経済産業省
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公害防止ガイドラインフォローアップ会合(第1回) 議事要旨

開会

古金谷補佐

定刻になりましたので、ただいまから公害防止ガイドラインフォローアップ会合を始めさせていただきたいと思います。

私、事務局を務めさせていただきます環境指導室の古金谷と申します。よろしくお願いいたします。

経済産業省あいさつ

古金谷補佐

では、まず開会に当たりまして、経済産業省の石田産業技術環境局長から一言御挨拶を申し上げたいと思います。

石田局長

ただいま御紹介いただきました経済産業省産業技術環境局長の石田でございます。今日は、夕方のお忙しい時間帯に、石谷座長始め委員の皆様方、それから関係の企業あるいは産業界の方々、御参集いただきましてありがとうございました。

最近、環境問題といいますと、まさに地球温暖化問題でありますとか、あるいはリサイクルといったところに世の中の関心が集中しているような感もございますけれども、いわゆる産業型の公害の分野につきましても、長い年月を経て、官民挙げて取り組みをしてきて、克服されたかに見えていたわけでございますけれども、昨今、残念ながら一部の事業者等において、データの改ざんの問題であるとか、基準値の超過の問題であるとか、こういったようなことが散見されるということに至ったのは、御案内のとおりでございます。

こうした状況にかんがみまして、私ども環境省と共同いたしまして、昨年度、検討会を開かせていただき、今年の3月に「公害防止に関する環境管理の在り方」に関する報告書を取りまとめまして、事業者が実効性のある公害防止に関する環境管理を実践するための行動指針として、「公害防止ガイドライン」というものを提示いたしたわけでございます。

この会合におきましては、この「公害防止ガイドライン」を踏まえまして、事業者あるいは産業界におかれてどういう取り組みを進めておられるのか、このあたりをきちっとフォローアップをさせていただくことで、自主的な産業分野における公害防止体制のさらなる促進というものを進めてまいりたいと考えております。

環境問題は、企業にとっても当然社会的な責任の問題でもございますし、扱いを誤りますと、まさに経営リスクにもつながるという問題でもございますので、まさにそういう問題として企業の経営幹部に大きな問題意識を持って取り組んでいただきたいと思っておる次第でございます。そういう方向で、私どももこのフォローアップ会合の先生方のいろいろな御指摘、御助言をいただきながら取り組んでまいりたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。

環境省あいさつ

古金谷補佐

では、引き続きまして、環境省の竹本水・大気環境局長から御挨拶いただきたいと思います。

竹本局長

ただいま御紹介いただきました環境省水・大気環境局長の竹本でございます。

本日は、石谷先生始め委員の先生方、また関係業界の代表の皆さん方、大変御多用のところ御参画をいただきまして、まことにありがとうございます。

先ほども石田局長からお話ございましたとおり、最近、一部の事業者におきまして、大変残念ながら不適切な事例が報告をされることになったところでございます。私ども環境省といたしましても、経済産業省と共同いたしまして、昨年度、検討会において御審議をいただきまして、その結果を取りまとめ、「公害防止ガイドライン」を作成いたしまして、現在、周知徹底を図ってきておるところでございます。

また、加えて環境省におきましては、不適正事案の報告された業界などに対しまして、その再発防止に向けた対応に対する要請を行い、また本年の8月からは、効果的な公害防止促進方策検討会を開催いたしまして、公害関連法令を遵守するための方策のあり方などにつきまして御審議をいただいておるところでございます。

先日は、地方公共団体の担当者会議などを開催いたしまして、関係法令の指導の徹底などについて周知を図ってきたところでございまして、今後とも環境省といたしまして、公害防止法令を所管する立場から、地域の公害防止が適切に図られるよう取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。

本日開催のこの会合におきましては、「公害防止ガイドライン」を踏まえた事業者及び産業界の公害防止管理に関する取り組み状況をフォローアップしていくということでございまして、本日御参画の先生方には、よろしく御審議、また御指導いただきますようお願いを申し上げまして、私の御挨拶とさせていただきます。よろしくお願いいたします。

委員の紹介

古金谷補佐

次に、本日御出席の委員の皆様を御紹介させていただきます。席順で御紹介したいと思います。

まず、指宿委員、岩間委員、続きまして小林委員、崎田委員、辰巳委員、新美委員、山口委員、山本委員でございます。なお、本日、郷原様、椿様が所用により御欠席でございます。本会合の座長につきましては、石谷先生にお願いしたいと思っております。石谷先生は、以前、「公害防止ガイドライン」を作成しましたときにも座長をしていただきましたので、引き続きということで、よろしくお願いしたいと思います。先生、どうぞよろしくお願いします。

また、本会合には、オブザーバーといたしまして、鉄鋼、化学、製紙、セメント、電力、石油の業界からオブザーバーとして御参加いただいております。名前は、本日は省略させていただきますが、後ほど、日本製紙連合会の二瓶様、王子製紙の近藤常務からは、最近の取り組みにつきまして御紹介をいただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

それでは、これより先、議事の進行を石谷座長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

委員長あいさつ

石谷座長

ただいま御紹介いただきました石谷でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

一部といいますか、かなりの委員の方々は、この前の「公害防止ガイドライン」の策定に引き続きまた委員をお願いいたしますけれども、新たにお加わりいただいた先生もおられますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。

一言ごあいさつ申し上げたいと思いますが、事務局にプリントをつくっていただきましたが、非常によくできています。今、両局長からいろいろと背景を簡単に御説明いただきましたが、戦後の産業公害に対して我が国はいち早く克服してきました。ただ、先ほどからお話があったように、排出基準超過やデータ改ざんなどの不適正事案が、残念ながらかなり頻発してきました。こうした事案は、この前の議論でも十分審議させていただきましたが、直ちに周辺環境の悪化や周辺住民の健康被害につながるというものではありませんが、企業に対するCSRに関わる話であって、社会の目が厳しくなっている中で、これを見過ごすわけにはいかないということかと思います。それ以上にこういった傾向は、環境改善のための諸活動の基本精神に反する行為であるということで、モラル低下が懸念されます。結果として重大不祥事にもつながるおそれもあり、やはりここは基本精神に立ち戻って、効率的かつ効果的な環境維持といった枠組みを確立すべきではないかと思います。こういった問題意識の中で、昨年度の検討会で「公害防止ガイドライン」を策定してきたわけでございます。

ただ、ガイドラインは策定するだけでは無意味であって、企業の中で実際に活用され、公害防止対策の強化・改善につながっていくことが重要です。事実、昨年度の検討会の報告書の最後にも、「公害防止ガイドライン」をフォローアップしていくべきであるということも既に書き込まれているわけでございます。そういった「公害防止ガイドライン」が有効活用されて、事業主の自主的取り組みを促進するために、本会合においてフォローアップのやり方を確立する、同時に公害防止に関する産業界の取り組み状況を把握し、また委員の先生方から有益な御助言をいただき、こうした情報を産業界にフィードバックしていきたいというのが本委員会の目的かと思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

議事

石谷座長

それでは、早速議事に入らせていただきます。まず事務局から、配付資料の確認をお願いいたします。

古金谷補佐

本日の配付資料は、資料1から5までと、参考資料といたしまして1から4がございます。御確認をお願いします。もし過不足等ございましたら、おっしゃっていただければと思います。よろしゅうございますか。

議事の公開について

石谷座長

それでは、まず資料2の議事の公開について確認させていただきたいと思います。事務局から説明をお願いいたします。

古金谷補佐

議事の公開につきましては、資料2を御覧いただきたいと思います。

本会合につきましては、議事録、配付資料は公開するということを原則としたいと思います。

傍聴につきましても、会合の運営に特段の支障を来さない範囲におきまして、原則として傍聴を認めるということにしたいと思います。

ただし、個別の事情に応じまして、会合あるいは資料を非公開とする場合も想定されますので、その辺の御判断は座長に一任させていただきたいと考えております。

石谷座長

議事の公開について、ただ今の御説明のとおりに運営させていただいてよろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

どうもありがとうございます。

公害防止ガイドラインフォローアップ会合の開催について

石谷座長

それでは、引き続きまして資料3の「公害防止ガイドラインフォローアップ会合の開催について」、事務局から説明をお願いいたします。

中村室長

環境指導室長の中村でございます。資料3の「公害防止ガイドラインフォローアップ会合の開催について」御説明を申し上げたいと思います。

1.の趣旨・目的でございますが、先ほど石谷座長がおっしゃったとおり、昨年18年の6月から19年の3月にかけて、経済産業省と環境省の局長の私的検討会として「環境管理における公害防止体制の整備の在り方に関する検討会」というものを開催いたしまして、ガイドラインを取りまとめたところです。このガイドラインをつくった理由は、平成17年、18年に公害防止に関する不適正な事例が幾つか出てきましたので、それに対応するところにあります。

具体的には、参考1に「公害防止ガイドライン」の概要があるので、簡単にエッセンスだけ御説明いたします。参考1のパワーポイントを御覧いただきたいと思います。まず、7ページをおめくりいただきますと、問題の背景としてどういうところが問題であるかということが記載してあります。環境管理に対する認識の問題というものと、体制とか仕組み上の問題、2つの問題が不適正事案の発生の要因ということで認識されています。

それに対して、どのような対応をすべきかが重要です。10ページを御覧ください。全社的環境コンプライアンスの実践と書いてありますが、これは、経営者から従業員に至るまで公害防止に関する環境管理の重要性を再認識した上で、実効性のある体制を整備して取り組むことによって問題を未然に防止し、あるいは早期に発見して是正していく活動を実践していくことが必要であるとされております。

11ページには各主体のあるべき役割が書いてあります。公害防止対策は、工場、事業所が中心となって対応すべきであるのですが、経営者が環境管理の全体方針を示すとともに、工場とか本社がそれぞれの役割に応じた活動を行うことに加え、地方自治体や地域住民等とのコミュニケーションを取ることによって信頼関係を醸成することが必要であると考えています。

それに対して具体的には、12ページにありますように公害防止管理者制度、これは環境省と経産省の共管の法律に基づく制度ですが、そういう役割を再認識するということが必要であります。あとは13ページにあるように、環境管理においてPDCAサイクルを実践するということが重要であるということで取りまとめています。

それ以下は具体的な方策なので割愛させていただきます。資料3にまたお戻りいただきます。いずれにしても、こういう形で「公害防止ガイドライン」を策定したわけですが、先ほど石谷座長がおっしゃったとおり、ガイドラインをつくっただけで終わりではなくて、このガイドラインに沿ってPDCAサイクルを回して確認していくということが今後重要であると思っております。このガイドラインの最後のほうに、ガイドラインのフォローアップを行うことを明記されておりますので、以上を踏まえて、今回、公害防止ガイドラインのフォローアップ会合を開催するに至ったということです。メンバーは、冒頭に御紹介をさせていただきましたとおり、資料3の別紙に書いてあります。

具体的な取り組み事項としましては、産業界における公害防止に関する取り組み状況の把握、産業界における公害防止に関する取り組み事例の紹介や収集を中心に行っていきたいと思っています。

スケジュールといたしましては、原則年に1回ということを考えておりますけれども、今回はその初年度であるということと、あと、3月にガイドラインを取りまとめた以降に、残念ながら公害防止に関する不適正な事例が発生したということもありまして、本日に開催させていただいたということです。

私どもの取り組みとして1つ御紹介をさせていただきたいと思います。参考2の「公害防止ガイドラインの普及啓発について」を御覧ください。「公害防止ガイドライン」を策定する際にも委員の方から、企業とか業界に対してできるだけガイドラインに関して知っていただくということが重要だという御指摘をいただきました。私どもとしては、シンポジウムを開催して御紹介をしたり、あるいは業界に向けて説明会を開催したり、地方自治体や企業の方から紹介をしてほしいということがありましたら、率先して紹介させていただくという形で、普及啓発に努めてきました。今後も普及啓発に関しては、こういうさまざまな場、さまざまチャネルを使って紹介をさせていただきたいと思っております。以上です。

石谷座長

どうもありがとうございました。

ただいまの御説明について、御質問等ございましたら御発言をお願いいたしますが、いかがでございましょうか。

今御説明いただいたこの資料の参考1、これは非常によくまとまっておりまして、今はしょって説明いただいたわけですけど、もし何かおわかりにくい点がありましたら、新しい委員の方々、それを御覧いただければと思っております。

それでは、特に御質問がないようですので、議事次第に従いまして、次の議題に移りたいと思います。

産業界における公害防止に関する最近の取組について
日本製紙連合会

石谷座長

本会合では、「公害防止に関する最近の取組について」、業界の方々から御説明をお願いしようと思っておりますが、本日は、製紙業界からの御説明を予定しております。

まず、日本製紙連合会の二瓶常務理事から説明をお願いいたします。どうぞよろしくお願いいたします。

二瓶氏

日本製紙連合会常務理事の二瓶です。

製紙業界の取り組みにつきまして御紹介する前に、このたび、製紙業界でああいう不祥事が起きてしまったことは、私、製紙会社のOBとしてまことに残念な気持ちでおります。実は私、6月下旬からしばらく入院しておりまして、入院している間にこの問題が起こって、ベッドの中でとんでもないことをやっているなということで、はらはらしながら寝ておったのですが、そういうことはともかくとしまして、お手元の資料に沿いまして説明申し上げます。ちょっと喉の調子が悪いのでお聞き苦しいところがあろうかと思いますが、御容赦願いたいと思います。

日本製紙連合会は、昭和47年に成立しております。会員企業は、10月1日現在で正会員38社、団体会員が6団体で、加盟会社の全国における紙・板紙の生産のカバー率は89%となっています。2002年の7月以降、国際的な取り組みとして、持続可能な製紙産業あるいは森林産業を目指そうということで、ICFPAという団体を設立しております。

製紙工場の分布でございますが、左側の絵の赤い点で示してございまして、ほぼ全国に分布しております。近畿地方の和歌山、奈良、京都、香川、福岡、長崎、群馬県、このあたりに10万トン以上の工場はございませんけれども、ほとんどの都道府県に分布しておりまして、ある意味で地場のバイオマスを利用しやすいところに全国的に展開しているということでございますが、残念ながら、今、国産のバイオマスは競争力がないということで、輸入に頼っているというのが実情でございます。それから、首都圏に近いところにも結構製紙工場がございまして、古紙をベースにした紙の生産活動をやっております。

製造業に占めます紙パルプ産業の位置づけでございますが、下から2番目、全体の2.5%強のウエートになっております。

世界に目を向けますと、日本の製紙産業の位置づけでございますが、アメリカ、中国に次いで3番目の生産量になっておりまして、年間3,000万トン。2000年以降、ほとんど横ばいで推移しております。このところ、中国の伸びが活発でございまして、恐らく今年度は7,000万トンに近い数字、日本の倍以上で、近々、恐らく2~3年先には、アメリカと中国が生産量で並ぶだろうというふうに推定されております。

上の右側、国民1人当たりの紙の消費量ですが、日本は240キロ台。95年から3%の伸びがありますが、アメリカあたりは減少しておるようです。

それから、下側にグラフが2つございますが、左側が化石エネルギーの原単位とCOの原単位の90年以降の推移でございまして、御覧のようにここ数年、努力の結果、急激に削減できているということで、温暖化については優等生ではないかというふうに自負はしております。

右側がその内容でございまして、急激に立ち上がっていますのが再生可能エネルギーと廃棄物エネルギーでございます。廃棄物エネルギーにつきましては、90年から19倍。ただし、これは全体の中の6%程度にしかすぎません。再生可能エネルギーは7%程度増加しておりまして、全体の中で39%。合計しますと、製紙業界のエネルギー消費の中の44.4%が再生可能エネルギーと廃棄物エネルギーのシェアになっております。この間、急激に減らしましたのが化石エネルギーでございまして、重油は90年には34%を占めていたのですが、それが17.8%になっているということでございます。このあたりが、今回の問題の背景にあろうかと思います。

それから、製紙連合会の活動組織でございますが、御覧のようになっておりまして、今回の問題、ばい煙ですとか水あるいはダイオキシン問題、業界の中でこういったものの情報交換をやっています委員会が環境保全委員会という組織でございまして、その他に技術委員会、エネルギー委員会。このエネルギー委員会が、温暖化対策の取りまとめをやっている委員会でございます。あと廃棄物委員会と、委員会が4つございます。部会は、実は副会長会社の理事、各社の社長さんが部会長をやっておりまして、環境保全委員会の委員長は、実は今日お見えになっていますが、王子製紙の近藤さんでございます。

日本製紙連合会の「環境に関する自主行動計画」は、御覧のように右の上に細かい数字で書いてございますが、97年の1月に制定しまして、その後、たび重なる改定を行いまして、直近の改定がこの9月20日。これが地球温暖化の2度目の目標改定でございます。基本方針は、温暖化対策の積極的な取り組み。2番目が、持続的経営というか循環型社会の構築。3番目に、環境マネジメントシステムのさらなる構築ということで、こういう基本方針、立派な方針のもとに活動してきたつもりでございました。

この中で私どもが掲げています定量目標は5つございまして、上の2つが温暖化の問題、3番目が古紙の利用率です。2010年度までに62%以上使おうと。4番目が産廃の処分量、これも有姿で45万以下に2010年までにしましょうと。5番目が植林面積で、これも2度の改定で、現在70万ヘクタールを目標にしております。

上の定量目標にない主な活動といたしまして、下に4つございまして、まず90年からやってきました排水AOXの自主管理。これは当時ダイオキシンが問題になったときに、AOXという有機ハロゲン化合物、それの量を減らしましょうという活動をやってきていて、酸素漂白ですとかECF、こういった設備の導入を各社競って行ってきたところでございます。

2番目ですが有害大気。特徴的なのは、余り他産業では見られないと思うのですが、非意図的な排出の物質、クロロホルムとベンゼン、設備改造をやりながらこれを減らしてきたという活動でございます。

3番目、VOCです。これも業界全体で年間100トン以上排出している5物質について、75%削減しましょうという活動を現在行っているところです。

それから直近では、食の安全に対するバックアップということで、紙・板紙の原紙の自主基準、こういうつくり方をすれば安全ですよという自主基準の制定を今年行いました。加えて、みずから紙を製造するときに使っている薬品についての安全管理システムを構築しまして、今、運営を始めたばかりでございます。

歴史的に眺めてみますと、御覧のように92年のリオサミット以降、いろんな活動を業界として取り組んできまして、特に2番目、ISO14001については、現在、96%の事業所が取得しております。

それから環境報告書、下から3番目、98年以降活発に発行が始まったのですが、現在16社発行しておりまして、グループを含めて言いますと、30社近いデータが公表されているかと思います。2003年以降は、社会的責任(CSR)対応の活動が始まった。要は、御覧のように、かなり先進的な取り組みをしてきたつもりでございます。

今回のばい煙問題、いよいよこれから本題でございますが、これまでの経過について簡単に紹介しますと、まず7月2日に日本製紙の釧路工場が、同じく4日に旭川工場が法令違反の事実を公表した。ここから始まったわけです。これは、ある意味で今回のガイドラインの発表以降の成果というふうに我々は見てもいいのかなと、ちょっとこれは言い過ぎかもしれませんが。要は、今、公害問題に対して社会的責任があるのだよという活動が始まったので、みずからやらなきゃいけないという意思表示といいますか、そういうことだったのかなと。私はそういうふうに読んだのですが、同じく7月3日に王子グループも緊急調査を開始いたしまして、後ほど御紹介があろうかと思います。

こういった問題に対しまして、7月18日に経済産業省から文書による法令遵守強化要請を受けまして、23日に開催しました日本製紙連合会の理事会、これは各社の社長さんが集まる月1回の会合でございますが、そこで総点検・周知・法令遵守強化を会員各社が誠実かつ着実に実行するという申し合わせを行っております。24日に環境省大気環境課から、やはり同様の要請がございました。

それを受けまして27日、環境保全委員会におきまして環境指導室長より、「公害防止に関する環境管理の在り方」に関する報告書、お手元にある資料に基づきまして御説明いただきました。このときは、実は環境保全委員会の委員以外の会社にも声をかけまして、集まっていただき徹底を図っております。

現在取り組んでおりますのは、9月以降の環境保全委員会で各社の調査結果並びに再発防止対策について紹介をしていただきまして、情報共有化を図って、各社の管理体制のレベルアップを図っているという状況でございます。

一番下は、環境省から発表されました内容でございます。

今回のばい煙問題の背景としまして、各社の報告書をベースに、一部私見が入っておるのですが、私なりに考えていること、あるいは各社の報告書を整理したのがこの表でございます。

まず、一番上ですが、近年の設備の大型化に伴いまして、ボイラー発電設備あるいは生産設備がかなり大型になっております。当然起動・停止のときに大きな負荷変動がある。実は公害防止法の大防法が始まった時代のボイラーあるいは設備の能力の10倍ぐらいの大きさの設備になっていまして、どこかの設備が止まったりしますと、瞬時に数十トンの蒸気負荷が下がるとか、数千キロワットあるいは10メガワットぐらいの電力負荷が下がるという事態が起きます。こういう負荷変動の増大というのは大きな要因になっているのではないかと思っております。

それから、先ほど来温暖化対策で申し上げていますが、廃プラ、廃タイヤなどの廃棄物燃料。廃タイヤは当然スチールが入っていまして、これがいたずらをしてボイラーが止まるとかのトラブルが結構発生しているようです。

それからペーパースラッジというのは、私どもの生産工程から出てくる古紙処理工程の廃棄物ですが、これを脱水しまして燃料の一部で使っておるわけですが、これも設備の状態によって水分変動が結構大きい、燃料変動が大きい。

それから、主燃料の一つであります黒液、これもかなり最近高濃度になってきているのですが、濃縮装置の不調ですとか、あるいはパルプの生産が変動したりすると、量、濃度、こういったものが結構ばらついているのではないか。当然そういったものは、技術的な対応をしながら、問題を起こさないようにマニュアルあるいは設備対応しているわけですが、どうしても100%カバーしきれないで何らかの欠陥があったのではないかというのが設備対応の遅れということでございます。

それと、古いタイプのボイラーを休めている場合があるのですが、高負荷になったときに、それをリリーフで運転する場合があります。そういったときにやはり問題が起きやすい。技術的には、以上のようなことが考えられるかと思います。

人的側面では、昭和40年代以降かなり皆さん努力してきて、公害を出さないよう環境基準、排出基準を守りながらやってきているのですが、それが引き継ぎ、引き継ぎでだんだん風化してきて、公害問題は過去の問題だというイメージが定着しつつあったのかということがございます。

それから、先ほどからいろいろ申し上げてきましたCSRですとかISO14000ですかと、こういった形づくりがどちらかというと先行してきた。それに対する従業員の慣れというか、教育というか、これが十分に徹底してなかったのではないか、そういうふうに感じております。

それから、これはやはり大きなきっかけになったのではないかというふうに思うのですが、基準値超過に関する法令・通達の理解が足らない、あるいは誤解をしている、あるいは解釈が違っている。そこに青で書いている部分ですが、昭和46年8月25日の局長通達に、短時間生ずる高濃度の排出は測定の範囲から除外するという文が載っております。ただし、このようなことが予定される場合には、届け出事項の参考資料として都道府県知事または市長に届け出させる、この辺をどう解釈して操業していたか。この辺は行政と工場、事業所との連絡がどうだったか。徹底が十分できていなかったのではないか、あるいは相互理解が足らなかったのではないか、この辺も問題の一つであろうと思っております。

具体的に再発防止はどういうことをやろうとしているか、やっているかということですが、詳しくは後ほど具体例を王子製紙さんから発表していただけると思いますが、幾つかございまして、やはりガイドラインの制定と運転管理手順書の改定、基準超過時の緊急停止判断基準の制定と権限委譲。要は、工場長でなければ止めないというのではなくて、現場のオペレーターが止められるようにした。

それから、環境データ監視システム・警報の改善、非定常運転時の作業負荷の軽減。要は、人的に配置をしていこうということでございます。

それから設備の対応、回収ボイラーへの尿素水噴霧装置ですとかスラッジボイラーの燃料供給安定化工事、こういったことをやっておられるようです。

それから、データ管理とチェック体制の改善、自治体との密接なコミュニケーション、さらに地域住民とのコミュニケーションの充実、こういったことに取り組まれているようです。

本社管理といたしましては環境監査体制。大体1泊2日ぐらいでやっている例が多かったのですが、これを4日間ぐらいかけようというような会社も出てきており、外部コンサルタントを活用しているものもあるようです。さらには会社によっては、基準値をオーバーしたときに、本社と地方自治体へ自動的に通報するというシステムを整備した会社もあり、教育の徹底を図っているところもあります。

最後になりましたが、紙業生活文化用品課が私ども日本製紙連合会を通じまして会員各社他にアンケート調査を行っておりまして、それの集約がこれでございます。回答率は、85%で、総点検の範囲ですけれども、大気は必ずやっているのですけれども、大気と水質両方やった会社が24社、その他項目含めて全点検やりましたという会社が11社ございました。不適切事例なしというのが18社でございまして、半分強にしかなっていない。やはり基準値の超過ですとかデータの改ざん、こういったことが起きていたということでございます。

それから強化措置といたしまして、御覧のように教育がやはり一番多くなっておりまして、その次に手順書改定、管理体制の強化、こういったものが出ております。その他具体的再発防止対策というのは、先ほど紹介いたしました。

行政への要望といたしまして、コミュニケーションの充実を挙げている会社が16社、公的機関による手順書、ガイドラインを発行していただきたいというのが22社、法の趣旨を斟酌した瞬間値から平均値管理へ変更してくれないかという会社が18社という内容になっておりました。以上が日本製紙連合会からの全体的な報告でございます。

石谷座長

どうもありがとうございました。

王子製紙株式会社

石谷座長

それでは、引き続きまして王子製紙の取締役常務執行役員の近藤様から御説明をお願いいたします。なお、御説明に関しての御質問等につきましては、この御説明の終わった後にあわせて伺いますので、よろしくお願いいたします。

近藤氏

王子製紙の近藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

今般、王子製紙では、製紙4社、全部で25工場ございますけれども、その中で9工場におきまして、過去3年間に大気汚染防止法に基づく基準値の超過、自治体との協定あるいは協議に基づく協議値への超過、またデータの改ざんが行われていたことが判明いたしました。さらに、こうした事態について自治体や関係機関にその都度すべき報告を怠っておりました。王子製紙グループでは、環境と文化への貢献を企業理念の一つとして環境管理体制を構築してまいりましたけれども、このたびの事態をまことに申しわけなく、グループの環境監査をしているものとして深く反省する次第でございます。地域の住民の皆さん始め、関係当局の皆様にも多大な御迷惑、心配をおかけしましたことを、心からまずお詫びしたいと思っております。

この経過について、8月に環境省に、10月に経済産業省に、詳細な原因の究明と再発防止対策を取りまとめて御報告いたしました。その内容と、その後の進捗状況について御説明いたします。詳細はパワーポイントで御説明しますけれども、主要原因ごとの対策を柱に立て直しを図りたいと考えています。1つは、環境管理体制の欠陥があったと考えます。その欠陥を明らかにして、環境管理体制の再構築に取り組みます。2つ目は、従業員の環境保全やコンプライアンス意識の欠如があったと考えています。教育の問題は、実は経営者そのものの責任でございまして、徹底的な再教育を図っていくつもりでございます。3番目に、生産現場のいかなる問題点も拾い上げることができる風通しのよい職場風土づくりに取り組むことが使命であるというふうに考えております。

一連の問題をグループ全体の最重要課題として真摯に受けとめて、社会的信頼の回復に必死で取り組んでまいりますので、今後ともどうぞよろしく御指導のほどをお願いいたします。それでは、パワーポイントに参ります。

原因と再発防止策に入る前に、「ばい煙排出基準値の超過及びデータの不正の概要」について御説明いたします。このばい煙排出基準値の超過というのは、全部で25工場あるうちの8工場で発生しております。もちろん根本的原因については、結局は操業員の法令・協定・協議値をきちっと守るという精神が希薄であったということが一番の原因だと思っています。現実には何が起こっていたかといいますと、まず異常値の対応手順、標準化の不備でございます。これは実は問題を起こした9工場ともに起こっておりますけれども、ボイラーの例えば負荷変動のときの空燃比の調整とか、あるいは排出基準値の警報が発令されたときにどのように対応するかとか、その辺が実は残念ながらきちんと標準化されていないで、個人の対応に委ねている面が結構ございました。

2番目が、排出基準値に対する警報の設定値の不適切、例えば210ppmが排出の基準値だとしますと、205ppmで一旦警報が出て、その後すぐ210ppmで出るというのでは実際には操業のアクションが極めて遅れるというような設定値になっている工場が、実は9工場ともございました。

もう1つは、これは先ほどから何回か出ていましたが、法規制に関する認識不足というのが9工場のうち2工場ございました。公害防止協定とかそういうものの排出量の考え方というのは、1日の平均値で管理されているところが多いということもあったのだろうと思いますが、法規制の考え方は1時間平均値で超過してはいけないということに対して、この2工場は24時間値という考え方で、全然オーバーしているというふうに考えていなかったということでございます。

もう1つは、ボイラー及び公害防止設備の制御の応答性が不適切。これが2工場ございまして、1つは、大きな負荷の変動ですとかに対して、ボイラーが追随していくわけですけれども、例えば負荷を上昇させていく、あるいは下げていく、この場合もやはり不完全燃焼とかばい塵、カーボンが出るのが嫌で、ある程度先にエアを入れていくようなシステムで組まれているのですが、その下降速度ないしは上昇速度が速くて、これはもっと遅くしてやれば直るというような問題であったのですが、そこがそのまま放置されて運転されていた。あるいは、脱硝設備がきちんとついていて、その設備が一応自動で制御される形になっていたけれども、ソフトが悪いということで、結局自分たちが手動で対応させて、余りうまくいっていないという事例でございます。

もう1つは、公害機器の測定範囲が排出基準値に対して不適切というもの。これは、例えば250ppmが規制値だとしますと、測定器の範囲の上限を250ppmで置いてあったり、例えば500ppmの排出基準値に対して、実際に使われているのが150ppmぐらいで使われているとしますと、200ppmが上限値になっているというような形で、200ppmを超えたり、あるいは先ほどの250ppmも超えたときに、上限に張りついたままで一体幾ら出ていたかわからないというような工場が2工場ございました。

あと、データの不正な扱いということですが、そこに書いてございますように、本当に環境規制値への遵法精神が足りなかったということと、もう1つは、現実にはデータを何人かの人で順番にチェックしていくわけですけれども、実際には、生データときちっと照合しているのは最初の人が見ているだけで、後の人は見ていないという大変不備がございました。以上が概要でございます。

では、王子製紙としてどう取り組むかですが、まず本社としては、経営トップはどう取り組むのか、工場長にはどう取り組ませるのか、要になっています本社にある環境経営部にはどう取り組ませるのか、工場の環境管理室にはどう取り組んでもらうのか、風通しのよい職場風土へ改善するにはどうすればいいのか、ということを本社の仕事として取り組むことにいたしました。

まず最初に、経営トップとしての取り組みですが、まず本件を踏まえたトップコミットメントを掲載した企業行動報告書を従業員に配布し、周知徹底するということで、これは既に従業員には配布されました。それから、工場によって若干違いますけれども、それをテキストにして、各課単位で課長が全従業員に周知することをやっております。

もう1つは、経営トップを初めとする経営層が、工場において環境保全とコンプライアンスについての訓話を行うということで、今、全25工場中11工場が終わったところでございます。

もう1つは、年末にきちっと全グループ各社に社長の講話放送をやることになっておりますので、まずトップ自ら、この問題についてきちっと発生原因と対策、法をきちんと守るということについて、再度徹底を図りたいと考えております。

それから、工場長としての取り組みですけれども、これは自分の工場の全従業員に対して、今回の問題の原因と対策について文書を作成して配布するとともに、やはり環境保全とコンプライアンスの重要性について周知するということで、これは文書というふうにしたのですけれども、かなりの工場では文書を配布するとともに、工場長自身が講話を行って、その文書についての周知というのは、先ほどと同じように、大体課単位で、課長がもう1度全従業員に周知徹底を図るというようなことをやっております。

もう1つは、定期的に工場のパトロールを工場長自らが行い、その都度適切な指示をする。これは我々のところで何回やりなさいというふうには指示を出しませんでしたから、今のところ上がってきている工場で、一番多いのは毎日やりますという工場もありますし、年に6回、環境のためのパトロールをやると、その範囲の間で各工場実施しております。

もう1つは、環境保全パトロール隊を結成して、定期的に工場のパトロールをするということで、これも各工場によって違いますけれども、月に1回から年6回までの範囲でやっております。これもやった結果を見てみますと、何について指摘したとか、そういうこともみんな議事録に残す形でやっております。

もう1つは、工場の公害防止主任管理者、公害防止管理者を定期的に招集し、環境管理の状況について報告させ、指示をする。実はこれが失敗していたのですけれども、各工場とも毎月、環境委員会というのを工場長主催で、各部長もみんな出席して環境状況について議論をしていたのですけれども、その場所にほとんどの工場が公害防止主任管理者と公害防止管理者を出していなかったという問題がございました。これについては、ほとんどの工場は、環境委員会という今開いている委員会に出てもらって、そこで議論をするという形に切りかえております。

それから、環境経営部の取り組みですけれども、これは一番の失敗は、やはり何年も前から始めた環境監査システム、やっているというふうに世間にも発表していたわけです、実際やっていたわけですけれども、結局何も見抜けなかったというところでございます。もう1回、まず時間から見直しを図りまして、これは特に私どもの紙を生産している大きな25工場については、今まで2年に1Man Day、1人8時間分ぐらいの負荷でやっていたのですけれども、これを4~6Man Day、例えば2人でいえば16~24時間というふうに強化をしてやることにいたしました。

もう1つは、環境監査チェックリストの充実ですけれども、従来監査項目は170項目でございましたのを、まずこの25工場については470項目、それよりも小さい段ボール工場とかそういうところについては170項目が200数十項目という形になっております。これは、例えば加えている中には、工場で投資をするときに、本社で審議をして設備投資をするものと、工場で審議をして設備投資をするものがあるのですけれども、例えば環境関係の投資で、今年工場の審査で落とされたものは何なのかとか、そういうことも含めてチェックをやることにしております。

もう1つは、先ほども出ておりましたけど、外部コンサルタントによる監査を検討しています。これは、とりあえずまず1社を選びまして、私どもの呉工場というところでやってみることにしております。

もう1つは、工場環境管理室としての取り組みですけれども、まさに工場の環境管理室がきちっとやらなくちゃいけないことをもう1回精査して、強化してもらおうということで、実際には10月1日、2日に、本社の環境経営部が所管する法令のリスト、一覧表、それから工場として遵守すべき環境等の法令のリストを、確認の意味も含めて各工場に送って、各工場にそこへ実際の数値を入れてもらい、地方自治体あるいは地方のいろいろな関係のところと結んでいるルールといいますか、それについての数値も加えていただいて、運用をし直してもらうということにしております。

それから、風通しのよい職場風土への改善ということですけれども、これは9月1日付で企業行動規範を改定して、それを各工場に配布して、それを各課単位でもう1回周知徹底をする。その規範書というのは、こういう小さなものなのですけれども、ここに自分できちっと、いつ何日に読みまして、私はこれを守るという形で署名をし、これを手帳にいつも挟んで行動するということにしております。

その次は、今回、各工場に共通する原因について分析したものです。

まず、管理上の問題ですけれども、これは本当に恥ずかしながら、環境規制に対する遵法精神がまさに欠如していたということが根本の原因になっているのだろうと思っています。それから、先ほども1時間値の話とかそういう話をしましたけれども、環境法令に関する知識が不足していた。3番目には、作業標準に不備があった。それから、コンプライアンス、法令知識、作業方法等の教育指導が不足していた。もう1つは、データのチェック体制。形上は何人かでチェックしていましたけれども、実際の生データをチェックするとかそういうことがきちんとやられていなかった。もう1つは、本社の環境監査が実に甘かったということでございます。

それから、設備上の問題として1つ、これは共通して起きている問題なのですけれども、今は大体パソコンの画面みたいなもので操業しているわけです。CRTの中にいろいろな情報が出てくるわけです。そこで、この環境関係の例えば基準値がオーバーしますと、警報が画面に出るわけです。そうすると確認ボタンを押してしまう。そうすると警報の音は止まってしまう、そこには表示されていますけれども。そうすると、音は止まってしまって画面だけに出ていますから、全体の人は何が鳴っていたのかよくわかってない。そのうちに違う警報が出ますと、そこに載っていたものが消えていく。警報リストというのはまた別にあるのですけれども、それをなかなか見ないという形。やはりこれではだめだということで、これは対策のところでもお話ししますけれども、警報が鳴ったら、常時つけて、基準値以下にならない限りは、音も消えなければライトの点灯も消えないというような形を考えております。

それから、コミュニケーションの問題ですけれども、これは自治体とのコミュニケーションが不足していたというふうに書いたのですが、これは本当にちょっとしたことでも全部相談に行っている工場もあれば、こういうふうに問題を起こした9工場で、ほとんどの問題で行っていないという工場もございまして、これについてはきちっと自治体とコミュニケーションをやるということで、またそのルートについてもきちっともう1回つくり直しをして始めているところです。

それから、地域住民とのコミュニケーション不足については、地域住民と大抵コミュニケーションの会をつくっているのですが、毎月アンケート一方的にもらっているだけ。そして、年に1回か2回懇談をして、それはどちらかというと懇親会のようなやり方をしているだけなものですから、きちっと2カ月に1回とか3カ月に1回、定期的にやる、あるいは問題が起きた場合についてはきちっと説明をする、あるいは新しい公害対策設備をつけるときには、またそれを説明するというようなことをきちっとやっていくというようにに変えていきたいと考えておりますし、そういうふうに工場が対応を始めております。

それから、これは9工場の共通の話だったのですが、結局は25工場全体にやらなきゃいけない問題だろうということで、25工場全体に水平展開をしております。まず、管理上の問題ですけれども、管理上の問題については、まず教育関係。これは環境保全とコンプライアンスに関する教育を毎年実施して、この実施結果については、ISOというかEMSというか、それに従って適正に管理をしていこうということでございます。

もう1つは、データ点検体制の整備ということで、これも先ほど申した問題ですけれども、複数の人によるチェックとそのチェックの仕方というか、それについてデータの確認手順をEMSに定めてやっていきたいというふうに考えております。

それから公害防止管理体制の強化。1番目は公害防止管理者ですけれども、これはまさに公害防止組織整備法の趣旨に則って、きちんと公害防止管理者としての仕事をやってもらって、適切に行動してもらうということです。

もう1つは、現場担当者は設備や運転に異常を発見した場合、速やかに上位管理者、環境管理室あるいは公害防止管理者に連絡をするということ。

3番目、これをきちんと決めているわけですけれども、設備の運転を継続すると規制遵守に問題が生ずる場合については、当該設備を停止するというふうに各工場とも決めました。例えばルールとして、10分間継続して直らない場合は、まず工程の負荷を下げさせて、ボイラーの負荷を下げさせる、その後、1時間値を超えるようであれば、動力の操業長の権限で停止をするということでございます。

それから、排出基準値を遵守すべき職場については、運転者の見やすいところに排出基準値を掲げております。ちょっと申し上げますけれども、今取り組んでいるのは大防法ばかりではなくて水濁法についても、いろんな法律について今取り組んでいるということでございます。

それから、職場風土の改善活動の一環として、環境にかかわるリスクの発掘を推進し、工場長が開催する工場の環境委員会で議論をフォローするシステムをEMSの中に定めて、またボトムアップの力としてそういうものも上げてもらうこともやっていきたいと考えております。

それから設備の対応ですけれども、先ほど言いましたように、1つは、警報が発報したときに、きちんと警告灯を出して、それを常時、改善されない限りは発信させておくという形をとっていくことを決め、ほとんどの工場が工事も終わっております。

それから、先ほどと同じですけれども、要するに守れない場合については設備を停止してしまうということを決めています。

それから、運転方法の見直しと標準化ということについては、先ほどお話ししましたように、例えばどういう速度で上げていきなさいとか、あるいは燃料と空気の比率をこういうふうにやりなさいとかをきちんと標準化して、標準化したもので書き直されて今使用されているということでございます。

3番目については、きちんとコミュニケーションをとっていきたいと考えています。

それから、ちょっと後からお配りしたのですけれども、毎月、毎月どこまで進んだか、どこまでいっているかというようなことについて、本社側ではこういう書類をつくってチェックをして、また工場側は毎月、毎月どこまでやったか、何をやったか、工場長が例えばパトロールしたときには、工場長は何を指示したかとか、そういうことも含めて月1のペースで報告を上げてくるということでございます。

それから、ここにDCS、警告灯の設置などで、例えば苫小牧工場ですとか春日井工場ですとかで年内運用開始予定と書いてございますけれども、まずは大防法関係のものについてはつくりましたけれども、その後、例えば水濁法についてつくろうとか、あるいは、パルプ工程の例えば排水のPHを、PHもCRTには出るのですけれども、やはりそういうものが一つのトラブルを予見していますので、そういうものも同じようにつくろうとか、そういうふうに範囲を広げているものですから、そういうものを含めて完了するのが年内という工場もございます。以上でございます。

石谷座長

どうもありがとうございました。

質疑応答

石谷座長

それでは、ただいまの2件の御説明に関して、御質問等ございましたら伺いたいと思います。いかがでございましょうか。

それでは、小林委員どうぞ。

小林委員

小林でございます。御説明いただいた内容、ちょっと資料をめくりながらになるので、ばらばらになる点をお許しいただきたいと思います。

まず、連合会のほうの資料でございますが、これを見させていただいて気づいた点だけです。資料の9ページのところで、問題の経緯と対応という部分があるのですが、ここでちょっと気になったのは、「公害防止に関する環境管理の在り方」の報告書、いわゆる今フォローアップされているこの報告書では、3月15日に出されて、直ぐにこれについて周知をし、フォローアップをしていくとなっていたと思うのですが、現実に3月15日に出された以降、経済産業省なり環境省としては、この製紙連合会等々の業界に対して、いつ、どういうふうな形で周知されたのか。それから製紙連合会としては、各社に対して、いつこれを周知されたのか。ここで資料の上だけで見ると、7月27日に周知して説明したというふうに書いてあるので、それまでしなかったのかというのが1点。

2つ目は、その後ろ、10ページになるのですが、技術的な側面というのがあって、人的側面、管理上の問題点というのが書いてあるのですが、技術的な側面のところを見せていただいた限り、大変申しわけないのですが、これは昔からある問題点で、別に今新しく出てきた問題点ではないと思うのです。そういう意味で、いわゆる技術進歩が進む中、以前からの問題点、最近新たに出てきた問題点、それから、こういう問題点はいつからあったのかというような点は、少し整理をして御説明をいただいたほうがいいのではないか。

それから、一番下、管理上の問題点と書いてあるのですが、これは今回の基準超過、またデータ改ざんの問題とはちょっと視点の違う問題で、ここにこういうことを書いて、これが問題だと言うのはちょっとどうかなという気がいたします。

あと、最後の12ページのところで、不適正事例の状況ということで、基準超過13社、データ改善5社と書いてあるのですが、これについて、わかればで結構ですけど、ぜひ調べていただきたいのは、この基準超過が見つかった、またはデータ改ざんがやられたというのは、どこの会社のどの工場で、どういうレベルでこれがやられたのか、また、それがどこまで上がっていたのか。つまり、それは個人の問題なのか、組織の問題なのか、会社全体の問題なのかというのが一番問題になるのですよね。その辺について整理をしていかないと、今後の対策というのは少し違ってくるのではないかということがちょっと気になりました。

それから、王子製紙さんのほうの資料なのですが、これで私が気になったのは、3ページ以降のところにずっと書いてあるのですが、正直申し上げて、ここに書いてあることはほとんど全部、ISO14000でチェックし、やらなければならない事項に書いてある項目ばかりなのですよね。既に14000を取得していたとしたら、じゃ今まで取得したことに対して、やられていたのでしょうかということ。つまり、形式的に流されていたというふうに理解していいのかというのがあります。

それから、1-2)の「工場長としての取り組み」の一番下、これは私、いつも気になるのですが、公害防止主任管理者、公害防止管理者の部分なのですが、結構各工場とも公害防止管理者に対する扱いが軽視されているのが大変多いのですね。ひどいところへ行きますと、管理者の方と話をしていると、「私は会社の中で嫌われ者です」とはっきり言われる方もおられるのですね。そういう意味で、こういう公害防止管理者というものの扱い、位置づけというのを明確にされたほうがいいのではないか、その辺ぜひお願いをしたい。

もう1点は、これは行政側になるのですが、問題が起こった場合、行政側からその管理者個人に対して、役職者に対して責任をとってもらうとか、何らかのチェックをするという方法でやらないと、やっぱり公害防止管理者というのは上司の意のままになってしまうという問題がありますので、この辺、これからの反省点としてぜひお願いをしたい。

その次のページ、1-3)のところで、「外部コンサルタント導入の検討」というのが書いてあるのですが、ここのところでぜひ御注意いただきたいのは、今申し上げたように14000を取得している限り、その14000を取得するときに、外部コンサルの指導を受けているはずですよね。そこでチェックがかかってないわけですから、逆に言うと、外部コンサルを入れたからといって改善されるとはちょっと思えないという意味で、ぜひ外部コンサルを入れる場合は、それなりのきちっと知識のある方を入れていただかないと。14000関係のコンサルの方って、書類上のチェックはよくされるのですが、現場はほとんど知らない方が多いのですよね。ぜひその辺だけは御注意いただいてやっていただきたいというのをお願いしたいと思います。以上です。

石谷座長

どうもありがとうございました。

お答えはまとめて最後にいただきますので、引き続きまして、順序は異なるかもしれませんが、崎田委員、辰巳委員、新美委員の順にお願いいたします。どうぞ崎田委員。

崎田委員

それでは、意見と質問を言わせていただきたいと思います。

最近、地球環境問題がこれだけ大変になってきている中、本当に企業の皆さんは環境対策というのに一生懸命取り組んでいらっしゃると思うのですが、だからこそ社会は、消費者は、今熱心な取り組みを応援して評価していこうと、そういういろいろな制度を整えようとしているわけです。ですから、その基盤としてのこういう普段の運営に関する環境配慮というのは、徹底していくということがベースにあるという形でそういう制度を考えておりますので、環境基準の超過とかデータ改ざんとかこういうことが起きないように、基本として、本当に心を込めて見直しをかけていただきたいと思っております。

質問なのですけれども、連合会の二瓶さんに質問させていただきたいのですが、後半に、今回の問題とその対応策に関して、各社にアンケートをとって丁寧にお示しいただいておりますが、業界として今後これをどういうふうにまとめ、あるいは各社の対策をどういうふうに進めていくか、その辺の業界としての今後の方針などをお話しいただければありがたいというふうに思っております。

もう1点、王子製紙の近藤さんに質問させていただきたいのですけれども、危機意識が足りなかったというふうに感じますので、熱心にやっていただきたいと思いますが、最終的にこの見直しをかけていることに関して、今後どのように情報公開し信頼性を高めていくかというあたりに関してほとんど言及がなかったように思いますので、教えていただければと思います。自治体や地域とのコミュニケーションの改善というところでとどまっておりますので、こういう見直しを今後どういうふうにちゃんと把握し、情報公開して社会の信頼を回復していくかというあたりに関してお話しいただければありがたいと思っております。よろしくお願いします。

石谷座長

どうもありがとうございました。

それでは、辰巳委員。

辰巳委員

まず、製紙連合会としての話なのですけれども、王子製紙さんも共通かもしれないのですけれども、基本的にどこにどういう目標を持ってという、そういうのがちょっと見えないなと思ったのが1つ。

それから王子製紙さんのほうは、私もまさに、すべてISOの話だなと思いながら聞いておりまして、それを伺おうと思っていました。ISOの審査機関があるはずなのに、その後、そことの関係がどうなっているのかなというのをもう少し伺いたいなと思ったことと、あと、公害防止管理者という人がいらして、その人たちの役割というものがあるはずで、それが果たせなかったから、今後現場にという話は何かとっても私には不思議でして、いらしたら当然働いてないといけないし、じゃそういう資格を持っている人は、資格剥奪とかそんなこともあり得るのではないかとか、そんなふうなことまで考えてしまいました。

だから、そういうことも含めて、今後いついつまでにどういうふうなことをしようと思って、それでこういう方針を立てたというふうなところは、もう少し私も聞きたいなと思っております。

石谷座長

どうもありがとうございました。

それでは、新美委員。

新美委員

私は、連合会のほうに2つ質問がございます。

いただいた資料4-(1)の一番最後のアンケート結果についての質問ですが、その1つは、行政への要望ということで、公的機関による手順書・ガイドラインを発行してほしいということなのですが、これは自主行動を旨とする業界のスタンスとどういう関係に立つのかということであります。こういうものを行政がつくるとなると、これは自主行動なんか認めなくて、規制しちゃえという話もあり得るわけですので、どういう位置づけでこういう要望を出されるのかということ。

第2点は、その下なのですけれども、瞬間値から平均値管理というのはちょっと趣旨がよくわかりませんが、1時間値から1日平均値へ変えてほしいという要望であるとするならば、なぜ1時間値の規制ができたのか、そのそもそもの由来をどう理解しているのかということをお伺いしたい、この2点でございます。

石谷座長

どうもありがとうございました。

それでは、指宿委員どうぞ。

指宿委員

1つは、製紙業界の団体のほうからあったお話で、技術面のところで非常に興味深いというか、使っている燃料が非常に多様化しているなというのが大きな印象で、小林さんのほうでちょっと御意見があったかなと思うのですが、昔に比べると、タイヤを含めた固形の燃料ですとか、従来は重油でほとんど動かしていたものにいろいろなものが入ってくる。これは地球温暖化とかそういうところに役に立つというメリットがあるわけですが、一方でこういうボイラー等で、今、王子製紙さんの細かいところを見せていただいたのですけれども、主な対策がやはり燃焼技術の対応なのですね。大きな装置には脱硝装置があるのですけれども、燃焼技術で対応しようとすると、こういうふうに燃料がいろいろ変わると技術的な厳しい状況になっている。瞬間的に、あるいは10分とか20分とか、そういう時間単位で窒素酸化物の量が基準値を超えるというのは非常にあり得るだろうなと思ったことが印象です。

さて、それにどうやって対応するかというのはいろいろ言われているのですけれども、その辺について、やはり技術面でどれだけNO等を減らす余裕があるかどうかという、そういう評価をぜひやっていただきたいなというのが、1つ私の意見になります。

もう1つは、公害防止管理者の業務はかなり広範になっていて、例えば今言った燃料の管理というのも公害防止管理者の仕事ですし、測定データの管理というのも仕事ですし、データを報告するということも公害防止管理者あるいは主任管理者の仕事になっている。燃料の多様化とかそれに対応する技術的な対応が難しくなると、公害防止管理者にとっては従来に比べて非常に業務が増える。非常に業務が公害防止管理者に集中してくる。王子製紙さんのほうで対策として公害防止管理者の役割ということを強調されていましたけれども、その公害防止管理者がどれだけ業務をこなせるのか、そういうマンパワーとしての評価をぜひやっていただきたいなというふうに思いました。以上2点です。

石谷座長

どうもありがとうございました。

山本委員どうぞ。

山本委員

それでは、2点お伺いしたいと思います。

製紙連合会の資料で、大変私も興味深く思ったのですけど、地球環境問題、温暖化対策や資源循環の取り組み等が非常に進んでいるということは大変敬意を表するわけですけど、こうした取り組みに力点が置かれることによって、逆に公害問題に対する意識が希薄化したのではないかという話を最近よく聞きますし、私ども感覚的にはそういう雰囲気はあるのですけど、果たして新しい温暖化対策なり廃棄物対策、資源循環対策と、公害防止対策とが同時にレベルアップするようなことはできないのか、どのように思われているか、ちょっと教えていただければというのが1点。

それから、地元自治体としては、これまで事業場の中の公害防止組織については、通常の立入検査などのときに、正直言って余り目を向けなかったというのが実態でございます。今回、このガイドラインができたということを受けて、我々のほうも、そうした公害防止組織の点についても立ち入りなどのときには目を向けるようにして現在やっておるところですけど、実際、事業所の中で公害防止管理者、主任管理者あるいは統括者といった指名された人たちの働きとは別に、先ほどもちょっと王子製紙さんのお話もございましたように、それぞれ社内で環境委員会という組織があり、一体どちらがにウエートを置いておられるのか、もし教えていただければと思っております。公害防止管理者等の業務そのものにも実は関わる話であるのかなと思っております。

石谷座長

どうもありがとうございました。

一通り御質問よろしいでしょうか。

岩間委員どうぞ。

岩間委員

1点だけ近藤常務にお伺いしたいのですが、近藤常務のような立場にある企業の担当の方というのは、人ごとでないといいますか、身の引き締まっている思いをしていると思うのですが、そういう人たちに、今回の一連の中で得られた教訓としてお伝えしたいようなメッセージとかございましたら、教えていただければと思います。

石谷座長

もう一方、ちょっと名札が見えないのですが、石崎さん。

石崎氏

本来、オブザーバーでありますので発言する資格はないということでございましたが、オブザーバーでも発言していいのですよという中村室長の御依頼があってここに参りました。

実は製紙連合会の二瓶さんとは非常に古い仲でございまして、今回の部分については、はっきり申しまして技術的事情の流れの部分について、非常に同情を禁じ得ないという部分がございます。先ほどお話がございましたように、紙のリサイクルとか燃料ということに関して、従来よりいろんな部分を、特に黒液を燃料にするというふうになって、先ほどちょっとお話があったように、従来より10倍、その部分の負荷変動が増えたとお話しになった、ここの部分がキーだと私は思っています。

すなわち、いろんな部分において過去と違う状態が起こってきている中において、1時間値を守れというときに、どのぐらい難しいのかというのをやっぱり業界挙げて自治体とお話しになるほうがよかったのではないかと思う。というのは、10年前と違っているのだということをやっぱり声を上げないと、非常に難しくなります。リサイクルでみんないいことをやっているのだねという単純な問題ではないのだと。その中にほかの問題が出ているのだということをやって、その中で、どういうふうに技術ないしはコミュニケーションを解決しようかというのをやらないといけないし、じゃそれを行政に全部お願いしますというのもちょっと違うと思う。

そうすると、全体どうしたらいいのかというのは、やっぱりこの会議の中で、この黒液という問題についてのみ、日本製紙連合会のほうは他の業界と違う部分があります。我々はそういうふうに、そこまで燃料を多様化しておりません。そういうことをやると同情を禁じ得ないという部分がございますので、それが1点ございます。

もう1つは、今回の部分で業界挙げてこれだけの作業をされますと、はっきり言って、トップダウンで来たわけですね。ほぼ半年間、このための業務に専心することになります。ほかの部分が実は吹っ飛んでしまうことになりまして、化学業界でよく起こるのですが、監査の後に事故が起こるというのは定説としてございました。監査が終わると、ほかの部分の点検がおろそかになって、ほかの爆発事故が起こるということがよくあるのです。今回のような話は、トップダウンで来るときにはだめなんです。むしろボトムアップで、ボトムのチーム連携をやらないと、いわゆる規制ばっかり、マニュアルばっかりになってします。では、どれだけマニュアルつくればいいのか。ISOのマニュアルを今のマニュアルの10倍にするのかということになってしまうので、そこは折り合いをつけるためにはどうしたらいいのかというのもやらないと、石谷先生としてもISOは無駄だったのかというふうにも私は読めますので、そこのところは、ここの部分でどういうふうに自主的に解決するのかというのももう少し議論しないといけないと、私はオブザーバーとして申し上げておきます。

石谷座長

どうもありがとうございました。

辰巳委員

今おっしゃったようなお話というのは、なかなか外に向けて説明する場がないような気がするのですけれども、そのときに、そのツールとして環境報告書というのがありますよね。環境報告書で、今年はそのあたりをどういうふうに御説明なさっているのか、それだけ後で、追加で教えていただきたいと思っています。

石谷座長

どうもありがとうございました。

大分御質問が多くて時間も過ぎており、また非常に多様な御質問があったのでお答えにくいと思いますが、どうぞよろしく御回答をお願いいたします。私も一応はメモしたのですけど、漏れているかもしれません。ただ今、いろいろコメント、御質問がありましたので、お二方からそれについて、覚えていらっしゃる限り答えていただき、その上で、委員の方々で再度聞きたいという方がございましたら、また改めて聞いていただくということで、まず二瓶常務理事から御質問についてのお答えをお願いしたいと思います。

二瓶氏

たくさんの御質問、ありがとうございます。順番に参ります。

まず、小林委員の「公害防止に関する環境管理の在り方」に関する報告書の件ですが、4月の半ばだったと思いますが、手に入った段階で各社に配っております。当然やっております。ただし、冊子を手に入れた人がどの程度読んだか、これは責任が持てません。報告書の説明は、実は指導室のほうから説明する機会をとっていただきまして、御説明いただきました。それが実は6月にやる予定だったのですが、スケジュールの都合でこれが7月になってしまったということでございまして、実はこの問題が起きたからやったというよりは、本当はスケジュールの関係で6月の予定が7月になっただけでございます。

小林委員

こういう書き方をされると、何か起こったからやったように読めてしまう。

二瓶氏

済みません、実は1カ月ずれております。本当はやるつもりだったのですが、予定が変わったということです。せっかく予定が変わったので、環境保全委員会だけではなくて委員以外の会社も集めたということでございます。

それから、技術的側面を時系列でというお話ですが、なかなか個別にどれがどうというのは申し上げにくいのですが、前のグラフを見ていただければ、どの辺から何が増えているかというのは御理解いただけるのではないかと思います。4枚目の右下で、大体2003年以降、急激に各社バイオマスボイラーですとか廃棄物ボイラー、こういったものをつくりつつございまして、これからも増えます。恐らく2010年までに30数基、こういったタイプのボイラーがつく予定になっていまして、どこにそんなに燃やすものがあるのかと心配しながら実は業界の各社の行動を見守っておるのですが、どこからかともなくわいてくるということで何とかなっていると思うのですが、これが集まらないと我々の温暖化の目標がちょっと危うくなるという側面がございます。

それから、小林委員のもう1つの御質問は、12ページでございましたかね。

小林委員

基準超過、これはアンケートをとられてなければ、もうどうしようもない。

二瓶氏

これは、実は今整理をやっている最中で、まだ実は未回答の会社は催促している段階です。集まった段階で整理をしまして、当然会社ごとにどんな内容かというのはそれぞれいただいておりますが、当面非公開という条件で集めておりますので、これは経済産業省さんのほうにげたを預けたいと思います。アンケートは非公開を前提でやってはいるのですが、一応社名と内容については把握できているかと思います。これは私どもで本来こういうアンケートをとっているわけではございませんので、いただいた内容は、整理したらこうなったというものです。ちょっと答えにくいのですが、申しわけございません。

それから、今の件は崎田委員からも同じ御趣旨の内容だったかと思いますが、これを整理いただいた上で、各社に当然これを配布しながら、こういったところを重点的にやりましょうと。要は、自分のところでやってなくて他社がやっている良いことは、当然各社にやってもらうという内容で一応お知らせする形をとりたいと思っております。

それから、辰巳委員の目標がよく見えないというところは、ちょっと御質問の趣旨が理解できなかったのですが、今の回答でよろしいでしょうか。

辰巳委員

要するに、現状の、言葉は悪いですけど、データ改ざんとかそういうのをなくそうというのが目標なのですね。

二瓶氏

当然です。

辰巳委員

それを即刻なくそうということなのですね。

二瓶氏

というか、実はもうなくなっているのです。

辰巳委員

そうですか、それならいいのですけれども。

二瓶氏

もう既に現時点では、不適切な状態は各社なくなっております。

辰巳委員

そうですか、わかりました。

二瓶氏

あと、新美委員の公的機関に対してガイドラインをつくってほしいという趣旨はどういうことなのかということですが、自主行動云々と法令遵守の話とはちょっと違う。実は自主行動で今回の問題をさばくつもりは毛頭ありません。当然これは法令遵守の問題ですから、程度問題ですけど、やはり話し合いをさせていただいて、基準をどういうふうにしていただくか。それで、瞬間値の話ですとか起動時の話ですとか、これをどういうふうにしていただけるのか。決して我々は1日平均値にしていただきたいということを申し上げているわけではございません。1時間値でオーバーしなければ、瞬間オーバーしてもいいという解釈をとっておりましたので、それを徹底していただければ、今のままで済むのではないかという認識ではおります。

石谷座長

この辺については、後で事務局の見解をいただきます。

大体御質問の趣旨はカバーしていただいたのでしょうか。私も大体カバーしていただいたように思います。それでは、次に近藤取締役から、具体的な内容についての御回答をお願いしたいと思います。

近藤氏

まず、ISOがおざなりになっていたのではないかなという御質問がございましたけれども、結果としては、やはり形に流される、実行面でこういう問題をきちっと吸い上げて対策がとれないというのが実態だったと思っています。それは、先ほども言った、職場の最前線の情報がきちっと上がってくるシステム、あるいは吸い上げられるシステム、そこがうまくつくれてなかったということが問題だろうと思っています。

もう1つ、公害防止管理者をきちっと使ってないのではなかろうかというお話がございましたけれども、工場長が主催して環境管理室長が実際には事務局をやります環境委員会のほうを重視して、そこで環境のことについて決めることが大変多かったと思っています。これはまさに反省で、その委員会に主任管理者とか管理者に入っていただいて、本来の業務を含めて、そこでその月に起こった問題から今指摘しなくちゃいけない問題についてやってもらうという形で、まさに軽視したと言われましたけれども、結果としては軽視したというのかもしれません、そこをきちっと使うというやり方にしていくことにいたしました。

それから、こうやってお話しされたけれども、この後、情報公開についてはどうされるのですかという御質問がございましたけれども、これは当分の間、環境省さんと経済産業省に1~2カ月の間隔をもって進捗状況について説明に行くお約束をしておりますし、その説明を終えて、その資料についてできるだけそのままの形で、ホームページ等で出していきたいと考えております。

もう1つ、ちょっと答えるのが難しいのですが、教訓として何が残りましたかというお話がございましたけれども、我々、環境経営をうたい、それからコンプライアンス室をつくり、コンプライアンス教育をし、いろんなことをやってきていて、自分なりに通じているというふうに思っていましたけれども、一番そこをつないでくれる、ジョイントになってもらわなければならない課長さんとか係長さんの段階でも、きちっとそこのところに信念ができていないことが結構多いなというふうに感じました。

ですから、今、私は工場へ行きますと、自分で従業員の皆さんに対して、要するに皆さんの健康と引きかえですとか、安全と引きかえですとか、あるいは公害問題を犠牲にして収益を上げるなんていうことは、企業は決して目的としていないということをきちっと言いますし、そういうことが起きそうになったときには、とにかく設備を止めなさいと。そして、みんなチームワークで、またその後盛り返していけるものなら盛り返していけばいいということを直接伝えるように、意識してそれを伝えるようにやってはおります。

石谷座長

どうもありがとうございました。

大体よろしいでしょうか。今の話は、この前のガイドラインを議論するときにも随分出てきて、ISOの14000のシステムが本当に日本の社会にうまく合っているのかどうかという議論までしたような記憶がございます。日本人の特性というようなところもあって、公害防止管理者が単純に機械的な職務に徹し切れないところがこういう問題を引き起こしたとも言えるという議論だったと思います。そういう中でいかにこういう問題を避けていくことができるかどうかといったあたりを、このガイドラインでいろいろと提示もし、原因も検討したということで、それがまた似た感じで出てきたという印象を私も受けます。こういう事例は1つずつ解決していくしかないと思いますので、今御質問のあった点は、私には特に新しい問題でなく以前の話が繰り返されたのかと感じられました。そういった意味で、ガイドラインを早くもう1回周知徹底して、少しずつこういう事例をなくしていくしかないのではないかと思っています。この点については今後もう少し議論を深めていきたいと思いますので、これでよろしければ、本日のところは先へ進ませていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

あと、技術的な問題についても、やはりこういう変化にいかに早く対応するか、実際の作業に反映するための対応とか、それ等の周知が遅れたような印象も受けますので、これも含めて今後議論していくことになるかと思います。

事務局のほうからお願いいたします。

中村室長

何点か質問をいただいたので、お答えいたします。

小林先生から質問があった件なのですけれども、二瓶さんが若干答えたのですが、事実関係だけ申し上げたいと思います。ガイドラインにつきましては、3月にプレス発表をしまして、資料を公開しておりますし、4月に88業界団体に対して局長名でガイドラインを送付し、周知徹底を図っているところです。製紙連合会への説明は、二瓶さんがおっしゃったとおり6月に予定していたのですけれども、都合により7月に延期されたということです。したがって、昨今の公害防止に関する不適正事案とは関係なく説明会を行う予定でした。

もう1つは、公害防止管理者制度の話をいろいろ承ったのですが、公害防止管理者制度に関しましては、公害防止管理者は権利と義務の関係がどのようになっているのかをちゃんと調べた上でお答えをしなければいけないと思っています。権利がないのに義務だけ発生するとか、義務がないのに権利だけ発生するとかということになると困ります。今回フォローアップの実態調査を行いますので、その中で、公害防止管理者がどのような処遇を受けているか等も含めて調査をしたいと思っております。

最後に、日化協の石崎さんがおっしゃっていた黒液の件ですが、黒液の問題に関しては、確かに負荷が相当変動するということは事実だと思いますけれど、だからといって法令を破ってもいいという話では全くないと思います。ですから、黒液で負荷に変動があるのであれば、企業が説明する責任があると思います。したがって、国民とか規制当局に説明をしながら理解を得て、必要であれば規制のあり方を変えていくことが、企業のあり方なのではないかと思っております。以上です。

石谷座長

どうもありがとうございました。

質疑応答に10分ぐらいしか時間をとっていなかったのですが、非常に御熱心な御討論をいただき理解が深まったと思いますが、時間を超過しましたので、よろしければ先へ進めさせていただきたいと思います。

今後の進め方について

石谷座長

それでは、次の議事として資料5の「今後の進め方について」、事務局から説明をお願いいたします。

中村室長

それでは、時間も迫っておりますので、簡単に説明をさせていただきたいと思います。

資料5の「今後の進め方」でございますけれども、冒頭に申し上げましたとおり、1月から2月に第2回フォローアップ会合を開きまして、フォローアップを行いたいと思っております。具体的には、「公害防止ガイドライン」を踏まえた公害防止に関する取り組み実態調査を行いたいと思っております。多くの業界団体に対しまして、ガイドラインの認知度とか企業の公害防止に関する取り組みについて実態を把握したいと思っております。次ページに具体的な調査項目が書いています。

まず1.ですが、「公害防止ガイドライン」の認知の状況を把握するとともに、それが末端の現場だけであるのか、それともトップの経営層まで認識しているのかということもあわせてお聞きしたいと思っております。

2.の「公害防止ガイドライン」の活用でございますけれども、「公害防止ガイドライン」を3月に発表しておりますが、3月以前に既に実施したこと、3月以降「公害防止ガイドライン」を受けて既に行ったこと、今後行う予定のことを把握したいと思っております。(2)に書いてありますように、それが工場とか現場における取り組みで具体的にどのように変わったかとか、あるいは本社とか環境管理部門でどういうふうに変わったかということも確認をしたいと思っております。

それ以外に、先ほども何度か出ておりますけれども、従業員教育というのは非常に重要だという御指摘も受けておりますので、どのような教育を行っているのかも確認をしたいと思います。また、ステークホルダーとのコミュニケーションをどういう形でやっているかということも確認したいと思っています。先ほどの話にございましたように、公害防止管理者の位置づけというのも、あわせてこの中で確認をしたいと思っております。

(3)ですが、公害防止に関する取り組みの強化とか、改善したことによる効果、具体的にどういう効果があったかというのも調べたいと思っています。加えて、公害防止に関する取り組み強化、改善に当たっての阻害要因というのも調べたいと思っています。これに関しては、調査票をつくらせていただいて、委員の方にお見せして御確認をいただいて、調査票を確定して配布をしたいと考えています。それが1.です。

資料の1ページに戻っていただきます。2.ですが、特に主要の6業界、鉄鋼、化学、製紙、セメント、電力、石油業界のガイドラインを踏まえた公害防止対策の現状を次回の会合には御説明いただきたいと思っております。

3.ですが、先行事例の収集、紹介ということです。もちろん良い事例をたくさん集めるということもありです。例えば前回のガイドラインの策定のときも、大企業の良い例をたくさん集めたのですが、中小・零細企業は、マンパワーもなくお金もないという現状ですので、そのような状況で工夫をしてうまくやっている事例を紹介をさせていただきたいと思っています。また失敗事例、公害防止に関する不適正事案がなぜ起こったのか、それに対してどのような対応をしたのかをあわせて紹介をさせていただきたいと思います。こうすると失敗する、こうすると超過をする、こうすると改ざんをするという事例も調べさせていただきたいと思っております。それに関しましては、できるだけ皆さんで情報共有することが重要だと思いますので、ホームページ等を活用して公開したいと思っております。今後の進め方は以上です。

石谷座長

どうもありがとうございました。

ただいまの事務局からの御説明、それからその他のことでも結構ですので、御質問のある方、御意見のある方はお願いいたします。いかがでしょうか。

どうぞ、指宿委員。

指宿委員

今の進め方に賛成です。全体としてPDCAを回すという点で、いろんな情報をいろんな業界から集めるというのが非常に大事だと思います。お願いしたいのは、何か裁判みたいにならずに、フランクに業界からも意見が出せるような雰囲気でやっていただくと、いい情報が集まるのではないかなと思います。

今、失敗事例のお話もありましたけれども、失敗までいかないのだけれども、こういうところでヒヤッとしたとか、そういう事例がたくさんあると思うのです。むしろそういうところから失敗を回避するということができると思いますので、そういう意味でフランクにそういうことをどんどん出していただけるといいのではないかなと思いました。

石谷座長

ここは審査機関ではないので御指摘とおりだと思いますが、例えば今日みたいなお話も、ああいう事案に対してどう対応をされたかといったことも今後の重要な情報にもなります。また、これを契機にガイドラインを広めていただく機会にもなると思いますので、そういうことも含めて調査をしていくということでよろしいでしょうか。

時間も押して急がせてしまったために、皆さん遠慮されたのかもしれませんが、もし御意見が残りましたら、また改めて次回なり、試案ができたところで意見を出していただきたいと思います。よろしければ、今御説明のあった資料5のようにフォローアップを進めさせていただきたいのですが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

どうもありがとうございました。

それでは、今御説明のあった資料5に従いまして進めさせていただきます。

本日の会合、時間はまだ残っておりますが、ここで終了させていただきます。本日いただきました委員の皆様の御意見を踏まえ、今後も引き続き議論を進めてまいりたいと思っております。

その他事務局からの連絡事項をお願いいたします。

古金谷補佐

本日は、どうもありがとうございました。

次回の開催につきましては、年明けの1月または2月ごろと考えておりますけれども、皆様の御都合を伺った上で具体的な日程につきましては決めさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。以上でございます。

石谷座長

本日は、御多忙のところ、まことに活発に御議論いただきましてありがとうございました。また次回以降も忌憚のない御意見をいただきたいと思いますが、本日は、これにて閉会させていただきます。どうもありがとうございました。

閉会

 
 
最終更新日:2008年1月18日
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