経済産業省
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総合資源エネルギー調査会電気事業分科会原子力部会電力自由化と原子力に関する小委員会(第5回) 議事録

平成18年5月15日(月)

田中委員長
 あと2名の方が出席予定でございまして、おっつけ来られるかと思いますので、定刻になりましたので、ただいまから総合資源エネルギー調査会電気事業分科会原子力部会の第5回電力自由化と原子力に関する小委員会を開催させていただきます。
 本日はご多忙中のところをご出席いただきまして、まことにありがとうございます。2時間ほどのお時間をいただくことを予定しておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、事務局から配付資料の確認をさせていただきます。
柳瀬原子力政策課長
 本日は、議事次第、出席者名簿、資料1、資料2をお配りしております。
 以上でございます。
田中委員長
 それでは、本日の議題の「電力自由化と原子力に関する小委員会とりまとめに向けて」に移りたいと思います。
 これまで4回にわたりさまざまなご議論、ご意見を伺ってまいりましたが、本日、それらを踏まえまして、本小委員会の取りまとめ案を作成しましたので、事務局からご説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。
柳瀬原子力政策課長
 それでは、お手元の第5回資料1、「小委員会とりまとめ案」というのでご説明をさせていただきます。
 まず、目次を見ていただきますと、冒頭にこの小委員会のミッション、2つ目に政策目標、3つ目に基本的な考え方、4つ目に今後の原子力比率の推移、5つ目に政策目標の実現可能性、6つ目に課題と対応策、7つ目に全面自由化の検討を行うに当たって留意すべき事項、最後に新規参入者(PPS)の取り扱い、こういう整理になってございます。
 それでは、1枚めくっていただきまして、1ページ、「はじめに」というところでございます。この第1パラグラフでございますけれども、本小委員会は、需要の伸びの低迷や電力自由化の進展の中で、原子力発電所の当面の新・増設や、2030年前後から予想される本格的なリプレース建設を円滑に進めていくための課題と対応策の検討を行うということで、原子力部会のもとに設置され、ことしの1月から検討を開始されているところでございます。
 1ページ目の下のほうでございますけれども、「政策目標」でございます。去年の10月に決定され、尊重することを閣議決定いたしました原子力政策大綱におきましては、原子力比率に関しまして2030年以降も総発電電力量の3割から4割か、それ以上ということを期待するというふうな政策目標が設定されたわけでございます。
 1枚めくっていただきまして2ページ、この小委員会でこの政策目標について議論していただきまして、この新規建設を議論する小委員会として、まず当面の目安として、今年度の供給計画におきます13基の新・増設案件が今の供給計画に掲げられているところでございますので、これらの案件の実現を目指すということを当面の目安としてはどうかという議論であったと思います。
 なお、その2ページの真ん中辺の右側の表を見ていただきますと、この2006年度の供給計画が、新規建設がうまくいった場合は、稼働率によって原子力比率は変わるわけですが、過去10年の平均値の77%の稼働率であれば、原子力比率は35%程度、それが欧米先進国並みの90%の稼働率が実現できれば、原子力比率は40%をやや超えるというぐらいの水準になるということで、原子力政策大綱の目標とも整合的であるという考え方でございます。
 2ページ目の下半分、「基本的な考え方」でございます。まず最初のパラグラフ、国でございますけれども、国は今回、原子力政策大綱の実現をしていくという閣議決定を行ってございますので、事業者が自主的な経営判断として原子力発電投資が円滑に行われるような事業環境の整備を行うことが求められているわけでございます。2つ目のパラグラフで、他方、電気事業者さんのほうは、バックエンド対策、地方との信頼関係の強化、科学的合理的な安全規制など、国による取り組みが進められている中で、この政策目標をガイドラインとして全力で取り組む旨の決意が表明をされたところでございます。安全確保を大前提としまして、国による事業環境整備のもと、電気事業者におかれては、政策目標が実現されるよう最大限の努力を行うことが期待されるということでございます。
 なお、この事業者による投資判断の結果、万が一、政策目標が達成できない場合、その実現に責任を負う国として、ここに掲げられていますような事業環境整備に加えまして、何らかの対応策を講じるべきではないかという議論も行われました。
 1枚めくっていただきまして3ページ目の一番上でございますけれども、この点につきまして、いろいろな議論がございましたけれども、電気事業者から全力で政策目標の達成に自主的に取り組むという決意が述べられたことを尊重して、まずはその電気事業者さんの取り組み状況を見守るということで、これについては今後の検討課題と整理するのが適切ではないかということでございます。
 3ページ目の「4.今後の原子力比率の推移」でございますけれども、当面の新・増設につきましては先ほど申し上げたとおりでございます。それから3ページ目の下、リプレースでございます。仮に2006年度の供給計画どおり13基すべての新・増設がうまくいったとしても、2030年前後から予想されます本格的なリプレースが円滑に行われない場合には、急激に原子力比率は落ち込んでいくということが考えられるわけでございます。
 1枚めくっていただきまして4ページでございますけれども、そのリプレースがうまくいかなかった場合の設備容量が真ん中辺にグラフで書いてございますけれども、やはり三、四割、3割以上ということであれば、設備的には5,800万キロワットというのが過去の需給見通しでございますけれども、それすらも10年たたずして割り込んでいくというのが機械的に計算すると出てくるわけでございます。
 それから4ページ目の5.でございますけれども、では、この政策目標の実現可能性は、財務面、立地面、需要面の各方面から実現可能性がどのようなものであるかということで、なかなか長い将来の話でございますので、見通しは難しゅうございますけれども、一定の簡易な前提のもとに、機械的に幾つか試算をしてみたりしたわけでございます。
 まず最初に5ページ目で、「(1)財務面」、財務面を有利子負債の側面と経常損益の側面の2つで見ておりますけれども、まず有利子負債について見ますと、機械的に計算をしますと、このリプレースに伴う財務負担がかかってくる一番ピークの時期を各社ごとに見ていきますと、最初のパラグラフの最後のところですけれども、財務の健全性を示します有利子負債償還年数、利益で何年かけて有利子負債を償還できるかという年数が、一時的に8年から14年程度にまで増加をするという結果が得られたところでございます。
 これは一般に、有利子負債償還年数の1つの目安は、大体10年程度という相場ではないかと。電気事業の特性を踏まえますと、12年程度が1つの目安ではないかという見方もございます。いずれにいたしましても、3つ目のパラグラフですが、現在の電力各社さんの有利子負債償還年数が4年から8年ですから、このようなリプレースが想定どおりにいくとすると、これが8年から14年にまで増加をするということで、会社さんによっては資金面の負担が一時的に相当程度重くなるという可能性は否定できないということでございます。
 なお、これは各社が協力して広域的運営を行うということを念頭に、50ヘルツ管内東側3社、あるいは60ヘルツ管内の西の6社を合算して試算を行うと、負債償還年数はかなり改善をする、緩和をするということでございます。
 1枚めくっていただきまして、6ページ、経常損益でございます。この経常損益について、やはり各会社さんごとにリプレースが円滑に行われた場合に、収支上どれぐらいのインパクトを与えるかということでございますが、原子力発電投資による費用の増加は、一時的に現在の経常利益の会社によっては0.3倍から1.8倍程度ということで、ちょうど1倍というのは、現在の経常利益と同じ程度の費用が丸ごと原発の投資にかかるという水準だということでございます。そういう意味では、1.8倍というような会社まであるということは、かなり会社によっては収支が一時的に悪化する可能性があるということでございます。これにつきましても、先ほどの有利子負債のほうと同様に、広域的運営を念頭に、同じヘルツの管内で合算して試算を行うと、随分その財務インパクトは和らぐということでございます。
 それから次に、立地面での実現可能性を見ますと、6ページの一番下ですけれども、まず、今の供給計画に出ています13基につきましては、既に用地が確保済みか、ある程度目途が立っている状況にございます。さらに2030年前後からのリプレースについて、その後20年間のリプレースを想定して、1970年以降に建設された3,000万キロワット分を建てかえていくということになりますと、今の150万キロワットの新型の原子力発電所で大体20基相当の敷地が必要になるわけでございますけれども、現在でも21地域、既に原子力発電所の地点がございまして、そこそこ敷地に余裕のある地域も多いことから、各社別はともかく、日本全体で見れば敷地の面でも対応可能であると考えられるわけでございます。
 3つ目に需要面でございますが、今回の供給計画で、今後10年間のピーク電力の伸びを見ますと、全体としては、7ページの真ん中辺に表がありますが、全体では1,740万キロワットということで、大型の原子力発電所10基分以上のピーク需要の伸びがありますが、各社別に見ますと、この150万キロワットクラスの新・増設に10年間としても見合わないという会社があるわけでございます。
 こうしたことで、以上の3点を見ますと、この目標の達成の実現可能性は、どの面から見てもできないということは全くない、十分可能だということでございますけれども、それなりに財務面でもインパクトがありますし、需要面でもなかなか各社ごとでは対応が難しい面があるということでございます。
 それから8ページの「6.」以下で、課題と対応策ということでございます。最初のパラグラフに書いてございますのは、この政策目標の実現を確かなものとしていくためには、需要の伸びの低迷あるいは電力自由化の環境下においても原子力発電投資を安心して行うことができる中長期的な事業環境を整備していくことが必要だという考え方でございます。この小委員会では、これまで、このための課題として、原子力発電に特有な投資リスクの低減・分散、初期投資・廃炉負担の軽減・平準化、広域的運営の促進、原子力メリットの可視化と4つの柱に整理をして議論をしてきたわけでございます。
 まず最初に、「原子力発電に特有な投資リスクの低減・分散」ということでございます。特に、火力などに比べて原子力発電に固有な投資リスクについて、他電源とのイコールフッティングを図る必要があるのではないかという考え方でございます。そのリスク、いろいろなものがございますけれども、特にここでは主なものとして2つ書いてございます。1つ目がバックエンドへの対応でございます。現在、使用済み燃料に関するバックエンド費用につきましては、六ヶ所工場で処理する分につきましては、具体的な事業計画のもとで費用の見積もりが行われ、この費用を積み立てるための法律、税制上の措置が講じられたわけでございます。これが昨年の通常国会で成立をしたわけでございます。
 次のページ、9ページの第1パラグラフですが、その際の、これについて検討した電気事業分科会におきまして、まずは具体的な計画に基づいて合理的な費用見積もりが可能である六ヶ所再処理工場で再処理される使用済み燃料について措置の対象とするという整理をされたわけでございます。その後、昨年10月に原子力政策大綱におきまして、我が国で全量再処理するという基本方針が確認をされまして、六ヶ所再処理工場で再処理される以外の使用済み燃料に関する費用についても、将来費用が発生することが確実になったわけでございます。
 9ページの一番下のグラフを見ていただきますと、第二再処理工場、具体的にどういうふうなものをつくるかというのは2010年以降検討するというのが原子力政策大綱の整理でございますので、単価が幾らぐらいになるかというのを現時点で見通すのは難しゅうございますが、仮に再処理単価が六ヶ所工場と同じということであった場合に、この費用がどれぐらいの負担に将来なるかという、この赤い線で原子力電力会社10社の経常利益の全体の合計が1兆強現在ございますけれども、例えば、この青い線でございますけれども、2020年度を待たずして全社分の経常利益に相当するだけの費用が必要になるということでございます。
 戻っていただきまして、したがいまして、3つ目のパラグラフでございますが、この時点で、例えば合理的な見積もりが可能となった時点で一括して費用計上するということになりますと、その時点で過大な財務負担が生じることになるわけでございますので、現時点から企業会計上適切な対応を行うことが望ましいのではないか、市場関係者からもこうした要請が高まっているところでございます。このため、具体的な計画が固まるまでの暫定的な措置として、まずは、この費用につきまして、企業会計上、毎年度引当金として積み立てることとし、収支を平準化できる制度を導入すべきだという案でございます。
 時期でございますけれども、今年度決算からの導入を目指して、具体的に技術的・専門的に、例えば費用はどれぐらいの規模が適正か、あるいは企業会計上の具体的な取り扱いをどうするかといった技術的・専門的な点につきましては、電気事業分科会のもとで検討を進めていくのが適切だという案でございます。
 1枚めくっていただきまして、10ページでございます。リスクの2つ目としてここで書いてございますのは、国内における安全規制の変更とか国際的なフレームワークの変更とか、こういったあらかじめ想定することが困難なリスクについて、対応策を検討する必要があるのではないかということでございます。
 4つ目のパラグラフでございますけれども、例えばアメリカでは、昨年、エネルギー包括法が国会で成立をしまして、原子力の補償制度、公的保険制度というものの設置が決まったわけでございますけれども、こういったものも参考としながら、官民が協力する形でこういう予測しがたいリスクを低減・分散する対応策を今後検討していってはどうかということでございます。
 国と事業者は協力をして、ではどういうリスクを対象にするのか、そのためにどんな対応策が適切なのかということについて今後検討を進めていくことが適切ではないかということでございます。
 1枚めくっていただきまして、3つ目のリスクとして、「一時的な需要の落ち込みへの対応」ということでございます。2つ目のパラグラフでございますけれども、現在はともかく、将来、原子力比率が高まっていった場合に、他のベース電源を調整しても需要が一時的に落ち込むときに、原子力発電の出力を調整しない限り需給バランスが維持できないという事態が発生する可能性はございます。3つ目のパラグラフですが、こうした場合には、負荷追従運転を行うことが必要になると考えられますが、その場合、安全規制上の対応が必要かどうか、どのような対応が必要かということにつきましては、負荷追従運転の方法、回数をどうするのか、時間はどれぐらいかなどにもよると考えられるものですから、電気事業者におかれては、負荷追従運転の必要性が高まってきた段階においては、具体的な運転方法を提示し、国はこれに基づき安全規制上の対応の有無を検討することが適切ではないかということでございます。
 12ページでございます。2つ目の検討の柱として、「初期投資・廃炉負担の軽減・平準化」でございます。原子力発電所の建設には巨額の初期投資が必要であることに加えて、リプレースが本格化すると、同時に廃炉に伴う費用が発生するわけでございまして、そこの財務的な負担が相当集中をするということでございます。
 1つ目に、まず新規建設についての「減価償却費負担の平準化」でございます。先ほどご紹介したように、財務面で見ましたように、一時的に電気事業者によっては収支上相当大きな財務上の影響を受けるという可能性がございます。このため、(1)の3つ目のパラグラフですが、まず企業会計上、あらかじめ初期投資額の一部を引当金として積み立てることとして、運転開始後の減価償却費負担を平準化できる制度の導入を検討すべきだという案でございます。減価償却費負担の平準化についてのニーズは、個々の電力会社によって差があるということで、そういうこの制度を必要とする電気事業者が活用できるというふうなことも含めまして、これもかなり技術的な問題を含んでおりますので、こういう技術面については、今後さらに詰めることとし、ただ、導入の時期はこの春からの今年度決算から導入をするということでいかがかということでございます。
 それから2つ目、財務負担の軽減・平準化の2つ目に廃炉費用負担という問題がございます。リプレースのときに新規投資と合わせて廃炉費用負担が同時に出るという問題でございます。12ページの一番下でございますけれども、既に発電時点であらかじめ必要な引当金を積み立てる廃炉引当金制度という制度が既にございます。ございますけれども、この制度ができた後に安全規制のクリアランス制度が導入されたり、13ページあけていただきまして、廃止措置に関する安全規制が整備されたりということで、いろいろ諸前提が変わってきてございますので、最新の知見に基づいて積み立ての過不足を検証する必要があるということで、これも技術的・専門的に詰めていくべきではないかということでございます。
 13ページの下半分、3つ目の柱としまして、「広域的運営の促進」ということでございます。先ほどの実現可能性で見ましたように、財務面、需要面、立地面、どの制約についても各社が協力して広域的運営をすることにより、こういった制約がかなり緩和されるということが考えられるわけでございまして、この広域的運営促進に向けて、国は積極的に環境整備を行っていく必要があるという方針を案としてお出しをしているわけでございます。
 具体的に今検討する、今回の小委員会で議論したものとして、1つは供給計画のあり方でございます。その中で、勧告などの手続の明確化ということが議論をされました。14ページをあけていただきまして、3つ目のパラグラフでございますけれども、こういった広域的運営あるいは新規建設の促進という観点で、今、電気事業法上、供給計画を届け出ていただいて、適切にする必要がある場合には勧告あるいは命令といったような権限が電気事業法上規定されてございますが、これまで実際に勧告などを行う場合の発動要件はまだ具体化されていないということで、発動要件をこの際明確化すべきかどうかという議論が行われました。これに関してはいろいろな幅広い議論が行われました。賛成の立場からは、電力自由化の中で電気事業者が投資決定を行うのが基本だけれども、結果として全体最適は実現しない可能性が残る。あるいは電気事業者の自主性と国全体の利益の衝突を調整する上で、透明性は重要だとする意見、今導入ということではないが、必要となればすぐ対応できるよう早い段階で検討が必要だとする意見などが見られました。
 一方、慎重な立場からは、国と電気事業者、電気事業者間の信頼関係の強化がまずは重要であるとする意見、透明性について合意が得られる水準にまで明確化できるのか疑問だとする意見、広域運営の一番のボトルネックは立地地域との関係であって、その理解を求めるための取り組みがまずは必要だとする意見などが見られたわけでございます。
 最後のパラグラフですが、この勧告などの発動要件の明確化については、電気事業者から、バックエンド対策、地方との信頼関係の強化、科学的・合理的な安全規制など、国による取り組みが進められている中、全力で原子力政策大綱の目標の達成に自主的に取り組む旨の決意が表明されていることから、まずは電気事業者の取り組みを見守ることとして、これを含む幅広い対応策の検討は、将来必要に応じて行っていくとするのが適切であるという議論が多かったというふうに整理をしてございます。
 14ページの一番下、「供給計画の対象事業者」でございます。後ほど述べますように、新規参入者がかなりシェアを大きくしてきております。そうした中で、広域的運営を計画的に行う観点からは、PPSも供給計画の対象とすべきではないかという議論も行われました。
 1枚めくっていただきまして15ページ、この点につきましては、これは原子力発電だけの問題ではなくて、他電源にも広く影響を与えるものであることから、電気事業分科会で2007年を目途に開始される全面自由化の議論とあわせて検討していくことが適切だという整理でございます。
 広域的運営の2つ目の柱として、「連系線等の建設・増強の円滑化」という点が議論をされました。今後、広域的運営によって原子力発電の大規模な電源開発が行われる場合には、周波数変換装置、連系線、送電線、こういった建設の増強が必要となるケースも想定をされるわけでございます。このため、事業者による自主的な建設・増強を促進する観点から、事業者間の調整が円滑に行われるような環境の整備が必要であると考えられるわけでございます。そこで、そういった費用負担につきましては、現在、一般負担と特定負担ということがございます。この境目につきまして、国が個々に特例に承認をおろすという制度があるわけでございます。
 そこで、4つ目のパラグラフでございますけれども、国は、こういった連系線などが円滑に建設されるように、個々のケースに応じて負担割合などの柔軟な取り扱いを認めていくことが必要だということでございます。
 また、中立機関におかれましては、連系線の増強に関して、事業者間の調整を行うプロセスなどを定めてございますけれども、調整プロセスを開始するための客観的基準の策定など、中立機関としての連系線に関する課題への関与のあり方について、さらなる検討が行われていくことが期待をされるということでございます。
 1枚めくっていただきまして、16ページでございます。4つ目の柱としまして、「原子力発電のメリットの可視化」、見えるようにするということがございます。原子力発電は、発電過程でCO2を排出しないという大変なメリットがあるわけですが、事業者ごとのCO2の排出がどの程度であるかが需要家の目に見える形でわかりやすく示されるということは、このメリットが原子力発電投資を促す効果につながるというふうに考えられるわけでございます。ことしの4月、地球温暖化対策のための法律が改正をされまして、一定規模以上の需要家は、電気の利用などに伴うCO2の排出量を算定して国に報告するという制度になったわけでございます。これを算定するために、需要家が適正にCO2の排出量を算定できるように、国は電力の供給側のCO2排出量原単位に関する情報を収集し、公表するということになったわけでございます。
 制度的には一歩導入されたわけでございますが、その次のパラグラフのただし書きですが、しかしながら、この電力の供給側の発表するCO2排出原単位の算定方法は統一されていないというのが現状でございます。このため、国においては、CO2メリットが需要家にわかりやすく比較できるように示すように、早急に統一的な算定方法の基準を定めるべきだと。その際には、このCO2削減に向けた電源開発というのは、実際にCO2排出係数に反映されるまでに長い期間が必要であるということで、例えばCO2排出クレジットの取得など、現在のCO2削減に向けた事業者の努力が適切に反映され、電気事業者間の公正な競争に資するように配慮していくことが必要ではないかということでございます。
 1枚めくっていただきまして、17ページでございます。7番目でございますけれども、「全面自由化の検討を行うに当たって留意すべき事項」というのも議論をされました。1つ目に、「電力自由化が原子力発電投資に与える影響」として、電力自由化が以下の3つの点で原子力発電投資に影響を与える可能性があるということで、1つは、法的独占による需要確保、あるいは総括原価主義によるコスト回収の保証がなくなる。2つ目に、競争の高まりを背景に、コスト圧縮努力の一環として設備投資抑制圧力が高まる。3つ目に、電力各社は競合関係に置かれることになり、電力間競争の圧力が高まるというようなことが考えられるわけでございます。
 OECDの原子力機関のレポートにおいても、競争市場では、長期的な電力コストの予測が困難であるため、長期のリードタイムと投資コストの大きな原子力発電は、他電源と比較して大きな投資リスクを抱える可能性があるという整理をされているわけでございます。
 諸外国におきましても、先進国では、電力自由化してからなかなか原子力発電の新・増設投資が滞っているわけでございますけれども、これは事故との関係あるいは需要の伸びとの関係で、どの部分が自由化による影響かというのはなかなか定量化するということは難しいわけでございます。18ページの一番上のパラグラフでございますけれども、本小委員会における議論におきましては、(1)に書いてありますが、今後、全面自由化した場合に残っている家庭部門でございますけれども、家庭部門であっても、規制分野では安定的な需要が見込まれるので、巨額でリスクが大きい投資を支える効果はある。あるいは規制分野が全くなくなった場合には、新たな電気事業制度の体系自体がどのようになるのかが不透明で、制度がどうなるかわからないというリスクが、原子力のような大きい投資を決断しづらくなるという見解を支持する意見が多く見られる一方で、残された規制分野、主として家庭用で、一時的に家庭分野で大きな需要の離脱があるとは考えにくいことから、今後、電力自由化がさらに進んでも大きな影響はないとする見解に理解を示す意見もあったというようなことでございます。
  (2)で、「今後の検討に当たっての留意事項」ということでございますが、全面自由化を行うかどうかといった電気事業制度全体のあり方について、電気事業分科会で2007年を目途に検討を開始するということになっているわけでございますけれども、今後、原子力の観点からは、原子力投資に及ぼす影響に十分配慮して慎重な議論が行われることが適切だということではないかという整理でございます。
 18ページ、8個目に「新規参入者(PPS)の取り扱い」についても議論を進めました。新規参入者(PPS)は、この5年間に200万キロワットを超えるまでピーク電力を伸ばしてございます。他方、電力9社については、過去10年間を見てもピーク電力の伸びは、8社が200万キロワットを下回るということで、PPSのピーク需要の伸びの部分だけ見ると、かなりのウエートになってきているわけでございます。そうした中で、PPSが今後もシェアを拡大していくというのが見込まれるところでございますので、また、みずから原子力発電への参画もPPSご自身が求めておられるということでございますので、この際、原子力発電に関するPPSの取り扱いについても議論の進め方を整理しておく必要があるんじゃないかということでございます。
 19ページでございますけれども、ここでの議論は、新・増設の話と、既にある原子力発電所について議論が行われました。1つ目に、「新・増設」の部分でございますけれども、この原子力発電の新・増設に当たり、これに見合う需要を電気事業者各社とPPSが補完する場合など、政策目標の実現に向けてPPSの参画は意味を持ち得る可能性がございます。今後の議論の進め方としては、まずは電気事業者とPPSの間で、PPSの参画の形態はどのようなものか、どれぐらいの期間引き取るのか、規模はどれぐらいにするのかなどについて当事者間で検討をするのがまず基本であるということでございますけれども、その過程で、電気事業者やPPSから、国の方でも環境整備としてこういうことが必要だというような具体的なニーズが出てきた場合には、必要に応じて国も環境整備の検討を行うのが適切だということではないかという整理でございます。
 2つ目に、既存の原子力発電所の需要の引き取りという問題でございますけれども、既設の原子力発電へのPPSの参画は、現行の電気事業制度におきまして、優先給電指令など一定の手当てによって、既に原子力発電が安定稼働を担保される仕組みになってございますので、少なくとも既存の原子力発電所についてのPPSの参画は、原子力政策上の意味合いは薄いと考えられるわけでございます。
 ただし、原子力政策上の意味合い以外に、競争や地球温暖化対策に与える影響、電気事業者とPPSとの常時バックアップなど、相対での取り引き状況、PPSの卸電力市場からの調達状況、原子力推進に当たってのこれまでの苦労の評価など、さまざまな観点から幅広い議論がこの小委員会で行われたところでございます。
 1枚めくっていただきまして、こうした原子力政策以外の観点からの意味合いについては、今後の検討課題として整理することが望ましいということではないかということでございます。
 なお、PPSさんが当面の課題ととらえておられますCO2の排出係数の問題につきましては、先ほどの原子力発電のメリットの可視化というところで申し上げたとおり、今後の統一的な算定方法の策定過程において、うまくこの問題が工夫できるのかどうかということを検討していくべきだという整理でございます。
 なお、20ページの最後に、今後の原子力発電投資を円滑に自由化の中で進めていくという意味では、立地地域との信頼関係の強化、核管理構想など新たな国際的なフレームワークへの積極的な協力・貢献、原子力産業の技術・人材の厚みの維持・強化、既設炉の活用など、この小委員会で取り上げなかった課題についても取り組んでいくのが重要であるのはもちろんでございますけれども、これらの課題につきましては、別途、原子力部会でそれぞれテーマを立てまして議論をしていただいているところでございますので、これは原子力部会のほうで整理をしていただくという整理にしてございます。
 以上でございます。
田中委員長
 ありがとうございました。
 これまでの4回の小委員会での議論をまとめたものでございますが、この取りまとめ案につきまして、各委員の方々からご意見等ございましたらお願いしたいかと思います。よろしくお願いします。
 どの場所からでも、どういう観点からでも結構でございますので、お願いいたします。
 佐々木先生、お願いします。
佐々木委員
 最初に1つ質問をしてから意見を申し上げたいと思います。
 質問の中身は、この小委員会としての「まとめ」ができた段階で、原子力部会に「報告」というか、持っていきますよね。そのときに、最終段階としては、原子力部会の「全体のまとめ」の中に、この小委員会の「まとめ」は、全体の中の1つの章とか何か、そういうような形で、いわゆる圧縮された形で入ってくるのではないかと予想するのですね。そのときに、今、我々がここで議論しようとしている小委員会の「まとめ」全体、これはコンプリートの形では外には出ないのでしょうか。例えば、原子力部会全体のまとめの最後に、例えば小委員会のまとめとして、このままかなりコンプリートな形で、別冊というか、付録みたいな形で載るのかどうか、それをまずちょっとお尋ねしたい。
田中委員長
 事務局のほうでお願いします。
柳瀬原子力政策課長
 当然、コンプリートな形で、ここまで議論していただいたものでございますから、コンプリートなものとして残るということを考えてございます。
佐々木委員
 はい、わかりました。ありがとうございます。それでは意見を幾つか申し上げたいと思います。
 全体としてこれを読ませていただいて、私は、2つの意味でよくまとめてもらっているというふうに思います。それは1つは何かというと、形式的にというか、目次を見たらわかるのですが、この小委員会でこれまでやったことのテーマですね、これがほとんど、順番も大体そのとおりだと思いますが、並べられて、包括的に、しかもかなり素直な形でまとめられているという形式的な点からいってもそう言えるのじゃないかという点が1つ。
 それからもう1つは中身の問題ですが、いろいろな問題の領域というか、課題があったわけですが、それについて、割とメンバーの間で合意が得られそうなところ、あるいは合意が得られたところ、そういうことについてはそういうことがわかるように書いてあるし、それから、かなり意見がばらついたところについては、それはそれで両論併記というか、そういうことが読みとれるように書いている。その点から言うと、これが外に出た場合に、我々の小委員会の全体の雰囲気というか、あるいは意見の分布はどうなっていたのかというようなことが外の人に割と理解していただけるような形で整理されているということが1つ。
 それからもう1つ中身について言えば、今のことと関連しますが、合意が得られたような問題については、かなり明確な時期まで区切って、これは早急に制度化を目指してやりなさいというようなことを書いている。それから、そうでなくて、かなり意見がばらついたような問題については、もうちょっと中長期的に、電気事業分科会ですか、そのもとにおいて改めて検討したらどうかというようなことが書かれているという点、この辺のことをすべて総合して、全体として私は、これをこのまま原子力部会へ持っていってもいいのではないかというふうに思います。それが全体的な印象ですね。
 ただ、次回、もう1回小委員会が日程上、予定されていますよね。あるでしょう。
柳瀬原子力政策課長
 予備日でとってありますので、きょうの結果次第です。
佐々木委員
 で、そういうことがあるのであれば、よりよいものにするためにはどうしたらいいかという、若干建設的なことですが、そういう意味から幾つか申し上げたいと思います。
 初めの基本的な考え方とか、あるいは分析等々がずっと出てきますが、やはり問題は、課題と対応策のところだろうというふうに思います。で、幾つか申し上げたいのですが、まず第1は、「広域的な運営の促進」という、6の(3)ですか、ここのところについて申し上げたい。これは私は非常に重要なテーマだと思うのですが、なぜ重要かというのは、いわゆる原子力比率というものが明確に今回与えられて、その実現とか達成ということが要請されているわけですね。そのときに、国はいろいろなことを、より具体的には負担の平準化とか、あるいはリスクの軽減とか、いろいろな対応策を、いわゆるここでは「事業環境の整備」といっていますが、そういうことをやろうとしている。それに対して、では事業者はどういうことをやろうとしているのかということと絡んで、かなり前半のまとめの分析のところを見てもわかりますように、再三広域的運営というのは非常に重要だということを書いているわけですね。それによってはそういういろいろなリスクとか、あるいは負担とか、財務上の問題等々、そういうものが軽減される、緩和されると書いているわけです。で、そういう点からいくと非常に重要だと思うのですが、それならそれで、広域的運営の促進についてのまとめの部分で明確に書くべきです。(a)の一番最後のあたり、ここでも議論がありましたが、非常に積極的なというか、賛成派の部分と、それから消極的な立場とが書かれている。その後ですが、「この勧告などの」云々というところで、このまとめ方は、私は、賛成の立場からの議論と慎重の立場からの議論といった場合、どちらかというと消極的というか、慎重な立場にかなりくみしたような書き方をしているのではないかなというふうにとるのですね。そういうふうにこの文章を理解をいたします。それゆえ、その辺が少し物足りない、私にとっては不満、もう少し積極的に書いてもいいのではないかなというところが1つ。
 それから2番目は、「原子力発電のメリットの可視化」という言葉がありましたが、これは、この小委員会の冒頭、第1回のときに、私は「可視化」ということについて、余り使われない言葉ですねというようなことを言ったかと思うのですが、改めて大きな辞書を引いてみましたら、「可視」という言葉はあるんですね。ところが、どちらかというとこれは理科系というか、意味は、「肉眼で見えること」というふうに書いてあるのですよ。で、どういうところに使うかというと、可視光線、光ですね、そういうところで使うように、普通、我々の日常的な言葉、あるいは社会科学では余り可視あるいは可視化という言葉は使わない。もちろん、この中身はよくわかるのですよ。この本文の第1パラグラフの2行目、「需要家の目に見える形でわかりやすく」という言葉。あるいは一番最後の段落の下から2行目、「需要家にわかりやすく示す」ということ。だから、せっかくこの本文の中でこういうわかりやすい言葉を使っているのですから、「原子力発電の可視化」という言葉を使わないで、原子力発電の幅広いメリットをできるだけ広く、わかりやすく説明するとか、あるいは示すこと、あるいはそういう努力をするということでいいのではないかなと思うのです。それが1つ。
 それからもう1つは、このことに関連して、ここで発電のメリットを一番下のほうの段落ではかなり幅広くとらえていますね、以前のいわゆる「政策大綱」との関連で。こう書いているのだけれども、ここの主張としては、つまり積極的な提言としては、環境面についてのところを言いたいわけですね。だから、この前半部分で全体から見て相当ボリュームをとって、環境面についてかなり全般に書いた上で、一番最後のところにそのほかの幾つかの点のメリットを掲げているというような書き方をしていますが、よりよくするには、むしろ逆にしたほうがいいのじゃないか。むしろ、幅広く一般的な、メリットを政策大綱に沿うような形で掲げて、その後で環境面について、ここに書いてある前段のことを書いていって、早急に統一的な算定方法の基準を示すという、これは1つの小委員会の提言ですよね、そういうところで終わるというように、メリットの順序を逆にしたような書き方をするほうが説得力があるのじゃないかなと。あるいはそのほうがきれいだというか、そういうふうに思います。それが2点。
 それから3番目は、これは一番大きな問題だと思いますが、7のところですね、全面自由化の検討に当たっての留意事項。これについては、ここに書かれていることは、大きく分けて、これは前に私が申し上げたことと関連しますが、2つのことが書かれています。1つは何かというと、これまでの自由化、これをどう評価するか、その実績をどう見るかということ。それから後ろのほうでは、将来今後の、つまり全面自由化、これについてのこと、この2つのことを書いているわけです。そのときに、私が一番ここで不満に思うのは、前段ですね、これまでの自由化の実績をどういうふうにとらえるか。そのときに、前回、余りにも定性的であるというようなことを申し上げたのですが、それについて、若干今回、まとめの中でも、またそういうような実証的とか、あるいは定量的というような表現がありますが。ただ、私はまだ物足りないのは、現行のこれまでの自由化の実績をどう捉えるかということは、やはりこのペーパーの前段の、特に「分析」のところと非常に絡むと思うのですね。
 例えばきょうのところでも、5ページの財務の面、有利子負債のあたりの中段、真ん中当たり、「いずれにしても」云々とあるでしょう。そこで、「一時的に相当程度重くなる可能性がある」とここにも出てくるんですよね。その次のページ、6ページの経常利益のところでも、上から2つ目のパラグラフで、やはり「一時的に相当程度悪化する可能性がある」、こういう表現になっている。で、同じようなことは、需要面においてもちょっとあるし、最後の7ページのところの(4)まとめのところでも、一番最後、「相当程度の影響を与える可能性がある。」と書いてあるわけですね。この辺のところをできれば「可能性」と表現しないでもう少し実証的あるいは定量的に示せれば、そのほうがもっと説得力があるのじゃないかなというふうに思います。
 そのときに、少なくとも、やはり我が国の実績というか、データ、数値を用いるべきであって、ここの、まとめにあるような外国の文献を引用してくるというのは、ちょっとやはり弱いのじゃないかなというふうに思いますね。むしろ、外国の文献を使うのであれば、自由化絡みの、全面自由化をするかどうかということについての今後の問題、将来の問題について論及するときに、もちろん我が国の実績を踏まえた上で何か言うべきですが、それに加えて、外国の先行事例があった場合には、外国の幾つかの文献を引用しながら、補足的に外国の文献を使って、全面自由化については慎重であるべきだ云々ということを言うのは、それはそれでいいと思うのですが。そうでないと、せっかく最後の、ここでかなり合意が得られたと思いますが、「全面自由化については慎重に検討してほしい」ということの説得力というか、迫力がちょっと欠けてしまうのではないかとおそれます。
 それから最後にPPS絡みのところですが、ここのところで、「新設」あるいは「増設」については問題ないのです。やはり「既設」が問題なのです。この前これについては、いろいろ議論があって、このまとめ方のところでは、19ページの一番終わりのあたりで、いろいろなその辺の議論を簡単に要約した上で、20ページの頭で「このため、」というのがあって、今後の検討課題にしようというふうに書いています。これはこれで時間的な制約もあってやむを得ないかなというふうに思いますが、一言だけ申し上げておきたいのは、この問題は必ず一方の競争政策のほうの、公正取引委員会絡みのほうでも論及してくる可能性がないということは言えない。それを考えると、我々の電気事業分科会のもとにおけるこの議論は、むしろ早急にやったほうがいいのではないかと私は思うのです、個人的に。その辺について、若干ここの20ページの一番上の書き方は、「今後の検討課題として整理することが望ましい」というところで終わっていますが、もう少しこの辺もさらに書き込めるかもしれないなというふうに思っています。
 以上です。
田中委員長
 ありがとうございました。
 4点ぐらいありましたが、広域的運用のまとめ方についてやや慎重な立場にくみしていないか、もうちょっと積極的なことを書くべきではないかというふうなことが1つ目でございましたが、この点について、もし委員の方々からご意見いただけたらと思いますが、いかがでしょうか。あるいは事務局から何かお考えがありましたら。
柳瀬原子力政策課長
 これは議論していただいて、ちょうど数から言っても半々だったという、勧告の手続の透明化についてちょうど半々ぐらいだったと思うのですけれども、それで、あのときの議論は、それぞれの立場でおっしゃられた後に、いずれにしても電気事業者さんがあれだけやるといっていて、その成果がこれから出てくるわけですので、今、無理にここを決めずに、その成果を見てから決めようじゃないかという議論があって、それで何となくまとまってきたという感じだったので、こういうふうに右にも左にも寄せずに、むしろ真ん中というか、ちょっともう数年様子を見ましょうねというふうな形で整理をしたつもりでございます。
田中委員長
 2つ目のメリットの可視化というのは、可視光線とかそういうふうに使うのであって、社会学的なところで使うものじゃないんだと。わかりやすくとか何か、そういうふうなわかりやすいのがいいんじゃないかというのがありましたが、ここはいかがでしょうか。中で書いているところには可視化という言葉は使っていなくて、タイトルにこれがなっているところであります。
 どうしましょうか。
柳瀬原子力政策課長
 これは表現でございますので、ちょっと工夫して……。いや、実は、最初からみんな違和感がありながら事務局も書いていて、いろいろな文言を書いても、何かだらだらと、何かタイトルにしては文章になるというので、何かうまくいかないなと思って。ちょっとこれは工夫をさせていただきたいと思います。
田中委員長
 内容のところについても、ちょっと順序を変えたほうが、より主張したいことがわかりやすいのではないかと。ちょっとそれについては考えさせていただけたらと思います。
 3つ目のところで、特にこれまでの自由化をどう評価するかというふうなところについて、悪くする可能性がある等々について、実証的なことで何か示せないかというふうなご意見だったかと思いますし、そのときには、外国の例なんかじゃなくて、我が国のデータなんかをいろいろ使いながら、それを実証的にしたらどうかというふうなご意見だったかと思いますが、この点につきまして何かご意見ございましたらお願いしたいかと思います。
 末次委員、お願いします。
末次委員
 この小委員会の基本的なアジェンダ、マンデートは、やはり電力自由化制度と原子力の拡充。原子力の拡充というのは新・増設とリプレース、こういう難しい課題をいかに推進するかということだと思う。そうすると、特に16、7ページ以降まとめていただいているこの電力制度、言い直せば自由化、これと原子力拡充の関係は、これでいいかどうかという検討の視点が必要だと思う。今、改めて柳瀬課長のブリーフィングを聞いて、感じとして残るのは、自由化と原子力を扱う視点、ここに取り上げられて記述されている視点は、全面自由化を原子力との関係でどうするのか、つまり、電力自由化の範囲です。自由化の範囲という1つのコンポーネントについて、電気事業分科会にどういうスタンスで申し送るかということを書いてある。しかし、自由化の範囲をどうするかという範囲の問題は幾つかの重要なコンポーネントの1つで、すべてではない。
 需要の低迷とか電力市場構造の変化が明らかに見られるが、そういう原子力投資の拡大に対して困難性があることについても書いてある。もう1つ書いてあるのは、電力自由化制度における新規参入の扱いをどうするかということ、これも重要な電力自由化制度のコンポーネントです。PPSの扱い、原子力へのアクセスも書いてある。これも必要と思うのですが、やはりもう1つ、電力自由化制度の中で電力間競争というものをより誘発する、そういうことが原子力投資にとって重要なコンポーネントであることは間違いない。これがこの小委員会の場でいろいろ論議が行われたと思うのです。十分かどうかは議論があると思いますけれども、原子力発電を拡充していく上で、いろいろな障害がある上でこれはどうなんだろうかということについては、原子力部会あるいはその先の電気事業分科会のさらなる自由化論議に申し送る必要があるんじゃないかという感じがする。
 自由化制度における新規参入の扱いをどうするのか、つまり、PPSに原子力発電に対するアクセスをどうするのかという議論も行われていると思うので、やはりもう少し、こういう論議があったというメンションがあってもいいんじゃないかと思います。例えば、自由化制度の中で、発電部門は完全自由化している、こういう中で、地方の電力会社群は既存の原子力発電のリプレース、新・増設に困難性を抱える。しかし原子力発電投資をやってもらったほうがいいという国策論、国益論からの指摘があり、そういう地方の電力会社も競争電源として、ベースロード電源として、原子力発電のより高い稼働率の確保が必要であるという議論等はもう行われているわけです。やはり、こういう電源に対するPPS、つまり新規参入者のアクセスをどうするかというような問題については、おのずと鼎の軽重ははっきりしてくるわけで、その辺のメンションが必要ではないか。つまり、自由化と原子力のありようの評価については、そういうぐあいに領域を広げて議論もしているので、その辺のまとめも必要じゃないかという感じがします。
田中委員長
 ありがとうございました。
 関連して、河野委員、お願いします。
河野委員
 結局、佐々木さんが言われたようなことが1つの印象なんですよ。原子力委員会で目標を出した。経産が受けてこの部会を開き、小委員会が始まって5回やった。その結果、佐々木さんのように原子力委員会の検討に委員になって参加し、あの目標達成に使命感を持っている人は、おい、この書き方は甘いんじゃないかというようなことになる。電力が自主的に決意を表明し、そういうことをやることを期待すると書いてあるが、電気事業法を場合によっては発動して、有無を言わせず公権力で広域運営に向かって引っ張っていくべきだとの主張もあった。その点の書き方が不十分じゃないかという印象を持たれたのでしょう。
 もう1つは、今までの自由化、これからの自由化。で、今までの自由化をどう評価するか。これはここのところでやってないんですよ。金本先生のところでやっているわけです。我々は、大まかな意味で原子力をこれから推進しようとするときには、今の自由化のテンポ、それからこれからの全面自由化、2つを頭に置いてどういうふうに評価するのかなという設問を与えられているわけだけれども、今の、去年の4月からの、1年間しか実績ないけれども、どういうことになっているんだということの評価は、ここでは議論したことないんです。
 まず第1に私が言いたいことは、議論の流れを反映して電事法発動を先送りしたことは妥当だと思う。
 問題は、自由化と原子力推進ということが両立可能かどうかということについて詳細な言及はないことだ。全面自由化のことは別にして、今までの自由化と、原子力を推進するということは、矛盾するのかどうか。このレベルの自由化で行くならば、何もそんな大げさに、原子力を別枠にするまでのことはないと考えるか。
 少なくともこの会議の全体の流れとしては、去年4月からの自由化のレベルまで後退修正するということまで言うことはないんじゃないか。あのレベルだったらば、これからいろいろなサポート手段がここに書いてあるから、それが進んでいけば、ある程度は行くんじゃないか。電力が自分で決意表明しているわけだから、まとめとしては常識的なものだと私は思うのですよ。
 最大の問題は、7のところに書いてあるけれども、全面自由化についての文章の意味です。私は全面自由化になるならば、今までのレベルの自由化とはけたが違う話になるから、根本的に議論をやりましょうねということが書いてあると思う。全面自由化ウェルカムとは書いてない。今の自由化のレベルならば、原子力推進と矛盾はしないけれども、全面自由化になったらば、場合によってはそんなこと言ってられないかなと。もっと深刻な問題が提起されると思う。
 まずまずのできばえだと、85点ぐらいはやれる。
田中委員長
 ありがとうございました。
 築舘委員、お願いします。
築舘委員
 どうもありがとうございます。まず、全体的な受けとめなんですが、事業者の自主的な取り組みを基本にしながら原子力を進めるためにどのような環境整備が必要であるか、そういう視点でまとめられているというふうに感じまして、事業者としては共感できるものだなと思います。個別の検討の中身につきましても、立地から最後のバックエンドまで広い視野で検討を行っていただきましたし、その中で、バックエンドへの対応あるいは減価償却費負担の平準化、さらには廃炉費用負担の軽減・平準化というようなことなど、事業者が原子力の推進にインセンティブを抱くような環境整備について、その方向性を具体的に整理していただいていると思っています。今後、制度化のための具体的な検討に入るものにつきましては、実効性のある仕組みとなるように、引き続きよろしくお願いしたいと思いました。
 なお、この小委員会では、原子力発電の新・増設、それと将来のリプレースを中心に検討してきたわけですけれども、政策目標であります3から4割ないしそれ以上の原子力比率を達成していくためには、まずは安全確保を大前提とするのは当然でありますが、その前提のもとで、既設炉がしっかり稼働することも重要であると私どもは考えております。このことは、事業者の新・増設のインセンティブにもつながっていくことになると考えております。そのためには、事業者が安全の確保あるいは地方の信頼獲得に関係する不断の努力を行っていくということは当然でありますけれども、同時に、国には必要な環境整備を今後ともよろしくお願いしたいと感じております。
 あと、若干個別的なことを2つほど述べたいと思いますけれども、今後、国の政策目標達成に向けまして、私ども事業者としても最大限の努力をしていくということになるわけですが、5の政策目標の実現可能性のところに記載がありますとおり、この委員会において、電力会社の財務面あるいは需要面などでそれなりに悩ましい課題もあるということを解きほぐしていただきまして、これは適切といいますか、よかったのではないかと思っております。
 それからもう1つは、この小委員会の検討の中で、事業者が特に重要と考えておりますのが、バックエンドへの対応でございまして、六ヶ所再処理工場で再処理される以外の使用済み燃料に関する費用の手当てにつきましては、今後、分科会での具体的な検討を引き続きよろしくお願いをしたいと思います。
 以上でございます。ありがとうございました。
田中委員長
 ありがとうございました。
 佐々木先生の3つ目の、これまでの自由化をどう評価するかについて、いろいろな方々から意見もあったところでございますが、この文章の若干の言葉、修正はあるにしても、大きなトーンとしてはこういう方向でよろしいですかね。
 はい、植草委員。あるいはその前に鶴田先生も挙がっているのですけれども、どっちがいいですか。
 では、植草委員。
植草委員
 佐々木委員から提起された点について、末次委員と河野委員からご指摘があったのですが、17ページ「7.」の留意すべき事項(1)、(2)について、特に(1)は前回も非常にわかりにくいと私は申し上げたのですけれども、何とか筋は通ったと考えます。また、(2)のところでかなりはっきり結論が書かれています。今後の原子力発電投資に対する影響に十分に配慮して、自由化については慎重な議論が必要だと、ここまではっきり書いてあるのですから、これでもう十分であろうと思います。私たちは、この自由化と原子力について、余り皆ではっきりした意見表明はしてない。それはこの委員会のほぼ全員が分科会のメンバーでありまして、今後の自由化について、この場でかなりの方向性を出すということは、できる立場にないわけです。ここでこれだけの、ある意味では重要メンバーがそろって、自由化の今後の方向について道筋をつけてしまうということはやってはならないことだと思うのです。また、やれることでもないと思うのです。そうするならば、18ページの(2)で留意事項と書いてあるところに我々の意見の総意があるということで、このまとめでいいのではないかと私は思います。
田中委員長
 ありがとうございました。
 鶴田先生、お願いします。
 では、その前に佐々木先生のほうから何か。
佐々木委員
 一言だけ。今の植草さんのご指摘ですが、私が申し上げたかったのは、この18ページの(2)の、十分に配慮して慎重に議論が行われることが適切だということ、それ自体については何も文句はないわけですね。これはここでこの前議論しましたから、合意があったのではないかと思いますから。むしろ、私が申し上げたかったのは、私は、ここの小委員会で「慎重な議論をしてください」ということは、かなり重要なメッセージだと思うのですね。だから、これを上の文章にあるような、電気事業分科会で2007年を目途に開始される検討に際してこの小委員会としてそういうことを言うわけですから、だから、非常に重要なメッセージだろうと。だから、そのためには、かなり説得力のあるようなことをもう少しその前に、前段に言わないといけないのじゃないかというのが、「実証」とか「定量的」であるべきだという私の発言の本意だったわけです。それだけです。
田中委員長
 質問というか、意見の趣旨、よく理解しておりますが、事務局から何か対応はございますか。
柳瀬原子力政策課長
 この小委員会の第1回に事務局から案を出しましたし、この小委員会をつくるために、自由化と原子力について昨年11月に原子力部会で議論していただいたときに、資料を事務局からお渡ししたのですけれども、当然、佐々木先生おっしゃるように、むしろ事務局自身が一番ここを定量化したい、実証化したいという思いは強かったわけでございます。それで、随分いろいろな研究論文なんかも調べましたし、うまく使えるような論文がなかったということと、それで、じゃ、実際に投資をしている人に聞いてみようということで、これはもう電力各社さんの社長さん、それから企画をやっている、あるいは原子力をやっている副社長さん、それから部長さんクラスまで、相当網羅的に、お話をこの点については伺って、それで、経営感覚として整理をしたのがこの17ページの、定性的ですけれども、この3つが、これはやはり投資をしている立場の人の実感、インタビューをやって、これは個別企業が実際にどう言ったかというのはまずいのでお出ししないというお約束ですので、ここで整理をしたわけです。それで、何でこれが定量的な分析が出てないかというところの、会話をしてみるとよくわかったんですけれども、やはり原子力発電の新規建設をやるかどうかの意思決定は、14、5年前に行われているんですね。そうすると、自由化の本格的なインパクトが電力会社の経営者の方に見える前に決めた案件が最近できた原発。一番新しいやつでもその前に事実上決めていたので、お話をすると、もし自由化がもっと進んでいたら、違う判断はあり得たかもしれないけれども、それを言ってもせんないので、建設しましたというお話だったわけです。多分、定量的、実証的に影響がもし分析できるとすると、もっとこれから建設される分で出てくるんじゃないかと思って、むしろそこはお話を伺うと、実際には相当インパクトがあるというお話が多うございましたので、それを手をこまねいて待っていると対応がおくれてしまうので、定性的ではございますけれども、そこは経営者の方から見て明らかに影響あるという方が多うございましたので、じゃ、やはり制度的な手当てを早くやったほうがよくて、そこの定量分析ができるのを待ってからやると、多分、20年先の意思決定を今やるわけですから、間に合わないので、今回こういう小委員会を立ち上げさせていただいた、そういう経緯でございます。
田中委員長
 佐々木先生。
佐々木委員
 すみません、一言だけ。今の事務局のご説明で非常にはっきりしたのですが、この17ページからきている「自由化と原子力発電の投資」との直接的な影響にかかわる定量的あるいは実証的な研究について、今、柳瀬さんがおっしゃったと思うのですね。私はどちらかというと、もう少し広く、この投資を行う主体は電気事業者ですから、「電力事業者の経営全体に対するインパクト」というのをむしろ考えたわけですね、これまでの自由化をもたらした。だから先ほど5ページ以降の需要面とか財務面とかいろいろな面について、自由化が導入されて以来、電力事業者に対する影響、インパクト、あるいは制約という言葉もこの中に用いられていましたが、そういうようなものがどうなったかということを実証的、定量的にやらないと、そのことはもちろんこの「投資」とも関係するわけですよね。だから、余り直接的にこの「原子力発電投資と自由化のインパクト」ということだけに狭く限定しないほうがいいのではないかと私は考えていますものですから、そういう発言をしました。
 以上です。
田中委員長
 ありがとうございます。
 いいですか、事務局のほうからは。
 じゃ、鶴田先生、お願いします。
鶴田委員
 佐々木委員が提起した問題と離れますけれども、このリポートを私が拝見するときに一番関心を持っていた視点というのは、原子力政策を推進する上での政府と民間はどういう関係であったらいいんだろうかということであります。自由化を背景としているわけですから、企業の独自的な対応ということが大前提になることは言うまでもありませんけれども、原子力ですから、政府の対応を抜きにしては円滑な原子力を推進できないというふうに思います。そういう観点から3つほど申し上げたいのですが、最初は、非常に評価しているところであります。2番目は、やや食い足りないなという印象を持っているところ、第3点目は、これはちょっとリポートから外したほうがいいんじゃないかなという、この3つの部分についてです。
 まず第1は、この目次の6.7.8.あたりが、政府が取り組むべき対応、課題になっているんだと思いますけれども、ここを見る限り、今後、国による対応策の具体化や、電気事業分科会における検討を可能とする論点はおおむね網羅されているなという印象を持っております。まあ、書き足りない部分がないではないと思いますけれども、私は論点は十分カバーされているのだと思います。
 そういうことを念頭に置いて、まず第1に評価すべきことを申し上げたいと思うのですが、このリポートで白地対策と減価償却費負担の平準化対策として、企業会計上、毎年度引当金として積み立てる方向で収支を平準化する措置を提案されていること、これは僕は高く評価したいと思います。特に第二再処理工場の処理費用を白地状態で放置することは、企業の事業リスクを大きくして、原子力政策を推進する上で極めて不適切だという印象が私にはあります。平成16年8月の電気事業分科会中間報告におきまして、第二再処理工場の具体的計画が固まるまでの間はその合理的な費用見積もりが不可能であるから、手当ては対象外と整理されましたが、国の原子力政策を推進する上で、企業の事業リスクを軽減するための何らかの暫定的措置を講ずる必要があるし、暫定的措置を講ずることに政策の合理性があるというふうに私は思います。
 また、原子力発電所建設は、投下資本額が非常に大きいわけでありますから、しかも、かつ、工事期間も長期にわたるわけでありますから、工事が完了し、設備の完成後から企業が減価償却に取り組むのでは、企業の財務インパクトが相当大きなものになると予想されます。したがって、工事に着手した段階から完成までの間にあらかじめ一定額を引当金として積み立てて、これを損金算入することを認める政策を実施するとするならば、企業が原子力発電に取り組みやすい環境をつくることになると思います。これらの措置は、企業のキャッシュフローを改善する効果があります。ある意味では流動性効果と言っていいかもしれません。あるいは事業リスクを軽減する効果も期待できるわけであります。詳細につきましては、今後、電気事業分科会で検討されることになると思いますが、当面、引当金による投資・事業リスクを軽減する措置の導入を示されたことに私は賛意を表したいと思います。
 ただし、この白地対策としての引当金相当額を、可能なら料金に反映することができるならば、バックエンドコストの世代間負担を平準化させる効果を期待できるのではないかということを申し述べておきたいと思います。これが第1点です。
 それから第2点は、これは政府と民間との関係を具体的に考える1つのテーマでございますけれども、例の広域的運営についてであります。このリポートでは、勧告などの発動要件の明確化については、まずは電気事業者の取り組みを見守ることとし、将来、必要に応じて対応策を検討するという取りまとめになっておりますけれども、私が、前々回でしょうか、ここに提出したリポートの観点から言えば、やや腰が引けているなという印象があります。
 私は、3月17日の当委員会に以下のような内容のペーパーを提出させていただきました。電力産業には安定供給、ネットワークの有効利用、安全対策、立地対策など、他の産業に見られない独自の課題があり、これら民間の独自の取り組みを前提としながらも、政府が極めて重要な役割を担っていることを示唆するものであります。政府は、性質の異なるこれらの課題に対して、今までも実にさまざまな政策手段を活用して、民間活動を補完する政策を行ってきたと思います。これからもおそらくそういう政府の対応が求められているのだと思いますが。つまり、電力産業はマーケットだけに、あるいは民間だけに任せておけば、良好な資源配分、所得分配が実現する産業ではないという認識はやはりきっちり我々は共有しておきたいと思います。
 広域的運営の取り組みが円滑に行われるために、自由化時代において、民間独自の活動にゆだねておいて好ましい成果が得られるのか、あるいはこの課題を追究していくために政府が果たすべき役割は何かが、この小委員会にかけられたミッションだと私は思っております。議論を行う上での重要な論点は、広域的運営が安定供給、ネットワークの有効活用、安全対策、立地対策などすべてにかかわっているということだろうと思います。自由化時代ですから、企業は企業独自の立場で経営方針、投資決定を行うことが基本でありますけれども、しかし、このような意思決定の仕組みを前提とすると、部分最適は実現できても全体最適が実現しない可能性が残ります。したがって、政府と企業との関係は、双方の信頼が前提となりますが、それだけでは必ずしも十分であるとはいえないように思います。
 また、別の観点からするならば、適切な供給予備力が今後マーケットにゆだねておいて確保されるのか否かも考えてみる必要があります。本報告書案によりますと、原子力発電投資を行っていくと、財務が相当圧迫されるとの記述がございました。このような状態が発生した場合に企業がどういうふうな対応をとるだろうかと考えてみますと、1つのやり方は、未稼働状態ないしは低稼働率の発電設備を廃棄して、設備の持ち越し費用の軽減を図ることが起こり得ると思います。こういうことはいろいろな産業で随分今までも起こってまいりました。設備の持ち越し費用の軽減を図ることは、個々の企業としては最適の選択であっても、全体として見た場合に、安定供給を実現する上で支障となる事態が発生しないとは言い切れません。発生する可能性もあり得ると思います。
 したがいまして、ここでの論点は、電力産業における資源配分の最適化を図るために、市場にのみ、あるいは個々の企業の経営判断だけにゆだねておいてそれが達成されるのか否か。政府が関与する必要はないのか否かという点を考慮することが必要であります。私は、全体最適を図るために、政府が何らかの積極的な役割を担うべきだという立場であります。
 第3点目、今度は、リポートでこの文言は必要ないんじゃないかということでございます。この19ページの一番最後に、「原子力推進に当たってのこれまでの苦労の評価など、」というのが1行入っております。これはおそらく、いろいろな電力会社のリーダーの方が発言されておりました次のようなことを意味しているのだろうと思います。電気事業者は他電源とは全く異なる苦労をしつつ原子力を推進してきて、その苦労を分担せずして原子力の購入を主張するPPSの姿勢は適切を欠くという考え方が新聞、雑誌等々にしばしばあらわれております。こういうことを念頭に置いて、「原子力推進に当たってのこれまでの苦労の評価」という文言を置いたのだろうと思います。私は、電気事業者が原子力を推進する上で並々ならぬ苦労を重ねてきたことは十分に存じております。その苦労に対してはほんとうに頭が下がる思いがいたしますけれども、特に地元でのたび重なる説明会に加えて、各家庭を戸別に訪問して地域ごとのご理解を得るプロセスに接するにつれて、ほんとうに頭が下がる思いがいたします。特に近年、プルサーマルに対して地元の理解を得るプロセスについてのさまざまな記事を読みましたけれども、私は原子力政策を推進することは大変な努力の積み重ねが必要なのだなという認識を改めて持った次第であります。したがいまして、PPSさんも、ある意味では理知的な世界といいましょうか、あるいは合理的な世界といいましょうか、にのみ依拠して発言されるのではなくて、今までの電気事業者さんの苦労してきたこの情の世界を共有していく経営姿勢というのは、私は持つべきだろうと思うのですね。私は公式の発言の場で情の世界と言ったことは余りないのですけれども、やはり電気事業者さんの今までの苦労と共有する世界を持つ必要があるなという気がいたします。
 しかし、この報告書にあります「苦労の評価」という文言は、私は、政府の報告書に盛り込むことは、以下の点からいってやや適切でないなというふうに思います。私は、前回の小委員会で、きょう配付されておりますこの議事録でございますけれども、終わりのところで、やはり市場構造に問題があるんじゃないかというようなことを申し上げましたが、河野さんが、今のは架空の話とおっしゃったのですけれども、そんなことが念頭にあるものだからあえて申し上げたいと思うのですけれども、私は、前回の小委員会で市場構造の問題としてやや厳しい発言をいたしましたが、私の問題意識は次の点にあります。今までにおいても電気事業者のリーダーの方々からは、原子力発電を推進する上での苦労話についての発言がしばしばございました。その発言内容が新聞、雑誌に掲載されているわけであります。これはどういう効果があるかといえば、例えば電気事業連合会とか優良企業の経営者の方々がこういう発言をした場合に、そのアナウンスメント効果として、個々の企業に原子力の電気はPPSにいかないというメッセージを発信しているに等しいんじゃないかという気がするわけです。この論点は、論証不可能でございますけれども、要するに、苦労してきたんだという話を永遠にすることによって、少なくとも他の電力会社に対して、PPSさんに原子力の電気を売るなよというようなメッセージを発信している疑いがある。したがって、私は、ある外部効果と言ってもいいかもしれません、そういう外部効果が存在する可能性が否定できない以上、政府の報告書に「苦労の評価」という文言を掲載するべきではないなというふうに思います。
 以上です。ありがとうございました。
田中委員長
 ありがとうございました。
 3ついただきましたが、1つ目は評価していただいて、2つ目について、これについては先ほど議論があったところでございますので、今あったような発言があるということは強く認識しております。3つ目につきまして、もう少し議論ができたらと思いますが、武井委員もPPS絡みのところかと思いますので、まず武井委員の意見を聞いてみたいと思いますが。
武井委員
 ありがとうございます。エネットの武井でございます。私からは、お礼とお願いを幾つか申し上げたいと思います。
 まず、本日ご提示いただきました取りまとめ案では、当面の新・増設やリプレースを円滑に進めていくための課題に加えまして、私どもPPSの取り扱いについて独立の項目として記述していただくなど、幅広の観点からまとめていただいたと認識しておりまして、感謝申し上げたいと思います。
 私どもPPSは、ご存じのように、会社の規模、それから歴史、会社ができてからの期間の問題になると思うのですけれども、なかなか長期の期間と膨大な費用を要する原子力に直接我々が参画することがこれまでできなかったですし、当面もかなり難しいと思っていますが、そういう中でご理解を示していただいて、紙面を割いていただいたことは、本当にありがたく思っております。原子力はますますお客様に対する地位を高めていくと思われるなかで、PPSとしても、この原子力に何らかの寄与をしていかないと、社会で認められないと思っておりまして、できるだけ積極的にご支援申し上げたいと思っているところでございます。
 そういう中で、19ページの(2)既設のところの一番下の段落に、議論の経緯が幾つか書かれているのですが、先ほど鶴田先生の方からここは省くべきだという意見もありましたけれども、今後分科会の中で議論していく内容にもつながると思いますので、できればの話ですが、他の部分でも慎重な立場とか賛成の立場で書かれているような形での記述がもう少しあったほうがわかりやすいのではと思っております。
 私どもといたしましては、原子力はかなり競争上の力を持っていると思っています。電力さんも、コストについてかなり自信を持っておられると思いますし、これから地球環境の観点からも原子力はかなり競争優位に立つというふうに思っております。従いまして、将来において不透明な部分がかなりあるということを政策上カバーしていけば、競争の中でも十分勝ち抜ける電源になると思っておりまして、そういうバランスを見て、ぜひ原子力について政策を立案していただきたいと思っております。
 私どもといたしましては、今お世話になっている火力、特にそれぞれの工場等でのコジェネ、あるいはガスタービンでの発電、こういったものが原子力を強くしていく中で圧迫されるというようなことがぜひないようにお願いしたいと思います。その辺はバランスだと思うのですが、原子力は必須のものなので、これは当然育てていかなければいけないと思うのですけれども、それを育てるがゆえに我々が今使っているような電源が今後生き延びることができないということにならないよう、バランスをとって考えていただきたいと思っております。
 そのほか、幾つかお願いしたいと思いますが、原子力はそういう意味で環境の観点からは非常に強い電源だと思っておりまして、「原子力発電のメリットの可視化」ということで16ページには、事業者の削減努力が適切に反映され、電気事業者間の公正な競争に資するよう配慮していくことが必要。また、最後の20ページには、CO2排出係数の問題については、統一的な算定方法の策定過程において工夫が期待という記述がなされております。私どもPPSといたしまして、原子力発電のメリットの可視化の必要性については十分理解しておりますが、一方で、CO2排出係数の問題については、前にも申し上げましたけれども、喫緊の課題ととらえておりますので、この指摘は大変重要であると思っております。その実現に資する政策を是非ともお願いしたいと思います。
 それから、蛇足になるかもしれないのですが、資料の14ページから15ページにかけて、「新規参入者のシェアの拡大が見込まれる中で、原子力発電の広域的運営を計画的に行う観点からPPSも供給計画の対象とすべきではないか」ということが書かれております。この点につきましては、全面自由化の議論に合わせて検討していくことが適切とされておりますけれども、確かに、供給計画の対象にPPSもというご指摘があったということで、この点については何も異論はないのですが、安定供給の確保、地球環境対策の観点から、PPSを入れるかどうかということだけではなくて、より幅広に、供給計画そのもののあり方にまで踏み込んで検討していただければと思っております。これは言わなくても当然だということかもしれませんが、PPSがその特性、役割を踏まえながら安定供給や地球環境対策にどのように貢献していくかについては、今後ともエネ庁さんのご指導を賜りたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
 以上でございます。
田中委員長
 ありがとうございました。
 議論を進めていきたいと思うのですが、特に19ページの下あたりでの文章表現について、鶴田先生からコメントあったところについて、もし関連してご意見とかありましたらお願いしたいかと思いますが。
 はい、築舘委員、お願いします。
築舘委員
 どうもありがとうございます。先ほどの鶴田先生のご発言に関連してのコメントなんですが、鶴田先生はお詳しいのでよくご存じのことですが、念のため状況を申し上げますと、PPSさんが販売されている電気の実は約4割が既存の電力会社からの何らかの形での卸売りの電気ということになっています。その中には当然、原子力の電気も入っております。したがいまして、電力会社が原子力の電気をPPSさんに販売していないということではなくて、それなりの電気が流れているということが1つでございます。
 それからもう1つ、実はこの小委員会でも何度か議論があって、私も言及させていただいたのですが、それに今のような形に加えて、いわゆる純粋な意味での原子力の電気をPPSさんが欲しい、購入したいというときには、PPSさんとそれから個別の電力会社の間のこれは取り引きの話になります。そういうことなんですが、私の個人的な推測としては、各電力会社が、原子力の電気はベース電源としてフルに活用しているので、当然のように売り買いが成立するかどうかはどうでしょうか、こんなことを私申し上げてきたと思っております。そういう実態だということと、私の発言の趣旨だということをコメントさせていただきました。ありがとうございます。
田中委員長
 ありがとうございました。
 あと、いかがですか、これについて。
 先ほど鶴田先生がおっしゃった、この苦労というのが、ちょっと異なったメッセージを与えるというおそれがもしあるとすれば、もうちょっとこの辺の表現について検討したほうがよろしいかと思いますが。
 末次委員、お願いします。
末次委員
 この苦労話のこと、苦労はいろいろありますけれども、いわゆるこの苦労というかなり非経済学的用語が本質を突いているワーディングですね。これは大事な認識だとは思いますが、やや経済学的に考えると、言いかえると何なんだろうかということですね。これについては少し議論してみることは意味があると思うのですが。投資事業者から見れば、あるいは第三者的な市場分析論から言えば、原子力発電の投資と操業の運営をめぐってやはりいろいろなアンノイ障害がある。つまり当事者間でも落ちない、コンセンサスができない問題がいろいろある。要するに、パブリックアクセプタンスと事業者の経営遂行の間に社会的に大きなギャップがあるということについてのいわゆる苦労ですね。それから、政策制度的にまだ補てん、補償されない、いろいろ対策やってコストがかかっているけれども、それが十分に回収されない、つまり未計上なコストがこの分野にはあるというような、そこら辺の苦労ですね。つまり制度措置が伴ってない、社会的パブリックアクセプタンスが伴わない、そういうことがいわば苦労という表現に象徴されているのではないかと思う。だからひとつの方法は注釈でもつける、苦労というのはどういう意味だということをですね。
田中委員長
 河野委員、お願いします。
河野委員
 余りひねくり回したことは言わんでもいい。問題にされているのは僕が言ったせりふらしい。私としてはわかりやすく言うだけの話であって、もし嫌だったら、消しても構わない。どうせこの話は別の席に移ってからのことで、ここで結論出すわけじゃない。だから、一番最後のところにこれがあるんです。次の席につなぐだけの話だからね。気に入らなければ私の言ったことは全部消してもらって結構。しかし、次の席で議論になれば同じ事を言う。ごたごた理屈こねることないんです。素直に考えればいい。
田中委員長
 はい、わかりました。じゃ、表現についてもうちょっと検討させてください。
 じゃ、これはその辺にしておきまして、内藤委員の方からお願いします。
内藤委員
 全体的にここでの議論をわかりやすくまとめていただいたという意味で全体については評価をしたいと思います。その上で、1点確認、2点ここでの先ほど来の議論を踏まえて私の意見表明をしておきたいということであります。
 それで、第1点目は、20ページの最後の注のところに書いておられる項目というのは、私自身は、それぞれ自由化と原子力という観点からもそれぞれに非常に大きな意味を持っておると思っております。したがって、別途原子力部会で議論が行われているということで、原子力部会でその深まりが行われるように確認をしておきたいというのが確認であります。
 それから2点の意見表明を申し上げたいというのは、1点は、安全問題であります。それで、10ページのところでは安全規制の補償制度等のリスクマネジメントの観点から書かれておりますけれども、安全を必ずしも正面切って言われていない。そういう意味では、どうも推測としては、保安院など縦割り行政の影響がここにも及んでおるのではないか。ただ、国民から見れば縦割り行政は関係なくて、ずばっと原子力というものについての懸念を含めて対応を図ってくれということだと思います。そういう点から言うと、自由化の持つ意味というのは、当然のことながら効率化を求めることであり、企業がすべてコストダウンを求めることである。それ自身は非常にいいことなんですけれども、とかく人間の行動というのは、そのときに安全を軽視とは言いませんけれども、それに心が行きにくくなることがあり得る。
 そういう意味で、安全について第1点としては、事業者として安全確保というのは第一の要件であり、当然に実行している、今後とも続ける、それは大事であるというふうなことを書いておかれたほうがいいのではないかと。それで、先ほど築舘さんもそういう意識であるということを言っておられて、表明をされたわけですから、そういうことがあっていいのではないかと。
 それからもう1つは、反対に、それが国の点から見た場合に過剰規制にならないように、国内の規制がほんとうに稼働率を91%、90%まで上げるようにするためには、規制体制がどうあるべきか、今、保安院で検討しておられるようですけれども、そこのところを、ここの自由化と原子力という観点から考えて、稼働率を上げてまさに効率的にするという観点から触れられるということが必要だったのではないか。したがって、これも原子力部会で安全問題というのをやはり正面切って、電気事業者の方のあり方、政府の規制のあり方、その結果としての効率のアップと安全性のバランスという点をよく別の場でもさらに議論をしていただきたいというのが2点目であります。
 それから3点目は、自由化と原子力という本質を考えた場合に、鶴田先生もおっしゃるような市場原理のみに任せるべきではないというのは、原子力については私は言えると思います。原子力について完全な市場原理だけに任せた場合には、おっしゃるとおり、部分最適と全体最適とが遊離する可能性があると思います。そこが理論ではありますけれども、理論だけに任せていいのかということについて、私は疑念を持ちます。自由化と原子力といったときのさらなるポイントは、電力間競争の実態と進展、その評価でありますけれども、その場合に、行き着くところというのは、日本全体の需要が少子・高齢化で減衰する中で、立地点が、受け入れられるところが限られる、そう広がるわけではないという点から考えますと、電力間競争の今後ということを考えて、行き着くところは、私は産業体制問題にいくと思っております。ただ、それを今言うか、これを議論するとかえって混乱を起こすということで、私は意見を控えさせていただきます。要するに、日本全体の最適供給を考えた場合に、電力会社各社の財務負担力、企業力から見て、ほんとうに原子力が今後とも国全体のために建設できるのか、それから先ほど来何度も申し上げておりますような、需要が国内でも大きく変化する。その上で、地元の協力というものを徹底的に各電力会社さんがやっておられるということで、その現状の努力は引き続き推進をしていただく。それで、全体解と部分解とが適合しなくなったときに国を含めて関与を考えるというタイミングが、5年か10年か知りませんけれども、あるタイミングで私は非常に起こり得ると思っております。
 そのことが起こり得ると思っている理由の1つは、各社の経営実態でありますけれども、もう1つは、世界的な買収の動きというのは、前も申し上げましたとおり非常に重いものがあり、現実的な動きがあります。その中で私は、今後の一時的な円ドル関係を例えば見ますと、ドル安が一時行われた後、その後円安になるというふうな状況が長期的に考えられる中で、ストラテジティックなインベスターが考えるというやり方というのは非常におもしろいビジネスモデルができると思います。したがって、今国内で話題になっているようなヘッジファンド的な一部の財務の利差を求めるファンドとは違う動きということがあらわれてきたときには、日本の企業も対応を求められることになると思います。
 したがって、そういう流れを見た場合に、国内的なニーズと将来の対応というふうなところの時差があるということで、今は国内的な対応をぜひ見守るという中で、政府と企業の関係といった場合に、理論とは別に信頼関係の回復が必要だという状況の中で、ここの書き方というのは私はいいと思います。したがって、理論的には正しいことが、現場、そこにおける人間の利益に絡むというところで、理論どおりきれいにすぱっと割り切れるものではないということで、実体を見極めつつタイミングを外さないような、中長期の視点が必要だと私は思っております。
  
 以上であります。
田中委員長
 ありがとうございました。
 3つ目の点については、今後また内藤さんのおっしゃったことを十分理解して適切に検討されることを願ってございます。
 2つ目の安全関係、原子力部会で安全関係の議論をするのか、保安院との関係等々について、これは事務局はどういうふうに整理しましたでしょうか。
柳瀬原子力政策課長
 この資料では、安全確保についてはむしろ基本的な考え方でちょっと最後に追加して書かせていただいたのですが、2ページの下から2つ目のパラグラフの下から3行目、それまでは国が事業環境を整備する、電気事業者からは決意が表明された、その後の文章ですけれども、安全確保を大前提として、国が事業環境を整備、電気事業者は最大限の努力、こういうことで、国のほうも事業者のほうも安全確保が大前提ということを位置づけたつもりでございます。
 それで、今のご指摘の、実際の安全問題をどこまで書くかというのは、むしろ原子力部会と原子力保安部会という別の部会がございますので、そこの関係整理と事務局の保安院とエネ庁の関係、こういう整理でございますので、原子力部会のほうは、はっきり既設炉の活用というテーマを取り上げてございまして、あのときは電気事業者さんからいろいろご提案、ご意見いただいてございますので、あそこの部会のほうでここをどう処理するかというのはよくよくご相談をさせていただきたいと思いまして、確かに、国民の読むほうからすれば縦割りだという一方で、規制と振興の分離という観点を厳しい目で見ておられる国民の方もおられるものですから、ぜひこの関係でちゃんと調整をして整理をさせていただきたいと思ってございます。
田中委員長
 ありがとうございました。
 あと、委員の方々から何かご意見とかありましたらお聞きしたいかと思いますが、いかがでしょう。
 河野委員、お願いします。
河野委員
 この文章の中で、今の話に若干関係するんだけれども、結局、13基が完全にスケジュールどおりできても、稼働率によっては総発電量というのはうんと違ってくるよと書いてある。これが最大のメッセージなんですよ。日本の社会は縦割り社会だから、ここはエネ庁の話であって、保安院の話じゃない。保安院は保安院の独自の見解で、ましていわんや、最近また通常の安全問題に地震問題というのが絡んできたから、これは発電所の着工が遅れるとか、実は現にいろいろなことが起こっている。そういうことを考えてみれば、ますます地震大国日本における原子力という、よその国ではほとんど考えられないような要素をもっとまじめに考えないかんようなことになったことは明らかなんですよ。だから、簡単なことを言うつもりはないけれども、しかし結局のところは、13基仮にできても、電力がまじめにやって大いに言ったとおりのことを実行したとしても、稼働率次第でうんと違うんですよと書いてある。単純だが一番重要なんですよ、我々のメッセージとしては。
田中委員長
 ありがとうございました。
 あといかがでしょうか。大体のご意見いただいたかと思いますが。
 植草先生、お願いします。
植草委員
 きょうはいろいろな意見が出ましたけれども、委員長裁定で決まるものがほとんどではないかと私は判断いたします。また、例えば、佐々木委員が、自由化の評価はもっと広い観点からして、それが原子力に及ぼす影響をきちんと書くべきだという発言はごもっともな意見ですけれども、これは今からはできませんし、評価委員会の問題であることもご自身で認めていらっしゃいます。また、そのような点について、確かにこの分析は弱いというのは前回から指摘されているところでもあります。そうした問題もありますけれども、今から直せないという時間的な制約もありますし、あとは大体表現の問題だと思います。したがいまして、あとは事務局及び委員長にお任せするという形で良いのではないかと私は判断します。
 以上です。
田中委員長
 ありがとうございました。
 あとはいかがでしょうか。
 きょう、いろいろと議論をいただいて、22日に予備日を取っているのでございますが、まあ、取りまとめのおおむねのところにつきましては、本取りまとめ案の内容でいいんじゃないだろうかというふうなこと、もちろん、幾つかの字句の修正と表現の訂正等はあるにしても、おおむねのところはこれでいいんじゃないかというふうなご意見だったかと思いますし、今、植草先生のほうからまとめられたところかと思いますが、そういうふうなことでよろしければ、字句の修正、表現の訂正等につきまして、きょういろいろとご指摘があったところについては、私の方にご一任いただくというふうなことで本報告書をまとめさせていただき、予備日としてとっている22日については、これは行わないというふうなことで、5月30日の原子力部会に修正したものを報告させていただくというふうなことでよろしいでしょうかしら。――はい、どうもありがとうございました。じゃ、そういうふうにさせていただきます。
 本日の議論は以上でございますので、長時間のご審議、どうもありがとうございました。
 最後に、今後の予定につきまして事務局からお願いいたします。
柳瀬原子力政策課長
 それでは、当小委員会は本日をもちまして終了をさせていただいて、本日のご意見を踏まえまして委員長のもとで修正をしたものを、今月30日の第11回原子力部会において小委員会の報告書という形でご報告をさせていただいて、原子力部会のほうでご議論いただきたいというふうに考えてございます。
田中委員長
 ありがとうございました。
 それでは、これをもちまして、第5回電力自由化と原子力に関する小委員会を閉会いたします。また、ご多忙のところ、5カ月にわたりまして熱心にご審議いただきましてまことにありがとうございました。
── 了 ──
 
 
最終更新日:2006年7月26日
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