については、今、測定ができかねます。
それから、バックチェックとの関係でいくと、耐震バックチェック自体、Ssを決めて、耐震のSクラスのものについて、バックチェックで確認するという形になります。今、言っている復水系につきましては、タービン側の系統でございまして、Sクラスには属さないというものでございます。したがいまして、その辺のものについては、バックチェックの中では評価の対象から除外されるということでございます。
関村主査
では、1点目の御質問については、次回に御回答をしていただきたいと思います。
日本原子力発電
今、即答できませんので。
関村主査
ありがとうございました。
橘高委員、どうぞ。
橘高委員
全体の書きぶりで、安全であるというような、文章で示されているんですが、例えば、具体的な数字のようなものがもう少しあるといいかなと思ったんです。特に39ページのコンクリートの性能で、熱とか放射線とか中性化、塩分、問題はない、ないという書き方で、その根拠となる中性化の深さとか、その辺の数字が示されていないんですが、その辺はどうなんですか。
日本原子力発電A
評価書の中には記載があります。
橘高委員
こちらの方ですか。
日本原子力発電
はい。
橘高委員
これも見たんですが、どこにあるか、よくわからなかった。
日本原子力発電
分厚い方の、個別の機器の評価の中です。
橘高委員
ときどき数字が出ているのもあったから。
日本原子力発電
別冊の1/2の10番というところにコンクリート及び鉄骨構造物の評価書がありまして、この中に具体的な数値は全部記載してあります。
橘高委員
ああ、そうですか。では、これを信じて。
前田原子力安全専門職
今から我々は審査に入りますから。
橘高委員
あったとか、してあるとかという書きぶりになっているので。
須之内調整班長
JNESに書面審査を依頼しておりまして、次回のワーキングのときに詳細御報告ができることとなっております。
橘高委員
過去形で「安全である」とかという書きぶりになっているので、その点はちょっと言い過ぎかなという気がしただけですから、わかりました。
前田原子力安全専門職
今、申し上げたように、国の審査としては、今、書面でやっていますし、その裏取りとして、また立入検査等で数値の根拠であるとか、内容の確認はしていきます。その結果については、先ほど御紹介したように、指摘にするとかしないとかという形で、数値等を含めて、もう一度御紹介することになります。だから、今の資料は、事業者は、ちょっと言葉はよくないですが、一方的に言っているというふうに理解しております。
関村主査
ではあっても、御質問はちゃんといただくべきだと思います。今の時点では、そのような、具体的なところには入り込まない内容で御説明いただいたということでよろしいでしょうか。ありがとうございました。
平野委員、どうぞ。
平野委員
48ページで、長期保守管理方針の有効性の評価の考え方を教えてほしいんです。私のイメージとしては、10年前に18件の、これからの10年間で追加的にやっていく項目というのを提示されたわけで、今の時点で10年たってみて、それをきちっとやってきました、その結果、経年劣化に関するトラブルは起きていませんという、それが基本的な論理と考えていいですね。
日本原子力発電
基本的な考え方でございます。
平野委員
ただ、ここに書いてあることは、読んでもよくわからなかったんですけれども、30年目の健全性評価の予測が妥当であったとか、論理はそっちではなくて、追加的にやってきた点検が有効であったというところがポイントなのではないかなと思ったんです。
それから、その下に、安全基盤研究については反映すべき項目はなかった、これはいいのかもしれないんですけれども、この辺をどういうふうに言うかというのはちょっと気になる。いろいろ研究はなされてきて、この辺はどういうことをやられたのかなという、その2点を教えてほしいなと思います。
日本原子力発電
先ほど44ページの方で、追加する項目という形で3つを挙げてございます。それぞれ、経年劣化傾向として30年と40年を比較して、大きくかぶっているようなところがあるかというようなところが1点目です。
それから、保全実績は、その後の10年間の保全がなされたか、その結果がどうだったかというようなところでございます。それから、今、御指摘のあった長期保守管理方針が有効だったかどうかということでございますけれども、この部分については、結論的に言えば、先ほどおっしゃったように、機器等の健全性がきちんと40年時点においても維持できているかどうかというのが、この3つを評合した結果としては、そういうことではないかというふうに私ども考えてございます。
平野委員
少し論理を整理していただいて、こういう順番で説明して、有効性がこれでOKだよという、その論理を整理してもらうことが重要だということと、安全基盤研究については、この期間、こういうものが出てきているけれども、こういう理由で反映すべき項目はなかったんだよというふうに言ってもらうのが一番わかりやすいんではないか、そういう印象です。
関村主査
我々、この制度作りも含めて議論したときに、今、平野委員がおっしゃったように、長期保守管理方針の有効性評価というのはまさに個々の保全というのが有効であったかというところを示していただくので、そういう理解をしてきたんですが、前半で事業者が御説明いただいた内容は必ずしもそういうところに焦点を当てていないんだなというところが見えましたので、その点は事業者側と保安院の側も少し御検討いただいて、今後の書面審査等で論点として整理をいただいた上で御検討いただきたいと思います。今のコメント、非常に重要な点だと思いますので、もし事業者からも更に追加して御説明いただく点があれば、次回以降でお願いをする可能性もあるのかなというふうに思います。
平野さん、そういうところでよろしゅうございますか。
平野委員
全くそのとおりだと思います。
関村主査
では、山口委員。
山口委員
45ページの疲労評価のところの見方を教えていただきたいんですけれども、60年時点での予測で、30年目の評価と40年目の評価がありますけれども、30年目の時点で60年後を予測したのが、例えば、炉容器の給水ノズルの0.056、40年目になって0.0374に下がりました、これは実過渡の10年間の実際の運転サイクルを反映したために、これだけ裕度をもって評価していたんで下がりましたという意味でよろしいですね。
日本原子力発電
基本的にはそういうことでございます。
山口委員
例えば、配管の方なんですけれども、配管は特に10年間の反映というのは書いていないんですけれども、逆に配管の方は、40年目の評価の方は、損傷係数が上がっているというようなことになる、この辺はどういうふうになりますか。
日本原子力発電
1つは、30年目の評価につきましては、過渡の組み合わせを実際に起きた過渡の順番で組み合わせております。それに対しまして、今回、40年目の評価におきましては、建設時に行いますように、ランダムに、要するに、一番高いものの順番につぶしていくというふうな組み合わせをした結果、今回の方が上がっている数値が幾つかございます。
山口委員
ということは、評価のやり方を変えられたということ。
日本原子力発電
さようです。
山口委員
実際の実過渡の10年間の反映は、これは入っているんですか。
日本原子力発電
入っております。
関村主査
よろしいでしょうか。
それでは、庄子委員、どうぞ。
庄子委員
長期保守管理方針の11項目の中のSCCのところで、3つありますけれども、ステンレス綱等の等というのは、ニッケルを含んでいるんですか。文章の方にはニッケルがあったような気もするんです。
あと、粒界型の応力腐食割れは溶接金属も含めての話と考えてよろしいんですか。多分、ニッケルを言っているのかなと思うんです。もしかすると違っているかもしれない。
日本原子力発電
セーブエンド部でニッケルを対象にしています。
庄子委員
あと、粒界型応力割れというのは、母材ではなくて、溶接金属も熱影響等も含めて出てくる。
日本原子力発電
基本はHAZです。
庄子委員
最近、JNESなどのデータで、デポで、SUS316系の進展のデータが出ている。
日本原子力発電
SUSのデポはありましたか。
庄子委員
なかったですか。ありましたよ。固さの違うところで。それが低炭素綱のラインよりも少し上に出ているとか、そういうデータがあったと思います。
日本原子力発電
私どもは、SUSのデポは、対象という形ではとらえておりません。
庄子委員
例えば、東電の、あるいはシュラウドの方、再循環配管もそうかな、一部デポに入ったようなき裂もありますし、たしかJNESの安全研究の中で、SCCでSUS316Lの溶接金属が固くなっているんで、それが割と進展するのが早かったというデータもあるので、先ほど安全研究で何も反映するものはなかったと書いてあったので、そういうことをきちんと踏まえた上でそうおっしゃっているのかどうか。
原子力安全基盤機構 大崎グループ長
JNESの方でも確認させていただきますけれども、基本的には、私の理解は、溶接金属で、ステンレス鋼の場合で、SUS304とかSUS316の溶接部で割れが発生したことはないということをおっしゃっておりまして、安全研究の技術指針の方は、そこまでデータを取っているか、それは確認させてください。
庄子委員
福島のあれだって、一部張り込んでやっている。
原子力安全基盤機構 大崎グループ長
それはございます。
庄子委員
もう一つ、これは高経年化とは関係ないですが、メカニカルシールで4回止まったというのは、高圧で、それとも減圧運転しているときですか。
日本原子力発電
定格で運転中です。
庄子委員
ああ、そうですか。これはもう取替えとか、そういう対象ではない。
日本原子力発電
電協研等で開発したものを適用しておりますけれども、その中でそういうリークが発生しているということでございます。今、そういうものについても、いろんな調査等をやって、対策が講じられないかということで検討を進めているという状況でございます。最近多いというところがあります。
関村主査
よろしゅうございますでしょうか。それでは、敦賀1号炉の件につきましては、今後の取扱いについては、後ほどの資料で御説明いただくことにしまして、次のその他事項としての議題の方に進ませていただきます。5の資料につきまして、吉田さんの方からでしょうか、よろしくお願いします。
吉田高経年化対策技術係
それでは、資料技術評価WG35-5の資料に基づきまして説明をさせていただきます。
まず、本日、概要を御説明いただきました敦賀発電所1号炉につきましては、平成22年3月14日をもって運転開始から40年目を迎えることになります。こういった中で、日本原子力発電より、2月17日に保安規定変更認可申請書が当院に提出されました。同申請書の中に高経年化技術評価書及び長期保守管理方針が添付されております。
この提出を受けまして、当院といたしましては、保安規定認可の審査を行ってまいりますが、審査を行うに当たり、標準審査要領をよりどころにするとともに、当ワーキンググループにおいてこれまで審査してまいりました9プラントの審査実績を踏まえて審査を行ってまいります。
また、前回ワーキンググループにおいて御説明いたしました40年目に追加する項目、30年目の評価において実施いたしました評価結果との比較検証、また、過去10年間の保全実績の有効性の評価、長期保守管理方針の有効性の評価につきましても審査を行ってまいります。
以下に具体的なスケジュールをお示ししておりますが、今後は福島第一発電所6号炉と敦賀1号炉を並行して審査を進めていくことになります。
まず、福島第一6号炉号炉でございますが、本日、指摘事項について、当院、またJNESよりお示しさせていただきました。次回ワーキンググループにおきまして、指摘事項に対する回答をいただく予定になっております。
また、敦賀1号炉でございますが、本日、概要を御説明いただきましたが、次回ワーキングにおきましては、JNESより技術的妥当性確認結果をいただく予定になります。5月上旬に立入検査を行う予定になっております。以降の予定につきましては、それぞれの進捗状況に応じて順次、審査を詰めていきたいと思います。
以上でございます。
関村主査
ありがとうございました。
今後の審議、ワーキングの予定も含めまして御説明いただきました。何か御質問ございますでしょうか。
「以降の工程は進捗状況による」というのは、審査をされる進捗状況という意味と、福島第一6号炉、それから、敦1もそうだということでございますが、耐震の工事の進捗も含めたような意味で進捗というふうに書かれていると理解してよろしいですか。
吉田高経年化対策技術係
はい。
関村主査
わかりました。それでは、基本的にこういう考え方で進めさせていただくということでよろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
関村主査
ありがとうございました。
それでは、もう一つ、その他の事項の資料がありまして、6でございます。これは古郡さんですね。よろしくお願いします。
古郡電気工作物検査官
それでは、WG35-6の資料を御説明いたします。「日本原子力学会標準『原子力発電所の高経年化対策実施基準2008』の技術評価に向けて」というものであります。
保安院では、平成20年2月に開かれました炉小委(第20回)におきまして、学協会規格の規制への活用の現状と今後の取組みについて御報告しておりまして、この中で、学協会規格の技術評価計画の1つとしまして、日本原子力学会の標準であります「原子力発電所の高経年化対策実施基準」を対象としておりまして、実用発電用原子炉施設における高経年化対策実施ガイドラインの中でエンドースすることが予定されておりました。
一方、学会の方では、標準を平成19年3月に2007として初版を発行されております。その後の新検査制度の導入等に対応するために、4つほどのポイントとした改定が行われておりまして、1つ目にありますように、高経年化対策の定義を見直し、運転期間に応じた経年劣化事象に対する活動内容を整理し、保全プログラムと連携した実施内容を規定した。
2つ目としまして、高経年化技術評価を実施した原子力発電所の知見を基に、原子力発電所を構成する機器ごとに想定される経年劣化事象を「経年劣化メカニズムまとめ表」として附属書(規定)に規定しております。この(規定)というのは、まとめ表が附属書でありながら、標準の本体そのものと扱うという意味での(規定)と書いております。
3つ目としましては「経年劣化メカニズムまとめ表」に基づく経年劣化管理を運転初期から実施することの要求を規定しております。
4つ目としまして、10年ごと及び運転開始後30年以降の高経年化対策について、各経年劣化事象に対して実施する標準的な評価の指標を附属書(規定)に規定しております。
このような改定が行われまして、前月2月に「原子力発電所の高経年化対策実施基準:2008」として発行されておりまして、1,000ページを超える大部の規格となっております。1,000ページのイメージといたしましては、お手元に立てかけてありますキングファイルの厚さに相当するような1冊分の厚さですけれども、このぐらいの厚さになっております。 当院では、このような状況の中で、実施基準2008について、高経年化対策実施ガイドラインの中でのエンドースに向けた作業を進めているところであります。
今後のスケジュールといたしましては、このような大部でありますところから、事務局審査、評価書案・ガイドライン改正案を、2か月程度かけまして、5月までには作成を終えまして、6月に炉小委の方の関係ワーキングと本高経年化技術評価ワーキングの合同会議で審議を行う予定としております。その後に炉小委で審議を行います。7月には技術評価書案とガイドライン改正案の意見募集、いわゆるパブコメを30日間かける手続になっておりますので、7月をこれに当てます。それを経まして、特段の大きな変更がなければ、8月には技術評価書の発行、ガイドラインの改正、いわゆるエンドースを完了する予定でおります。
それから、学会としては、エンドースを受けるものの初めての例となると伺っております。
以上でございます。
関村主査
ありがとうございました。
それでは、今、技術評価、エンドースをやっていただけると、こういう方向性についてお示しいただきましたが、何か御意見、コメントいただける点ございますでしょうか。
小林委員。
小林委員
確認なんですが、私、原子力学会の組織とか、規格作成の組織がどうなっているかよく知らないんですが、機械学会とか電気協会と同じように、規格作成の委員会があって、そこに保安院とかJNESさんが参加して十分討議しているということはあるんでしょうか、ないんでしょうか。
関村主査
私からお答えさせていただきますが、そのとおりでございまして、機械学会、電気協会と同様な仕組みを持っております。
小林委員
わかりました。
関村主査
よろしいでしょうか。それでは、このような形で保安院の技術評価を進めていただければと思います。よろしくお願いをいたします。
それでは、予定しました議事は以上でございますが、委員の方々、何か追加してコメントいただく点等はございますでしょうか。本日の福島第一6号炉の件、それから、敦賀1号炉の件及びただいまの今後のスケジュールとエンドースに関する件、これらについて何か追加する点がございましたら、お願いしたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。
それでは、事務局から今後の予定につきまして、改めて御紹介いただければと思います。
須之内調整班長
今後の審議の進め方でも御説明いたしましたが、次回、36回の高経年化ワーキングでございますが、4月20日の13時30分からということで時間をお取りいただいております。場所につきましては、まだ決まっておりませんので、また事務局の方から各委員に連絡をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
関村主査
ありがとうございました。
それでは、よろしゅうございますでしょうか。では、これをもちまして第35回「高経年化対策検討委員会 高経年化技術評価WG」を終了させていただきます。どうもありがとうございました。
最終更新日:2009年8月28日
