経済産業省
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総合資源エネルギー調査会電気事業分科会適正取引ワーキンググループ(第10回) 議事要旨

日時:平成18年6月29日(木)10:00~12:00

場所:経済産業省別館10階各省庁共用会議室1012号室

出席者

委員

鶴田座長、井手委員、古城委員、根岸委員、松村委員

オブザーバー

公正取引委員会 菅久調整課長、横田前調整課長
東京電力(株) 木村常務取締役
関西電力(株) 川崎チーフマネージャー
(株)エネット 白羽取締役
競争環境整備室 土井室長

事務局

宮川 電力ガス事業部政策課長
片山 電力市場整備課長
鈴木 電力市場整備課補佐
野沢 電力市場整備課補佐

議事概要

  1. 座長から開会の挨拶
  2. 事務局より資料3、4に基づいて説明
  3. 公正取引委員会より資料5に基づいて説明
  4. 事務局より資料6,7に基づいて説明

質疑応答

資料3,4について

○PPSの常時バックアップへの依存度は4割を超えるということであるが、資料3「今後の制度改革に当たって留意すべき事項」にも記載されている環境保全との関係でいうと、今後増加する見通しか。

→常時バックアップをどのように位置づけるかが問題。制度改革小委員会において関係者の間では、将来的には、常時バックアップがマーケットに移行していくべきだという認識は共有している。しかしながら、PPSの常時バックアップへの依存度が4割を超えていること、また、取引所は開設して間もないこと等を受けて、すぐに移行は困難であるとしている。よって、常時バックアップの供給量としては増加し続けていくというより、卸電力取引所が設立されたことを踏まえ、いずれ移行を行っていくということで認識は共有しているという理解。

○環境保全が競争ルールにどのような影響を与えるのかは定かではないが、PPSが供給力を得るために新規に発電所を建設する場合、すぐに建設が可能である発電所は、火力発電所であり、環境の面からは好ましくない。卸電力取引所の取引の厚みが出ることも重要だが、常時バックアップの問題はそれだけではないと考えている。

○今後WGにて検討すべき課題と考える。

○市場監視小委員会については、電気通信分野での紛争処理委員会と同等の位置づけでいいのか。市場監視小委員会報告書における常時バックアップの域外供給の拒否、常時バックアップ供給量の一部制限等、また、ガスの内管工事費等の免除については、独禁法違反案件と考えられる。電力・ガス市場における紛争処理というのは、経済産業省と公正取引委員会が窓口として処理を実施するという整理だったと考えるが、公正取引委員会としては、全く関与していないと考えてよろしいか。

→市場監視小委員会については、電気事業法上の紛争処理を行う機関ではなく、経済産業省が事業法に基づいて行政処分を行うときに事前に小委員会で審議を行う、あるいは、重要な行政指導を文書等にて実施する際などの適否をご判断いただく委員会であるという位置づけであり、事業法上紛争処理の機能があるわけではない。
 個別の紛争については、紛争当事者が資源エネルギー庁に申出をされているので、記載をして整理しているが案件によっては、資源エネルギー庁に申し出をされると同時に公正取引委員会にも相談をされているのではないかという理解。

○公正取引委員会にも個別の紛争事案について事業者の方がご相談に見える。市場監視小委員会報告書の紛争等案件相談事例のどの整理番号が公正取引委員会にも相談に来ている案件かは定かではないが、相談者が資源エネルギー庁にも並行的に申し出をしていると言われた場合には、資源エネルギー庁と連携をとって対応している。

○常時バックアップについては、適正取引ガイドライン(以下適取GL)に記載するという方法もあるが、独禁法で処理するという方法もある。公正取引委員会としては、事業法の問題ではないかと考えているのか。常時バックアップの供給量拒否という案件については、申出者についても事業法上において問題であると理解しているのか。

→常時バックアップについては、事業法上規制がされているものではない。市場監視小委員会報告書に記載されている申出概要については、申出者の意見がそのまま整理されているだけであって、必ずしも事実関係を正しく表しているかどうかは確かではない。今後常時バックアップについては、事実に基づいた議論を行って頂くべく、どういう手順でご議論頂くのか事務局にて案を提示する予定。

○常時バックアップについては、政策論として事業法に定めるというのも一つのアプローチ。しかしながら現状としては、独禁法上のルールが適応されると考えている。電力取引に限らず、既に行われてしまっている行為については、審査局につないで相談することとしている。また、今後行われる可能性のある行為については、将来審査事件になった場合どうなるかということを念頭に置きながら、審査局にあるIT・公益事業タスクフォースというエネルギー分野を重点的に対応している審査グループと相談をしながら、公正取引委員会として回答することとしている。

○市場監視小委員会については、事務局からご下問があった際に、小委員会にて議論を行い、小委員会としての意見を申し上げるという位置づけと理解している。電気のみならずガスにおける取引についても報告がなされている。

資料5について

○日本卸電力取引所の情報公開の拡充について、ヨーロッパ等では日本より情報公開が拡充しているということだが、各国における取引所の位置づけと情報公開については関連があるのかどうか。法的な規制があるのか私設任意のものなのかで情報公開に違いがあるのかどうか。

○今年の3月にベルギー出張を行った際に、ベルギー、オランダ、フランスの3国間の卸取引をこの春より実施しているベルペックスとの意見交換を踏まえて指摘を行ったもの。ベルペックスのCEOによれば、制度が前提にあるというよりは、取引所取引を活発化するためには需給カーブ等の情報公開はごく当たり前のことと認識しているとのことであった。

○情報公開については、一般的に必要なものと考えるが、競争上センシティブなものもあり、どういう内容の情報を出すのか区分けが重要であり、公開する情報については、精査が必要と考える。

資料6,7について

○常時バックアップの位置づけをどのように考えるのかが必要。現行の適取GLにおける部分供給と同一のものという位置づけでよいかどうか。卸供給として考えるべきとした場合、位置づけについても再検討が必要であり、料金の問題にもかかわってくる可能性もある。
 現行適取GLでは、卸分野を独立してとらえていないので状況変化にともなって卸分野について記載をするなどの見直しをすることは必要ではないかと考える。

○1999年に適取GLが出来てから6年目を過ぎ、自由化範囲が拡大することに伴い常時バックアップの使い方も変わってきたと考える。そのことについて、我々は十分な知識がないのでもう一度整理を行うことが常時バックアップの位置づけの再確認になると考える。

○常時バックアップ導入時もPPSが自前で発電した電力と、卸市場で調達した電力とを併せて需要家に供給する際、卸市場は殆ど存在しないため、擬似的に電力会社からリセールしてもらい、小売料金から小売のコスト料金上乗せ部分であるマークアップと送電コストを引いたらPPSの利益が出るだろうと仮定して料金を決定していたと理解している。現在は、卸市場が発達してきたのでどうすべきか問題になっているものと考える。
 PPSの供給量のうち、常時バックアップと自前の発電量と同量程度ということで、もう少しPPSの自助努力が必要なのか、それともなんらかの事情が存在するのか等、量の依存度について知る必要がある。また、小売のマークアップを引いたものが卸売料金の妥当な料金として電力会社も保証して決めた値段があると考えられるので、現状の常時バックアップの料金と卸市場における卸料金の違い及び常時バックアップ料金がどのような特性をもっているのかについて教えて頂きたい。

○自由化の進展により、常時バックアップについては、当初の目的とは乖離を生じており、機能の仕方が異なっているような印象を受けている。

○常時バックアップの紛争については、継続中となっているが、申出者の言い分であって、実態は分からないとのこと。申出が正しかったとするならば適取GLを無視した行為であるということになる。実際にどんな交渉過程を経て適取GLに違反しているとして申出をしたのかを知りたい。適取GLに明らかに反しているのであれば、紛争とはならずグレーであったからこそ紛争になったと考える。私的な交渉なので出せないというのはわかるが、具体的に何が問題となったかがわからない。継続中案件なので紛争処理という枠組みの中で口出しすることではないが、適取GL改定の際には、厳格には適取GLに反しているものではなくとも、適取GLの精神に反している案件があるのであれば逆に適取GLの文言自体を変更する必要がある。また、適取GLの文言には引っかかっているが、実際上は大きな問題とならない場合についても適取GLの表現を変えるためのヒントになると考える。個別案件を開示するのが難しいことは分かるが、今後改定のための議論をする際にどういう点が論点かを知るために詳しい情報を知ることが出来ればありがたい。

→今後必要となる資料について御意見頂いたので、次回以降まとめたかたちで提出させて頂く。現在、PPS各社にご協力を得て、アンケートを実施し、データを収集している。本データについては、公正取引委員会とも情報をシェアして今後どのように議論していくかについてご相談させていただく。
 常時バックアップ導入時と現在の状況、特徴については、明らかになるようにデータを出していきたい。当初のものと実態との乖離により紛争が生じたものであるので実態を示す中で何が論点になるのか明らかにしたいが、個別の案件についてオープンにするのは、避けたい。

○電力取引の適正化の基盤となるルールが適取GLと考えるが、ルールはいいものをつくること、それを遵守すること、そして見直すことが重要。制度も実態も変化しているので、見直すことは重要。経済産業省、公正取引委員会の所掌範囲について責任をもって適取GLを作成するということとしており、独占禁止法に関する問題については、公正取引委員会として責任をもって検討をし、最終的にいいものとしたい。公正取引委員会として把握している点もあり、適正取引WGでの議論も伺いつつ、独禁法の観点からの考え方、概念をどのように適取GLに反映していくかについて、規制研での御意見を伺うなどして、議論の内容にもよるが、極力、適正取引WGのスケジュールと齟齬がないよう公正取引委員会としても出来るだけ平行して進めていきたい。

○情報を経済産業省とシェアして考え方のずれが生じないように進めて頂くことをお願いしたい。

○常時バックアップについては実態を知りたい。PPSの規模、経営状況が異なる中、常時バックアップの位置づけも異なると考える。供給量の増加と需要の増加の不一致について公正取引委員会報告書の参考資料に記載があるが、これによると供給不足は常に生じるので常時バックアップがないといけないということになっている、電源を新規に作ったときに新規参入者を獲得するだけではなく、卸電力取引所に拠出するという選択肢もあるのではないか。

○PPSもいろいろなタイプが存在するため、需要家に供給するか取引所に拠出するかは様々であると考える。

→発電した電力をどのように取り扱うかについては、PPSの事業戦略のそのものを述べよということに他ならないので難しいと考える。

○適取WGへのお願いについては、卸分野については、卸市場における調達の手段が増えてきたと報告されているが、実際競争が生じているのか否かを踏まえて考えて頂きたい。適取GLは、新規参入者にとって非常に大きなよりどころとなっている。卸分野のみならず、卸分野以外の部分についても必要が生じた場合はタイムリーに反映をお願いしたい。

○卸取引以外の適取GLへの反映という話があったが、PPS、電力会社、関係事業者に対して適取GLの改定に向けてご意見あれば、話を聞かせてほしいとの連絡をしている。個別に話を伺う機会を設けていきたいと考えているので、見直すべき事象があれば、卸以外の部分も含めて積極的に検討を行っていきたい。

○電力会社としては、競争が熾烈な地域にあっても、適取GLの遵守は非常に重要であると考えている。常時バックアップについては、解釈の問題も含めて適取GLに書いていることのみで律せられないという要素をはらんでいる。油の高騰、セキュリティ、環境、安定供給等全ての問題を総合的に解決する必要がある状況の下での競争の在り方については、電力会社としては、適取GLの遵守を軸として対応している。様々な実態を見てその中で本来の意味での適取GLの在り方、ふさわしい取扱いを議論して頂きたい。

○適取GLについては、抽象度が高いので事業者間等で解釈がずれることがある。現在の状況を鑑み、公正取引委員会、規制当局にて最終的には判断することとなるが、解釈には幅があると考える。

○卸市場以外に個別の案件があるようならば、適正取引WGの場でも議論をお願いしたい。時間の制約もあると思われるが、卸の分野以外でも議論が生じる場合には、再度適正取引WGでも議題に入れてご審議頂きたい。

○供給安定性という意見が出てきたので確認したい。解釈に幅があるのは理解できるが、明らかに適取GLに対して違反しているにもかかわらずセキュリティの問題だ、ということが頻発されるのであれば、それは適取GLに問題があることとなる。セキュリティを口実として解釈の幅を明らかに超えた運用が頻発するということは、適取GLの形骸化につながってしまう。セキュリティの問題から、適取GLにて支障を生じるのであれば、具体的に内容についてご提示頂き、適取GLの変更について意見を出して頂く必要がある。そういう行為を経ずに適取GLの解釈を踏み越えて行うことが無いようにしてほしい。適取GLの形骸化につながらないように留意をお願いしたい。

→次回は、7月21日10時に開催を予定。

 
 
最終更新日:2006年7月4日
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