経済産業省
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産業構造審議会地球環境小委員会市場メカニズム専門委員会【第14回】 議事要旨

平成18年6月14日
京都メカニズムヘルプデスク室

日時:平成18年6月13日【火】9:30~11:30

場所:経済産業省別館1120会議室

出席委員

黒田委員長、明日香委員、工藤拓毅委員、西條委員、 杉山委員、新澤委員、岩間氏【工藤高史委員代理】、山田委員

議事要旨

【NEDO公募への申請のタイミング】

実際の運用手続き的なことだが、11頁のリスク評価について、プロジェクト固有のリスク等に細かい要項が挙げられているが、申請のタイミングにおいて該当プロジェクトがCDM理事会の手続きに入っているかいなかも異なり、進捗状況が異なる。そのため、個別プロジェクトについて追加で情報を出していくのか、申請時点においてすべて揃えないといけないのか。
(事務局)
できるかぎり多くの情報を集めておきたいため、その時点で最新の情報を提出頂き、NEDO側でその情報を元に評価を行う予定。

【直接取得の場合における費用対効果と潜在的クレジット供給量拡大の明確化】

資料3の2頁、参考資料の9頁に、1億t-CO2分のクレジットは費用対効果と先進的プロジェクトの形成による潜在的なクレジット供給量の拡大を図って確保するとあるが、目的を明確に分けた方がいい。全体としては費用対効果の観点から取得を進める一方で、重点的支援分野をもうける。全てのプロジェクトに両方を求めると、思い切った重点支援ができなくなるし、コスト評価が緩くなるおそれがある。非常に安ければ先進的プロジェクト採択による潜在的クレジット供給量拡大の可能性はなくていいのであり、【直接取得型の】評価対象であるa.費用対効果、b.潜在的なクレジット供給量拡大可能性の他5項目すべてを求めるのではなく、aかbいずれか選択して記述できるようにすればよい。
(事務局)
今回開始する事業は、確実かつ費用対効果を考慮してクレジットを確保すること、及び先進的なプロジェクトを掘り起こして支援するという2つの側面がある。直接取得については、潜在的なクレジット供給量拡大可能性評価を行う予定であり、省エネCDM等を想定している。価格のみならず、省エネ技術開発支援を行ってきたNEDOの強みを活かしてプロジェクトの内容を見ながら、価格と潜在的クレジット供給量の拡大の両立に努めていきたい。
先の委員の意見は、費用対効果と潜在的クレジット供給量拡大可能性のポートフォリオをくむべきだと言うことか。
(事務局)
資料3のP4、直接取得の場合は潜在的クレジット量拡大ということも考慮して、先進的プロジェクトの支援を別の予算で手当している。新しい制度の開拓については別途予算で手当し、その結果、発生したクレジットを取得する際には、重点支援分野から発生したものであっても、間接取得と同様の基準で審査を行い、一般案件と同等のものを採択する。

【補填義務】

資料3P13のイラストを見ると、提案する事業者は契約した量のクレジットをもっていかなければ契約違反のような扱いになっている。これは事業者にとっては負担であって、安いクレジットを大量に供給するのを難しくするため、政府による安いクレジットの取得が困難になる可能性がある。国連CDM理事会等の関係でペンディング状況が起こることは予想され、そのようなリスクを事業者に課すべきか。
(事務局)
補填義務に関しては、通常であれば、契約頂いた総量をNEDOに移転して頂くのが通例であるが、クレジット購入契約の中で必ず移転する割合を評価していきたい。そして、補填義務割合をどう評価するかの考え方を示したのが資料3P13。補填義務割合の量を移転できない場合には、市場から代替クレジットを調達してNEDOに移転することになる。どれくらいの補填義務割合を事業者が提示することができるのかは、事業の積み重ねによるものではないかと理解している。
資料3P13について、補填義務が評価対象になるとしているが、民間事業者がこれを見る限りNEDOは相当高い価格でクレジットを購入するのだとみえる。将来のクレジット価格が安いと仮定するなら、NEDOとの契約では補填義務をできるだけ高めに設定しておいて、マーケットでクレジットを安く調達して差額で収益をあげる企業の存在も想定される。
(事務局)
補填義務割合は必須項目と意味ではなく、公募で提案して頂こうというのが大原則。
補填義務割合については、先の相場がどうなるかということも考慮して決めることが必要という指摘をいただいた。そのような点も含め、慎重な評価が必要。
補填義務のタイミングは毎年行うのか、自由に選べるのか。
(事務局)
補填義務のタイミングについて、提案して頂いた内容を【後年度】調整して考える。
補填義務の評価については、「割合」でいいのか。移転量が大きいものは、補填割合が小さくてもいいという提案を想定すべき。
他の条件が等しい場合に補填割合が高い方を優先するという扱いだという認識である。
それを明確にしてほしい。補填割合が縛りになるといけない。

【重点支援分野の例示】

資料3P2の【重点的支援分野の例示】(1)で「ホスト国で普及段階に至っていない技術の導入」という表現をすると、先進的プロジェクトの内容、追加性の内容を指すことになり、例示としては具体性に欠ける。

【情報公開】

資料3P17の情報公開について、第三者の利益の保護、及び国の財産上の保護という観点からは、契約金額・クレジット価格を公開した方がいいのではないか。日本は費用効率性が高いクレジットを取得しているということを内外に情報公開することが、国の財産上の保護に通じるのではないか。
(事務局)
クレジット取引市場はマーケットの指標がない状況である。安定したインデックスがない段階で、例えば直接取得の場合だと、NEDOが取得価格を公表すると、たまたまNEDOと共に事業を行っている企業の取得価格がわかってしまい、民間事業者の競争上の地位が保護されない。そのため、契約金額・クレジット価格等は非公開とすることにしたい。
事業者にどのような参加のインセンティブがあるか、国にどのような説明責任があるかというバランスを考えなければならないが、契約価格やクレジット価格を非公開とするとPRの機会が損なわれ、参加のインセンティブが損なわれるのではないか。
(事務局)
直接取得の場合には、事業の概要について広報を行うことは可能だと思うが、契約価格の公開については逆の意味をもつのではないかと考えている。
情報公開については、公開するにしても、タイムラグを考えて公開するようにすればどうか。
(事務局)
情報公開について、国の事業はできるだけ公開するのが原則。クレジット価格についても、市場取引で相場が決まるのであれば公開しても影響を与えないから問題ないが、プロジェクト毎にリスクも異なるため現状では相対取引が中心。そうした状況で日本政府に売ると全部売値が公開されるとなれば、売り手として慎重にならざるを得ない。どこまで公開できるのかは検討していきたい。

【移転契約量、2013年以降のクレジット取得】

P10の移転契約量は、一つの事業から発生したものでなければならないか、それとも複数のプロジェクトからでいいのか。
2013年以降のクレジットの購入を要求する場合にどう対応するのか。
オランダのJIの評価方法については、取得ルート、量、価格等の指標を用いて費用対効果をシンクタンクにより分析しており、先行事例はある。
(事務局)
移転量について、直接取得は一事業から25万t-CO2、間接取得は複数の事業から発生するクレジットを合わせて50万t-CO2と考えている。
2013年以降に発行されるクレジットの取得に関する対応については、クレジット取得はあくまで第一約束期間(2008年~2012年)に対応する事業であり、取得の対象としない。

【クレジット取得方針】

【NEDOのプレゼン内容では】「安全に早くできるだけ多く、参考資料の公募要領案の実質審査基準を満たしつつ、ポートフォリオを考えて取得する」こととなっているため、安全で高いクレジットを取得しようとしていると見える。差分は現在1.6%とされているが、2011年頃に1.6%を超えて取得する必要が生じた場合に、この方針にNEDOが縛られて柔軟に動けないのではないか。高い価格で取得しているとNEDO自身のパフォーマンスにも影響するため、独法NEDO自信の評価について考える必要もある。どういう項目でNEDOのクレジット取得業務を評価するのかは、明示しておく必要がある。
先の委員が提起された点は、NEDO自身がこのクレジット取得事業に参加することのインセンティブはどこにあるかということにつながるのではないか。
(事務局)
NEDOを独法評価委員会で評価することになっているし、このクレジット取得事業については、個別に事業評価委員会をつくって評価することを予定している。政府からどのような評価を受けるのかが、理事に対する評価と直結している。
京都メカニズム対応分である▲1.6%を超えるかどうかは、本日審議していただくテーマとは異なる課題と認識している。
民間事業者がこの公募に申請するメリットは何なのか。もうすこしPRが必要ではないか。
政府の買い取り方針を堅いものにすると民間としては参加しにくい。柔軟な制度運用が必要である。
NEDOが、クレジット取得市場に参加する強みをアピールする必要がある。政府がこれまで行ってきているCDM手続きの簡素化やCDM/JIプロジェクトに関する支援を活用する、NEDOが有する省エネ技術を活用して参加する等、既存のものを活用するというアピールがないと、市場において買い負けてしまうのではないか。確実に取得するには、日本の技術力をアピールする必要がある。
(事務局)
単なる売り手と買い手という関係ではなく、良好な関係を保ったパートナーの関係が重要。ご支援ご理解をお願いしたい。
今後はJI,GISも混ぜて、手続きがどうなるか不透明な部分もあるため、取引費用という概念を視野に入れておいた方がいい。
リスクの中身、高く買うといったとしても、高く買ってくれるかどうかは売り手としてもわからない。しっかりした判断基準があり制度がしっかりしているかどうかが、売り手にとってNEDOに売るかの際に重要。そこが曖昧だと足下をつけ込まれる。例えば、こういう基準だから高く買います、となっていれば従う。外部委員会という形か、値段の考え方なりをオープンにするのか、検討事項だと思う。
デンマークの制度では、プロジェクトの評価項目は、25%がテクニカル(技術)、25%がファイナンシャル(資金)、20%がオーガナイズ(企業組織)、20%が温室効果ガス削減量、10%がプライス(クレジット価格)となっている。
(事務局)
当然きちんと基準をもって審査することとし、基準項目に応じて、重み付けもしていきたい。
先の委員も言ったとおり、やってみなければ分からないという面。やりながらブラッシュアップしていく。そういった理解でまたこの場でも議論頂くこともあると思う。
直接型と言うことでプロジェクトごとに応募して下さいとなっているが、国連では一定程度バンドリングしていいとなっているので、それに縛られる必要もないと思うので、似たようないくつかの事業をまとめてNEDOに審査して頂くこともあると思う。そうすることでリスクも事業者からもとれるようになってくると思うのでご一行願いたい。
いろんなご意見、NEDOとしても議論する点はあると思うが、NEDOのクレジット取得事業に対する公募という全体像のまとめである今日をもって一区切りとさせて頂きたい。また、改めて議論頂くことになると思うが、この事業についてはNEDOにスタートしてもらおうと思う。
以上
 
 

最終更新日:2006年6月26日
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