経済産業省
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総合資源エネルギー調査会電気事業分科会原子力部会(第13回) 議事要旨

日時:平成18年8月8日(火)16:00~18:20

場所:霞ヶ関東京會舘ゴールドスタールーム

出席者

委員

田中部会長、秋元委員、井川委員、伊藤委員、植草委員、 内山委員、長見委員、河瀬委員、神田委員、木場委員、 木元委員、神津委員、河野委員、児嶋委員、齊藤委員、 末次委員、末永委員、鈴木委員、武井委員、築館委員、 殿塚委員、内藤委員、中島委員、古川委員(川崎代理)、 松村委員、山地委員、山名委員、和気委員

事務局

望月資源エネルギー庁長官、平工資源エネルギー庁次長、
野口大臣官房参事官(原子力立地担当)
舟木資源エネルギー庁電力・ガス事業部長、
木村総合政策課長、宮川電力・ガス事業部政策課長、 片山電力市場整備課長、後藤電力基盤整備課長、 柳瀬原子力政策課長、 中西原子力立地・核燃料サイクル産業課長

オブザーバー

内閣府原子力政策担当室 黒木参事官
文部科学省研究開発局原子力研究開発課 中村課長

議事概要

(1)原子力部会報告書(案)~「原子力立国計画」~に対するパブリックコメントの概要及び対応について

  • 柳瀬原子力政策課長より、資料1-1について説明。
  • 各委員からの意見。

○次世代軽水炉の開発はメーカーが主に担当し、FBRの開発は国が主に担当、あとは電力が主に実施する等とあるが、プルサーマルや最終処分場の問題も含めて、すべて国のサポートが必要なことである。地球環境論から財政論に至るまで、持続可能性あるシステムが求められている。電力経営における原子力運営を持続可能なものとするためには、国と関係者がきちんと連携していくことが重要。

○報告書は簡潔にまとまっていて良くできている。関係者には、安心・安全が何においても大事であるという立地市町村の思いを理解して欲しい。原子力発電は住民の安全があって初めてできること。立地市町村の立場についての認識を再度持っていただきたい。
 原子力発電を推進するとともに、「もんじゅ」での研究成果も含めて我が国の技術を世界に発信し、原子力立国を実現して欲しい。

○パブリックコメントにおいては、健全なコメントが出てきている。パブリックコメントを踏まえた修正も良い修正になっている。これまでの13回の部会において、様々な課題に正面から取り組み、具体的に議論してきたことを評価したい。今回の報告書は、先人の議論に恥じないブレのない議論になったと評価できる。
 今後は、事業者としても、現実の課題に対して、関係者が協力して、安全の確保を常に最優先に、取り組んでまいりたい。

○事務局から、広聴・広報の問題について真摯に対応し、環境を整えていくとの話があり、大変心強い。昨年は広報予算の不適切な使い方を発端として、広報予算が大幅に削減された結果、問題部分だけでなく広報全体に影響が及んだ。広報活動はしっかりと継続していくことが大切であり、報告書に継続的な広報活動が重要であるという趣旨を加えられないか。
 また、エネルギー教育について、原子力がエネルギー教育の中で重要であり、そのように書けないか。

○原子力政策に係る国際的動向は、この報告書の記述よりはネガティブであると感じている。例えば、ドイツでは依然原子力に対する厳しい見方がある。米国ではブッシュ大統領の政策が実行される前提で原子力発電所を6基までは建設される予定であるが、それ以降は未定である。他方で、米国政界には日本に見習えという声があると聞いている。中国は省エネ中心の議論を行っており、セキュリティ上の観点から資源争奪に熱心。
 今後、世界の資源争奪が激しくなることを考えると、日本のエネルギーセキュリティを実現するためには原子力は不可欠である。国際的動向に左右されず、ブレることなく原子力を推進して欲しい。
 安全を確保するに当たっては、現場・下請の人材育成が重要。
 今後は財政再建により国の財源は厳しくなる。政府は一体的に施策を実施し、予算の一本化を図るなど、特別会計の有効活用に努めるべき。環境税の議論などもあるが、歳入をいかに有効活用するかという視点が大切。全省庁の一体的対応も必要ではないか。

○次世代軽水炉の開発に関連して、報告書には「競争的資金を重視する流れ」とあるが、最近の提案公募の研究開発はバラバラになっているように見える。国の研究開発がどのような方向に進むのかを明らかにし、国や団体が全体をリードする必要がある。提案公募は研究開発の手法として考え直すべきではないか。

(柳瀬原子力政策課長)
 提案公募の研究開発に関する問題意識は全く同じであり、国際協力関連を除き、経済産業性分については全廃する。今年度から、次世代軽水炉プロジェクトに向け、大橋委員を座長に、メーカー及び電気事業者も入って研究会を開始しており、メーカーを中心に、電力も協力し、政府が財政的に支援するプロジェクトが動いている。現在は、電気事業者から開発する炉のリクワイヤメントを出してもらい、メーカー側でこれを満たすためのコンセプトを考えていただいているところ。
(田中部会長)
 一部の修正意見については、私に一任していただくとして、報告書はこれで御了解いただいたということでよいか。(「異議なし」との声) それでは報告書はこの部会で御了解いただいたこととする。

(2)「原子力立国計画」政府側のアクションプランについて、「原子力立国計画」を踏まえた関係団体の取組等について

  • 柳瀬原子力政策課長より、資料2-1について説明。
  • 伊藤委員より、資料3-1について説明。
  • 齋藤委員より、資料3-2について説明。
  • 殿塚委員より、資料3-3について説明。
  • 柳瀬原子力政策課長より、資料3-4について説明。
  • 各委員からの意見。

○深みのある報告書になったことを評価。広聴・広報の立場から1つ申し上げると、用語の使い方について、電事連の資料には「原子燃料サイクル」とあり、政府の資料には同じことに対して「核燃料サイクル」という言葉が使われている。同じことを言っているのに、なぜ異なる表現になっているのか。

(伊藤委員)
 「原子燃料サイクル」という言葉と、「核燃料サイクル」という言葉については、宿題として引き取り、電事連の中で検討したい。

○原子力政策において、イメージや流行を作り出すアプローチも必要。若い人は流行や時流に敏感。これまでの原子力の低迷の原因は、流行を考慮したアプローチが弱かったこともあるのではないか。
 また、下支えする産業や人材を作っていくことが重要。例えば、日本画を描く画家がいても、日本画用の紙や絵の具を売る店がなくなってきているという話もある。このような下支えする技術や知識などのミクロの部分にも気を配るべき。
 政府のアクションプランの3ページに実効性の高い検査を実現する課題があり、8ページに人材育成の課題があるが、両者は関連しているのか。

(柳瀬原子力政策課長)
 実効性の高い検査への移行は、これまで定期検査中に集中していた検査を運転中の保全業務として取り入れていくので、業務の平準化が期待される。また、保全技術のノウハウをいかに現場の技能者の育成プログラムに織り込んでいくかということで関連するものである。
(伊藤委員)
 原子力発電所の定期点検には、2,000人くらいの関係者が関わっている。そのうち70~80%が県内の人、約50%はいわゆる地元の人。地元で技能をきちんと継承し、働く人が地元に定着するように努力していくことが必要。
 原子力発電所の稼働率向上に向けて運転中の監視をしていくのは地元の雇用に取っては望ましいことと思っている。

○「原子力立国計画」の周知について、全国行脚も大事だが、見栄え良く製本し、全国の図書館への納本を検討していただたい。

(柳瀬原子力政策課長)
 製本して、普通の出版物とすることを考えている。全国の図書館への寄贈についても検討したい。

○アクションプランの多くが中長期的課題。今後のエネルギーに関する社会環境の変化によって取り組み方も変わってくるだろうが、すぐにでも取り組める課題を確認しながら、課題の実現に向かってしっかり取り組んでいくべき。
 原子力発電所の稼働率については、適正な検査のあり方についてもよく考えて、稼働率向上を図るべき。

○アクションプランについて、喫緊の課題、中長期的な課題など施策のプライオリティのプライオリティをつけ、メリハリをつけて取り組んで欲しい。

○中長期的にブレない政策の上に立って、国がまた一歩前に出て原子力を推進する、という姿勢が報告書に示され、原子力政策の安定性が増したもの受け止めている。またアクションプランが提示され、政策の具体化への信頼性が高まり、原子力職場に働く者として安心して職務に邁進できると考えている。労働組合としては、働きがいのある職場になるように努力したい。

○アクションプランについて、フロントエンドは具体的に記述されているが、バックエンドについての具体的な記述が弱い。核燃料サイクルのサービス提供国としてはバックエンドが重要。GNEPあるいはエルバラダイ構想などの国際的枠組みにどのように貢献していくかを考えていくべき。低除染の燃料製造に必要となる遠隔操作プロセスはまだ誰も経験していないプロセスなので、これがエンジニアリングとして可能かどうか検証していくことが必要。
 また、低レベルの放射能についての放射線影響の問題について、国民の正確な理解を促進するための広報活動にまで目を配り、世間に原子力について安心してもらえる環境をつくることが重要。

○今後、原子力政策大綱の策定の際に行ったような原子力発電のコスト評価を行っていくべきではないか。技術の進展、火力発電所を巡る状況の変化等、原子力発電を取り巻く環境の変化により原子力発電のコスト評価は変わっていくので、最新のコストの状況を評価していくべきではないか。

(柳瀬原子力政策課長)
 原子力発電のコスト評価については、電気事業分科会の報告書の中で評価の前提条件に大きな変化が生じたときに実施することとしているので、必要に応じて行っていくということになると考えている。

○電源特会の見直しがされているが、将来の電源開発につなげるべき財源であると考える。

(後藤電力基盤整備課長)
 電源特会については、電源開発、電源地域の振興という電源開発促進税の課税目的を踏まえて財源を活用していくことが重要であり、今後の特会改革についても文部科学省と手を取りながら、しっかりと取り組んでまいりたい。

○中長期的にブレることなく、アクションプランを実施して実現していくことが重要。定期的に実施状況を評価するPDCAプロセスが必要ではないか。

○「原子力立国計画」は原子力の歴史において画期的な成果。アクションプランも評価できる。

(3)浜岡原子力発電所のタービンの損傷について

  • その他、委員より浜岡原子力発電所のタービンの不具合に関し意見があった。
  • これに対し、伊藤委員及び斉藤委員より説明があった。

○浜岡原子力発電所のタービンの不具合について、この先の動向を心配する意見や、原子力発電の危険性とタービンの問題は別の問題であるとする意見など、様々な意見がある。現在生じている問題について状況を聞きたい。

(伊藤委員)
 今回の事象については皆様にご心配をおかけしたことをお詫びする。 夏の電気供給については、予備の火力発電所の立ち上げなどにより十分な予備力を確保し、供給に万全を期していきたい。今回の事象は、タービンが運転中に振動大で自動停止し、続いて原子炉も安全に停止したもの。当該タービンは56段あるが、事象は特定の段で起こっているのが特徴。今回のような事象は初めての経験ではなく、火力発電所でも羽が折れた例もあり、原子力特有ではない。
 原因については日立と協力して究明中であり今しばらく時間がかかるが、原因が明確になればきっちり説明し、再発防止、復旧を進めていく。
(齋藤委員)
 今回の事故については,電力会社をはじめ皆様にご心配とご迷惑をお掛けし,大変申し訳ない。一刻も早い事故原因の究明と対策に向けて,全力を挙げて努力しているところです。今回のタービンについては,開発・設計の段階から,モデル試験や流体の解析など,所定の技術的な検討を実施したにもかかわらず事故が生じてしまった。現在,原点に立ち返って,あらゆる観点から検討し,原因を究明するための試験や解析を進めているところです。早急に原因を究明し、再発を防止し,皆様に安心していただけるよう努力したい。

(4)その他

  • 望月資源エネルギー庁長官より挨拶。
  • 田中部会長より挨拶。
  • 事務局より今後の予定について連絡。

○今後については、施策の進捗状況を見ながら、アクションプランをフォローアップし、適宜部会を開催することとしたい。

○9月の総合資源エネルギー調査会電気事業分科会に「原子力立国計画」を報告する予定。

(文責 事務局)
 
 
最終更新日:2006年8月25日
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