経済産業省
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総合資源エネルギー調査会電気事業分科会原子力部会放射性廃棄物小委員会(第9回) 議事録

平成18年6月9日

杤山委員長代理
定刻になりましたので、ただいまから、第9回放射性廃棄物小委員会を開催いたします。
 本日は、ご多忙のところをご出席いただきまして、まことにありがとうございます。
 森嶌委員長が当初ご出席の予定でございましたけれども、事情により急遽ご欠席となられましたので、委員長代理として、私が議事の進行を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 審議に先立ちまして、配布資料の確認を事務局よりお願いいたします。
吉野放射性廃棄物等対策室長
それでは、資料の確認をさせていただきます。
 本日は、資料の1から資料の4までと、最後に電事連さんの方の参考資料というものがございます。よろしいでしょうか。
杤山委員長代理
それでは、本日の議題に入ります。本日は、報告書についてご審議をいただきます。また、「その他」ということで、昨年8月の第2回小委員会の際に説明のあった、「地層処分基盤研究開発調整会議」について、この1年の活動の成果が取りまとめられつつあるということですので、その概要についてご紹介いただきます。
 それでは早速報告書について、ご審議いただきたいと存じます。
 なお、報告書(案)につきましては、本日のご審議を経て、6月16日に開催されます第12回原子力部会において報告、審議がなされる予定となっております。
 事務局から資料1に基づいて、ご説明お願いいたします。
吉野放射性廃棄物等対策室長
それでは、私の方から、ご報告、ご説明を申し上げます。
 まず、この報告書(案)の前提でございますけれども、先般5月22日の小委員会で骨子の案をご審議いただきまして、それを基に5月30日、原子力部会の方にもご報告申し上げました。大きなご意見はございませんでしたので、本日の報告書はその骨子のラインに沿って書き下ろしたものということになってございます。
 めくっていただきますと、目次がございます。ご案内のとおり、2、3、4、この3つのテーマに関しての報告書の書き下ろしをしたわけですが、冒頭に「はじめに」と、最後に「おわりに」というものを加えているということでございます。
 1ページ目、「はじめに」のところでございます。まず初めに、この原子力発電の重要性、さらにそれを支えるものとしての核燃料サイクルの推進と、放射性廃棄物の的確な処理・処分が必要不可欠というところをうたっております。他方、核燃料サイクルに関しましては、地元の理解を得ながら、着実に一歩一歩進んでいるところであるのに対して、放射性廃棄物の処理・処分に関しては、高レベル放射性廃棄物の調査地区の選定でございますとか、新たな廃棄物についての課題といったものについてのさらなる取り組みが求められているという状況、それから3段目のところには、原子力政策大綱において求められた基本的な考え方と、その中において示されている検討課題ということを掲げております。
 それらの状況に鑑みまして、以前の高レベル放射性廃棄物処分専門委員会を改組して、この小委員会ができ、その中で議論をしてきたという経緯を記してございます。
 3ページ目でございます。最終処分の候補地選定に向けた取り組みの強化ということで、まず最終処分法、それからそれに基づく一連の経緯というものを簡単に記しております。
 2.1のところで、「高レベル放射性廃棄物の最終処分場確保について」とございますが、これは骨子のところにも記しましたように、最終処分計画の改定を行いましたが、実際には大きな環境の変化がございませんので、改定そのものは小幅でございましたが、スケジュールに関して、従来のスケジュールを維持して関係者の一層の努力を促すことが適当とまとめさせていただいております。
 それから、(2)の「NUMO及び国の取組」のところ、骨子の方ではNUMOの取組だけを記しておりましたが、国の取組も加えてございます。
 それから、昨年・今年と年度がまたがっておりますので、今年度において既に措置された中身に関しては、この中に加味する形で整理をいたしております。
 NUMOにおきましては、関心を有する地域における理解促進活動を展開中であるということ、それから国においてもシンポジウムの開催をすること、さらには交付金などについても若干の拡充を行ったということを記しております。
 下の表はNUMOの活動状況を、5ページ目の図は支援措置の拡充内容、それから国としての広報活動の内容ということでございます。
 それから5ページ目の下半分、今後の取組でございます。ここにおきましては、「今後1、2年間が正念場との意識を持ち、関係者が最大限の努力を行うべき」ということですが、具体的にはNUMOの地元での活動はもちろんでございますが、国としては地域支援措置の大幅な拡充をする、それから広く国民各層を対象とした広聴・広報活動に重点的に取り組むべきであるということでございます。
 地域支援措置の大幅な拡充ということでは、上の表の中にあります一番上ですが、現行の文献調査段階の初期対策交付金と、これについての拡充というご議論をいただいたところでございます。
 それから次、6ページ目でございます。2.2「拠出金単価の見直し」でございますが、ご案内のとおり、最終処分法の拠出金単価を決めるときにここにあります式を使うわけですが、この計算に必要な割引率の設定方法を、これまでは5年ごととしておりましたのを毎年に変えるということ、これはもともとの割引率の設定方法を過去の部会で決めたという経緯がございましたので、その変更についてはこの小委員会でのまとめとして部会にも報告すると。今後は新しい仕組みのもとで割引率を決めていきたいということでございます。
 7ページ目以降は、返還廃棄物に関する制度的措置でございます。まず冒頭は、返還廃棄物に関わる一連の経緯を記しておりまして、高レベル放射性廃棄物に関しては、順次返ってきているけれども、今後返ってくることになっている低レベル放射性廃棄物について、イギリス・フランスからそれぞれ提案が出てきているということを冒頭に記しております。
 イギリスからの提案の取り扱いは3.1でございます。3.1.1のところで提案内容を記してございます。ご案内のとおり、低レベル放射性廃棄物約11,500m3の物をガラス固化体150本に交換をしたいという提案でございますが、めくっていただきまして8ページ目にイギリスの貿易産業省、DTIのレポートから提案の内容をお示ししておりまして、さらに(3)のところで交換指標として示されているITPというものの式を示してございます。
 9ページ目以降、3.1.2のところで、この提案に対する評価をいたしておりますが、まず前提としての「原子力政策大綱」における方針をここで掲げております。この大綱にありますように、まず指標の妥当性を評価して、そのための制度的検討を速やかに行うべきということですが、まず(2)のところでは、大綱の中にも記されているような経済的なメリット、輸送回数が減少することによるメリットの整理をいたすということで、簡単に記しております。参考資料の方には40、41ページのところで、小委員会の方で整理をさせていただいた各観点のメリット、効果というところの整理をさせていただいております。
 こうした評価としましては、イギリスからの提案は、輸送回数が大幅に低減をする、輸送時のセキュリティ上のリスク、諸外国との調整事務の軽減が見込まれる。したがって、イギリスに支払う費用を考慮しても、経済的なメリットがあることが確認をされたということでございます。
 続いて、ITPの交換指標についてでございますけれども、10ページ目のところに表で整理をいたしております。他の代替指標との比較評価ということですが、小委員会の中で処分時の線量、放射能量ということでやってみるとどうなるかというご議論があったものを整理いたしましたが、同じく参考資料の中でも42ページ目のところに○×表をつけてあります。
 これもご案内のとおりの中身でございまして、結論的にはITPがこの交換のための指標として一定の合理性を有しているということで、他のものについて言えば、つまるところ戻ってくる物量が増えるといった点もあって望ましくないとの整理をいたしたということでございます。
 それをもとに、3.1.3のところ、10ページの下ですけれども、基本方針としまして、まずITPは契約上の基準として妥当であるということを記しております。それから、3.1.4のところで必要な措置について書いております。これも何度かご説明しましたので、ご案内のとおりでございますけれども、1点目は、特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律、こちらの方の拠出金対象にイギリスから交換されて返ってくる高レベル放射性廃棄物はなっておりませんので、それに対する手当てが必要ということでございます。
 この際に、国としてもきちっとその交換される本数をその時点の状況に応じて確認をすることが適切とまとめております。
 それから、(2)としまして、原子力発電における使用済燃料の再処理等のための積立金の積立て及び管理に関する法律における措置でございます。
 こちらの方は低レベル放射性廃棄物で返ってまいりました場合の貯蔵、処分費用については、毎年度電力会社の方での積立措置が講じられているわけですけれども、返ってくるものが低レベル放射性廃棄物から高レベル放射性廃棄物にかわるということで、それに伴いまして、積立額の調整が必要となるということ、それから下半分ですけれども、その高レベル放射性廃棄物になって返ってきた場合の国内における貯蔵費用等を、この積立金法の対象とするべき措置を講ずることが適切とまとめさせていただいております。
 それから12ページに関しましては、フランスからの提案ですが、これもご案内のとおり、提案内容は低レベル放射性廃棄物のアスファルトの固化体をガラス固化体に変更したいというものでございます。これにつきましては、3.2.2にありますように、まず技術的な成立性に関して原子力委員会の方での評価がなされたと、安全性が確認されたということで、他方、制度面につきましては、これはもう同じ低レベル放射性廃棄物で返ってくる、同じく地層処分をされるものということですので、以降でお示しする地層処分相当のTRU廃棄物として措置をされるものということで整理をしているところでございます。
 それから、14ページ目以降がTRU廃棄物の地層処分事業の制度化でございます。まず、4.1の背景でございます。(1)で改めてTRU廃棄物、長半減期低発熱放射性廃棄物の内容を説明しております。
 それで、15ページ目のところですけれども、発生状況に加えまして、(3)以降、これまでの検討状況、背景というものを改めて記させております。これは小委員会でもご議論ございましたので、あえて、少々長くなりましたけれども加えさせていただいた部分でございます。
 まず(1)としまして、2000年4月でございますけれども、「超ウラン核種を含む放射性廃棄物処理処分の基本的考え方について」の取りまとめと、これがTRU廃棄物の処分、特に地層処分などに関しての議論の大きなきっかけになった報告書、考え方というものでございます。
 それからそれをうける形で次のページ、(2)でございます。
 「TRU廃棄物処分技術検討書」というものが電気事業者とそれからJAEAの方で取りまとめられました。この中で、さきの原子力委員会の方の考え方で示されたような処分施設設計の合理化、詳細化、それから安全評価の信頼性向上に役立つ試験データの取得等々の議論がなされたわけですが、その処分の合理化という観点では、併置処分というものの技術的成立性についての検討も行われて、所定の報告がなされたということでございます。
 (3)は、昨年10月の「原子力政策大綱」でございまして、その技術検討書を受ける形、議論としては並行的に行われたわけですが、併置処分に関して、その技術的な妥当性を検討するということと、制度論についての方針が示されたということでございます。
 その大綱を受けましたのが、(4)の「長半減期低発熱放射性廃棄物の地層処分の基本的考え方」の取りまとめでございまして、ここではまず、併置処分の技術的成立性が確認をされ、判断をされまして、それを受ける形で所管行政庁において、私どもの方ですが、所要の措置について検討を進めるべきということ。それから・の3つ目の後段部分ですが、制度を検討するに際しては、現行の高レベル放射性廃棄物に係る処分事業を参考としながら必要な制度の検討を進めることが重要と。こうしたことをお示しいただいて、私どもの議論に反映されているということでございます。
 それから18ページ4.2ですが、長半減期低発熱放射性廃棄物の処分事業のあり方ですが、まずここでは、毎度申し上げておりますが、TRU廃棄物の中には浅地中処分、余裕深度処分の概念があてはまるもの、それからその概念が適用できないものとの整理があるという原子力委員会の整理をもとに、地層処分をするものに関しては図の下の部分でありますが、長期安定性、長期安全性、それから社会的信頼性と、この3つの要素がそろうということで、国の法的関与等により、計画的かつ確実に事業の遂行が可能な事業形態とすることが必要であろうとまとめております。
 それから、以降は骨子の中身を基本的に増やしているものでありますけれども、まず4.3.1のところは、地層処分の特殊性を考慮した制度のあり方ということで、まず事業の基本的スキームとしては、現行の最終処分法の制度と同じものということで、それぞれ国の関与、処分実施主体の責務、廃棄物発生者の責務といったところを記しております。
 (2)では、逐次議論をいただきました併置処分を視野に入れた制度の整備ということで、「原子力政策大綱」を受けての議論と。次のページの段落の2つ目のところで、併置処分が実現できた場合の経済性の向上が見込まれるということ、それを受けて、国としては関係者の理解を前提に併置処分を視野に入れた施策を進めることが重要で、枠組みとしては高レベル放射性廃棄物の実施主体がTRU廃棄物処分の実施主体ともなり得る制度とすることが合理的ということ、それからそれを踏まえて、実際の法律においては、まず現在の最終処分法と同じように、法律で規定されております認可法人である原子力発電環境整備機構がTRU廃棄物地層処分事業を担うということですが、現在、既に認可されている機構についても、業務追加の申請によってTRU廃棄物地層処分の業務を行うことができるようにする仕組みにすることが適当ということでございます。
 他方、併置処分に関しましては、高レベル放射性廃棄物の手続が進んでいるということもありまして、TRU廃棄物の手続きが後からつけ加わってくるということで、おのずとそれに際しての地元の理解を得ていくことが重要であるということ、それから、TRU廃棄物のその処分に関して、必要な地質環境は高レベル放射性廃棄物と同様と思われますけれども、与えられた地盤が十分なスペースを確保できるのかといったような、若干の不確実性があるということでございます。
 そうした地元との関係、若干の将来の技術的な不確実性ということをもとにしまして、併置処分に関しては制度的に義務づけるのではなくて、処分実施主体が選択可能なオプションとして位置づけるという整理をいただいたところでございます。
 それから、費用確保のあり方については、まず(1)で、長期にわたるさまざまな費用に関して予め手当てをする制度が必要ということ、それから、その拠出される費用に関しては、最終処分法と同様に、安全性、透明性を確保するために、別の独立した主体における資金管理が必要ということをうたっております。
 それから、次の費用措置の前提として、まず、(1)拠出金制度の対象となる廃棄物でございますが、ちょっとここは骨子のときから書き方を若干変えておりますけれども、中身は基本的に同じでございます。まず、地層処分の対象となるのは、ハル・エンドピースや廃銀吸着材のように含まれる放射性物質の種類や濃度から地層処分が適切であるもの、それから、その発生に至るプロセスや廃棄物の物性に基づいて区分が可能であるものということ、それが一つのカテゴリーと。もう一つのカテゴリーは、廃棄物ごとの発生に至るプロセスや廃棄物の物性では区分ができないものの、濃度区分等の処分場に要求される安全規制上の区分に基づいて区分をされるものと。毎度見ていただいています真ん中の図ですが、右の二つの列に関しては濃度等によって余裕深度処分をするべきものと地層処分をするべきものと、そこにこの線引きがなされて、その線を越えるものに関しては地層処分をしていくというようなことでございます。
 それぞれの廃棄物について、下の段ですが、拠出主体としては再処理事業、MOX燃料加工から出るものについては、日本原燃、それから日本原子力研究開発機構と、海外からの廃棄物については電気事業者が拠出主体となることが想定されるとしております。
 それから、図の下の、「また」以下でございます。
 少々だらだら書いておりますが、ここは、高レベル放射性廃棄物においても拠出金対象以外の若干の研究所から出てくるような廃棄物に関して、経済産業大臣の個別認可のもとで受託を受けてNUMOが処分をできるというルールがあるわけですけれども、TRU廃棄物に関しても研究所等から出てくる廃棄物の若干量と、それから、先ほど触れました対象廃棄物のうちの濃度区分等によって仕分けをしなければならないものに関しては、実際にその処分をする場合に、事業者が安全評価上、地層処分を行うことが適当と判断するものを、要すれば余裕深度処分に持っていけないものが出てきた場合に、拠出対象ではないけれども、地層処分に持っていかなければならないものがある可能性があるということで、そうしたものについては受託による処分ということを検討するべきであるという整理でございます。
 それから、最終処分費用の見積もりでございます。これにつきましては、電気事業者の皆様から下の方をお示しいただいたわけでございますけれども、その下につきましては、段落の2番目にありますように高レベル放射性廃棄物の最終処分費用の積算方法をベースにしていると。それから、過去のコスト等検討小委員会における試算とも整合性が取れると。具体的に四角枠の中に幾つかの評価点を書いておりますけれども、この制度設計を行う上では一定の合理性があるという判断をいただいたところでございます。
 次のページに具体的な試算を掲げておりますけれども、単独処分の場合には8,100億円、併置処分の場合には6,300億円ということで、併置処分となる場合には、その節減効果があるということですが、このTRU廃棄物だけでは約2,000億弱ということですが、この節減効果は実際には高レベル放射性廃棄物側とTRU廃棄物側と両方に発生することになりますので、合わせると3,000億円程度の節減効果と。前回、前々回あたりで見積もりのご説明をいただいたときに、その仕分け方について今の時点での考え方をお示しいただきましたが、いずれにせよ、この節減効果があるものに関しては、いずれ併置処分が可能となった場面で改めてその精査をするということになるものかと思っております。
 それから、国が今後この制度改正をした後にどのような運用をしていくかということですが、仮に法制化ができて施行するまでの間に今の最終処分法と同じ仕組みになるとすれば、省令などによって単価をお示しするということになります。その単価の前提となるものについては、改めて全体の費用の精査が必要でございます。それは、制度制定後のこの小委員会なり部会なりの、次なるクールで議論をいただくことになるものと思っております。
 それから、なお書きのところにありますように、併置処分を行う場合、それからその他廃棄物量の大幅な変動といった、この試算内容に大きな変更がある場合には、改めて審議を行うこととすると。基本的にはこうした小委員会・部会における審議になるもの考えております。
 25ページは、最終処分施設の規模でございます。高レベル放射性廃棄物については4万本ということを設定して、4万本以上の施設規模ということにしておりますが、これは4万本を超えると拠出金単価が一定になるということを前提にしたものでございますが、TRU廃棄物に関しては、比較的大きな空洞に廃棄物を集積、処分することが可能ということで、高レベル放射性廃棄物とは施設の考え方が違ってまいります。ということで、今回のその積算の前提となる施設の規模としては、現在想定されている約24,000m3といった発生量に応じた施設規模とすることが合理的という判断をしたわけでございます。
 それから、(4)のところに、拠出金制度における併置処分の扱いがございます。
 繰り返しになりますが、併置処分を事業のオプションと位置づけるわけですので、まず拠出の当初は単独処分を前提にしたものとすると。他方、併置処分を行うこととなった場合においては、その費用を拠出金制度に適切に反映することが適当という整理をいたしております。
 それから、次のページのなお書きのところは、先ほど申しましたように、実際にその併置処分がなされる場合の節減効果はそれぞれの事業間で適切に按分をされるべきと。その時点で改めて議論をいたすということになるかと思っております。
 (3)廃棄物発生スケジュール等に応じた拠出金制度でございます。拠出の方法に関しましては、次のページの右の図にありますような廃棄物の発生の状況に応じて、再処理の操業、それから廃止措置等によって廃棄物が発生することに応じて拠出をしていっていただくということがまず基本、適当という整理をいたしたいとしておりまして、かつまた、これまでに発生した、ないしは発生したと見なされるTRU廃棄物に関しては、今後しかるべき期間において、制度ができれば経過措置という扱いになるかと思いますけれども、その期間のうちに拠出がなされるべきとの整理がされているところでございます。
 この中で、(1)の1段落目の一番最後のところ、具体的には、「再処理及びMOX燃料加工が行われた時点や廃棄物が発生した時点において拠出がなされることが想定される」とございます。基本的にはそうした仕組みが高レベル放射性廃棄物とのアナロジーという意味でも合理的かと思われますけれども、ここら辺りは会計上の整理、それから税制面での整理と、さまざまな視点がございますので、やや最後のところは「想定される」と曖昧でございますけれども、その点は今後の制度設計に委ねていただければと思うところでございます。
 それから、「また」以下でございますけれども、独立行政法人である日本原子力研究開発機構における廃棄物についても同様の考え方で、資金の確保が適切になされるべきというところを記させていただいております。
 それから次のページ、(2)でございます。費用の確保についてでございます。
 まず民間の再処理に伴って発生する費用に関しては、既にございます、先ほどから出てきております再処理等積立金法で積立てがなされています。その法律のもとで、電気料金による回収が進められているということで、引き続きこのもとで費用確保を行うことが合理的ということでございます。
 それから、MOX燃料の方から出てくるTRU廃棄物の費用に関しましては、これは将来、MOX燃料加工が進められて、その燃料を電気事業者の方で確保されるという時点で、電気事業者の方からしかるべく支払われて、それをもとにMOX燃料加工事業者から適切に対応がなされるべき、拠出がなされるべきということですが、この部分は先ほど触れました再処理等積立金法の対象にはなっておりませんので、その時点で、実際の民間ベースの取り扱いの中でしかるべく費用の確保がなされているべきと考えているところでございます。
 それから、27ページ目以降は国・発生者の役割でございます。まず(1)のところは処分事業の円滑な推進ということでございますが、これは基本となるところは高レベル放射性廃棄物と同じでございますが、この段落の下3行、これは実施主体が決まるまでの間の取組に関して、国、それから発生者がしっかり理解促進活動を実施することが重要ということをうたっているということでございます。
 それから、次の(2)のところは、国民や関係者との相互理解・協力を得るための取組ということで、TRU廃棄物に関しましては、基本的に制度としては高レベル放射性廃棄物とTRU廃棄物の制度は並立するということでございますので、このTRU廃棄物処分の地元理解を求める上でも高レベル放射性廃棄物と同様の活動が必要であり、また、地域共生ということに関しても同様の取組が必要だろうということをうたっております。
 それから(3)技術開発でございます。
 ここに関しましても逐次議論をいただきましたが、高レベル放射性廃棄物と違いまして、あとから技術開発の関係で少し触れますけれども、国と研究開発機関が行う基盤的な研究開発と、それから廃棄物発生者が実施するべき研究開発のほかに、処分実施主体が担うべきものもあるということで、その三者間の役割分担をしっかりしながらやっていくということと、それから29ページにありますように、地元における理解促進という意味においても同じことを申し上げましたが、その処分実施主体が決まるまでの間の研究開発に関して、これまでも継続的に行われてきた国、発生者といったところにおける研究開発を継続的に行っていくと、技術的知見の充実を図っていくということが重要であるというところを、あえてうたっております。
 それから最後のところは研究者、技術者、人材の問題でございます。これは非常に長い期間にわたる事業で、世代を超えてのような事業でございますので、そうしたところにも十分配慮していく方策を検討していくことが重要ということをうたっております。
 それから最後の方、「おわりに」ということで、これまでこの委員会においてご議論を賜った中で、今後、私どもがこれを受けて制度化を進めていく、事業を進めていく上で重要であったかと思われるコメントを、視点としてここに記してございます。
 まだまだ言い足りない、記しきれない部分もあろうかと思いますので、ここら辺りは本日またご議論をいただくところかなと思っております。
 以上が報告書の中身でございますが、後ろに名簿、それから開催経緯、それから参考資料といたしましては、これまで各小委員会でお示ししてきたような、またはお示しいただいたような資料を適宜つけさせていただいているということでございます。
 ご確認をいただければと存じます。
 少々長くなりましたけれども、以上でございます。
杤山委員長代理
はい、ありがとうございました。
 また、英国提案の廃棄物の交換による返還に関しまして、前回の小委員会におきまして交換に伴い英国側に支払うこととなる費用について、その根拠資料の紹介が求められておりましたので、武藤委員より説明をお願いいたします。
武藤委員
廃棄物交換の料金につきましてのイギリスの報告書の中での記載でございますけれども、参考資料ということで一枚にまとめて、一番後ろに紙一枚、黄色い紙がついているかと思います。
 イギリス側に支払われます料金につきましては、イギリスの貿易産業省、DTIが2004年1月に出した報告書に記述がございまして、そこに英文と訳文と両方書いてございますけれども、日本語の方で説明させていただきます。
 この提案が採用されたと仮定をして、イギリス側が獲得する収入の合計は2003年1月の貨幣価値で6億5,000万ポンド以上と予想される。欧州側の寄与が全体の40ないし50%ということが書いてございまして、今回、650億円という数字を説明させていただきましたけれども、これは日本が今、大体半分ということで、1ポンド200円と想定しまして出したものでございます。
 英文はその下にあるとおりでございます。
 それから、イギリスの提案について、ヨーロッパの顧客がどういう反応を示しているかということにつきまして、報告書の中に約3分の1、これは日本の650億円ではなくて、6億5,000万ポンドの方ですけれども、それの3分の1について既に契約等の形で意思があきらかにされているという記述がございます。
 以上でございます。
杤山委員長代理
ありがとうございました。
 それでは報告書(案)に関しまして、ご意見、ご質問ございますでしょうか。
 はい、佐々木委員。
佐々木委員
前回の骨子から今日のこのまとめに至るまでに、私はいいところは二つくらいあるのではないかなと思います。一つは何かというと、この間の原子力部会に出ました、先ほど吉野さんもおっしゃいましたけれども、TRU廃棄物関係の今までの経緯は余りよくわからないというようなこと、そういう意見があったと思います。それを受けて15ページだったか、この辺の経緯がかなり詳しく書かれています。これはこういうふうに書かれた方がいいなと思います。ですから、これはこれで大変結構だと思います。
 それからもう一つは、記述の仕方というか、先ほどどこかで想定されるとおっしゃり、ちょっと曖昧なと吉野さんはおっしゃいましたけれども、全体として、私はここで大体合意を得たというか、大方の合意を得たと思われる点については、かなりはっきりと「何々が必要である」とか「適当である」とか、非常にすかっと書いてあります。この辺は非常にいいのではないかと思います。ただ、一番最後のところを見たらわかりますように、もうちょっと表現の工夫はあってもいいなと思います。というのは、例えば27ページの一番下、「重要である」と。それから28ページも第二段落ですか、「重要である」と。それから29ページは全部3つの段落全部「重要である」で終わっています。だからこの辺は、もうちょっと文学的な表現ではっきりと書いた方がいいと思います。
 それから注文が一つあって、先ほどご説明の中にありましたけれども、海外から返還されるもののいろいろな評価ですね。そこの評価のところの本文の中の記述だけでは足らないので、吉野さんが後ろの表、資料4でしたか、それをそこに書いてあると説明なさいましたが、それを本文の中のどこかに、「これについては例えば参考資料の資料4を見なさい」というようなことを書いた方がいいのではないか。同じように、資料の5の例の返還の指標のところ。あれについても「資料の5を見なさい」と書いておいた方が親切かなと思います。それからもう1カ所だけ細かい点を一つ、これはどちらかがミスプリントだと思いますが、「目次」の方を直したらいいと思いますが、目次の大きな4.14ページにかかるところ。「地層処分事業制度化」という、これは14ページのところを見たらわかるように、「の」が入っていますよね。「地層処分事業の制度化」ね。だから、「の」を入れた方がいい。
杤山委員長代理
ありがとうございます。今の点は事務局の方で全部直していただければということですね。
 そのほか、何かございませんでしょうか。
 はい。それでは小幡委員。
小幡委員
大体、今まで議論されてきたことが盛り込まれていると思います。ちょっと気がついたことだけ何点か申しますと、とりあえずTRU廃棄物の併置は次に申しますが、最終処分地の選定の確保、処分場確保が非常に正念場であるというのが5ページのところに書いてあって、これが非常に大事な記述だと思います。今後の取組のところで、この3行が最初にあって、今後1、2年間が一番大事だという意識を持って、関係者が最大限の努力を行うべきであるという「関係者」は、何なのかなと思って読みますと、その次にNUMOと国と電気事業者というふうに続くので、そういう意味であれば大変よくわかります。この3行だけ読んで「関係者」といったときには、多少、他人事のような感じがしたものですから、つまり、一丸となって関係者が取り組むということですね。実際に皆でやらなければいけないよということで、例えばこの、国の地域支援措置の大幅な拡充というのは非常に大事なことだと思いますし、やはり処分場のイメージとしてなるべく明るいイメージを広報活動で広めるというのが大切ですから、ぜひお金をかけてもテレビとか広報をしていただいた方がよろしいのではないかと思います。
 それから、ちょっと文章的なことで気になったことは、10ページのところと、もう1カ所出てくるのですが、代替指標を調べていただいて、比較評価して、例えば10ページのところの3.1.3のところの上、「契約上の基準として適当である」。これは他でも出てくる、一瞬何かなと思いましたけれども、要するに今回の契約で用いる基準として適当であるという趣旨ですよね。何か「契約上の基準」というのがあるような感じがして、ここは多少、表現の違和感があったわけです。先ほどの趣旨であれば特によろしいですが。
 それから、技術を専門にしていない者にとっては、17ページのところで、これは原子力委員会の方で使われているので、もうしようがないのでしょうが、「技術的成立性」というのは言葉として固まったものとして使われているわけですよね。ちょっと説明があった方が、多分技術的に安全性が確かめられたというようなことだと思うのですが、「技術的成立性」というのはこれだけ読むと一般にはわかりにくい言葉ではないかという感じがいたします。
 それから20ページのところですが、法律をやっているものとしては今回の法制度化はなかなか興味があるところなのですが、20ページのところの併置処分を制度化する際の留意事項というところで、「また」の行でございますが、高レベル放射性廃棄物の方の概要調査が終わって、精密調査にいく前に結論を出すと、そういうことですよね。これは確認です。それから、TRU廃棄物との併置処分にするかについて、こういうふうに2つ並べてオプションにすることは、住民の方の理解が大切ですから、強制的に絶対併置というわけではなくて、オプションとして自由に選択できるという制度は私はよいと思うのですが、制度上の仕組みについてですが、TRU廃棄物についての概要調査地区はこの場所と決めることになるのでしょうが、高レベル放射性廃棄物の方でうまくいって、どこかが決まっているとして、それでTRU廃棄物について同じところを選定して、ずっと最後まで精密調査地区、最終処分と、それぞれについてやっていくのですか。ちょっとイメージがわかりにくいのですが。
吉野放射性廃棄物等対策室長
「技術的成立性」のところは、先日、事務次官のところに資料を持っていきましたら同じことを言われました。少し説明を加えたいと思います。
 それから、後段のご質問のところですけれども、参考資料の46ページのところに小委員会でもお示しした図を、非常にわかりにくい図で恐縮なんですが載せております。TRU廃棄物と高レベル放射性廃棄物は、基本的には並列する仕組みになるということを想定しておりますので、それとして、ここにありますような概要調査地区の選定から順々に各段の手続きを行っていくということなのですが、先に高レベル放射性廃棄物の手続きが進んでいることを前提にしますと、下にその併置処分の場合の例というふうにございます。今はこの時点での具体的な状況を申せば、文献調査地区の場所を探している段階と。このあと、こちらのTRU廃棄物の追加を法制上できたとしますと、文献調査をまずは基本的には進められている段階くらいにこの制度ができ上がってくるとなりますと、事業者の方々はまずその自らの事業計画と、国に出して承認を受けなければならない実施計画とそれぞれあるわけですが、文献調査の中でTRU廃棄物もやりますよと。それはもちろんその前提としてそもそもTRU廃棄物の処分を自らやりますよという申請が別途あるわけですが、それを受けた後に、その実施計画の中である地点で理解が得られて、TRU廃棄物を前提とした文献調査ができることになれば、自らの事業計画を修正されると。
 このうち、概要調査地区の選定のところになってくると、今度はどの地点で次の概要調査をするのかということを盛り込んだ実施計画を持ってこられて、この実施計画を承認する。国が承認するわけですが、その承認をする前提として、5年ごとに定めることになっている例の最終処分計画の改定をする、改定をするには閣議決定を経るわけですけれども、閣議決定を経て、その元々の最終処分計画はきちっとその部分を含めている形で変更できれば、それを基に実施計画の方の変更をするということになります。その実施計画の中に概要調査についてはその地点で両方の廃棄物の処理・処分を前提にする調査にするというような位置づけの実施計画になるものを国が承認をすると。
 したがって、その地点では同じ実施主体が実施する概要調査ですので、基本的にその中に二つの処分を前提にした調査が進められることになるのだろうと考えております。
 ただ、他方で文献調査の段階では報告書中にも触れていますように、基本的に求められる地質は同じ、地質環境は同じにしても、その場所でその岩盤の中に十分なスペースが確保できるかどうかは例えばわからないと。大丈夫ではないかと思いますけれども、わからないこともありうると。それはやはりボーリング等の調査によって、ある程度詳細な調査がなされて、この範囲で施設設計が両方の廃棄物に関してできるだろうというところまでいけば、それ以降のものに関しては今度は実際に併置処分をするということで、精密調査以降の議論が、手順が進められるのではないかなという想定をしていると。これはしたがって、まず実施計画をそれぞれ出す段階で、両方の処分をするということになった事業者が申請をしていただいて、それを国が判断をしながら順番に手順を進めていくと、こういう仕組みになるということです。
 ちょっと長くなりました。
小幡委員
そういたしますと、法律上はそれぞれある地区を調査地区というふうに選定するのですけれども、その調査の内容は、併置処分がいいかどうかということも含めて、調査するということですね。最終的にここにある「併置処分の判断」という、その精密調査地区を選定するところで、併置で大丈夫という判断をするという、そういう理解ですか。ただ、法律上の形はそれぞれの地区になる。
吉野放射性廃棄物等対策室長
これ、実施主体が実施する計画の内容でございますので、計画の中でいろいろなことを想定すれば、この場所は一応両方を念頭に置いた調査地区です。この場所は高レベルだけの調査地区です。この部分は、TRU廃棄物だけですよと、こういうことはそれぞれありうるわけで。そういうふうな計画を国は承認をしていくと。あくまで事業実施主体がどの時点でどういう調査をするのかという意味での手続きのイメージと想定してください。
杤山委員長代理
この辺りは、今の本文と参考資料を読んで一般の人がうまく理解できるかどうかということになると思うんですね。やはり、もうちょっとわかりやすく書いた方がいいでしょうし、先ほど佐々木先生がおっしゃったように、資料のここにも書いてあるとおりとか、そういうふうにして、もう少し一般の人が、実際どういう手続きでやるのだろうということがわかるようにしていただければと思います。そのほかございませんでしょうか。
 はい、それでは松田委員。
松田委員
今回の取りまとめは大変よくベースを捉えていて、間違いのない方向でいっていると思います。とっても大切な決め事なので、国民の方たちにわかりやすく伝えることがとても大事だと思うんです。今回、私がさらにこのレポートを評価したいのは、TRU廃棄物という今まで使われてきた言葉に対して、長半減期低発熱放射性廃棄物と、ちょっと長いのだけれどもTRU廃棄物という言葉よりは国民にとってわかりやすい言葉にかえたこと、これもこのレポートの非常に大きい成果だと思っています。
 そういう視点から見ていくと、このTRU廃棄物という言葉がこの報告書の中でわかりやすくなっているかというと、まだ改善してほしいところがあります。私のお願いなんですけれども、例えば、私が一番大好きな図は18ページのこの処分の方法というところに浅地中・余裕深度・地層処分というところで、メーターがきちっと書き込まれていて、どの辺りに埋められるのだというのがわかって、とてもわかりやすい図になっているのですが、タイトルが「TRU廃棄物の処分方法」となっているんです。もし、この表が一人歩きをしていったときに、ここにはこの言葉しか使われていないというのは大変もったいないと思います。原子力のキーワードはなかなか市民にとってわかりにくいものですけれども、少なくともTRU廃棄物という言葉よりは長半減期低発熱放射性廃棄物という、正確な日本語はできたわけですから、これをきちっと表に出して、もしTRU廃棄物という言葉を書くのであれば括弧で専門用語として書いた方がいい。基本的に、私は長半減期低発熱放射性廃棄物というふうに整理されてきたこのキーワードを、図表の中ではきちっと書き込んでいただきたい。今回使われている図や資料のタイトルがTRUのままでは、大変もったいないなと思います。
杤山委員長代理
よろしゅうございますか。
 なかなか悪評高いTRU廃棄物という呼び名で、長半減期低発熱放射性廃棄物というのもちょっと長いので、TRU廃棄物に略しちゃっているところがあるのですけれども、今、松田先生がおっしゃったように、図面とかは何かと印象が強いので、直していただいた方がいいでしょう。
松田委員
専門家の方たちがTRU廃棄物というように使いこなされているから、当たり前だと思っているのですけれども、私自身も原子力の分野の委員会に初めて入ったときにMOXとTRUの言葉にふれて、なぜこの言葉が英語からこの略字になったのかということを理解するだけでも大変苦労したのです。そういう苦労を皆に味わってもらいたくないために、やはり長くてもきちっとした日本語をお使いになるということを続けてください。ご遠慮なさらなくていいと思います。
 もっといい言葉があれば、さらに考えていただきたいのですけれども。
杤山委員長代理
 よくわかりました。河田委員。
河田委員
 今回はこの場で、3つの大きなテーマ、一つは処分地選定に向けての問題、それから海外からの返還廃棄物の問題、それから今の悪評高いTRU廃棄物、長半減期低発熱放射性廃棄物の処分の制度化ということを議論した経過は大変明確にまとめていただいて、何をなすべきかということもきちんと整理していただけたかと思います。
 今回、この3つのテーマの議論であまり直接議論ができなかったのですが、今回の報告書の中の一番最後の29ページのところで、この地層処分事業というのが非常に長期にわたる、いわば100年にわたる事業であるということで、そういう長い期間にわたって技術者をきちんと養成していくことの重要性というのをここでご指摘いただいたというのは非常にありがたいことだと思います。
 私ども日本原子力研究開発機構は研究開発機関でありますが、こういう長い事業に向けてのある意味では専門家を供給する機関というか、そういう役割もあるのかな思っております。そういう観点で現状を見ると、例えば私どもその150人近くのこういう分野の専門家を抱えてございますが、20代を見ると数人しかいないのです。それから大学側でのこれからのそういう専門家が育ってくる姿を見ていると、とてもさびしい限りであるわけです。そういう意味で、この100年事業をきちんと成し遂げるという意味でのこの人材問題ということについては、また別途どこかでしかるべき議論がなされることを期待したいと思います。
 以上、コメントです。
杤山委員長代理
ありがとうございます。これは事務局の方で何かありますか。
吉野放射性廃棄物等対策室長
この点、非常に大切な問題でございます。私どもも、まだまだ取っ掛かりの段階ではございますけれども、この問題に関して関係の機関の方々、大学の先生方と連携をしながら議論を進めさせていただいているところでございまして、方法論としてはいろいろな方法も考えうる、単に何かの方法というよりかは人事交流みたいなことですとか、研究開発に若い方々にどんどん参加をしていただくこととか、実態面での取組もあるのだろうと。幅広い取組が必要になる分野でございますので、私ども放射性廃棄物等対策室として、そういうこともテーマにして、今後、課題の整理、それからそれを受けた方策ということに取り組んでいきたいと思っております。
杤山委員長代理
ありがとうございます。人材の養成については、原子力全体の人材養成ということでは原子力部会の方でも随分話題になっているのですけれども、我々の放射性廃棄物の処理・処分の分野でも特にそういうことは、我々の具体的な問題としてもう少し考えなくてはいけないということもあろうかと思います。ぜひ、こういう小委員会の舞台で、そういうことも今後の議題にのせていただいて、今、河田委員がおっしゃったような議論をさせていただければと思います。ありがとうございました。
 そのほか、ございますでしょうか。
中林委員
ここでかなり議論されてきたことが十分盛り込まれておりますので、よい報告書の方向にまとまっていると思います。ただ、やはり膨大な作業なので、わかりやすさというところにまでは、まだまだ目が行き届いていないと思います。特に、これまでの会議で出てきた資料をそのまま並べて番号を振り、資料1から順番に羅列しているので、本文との関連性が追いにくいという感じが残ります。やはり本文と図表が結びつくような工夫をする必要があります。どなたかがご指摘されていらっしゃいましたけれど、資料○○を参照とか、文中に図表を示す言葉を織り込んでゆくことは絶対に必要だと思います。
 それから資料をベタっとこう並べますと、いろいろなものがただ並んでいるというだけで、必ずしも見やすいとは言えないものがあります。例えば、40ページのイギリス提案に対する評価の整理の図ですが、1、2、3とこういうふうにバラバラに分けて並べていますけれど、評価項目とか縦の軸というのは大体同じようになっている図なのですから、わざわざ3つに分ける必要はないのではないでしょうか。仮に、本文の中に分けて記述がされていて、そのせいでこの整理1、2、3というふうにわざわざ分けてあるということであれば、かえっていいのではないかと思いますが、そういう訳でもなさそうです。その次のページにも、また同じタイプのイギリス関係の資料が出てきています。確かに委員会で資料として配るには一つ一つ図を分けたほうが便利だったのでしょうが、報告書の文章ともう少し整合性をとったほうがよいと思います。例えば、1、2、3と次のページの表を縦一列で1つにまとめるとか、4つあるものを2つにするとか、そういった形で見せていく必要があるだろうと思います。それから、今日新しくお配りいただいた最後の1ページの参考資料も、ただ付け足しで最後に並べるだけですと、分かりづらくなる一方だと思います。最終的な報告書は委員会の内部だけで読むものではなくて、外に出すものだということを考えれば、この議論に参加していらっしゃらなかった方にもスムーズにご理解いただけるような形を整える必要があると思いますので、作業としては確かに膨大で大変だと思いますが、その辺をきちっとまとめていただけるとなおさらよいのではないかと思います。
杤山委員長代理
ありがとうございます。これは多分小委員会であった資料を公式資料としてそのままやっているという部分があると思うんですよね。それをもう一度編集し直していいかどうかということなんですけれども、中林先生がおっしゃったように、編集し直した方がわかりやすい部分が大分ありますので、それについては事務局の方でもう一度検討していただけると思います。
吉野放射性廃棄物等対策室長
便宜的にパワーポイントで資料をつくるとこうなってしまうというところもありまして、確かに今の「返還」の項目の整理みたいなものは、縦1列の普通の表になっていた方がよほどわかりやすいのもありますので、ここはよく整理をいたします。申し訳ありません。
杤山委員長代理
そのほかございませんでしょうか。井川委員。
井川委員
済みません。この広報の5ページのところ。この2006年、それから今後の取組として広報のことをいろいろ書かれているのですが、ここでも何度か発言させてもらっているのですけれども、ブロックとかでシンポジウムやったり、新聞広告を出したり、いろいろありがたい話もあるわけですけれども余り効果がないと、僕は自分で言ってしまったりなんかしているんですね。ここを見ると、余りそこから新しい話が一つもないといったら怒られてしまうか。あと珍しいのは、今回初めて報告書で拝見して、この地層処分模型展示車というのは何ぞやと感じはしますが、これだけ新しくてあとは目新しいのは一つもなくてと思うわけです。過去にも幾つか提案させてもらったつもりなのですが、それを入れろというのも今ごろになってなんだということもあるかもしれないので、一つだけ今後の取組の中に広報の仕方とか理解を得るという方策について、今後も工夫を重ねたり、検討したりするというのを、目標として入れておいていただかないと。
 どうしても、ちょっとしつこいようで申し訳ないのですが、資源エネルギー庁で昔、原子力の理解を得るということで広報をやって、結果的に形骸化してお金の無駄遣いと私どもの新聞等が随分たたいて、そういう予算が全部なくなったという経緯が過去にもありまして、常にこの広報のやり方というのは工夫してやらねばいけないなと。
 それから一つ気になるのは、これ見ていると、テレビ放映はなぜか民放だけにお願いすることになっていて、我々のところは国営放送があるにもかかわらず、国営放送には一切何もお願いしないのかというのもおかしな話で、なぜ民放に限定しているのか、ちょっと理解に苦しむので、是非とも国営放送も十分に活用していただきたいものだと思う次第です。
杤山委員長代理
お願いします。
吉野放射性廃棄物等対策室長
広報についてはご指摘ありがとうございます。とりあえず資料の中に載せておりますのは、今年度予算の確保ができている中で当面予定をしている事業ということでありますので、若干迫力に欠ける部分があるのかと思うんですが、ただそれぞれ各ブロックで開催するようなシンポジウム等々に関しては、できる限り、そのブロックならばブロックの中の各都道府県にちゃんとやりますから来てくださいと、それに際してこの事業の中身もできれば事前にご説明をして回るような、そんなようなきめ細かな取組にはぜひ力を入れていきたいと思っております。
 それから、今後の取組に関しては、今、足元で資源エネルギー庁の中でも、親部会の原子力部会のほうでも方法を考えておりまして、庁をあげてのアイデアですとか、指摘を踏まえた効果的な広報に努めていきたいと思っております。確かにこういうところに、ただ単に重点的に取り組むと書くだけではなくて、何か工夫をするとか、方向性を探るような記述が若干加わった方がいいのかもしれないかなと思っております。
 それから、民放云々ということなんですが、広報としてやる場合に、NHKに広報ということでお願いできない部分もあって、やはりそれは報道としての方針がおありなものですから即座にしていただけるものでもないのですが、過去、BSフォーラムという番組をやっているんですが、法律ができた当初にそうした番組で取り上げていただいたこともございます。また、関心を持っていただけるように私どもとしても関わってまいりたいと思っております。ここで民放とありますのはあくまでも、地方ごとに30分のスポット番組をちょうだいして、3月に開かせていただきましたフォーラムを、ほんの一部しかのせられなかったのですが、各地において見ていただいたということでございます。
杤山委員長代理
井川委員のおっしゃっているのは、そういう個々のあれは大事だけれども、エネ庁だけでやっていないで、広報のやり方はどんな方法がいいのだろうというのをもうちょっと相談する仕組みをつくって今後に向けて努力していけという、そういう意味ですよね、多分。確かに、なかなかいい知恵が浮かばないのですけれども、やはりエネ庁さんだけで一所懸命やっているのではなくて、皆の知恵を出し合うような、何かワーキンググループであるとか、小委員会であるとかそういうものをつくって、具体的にいろいろ皆で考えるというのが非常に大事だと思います。そういう意味で、今後の取組のところにそんなふうなことを入れてはどうかということですか。
 いかがですかね。そういう言葉を入れるというのはいいかもしれないと思いますので。実際に今後やっていただけると非常にいいと思います。ありがとうございました。
 そのほか、ございませんでしょうか。はい。
井川委員
すごく申し訳ない、武藤委員にぶん殴られそうなのですが、一つだけ揚げ足取りみたいなことをちょっとだけ。
 この和訳なんですけれども、中身が云々というのではなく、この翻訳になっているのですけれども、1.33の翻訳が、「提案が採用されたと仮定した場合に」とあるわけですけれども、細かいことは別にして、all of the offersで、allがついていまして、すべて採用されたと。何かほかにいろいろあるのかもしれないんですけれども、一応「すべて」と言うのはあった方が、99点か100点かくらいの差はあるのではないかということで、ぜひ手直しをしていただければと。ネットか何かでこの資料を公表するときはよろしくお願いいたします。
佐々木委員
ちょっと、関連してご質問したかったのは、全額が出ているのが1項の1.33ですよね。
 次の、恐らく1.35に日本のことが書いてあるのではないかなと思うのですが、それが原文が抜けていて、1.34に1.33の全額をまず言っている。その3分の1については云々と、こう書いてある。それで、1.35が抜けていて、1.36でヨーロピアン云々とこうなっている。しかし、ヨ-ロピアンコントリビューションよりも、恐らく日本の取り分というか比率50%ということの方が大きいわけですから、1.35で日本のことについて言及しているのではないかなと思うけれども、それが資料では原文抜けていますよね、これ。ちょっと気になります。
 それともう一つは、1.33の訳文、先ほど井川委員がおっしゃったけれども、私はむしろ問題はこのfeeだと思うのですね。これは前の650億円の本質にも関係しますが、例の日本が払うべき650億円に値するような金額を、これは本質的に何なのだという議論を前にちょっとしましたが、それのときに、つまり「料金」なのか何なのかという話。そのときにfeeと書いてあるから、訳は収入となっていますよ、これイギリスにとっては収入なんですけれども、正確にはこのfeeはやはり「手数料」とか、そういう意味で使われている、あるいは「料金」という意味で使われているのではないかなというふうに思います。日本のことについては、直接的言及というのはどこでなされているのですかね、この原文でいうと。
井川委員
その前に一つだけ。この委員会後、ネットに公表されるときはもしこの報告書が公表のものだったら、ネットか何かで見られるのであれば、URLとかつけておいていただけると、あとでほかの部分が見たいという人に細かく問い合わせを受けることもなく済むのではないかと思いまして。
武藤委員
訳は、両委員からの指摘いただきましたが、あまりこなれていない訳で申しわけございません。ご指摘のとおりかなと思います。それから、途中が抜けているというご指摘、それから日本についてどういう書き方になっているかということでございますけれども、1.34のところもこれは頭のところだけが書いてございます。そのあとに日本のことが少し書いてございまして、日本はまだこのオファーに対してサインをしていないと、この時点ではですね。
 まさにここで議論をいただいたことに関係するわけですけれども、日本がこれをやるためには、法制上のフレームワークがいるということがここに書いてございます。順番からいきますと、1.34が先にあって1.33で650ミリオンという数字があって、そのうちの3分の1については既にコミットがあると。これはヨーロッパの顧客のことを言っているわけでございます。その後に申し上げました日本についての記述が少しあって、1.35のところは日本は廃棄物を引き取る義務を負っていることは理解しているといった類のことが書いてございます。1.36のところでヨーロッパ分の割合はこのぐらいということでございます。ここでは、ここに書いてある数字をもとにして、650億円という数字をご紹介させていただいたということでございます。
 それから、全体通じて少し申し上げたいと思いますが、これは一番最初にも私が申し上げたことですけれども、廃棄物につきましては非常に時間のかかる事業でございますし、一歩一歩進めていくということが大事だというふうに常に思っているところでありまして、そういう意味では今回、長半減期低発熱放射性廃棄物、それから海外から返還される廃棄物、さらにはNUMO、こういう大きな課題につきまして、いろいろご議論いただき、事務局で課題と方向性を示していただいたということ、これは大変ありがたいことだと事業者としても考えております。
 これからまた親部会等で議論をされるということかと思いますけれども、ぜひここでお示しいただいたような方向でもって制度等を整備いただいて、またこれで一歩進めていただくことができるのかなと思っております。事業者としましても、いろいろこの場でもご意見を頂戴しましたけれども、NUMO支援であるとか技術開発であるとか、あるいは理解促進であるとかといったような課題があるということをご指摘いただいておりますので、この辺につきましてはしっかり取り組んで参りたいと思います。
杤山委員長代理
ありがとうございました。そのほか何かございませんでしょうか。
 どうもありがとうございました。では、今日、さまざまなご意見をいただきまして、ありがとうございました。今日の意見をいろいろ見まして、あと今日はちょっと森嶌委員長が急遽ご欠席となられたこともありますので、報告書に関しましては、あえて、本日をもって取りまとめとはせずに、私の方で皆様のご意見を一旦預からせていただいて、今後事務局とも調整して森嶌委員長に報告・相談して、改めて報告書(案)を取りまとめて事前に委員の皆様にご確認をいただいた上で16日の原子力部会に報告したいと存じますが、いかがでございますでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。ありがとうございました。
 それでは、議題の2の「その他」について事務局からお願いいたします。
吉野放射性廃棄物等対策室長
資料の2をごらんいただければと思います。少々技術的な中身でございますので、先生方に補足いただければありがたいと思っております。
 この地層処分研究基盤開発調整会議に関しましては、めくっていただきまして、第2回目の放射性廃棄物小委員会、7月ごろだったかと思いますが、その折にご紹介をした中身でございます。
 この放射性廃棄物の最終処分に関する技術開発については、ここにありますように「原子力政策大綱」において、ある宿題が示されていると。全体を俯瞰して総合的、計画的かつ効率的に進められるよう連携・協力するべきであるというところが示されておりまして、他方、研究開発を取り巻く状況として、瑞浪・幌延で現在、深地層研究所の掘削工事が始まったと。それから日本原子力研究開発機構が発足をしたと。さらには安全規制の検討の本格化等々の動きも出てきているということで、その宿題に応ずる形でここにあります調整会議というものを設置したということでございます。並行して、最終処分計画を10月におまとめいただいたときに、第5の「その他」という部分で、その動きをさらに後押しいただくという意味で、ここにありますような文言を盛り込ませていただいたということでございます。
 それから、次のページ、報告書の本文では調整会議というところに直接言及はしておりませんが、第7回の小委員会で、技術開発に関する役割分担というところでこのような資料もお示しした経緯がございました。
 それで、3ページ目、これはその7月にお示ししたのと同じでございますけれども、調整会議がどのように成り立っているかということでございます。基本的にこの調整会議は国が実施する基盤的研究開発の内容を調整するということで、メインとしてJAEAさんのところ、それから私どもの調査ということでは原環センター、電中研、産創研、産総研、放医研といったところにさまざまなご協力をいただいておりますので、その方々との間でさまざまな議論をしながら、上にありますような計画の策定、連携に関する調整、成果の体系化に向けた調整といったことを進めてきたということでございます。
 次の4ページにその中身を書いてございますけれども、実際には全体のワーキンググループのほかに各分野ごとにワーキンググループをつくって、それらの全体の取りまとめをしているということでございます。
 それで、5ページ目のところに、この調整会議は1年ほどやってきたわけですけれども、昨年のうちに一度、どのような研究開発課題があるのかということを俯瞰できるマップに取りまとめた暫定的なものがございまして、その中でその図の下にあります有識者の提言というものをいただきました。それを踏まえて、この調整会議を作るに至ったようなことだったのですが、この経緯を踏まえまして、全体の計画を取りまとめるということで、真ん中にありますように国としての全体的な基本戦略を作っていくと。それから、各ワーキンググループでその戦略に応じた、必要なテーマ、目標の計画を定めていくということをしているわけでございます。具体的にどういうものをまとめているかというのは、ちょっと一番後ろにA3の非常に細かな資料がついております。これは済みません、個別には説明をいたしませんが、16年度のうちに一度まとめていただいた、全体的な、とりあえず暫定的なマップを基に、17年度は分野ごとに今後必要な研究は何であるのかということをざっと整理したもので、実はこの後ろにさらに分厚いテーマごとの整理があるのですが、まず概括すればこういうものを作っているということでございます。中身はちょっと省略をさせていただきます。
 それで、こういうものを作る上で、6ページ目でございます。まず国としては基盤的研究ということでいかなることを目標に進めていくのかということが、6ページ目の上に大きな字で書いたところでございます。具体的には、下半分のところでありますように、その国民理解を促進する、処分事業の基盤をつくっていく、安全規制の基盤をつくっていくということで、技術的信頼性、安全性を確保すると。(1)、(2)、(3)にあるような目標を掲げまして、この目標に従って研究分野ごとにそれぞれ現時点で必要なテーマというものを並べていただくような作業をお願いしてきたということでございます。
 7ページ目は、それらの事業を進める、全体の事業を進める上で、国の基盤的研究と実施機関であるNUMOと、それから安全規制がほとんど関係を示しているわけでありますが、大事なことは、実際に事業を進めていただくNUMOさん、それから規制を進めていかれる保安院さん、ないしはJNESさんといった方々から具体的なニーズを出していただいて、それにきちっと答えていくという研究開発が大事だということでございます。それに応じた項目の整理をということですが、8ページにありますように、他方で国としての基本的な研究と、実施主体がなされる研究と、それがすっきり真ん中でスパっと分かれれば非常にいいのですけれども、現実的にはこの図にありますように真ん中のところに斜めの線がそれぞれ入っておりまして、やはり調整する事項が出てくると。国の研究としても、新たな課題にはどんどんと対応していかなければなりませんが、徐々に実施主体の側でやっていただくような研究については、実施主体側にシフトをお願いしていくということが必要で、そのための調整も進められてきたということでございます。
 具体的にどういう段階ごとに詰めていくかということは次の9ページ目でございます。いつもご案内の処分事業がどういうスケジュールで進んでいくのかというのがこの上の段にございまして、下側に研究開発のフェーズが書いてあります。今、足元で今後5カ年ほどの研究を進めていこうということですが、この研究は第2フェーズと言っております。矢印がぎゅっと斜めに伸びておりますが、目標とするのは精密調査地区が選定をされて、その後の調査が着実・円滑に進むようにアウトプットを出していくということが目標になってくるということでございます。こういったことを進めていく上で、関係者の方から多く議論をいただきましたのは、一つには柔軟性の確保をしていかなければならないと。非常に長期にわたる事業で、今後、より安全な処分をするための技術開発が出てくるかもしれない。それから育成の内容についても今後、議論がされていくということもありまして、そうしたものに応じた、例えば技術的なオプションが確保されるような柔軟性を与えていくと。さらには、実際に今後、処分が行われるわけでございますので、ふわっとした研究ではなくて、実際にこういう知見がこんな方法で確認できるというような具体性も重要であるということが、この手の研究を進める上での重要なポイントということでも整理をされたところでございます。
 ただいま申し上げました第2フェーズ、今後5年程度の重要課題でございますけれども、申し上げましたように精密調査地区の選定、それから精密調査が始まるということで、その精密調査も初めの数年間は地上からの物理探査等の調査、その後、実際の地下の研究所を掘っていくわけですが、それぞれの展開に必要な技術的な知見を確保していくということで、真ん中のところで段階目標にありますように、地上からの調査に関わる技術基盤の確立をする。それから実際の地質環境への適用可能な評価方法の整備と工学的実現性の提示ということで、紫のところで囲ったような分野ごとの課題があると。
 日本の場合、実際に地下を掘ってまいりますと、多くの水・地下水・湧水があるというような問題も現実に地下研究所などで出てきております。こういうものも、実際の処分施設を建設するに当たって直面する課題であるということで、そうしたことについての対応なども必要ではないかといったような議論もなされたところでございます。
 それから、以降はTRU廃棄物に関する部分でございます。
 今回、制度論についてさまざまご議論をいただいたわけでございますけれども、研究開発に関してもさらに課題があるということでございます。
 大きくTRU廃棄物に関して役割分担を整理したものが11ページ目でございまして、まずその事業化技術、事業者としてなされるべき技術と、それから基盤的研究開発で分けておりますが、縦の軸で、その発生関連ということで、発生、処理、検認に至るまでの技術、それから実際に処分をするための技術ということで、縦に整理もいたしております。その整理に従って、12ページ目ですけれども、これは非常にわかりにくい図でございますけれども、TRU廃棄物に関して今後進めていかなければならない、さまざまな研究課題を掲げております。中身に関してはご説明しませんが、一読いただいてわかりますように、事業者がなすべきもの、基盤的研究開発として国等がなすべきものというのが、ある意味、その研究テーマがそれぞれの役割分担のところに重複する、重なる形でございますので、今後やはりどの部分を国がやり、どの部分を実施主体なり、例えば日本原燃さんというところでやっていただくのかというような、今後、整理をしながら効率的な研究を進めていかなければならないと考えております。
 それからTRU廃棄物に関しての当面の重点課題としまして、ここで大きく3つの点を申します。
 まず一つは、併置処分に関しては技術的な成立性というものについては原子力委員会の技術検討会の方でお示しいただいたわけでありますけれども、実際にその併置処分をするという場合に、より現実的な対応も必要ということで、それに必要なものをさらに研究を進めていくということ、それから(2)に関しては、これまで高レベル放射性廃棄物に関しては平成12年、2000年にレポートが出されたものを踏まえて、その後さまざまなデータ集めなども進んでいるわけですが、TRU廃棄物はその平成12年のレポートに当たるものが今回の第2次レポートとすれば、それに追いつくようにさまざまなデータを大急ぎで集めていく必要があるということでございます。
 それから、(3)については原子力委員会の技術検討会でより幅広い地質環境に柔軟に対応するために代替技術が必要だろうということで示されたものでございまして、ここにありますようなものについての研究が必要と示されたところでございます。
 こうしたものをさらに精査しながら、今後の研究開発を、私どもとしては日本原子力研究開発機構さんと協力しながら、限られた予算の中でございますので、重点的・効率的に進めてまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。
杤山委員長代理
どうもありがとうございました。技術的な内容が大分ありますので、わかりにくいかもしれませんが、何かこれに関しまして、ご質問・ご意見ございますでしょうか。
 はい、どうぞ。
井川委員
これの位置づけというのが今ひとつよくわからないのですが、ちょっと意見というか、この3つ、若干クエスチョンマークがありまして、第一点は、この今のこれだけに限らないのですが、今の科学技術というのは大体、大規模なもの、長期的にわたるもの、あるいは国民生活に密接に関係するものというのはそもそも技術開発、研究開発の中に一般の方にどう理解を進めていくかという視点が必ず入っているのですね。それは、さっきの広報の話ではないですけれども、新聞に広告を出すだけでは深い理解につながらないし、技術者と本当にやり取りをしたときに一般の方との共通の言葉で語れない、結局理解が得られないというようなことになるわけで、これは当然リスクコミュニケーションも含めて、多分専門家の知識も入れた研究開発がないとこれは多分できないんだろうと。その観点が全く入っていないというのが理解に苦しむことが一点。
 それからもう一点、その観点から見れば、ここに書いてあるのはなんかすごくわかりやすいことをわかりにくく書いてあるなという感じがして、なんでここにセオレティカルだとかプラクティカル、サイトスペシフィック、ジェネリックなんて、これは予算を取るために表をつくったのか何なのかよく知らないのですけれども、こんなのわざわざわかりにくくするというのは、これはすさまじい無駄な努力を技術者の方はされているのか、あるいは長期的なので、ちょっと暇なのでこういうことをやってみたのか、よくわからないですけれども、これは善処された方がいいのではないかと。こんな資料を見せても一般の方には何も理解されないし、何をやっているのですかという話になるのではないかと。
 それから先ほど河田委員から、人材の話があったのですが、これも本来、今日長﨑委員がいればあれなんでしょうけれども、どうしてもこういう地層処分等の研究というのは、ご専門の方の前ではなんですけれども、田舎の山奥に行って穴を掘って、しかも山奥の上に地下を掘って穴の中ですから、これはなかなか若い人が来るわけがない。そうすると、新しい研究者の方を導くことも、恐らくこの研究分野として議論の重要な分野だと思うんですよね。そこら辺も入っていないというような、いろいろなことを考えると、これは余りにも表層的ではないかという気はするので、ご専門の方にそういった観点からも検討していただく意味でも、そういう項目もぜひ入れていただきたいなという次第。
吉野放射性廃棄物等対策室長
ちょっと、先によろしいでしょうか。全くご指摘のとおりかと思っております。
 ちょっと資料の整理上、省いている部分があるのですが、実を申しますと社会とのコミュニケーションをどうするか、それから大学との関係、特に人材育成なんかはどうしていくかということは、実はこの検討会の中でテーマとしては掲げて議論をしようとしたのですけれども、少々この個別具体のテーマを整理するのに時間を費やしているうちに、そこの部分の議論をする時間が十分なくて、実は今年、一旦とりあえず何らかの取りまとめをしようと思っていますが、この後の重要課題ということでやってまいりますので、まずご理解をいただければと。
 言葉遣いに関しましては、重々注意してまいります。
 それから、位置づけは、これについてはこれまでのさまざまな機会、例えば総合科学技術会議での指摘でございますとか、研究者の学会でのご指摘ということがある中で、非常に長いスパンの事業で、きちっとスケジュールに即して間に合う技術が整っているのかと。それから、幅が広い技術だけれども、何かだぶっているのではないかと。総合的な調整が必要だと、おのずと出てくる指摘に対して、まずちょっときちっとした形にできなかった部分もあったのですが、関係者間でまず調整を進めていこうではないかということで、実は任意で始めた会議でございます。ただ、できればこういうものにすみつくというと変ですが、きちっと毎年、例えばこの小委員会なのか、また別のワーキンググループなのかわかりませんが、機会ごとにこのようなご報告をするとかいうような、出口の形をうまく作らせていただいて、年々その評価を賜るようなことが必要ではないかなと思っておりますし、ただ、一方で技術の中身に関しましては非常に広範なものになるものですから、これはこれで、中身については学会を使ってさらに評価をいただくというようなことが基本かなと思ってございます。
杤山委員長代理
最初に井川委員がご指摘になられた、一般の国民に対してきちんと説明できないような工学というのはだめだろうというのは、全くそのとおりで、こういう分野は非常に巨大技術になってきますので、こういうものを本当に社会に定着させるために、どれだけのことをやらなければならないか、非常にたくさんのことが出てきて、技術者の中でもそれぞれがばらばらにやっていたのでは、とてもじゃないけれども、そういうきちんとした整理がなされない。これはちゃんとオールジャパンが集まって、本当にこれでいいのだろうかということをきちっとやらなくてはいけないというのが、もともとのこの調整会議の発端であったわけです。そういう意味では、一所懸命、井川委員がおっしゃったことを意識して必死でやっているのですけれども、やはり技術の中身ですので技術者から言うと当たり前の言葉として、そのジェネリックとかサイトスペシフィックとか言っているのですけれども、確かに、技術者の中ではこういう言葉を使っていいでしょうけれども、外向けに出すときはもう少しちゃんとわかりやすくかみくだいてやらなければいけない。そういう項目が抜けているということがございましたけれども、決してそういうわけではなくて、性能評価とか安全評価と呼ばれている分野があるのですけれども、この部分というのは特にそういう国民とのインターフェイスが非常に大事で、それについて一体、どうやって技術を整理して、どうやって国民に提示してというところもありますし、それからもちろん技術自身が本当に技術的に、成立性も言葉が悪いと言われて怒られたのですけれども、そういう本当に安全であるかどうかというのも確認しないといけないということがございます。特に、国民とのインターフェイスのところは非常に大事だという意識がございまして、この分野でも決してそれはやっていないということではなくて、一所懸命やろうとしているというふうにご理解いただければと思います。
 おっしゃることは非常によくわかりますし、我々自身もそこのところが何とかしないといけないと、一番気にしている部分でもありますし、非常に不十分であるとは思いますけれども、そういうことを意識してのオールジャパンの組織であるというふうにご理解いただければと思います。
河田委員
この調整会議の真ん中で、いわゆる技術開発を担う中心組織としての立場でちょっと、今の井川委員のお話の答えも含めてちょっとお話したいと思います。
 今回、こういう構図でいろいろ関係する機関の連携がとれるようになったわけです。ご承知のように2000年というのが地層処分の世界では大事な年で、そこで特定放射性廃棄物の処分に関する法律ができたということでございます。それ以前はいわゆる研究開発段階ということで、当時の動燃が、社会とのインターフェイスも含めて統合的にものを考えてどうすればいいかを考えろと、こういうミッションを負っていまして、割と自己完結的に、研究開発というフェーズでありますが、仕事ができていました。ところが2000年以降、いろいろプレーヤーが出てきたわけです。処分の実施主体、それから規制側、それから研究開発の分野も我々の組織と、それから政策支援という立場等々でのいろいろな研究の役割が出てきたと。そういう中で、改めてやはりそういうもの全体がつながりながら動いていくのですということを、もう一度きちんと固める必要がある。そういうことが今回のこの場であったかと思います。そういったことで、私どもとしてはそういう、いわゆる実施側のニーズ、規制側のニーズ、それからさらに国民の皆さんにどうやって安心していただけるのかということを含めたニーズなどに対し、個々の研究機関が勝手にやるのでなく、いろいろなところとの連携をとりながら、国民の税金でやる仕事でございますから、最適化というのも含めて全体を成し遂げると。こういう構図であります。
 こういう構図ができましたので、その中で我々も統合的な議論をさせていただきながら、ぜひこういう活動を、いわゆる研究開発そのものも透明性を持って進んでいるのだということを是非今後示していく必要があるのではないかと思います。そういう過程でいかに井川委員がおっしゃるような形で国民の皆さんと通じる言葉でご説明ができ、あるいはご理解いただけるかということになるのではなかろうかと思いますので、そういう面での今後の努力を一層してまいりたいと思います。
 いろいろそういう面でのご指導を願いたいと思います。
松田委員
私は、原子力廃棄物の問題が国民に以前よりかなり丁寧に、そして明るく語られ始めたということを大変喜んでいます。私は生活圏の廃棄物に関する活動を続けてきていますが、生活ごみについて国民にわかりやすく情報が提供され始めたのは、ちょうど20年前くらいです。今、原子力廃棄物が国民の前で明らかにされて、わかりやすく研究者の方たちも語り始める努力をし、政策の方もわかりやすく語り始めました。あとは国民の私たちがいかに関心を持ち続けていき、生活の中で出てくる廃棄物の問題とともに放射性廃棄物という新しい分野に対しても理解を深めていく。そういう時代に入っていると思います。小幡委員が明るく語りましょうよとおっしゃいましたけれども、とってもいいキーワードだと思うんですね。ごみの問題も市民と行政と産業界というパートナーシップがあるわけですから、私は井川委員の話に全く同感なんですけれども、私たちはぜひそういう場所に参加させていただきたい。そしてご一緒に知恵を出して、廃棄物の問題をきちっと管理していけるような社会システムを日本の中につくっていきたいという気持ちでこの委員会に参加させていただいております。
杤山委員長代理
どうもありがとうございました。
 そのほか、ございますでしょうか。
 どうもありがとうございました。こういう技術開発というのは処分地選定を進めていくということとか、それから井川委員がおっしゃったように国民と関係者との相互理解とか協力を得るという点で非常に重要と考えますので、今後も着実に進めていかれることを期待いたします。
 本日の議題は以上でございますけれども、特段その他、ご意見ございませんでしょうか。
 ありがとうございました。
 それでは先ほど申し上げましたように、報告書(案)は一旦預からせていただきますけれども、今後のスケジュールを考えますと、本日の小委員会が一旦区切りとなるものと思われます。私といたしましては、報告書(案)の「おわりに」にありますように、それぞれの課題に対してその制度等を含めた必要な措置の具体化に向けて、国・処分実施主体や電気事業者などの関係者が一体となって取り組まれることを期待します。また、委員の皆様方におかれましては、ご多忙中のところ、約1年の長きにわたり、熱心にご審議いただきまして、ありがとうございました。森嶌委員長にかわりまして、御礼申し上げます。
 それでは、閉会いたしたいと思いますが、事務局の方から何かございますか。
吉野放射性廃棄物等対策室長
報告書(案)の取り扱いについてでございますけれども、これは杤山委員長代理の方からご説明いただきましたように、まず事務局の方でも今日のご指摘を踏まえて調整をし、杤山先生、それから委員長の森嶌先生に報告し、了解をいただいた上で、改めてまた報告書(案)の方を、場合によっては16日ぎりぎり近くになるかもしれませんが、お届けをして、内容の確認をさせていただいた上で、16日に報告をし、したがって報告書については16日をもってまとめさせていただくという形になると思うんですが、そのようにお願いいたしたいと思いまして、最後、間際までご負担をおかけするのですが、よろしくお願いしたいと思います。
杤山委員長代理
それでは、閉会に先立ちまして、電力・ガス事業部の政策課長の宮川さんの方からごあいさつをいただきます。
宮川電力・ガス事業部政策課長
電力・ガス事業部を代表いたしまして、政策課長の宮川でございますが、一言ごあいさつをさせていただきます。委員各位におかれましては、9回にわたります詳細なご議論を賜りまして、これから原子力部会の方に報告書を諮るわけでございますけれども、大変ありがとうございました。この中で必要な措置で、特に法的措置の必要なものにつきましては関係者とも十分調整をしまして、早急にそうした作業に入りたいと、かように考えております。私自身も実は数年前にスウェーデンにございますオスカーシャムに入ったことがありまして、やはりごみとはいえ、非常にこの最終処分場の重要性というか、国を挙げてのプロジェクトということでございまして、広報といっても、やはり百聞は一見にしかずという気がいたします。いずれにいたしましても国の強い決意と、それから国民・住民の方々の深いご理解と事業者の方々のご支援、NUMO、日本原子力研究開発機構といったところの実施部隊の安全性に対するきちっとした事業の遂行と、こういうのが重要ではないかと、かように考えております。
 先ほどご指摘ございました、広報でございますけれども、正直申し上げますと、やや昨年来からの無駄遣いのご議論が非常に私ども役所内にも深い反省としてございまして、少しシュリンクしている部分がございますけれども、もう一度事業の見直しをし、必要なものについてはきちっと手当てをしていくと。ただ、正直申しますと、そのノウハウが、私ども役所というのはどうしてもプレゼンテーションが下手でございまして、そうした国民の方々とのインターフェイスについては引き続き、また委員各位のご指導を賜ればと思います。
 それから人材の確保のご指摘ございましたけれども、実はこれは原子力全体に言えることでございまして、今、大学の講座を設置するための助成とか、奨学金の制度とかも含めて内部で検討しておりまして、そういったところについての制度設計ができた暁には、ぜひ、こうした専門分野についての人材育成についても私ども傾注していまいりたいと、かように考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、本当に半年以上にわたる、しかも詳細かつ精力的なご議論を賜りまして、こうした成案が得られたことにつきまして、部長になりかわりまして感謝申し上げ、ごあいさつに代えさせていただきます。
 どうもありがとうございました。
杤山委員長代理
どうもありがとうございました。
 それでは、これをもちまして、第9回放射性廃棄物小委員会を閉会いたします。
 本日はご多忙中のところ、熱心にご議論いただきまして、ありがとうございました。
 
 
最終更新日:2006年8月25日
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