経済産業省
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独立行政法人評価委員会経済産業研究所分科会(第17回) 議事要旨

日時:平成18年6月2日(金)16:00~18:00

場所:経済産業省第3特別会議室(本館17階西1)

出席者

分科会委員

小野分科会長、小笠原委員、シェアード委員、藤垣委員

独立行政法人経済産業研究所

及川理事長、吉冨所長、田辺副所長、河津総務ディレクター、細谷研究調整ディレクター

経済産業省

森川経済社会政策室長、小林経済社会政策室室長補佐

議題

  1. 独立行政法人経済産業研究所の平成17年度の業務実績について(報告)
  2. 独立行政法人経済産業研究所の第1期中期目標期間にかかる業務実績について(報告)
  3. 今後のスケジュールについて(報告)

議事概要

独立行政法人経済産業研究所の平成17年度の業務実績について(報告)
独立行政法人経済産業研究所の第1期中期目標期間にかかる業務実績について(報告)

経済社会政策室・森川室長及び経済産業研究所・河津総務ディレクターから資料に沿って説明した後、以下のとおり質疑応答。

○今、アウトカム的な評価としてこういうことを見てほしいとか、こういうものが定量的に決まっていれば研究員の間でもしのぎを削れるかなというのがもしあればお聞かせいただきたい。
 あと、資金、時間が自由な場合に、あとはテーマ設定についてRIETIは政策にいかにヒットさせるかというところに力点があると思うので、そのテーマ設定のプロセスは、それもフリーなのか、そのあたりはディスカッションしているのか、質問させていただきたい。

→我々役所から来ている研究員のメリットとしては、役所のニーズとか政治あるいは行政のニーズはよくわかる。ずっとアカデミアにいる人たちはそこら辺がよくわからないので、そういう意味では、我々が問題提起をして、それに答えるような形で学者の先生、研究者が答えてアウトカムをつくっていくというのがベストだと思う。そういう意味で、そこは我々みたいな人間と本当の研究者とのタッグマッチがこれからもより一層必要。
 それと、やはり政策提言の場合には、世の中の人がどれだけ評価してくれるか、幾らいい論文を書いてもそれを世の中の人が評価してくれない。世の中の人が評価するというのは、それなりのニーズがあるものだと思うので、そういう意味で、マスメディアを含めてどれだけの人が、この政策提言なら聞きたいなという提言をやっていく必要があるのではないかと思う。
 それと、テーマの設定は、前に申し上げたことと関連するが、我々は役人なので、基本的には今どういうところでニーズがあるのか、どういうところが今後問題になるのかというのは、役人をやっている以上は問題意識としてずっともってきている。そういう意味で私の場合には、WTOの農業交渉とか、それを乗り越えるためにどういう農政改革が必要なのか、あるいは農業の衰退に歯どめをかけるためにはどういう農政改革が必要なのか、これはいつも頭にあるので、その面からいろいろテーマを設定している。
 ただ、フリーに設定できるわけではなくて、吉冨所長が来られてからテーマの設定についてはブレインストーミング・ワークショップということで、そこで理事長、所長もご出席のもとで、今年はこういうことをやりたいんだということを説明して、それについて了解をいただき、そのときにいろいろなアドバイスもいただきながら研究を進めている。

→直接的に政府がやる施策の具体的な中身としての貢献はまだしていないと思う。ただ、政策担当者や世の中で企業金融に関心がある人たちの想像力を高めるということには明らかに役に立っているという自信はある。
 例えば日本の企業金融というのは、今本当に真剣に対処しなければいけない問題なのか、銀行の尻を叩けば物事は解決するのかというようなレベルにおいて何らかのイマジネーションもしくは答えを与えているのではないか。そういう意味において私は貢献しているのではないかと思う。
 ただ、もう少し具体的な中身に関して、例えば私が今ご説明したような信用保証制度を例にとると、4月に今回改正があったが、そういった具体的な制度の改正においても何らかの役に立てるのではないかなという可能性は感じている。そういうことを実際にするためには役所、ここの場合でいうと中小企業庁とフォーマル・インフォーマルを問わずに積極的に意見交換をしなければいけないなと思う。ただ、これは研究員のレベルでこういうことをやってくださいといっても、向こうは日々の仕事で忙しいといわれるところで終わってしまう場合が多いので、組織としてそういった場を設定することは必要ではないかなと思う。もちろんそれがRIETIとして重要だと思うかどうかという判断は先にあると思うけれども、そういった場を設定することによって、より私たちのデータをもとにして得た知見ですとか理屈上考えた意見といったものが反映されるのではないかなと思う。
 テーマ設定に関しては、今お話しいただいたようにブレインストーミング・ワークショップがあるので、一応スクリーニングはあるということだと思う。私の経験を申し上げますと、何となくの無言のプレッシャーがかかるので、経済産業省にとって重要だと思うテーマ、もしくは世の中として重要だと思うテーマに何となく関心がシフトしていくということを感じるし、実際に私も、前はもっとマニアックなことをやっていたが、今の企業金融研究にテーマを変えたという経験もある。

○1つ問われているのは、RIETIみたいな研究機関の独立性とか、あるいは学術レベルの高さ、これをどう維持するのかということ。つまり外からみて、あの研究所は、政府にとって、あるいは関連省庁にとって都合のいい研究をやっておいて、理論武装できるようなものを提供しているという批判が当たらないような工夫とか、どのようにその辺のことが防止できるのだろうかというところをお聞きしたい。

→それは非常に重要な話で、今回のリサーチからいうと、私たちも今回得た結果その反対側の予見をもっていて、信用保証をやった企業はとんでもないことになっているはずだということを思っていて始めたけれども、何度やってもその結果が反対なので、いろいろ考えたあげく今回の結論になったのであって、そういった意味で試行錯誤の結果やったのであって、何か先見があってやったわけではない。
 ただ、そういったことのプロセスがわからない他の人たちに対してRIETIがちゃんと客観的な分析をする機関だと認めてもらうには、やはり学術的に真っ当なことをやる機関であるというレピュテーション、そこでしか対抗できないと思います。例えば今回のテーマに関していえば、NBERという全米経済研究所が日本に関するプロジェクトを毎年1回やります。そこで、去年1つ目の論文は発表しましたし、もう1つの論文も今年発表する予定であります。NBERのプロジェクトは日本に関心のある外国人を含めたコンファレンスとしては最も権威が高いものの1つだと思いますので、そういった意味で学術レベルは達成できているのではないかと思います。なおかつそういった論文を、ちゃんと経済学の学術誌に投稿して載せてもらうというプロセスを地道に続けていくことによって真っ当に客観性のある分析をするんだというレピュテーションが確立されるのだと思います。

○ある場面では「我々研究者は」と話されて、違う文脈では「我々は基本的に役人なので」とおっしゃるので、聞いている方としては、RIETIの研究者というのはアイデンティティはどこにあるのだろうというのを伺いたい。

→経済学とか行政学とか、そういうものを実際の行政にいかに応用しようか、適用しようかというのがいつも頭にあったので、そういう意味で私のアイデンティティは、基本的にはずっと役人だと思っています。ただ、今の職業上の身分はもちろん研究者なので、例えば国会の議員会館に行くときも、あなたの身分は何ですかと書くところがありますけれども、そこには公務員ではなくて研究者だと書いていますが、ただ、基本的にはそれがうまく融合したような研究者なのだろうと。視点としては行政のニーズがどこにあって、それにどのようにこたえていくのか、あるいはどういう政策提言をしていくのか、そこがやはり基本にありますので、多分そういう機関としてRIETIがあるのだと思います。そうではなく単なる研究機関だけであれば、それは大学でもどこでも、例えば野村総研でも何でもいいわけですよね。そこはやはり霞が関にあって、役所の人もいて本当のアカデミックの人も来ている、そこでうまくお互いのコミュニケーションが図られて、シナジー効果で、役人と研究者がうまく融合して1+1が2になるのではなくて1+1が3にも4にもなると思います。

○この50の研究テーマを見るまでもなく取り組んでいる研究内容は、政策絡みの話としていろいろなところに絡んでくるわけですよね。例えば公的債務の話なら財務省とか、社会保障研究の問題なら、当然ながら厚生労働省とかですね。ですからもっと広く、網羅的ではないにしてもこの研究テーマならあの省庁のあの部局にものすごく関連しているから、そちらの方にも声をかけてアンケートの対象にするというのはいかがか。そうすると、RIETIの方からそういうところにリーチアウトするという志と、もう1つは重要なフィードバックをそこで得られると思うが。

→RIETIの方でそこはやっておりまして、アンケートの結果があったと思いますけれども、経済産業省の課にやったアンケート以外に大学当局とか経済団体とかシンクタンクとかNPOとか、こういった国民に対する評価とかいったことについても聞いている。それから後は大学の先生に対してDPの評価をしていただいているというようなことでございますので、私どもの方は、比較的関係課が特定しやすいとかいうこともございますし、それからおっしゃるように事後的にこのテーマはここがどう思っているかみたいなことは聞く余地がもしかするとあるのかもしれないのですが、そもそも研究テーマが適切な設定がどうかというのは、他の省などですとなかなか適当な答えが返ってこないような気がしますので、これと割と広めのアンケートというのは補完的なものだというふうにご理解いただければありがたいと思っています。

今後のスケジュールについて(報告)

経済社会政策室・森川室長から資料に沿って説明。

――了――
 
 

最終更新日:2006年8月14日
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