経済産業省
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独立行政法人評価委員会経済産業研究所分科会(第18回) 議事録

日時:平成18年6月21日(水)10:00~12:00

場所:経済産業省第4特別会議室(別館3階346)

出席者

分科会委員

小野分科会長、小笠原委員、シェアード委員、藤垣委員

独立行政法人経済産業研究所

及川理事長、吉冨所長、田辺副所長、河津総務ディレクター、細谷研究調整ディレクター

経済産業省

森川経済社会政策室長、大川経済社会政策室室長補佐

議題

  1. 独立行政法人経済産業研究所の平成17年度財務諸表について(審議)
  2. 独立行政法人経済産業研究所の平成17年度業務実績評価について(審議)
  3. 独立行政法人経済産業研究所の第1期中期目標期間にかかる業務実績評価について(審議)

議事内容

小野分科会長
 ただいまから第18回独立行政法人評価委員会経済産業研究所分科会を開催します。本日はご多忙のところ、本当にありがとうございます。暑うございますから、軽装でやらせていただきます。
 今日の議題は3つありまして、17年度の財務諸表の審議、17年度の業務実績評価ということと、第1期の中期目標期間が終わりましたので、それの業務実績評価でございます。
 それでは、配付資料等の説明について事務局からお願いしますが、森川室長がまだ来られておりませんで、大川室長補佐にお願いします。
大川室長補佐
 室長の森川が公務のため少しおくれておりますので、代理で私の方が務めさせていただきます。
 本日の資料の確認をさせていただきます。お手元に配付資料の一覧をお配りしておりますが、これを見ながらご説明させていただきます。資料は、資料1から3―2までございます。また、参考資料が1点ございます。さらっと目を通していただきまして、もし過不足があればご連絡いただければと思います。
 本日は、初めに独立行政法人経済産業研究所の平成17年度財務諸表(案)について、経済産業研究所から説明させていただいた上でご審議いただき、議決をしていただくことを考えてございます。
 次に、経済産業研究所の平成17年度及び第1期中期目標期間に係る業務実績評価について、事務局から各委員のコメントを踏まえて作成した評価表の背景ですとかその理由の案について説明をさせていただきます。その上で、経済産業研究所から補足すべき点について説明ですとか発言をしていただいた上で、委員の皆様にはご審議いただくことを考えてございます。
 なお、平成17年度の業務実績に関する評価結果については、規定により常勤役員の業績給の支給に勘案されることになってございます。
 また、2つの業績評価の審議中は、経済産業研究所の関係者の方々には退席いただくこととしております。ご審議いただいた評価結果については、7月11日に開催される評価委員会、本委員会の親委員会に当たるものでございますが、そこへ報告させていただき、そこで最終的な評価が決定されるということになってございます。
 また、議事録及び議事要旨につきましては、独立行政法人評価委員会運営規程の定めに基づき公開させていただくこととなっておりますので、ご了承いただければと思います。
 事務局からは以上でございます。
小野分科会長
 ありがとうございました。それでは、事務局から今ご説明していただいた方向で進めさせていただきたいと思いますけれども、よろしゅうございますか。それでは、早速審議に入りたいと思います。
 独立行政法人の通則法第38条で、主務大臣が財務諸表の承認をしようとするときには、あらかじめ評価委員会の意見を聞くべきということになっておりますので、平成17年度の財務諸表について、経済産業研究所からご説明をお願いいたします。
河津総務ディレクター
 恐縮でございます。総務ディレクターをしております河津でございます。財務諸表につきましてご説明をさせていただきます。
 資料1でございます。めくっていただきまして、貸借対照表が入ってございます。同じものが2枚入っておりまして、2ページ目が注釈入り、若干のコメントが入っているものでございますが、貸借対照表は後にさせていただきまして、その次にございます損益計算書の4ページ、注釈が入っております方でご説明をさせていただきたいと思います。
 損益計算書でございます。大きく経常費用と経常収益、I、IIとございまして、いわばその差分としての利益の欄が並んでございます。経常費用の方でございますが、真ん中のちょっと上、右側に19億5,900万強の金額がございます。このコストが17年度発生したということでございます。
 中身を見ていただきますと、1.が研究業務費ということで、業務委託費、研究に携わる人件費、それに関係する減価償却費、その他、研究者の旅費でありますとか、研究会の謝金でありますとか、そういったものを含めまして、トータルで15億4,123万という数字でございます。全体の約4分の3強、例年このぐらいの割合でございますが、支出されております。
 それから、一般管理費といたしまして、管理部門の人件費、管理関係の減価償却、その他、分室の賃借料でございますとか、保守管理費等々、合わせまして4億1,800万強の金額でございます。
 それから、雑損といたしまして、若干の為替差損が発生をしております。これは、海外での旅費を現地通貨でお持ちになって、余って持って帰ってきたものを円貨に戻すときの差損、たまたま昨年度は差損だったわけです。あるいは、16年度末に外貨での未払い金を確定させたのだけれども、その後、実際の送金までの間に為替が変動したというようなものでございます。若干発生をしてございます。
 それに対します経常収益でございますけれども、大部分は、交付金収益でございます。そのほか、普及業務関係で本の監修料が29万、本が若干売れた分として3万8,700円。それから、国からの受託収入が95万となっております。
 以上がキャッシュとして入った分でございますが、4番、5番は資産を購入した際に見合った分の金額を負債の方に立ててございますが、それが減価償却に見合った分、同額を収益として立てて相殺するという経理処理をいたしますけれども、その分が4番、5番でございます。
 6番が財務収益、7番が雑益、これは保険の代行手数料などが若干あるということでございます。
 トータルといたしまして、20億 2,080万ちょっとあります。
 この差し引きといたしまして、経常利益が 6,100万強となっております。
 以上が損益計算書でございます。
 恐縮でございます。戻っていただきまして2ページでございますが、貸借対照表でございます。17年度末の時点でRIETIとしていかなる資産、あるいは負債を負っているのかという、いわばストックのデータでございます。
 まず資産の部でございますが、流動資産といたしまして、現預金が5億 8,000万強ございます。そのほか、未収入金でありますとか、棚卸資産等々がございます。
 それから、固定資産。ご承知のとおり、RIETIは非常に身軽な組織でございまして、この上の建物もお国から借りている、分室も借りているということでございまして、基本的には資産らしい資産は余りございませんが、ここに有形固定資産の建物とございます。これは建物そのものというよりも、建物の中のパーティションでありますとか、備えつけというか、くくりつけというか、そういったものが建物というように整理されますので、入ってございます。その減価償却分が差し引かれまして1,400万ぐらいございます。
 それから、工具器具備品ということでございますが、電話機でありますとか、プロジェクターでございますとか、そういったものでございますけれども、これが減価償却後766万弱ございます。取得価格が50万以上のものがこのように整理されてございます。
 それから、無形固定資産といたしまして、ソフトウエアが 1,000万ほどございまして、3,000万強の固定資産があり、トータルとしまして6億1,000万強の資産がございます。
 これに対しまして負債の部でございますが、流動負債でございますけれども、大きいのは2番目の未払い金でございます。業務委託費でございますけれども、業務委託をいたしまして、多くは年度末に確定行為というのを行います。実際に例えば1,000万で契約をしているけれども、本当に 1,000万の支出があったのかどうかというのを年度末、2月にやれるものはやるのですが、どうしても3月になるものが多うございまして、そうしますと、3月に確定をして金額がフィックスするわけでございますが、実際に支払いをするのがどうしても4月にずれ込んでしまうものが出てきてしまいまして、そういうものが未払い金として4億8,000万ほどあるということでございます。
 そのほか、未払い消費税や未払い費用を合わせまして5億円弱の流動負債がございます。
 固定負債でございますが、これは先ほどの固定資産の額に見合う形で、帳面上というとちょっと言い過ぎかもしれませんけれども、資産見返りの交付金、あるいは独立行政法人になりましたときに国から無償で引き継いだといいますか、もらった電話交換機でありますとか、そういったものに見合った分の減価償却分の金額を合わせまして3,200万ほどがございます。合わせまして、負債の部が5億 3,000万強でございます。
 この差し引きといたしまして、利益剰余金ということで、第1期の1年目から4年目までの利益ということで積立金が 2,100万強ございます。5年目の当期未処分利益が6,000万、合わせて 8,300万が資本の部ということになってございます。
 損益計算書、貸借対照表は以上でございます。
 あと、資料といたしましては、5ページにキャッシュフロー計算書でございます。昨年度末の時点で5億 8,000万ちょっとのキャッシュがありましたけれども、そのキャッシュの面からみた入る出るの数字でございます。
 6ページが利益の処分に関する書類ということで、当期の未処分利益、 6,150万強の金額でございますが、積立金とするということにしてございます。
 その下、行政サービス実施コスト計算書でございますが、先ほど申し上げました、いわば損益計算書上のコストのほかに、これで申しますとIIでございますけれども、退職手当の増加見込み額、これは国から手当てされるという前提で、損益計算書、貸借対照表に入っておりませんが、それを計算した金額。それから、III、機会費用といたしまして、ここの11階を借りておりますけれども、これを仮に有償であるとすればということで計算した金額。合わせまして21億強の行政サービスのコストがかかっているという計算でございます。
 ちなみに7ページの一番下に、国有財産の使用の賃料の金額が出ております。坪当たり2万1,540円という計算でございます。
 8ページは固定資産の減価償却のやや細かい内訳、それから、棚卸資産、これは書籍でございますけれども、その内訳等でございます。
 9ページでございますけれども、運営費交付金債務の振りかえの状況を記載したものでございます。例年ですと (1)の運営費交付金債務の増減の明細をお示ししてございましたけれども、昨年、独法の会計基準が変わりまして、 (2)でございますが、当期振替額の明細を記載することになっておりますので、今年度からやや細かいものを入れてございます。それぞれ成果進行基準によるものがどういうものであったのか、費用進行基準のもの、期間進行基準のものがどんなものがあったのかというのを、16年度から繰り越しをしてきた分と、17年度に新たに国からいただいた交付金の分について、それぞれ分けて掲載をしてございます。
 ちなみに16年度の繰越分は、成果進行基準でやっておりますプロジェクトが年度内に終結をしなかったために繰り越したものでございますので、結果的に成果進行基準によるものだけが16年度から17年度に繰り越されております。したがいまして、期間進行基準によるものとかはゼロになってございます。17年度にいただいた分につきましては、次の10ページになりますけれども、期間進行基準ということで、基本的には管理部門でございますが、これが期間進行基準によって収益化されたということでございます。
 役員、職員の給与明細は例年のデータでございます。
 11ページでございますけれども、17年度決算報告書ということで、予算に照らしてどうであったかという資料でございます。
 その後、12ページから業務報告書、15ページに監事の監査報告書という資料を用意させていただきました。
 私からのご説明は以上でございます。
小野分科会長
 ありがとうございました。それでは、ご自由にご質問、ご意見をお出しいただきたいと思います。
 1つお伺いしていいですか。2ページなのですけれども、今までの積立金が 2,100万で、今回の未処分利益が 6,100万となっていますね。今期、随分たくさん残ったという感じがするのです。今までよりも何か工夫をされて残そうとされたのですか。
河津総務ディレクター
 もちろん節約といいますか、合理化という努力はしてございますけれども、それで 4,000万ふえたというのは言い過ぎだと正直思っております。これまでの4年間は、プロジェクトが未了であったものにつきましては、いわば繰り越しができておりました。利益が発生するというのは、プロジェクトに想定した予算額に対して、それよりも少ない額で済むことができたというのがはっきりした段階、すなわち当該プロジェクトが終結した段階で幾ら利益というのが確定することになります。これまでは、終結しないものは繰り越し、繰り越しで来ましたので、そういう意味では、損も少なかったが、利益も少なかったのだと思いますけれども、17年度は最終年度でございますので、すべて終結をしてしまいます。そういう意味で、損が出たとか、利益が出たとかいう確定をさせるプロジェクトが例年より多かったという面が1つあると思います。
 もう1つは、例年でございますと、思ったよりも少ない金額で済むということで、ある意味、当該プロジェクトについては余裕があるなというのが期の途中でみえてくると、そこで予算の変更をして、わかりやすくいえば、余りそうなお金を集めてきて、それをほかに使用するというようなことで、年度の途中から次のプロジェクトを走らせるということができるわけでありますけれども、最終年度でございますので、残り半年で研究プロジェクトを1つ立ち上げて終結させるというようなことは事実上なかなか難しいということがございます。余裕がありそうだというのがある程度みえたとしても、どうしても最終年度の途中、それも後半になってからですと、それをほかに振り向けるということも事実上難しいというようなこともございまして、もちろん少しずつ修正をかけていきますので、当初そのままではございませんけれども、ある時点から以降は次のプロジェクトを立ち上げるという形で、利益にするよりも、ほかに使おうというようなことが時間的な関係から制約されるという面もございました。
小野分科会長
 これは余ってしまうと、翌期の予算から落とされるみたいなことになるのですか。
河津総務ディレクター
 これはなかなか難しい問題でございまして、独立行政法人というのは、5年なら5年の計画で、5年間でこのぐらいの事業規模というものでスタートするわけでございますけれども、役所の予算は単年度主義でございますので、その年その年の状況の中で、独立行政法人の予算といえども、国全体、あるいは所管省庁の財政の状態から無縁ではいられない。当然、増えることもあるかもしれませんけれども、減らされることもあるというのが一般的な状況としてございます。
 そういった状況の中で、例えばRIETIに関しますと初年度7億円という金額が余ったわけでございます。先生方の方がよくご存じでいらっしゃいますけれども、初年度、20億規模の実際の活動はしたわけでございますが、委託費が7億円ほどありましたので、そちらの方にエネルギーがとられて、交付金としてもらった20億のうちの7億円までは使い切れなかったということでございます。当時は成果進行基準とかという考え方を導入してございませんでしたので、今と会計的な意味での処理は違いますけれども、今から考えれば、初年度は使う当てのないというのでしょうか、使い道の決まっていない金が7億円余ってしまったという状況であったかと思います。
 そうなりますと、毎年度20億規模を想定していたわけでありますが、2年度以降、20億ずつ仮に4年間、80億交付金として交付したとしても、RIETIとしては初年度使えなかった7億円を含めて87億円を使えるのかということになるわけであります。そうすると、さらに2年度目以降からトータルとしてRIETIに交付金として80億円渡しても使い切れないだろうということで、使い道が決まらないまま繰り越してしまった7億円については結果的に減らされたということかと思います。
 ただ、そうはいいましても、うちに限りませんが、独立行政法人というのはもともと繰り越しができるという仕組みの中でできておりますので、1円たりとも余ったらそれが自動的に削られるのかというと、そういうことではないと理解しております。例えば使う予定であったのだけれども、何らかの理由で3月までに執行できなくて、5月、6月にずれたというようなことが、直ちに翌年度、あるいは翌々年度の交付金を減らさなければいけないことになるのかどうかということについては、そのときの国の財政状況も含めた一般的な状況の中、もちろん議論にはなると思いますが、自動的にということにはならないのではないかと私は思っております。
 ただ、そのような形で明確にRIETIが過去数年間にわたって議論してきたかというと、初年度の7億円が余りにも大きかったものですから、そういう細かい議論に、例えばこの5,000万がとか 3,000万がとかいう議論ではなくて、そもそもこの7億円をどうするのという話に終始しておりましたので、今申し上げました 5,000万とか1億弱ぐらいが、仮にプロジェクトには支出が予定されていたのだけれども、ちょっと年をまたいでしまったねというようなところまで厳しく削れといわれるのかどうなのかというのは、正直いってよくわかりません。個人的には独法はそういうものではないだろうと思うのですが、他方で国の財政は厳しくなる一方でございますので、自動的にではないけれども、財政当局としては何とか減らせないかという話をしてくる可能性は高いと思います。繰り返しますが、自動的にではありませんが、議論には当然なるとは思われます。
小野分科会長
 独立行政法人としては、法人としての自由度をもっておきたい。その1年なら1年の中でも何が起きるかわからないという。ある程度、積立金はためた方がいいのではないか。例えば、20億使うのだったら1億は積み立てておいた方がいいとか、2億が積み立てておいた方がいいとか。それによって、法人としての自由度を許容してもらう。そのかわり、少しずつ交付金が落ちてきても、その分を将来稼げるようになれば、あるいは受託研究をもっと取れるとか、そういうことになってくればいいと思うので、やはり何らかの結果があらわれてくるので、少しそういう議論をしていっていただいた方が、独立法人なのだから自由度がないとやりにくいのではないかと思えてしようがないのです。ここで議論するテーマではないかもしれませんけれども、もしご意見がありましたらどうぞ。
小笠原委員
 今の委員長のお話の中の続きですけれども、2ページの決算書の貸借対照表は3月時点でして、ざっくりいうと、これはまだ未払いのものが4億8,000万あって、今お金が5億 8,000万あって、それを使い切ると1億残って、そのほか、税金とか社会保険料とかを払ったとしても、剰余金どおりに 8,000万ぐらい残る。固定資産というのは両建てされていますから、そのような格好で推移していると思うのです。
 そうしますと、これは3月時点の話でして、現時点だとその 8,000万がまだきちんと残っていて、それのうち、単に予算の見積もりが誤っていて返納しなければいけないのか、それとも、うちの業務の効率化がかなり寄与しているから、委員長のお話にありましたように、こちらは留保しようということができるのか。そういう議論が今始まっているのか、それとも、もう既にばーんと返納されてしまって、実はその8,000万円はもうないのですという話なのか。その辺は現状どういうことなのですか。
河津総務ディレクター
 お金が今あるのかないのかで申し上げますと、まだございます。今後の手続として、この利益をお国にお返しするのか、RIETIとして使える分として第2期に繰り越しをするのかという議論は、形式的にはこれから財務省と経済産業省でやるということになります。しからば残したいという議論を、今、私どもがしようとしているかというと、実はしておりません。これはすべて国庫にお返しするしかないと思っております。
 まず形式的なことを申しますと、すべて剰余金に積み立てるという案を先ほど示しましたけれども、これをRIETIに残そうと思うと、そもそも目的積立金という形に処理をしなければいけないというプロセスがございます。すなわち、私どもは次期期間に繰越したいということを今ここで提案していないということでございます。
 なぜかということでございますが、今お話のありましたように、合理化をして効率的にやったのだから、それは法人の努力として認めて、ある意味、真のというと変ですけれども、利益として法人に残すということが、いわば独法という制度をつくったときの当初の目的であります。自由度を与えるかわりに責任をとってもらう、責任をとるがゆえに成果が本当に上がれば、利益という形で法人のインセンティブを高めるということになるかと思います。他方、実際、そのような運用といいますか、運営がされているかというと、私どもが承知する限りで申し上げればそうはなっていないということでございます。すなわち、目的積立金という形で積み立てて、それを留保したいということをする場合には、財務省との協議があるわけですが、私どもが伺っている限りでは、それが認められたケースはほとんどないと聞いております。
 財務省的な理屈でいえば、本当にそれが法人の運営努力によって節約され、つまり国民に対して国費の使用が少なくて済んだ分の何がしかであるというように認定をするというのでしょうか、そういうことが極めて難しいということだと思われます。したがって、私どもではなくて一般論ですけれども、確かに利益として例えば1億あったとして、このうちの1,000万円が法人の努力なのか、それとも 2,000万円なのか、いや、たまたま残っただけではないのかというところの線引きというのでしょうか、それが実際上、極めて難しいということかと思います。
 それから、私どものように基本的に 100%交付金に依存しているというところは特にそうなのですけれども、それ以外でも、科学技術系の研究をしていて特許をとって、その特許使用料という収入が上がるというような法人が、利益の翌期への繰り越しを財務省と議論したというのを間接的に伺っているのですが、その際も当該特許がとられた研究の蓄積が国の時代に多くなされている、つまり、独立行政法人になってからのパフォーマンスで生まれた特許ではなく、国の時代のパフォーマンスによって生まれた特許の収入であるのではないかということで、全額だったかどうかは正確にはわかりませんけれども、少なくとも相当部分が財務省に否認されてしまって、繰り越すことができなかったやに伺っております。
 そのような非常に難しい議論を相当しなければいけない。そういう意味での人件費といいますか、労力という意味でのコストが相当にかかるように伺っているものですから、また他に人件費、一般管理費も削減せよという中でございますので、そういうところになかなかエネルギーを割けないというのが正直な私の印象でございます。そういうことで、次期に繰り越すというご提案を今回はしなかったということでございます。
小笠原委員
 前回いただいた3冊のファイルのうちの1冊を拝見しますと、多分普通の民間企業ベースで考えても、相当に収益と費用との間の差額の利益の算出については、各プロジェクトごとにきっちりやっていらっしゃると思うのです。あれだけの労力は相当なものだと私は思います。管理費などもあれだけ人為的にもかけられているという点ではですね。それをもってして、成果進行基準でこれだけの利益を上げたといっても、それでも通らないほど厳しいのか。制度上はちゃんとその道、パイプは用意されていて、それにのっとって、あれだけの労力をかけてやっていらっしゃるのに、何か出口の部分が初めから詰まっているというのが、どうもしっくり来ないなと。ここで議論するようなお話ではないかもしれませんけれども、成果進行基準採用のためにあれだけの労力をかけているなら、もっと勝負してもいいのではないかと思っております。
小野分科会長
 そうですね。そう思いますね。
河津総務ディレクター
 ありがとうございます。そういっていただけるとうれしく思います。ただ、RIETIの管理部門や、あるいは研究グループが付加的な、例年のまさにプロジェクト管理をする労力に加えて、財務省との協議に相当のエネルギーをかけなければならなくなってしまう可能性があります。もちろん、結果的にスムーズにいくかもしれませんけれども、いかない場合は、面倒くさいからやめますというところにはいけないものですから、やるからには相当な覚悟をもってやらなければいけないということが現実としてあると思っておりますので、そこには正直踏み切れていないというのが現状でございます。人的にも余裕がない。いわばもともと軽い組織で始めているRIETIでございますので、そういう付加的な、しかもどのぐらいマンパワーという意味でのコストがかかるかわからない作業に着手するというのは、正直ためらっているところでございます。
小野分科会長
 どうぞ。
及川理事長
 事務方はそういうだろうと思いますが、せっかくすばらしいご意見をいただいたので、検討したいと思います。
 というのは、特に昨年度は、今申し上げたような事情から、繰り越しができないということで、年度途中からご報告申し上げましたように、ある意味では使い残さないようにということで努力したのですけれども、他方で、研究部門の方は所長以下、多くのDPをこなさなければいけないということで、率直にいってかなり過重な負担がかかったということは事実だと思います。ですから、それを繰り返すことはなるべく避けて、5年の間でそれなりの数値目標をトータルとして達成するようにしなければいけないのですが、先般の会議でご説明申し上げましたとおり、今回は多分、政策史等の支出が後ろ倒しに出てくる。そういうこともあって、5年をよく見通した上で、費用配分なりロケーションをきちんとしていかなければいかんということがありますので、もし積立金ということでその辺の調整ができるのであれば、我々としては大変助かることになりますので、どういう形ならば財務省を突破できるのか。できないならできないなりにまたご報告申し上げて、お知恵をおかりしたいと思います。ありがとうございます。
小野分科会長
 どうぞ。
シェアード委員
 今の議論で不思議に思うのは、財務省という名前が出てくるのですけれども、総務省の名前が出てこないというのが印象的だったのです。こういうことをやるのに財務省の折衝が必要であれば、当然ながら財政再建の予算管理の観点からみて決定するだろうと思います。でも、今の話だと、独立行政法人の制度そのものに非常に深くかかわってくるような気がするのです。ですから、そこでむしろ、RIETIと財務省の間に独法の制度の番人である総務省がどうして出てこないのかというのが、外からみて不思議なことだったのです。
河津総務ディレクター
 RIETIに関しますと、利益処分に関しまして、個々の法人の利益処分については財務省と協議をするということになっております。そこには総務省は出てまいりません。総務省はまさにシェアード委員がご指摘のとおり、制度全体という観点から、いわば個々の法人の運営に関して、関与するという仕組みになっていないものですから、そういう意味では、RIETIの利益をどうするのかということに関していうと、制度的には総務省は出てこないことになります。
 他方で、しかし、そのような運用が一般的に行われているのかどうか。あるいは、それが独法の仕組みそのものをつかさどっている総務省として、改善の余地があるとみるのかという意味では、まさに総務省の役割というのはあると思うのですが、私どもが知る限りでは、そのような問題を考えている状況にあるとは伺っておりません。
小笠原委員
 財務省と、むしろ間接的な交渉ではなくて、直接的に交渉ができるということですよね。
河津総務ディレクター
 もちろん経済産業省を間に挟んでということになりますけれども、財務省とは、法人の各年度の利益をどうするかという協議をすることになります。
小野分科会長
 まだしばらく積立金をためていただいて、何か文句をいわれるまで膨らませていったらいいのではないですか。
 ほかにご質問ございますか。もう1つ伺っていいですか。14ページ目の (6)に監事の名前が出ていまして、中央青山監査法人になっているのです。これは7月から9月まで停止されますよね。そうすると、監査ができなくなります。その代案は何かお考えですか。
河津総務ディレクター
 まず制度的なことを最初に申し上げさせていただきます。中央青山が処分として受けたものは、正確ではありませんけれども、民間企業に対する財務監査というのでしょうか。
小野分科会長
 独立行政法人は。
河津総務ディレクター
 対象ではないということだそうでございます。
 それから、もう1つ、監事ご本人に個人として私どものRIETIの監事を非常勤でお願いしているということでございまして、法人が処分を受けたことから、直ちに監事個人の活動たるRIETIの監事についての処分の範囲が及んではいませんので、そういう意味では問題はないということを、行政処分が出たときに役所の方ともご相談をして、大丈夫ということは伺っております。
小野分科会長
 ありがとうございます。
 それでは、財務諸表について議論をしていただきましたけれども、分科会としてはこの財務諸表が適当であるということを報告しなければいけないのですが、そういう意味では、当分科会で適当であるという決議をしたいと思うのですけれども、よろしゅうございますか。

 (「異議なし」の声あり)

 それでは、当議案は適当であるということを決議して、次に進みたいと思います。
 続きまして、第2、第3の17年度及び第1期中期に係る業務実績の評価に入ります。まず17年度の業務実績について、事務局から評価表の理由、背景案の説明をしていただきたいと思います。そこの中に、前回の分科会で随意契約の状況について説明をしていただいたのですが、評価はしないけれども、次の親委員会の所見を報告するということになっています。資料2―1の一番最後に資料をつけさせていただいていますけれども、これについてもご確認をいただいて、ご意見があればお願いします。
大川室長補佐
 それでは、ご説明させていただきます。資料2―1をまずごらんいただければと思います。
 まず、平成17年度に係る業務の実績に関する評価でございます。ここの理由・背景につきましては、前回の委員会以来、委員の皆様にご提出いただきました評価のコメントを総合させていただきまして、事務局でまとめさせていただいたものでございます。委員の皆様のご意見が反映されているかどうかなどについて、ご確認いただければと思います。今回については、その中からすべてを読み上げると時間がかかってしまうものでございますから、主要なところを読み上げさせていただきたいと思います。
 それでは、資料2―1でございます。理由・背景でございますが、まず1つ目、国民に対して提供するサービスその他業務の質の向上に関する目標を達成するためにとるべき措置についてでございます。6個ほど項目がございます。
 1つ目でございますが、研究テーマの設定に関しては、先見性に重きを置きながらも、政策形成ニーズを十分配慮し効果的に反映している。ですが、長期的には、経済産業省の意見も取り入れつつクラスターの再編などを考える必要があるのではないかというようなご意見をいただいてございます。3行ほど下でございますが、平成17年度の政策当局等からの依頼に基づく調査研究数は、昨年度までの成果と比べると少なく、あと一歩目標値を満たしていないというご意見もいただいてございます。
 (2)でございます。研究活動に関しては、ディスカッションペーパーの発表数と出版の発行数は、目標値に達成しているだけでなく、英語のディスカッションペーパーも3分の1程度あり、内容も充実しているというご意見をいただいてございます。
 (3)でございますが、研究成果・政策提言内容の学術的水準に関し、外部レビューアから高い評価を得ているというご意見をいただいている一方で、その1行下でございますが、平成17年度の件数が昨年度より15件少ないというのは気になるというご意見もいただいています。ですが、目標値を大きく超えており、量的にも満足するものではないかというご意見をいただいております。
 (4)でございます。政策形成に関するインパクトでございますが、外部評価に関する評価結果については、政策当局や外部有識者との対話をふやした効果が出ていると考えられるというご意見をいただいております。他方と書いてございますが、偏った評価が示唆されるため、評価方法の明確化を望むというご意見もいただいてございます。2行ほど下に行っていただきまして、研究所内において政策提言と政策形成の因果関係について評価・認定する制度については、経済産業省のアンケートをみる限り不十分であると考えられるというご意見もいただいております。いろいろご意見をいただいておりますが、例えばコンファレンスにおける参加者の満足度は83%と高い水準であるという評価もいただいておりますし、ホームページのヒット数及び論文のダウンロード数は過去最高の件数を記録して、すばらしいものであったのではないかというご意見をいただいております。
 1ページ進んでいただきまして2ページ目でございます。 (5)でございます。暗黙知を形式知としてデータベース化したかどうかという項目に関しては、さまざまな取り組みを行っており利用率は高いとご意見をいただいている一方で、国外の政府統計局とのさらなるリンクの活性化みたいなものができないのかというご意見をいただいております。
 (6)でございます。上記以外に評価すべき事項として、BBLなどを行っておりますが、研究者の研究発表や貴重な政策議論の場として大変有効であると評価していただいてございます。ポリシー・アナリシス・ペーパーにつきましては、数を増やす余地はあるというようなご意見もいただいておりますが、研究成果の普及に大変寄与しているのではないかというご意見をいただいてございます。
 次のページにいっていただきまして3ページ目でございます。次の項目、2.でございますが、業務運営の効率化に関する目標を達成するためにとるべき措置として、どのような評価があったかということがこのページ以降でございます。
 1つ目の括弧でございますが、情報システムの活用に関しては、アクセス件数は昨年度と比べて減少している。しかし、ネット上で有効に活用されているのではないかというご意見をいただいております。2行下に行っていただきまして、例えばナレッジマネジメントのモデルケースとしては、少し向上の余地がありそうだとご意見もいただいております。
 (2)でございます。人的体制に関しては、パフォーマンスですとか実勢に基づく処遇ではなく、もとの職場における職位を反映した給与体系になっており、人材マネジメントの手法が限られているため、改善の必要があるというご意見をいただいてございます。任期満了後の転籍によって処遇が向上した研究者の実績については、目標を達成しているというご意見をいただいてございます。
 次のページに行っていただきまして、3.予算に関してでございます。
 1つ目でございますが、予算と決算との間の齟齬については、予算内で適切に処理されており、大きな齟齬はなかったというご意見をいただいております。1行下でございますが、使途の透明性が確保される体制については、十分に適切な体制が確保されているのではないかというご意見をいただいてございます。一方で、1行下の最後のあたりからでございますが、競争的資金の確保については、件数が1件だけであり、さらに獲得の余地があるのではないかというご意見も頂いてございます。
 (2)でございますが、収入機会の確保についてはもう少し期待したいとご意見をいただいてございます。
 (3)でございますが、類似機関との費用対効果の比較については、比較が困難であるものの、平均水準には達しているのではないかというご意見をいただいてございます。
 (4)でございますが、運営費交付金の収益化状況に関しては、効率的かつ計画的にほぼ予算どおりに適切な範囲内で執行されたということを評価していただいてございます。一方で、前年度よりも利益がふえていることもあって、目的積立金にするための制度構築を期待したいという先ほどのような議論をいただいてございます。
 次のページでございますが、4つ目の評価項目でございます。短期借入金の限度額については実績がなかったということで、本評価項目については実績なしという評価をさせていただいてございます。
 次のページでございますが、5つ目の評価項目、剰余金の使途についてでございますが、これについても剰余金が発生していないという会計処理をしておりますので、評価項目については実績なしとさせていただいてございます。
 次のページでございますが、7ページ目、6つ目の評価項目でございます。その他の主務省令で定める業務運営に関する事項 でございます。1つしか項目がございませんが、若手の育成ですとか人材獲得・活性化をねらった諸策は高く評価していただいているというところでございますが、他方、逓増している管理部門の人員比率は多少問題があるのではないかというご意見をいただいております。流動的な雇用が占める割合は極めて高い水準で維持されており、これは評価していただいているのかなと思いますが、それゆえに、研究所の知の蓄積についての工夫が必要ではないかというご意見をいただいてございます。
 次のページに行っていただきまして、最後の総合評価でございます。8ページ目でございますが、今まで築いてきた基礎を足がかりに、質・量の両面において、高い政策関連研究・啓蒙活動の実績を上げてきている。その使命を効率的・精力的に果たしていると評価できるという評価をいただいてございます。今後もユニークな組織風土のもと、研究成果・提言で存在感のある研究所を目指してユーザーニーズをしっかり受けとめてもらいたいという総合評価をいただいてございます。
 17年度の評価について、すべてではございませんが、あらましを読み上げさせていただきました。
 次に資料3―1を続けて説明させていただきます。中期目標期間に係る業務の実績に関する評価でございます。これは昨年までの5ヵ年の中期目標期間に関する評価をいただいたものでございます。
 1ページ目でございますが、最初の評価項目、国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項というものでございます。最初の項目として、経済産業政策に関して、従来の政策当局ではできなかった人材の確保と運用により成果を上げており、経済システム全体を視野に入れた横断的な政策研究とそれに基づく提言活動ができたという評価をいただいてございます。
 次の項目でございますが、研究所の政策研究・提言活動は、質的に相当なレベルになってきており、モジュール化、企業金融等の研究テーマのように多くの政策研究分野において、理論的・分析的基礎を提供したという評価をいただいております。一方で今後は、経済産業省のニーズを研究テーマの策定などに反映するなど、考慮していく必要があるのではないかというようなご意見をいただいてございます。
 3つ目の評価でございますが、研究所の研究成果は、関係者の間では、多くの議論の話題を提供できたと評価でき、農業政策ですとか不良債権問題、財政改革などの研究テーマのように、多くの政策研究分野において影響を与えた。一方で、今後はというのは、先ほどと同様でございますが、経済産業省等のニーズを研究テーマの設定などに反映していくなど、考慮していく必要があるのではないかというご意見をいただいてございます。
 4つ目の項目でございますが、コンファレンスの開催とともにBBLの場が議論のベースとなるなど、多様な媒体で幅広いユーザーを引き寄せており、大変満足度が高い。しかしながら、研究テーマによってはユーザーが固定している傾向もあるのではないかというご指摘をいただいてございます。
 このページ、一番下の項目でございますが、組織内部でのマネジメントが機能しており、研究自体が自己目的化するような心配はなく、よく議論されているのではないかというご指摘をいただいてございます。
 次のページでございますが、2ページ目でございます。同じ評価項目のうちでございますが、野心的な中期目標を質の高い出版物で達成しているというご意見をいただいてございます。
 次の項目でございますが、専門誌への発表数、国際シンポジウムでの発表数、ディスカッションペーパー数も高いレベルにあり、中期目標を上回る成果であったと評価いただいてございます。
 3つ目でございますが、年々ホームページからダウンロード数が増加しており、中期目標を多く超えているという評価をいただいてございます。
 次の項目でございますが、政策部局からの研究協力や依頼件数に関しては、目標を大幅に達成し、数の上では高いレベルにあると評価いただいてございます。
 その次でございますが、コンファレンス等への参加者へのアンケートでは、83%という高水準の満足度を得ており、顧客満足度が高いとコメントいただいてございます。
 次の項目でございますが、コンファレンスの開催数は中期計画の目標を超えて達成しているというものでございます。
 幾つか飛ばさせていただきまして、下から2つ目でございますが、政策プラットホームは年々レベルが向上しており、目標の倍以上の成果が出ているという評価をいただいております。
 一番下の項目でございますが、それ以外の項目として、評価対象項目は十分なのではないかというようにいただいておりますが、今後は流動雇用が多いことに対する対処、例えば研究ノウハウの蓄積ですとか、そういったものが必要ではないかというご指摘をいただいてございます。
 2ページ進んでいただきまして4ページ目でございます。次の評価項目でございますが、2.業務運営の効率化に関する事項でございます。研究所の組織体制については、即戦力のある人員を機動的に確保・運用し、流動的な雇用で弾力的組織体制がつくられているというところでございます。そのほかで、知の蓄積について配慮してほしいという指摘も受けてございます。
 その次でございますが、研究支援部門では、民間スペシャリストの活用が行われ、多様な人材を幅広く登用しているというコメントをいただいてございます。
 3つ目でございますが、情報システムの活用に関しては、ウエブサイト上のバーチャルな会議の設定が効果的に行われているというコメントをいただいてございます。なお、予算管理システムの導入の契機となった15年度の成果進行基準というのは、先ほどの決算のときにもございましたが、より研究のコストと成果に関するマネジメントの意識が高まってきたと評価をいただいております。一方で、成果進行基準は成果を発揮するためのマネジメントであり、手間と時間の節約には配慮すべきであるというコメントもいただいてございます。
 4つ目の項目でございますが、任期満了後の転籍について処遇が向上した研究者の比率は、17年度は50%を達成している。ただし、総数が少ないので評価が難しい面があり、過去の実績を研究し、もっと改善すべきであるというコメントをいただいてございます。
 その次の項目でございますが、大学院生、ポスドク等の研究者の参加に関しては、流動的な雇用を一貫して維持している。若手研究者をよく受け入れているというコメントをいただいてございます。
 次のページに行っていただきまして、政策提言・普及業務における情報システムの活用は、努力の余地はまだあるのではないかというコメントをいただいておりますが、アウトプット指標は大きく目標を超えており、非常に幅広く活用されているのではないかというコメントをいただいてございます。
 最後の項目でございますが、各種情報収集及び統計加工・管理業務における情報システムは、相当活用されているという印象を受けているとコメントいただいております。そのほか、BBL活動は国際色ある貴重な政策論議の場となっているなど、非常に高い評価を得ており、政策に関するプラットホームとして有効な場を提供しているとコメントいただいております。ポリシー・アナリシス・ペーパーについては、わかりやすく有効であるが、さらに数が増やす事が望ましいのではないかというコメントをいただいてございます。
 次のページにいっていただきまして、3.でございますが、財務内容の改善に関する事項でございます。
 健全性を確保しており、資金的な齟齬は発生していない。
 使途の透明性を図ることは当然のことである。見積もりの精度を高めて、成果進行基準をより効果的に財務・管理両面に活用するべきだということ。
 3つ目としまして、資金使途に関しては、内部手続に基づいて行われることは当然のことですというコメントをいただいている一方で、現状としては妥当であるといただいております。
 4つ目でございますが、中期計画当初は予算と実績との収支の乖離がみられたが、毎年度、その乖離幅は縮小し、改善している。現在は良好なのではないかというコメントをいただいております。一方で、これも先ほどの議論でございますが、中期投資の財源を確保するべく余剰金を積み立てて確保することを検討すべきではないかというご意見をいただいております。
 最後の項目として、出版やシンポジウムに関する諸収入は余り多くなく、収益性を高める指標を検討するなど、今後、諸収入を伸ばす努力が必要ではないかというコメントをいただいてございます。
 7ページ目でございます。次のページでございますが、4.その他業務運営に関する重要事項としまして、これも先ほど来指摘されてございますが、雇用の流動性が確保されている一方で、知の蓄積について考慮していっていただきたいというものですとか、その次の項目としまして、業務内容に応じた適切な人材の確保ができているという評価をいただいている。
 3つ目としまして、管理部門が占める人員配置比率が少し高いように思える。これが年々増加していることが気になっており、今後、問題視される可能性があるのではないかというご指摘をいただいてございます。
 長くなって恐縮でございます。最後の項目でございます。8ページ目でございます。総合評価でございます。
 これはちょっと長いのでございますが、読み上げさせていただきます。多種多様な人材を流動的な雇用形態のもとでマネジメントし、高いレベルの成果を上げるのは、トップのミッション・方向づけの確かさとその構成員へのコミュニケーションと構成員の協調がない限り困難である。このような状況で、経済産業研究所はこれまで著しい成果を上げたと考えられ、第1期中期計画期間は目標を上回る成果を上げたといえる。
 次の段落でございますが、定量指標の中には、中期計画当初の目標設定が初回であることから結果的に過小であったと思われるものも含まれており、今後は国際的な研究機関の成果と対比できるような目標が必要と考えられる。これまでの成果が初期の想定以上に各方面からの高い評価を質・量ともに受けていることは、各種のアウトカム・アウトプット指標により明らかであり、間違いないのではないかというようにいただいております。
 3つ目でございますが、第2期中期計画期間も順調にスタートしており、今後は、アウトカム志向も必要ですが、さらに優秀な人材が多数集まってこられる研究所、認知度の高い研究所を目指してもらいたい。この5年間で築かれた体制、組織的DNA、実績を踏み台に、さらなる発展や進化を期待する。これからも独立行政法人としての組織的利点を生かし続けるべきである。また、一官庁所属の研究機関の性格から脱皮した設立当初の志を生かし、幅広い政策研究志向、開放ネットワーク型の強みをこれからも大事にするべきと考える。政策研究・提言活動を追求する日本を代表する研究所として、世界有数の内に入る素質を内包していると判断する。その芽を大事に育てる努力がこれからも惜しまれるべきではない。
 さらに、今後はより広報・宣伝活動を行うことにより、経済産業政策に関する提言力のある研究所という他にはない特質をさらに広め、存在意義を高めていくことが重要であるというコメントをいただいております。
 長くなりました。以上でございます。
小野分科会長
 ありがとうございました。
 もう1つ、2―1の一番最後の資料に参考資料、随意契約の状況をお願いできますか。
大川室長補佐
 2―1の資料の最後のページをごらんいただけますでしょうか。先ほど委員長からご紹介いただきました経済産業研究所の随意契約の状況についてコメントいただくという件でございます。案として出させていただいておりますのは、項目が2つございまして、1つ目、随意契約に係る規程類等の整備状況に関しては、随意契約に係る規程類について法人のホームページで公表されているということでございます。
 2つ目、随意契約の妥当性、手続ですとか随意契約の成果についてでございますが、経済産業研究所の委託業務は、特定の政策領域に高度な専門知識を要するものが多いが、国の随意契約の見直し結果などを参考に、18年度以降、随意契約から一般競争入札などへ移行するなどの努力をお願いしたいというコメント案をいただいてございます。
 以上でございます。
小野分科会長
 ありがとうございました。随意契約のところは余り議論できていないのですけれども、下に表がつけてありますように、件数114件のうち 113件が完全な随意契約ということになっていますので、その必要性について事例がありましたらご説明いただけますか。
河津総務ディレクター
 前回の分科会のときに、 113件の内訳を資料で用意させていただきました。お手元の資料2―2の20ページをごらんいただけますでしょうか。表が2つ入ってございまして、そのうちの上の方の資料が、今、参考資料として配られているものと同じものでございます。一般競争入札等を除きました随意契約だけで113件でございますが、 113件の内訳が20ページの下の表でございます。私どもの方で、どういうものについて随意契約を行っているのか、いわば使途といいますか、目的で分けましたものがこれでございます。研究調査委託等というところから始まっておりますが、それぞれにつきまして少し事例でご説明させていただきます。
 研究調査委託等ということでございますが、これはRIETIでやっておりますプロジェクトの中で、データをアンケート調査してもらって調査会社に集めてもらうようなこと、あるいは、いろいろなデータベース、例えば国連のデータベースと私ども日本の通関統計とアメリカとアジアと何とかというのを全部突き合わせて大きな表にしてみて、為替がちょっと動くと、一体何がどのぐらいのインパクトを受けるかというようなことを調査会社にやってもらう。例えばリサーチアシスタントにそういうのをやらせるという方法もありますけれども、一定のノウハウをもっているところに委託をしてやってもらうというようなこともございます。そういうものでございますが、例えば17年度の例で申し上げますと、高齢者の行動というのでしょうか、資産がどのぐらいあって、どういうものに使っているとか、どういう意識でいるとかいうようなことにつきまして、そういうパネルデータを集めるというので、日本リサーチ総合研究所というところに2,800万の委託をしたというのがございます。
 それから、2つ目で申し上げましたいろいろなデータを集めてきて、ちょっとした解析というのでしょうか、シミュレーションというのでしょうか、そういうことをやってもらうというようなことでいうと、価値総合研究所というところに東アジアの通貨切り上げの影響というものを貿易データを集めて分析してもらうというようなことをお願いしたものがございます。
 2番目でございますが、派遣職員でございます。ご承知のとおり、RIETIは身軽でやっておりますので、派遣の方も結構おられます。23件となっておりますけれども、同じポストでもご本人の理由でやめられて、半年、半年になったりするので、別に23ポストが全部派遣だという意味ではございません。もっと少ないのですが、そのような方がございます。それから、図書の整理のようなものを業務委託として人に来ていただいて、RIETIで仕事をしていただくというようなものがこの中には入ってございます。お1人、月30~40万でございますので、年間でいいますと、12倍とかいうことになってまいります。
 次のデータベース・ソフトウエア・図書購入費でございますが、これはそのままでございまして、例えば東京商工リサーチでありますとか、帝国データバンクでありますとか、前回、植杉研究員から、金融機関が中小企業に対してどういう貸し出し行動をとっているかというのがございましたけれども、あれはCRDという機関が最近できまして、信金でありますとか信用保証協会などの取引先の中小企業の財務データをもっております。それを全国規模で集めて、もちろん何という金融機関が何という会社に幾ら貸しているというのは我々わかりませんけれども、A信金がα企業にということで、そういうデータが何百万件とあるわけですが、そういうものを研究用ということでいただくという契約を結んで使わせて頂くというようなこともございます。
 その次のコンピュータネットワーク・ウエブでございますが、これはRIETIがまだ役所だったときに入札で今のシステムができておりますけれども、そのまさに保守メンテナンス費用でございます。
 その下の執務室維持経費、これは分室の借款料、光熱水道費でございます。
 コンファランス経費・翻訳費はまさにそのとおりでございまして、コンファランスの際の通訳でありますとか翻訳といったものでございます。
 その他はまさにもろもろでございますので、これとはなかなか整理しにくいのですが、深夜残業になったのでタクシー代が発生するとか、そのようなものがこのぐらいの件数でございます。
小野分科会長
 参考資料のところに一般競争等への移行をするなどの努力をお願いすると書いているものですから、実際にできるのかなということもありまして、詳細なご説明をお願いしました。
河津総務ディレクター
 そういう意味で、今申し上げた中でいいますと、研究調査委託のもの、これは件数そのものをトータルとして減らしていくというのもあると思いますけれども、こういう調査研究委託について、実態はプロジェクトを指揮しているリーダーの先生、あるいはプロジェクトの研究会の中の先生がご存知の、過去かかわりのあった調査会社に話を聞いてみて、ここならできそうだということで、そこにRIETIとしてもお願いするという形でこれまで事実上きております。そこにほかの調査会社にもお声をかけて、もう少しいいアイデアがないかというのをお伺いしてやっていく。そういう意味では、企画競争方式というようなものを多く取り入れてみるというような工夫の余地はあると思っております。そういう努力をしていきたいと思っております。
小野分科会長
 ありがとうございました。
 2―1と3―1の資料の説明をしていただきました。その中でご質問がありましたら、研究所の方々がおられるところでお願いします。なければこれから個別の評価に入っていきたいと思いますので、研究所の方々はご退席をいただくということですけれども、よろしいですか。
 それでは、どうもありがとうございました。

 (経済産業研究所退室)

小野分科会長
 それでは、資料2―1から順次ご審議いただきたいのですけれども、今、お手元に平均点数化した資料をお配りしました。それぞれの項目でAAを5、Aを4、Bを3、Cを2というようにした数値を平均化したものをお手元にお配りしました。それを参考にしていただけたらと思います。
 それでは、最初に1ページ目の国民に対して提供するサービスその他業務の質の向上に関する目標を達成するためにとるべき措置ということで、先ほど理由・背景をご説明していただいたとおりです。今お配りしましたお手元の資料によりますと、サービスの質というところに当たるわけですが、 (1)から (2)、 (3)、 (4)とそれぞれいろいろな項目でずっと平均評価、点数化しているのがあります。さらに (5)、 (6)と後ろのページまで行って、さらに平均値をとりますと4.14という数字になります。1の国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する目標を達成するためにとるべき措置ということを全部、項目別の重点は別にして平均すると4.14という数字になります。それを参考にしていただいてということです。
 シェアード委員、何かご意見ありますか。
シェアード委員
 このように出てくると、平均点数が出てくるわけですから、5つのAAとかA、Bとか、何に相当するのかはっきりしてくるわけで、その線に沿って点数をつければ、1つのベースになるかなと思っております。
小野分科会長
 どうぞ、ご意見ありましたら。
小笠原委員
 点数化するとこういう格好になると思うのです。少々辛目になってしまう、やはりアウトカムのところが……
小野分科会長
 辛目になりますね。
小笠原委員
 どうしても辛目になってしまう。本省で実施したアンケート結果なども、割と評価している、評価していないというのがほぼ半数になっていまして、あの辺などの評価が、少し3点台が出ているところになっているのかなと思うのです。アウトプットの点は5点に近いようなところが多々あるのですけれども、それはむしろ、今後、どのようにアンケートの方式をより透明化していくかというところがあるのかなと思うのです。
小野分科会長
 そうですね。
 藤垣委員、ご意見ありますか。
藤垣委員
 今、小笠原委員がいったような、コメントにも書きましたけれども、非常に評価されているクラスターとそうでないクラスターに差が分かれていて、高い評価はほとんどあるクラスターに偏っているのです。そのことはもしかしたら、潜在的な政策課題を開発しているという意味ではいいのかもしれないけれども、あのアンケートをみる限り、どうもそうでもない部分もあるかもしれない。だとしたら、全く自分とは関係ないといっている担当課に少し話を聞いて、一緒にBBL形式で問題を開発していくということも一方で必要なのかもしれないとは思います。
小野分科会長
 原子力保安院などは全く入っていませんでしたから。
藤垣委員
 そうですね。
小野分科会長
 さはさりながら、点数をつけていかなければいけないという責務にありますので、そういうことで順次進めていきたいと思います。
 まず1ページ目の差に対する評価ですが、私の意見はAは当然いいのだと思うのですが、本当はA+みたいな表現をしてあげたいなと思うのですが、ルール上はAしかないということであれば、Aというようなことでいかがですか。よろしいですか。
小笠原委員
 参考資料にある予備的中期目標期間のサービスの質というところでA+ということになっていますね。このままでいいのかなと思ったのですけれども……。
小野分科会長
 これは中期の方ですね。
小笠原委員
 そうですね。
小野分科会長
 その上にサービスの質はAとなっているのですが、これは16年度。過去、14年度はA+というのがありますけれども、AかA+かということなのですが、A+という評価を記述してよろしいということであれば、いいかなと私は思ったのですけれども、いかがですか。
小笠原委員
 そうですね。
小野分科会長
 どうぞ、忌憚のないご意見を。
シェアード委員
 A+というのは、AとAAとの間のあれですよね。
小野分科会長
 間。
シェアード委員
 もしそのように区分けをしてもいいというなら、私はA+でもいいと思っております。
小野分科会長
 藤垣委員、よろしゅうございますか。
藤垣委員
 A+にして、先ほどのクラスター別のところをきちんと書いていただくという方がよろしいかと思います。
小野分科会長
 そうですね。では、そういう注文をつけさせていただいた上で、A+ということでいきましょう。
 2番目の業務運営の効率化というところですが、15年、16年、それぞれA-という評価になっているのですけれども、先ほどと同じように点数化したものは3.0とか3.25というのがありますので、それを全部平均化しますと3.54という数値になります。そういう意味では、業務効率化の評価ということですけれども、私の意見をいわせていただくと、去年と同じようなA-というようなことなのかなと思うのですが、いかがでしょうか。
 特に評価が辛くなっているのが、研究員/職員のパフォーマンスに応じた処遇の変更が行われ効率化が進められているかというところ、これが余り評価されていないということだと思うのですが……。
 シェアード委員、判断不能と書かれているところですけれども……。
シェアード委員
 そうですね。まさに判断できるだけの環境が与えられなかったような気がして……。つまり、本当に人的体制について、パフォーマンスに応じた適切な取り組みがなされているかどうかというのは、外からみて、例えば即戦力のある人員を機動的に確保しているとか、出てきている資料というのがむしろ主張に近いような感じがして、これだけに基づいて判断するというのができなかったような気がして、そのように記入させていただいたのです。
 つけ加えていいますと、例えば契約を更新しないこと、一方的に人件費が増大する仕組みになっているとか、いろいろなことができると書いてあるのですが、実際やったかどうかというデータみたいなものが全然ないわけで、なぜやっていないかというと、やる必要性が生じていなかったのでやっていないと。もうちょっと説得力のある説明があれば判断できたのだろうと思っております。
小野分科会長
 私の意見は、ここをBにしていたのは、山下研究員からあったように、農水省の評価に反映されていない。RIETIの成果は当然なら農水省の評価に反映されて、農水省のランクが上がっていくべきなのに、戻らないと処遇は上がっていかないというのは仕組みとしてはおかしいかなと思ったものですからBという評価にしたのです。改善点みたいなものはこの領域についてはあるように思いますね。
 どうぞ。
小笠原委員
 ここの問いですと、何とか処遇を効率化するのだという方策をしないといけないような格好の問いかけになっていまして、それに対して前回のケースのように、制度上しにくいという阻害要因などももともとあって、今回のケースなどは、それが変わったからどうなるのかというのも本当のところはちょっとわからなくて、むしろ研究員の方々は、そういったところにモチベートされるのではなくて、金融の研究の方がおっしゃったように、割と研究所内というのはお金と時間は潤沢にあって、その限りにおいて自由に研究してもらっているので、すごく成果が上がっているのだと。ですから、ある種、そういう環境を設定してもらっているということによって非常に創造的な業務ができているとすると、この問いに非常にストレートに答えにくいというのがありまして、私もBとつけていますけれども、ここに書きましたように判断の難しい問いかけになっているなというのが実感なのです。ですから、表現させていただいたほどネガティブにはとっていないのですけれども、それだけつけ加えたいと思います。
小野分科会長
 わかりました。藤垣委員、コメントありますか。
藤垣委員
 いや、今おっしゃったようなことを私も書きましたので……。評価委員会での研究者の方の説明がかなり鮮明に残っているので、どうしてもそういうところに目が行きます。
小野分科会長
 ありがとうございます。
 それでは、第2番目の業務運営の効率化の目標の評価ですけれども、結果的にはA-ということでよろしいですか。それでは、前年と同じようにA-というようにさせていただきましょう。
 ページ4です。予算の収支計画ということですが、これも先ほどお配りした項目の総平均をさらに取り出しますと3.69ということになります。そういう意味では、一番高いところで、流動的な雇用形態というのが平均点4.5ということで評価をしていただいているのですけれども、競争的資金の獲得が十分なされているかというところができていないということになっていて、総合的には3.69ということになっています。そういう意味では、努力する項目はこれもあるのですけれども、評価としては昨年はB+といっているのですが、私の意見は、先ほどいいましたように17年度は交付金の収益が残っているということを評価してA-でもいいのかなと思いますが、いかがでしょうか。どうぞ。
小笠原委員
 いいと思います。先ほどよりも平均点が高いですし、あと、ぜひ最後のところの将来の業績向上に資するような積立金にもっていく等のというのは、先ほど及川理事長からも強いお言葉をいただいたものですから、期待も込めてということで。
小野分科会長
 そうですね。1割ぐらいはそういうことで積み立てておきますと余裕が出てくると思うのですけれども……どうぞ。
藤垣委員
 質問なのですけれども、運営交付金は、大学は法人として毎年減っているのです。RIETIは毎年減るから何か対策を考えて、例えば競争的資金をとってこいとか、そういうことはいわれていないのですか。
森川室長
 それ程には、言われていないと思います。
藤垣委員
 だから、要するにそういう違いがあるので、私にとっては競争的資金をとってこられないのにA-なんてという感覚はありますけれども……。
小野分科会長
 なるほどね。
森川室長
 例えば、研究者にとって科研費というのがアクセスがあるわけで、RIETIも科研費を請求できる立場にあるのです。ただ、実際にはそういうのはとっていなくて、それは多分おっしゃるように、交付金で研究費が必要十分な額があるということ、あるいはそういうタイプの研究をやっているということだろうと思います。もし何億もかかるようなプロジェクトをやる必要があるということになりますと、交付金の中でやっていくのは難しいかなと思います。ワンプロジェクトでですね。
小野分科会長
 とってこられる収入が、例えば交付金の1割ぐらいはとってこられるとか、そういう実情だったらもうちょっと頑張ってよといえるのですけれども、何か出版した図書の費用ぐらいしかないとか、範囲が非常に小さいので、頑張れといえるところが非常に少ないと思ってしまうのです。本当は自分でアウトプットを出して稼いで、それで自由に研究するということをもっとふやしていくのが筋だと思うのです。
 シェアードさん、ご意見ありますか。
シェアード委員
 同じことですよね。競争的資金1件だけであって、内容をみると「ギリシャにおけるエネルギー政策動向等に関する調査」。随意契約の話が出てきたのですけれども、たくさんの調査をこちらの方から出しているわけですが、また1つが返ってきたという感じですね。もっと大きな研究プロジェクトを立てて、海外でもどこでもいいのですけれども、外から資金を引っ張ってくるということが、5年目にして、そろそろそういう試みが出てきてもいいのではないかと思います。
小野分科会長
 それでは、評価としてはA-という評価をさせていただいて、注文は外からもっとお金をもってきてよというのを強目にコメントさせていただいて、評価をさせていただくということでいかがでしょうか。大学に比べるとこんなことではいけないというようなことをコメントしていただいて……。
森川室長
 余談になりますけれども、制度的には、例えば大きい資金をとってきて、いっぱい研究者を雇って、組織としても拡大していくという道があるといいのですけれども、一方で定員みたいなものの縛りがかかってしまっているので、多分そういうインセンティブメカニズムが制度的にはないのではないかという気がします。この独法という制度そのものの制約なので、おっしゃるようなこと、私ももう少し取ってきた方がいいのではないかとか、自分も大学で研究者をやっているとき、苦労して科研費をとってきてやっていたわけですけれども、そういうのと比較すると割といい研究環境だなという感じは率直にあります。
小笠原委員
 その場合、外部化すれば、定員に含まれないような形で……
森川室長
 常勤でなければですね。
小笠原委員
 そうですよね。
小野分科会長
 どうぞ。
シェアード委員
 どうもいろいろ話を聞いていると、独立行政法人といいながら、いろいろな形で縛りがきいている。なかなか身動きがとれないというのがちょっと逆説的なことですね。
小野分科会長
 現実的には半独立ですね。独立とはとてもいえないですね。
森川室長
 あと多分、例えば外部資金をもってくると、予算の管理のマネジメントのためにまたたくさん人が必要になったりして、これは外注というのはなかなか難しいので中の人がやらなくてはいけないということで、そういう面の制約もあるのではないかと思います。
シェアード委員
 これは余談ですけれども、むしろ5年間のその後の話、中期の実績を評価するところで述べるべきかもしれませんが、1つのアイデアは、RIETIというのは、例えばブルッキングスとか、国際的に認められたようなところを当初目指していたのですけれども、仮にまだ目指している、つまり、将来、非常に国際的に、日本の研究機関ならRIETIだと、政策絡みの話ならそこしかないというと言い過ぎですけれども、そこがベストだ、すぐれたところだと。仮にそういうことを目指しているのであれば、例えばほかの研究所のところに行って、この辺の問題をどのように解決しているのか。つまり、いろいろな問題が出てくるわけですよね。それは日本の独法の制度でこのように障害物にぶつかっているということですが、問題そのものはどこの研究機関も直面している問題であって、似たような立場に置かれている研究機関、アメリカとかイギリスとか、どのような工夫、どのような解決策をそこで見出しているのかという調査みたいなものをやれば、中期的な計画、戦略的なプランニングの一助にはなるのではないかと思います。
小野分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、次のページに行きたいと思うのですけれども、4番、5番は実績がありませんのでパスをさせていただいて、7ページの人事に関するところです。先ほどの項目、同じように、これは4項目しかありませんが、これを足しますと3.69というのが平均の平均になります。去年まではずっとAで来ているのですけれども、評価の低いのが管理部門への人員配置が適正になっているかというところが、適正といえるかどうかということで2.25になっているのがその原因であります。さっきの平均点数の前例でいくと、3.69はA-と表現をしましたので、私の案としてはA-でどうですかということなのですが……。
 どうぞ、森川さん、ご意見があったら。
森川室長
 いえいえ。
小野分科会長
 人事に関するところですから。
 管理部門の人数は余り変わっていないのですけれども、全体の職員の数が減ってきている中で、管理部門の人数が変わっていないということで、このパーセントが上がっていってしまっているということで気になっているわけですが、一般的に管理部門比率は、39というのは、民間ベースでみると20ぐらいにはしてほしいなという気はするのですけれども、こんなものなのですか。
森川室長
 ほかの独法の事情はわかりませんけれども、多分さっき申しましたように、研究所というのはほかにもありますが、もっと組織全体が大きいですよね。だから、一種の規模の経済が管理部門というのはあるので、このぐらいの人数だとどうしても高くなるということはあるのかなという気がします。
小野分科会長
 今、パソコンなどは随分ルール化手法があって、出張旅費とかそういうようなことも、切符の手配などもみんな1人でやりなさいみたいなことになっていっているような……
森川室長
 本省もそのようになりつつあります。
小野分科会長
 そうでしょう。ここではそういう専門職の方々のサポートということですから、普通の業務と少し違うのかもしれませんが、職員比率でみる以上に事務があるとコメントがあったのですけれども……。去年まではずっとA評価で来ているので、A-にするのは悪いという感じもするのですが、申しわけないのだけれども、そういう評価ではないかと思います。
シェアード委員
 1つ、脚注の中にあるのですが、管理部門の職員はファカルティフェローとか、コンサルティングフェローとか、リサーチアシスタントにかかわる事務も行うなど、職員比率でみる以上の事務があると書いてあるので、私もコメントの中で、参照基準の根拠は明確ではないと。先ほど小野会長が民間なら2割とか、でも、それは同じベースで比べているかどうかというのがちょっと問題ですよね。ですから、この項目で平均値が下がるわけですが、評価しにくいところですよね。そういう意味から、A-でもいいと思います。
小野分科会長
 少し他部門の比率とか、そういうものと比較できるようにしていただくとか、定義がどうなのかということについて明確にしていただいた方がいいなと思いますので、そういうコメントをつけさせていただいて……。
森川室長
 それは、次の評価基準をつくるときに工夫したいと思います。
小野分科会長
 きょうのところはそういうことで、A-ということで評価をさせていただいてよろしいでしょうか。
 さて、それでは最後に8ページですが、総合評価ということになっています。これもさっきの点数表でいきますと、これは総合評価というのはついていないのかな。
小笠原委員
 皆さんAということで……。
小野分科会長
 いいですね。そういう意味では、平均化すると 4.0ということで、皆さんAということですので、これはAということでよろしゅうございますね。それでは、これはAということにさせていただいて、中期期間の方へ行きたいと思います。
 資料3―1です。1のサービスの質ですが、これもたくさん項目があって、これらの平均をとりますと4.38ということになります。これはたくさん評価項目がありますので、一番悪いのは政策提言の質的充実度というので3.67というのが1個入っていますけれども、総じて高い評価になっていまして、4.38ということですので、私の案はA+ということでいいかと思うのですが、去年までやってきたところではA+になっています。文言のところで何か議論があればと思いますけれども、理由・背景のところで……。16年までの分に比べて、17年度が入ったことによって、全体的には評価が上がったような気もするのですが、どうでしょうか。
小笠原委員
 これは 4.5を超えるとAAなのですか。
小野分科会長
 それでいいのではないかと私は思います。
小笠原委員
 そうですね。もう少しだったということ。
森川室長
 数字は平均ですので、必ずしも機械的に 0.5刻みでつけているということではないかと思います。
小笠原委員
 なるほど。
小野分科会長
 政策提言の質的充実度でちょっと問題があるといっている評価は、藤垣委員の省内アンケートでの非積極的な意見が出たところの関係者へのもう少しアプローチをした方がいいというご意見ですけれども……。
藤垣委員
 そうですね。これは平成17年度のサービスの質のところには書いていただいたのですけれども、資料3―1には反映されていないようなので、これも書いていただけたらと思います。研究自体、組織内部でのマネジメントが機能しており、研究自体が自己目的化するという心配はないという事は、議論されているのだけれども、やはり評価されるクラスターが偏っているとか、省内アンケートでニーズが研究クラスターの設定に反映されていないというのが7件あるわけですから、それはある程度考慮していただけたらと思います。
小野分科会長
 よろしいでしょうか。それでは、そういうコメントをちょっと修正していただいて、中期のサービス提供はA+ということで評価をさせていただきたいと思います。
 その次の第2項、4ページ、業務運営の効率化に関する問題ということです。これも幾つか項目があって、全体を平均化しますと3.95ということになります。ほぼ4.0ということですので、Aでいいと思いますが、昨年までのものは業務効率化Aになっています。なので、去年と同じようなことでいいのかなと思いますが、この中で一番指標の小さいのは、3.25というのが任期満了の転籍という問題と、転籍者のその後の博士号の取得というところが低い数字になっているのですけれども、これはいずれも次期中期ではこういう評価項目はいかがかということで削除されていますので、評価のポイントの角度が違っているのかもしれないとは思います。理由・背景の方へ行って、文章上、気になるようなところがございましたら。よろしいでしょうか。特にご意見がなければ、第2の業務効率化というのは評価全体をAということで答申させていただくようにしたいと思います。
 それでは、第3番目、財務内容の改善に関する項目ですが、これも全体を平均すると3.62ということになりますので、私の案はA-ということでいいのかなと思います。一番辛い評価になっていますのは、出版やシンポジウム等による諸収入ということで、先ほども話がありましたように、もう少し努力してもらいたいということであります。理由・背景の一番最後のところにもそういうコメントは出ていますので、そういう評価でいかがかと思いますが、いいですか。それでは、A-ということで評価させていただきましょう。
 その次ですけれども、7ページ目、4番目の業務運営に関する重要事項ということであります。これも平均化しますと3.75という平均点になっています。流動的な雇用形態は評価されているのですけれども、中期計画の達成状況ということで、平均3.0になっていますので、それが反映されてこういう結果になっています。これも先ほどの私の案でいきますと、3.75ですからA-でいいのかなと思いますが、いかがですか。微妙なところなのですけれども、Aでもいいかもしれません。特にご意見がなければ、業務運営A-ということでよろしいでしょうか。去年よりは辛くなっています。
 それでは、最後に総合評価ですが、これも平均点 4.5ということになっていますので、全体的にはA+ということでいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
藤垣委員
 でも、個別評価を平均すると決してA+にはならないので、今つけましたA+、A、A-というのを足すとA+にはならないので、ちょっとその辺は齟齬が……。
小笠原委員
 サービスの質を第一に踏まえということで、サービスの質のところのA+を割と傾斜配点するとA+ではないかなとは思います。ほかの項目が少し……
小野分科会長
 サービスの質がたくさん評価項目があるわけですから、少しウエートをかけた方がいいかもしれませんね。おっしゃるとおりです。全部平均化してしまうと、数値のマジックに入ってしまう。
 どうぞ。
シェアード委員
 冒頭で発言すべきだったのでしょうけれども、席を外したのでいう機会を逃しました。去年、同じことを指摘させていただいたのですが、中期目標の評価の場合は、判定基準をみますと、AAは確実かつ十分に達成されている。Aは達成されている。例えば年度ごとのあれと比べますと、AAは政策当局の幅広い政策形成ニーズが常に把握され、クラスター設定、改定に極めて効果的に反映されているとか、Aの方は効果的とか、皆様恐らく同じつもりで、Aは同じAだとやっていらっしゃると思いますが、私は額面どおりにとらえて、かなりたくさんAをつけたのです。それは確実かつ十分だという評価に値すると判断したのです。つまり、こちらの方のAAが、もう1つの年度ごとのAに相当すると。
小野分科会長
 中期の方はですね。
シェアード委員
 ええ。ちょっとずれみたいなものがあって、ここでAをつけて、そのAは達成されているというように解釈されると酷だと思います。どのようにAとかA+とかAAを定義づけるかによって大分変わってくると思います。
小野分科会長
 そうですね。それはおっしゃるとおりですね。森川さん、ご意見ありますか。
森川室長
 今、シェアードさんがおっしゃっているのが、意味がよくわからなかったのですが……。
シェアード委員
 中期の方の一番最後のページには判定基準と書いてありますね。AAは確実かつ十分に達成されている。Aは達成されているとなっていますよね。でも、これはもう1つの各年度のものをみると、例えば最初のところ、サービスの質のところは、AAは極めてというようになっているのです。Aの方は効果的とか、ほかのところをみると、AAは極めてよく活用されている、Aの方はよく活用されていると。つまり、形容詞がないことと、1つの形容詞が入るのと、物すごく強い形容詞が入るのと、幾つかの段階がありますよね。それがかみ合わないわけです。
森川室長
 考え方としては、中期の評価が単年度の評価と何か基準が違うということではなくて、確実かつ十分というのは相当強い修飾語だと理解してよろしいのではないかと思います。
シェアード委員
 各年度の場合は、Bはニーズ把握が必要十分な範囲で行われ、反映されているとなっていますよね。その辺のことですね。
森川室長
 中期計画の評価の判定基準というのが、表現が不適当だということであれば、第2期の中期計画の判定基準について、今後ご審議いただく必要があるかと思いますけれども、例えば去年、予備的な評価をされるときに、中期は違うという前提で議論されたのでしょうか。
小野分科会長
 そんなことはありません。
森川室長
 ですよね。だとすれば、予備的評価と同じ考え方ということだと思いますし、私の理解は、AAとか、A、B、C、Dというのは、ほかの独立行政法人もこのような形で評価しているわけですけれども、年度の評価と中期の評価の仕方が何かレベルが違うということはないはずですので、基本的には年度のものと同じようなものを使うということでご理解いただいた方がよろしいのではないかと思います。
小野分科会長
 5段階評価というのは、普通、AAに10%なのです。Aに2割なのです。Bに4割、Cに2割、Dに1割、そのようにつけなさいと。無理やり真ん中が高くなるような比率で本当はつける。それで成績を配分して給与につなぐ。そうしないと、常に財源がふえていってしまうということになっていきますから、通常、そういうトレーニングをするのですけれども、逆にいうとAAとDというのは非常につけにくいのです。そうすると、AとBとCだけでつけようとするのです。したがって、A+とかA-というのをつけたがるのです。ニュアンスを少し、全く中立化するのではなくて、評価者としては上方に偏る評価マインドをもつのです。日本の評価体系はそういう仕組みになっているということで、私はそれでいいと思っているので、A+とかA-とか、Aに+なのだけれどもそこに丸がついているとか、Aに+なのだけれども三角だとか、そんな評価をマインド上はするのだと思うのです。ここではAというのは標準的な評価になっているので、多少プラスマイナスをつけさせてもらって、ニュアンスを出させてもらったらいいかなということなのです。
 そういう意味では、中期の総合評価は、Aよりはいいのではなかったのかな、AAに近いところまで、全体でみますと、独立行政法人は出発したばかりかもしれませんけれども、いい結果にはなってきているのかなと。特に経済産業研究所についてはそう思って、全体としてはA+でいいと思います。藤垣委員、よろしゅうございますか。
藤垣委員
 統計をやる人間としては、ちょっとこだわりがありますけれども、サービスの質を中心につけるということが明言されているのであれば、A+でいいと思います。
小野分科会長
 サービスの質に少しウエートをかけた評価にしていますというのをどこかに……。
森川室長
 そこは評価基準自身がそういう表現になっていますので、そこに何割ウエートがあるのかという数字的なものがあるわけではないので、仮に8割ぐらいのウエートがあると、統計的にもA+になるのかもしれませんけれども、5割ぐらいだときついなとか、微妙なところがあると思いますが、何割かというのは各委員の方の主観的なウエートで……
小野分科会長
 それは心証でいいのですね。そうしておかないと、みんな数値化してしまうと、意見は要らないということになってしまいます。
 それでは、そういうことで各項目評価をさせていただいて、12時ちょっと過ぎましたけれども、親委員会に7月11日にご報告をさせていただきたいと思います。
 長時間にわたりまして本当にありがとうございました。またレポートを読むだけでも大変ご苦労をおかけしたと思いますけれども、本当にありがとうございました。おかげさまで委員会としてはまとまることができたと思いますので、感謝申し上げます。ありがとうございました。
――了――
 
 

最終更新日:2006年8月16日
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