経済産業省
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総合資源エネルギー調査会電気事業分科会原子力部会(第13回) 議事録

平成18年8月8日(火)

田中部会長
定刻を少し過ぎてございますので、ただいまから総合資源エネルギー調査会電気事業分科会第13回原子力部会を開催させていただきます。
 本日は、ご出席いただきましてまことにありがとうございます。約2時間のお時間をいただくことを予定しておりますが、できるだけ効率的に審議を進めていただきたいと考えておりますので、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
 では、事務局から配布資料の確認等をさせていただきます。
柳瀬原子力政策課長
本日は、議事次第、座席表、出席者名簿、資料1から4をお配りしてございます。
 また、事務局に人事異動がございましたので、ご紹介をさせていただきます。
 資源エネルギー庁長官の小平の後任としまして望月晴文、資源エネルギー庁次長の細野の後任としまして平工奉文、資源エネルギー庁総合政策課長、立岡の後任といたしまして木村雅昭、原子力立地・核燃料サイクル産業課長の櫻田の後任としまして中西宏典が着任してございます。
 また、いつものとおりでございますけれども、各省からもご出席をいただいております。原子力委員会の事務局をされています内閣府の黒木参事官。それから、文部科学省、中村課長、外務省の国際原子力協力室長の小溝さんは急遽ご予定があってきょうはご欠席でございます。
 以上でございます。
田中部会長
ありがとうございました。
 それでは、早速でございますけれども、議題に進んでまいりたいと思います。
 本日は、昨年7月以来ご検討いただいてまいりました本部会の最終回でございます。議題といたしましては3つございます。初めに、先日来実施しておりました本部会報告書(案)に対するパブリックコメントの概要と対応について、2つ目は、その報告書に対する政府側の対応・アクションプランについて、3つ目は、報告書に対する民間側の対応についてご説明いただく予定であります。そして、最後に望月新長官からご発言いただきたいと考えております。
 では、最初の議題であります「原子力部会報告書(案)~「原子力立国計画」~に対するパブリックコメントの概要及び対応について」に進んでまいります。前回の本部会でご了解いただきました報告書(案)につきましては、1カ月の間、パブリックコメントを実施し、国民の皆様からご意見をいただきましたので、パブリックコメントの結果と、それを踏まえた報告書の修正点などについて事務局からご説明いただきたいと思います。
 よろしくお願いします。
柳瀬原子力政策課長
それでは、資料、右肩の1-1、パブリックコメントの概要と対応について」という資料でご説明をさせていただきます。
 パブリックコメントでございますけれども、結局399件、約400件のパブリックコメントをいただきました。このファイルに入っているのがその全体でございますけれども、私自身全部読ませていただきましたけれども、今回の特徴は、推進側も反対側も従来のような組織票で同じ文言で一斉に何百票と出るというのはゼロでございまして、皆さんそれぞれ推進、反対のお立場から極めてよく考えて有意義な極めてまじめな意見をいただいたと思ってございます。
 そういうことで、きょうお出ししました報告書(案)、事前にお配りしてございますけれども、それは取り入れられる意見はできるだけ取り入れるということで、54カ所ほど今回修正をして出させていただいております。また、その報告書の文章ではどうしようもない、むしろ施策あるいは今後の対応で参考にさせていただくべきようなものは、今後の政策立案に反映をさせていただきたいと思います。
 ちょっと数が多うございますので、この最初の1枚紙でポイントだけご説明させていただきます
 今回、パブリックコメントを400件ほどいただきましたけれども、大きな方針あるいは今後の取り組みは基本的に適切であるというご意見がかなりの多数を占めてございました。他方、原子力の推進あるいは核燃料サイクル推進に対してそもそも反対というお立場からの意見も20件ほどございました。いただいたご意見のうち主なものをご紹介いたし、その上でこれに対する対応をご説明いたします。
 まず1つ目は、今回の原子力立国計画の案が出て、ようやく国の姿勢や方針が明確になったということで高く評価するというご意見を多数いただきました。
 一番多かったのは多分(2)じゃないかと思いますけれども、報告書はいいんだけれども、立派なことだけ書いて、書いておしまいになるんじゃないよな、ということで、国が一歩前に出て、関係者と一体となってここに書かれた取り組みを着実に実現すべきだというご意見がございました。これに対しましては、きょうまず政府側のアクションプランをご紹介するとともに、産業界側あるいは研究開発機関の取り組みをご紹介いただくということでお答えさせていただければと思います。
 3つ目の(3)ですけれども、特に多かったのは高速増殖炉をしっかりやってくれと。今まて何度か失敗してきた歴史ですので、そこをしっかりやってもらいたいという意見が多数ございました。
 一番評判が悪かったと思いますのはこの人材育成の部分でございまして、原案は、今の大学などにおける原子力の人材育成、あるいは技術伝承についての現状認識の危機意識が欠けているというご批判が多数ございました。あわせて、大学などにおける人材育成の支援をもっと強化すべきだというご意見でございます。これにつきましては、その後、我々のほうでもいろいろ産業界側、大学側にもお話を直接伺いにいきましたけれども、このパブリックコメントでかなり出た意見は、そのとおりだということでございますので、報告書を大幅に修正をいたしまして、現状認識を厳しくするとともに、これは今後の対応でございますけれども、人材育成策でも思い切った措置を来年度予算などで文部科学省さんと協力の上手当てをしていきたいと思ってございます。
 (5)でございますけれども、次世代を支える長期的な話としてITER計画あるいは原子炉による水素製造技術、発電だけではなく熱利用もという観点も書き込むべきだというご指摘がございましたので、これは修正をしてございます。
 6番目に、特に広報をちゃんとやるべきだというご意見も多数いただきました。特にその中でも、頭が下がる思いをしましたけれども、実際に自分で各地で一生懸命原子力の理解を深めようという努力をされている方たちからも随分いただきまして、そういう方たちからは一人一人でやれることには限界があるので、過去原子力に携わったような、原子力のOBのような方を活用して、これを組織化して支援をすべきだというご意見を多数いただきました。実際に活動されて、逆に個人でできることの限界を書かれていたわけでございまして、これはこのとおりだと思いますので、報告書でも修正をさせていただくとともに、実際の施策でもこれを活用させていただく施策をこれからつくろうと思ってございます。
 (7)でございますけれども、この原子力立国計画の報告書に書いてあることはよいことだけれども、知られてないじゃないかと。この報告書自体の周知徹底を図るべきだというご意見もいただきました。そういうことで、この報告書、既に産業界あるいは労働組合、関係者の方々にいろいろ説明をして回っているところでございますけれども、さらに全国的に全国キャラバンのような形で、後ほど説明しますけれども、各地の住民の方にご説明をし、ご意見をいただくというようなことをやっていこうと考えてございます。
 (8)に、原子力立国計画だけぽこっと出ておりますけれども、原子力委員会の原子力政策大綱あるいは資源エネルギー庁全体の新・国家エネルギー戦略、これとの関係がわからないというご意見もございまして、おっしゃるとおりでございますので、冒頭に1ページ追加しまして、ここの関係の整理をしっかり書いたわけでございます。ポイントは、原子力政策大綱で定められた大きな基本目標の具体的な実現策を今回原子力立国計画の中で書き、かつエネルギー政策全体の中で新・国家エネルギー戦略をまとめましたけれども、そこの一部となっております原子力パーツがまさにこの原子力立国計画となっているわけでございます。
 それから、前回の報告書をまとめた後にも、インド、ロシア、アメリカなど世界の動きが随分出ておりましたので、こういった世界の動きをしっかり反映させるべきだというご意見もいただきましたので、これも反映して修正してございます。
 そういったことで、細かいことは省きますけれども、都合こういうことを中心に50カ所強修正をさせていただいてかけさせていただいてございます。
 2ページ以降で修正点の主な項目だけ整理をしてございますけれども、まず報告書の位置づけ、先ほど申しましたけれども、政策大綱との関係、新・国家エネルギー戦略との関係を整理してございます。
 2ページ目の下半分でございますけれども、世界といっても最近原子力を導入している動きが出てくる国もありますけれども、引き続き脱原子力を維持している国もございますので、そういったところもちゃんと書くべきだということで、ご指摘のとおりでございますので、そのように修文をさせていただいてございます。
 それから、3ページ目のところからでございますけれども、一番下のところでございますけれども、3ページの下から4ページにかけて、ロシアあるいはカザフスタン、こういったところについてもしっかり記述をすべきだ、あるいはウランは国際管理の下にあるという表現は適切でない、こういったところも適切な修正を加えてございます。
 それから、4ページ目の一番下でございますけれども、第二再処理工場を動かすときに、前倒しのシナリオのときには、2つの再処理工場が同時に並行して稼働する、この際に、人材配置もよく考える必要があるというご指摘がございましたので、これも全くおっしゃるとおりでございますので、それに伴って修正をしてございます。
 5ページ目をあけていただきまして、下から2番目のところでございますけれども、ITERあるいは高温ガス炉、あるいはFBRなどによる熱利用、水素製造技術の開発も長期的視点からは重要であるということで、この旨の記述を書いてございます。
 5ページの一番下、最近できました原子力・放射線部門の技術士というものが最近資格制度として新設をされてございます。これについての記述も正確に書くとともに、これの活用を期待するということでございますので、5ページ目の下から6ページの上でございますけれども、まずは技術士の人数がまだごくわずかで、産業界で活用したくても人数がまだまだ少ないということで、まずはこれを増やし、社会で定着をさせていき、それが拡大した暁には、事業者等でこの資格を積極的に活用することを期待するというふうな書き方になってございます。
 6ページ目からが人材のところでございます。上のご意見というところでございますけれども、このP102(1)というところの対応の一番下のところでございますけれども、1パラグラフ追加をして、しかしながら、学科の名称変更、具体的には原子力工学科という名前がどんどん消えていったということでございますけれども、この結果、幅広い学問を志向する傾向が強くなって、原子力の専門教育、研究の希薄化が懸念される状況であるということでございます。
 それから、次の対応、P103-104というところでございますけれども、これも「しかしながら」というパラグラフを追加させていただきまして、こうした原子力を支える基盤的技術分野においても、近年原子力に就職を希望する学生の減少や研究者のシミュレーション等の先端分野への移行などを背景として、原子力分野での人材確保に問題が生じることや、基盤的技術分野の研究の希薄化が懸念されているという現状認識を追加をさせていただいたわけでございます。
 6ページ、一番下でございますけれども、同じように原子力の学科の新設の動きということでございますけれども、原子力にかかわる研究教育が全体として厳しい状況にある一方で、という上で、最近少し明るい動きが出ているという位置づけにしてございます。
 7ページを見ていただきまして、下半分、第3部第7章関係でございますけれども、原子力関係のOB人材の活用など、原子力教育を進めていくべきということで、この対応のところでございますけれども、原子力関係の業務に携わってきた原子力OBの方々などの外部の人材を活用して、広報活動を強化していきたいという形に改めてございます。
 1枚めくっていただきまして最後の8ページでございます。まず最初に、地層処分技術の重要性をしっかり位置づけるべきだというご意見をいただきましたので、これもおっしゃるとおりでございますので、この地層処分技術につきまして、研究開発を着実に進めていくことが重要であるという文章を追記させていただいてございます。
 一番最後の「終わりに」のところでございますけれども、要すれば、この原子力立国計画を広く世の中に知らしめてもらいたいという今年っかり具体的な行動に移してもらいたい、こういったご意見に対しまして、8ページ目の一番下のところに「なお書き」を追加してございますけれども、なお、今回、まとめられた報告書を受けて、政府側からは別添1のアクションプラン、これは次の議題でご紹介いたしますけれども、それを提示をされた。あわせて電気事業者、メーカー、研究機関、こういった産業界サイド、あるいは研究機関からも、これを踏まえた今後の対応策につきまして意思表明がされた、こういった政府側の動き、関係産業界の動きなどが一体となって計画の実現に向けて取り組みを進めることを強く期待するというふうな文章を追加をさせていただいたわけでございます。
 以上でございます。
田中部会長
ありがとうございました。
 委員の方には事前に資料をお送りしてございますので、さらに詳細は省かせていただきますが、今ご説明ありましたコメントを踏まえての修正案等についてご意見、ご質問をいただきたいと思いますが、その前に、直接関係するかどうかわかりませけれども、河野委員からご発言があると聞いていますが。
河野委員
たまたまきょう後で電気事業連合会とメーカーのほうの代表の方がこれに対するコメントを発表されることを聞いていますから、それを聞いてからにしようとも思いましたけれども、とにかく一応原稿を読んでいるもんだから内容をわかっているので、それに対するコメントが1つと、もう一つは、たまたまここに日立の代表と9電力の代表がいらっしゃるので、日立のタービンの不具合がもたらす最新鋭の原子力発電の停止問題を取り上げたい。この事実を無視して原子力部会が整々と議論が終わったということはみっともない。たまたま両当事者がいらっしゃるので、どういう取り組みをやって、どういう展望を持っているのかということを聞きたいんです。
 第1に、電事連の意見は官・民の役割分担については実にわかりやすい。例えば次世代の軽水炉はメーカー中心に、増殖炉は国が中心にやる、あとは大体全部電力が主体になってやる。一番目は既設の発電炉の稼働率。これはだれが考えても当たり前のことなんですね。二番目は新・増設とリプレース。三番目はプルサーマルを含むサイクルを着実に実現すること、さらに地元の関係改善、最終処分の場所を確定すること。重い話なんですね、一つ一つが。こういう国策を実行する電力というのは、えらい重荷を背負ったことになることは明らかなんです。結局、国の強力な支援なりサポートなり、あるいは環境整備なりがないと、電力主体といっても電力だけでできる話はこの中にひとつもないんです。だから、官民協力ということがこのレポートで言われていて、それをきれいに整理されていることはいいことだと思うんです。
 ところで、今、あらゆる部分、地球環境論から財政論に至るまで言われていることが一つあるんです。持続可能性のあるプランを、そういうシステムをつくりましょうねということであって、電力における原子力運営に当てはめてみると、持続可能な状態にまだ全くなってないんです。至るところでぶつぶつ切れている。全てはこれからやる仕事です。だから、今度のレポートで、それが整然と整理されたので結構なことだと思うんです。
 原子力発電の停止にはいろいろなケースがありますが、いま最新鋭の原子力発電所でタービンの不具合が原因で止まるという新しいケースが起こっている。いろんな疑問の声が挙がっているんですよ、メーカーの日立に対して。運営しているのは中部電力と北陸電力です。これは先行き見当がつかないような話になっていますが、視点に混乱がある。私は原子炉の安全の話とタービンの話は一応別だと思っていますが。目下両電力と日立が共同で原因分析と対策について検討中だと聞いています。
 私は、過去20年間、おそらく全部の原子力発電所を見学しており、あわせて最新鋭の火力発電所を見たことがあるんです。そのときに、火力発電所でタービンの事故についても話を聞いた。珍しくはなく、担当者はタービンを直して発電を続けていた。ただ、これは原子力の話だから、火力の話と同列には見られないかもしれないけれども、あまりにも誇張して報道されているようにも思う。
 それで、たまたま中部電力の伊藤さんもいらっしゃるので、これについてメーカーはどういう姿勢で、また電力はこの問題を処理しようとしているのかということについて、世間の誤解なり過大評価なり、過剰な不安なりいろいろあると思うので、それに対してこういうふうにやっていますということを淡々と教えてもらいたい。きょう8月8日に関係者の決意表明があるシャンシャン大会なので、ほんとうはこういう個別問題は取り上げるのはどうかとも思ったけれども、この問題をこの原子力部会が無視するということもまたおかしな話ですから。
 後でご両者から話を聞きたい。
 以上。
田中部会長
じゃ、後でまた両者からご発言いただきたいと思います。
 では、報告書の修正、あるいはパブリックコメントの反映等につきましてご意見、ご質問等ありましたらお願いいたします。
河瀬委員
この報告書につきましては、国の核燃料サイクル政策、また国内外の原子力情勢全般について、課題も含めて簡潔にまとめられているんじゃないかなと私は思っているところでございます。特に、国家戦略としての原子力政策を進めていくぞという、そのような意気込みも感じられておりまして、私はほんとうによくできているなというふうに思っておりまして、事務局をはじめ関係の皆さん方に敬意を表したいなと思います。
 私も6割、8回出席をさせていただきまして、一番遠いところからいつも来ているものですから、距離的にはもっと遠いところもいらっしゃいますけれども、時間的に一番遠いところから実は来ておりまして、その都度、立地首長の思いを述べさせていただきました。そういう点も取り上げていただいております。
 ただ、もう少しお話をさせていただきたいなと思うわけでございまして、特に原子力政策、何度も何度も言っておりますけれども、立地市町村の思いを、そして地域住民の理解を基本に、そして私どもも国策に協力しながら、また国にもいろいろとご協力いただきながら地域づくりも進めておるわけでございますが、今回、準国産エネルギーと位置づけられております原子力を国策として取り組んでいくことは理解をしているわけでございます。しかし、私どもも原子力発電所が目の前に見えるんですね。半径数キロのところに、一番近いところですと、1キロ以内に住民が住んでいる一つの地域でございますし、特に安心・安全というのは、これは何をおいても必要であります。特に夏の海水浴シーズン、今年はちょっと梅雨明けが遅うございまして、最近駆け込みで多くの皆さん方に来ていただいているところでございますけれども、ほんとうに身近なところに発電所を持ちながら、市民、町民、村民がそこに暮らしている地域でございます。そして、そういうところでも、やはり原子力は大事であるという、そういう住民の皆さん方の理解があって、私どもの立場の中で協力を実はいたしているわけでございまして、特に原子力政策大綱の言葉の中にも、「地域住民の理解が基本である」ということも入れていただきました。
 そこで、よく国の方の言われております「地方との信頼関係」。これは大事でありますけれども、私の感じるのでは、「市町村」の存在が少し薄いのではないかと、要するに県ですね、きょうは佐賀県の部長さんもお越しでございますけれども、本当に身近に住民と接している市町村の立場、そういうものも、「地方」という言葉の中では同じだというふうに言っていただけるかもしれませんけれども、私どもは県に主力があるのではないかなという、ちょっと心配、不満も持つわけでございまして、そのあたりはこれからいろいろ実施をされていくということで、今回パブリックコメントの中でいい計画ができたけれども、それをしっかりやってほしいということが多くの声であったということで、私もそのことは切に願っておりますので、もちろん県の中である市町村ではありますけれども、それぞれ私らの立場は選挙をやって、皆んな出てきた者ばかりの集まりでございますので、県の立場もわかりますけれども、やはり立地の市町村の立場というものも同じように、県としてこれから計画をいろいろと実施する中で思いを持ってほしい。このように切に願っておるところでございます。
 立地道県というのは13ございます。立地市町村というのは24でございまして、数の比較をするのはちょっと変ではございますけれども、それだけ立地市町村があるということだけ、ひとつ認識を再度持っていただきたいなというふうに思います。
 それと、立派にまとめられました原子力立国計画であります。私は前にも述べさせていただきましたけれども、今、世界各国がいろいろと原子力に対する取り組みを変更している国もありましょうし、ほんとうにやっていこうという感じでございますから、やはり原子力技術、そういうものをしっかりと育てて、国が全面的にやるという立国、これも非常にありがたいと思いますし、また、日本から、例えば私どもの地域には「もんじゅ」がございますけれども、そういう「もんじゅ」というもののすばらしい研究が世界に発信されまして、そういうものでの立国という意味もぜひ実現してほしいなと願っておるところでございます。そういう点で、立地市町村というのは、原子力を身近に持ちながら、そして原子力に対する思いをしっかり持っておりますので、ぜひ立地市町村を第一にという観点を重ねてお願いをしたいなというふうに思っておるところでございます。
 冒頭に言いましたように非常によくまとめられておりますし、ぜひこれを一つ一つ着実に実現をされますように心から切望いたしております。よろしくお願いします。
田中部会長
ありがとうございました。
 続きまして築舘委員、お願いいたします。
築舘委員
ありがとうございます。資料の1-1と1-2を拝見しまして、柳瀬課長からもお話がありましたけれども、私は非常に健全なコメントが出てきて、実のあるパブリックコメントになったのかな、そういう印象を受けました。それが1点です。
 それから、これもご説明にありましたパブリックコメントを踏まえてこういうふうに修正したいという報告書の案ですが、私は基本的にご説明のあった内容でいいのではないかというふうに感じました。
 私なりにちょっとこの13回の議論というものを振り返ってみますと、原子力政策大綱において示されました諸課題に真っ正面から取り組んで、長期的課題に至るまで、長期的な課題でありながら具体策を可能な限り明確に示そうとしたというところに今回の部会の議論の特徴があったのではないかと感じております。
 現在、原子力発電が基幹電源となりまして、そして六ケ所の再処理工場もほぼ完成段階に至りつつあるというのも、先人たちが原子力部会をはじめいろいろな場で議論を積み重ねて、そしてそのときどきの課題を乗り越えてきた。そして、時流に流されない長期的な視野での検討を行ってきた、そういうたまものといいますか、結果であるというふうに私は常々感じているんですが、今回の原子力部会も、そうした先人たちの検討に恥じない、ブレのない政策の議論ができたのではないかと思っております。
 昨今、世界的に見ますと、原子力もようやくフォローの風も吹き始めているとも言われるわけでありますが、一方で現実に立ち返りますと、さまざまな課題がたくさんあるということも事実であります。そういう課題を克服しながら、原子力立国計画に示された理念を実現していくためには、いろいろな関係者が方向性を共有して、そしてたゆまぬ努力を積み重ねて継続していく、そういうことが不可欠なんだろうと思います。
 ですから、私ども事業者といたしましても、安全確保、これは常に最優先になりますが、一つ一つ着実に課題を乗り越えていくために、これからも全力で取り組んでまいりたい、そんなふうに感じているところであります。
 どうもありがとうございました。
田中部会長
ありがとうございました。
 秋元委員、お願いいたします。
秋元委員
広報の問題についてちょっとコメントさせていただきたいと思います。
 先ほどパブコメでも、大変広報・広聴に関していろいろと積極的な前向きのご意見が多かったというようなご報告がございましたし、また、柳瀬課長のほうからも、この問題について真摯に対応して、それがやれるような環境をつくっていきたいというようなお話があって、大変心強く思っているわけでございます。
 やはりこれから、特に今度のアクションプランの中でも今の広報問題についてはかなり取り上げていただいているわけなんですけれども、現実には、こういうようなことをやっていくために必要な予算でありますけれども、これが昨年は、3割方削減されたという事実があります。積極的にこれから広報を進めていく上で、やはり継続的な広報活動というような面がかなりこれからも意識されなければいけないと思っておりまして、この発端としては、確かに広報予算に不適切な使い方があったというような報道があったり、国会での質問があったりいたしまして、これに対してのチェックをしなければいけないという情勢があったことは事実なんでありますけれども、問題部分だけではなくて、削減が全分野に及んでしまったために、非常に現場が混乱をいたしました。何とかこういうことで広報の穴があかないように、いろいろな関係者が努力してやってきているところでございますけれども、これから進めていく上で、文の中にブレない継続的な広報活動という、そういった意味の表現を何かつけ加えていただければ大変ありがたいなと思っております。これは立国計画そのものの一番最初のところにブレない政策というようなことで出していただいておりますから、確かにその意味では入っていると言えるのかもしれませんが、特に広報の場合、地域その他の関連から見ますと、継続性が必要で、そのときそのときの流れであまりにもブレ過ぎますと、広報自体の今までの積み上げがむだになってしまうというようなことも出てきますので、そういう表現を盛り込んでいただければありがたいと思っております。
 それから、これはできたらでございますけれども、この中で135ページには「エネルギー教育の推進」と書いてございます。もちろんエネルギー教育全部が非常に大事なことなのでありますけれども、特にこれは原子力立国計画でもありますし、エネルギー教育についてはいろいろなところで言われていますので、この立国計画の中であれば、原子力エネルギー教育というような形で、むしろ原子力がエネルギー教育の中で大きな地位を占めていくというような、そういう教育姿勢といいますか、そういうものをお願いできるような表現になると大変ありがたいなと思っています。
 この2つ、お願いを申し上げたいと思います。
田中部会長
2つのお願いをいただいたんですけれども、引き取らせていただいて、案件とさせていただけたらと思います。
 あと、いかがでしょうか。内藤委員、どうぞ。
内藤委員
ありがとうございます。皆様方がおっしゃっておられるように内容は非常によくまとまったし、パブリックコメントも真剣なものがあったということで、非常によかったと思います。したがって、私はそれとの関係で3つぐらい私の感想だけを申し上げたいと思います。
 第1点は、国際的な動向というのが、ここで書いておられるよりはよりネガティブというか、足を引っ張られる可能性があるというのが私の感覚であります。したがって、今後国際的な動向に左右されないで、日本のエネルギーセキュリティーを実現するためには、原子力は不可欠であるということで、腰の振れない対応をほんとうに実行としてお願いしたいということであります。
 それを申し上げます背景というのは、この1カ月半の間に、私はヨーロッパ、米国、それからこの前は中国とさんざん議論してまいりました。その中に原子力もございました。それで、ヨーロッパでは原案にあったイギリスの前向きとは違うという話を小委員会でも申し上げたはずですけれども、その辺、改善されておりますけれども、ドイツ等なお非常に厳しいと。それから、米国でも、今のブッシュの政策が実行されるという前提で6基まではつくるけれども、それ以降というのはそんなに簡単じゃないよということで、決してどんどん進めの前向きではない。
  
 ただ、非常に明るい思いをしたのは、米国の政界の人の中には、日本がいいことをやっておる、それを見習えということで、日本に見習えという感覚がアメリカの政界の中にあるというのは非常におもしろいと思います。
 それから、中国は、経済発展委員会の幹部たちともさんざん議論しましたけれども、全体のエネルギーセキュリティーの中で彼らの議論というのは、省エネ中心で、セキュリティーについても、私は7月のセントピーターズバーグサミットのときにあわせて行った胡錦濤のスピーチが非常にバランスがとれていいと言ったんですけれども、全然中身は変わってないということで、資源争奪というところに徹底的に動くというのが本音であります。そういう中で、原子力について議論すると、あまり関心を示さない。ただ、裏で本音は何だというと、まあフランス、カナダ、イギリス等を前提としてきたということで、日本から学ぶものがあるとすれば、メンテナンスぐらいかなと。あるいはFBR等については興味を持つということで、要するに、中国などは資源争奪というのが一切変わらない。その中で石油、天然ガス、石炭をめぐる対応というのがある。これはますます世界で今後大変になる。
 そういう環境を考えると、申し上げたいことは、日本のエネルギーセキュリティー対策の中で、原子力の占める役割が決定的に大きい。それから、世界では原子力についてなお腰は振れる。しかし、世界が振れても日本が振れてはならないということを申し上げたいのが第1点であります。
 第2点は安全確保であります。安全確保についても、いろいろ書いておられますので賛成ですけれども、これだけは失敗をするとすべてが崩れてしまうということで、よろしくお願いしたい。
 先ほど来、大学の教育等についての改革、これは非常にいいことだと思うのですけれども、日本の最近の現場の事故の続出というのは、その現場のまさにやっている人たち、あるいはその匠の人たち、あるいは下請管理というところに最大の問題があるということで、そういう人たちの育成、組合の方の育成等についても本腰を入れなければ、やはり安全確保は100%とは言えないという思いがいたします。
 それから、国際的ないろいろな企業で私自身経営の議論をしておりますと、最近の国際企業経営の一つの特徴として、中国、インド等も含めて世界的なグローバリゼーションの中で、安全確保も含めて、すべてITを利用した情報化による知識の共有という方向で現場の現実のワーカーの努力というふうなものを全部そういうところに組み込めるという感じの方向に非常に動いている。それで、そういう人たちから言うと、日本の経営はそこに徹していない。誤りであるというふうなことを言う人もいますけれども、私は最後は、頼るべきは人間であるということで、要するに、製造の段階における匠の方たち、あるいは現場の労働者の方たち、そういう人たちのことをさらにお願いをしたいというのが2点目であります。
 3点目は国益実現という観点から考えた場合に、当然のことながら、国の役割の中で活動し得るためには財源が要ります。そういう中でこれから財政再建ということでますます厳しくなるという中で、ぜひ各省庁を一本にまとめた形でエネルギーの財源を有効活用する。これを考えておられる方向ではありますけれども、これは内閣の一元的対応がエネルギー政策については必要だと私は常に思っておりますので、それを具体化する一つの手法として、これをぜひ徹底していただきたいというふうに思います。
 したがって、その話は原子力であれば文科省との予算の一本化ということ、要するに、財政再建に影響を相対的に少なく受けながら国益の目的を実現するという特会の有効活用ということでありますけれども、その点から言うと、ちょっと話はそれますけれども、これだけエネルギーの価格が上がって影響が出てくるということになると、環境税というふうなものも全く意味をなくしたと思いますけれども、世界エネルギー経済学会で議論しておりますのは、環境税そのものよりも、そこの歳入をいかに環境対策に活用するかというところをモデル分析をしまして、ここだというところが、一応の今コンセンサスになっているわけです。そういう点から言うと、それも含めて、要するに、財源の全省庁の統括をした一括対応で政策が財政の状況にかかわらず国が実行できる対応を考えていただく、そういうことをお願いしたいということで、3点申し上げました。結論的には非常によくまとめられたことで、非常にいいと思っております。
田中部会長
ありがとうございました。
 あとはよろしいでしょうか。
 何人かの方からご意見、コメントをいただきましたけれども、おおむね今説明させていただいた内容でよろしいのではないかということで、基本的には報告書(案)をご了解いただいたと考えているところでございますけれども、秋元委員のほうから2つの点について要望がございましたので、それにつきましてはちょっと私のほうにご一任いただけたらと思います。
 というふうなことで、この修正案といいましょうか、報告書(案)につきまして、本日ご了解いただいたというふうなことにさせていただいてよろしいでしょうか。
神田委員
この本全体のことでオーケーしたということになるわけですか。修正のところじゃなくて、全部の立国計画と、これを一括してちょっと意見があります。
田中部会長
どうぞ。
神田委員
本文で言えば、88ページですが、エッセンスのほうでいけば13ページ、「次世代を支える技術・産業・人材の厚みの確保」の「20年ぶりの官民一体での次世代軽水炉開発プロジェクトの着工」というのがありますね。それの中で、本文でいくと89ページなんですけれども、「最近の国は競争的資金を重視する流れの中で、提案公募事業に資金をシフトしているが」という文章がありますね。現実に、前も一度ご意見申し上げたんですが、NUPECという組織がなくなって、国がこういう目的でこういう開発をするということをリードするものがなくて、いろんなところが公募で応募してきた通ったところというのがその動き的にあって、比較的ばらばらに開発が進んでいるような気がするんです。これは久しぶりにやる大型の研究ですから、学生、まあ学生のことをいきなり言って恐縮ですが、学生たちは、やっぱりこれから原子力産業に入っていって、新しい開発研究ができるのかということには最も関心が高い。だから、そういう原子力産業に行くということに関しての関心は、新しい産業に参加できる。
 それから、民間会社のほうも、おのおの個別に公募型でいただいても、国が目指しているAP、ABを開発していたときのような、何かそういうものに欠けているような気がする。ですから、20年ぶりの官民一体となった軽水炉の着手にしては、どういう方向に進んでいくのか、それを国はどういうふうにコントロールするのか、おのおのが勝手に公募型で違う原子炉をどんどん言ってきて、少しずつ完成するとか、中途半端な設定が完成していくというのはよくないのではないか。今、これだけ気合が入ったところですから、一気に国が表に、国というか、何かの団体が指導してそれをやっていく必要があるのではないかと思います。
 それから、報告書についての感想ですが、役人はよく勉強した。これは3度目なんですが、よく勉強したということと、それからチームワークがあったと思いますね。今回の報告書の特徴は、一人でやったのではなくてチームワークでやっていたというのがよくうかがえて、だからこそ、パブリックコメントもいいものが出てきたのではないか。もとがいいから、コメントもよかったのはないか、そういう感じがしています。
 もう一度繰り返しますが、公募型の研究でどんどん進めていくと、ちゃんとした目的が達成できないのではないかということです。
 以上です。
田中部会長
ありがとうございました。
  2つあって、2つ目はご感想でございます。1つ目の競争的資金のところについて、この報告書(案)でどうなっているかについて事務局のほうから。
柳瀬原子力政策課長
次世代軽水炉の開発をやる議論を昨年秋にやったときにも申し上げましたけれども、問題意識は全く同じでございまして、そのときに申し上げましたけれども、経済産業省におきましては、この提案公募型資金は、国際協力関連を除きまして全廃しますというお約束を申し上げて、それにかわってナショナルプロジェクトとして官民一体となって開発目標を設定して、20年ぶり、昔ABWR、APWRを開発してから20年ぶりの開発プロジェクトに着手しますというお話を申し上げ、それを報告書に書かせていただいて、そのときにNUPECのときの反省を、やはりあのときにはNUPECのよい面もありましたけれども、行革であれだけたたかれたというのは、やはり悪かった面もありますので、団体先にありきの議論をしますと、団体固有のいろんな非効率が出るというのが当時の反省でございましたので、今回は方式を改めまして、今年度からこの次世代プロジェクトに向けてどのようなコンセプトで世界と勝負していくのかというところをまず決めようじゃないということで、研究会をつくらせていただいてございまして、きょうご欠席でございますけれども、大橋先生に座長になっていただいて、今までのように電力が全部開発リスクを負う形で主導して開発する時代ではもうございませんので、諸外国と同じようにしっかりメーカーを中心に、それにユーザーたる電力も協力をするということで、政府はそこをしっかり財政的にも支援をするというプロジェクトを、今年度から国のほうも予算を取りましてスタートしてございます。
 今の段階はまずざくっとしたユーザー側のリクワイアメントを、電力側から提出をしていただきまして、現在、メーカーのほうでそれに答えるようなコンセプトをどうやって形成するかというのを今メーカー側で検討していただいてございまして、何度もご説明をしてございますけれども、今後、2年あるいは3年程度かけて、どういうコンセプトで勝負するのかというのを決め、そこでこれなら勝負ができそうだという立派なものができれば、7~8年かけて本格開発に着手したい、こういうことでございますので、全くご趣旨を踏まえた報告書であり、後ほどご説明しますけれども、アクションプランになっていると思ってございます。
神田委員
わざわざこういう文章を残してあるから。まあいいです。後でやります。
田中部会長
よろしいでしょうか。
 では、先ほどの秋元委員からコメントについて、ちょっと私のほうで検討させていただくことにいたしまして、この報告書(案)につきましてご了解いただいたということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)
田中部会長
はい、ありがとうございました。
 それでは、次の議題に移りたいと思います。
 原子力立国計画が絵にかいたもちになるということはよくないことでありますし、それは避けるべきであるということはこれまでもあったところでございますが、この計画で提言された主な事項について、まず政府側のアクションプランについてご説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。
柳瀬原子力政策課長
それでは、お手元の資料の2-1をごらんいただけますでしょうか。
 まず1ページ目でございますけれども、電力自由化時代にしっかり原子力発電の新・増設あるいは既設炉のリプレース投資を実現するということで幾つか提言をまとめさせていただいたわけでございます。
 その中で、1ページ目のところに黄色い柱が2つございます。原子力発電の投資リスクの低減・分散ということで、六ケ所再処理工場を超える分の使用済み燃料の処理、将来、第二再処理工場で処理をしていくための費用が全く手当てをされていない。したがって、白地状態、全くリスクが丸裸で残っているという問題について、具体的に第二再処理工場がどうなるかというのが見えるまで待たずに、今から暫定的な措置として企業会計上、毎年度積み立てる制度をつくるということ。
 もう一つ、下の黄色い柱でございますが、1基3,000億ないし4,000億かかる原子力発電所の初期投資につきまして、運転開始から償却をしていると大変な償却負担がかかりますので、これにつきましても負担を平準化するために、事前に運転開始前から引当金として積み立てられるような会計上の処理を導入するというようなことが書かれてございます。
 これにつきまして、1ページ目の一番下でございますけれども、対応といたしましては、この制度が今年度決算からの導入に間に合いますように、9月上旬開催未定の電気事業分科会本体において、どのようなところでどのようなスケジュールで検討していくかというのを決めていただくということを考えてございます。
 1枚めくっていただきまして、2ページ目以降、同じく「自由化時代の新・増設」ということで、広域運営の促進、原子力発電メリット可視化、こういったことが並んでございます。原子力発電メリットの可視化につきまして、電気事業者のCO2原単位の統一的な算定方法を策定するというのは、現在案をつくりまして、環境省と調整中でございます。
 それ以外のPPSの取り扱い、あるいは全面自由化の検討、こういったものは2007年を目途に開始されます全面自由化の議論の中で議論していくということでございます。
 それから、3ページ目、安全確保を大前提とした既にある既設の原子力発電所の適切な活用、具体的な中身は、30年を超えてきた高経年化炉の対策、もう一つは、より実効性の高い検査への移行ということで、原子力保安院のほうで着々と手を打っていただいてございまして、高経年化対策につきましては、今年の1月から新制度を実施して、順次実行に移していただいているところでございます。
 2つ目に、より実効性の高い検査への移行ということで、現在新たな制度の導入に向けての準備に入っていただいているわけでございますけれども、2008年度を目途に新しい制度に切りかえていく。そのポイントは、一律の規制ではなくて、個々のプラントごとの設備の特性、事業者の管理体制に対応したきめ細かな検査への転換、あるいはプラントごとの運転計画に応じた運針中・停止中一貫した検査への移行というようなことで新たな制度に切りかえていくということでございます。
 1枚めくっていただきまして4ページ目、核燃料サイクルの着実な推進と、それに必要な関連産業の戦略的強化ということで、必要な予算はきっちり手当てをすること、それから関係者間の費用分担の調整というような項目につきましては、具体的なニーズを踏まえて、きちっと対応していこうというふうに考えてございます。
 1枚めくっていただきまして6ページでございます。その中でもウランの資源の確保ということでございます。これはこの石油天然ガス・金属鉱物資源機構、JOGMECという独立行政法人におきまして、民間企業が探鉱あるいは権益取得をする場合のリスクマネーを供給するために、財政資金を来年度予算に新規に要求をしまして、財政的な措置をして、他国との資源獲得競争に負けないようにしたいというふうに考えてございます。
 同じく、6ページの一番下でございますけれども、カザフスタンあるいはオーストラリアとの間の資源外交というようなこともしっかりきちっとやっていくし、これは外務省さんとも十分ご相談をして進めているところでございます。
 それから、その下のページ、高速増殖炉サイクルの早期実用化ということでございます。これが前回、6月16日の部会で部会としての案をまとめていただいた後、早速実行に移してございます。高速増殖炉サイクル、今までのATRの失敗のように研究開発段階から実証・実用段階にうまくつながらないことを繰り返してはいけないということで、今の段階から、まだ研究開発段階でございますけれども、その予定の2015年を待たずに、導入側、開発側で円滑な移行に向けた調整を始めようということで、経済産業省、文部科学省、電力業界、電工会、原子力研究開発機構で構成されます五者協議会を7月13日に早速スタートしたわけでございます。
 また、その技術面での課題を検討する場としまして、8月下旬から研究会をスタートする予定でございます。その下でございますけれども、実際にこの部会でも大変多くの委員の方からご懸念が表明されましたが、高速増殖炉の実証化を進めるといっても、足元、予算額を増加させなければいけないところ、むしろ全く減ってきているじゃないかということは、ご指摘のとおりでございますので、来年度予算要求では、文部科学省さんと協議をして、両省挙げて、全力挙げて抜本的に予算の強化を図るということを現在考えてございます。
 1枚めくっていただきまして8ページでございます。日本型の次世代軽水炉開発、先ほどご意見がございました、経産省におきましては提案公募を廃止をして、こういうナショナルプロジェクトに集中投資をしようということで、今年度から予算を取って、今スタートを始めたところでございますけれども、2年あるいは2~3年程度かけまして、事業化調査をしっかりやる。そこで、電力、メーカー、国の間でビジョンを共有し、焦点を絞った技術開発戦略を構築する。その事業化調査の中で、世界市場で競争できるコンセプトができ、またそれを開発できる体制が整うようであれば、その後7~8年かけて、過去ABWR、APWRを開発したように、ナショナルプロジェクトとして本格開発に移行したいということでございます。
 その次に、先ほど意見がございましたけれども、現場の技能者、下請のメンテナンスの技能者の育成支援ということで、これも原子力部会でご議論いただきました。それを踏まえまして、今年度予算から新たに制度を発足させておりまして、個別企業の枠を超えた現場の技能者の人材育成の取り組みをモデル事業として支援していくということで、先月、今年度のモデル事業としまして、福井、それから新潟、福島の下請の連合体、そして青森、こういった3カ所で、延べ3カ年で2万人強のメンテナンスの技能者の方を対象とした支援事業を行うということでございます。
 一番下でございますけれども、大学、大学院等などでの人材育成の支援ということで、文部科学省さんと相談の上、これも相当思い切った支援措置をやりたいと思ってございます。特にパブリックコメントでも出てございましたけれども、最近大学の独立行政法人化、あるいは競争的資金の導入ということで、原子力の中で大変クリティカルな基盤的技術、例えば材料の劣化分析とか、派手さはないけれども、大変クリティカルである、そういうところに資金や人が行かなくなっている。このまま放置しておいては原子力産業の基盤を揺るがしかねないということで、そこに相当の支援をしていきたいと考えているわけでございます。
 その下の9ページでございますけれども、原子力産業の輸出の支援ということでございます。やはり原子力ビジネスの場合には、核不拡散と安全確保を前提とした上でございますけれども、やはり純粋民間ビジネスというのを超えて、各国とも官民一体となった輸出の支援をしているわけでございまして、我が国も中国、ベトナム、インドネシアに対しまして高いレベルで協力姿勢を表明しているところでございます。
 中国につきましては既にこの部会でもご紹介しました。経済産業大臣の名前で、文書で最大限支援するという政府の姿勢を明らかにしましたが、その後、ベトナム、インドネシアにつきましても、政府の政治レベルのハイレベルの方に官民ミッションなども率いていただきまして、相手国のハイレベルに日本の姿勢を伝えているところでございます。
 その下で、それに伴いまして、人材育成などについても相当強化をしていくということでございます。
 1枚めくっていただきまして10ページ、国際的な核不拡散体制の強化への協力ということでございまして、我が国の方針は、原子力の平和利用と核不拡散を両立している模範国として世界にモデルを示していく、世界に貢献をしていくという方針でございます。具体的に特に今アメリカの提案のあったGNEP、国際原子力エネルギー・パートナーシップ構想、それ以外にもいろんな構想が出てございます。それに積極的に協力をしていくということで、具体的には、特にGNEPにつきまして、アメリカの政府の発表の後、早速関係省庁で対応方針決定の省庁間の意思決定のメカニズムを決めて、また、窓口も一元化をしまして、実際頻繁に関係省庁で集まって、すぐアメリカから動きがあれば集まって提案をして日本の対応をつくり、日本の提案を出していくということをやっているわけでございまして、早速閣僚レベルでも、あるいは実務レベルでも、日本側がどんどん提案を積極的に強力な案件を提示し、提案を出していくということで、世界的に見ると日本だけやや突出した形でGNEPによる具体的な協力をご提案しているわけでございます。
 下に行っていただきまして11ページ、国と地域との信頼関係の強化ということで、ここでもさんざん議論いただきまして、やはり大事なことは、国の顔の見える立地活動、理解獲得活動、最後には、責任者による国の考え方の方針の表明という、この地道な信頼関係の積み上げと、最後はトップまで動員をするということで、対応といたしまして、既に六ケ所のアクティブ試験の同意、あるいは玄海のプルサーマル同意などをいただくために、車座あるいはシンポジウム、最後に大臣にもご登場いただきまして、かなり足が地に着いた活動を積み上げてきていると思ってございまして、こういった経験も踏まえまして、今後引き続きしっかりやっていきたいというふうに考えているわけでございます。
 1枚めくっていただきまして、12ページでございます。立地振興策ということで、今年度から新たに予算で高経年炉につきましては、新たな交付金制度あるいは市町村向けには交付金制度の拡充、核燃料サイクル施設につきましては、地元の方にはサイクル交付金制度、こういったものを新設をしてございます。
 あわせて運転がとまっているにもかかわらず、運転したものとみなして交付金をお支払いしていた分につきましては、これは国が安全を確認した後についても、地元との調整を行うため一定期間を経過してもまだ再開できない場合には、運転したものとみなす制度の対象の外にするというふうに今年度から措置をしたところでございます。
 その次の13ページでございます。広聴・広報のあり方、いろいろなご意見をいただきまして整理をいたしました。先ほど委員の方からもご指摘がありましたけれども、特別会計見直しの中で、予算総額を相当切りましたけれども、やはり広報はむしろ大変重要でございますので、必要なことはやっぱりしっかりやっていかなきゃいけないということで、この部会でご提言いただいたことにつきまして具体的な事業化を今考えているところでございます。
 また、パブリックコメントで多くの方から、せっかくまとめた原子力立国計画をみんなに知らしめるべきだ、知ってもらうべきだと。これにつきまして、一番最後にワープロ打ちのものを1枚添付してございますけれども、この報告書の案がまとまったところから、相当広範な方々にご説明をして回ってございます。電力会社それぞれの本社に伺いまして、経営者の方、トップの方以下関係者に説明をし、メーカーにもご説明をし、研究開発機関などにもご説明をして回っているところでございますが、さらに各地域、地方自治体、立地住民の方にも知っていただく、ご理解いただく、さらには、それを踏まえて、皆さんからの意見をお伺いするということで、全国キャラバンのような形で、いろんなところに出向いてシンポジウムなどをやろうというふうに考えてございます。
 戻っていただきまして、14ページ、放射性廃棄物対策でございます。14ページは高レベル放射性廃棄物の処分場がいまだに公募の手が挙がっておらないということで、この一、二年を正念場という意識を持って関係者が最大限の努力をするということで、公募制度といっても、やはり国がもっと前に出ないとだれも手を挙げれないじゃないか、こういうご指摘もございましたので、方針を転換いたしまして、国が積極的に勧誘活動、ご理解をいただく活動をするということで、早速7月末に九州を皮切りに今後全国で国主催のシンポジウムを開催しまして、公募であっても国が前に出て理解活動、広報活動、勧誘活動を行うということを考えてございます。
 最後の15ページでございますけれども、制度的な手当でございます。TRU廃棄物、分類で言うと低レベル廃棄物でございますけれども、極めて半減期の長いものを地層近くに埋める地層処分事業、これにつきましては、やはり高レベル放射性廃棄物と同様に国が責任を持って関与をするということがなければ、なかなか地元のご理解はいただけないだろうということで、制度上の、あるいは法律上の手当てをいたしまして、高レベル廃棄物同様国がしっかり関与をするというスキームにしようというふうに考えてございます。
 また、イギリスから提案のありました海外で再処理に伴って出ました低レベル廃棄物、TRU廃棄物につきまして、高レベル廃棄物と交換をして日本に持って帰ってくる。それを日本の中で処分をするということで、これも高レベル廃棄物の最終処分法を手当てをして、法的にも制度を整備したいというふうに考えてございます。
 以上が政府側のアクションプランでございます。
田中部会長
ありがとうございました。
 引き続きまして、関係する民間事業者の方々からのご協力も得て、官民一体となって進めていかないと、原子力立国計画の対応が実現できないことは自明でございますので、関係の団体から今回の報告を踏まえた今後の対応につきましてご説明いただきたいと思います。
 まず、電気事業連合会の取り組みにつきまして、伊藤委員からお願いいたします。
伊藤委員
ありがとうございます。原子力立国計画に対する電気事業者の取り組みについて、資料の3-1に基づきましてご説明をさせていただきたいと思います。
 この資料3-1は、私ども電気事業者としての原子力立国計画に対する取り組みの決意を示したものでございます。今回の原子力立国計画では、田中部会長をはじめ、関係の皆様方のほんとうに大変なご尽力によりまして、原子力政策大綱に示されました目標の達成に向けた課題とその対応策が示され、国、研究開発機関、事業者の役割が明確になったものと私ども高く評価をしております。
 電気事業者といたしましては、この原子力立国計画に示されました方向性の実現に向けて、着実に取り組んでまいる所存でございます。
 まず原子力への信頼の確保でございます。原子力利用を進めるには、何といいましても、国民と地域社会からの理解と信頼が不可欠でございます。私どもは原子力の安全な運用に万全を期すとともに、その透明性向上や広聴・広報活動の強化により、一層の信頼確保に努めてまいります。
 次に、原子力発電の推進についてです。原子力発電の利用拡大を図るためには、まず既設原子力発電所の持つポテンシャルを最大限に引き出すことが有効であると考えております。私どもの創意工夫が生かせるような規制方法が採用されようとしている中で、より高い水準の安全性を目指して運転保守高度化、高経年化対策の着実な実施に取り組んでまいります。
 また、国の政策面での環境整備をいただきながら、原子力発電所の新・増設に最大限努力をし、原子力政策大綱で示された目標の達成を目指してまいります。
 それから、原子燃料サイクルの確立でございますが、原子力発電所へのプルサーマル導入を進めつつ、再処理をはじめとする六ケ所原子燃料サイクル事業を着実に推進してまいります。
 次の放射性廃棄物対策の推進でございますが、高レベル放射性廃棄物の最終処分場確保のため、国及び原子力発電環境整備機構と連携して理解促進活動に取り組んでまいります。
 次世代軽水炉及び高速増殖炉サイクルへの取り組みですが、まず次世代軽水炉開発におきましては、電気事業者としてこれまで培ってまいりました原子力発電所の運転経験を活かしまして、具体的ニーズや優先度の提示などを行ってまいります。その開発に当たりましては、世界最高水準の安全性と信頼性、また、他電源や競合炉に勝る経済性等を有し、リプレースの際に積極的に採用できるような魅力ある炉を目指すことをお願いしたいと思っております。
 高速増殖炉サイクルにつきましては、ウランの利用効率が飛躍的に高まることなどによるエネルギーセキュリティー確保や、高レベル放射性廃棄物を削減できるといった環境負荷低減の観点から、将来軽水炉に代わり得る重要な電源であると認識をしております。これら技術は、革新的な技術システムの段階であり、実証プロセスを経て実用化に至るまで円滑に事業が進められるよう、原子力立国計画に示された課題を克服すべく、私ども電気事業者も役割を果たしてまいります。
 具体的には、当面、ユーザーの立場から引き続き高速増殖炉サイクル実用化戦略調査研究に協力させていただきますとともに、将来の実証プロセスへの円滑な移行を目的として設置された五者協議会に積極的に参画してまいります。
 それから、国際協力への取り組みでございますが、私ども電気事業者は原子力安全に国境はなく、世界全体の安全性向上に寄与していくことが、ひいては我が国のためにもなると認識しております。
 こうした観点からWANOの活動を通じて、運転経験の共有、あるいは、アジア諸国をはじめとする今後原子力発電を導入する国へのノウハウの提供などによりまして、世界全体の原子力安全の向上に貢献してまいりたいと考えております。
 最後に、人材の育成・維持についてでございますが、これまでお話させていただきました取り組みには、確固たる技術力の維持と、それを担う人材の確保・育成が不可欠であると考えております。これは言うまでもありませんが、人材の育成というのは一朝一夕にしてできるものではないということでございまして、現場における経験知をどのようにして伝承していくべきか、私ども電気事業者でもさまざまな取り組みをしてきております。
 私どもとしましては、今後ともみずから技術者の確保・育成に努めるとともに、メーカーさんや地域の方々とも連携しながら、現場技能者の育成と技術の継承に取り組んでまいります。
 また、繰り返しになりますが、安全・安定運転の実績の積み重ねが、社会から信頼される原子力であると認められることが、働きがいや生きがいのある、魅力ある職場の礎であるということを肝に銘じて努力してまいります。
 以上でございます。ありがとうございました。
田中部会長
ありがとうございました。
 引き続きまして、日本電機工業会の対応につきまして、齊藤委員のほうからお願いいたします。
齊藤委員
日本電機工業会から原子力立国計画に対する原子力メーカーの対応ということで、資料3-2に基づいてご説明させていただきます。時間もありませんので、キーワードを拾いながらご説明させていただきたいと思います。
 第1に、基本的な見解でありますが、地球環境に配慮しつつ、長期にわたり安定したエネルギーを確保していくためには、原子力に依存することは必須であり、今後ますますその重要性は高まるものと認識しております。このような社会的な要請にこたえていくためには、我が国の原子力産業全体が、国際競争力を持つ健全な事業活動を展開していくことが非常に重要であると考えております。原子力メーカーとしても、重要な社会的使命を有する原子力産業の一端を担っていることを十分に認識し、今後とも着実に事業展開を図っていきます。
 昨年10月に原子力政策大綱が策定され、また、今般、原子力立国計画として原子力の将来の見通しや政策目標、具体的な施策が明確にされたことは、大変有意義なことと評価しております。原子力メーカーとしましても、この「計画」に示された施策の実現に向けて取り組んでいく所存です。
 主要な施策への対応ということで、まず1番目に、既設炉の活用と計画的な新・増設プラント建設であります。
 メーカーとしましては、運転保守高度化や高経年化対策などを推進するために必要な技術開発を電気事業者と協力して進めていく所存です。また、新・増設プラントを着実に建設していく必要があり、このための環境整備を推進していただくことを期待します。メーカーとしましても、これらの新・増設計画に備えた準備を進めるとともに、これまで培ってきました高度な設計・建設技術を維持することに努めていきます。
 次のページ、次世代炉の軽水炉開発ですが、国としても次世代軽水炉を支援いただくことが打ち出されました。メーカーとしましては、電気事業者のニーズを確認しながら、国内外の市場を視野に入れ、次世代軽水炉の実用化を目指して開発に取り組む所存です。
 3番目、FBRサイクルの実用化であります。
 世界をリードできる技術開発を推進することが肝要であると認識しております。FBRサイクル早期実用化に向けた技術開発ロードマップを明確にして、関係者が共有できるようにするとともに、必要な開発資金を確保していくことが必要と考えます。メーカーとしましても、得意とする分野の開発や設計、製作、建設技術の維持に取り組んでいくとともに、五者協議に参画していきます。
 国際展開につきましては、各国とも国の政策との関係が密接であり、国の積極的なかかわりが不可欠であります。メーカーとしましても、国際競争力を持つ健全な事業活動を推進し、国際展開について積極的に取り組んでいく所存です。
 最後に人材育成であります。
 原子力産業は、メーカーだけではなく、機器供給メーカーや工事会社等、すそ野の広い産業であります。安全で品質の高い原子力製品を長期にわたり提供していくためには、安定した事業を展開できる環境が必要であります。新・増設プラントの建設が円滑に進められるものとして、メーカーとしましては上記の主要な施策への積極的な対応などを通して、人材確保とその育成、技術・技能の向上と継承に取り組んでいく所存です。
 以上でございます。
田中部会長
ありがとうございました。
 引き続きまして、日本原子力研究開発機構から対応につきましてご説明をお願いいたします。
殿塚委員
殿塚でございます。この原子力部会が開始されました平成17年の7月時点では、ご案内のとおり、そのちょうど1年ぐらい前から議論が開始された原子力の研究開発及び利用に関する長期計画、現在の原子力政策大綱のパブリックコメントも終わりまして、大詰めを迎えた時期でもありました。原子力政策大綱の議論中は、核燃料サイクルを前進するのか、やめるのかという、今までではタブーであったような正反対の検討や核燃料サイクルにかかわる怪文書等が出回るなど、我が国の中で原子力政策論議が大きく揺れた時代だというふうに思っております。1年余りに及ぶ活発な審議の結果、平成17年10月に原子力政策大綱として閣議決定され、原子力の基本政策として核燃料サイクル路線を基軸にした方向を確認するということが明確にされたわけであります。
 このような状況の中で、今般、原子力政策大綱をいかに具体的な施策とするのか、それを原子力立国計画として短期間のうちに取りまとめられたことは、田中部会長をはじめ各委員の熱心で精力的なご議論、また、これらを的確に取りまとめられた事務局の方々のご尽力のたまものであると敬意を表す次第でございます。
 本計画は核燃料サイクルの着実な推進とサイクル関連産業の戦略的強化、高速増殖炉サイクルの早期実用化、原子力人材育成、原子力産業の国際展開支援、放射性廃棄物対策等の具体的施策が提示されており、今後の原子力政策の推進に大きな一歩になることは間違いございません。特に技術開発で多くの部分を担う原子力機構としましては、身の引き締まる思いでありますとともに、原子力機構の有する技術や人材を最大限活用いたしまして、研究開発を加速し、実施することに加えまして、民間の軽水炉サイクルの事業推進に協力・支援していく所存でございます。
 また、財政健全化への取り組みとして、歳出歳入一体化改革が行われまして、研究開発予算にも限度がある中で、事業の選択と集中を行って、国民からの期待にこたえられるよう意欲的に取り組んでいく所存でございます。
 さらに、原子力機構は世界のセンター・オブ・エクセレンスを目指して、日本で開発した技術がグローバルスタンダードとして全世界に取り入れられるようにリーダーシップを発揮する所存であります。具体的には、お手元の資料3-3にございますように4点に重点を置いて対応してまいります。このためには、国、事業者、メーカー、大学等の関係機関のご協力、ご支援が必要でありまして、この場をおかりして改めてお願いをする次第でございます。
 以上であります。
田中部会長
ありがとうございました。
 続きまして、日本原子力学会の対応につきまして、事務局のほうからご説明をお願いいたします。
柳瀬原子力政策課長
それでは、ごく簡単に原子力学会からこの間の部会としての案をまとめた後に、原子力学会が相当これに関係をしているということで、対応をまとめていただいて、事務局にご提出をいただきましたので、せっかくでございますのでポイントだけご紹介をさせていただきたいと思います。資料3-4でございます。
 この原子力立国計画に対しまして原子力学会の対応といたしまして、4点ほどいただいてございます。
 1つは、原子力利用に係る標準策定活動ということで、延べ700人の専門家に参加いただきまして、信頼性の高い標準制定を進めていかれる。これは特に国際標準化ということを考えると極めて重要なことだということで、国際展開にも有意義だということでございます。
 2つ目の柱に、原子力人材育成・教育に係る活動ということで、原子力学会の会員の方、教官の方、そういったところが教育委員会、そういったところとも情報交換をしまして、重要な役割を果たしていかれるということでございます。
 1枚めくっていただきまして、2ページ、厚みのある国際協力関係を構築するための活動ということで、中ほどにございますけれども、国際原子力学会協議会あるいは環太平洋原子力協議会の中で活動されるのみならず、実際に9カ国、フランス、カナダ、アメリカなどの原子力学会と協力協定を締結して、学会レベルの交流を図るということで、これは原子力部会の中で国際展開といったときにも委員の方からご指摘がありましたけれども、学会レベルからの協力関係を構築しないと、なかなか基準策定、そういったルールメーキングで世界で優位に立つことは難しいということで原子力学会にお願いをし、こういう対応をとっていただいているわけでございます。
 さらに、2ページ目の下でございます地域に根ざした支部活動ということで、これは広聴・広報の一環だと思いますけれども、それぞれの地域で講習会、講演会を開催していただいているということで、あるいは学生、子供相手にオープンスクールもやっていただいているということで、こういうことをさらに原子力立国計画を踏まえて加速していただくということでございます。
 以上でございます。
田中部会長
ありがとうございました。何点かについてアクションプランあるいは民間等からの取り組みについて説明いただいたところでございますが、何かご質問とかご意見がありましたらお願いしたいと思いますし、また、同時に先ほど認めていただきました原子力立国計画につきまして、もし何か感想等もありましたら、お聞かせいただいても結構かと思いますが、いかがでしょうか。
 まず木元委員、お願いいたします。
木元委員
ありがとうございます。感想は皆さんそれぞれお述べになったとおりで、私もこの原子力立国計画のこの報告書は、今までお手伝いさせていただいた中でも、刮目すべきものであるという感触を持っております。原子力政策大綱を踏まえて、ちゃんと具体的な方策をここに示されておりますし、それからまた、新・国家戦略が出た中で、「原子力は、こうやるんだ」という覚悟が非常に明快に出ておりまして、報告書も一生懸命読んでいきますと、なかなか重みがあると感じております。それだけに国も事業者も、もちろんメーカーも、そして、立地地域の方々も、そして国民もそれぞれに責任があることを感ずる思いがするわけです。
 その評価は確かなものとして、1つだけきょう申し上げさせていただきたいのは、さきほど事業者の方を中心にご報告、原子力学会のコメントもそれぞれありましたけれども、実は以前から申し上げていることで、またここで蒸し返すようですが、ちょっと申し上げさせていただきたいのは、電事連には大変恐縮ですけれども、電事連でお使いになっている言葉は「原子燃料」なんですね。ですが、国の政策もメディアも「核燃料サイクル」と、このシステムについては名付けています。でも、電事連がお使いになっている資料、それから電力の中で使われているのは、過去の事情も存じておりますが「原子燃料サイクル」という言葉なんです。
 そうしますと、広聴・広報の立場から言いますと、民間の方々に「核燃料サイクル」のご説明をいたします。その後で、電力の方が「原子燃料サイクル」と言われる。すると、核燃料と原子燃料とどう違うんですか、同じものならどうして一緒にならないんですかというご質問が来るわけですね。
 せっかく今、原子力立国計画ができて、方向が示されたときに、やはり「核燃料サイクル」と言おうというような形にはならないのか、という気持ちが私の中に残るわけなんですが、このままでいくのか、それともいずれ時期が来たら、「核燃料サイクル」に統一するとか、あるいは核燃料を原子燃料にしてもらいたいということになるのか、その辺がモヤモヤしておりますので、きょう最後ですし、質問させていただきます。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
田中部会長
ありがとうございました。感想プラス質問なんでしょうか。後でまたお答えいただきたいと思います。
 続きまして、神津委員、お願いいたします。
神津委員
ありがとうございます。すばらしい会に参加させていただいて、勉強させていただいたことを感謝しております。
 さて、ここから先はアクションプランの遂行と実行という、そういう課題に絞られてくるだろうと思うんですけれども、その中で1つ意見と1つ質問をさせていただきたいと思います。
 1つは、人材育成の部分なんですけれども、次世代の研究者あるいは技術者を育てるということで、文科省との連携で大学とか研究機関であるとか、そういうところに重点的にやっていこうということは非常に結構なことだと思うのですけれども、私はそれと同時に、相反する2つの方向から、ちょっとマクロ的な部分とミクロ的な部分と両方からのアプローチも必要なのではないかなというふうに感じています。もちろん大学、研究機関というところが中心ではあるんですけれども。
 というのは、1つは、やっぱり若い人というのは、世の中の、まあ流行とか風潮とか時流とかという言葉だけでくくるのはなになんですけれども、今はITだと言われればIT、バイオテクノロジーだと言われればバイオテクノロジー、ナノテクだと言われればナノテク、ユビキタスの時代だというふうに、何かそういうのがあれば、そこへ人は流れていくわけですので、これは若い人は非常に敏感で、それを先取りしながらやっていくわけで、そういうイメージや流行をつくるとか、膨らませるということにそぐうような性格ではこの原子力というのはないとは思いますけれども、これまでの低迷というのを見ていると、そういう部分のアプローチというのも非常に薄かったのではないかなという、イメージという戦略的なことではないですけれども、そこの部分は非常に手が薄かったのではないかなというふうに感じているので、そこの部分、そういうマクロ的なというか、ふんわりとした部分でのアプローチというのも決しておろそかにはできないのではないかというのが1つ。
 それと逆さまに、非常にミクロ的なことなんですけれども、例えば日本的なものとか、和的なもの、日本の固有文化を守ろうとか育てようとか、伝えていこうとかということを言うと反対する人というのはほとんどいないわけで、歌舞伎も大切、能も大切、日本画も大切ということは皆さんおっしゃるんですけれど、そのときに歌舞伎役者を、能楽者を、日本画家を大切にするということは考えるんですが、衣装をつくる人やら、面をつくる人やら、笛をつくる人やらというところまで考えているかというと、なかなかそうではなくて、ちょっと変な話で恐縮なんですけれども、例えば日本画一つとってみても、日本画家と名のる人はたくさんいます。ただ、ご存じかどうかわからないですけれども、今東京で日本画の専門の紙を扱っている店というのは3軒しかない。絵の具に至っては2軒しかないという現状があります。別に文科省の方がいらっしゃるからってそこに予算をつけてくれという話じゃないんですけれども、つまり、ある私の友人の日本画家が言っていたのは、日本画家は残るけれども、道具がなくなってかけなくなる時代は来るだろうというような言い方をする人がいます。
 そういう観点から考えると、私はこういう一つの学問、科学であっても、そこのミクロ的な部分のものを下支えしていく何かというものを頑張ってつくっていかないと、文化はまあなくなりゃなくなったでいいやというところもないわけではないですけれども、技術や知識というものは一度なくしてしまうと、やはり取り返しがつかないという部分もあるので、私はそういう部分に至るまでやはり目を配るということが、ある意味で国の仕事なのではないかなというような気がしております。これが1点。
 もう一つ簡単になんですけれども、アクションプランの3ページのところに、より実効性の高い検査への移行という部分がありまして、これは先ほど柳瀬課長が2008年を目途に新しいシステムのほうに換えていくと。定期検査なんかのありようを見直すということだと思うんですけれども、これは安全の確保は当然ながら、立地地域の雇用でありますとか、いろんなこととやっぱり関係してくると思うので、実際に遂行していこうとすると、かなり大変な部分も出てくるのではないかと思うのですが、そこでこの8ページとくっつくんですけれど、新しいモデルとして原子力を支える人材の育成ということで、いろんな地域で新しいモデル事業を展開なさる。こういうものとそことはくっつくのかなというのを、ちょっと国側にご質問をしたいことの1つ。
 そして、それは伊藤委員のほうになりますけれども、電気事業者のほうで何かそういうことについて具体的に定期検査のありようを見直していくときに、地元との関係で考えていらっしゃることがあるのかどうか。それは同時に、日本電機工業会のほうにも何かそういうようなお考えがあるのかどうかというところを、ちょっと簡単に教えていただければと思います。
 以上です。
田中部会長
ありがとうございました。
 質問は後でまとめて答えていただくことにさせていただきまして、続いて長見委員、お願いいたします。
長見委員
資源エネルギー庁のアクションプランの最後のところに、ちょっと要望があります。一番最後のページに、この報告書の周知についてというのがありますが、これをぜひ、全国行脚も大事なことですけれども、全国の大学、高校をはじめとして、各地の図書館に寄贈していただきたいと思います。そのときにはできたら、白表紙の殺風景な報告書でなく、ほかの原子力関係の、まあ反原発のほうも含めて入っている書架に並べて置いてもらえるような体裁のものにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
柳瀬原子力政策課長
確かに白表紙だと読む人が限られるのと、散逸してしまうという問題がありますので、きょうおまとめいただければ、ぜひ製本にして、普通の出版物、普通に本屋で買える本の形にしたいと思ってございまして、そうしたときには、今、長見委員から貴重なご意見をいただきましたので、全国の図書館への配付とかもちょっと考えてみたいと思います。
田中部会長
ありがとうございました。
 続きまして、末次委員、お願いいたします。
末次委員
数えてみましたら、この原子力立国計画のアクションプランは、19の大切というので、テーマは絞っても19ある。これまでくるのに大変な努力だったと思いますが、総じてこれらは中長期性、戦略性が強いものだと思います。その方向性については、皆さんの努力で大変いいものができた。社会的なメッセージとしても大変強力だと思います。
 ただ、19の大切、19のアクションプランは、原子力部会のこの1年余、新しいタイプのエネルギー危機、あるいは国際秩序の異変、異常な事態の異変の中で形造られた。しかるに19の大切の中の多くが中長期的なネイチャーを持っている。言ってみれば実施が1~2年おくれてもこの政策の評価、成果というものはそんなに悪評を受けるようなものではない。しかし、今の社会情勢、国際情勢は、今日の危機に対する危機管理も求めている。
 そうすると、エネルギー政策の中で日本が持っている唯一のセキュリティーカードである原子力、これのあり方を論じた原子力部会の最終的な報告には、当面の危機管理対応も十分に含んでいるはずである。きょうから、あしたからこのテキストに沿ってポリシーアクションがとれるということを確認しておいたほうがいいだろうという感じがするんです。
 その1つは、非常にバッドシナリオですけれども、イランとアメリカがお互いに落とし穴にかけるような対決が進んでいる。日本はイランに15%も原油を依存している。国家的な資産であるイランにある油田、ガス田の開発がかかわってきたときには、大変なことになってしまう。そうすると、大変なエネルギー危機の局面になる。そのときにこそ、原子力発電の真価が問われる。原子力発電の設備利用率を1%上げるだけで、3.6億キロワット・アワーの電気を発電します。70億キロワット・アワーの電気をLNG火力で作ろうとすると、100万トンのLNGが必要です。原子力の利用率を20%上げればLNGを100万トン以上も節約できる。
 原子力部会をやって、大変パブリックアウェアネスを改善したと思いますけれども、原子力発電所の平均的な稼働率は70%から1%も上がっていない、横ばいなんです。一番原子力発電の真価と役割が問われるときに、こういう状況である。今回つくり上げたアクションプランでどこのところに、それに対応する手当てがあるということを、パブリックリレーションすべきだと思うんです。
 アクションプランのページ3に原子力発電所の適正な検査、これを求めようということをあえて書いてある。適切だと思います。しかし、これは原子力部会報告が持っている一番のウイークポイント、政策立権と安全の規制、保安立権、この2権分立の重複領域にかかわる問題である。原子力部会報告書で触れられていますけれども、危機管理がこのアクションプランにも入っていることから言えば、方法論としては、やはり少し弱いのではないか。ぜひアメリカ、韓国、ヨーロッパ諸国が今でもやっている原子力発電設備の平均設備利用率85%、韓国なんか94%ですが、少なくとも今の危機管理策としては、原子力発電所を欧米並みに動かすべきではないか。業界の代表はポテンシャルの活用とおっしゃったけれども、ポテンシャルじゃありませんよ、これはリアルキャパシティーですよ。それが眠っているわけです。政策次第ではいくらでも動かせるわけですから、これをぜひ重要なアクションプランの一画と再確認をして、あしたからではなくて、きょうからアクションをとるべきものであると思います。
 以上です。
田中部会長
ありがとうございました。
 山地委員、お願いします。
山地委員
ありがとうございます。私もアクションプランについて述べさせていただきたい。今ちょうど末次委員がおっしゃったことと多少かぶさる話です。内容については、原子力政策大綱を受けて具体的な展開をされているということで、項目としてはよろしいんですけれども、まあ書きにくいかもしれませんけれども、説明の中でやっぱりプライオリティーというんですかね、短期的、喫緊の課題というのと中長期的な課題、やっぱりそれがあると思うので、そこの仕分けがある程度説明があってもいいんじゃないかと思います。
 基本は、総発電電力量の中での30~40%プラスアルファという原子力比率を、長期的にも維持するということ。これが軸だとして、これはブレないにしても、身近なところから言えば、今話があった利用率のところがあって、やがてリプレースの話があって、それから、燃料サイクル、FBRというふうなところに行くんだと思うんですけれども、その喫緊の課題と中長期的な課題の仕分けがある程度されてもいいんじゃないかというふうに思います。
 私はその点では、例えば財務リスクに対する対応、特にリプレースとか新・増設への支援を具体的に書いてあることは結構だと思います。
 それと、前半のところで幾つか話が出ましたけれども、人材育成、人材育成というと、すぐ教育とか研究とか、そういうところへ、あるいは産業界のメーカーの人とかという話になるんだけれども、技能者のところに注目されたのは非常に現実的でいいと思うんですね。しかし、そういう短期的なことから、より長期的にもっとすそ野の広い人材育成もしなきゃいけない。そのあたりのちょっと短期の喫緊の課題と、中長期の仕分けが不十分かなということを感じました。ある種めり張りをつけて展開していただきたいということです。
田中部会長
ありがとうございました。
 中島委員、お願いします。
中島委員
ありがとうございます。全体的な感想ということになろうかと思いますけれども、小委員会を含めると延べ26回にわたるというふうにお聞きしておりますけれども、この間、精力的な取り組みをいただきました田中部会長をはじめ委員の皆様、そして事務局の皆様のご努力にまずは敬意を表したいというふうに思います。
 その上で、私なりの受けとめでは、本報告書につきましては、中長期的にブレない政策の上に立って、国がまた一歩前に出て原子力を推進する、そういう姿勢が示されているのではないかということで、原子力職場に働く者にとりまして、原子力政策がさらに安定化を増したものだというふうに受けとめております。
 加えて、政府側のアクションプランも提示していただいたことで、政策の具現化への信頼性が出てきたのではないかということで、安心して職務に邁進できるというふうに考えているところでございます。
 私どもの電力総連は、数多くの組合員が原子力発電所ですとか、再処理工場などの原子力職場で働いているわけでございますけれども、ここに示された政策目標の達成には、そこに働く者の意欲と行動が大変重要ではないかというふうに思っております。そして、果たさなければならない役割、それは大きいというふうに自負しているところでございます。職場には幾つもの課題があるということも事実ではございますけれども、労働組合として実態をきちっと把握し、課題をくみ上げた上で、その解決に向けて最大限の努力を払って、働きがい、やりがい、そういったものの持てる職場をつくっていきたいというふうに考えているところでございます。安全確保を最優先にしまして、原子力職場がさらに魅力があって、やりがいの持てるような取り組みをしてまいりたいというふうに考えております。そのことが、地域の皆様からの信頼にもつながろうし、安心・安全という社会の要請にもこたえられるのではないかというふうに考えているところでございます。
 精いっぱい努力してまいりたいと思っておりますので、引き続き皆様方のご指導をお願いしまして、感想というふうにさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
田中部会長
ありがとうございました。
 秋元委員、お願いいたします。
秋元委員
立国計画への感想は前回申し上げましたので、きょうアクションプランをつくっていただいた、これに対してのお礼を申し上げたいと思います。先ほど殿塚さんからもお話がありましたけれども、ほんとうに2、3年前のことを考えますと、よくここまで来たなという、ほんとうに感無量な感じがいたします。
 特にこのアクションプランの中で、現在手がつけられるような具体的な政策とか予算措置というようなものをかなり具体的に浮き彫りにしていただきまして、この政策をこうやって進めていくんだよという絵が、我々からもかなり明確に見えるようになったという面で、この立国計画だけでもかなりすぐれたものだと思ったわけですけれども、このアクションプランをさらに加えてくださったということで、この報告の持っている意味がさらに明確になってきたなというふうに思っています。
 その上で、ちょっとどちらかというと、ないものねだりになるのかもしれないのですけれども、感想を申し上げますと、確かにいろいろなアクションが出ておりまして、特にフロントエンド、ウラン資源から核燃料に至るまでのところにつきましては、かなり具体的に、例えばウラン資源の開発への措置であるとか出てきているわけですけれども、それに比べるとバックエンドの側については、まだアクションプランへの準備といいますか、いろいろな委員会の立ち上げ、いろいろやっていこうというようなことについてはかなりきちっと書いていただいているわけですけれども、例えば再処理をこれからやっていく上で、技術の継承をどうしていくんだろうか、あるいは対外協力をどうしていくのかというような、そういう具体的なところになると、フロントエンドよりは少しぼけているのかな。これは日本が置かれている現時点がそうなので、仕方がないと言えば仕方がないんですけれども、一方で、我々GNEPや、あるいはエルパラダイのIAEAなどで核燃料サービスの供給国のほうに入れていただきまして、これからそういう面では非常に国際的にも貢献できるわけですけれども、やっぱり供給国としてこれからやっていくという面でいきますと、フロントエンドの整備も非常に大事ですけれども、バックエンドでどこまでサービスができるかというようなことが非常に大きな問題になっていくのかなという感じがするわけです。そうしますと、やはり原子力政策大綱に書いてあるように、例えば2010年まで第二再処理の問題はちょっとそのまま置いとくというようなことだとやはり間に合わないと思いますし、そこらのところの再処理その他のバックエンドをどうやっていくかというのが一つの問題なのかなという感じがしています。
 ただ、高速炉のサイクルのところで、この再処理の問題を取り上げていただきました。この資料の2-2ですか、この間の五者会議の議事録の中でも、今度の高速炉の検討については核燃料サイクルを検討の対象に加えるんだということを明記していただいていますので、このところで、今申し上げたような再処理のあり方というようなことについてまずご議論をいただくことは非常に具体的でいいんじゃないかなという感じもしています。
 そのときに、これから考えていく上で、今までの海外のいろいろな流れを見てみますと、これから高速炉再処理の中では、例えば低除染プロセスというようなものがかなり浮き彫りになってくるんだろうと。プロセスを選んでいく中で、遠隔操作、遠隔燃料加工をやらなければいけないような方向へ今全体が流れているわけですけれども、よく考えてみると、プロセスについてはある程度アイデアはあるんだけれども、それを実際にやっていく遠隔操作のエンジニアリングはどこまでサポートされているのかなというと、これもまだ実は絵にかいたもちで、だれもまだ経験がないというようなところがある。
 そのプロセス検討をしていく上で、やはりエンジニアリングの研究といいますか、経験も、これはぜひ積んでいかなければいけないことなんだろうなという感じがします。具体的には、例えば燃料遠隔加工を、プロセスとしては可能だとしても、それがほんとうにエンジニアリングとして可能かどうかというようなことは、例えば高度モックアップ試験のようなことをやって確かめていかなきゃいけないかもしれない。
 そういうような面の、具体的なバックエンドでやっていかなければいけない目標というようなものを、ひとつこれからの検討の中でお考えをいただければ大変ありがたいと思います。
 それからもう一つ、先ほど神津さんからのお話で、目に立たないインフラのところに目を注ぐ必要があるというお話が出てきました。私もまさにそうだと思っていまして、これから日本の中で原子力がほんとうに社会に定着するためには、そういうほんとうに目につかない深層心理みたいなところにまで手をつけなきゃいけないだろう。やっぱり今一番私も気になっているのは、低レベルの放射能についての放射線影響の問題ですね。こういった問題について、かなり世間の誤解も多いわけですし、あるいはまた誤解を招きかねないような番組も結構あるというようなことがありまして、これらのところの正確な理解がされるような研究開発、広報活動ということは、原子力直接のプロジェクトではないですけれども、そういうようなものにまで目を配ってやっていって、ほんとうに社会の人たちが原子力について安心をしてもらえるような環境をつくるということも大事なことなのかなという感じがいたしておりまして、これはこのアクションプランの中でこれからいろいろ進めていただけることだと思いますけれども、蛇足になったかもしれませんが、意見として述べさせていただきます。
田中部会長
ありがとうございました。
 若干時間も押してございますから、あと4名の方から質問とご意見をいただきまして、それに対して、もし必要があれば事務局から答えていただき、その後で、先ほどちょっとペンディングになってございますけれども、タービンの件についてご説明いただけたらと思います。
 まず、山名委員、お願いいたします。
山名委員
ありがとうございます。アクションプラン、たくさん項目がありますが、ここに書かれていない点で、今後柳瀬課長のほうでどうお考えか見解を伺いたいということが1点ございます。
 それは、原子力発電のコスト評価というものを今後どうやっていくかという点であります。コストについては、電気事業分科会でのコスト検討委員会の結論と、それから政策大綱のときの原子力委員会のもとで行った核燃料サイクル全体を含めてのコスト評価の最新のものがございます。
 ただ、我々、こうして路線を決めますと、今後、いろんなコストをめぐる環境が逐次変わっていくだろう。それは事業の進展、あるいは技術的な進展、あるいは廃棄物の問題のような未確定な問題が明確になっていくというような問題、それから火力発電のほうの燃料費が非常に大きく変動している。それから、原子力を取り巻く国際状況が、GNEP、核不拡散、それからウラン資源の買い付け競争なども含めて刻々と変わっていくだろうというふうに思われるわけです。
 きょうお配りいただいたアクションプランの中でも、特に原子力の外部経済性を可視化していこうという重要な取り組みが入っておりまして、この中には環境面での効果、それからエネルギー安全保障、供給安定性の効果、そういったものを可視化していこうという動きとコストが非常に強く関係するというふうに思います。
 2010年ぐらいから政策大綱ではまた今後のことを再度考えようというふうになっておりますが、そこに至るまで、最新の状況に基づきながら、コストというものを常に正確にアップデートして評価するというアクションがいずれかのところで要るのではないかというふうに考えます。2010年になって慌ててまたやるというよりは、例えば定期的にコストを評価するとか、最新の状況を整理するというようなコストにかかわるアクションがあってもいいのではないかというふうに思うわけでございます。もしこの点について何かお考えがありましたら、お聞かせいただければ幸いです。
 以上です。
田中部会長
ありがとうございました。質問の何点かにつきましては、後でまとめてお答えいただけたらと思います。
 次に、児嶋委員、お願いいたします。
児嶋委員
ありがとうございます。アクションプランを読ませていただいて、幾つかの部分で私自身が提案したことがたくさん盛り込まれていることでほんとうにうれしく思っております。いいプランができたと思っております。
 しかし、1つだけ抜けているといいますか、これはおそらく書けなかったからだろうと思いますが、この部分について今後も検討が必要なのではないかと思う部分を指摘したいと思います。それは電源特会のことであります。この電源特会については、私もこの場で一回か二回申し上げたと思いますけれども、電源特会というのは、いろんな考え方があるかもしれませんが、私自身は電力産業が絞り出した汗であるというふうに理解しておるんですが、これまで電源特会についての配分については、いろんな配分のあり方についての議論があったと思いますし、ある種の既得権のようなものもあるかと思いますが、今後はもっともっと選択と集中といいますか、あるいは将来の開発につながるような財源であるべきだというふうに考えております。
 そういう意味で、この電源特会についての配分について、これは経産省と文部科学省と両方が協議して、そして、あり方について将来へつながる財源になるようなことを検討していただく必要があるかと思います。その部分、ここのアクションプランにはなかなか書きにくかったと私は思いますけれども、その点が今後の課題ではないかというふうに考えております。
 それは、例えば五者協議会、こういうところでの予算の配分の問題、予算獲得の問題、それとも絡んでくるかと思います。いずれにしろ、経済産業省が文部科学省と手をつないでいろいろこれからやっていただけるような体制ができたことを大変うれしく思っておりますが、特に電源特会のことだけ将来の検討課題ではないかと思っております。
 以上です。
田中部会長
ありがとうございました。
 内山委員、お願いします。
内山委員
どうもありがとうございます。私もこのアクションプランは大変よくできていて、これをほんとうに実効あるものにしてほしいなというふうに思っております。といいますのは、中長期的にこれがブレないということが原子力立国計画の最初に書かれておりますので、そういう点で一つ私のお願いは、確かにアクションプランはあるんですが、ある時期で定期的に、プランというのは必ず実行に移し、そしてまた、いわゆるPDCAですね、それが繰り返されないと実効あるものにならない。すなわち中長期的にブレない確固たるものにならないわけですので、やはりそういうある程度評価する問題をどこかに入れてもらえないだろうかということでございます。
 でないと、これでアクションプランができた、はい、それでおしまいというような、何となくイメージが強くなってしまって、ほんとうに中長期的にブレない形で済むだろうかというやや不安がありますので、ぜひどこかにそういったものを入れていただければというふうに思います。
田中部会長
ありがとうございました。
 最後になるかもわかりませんけれども、植草委員、お願いいたします。
植草委員
私は中部電力の浜岡5号、先ほど河野委員が指摘された問題について、報告を聞いて意見を述べたいと思っていましたが、ほかで会議がありまして、その時間までいられませんので、この点について私の考え方を一つだけ申し上げます。
 その前に、前段といたしまして、皆さんご指摘のとおり、この報告書は大変よくできていると思います。その中でも私のような研究者の立場からしてみますと、この報告書は、日本の原子力政策史、原子力技術開発史、原子力産業史、電力産業史の中で画期的なものだと評価いたします。これまで原子力に対して非常に逆風が吹く中で、大変苦しい中でこういうものができた。初めてフォローの風の中で非常に大胆なものが出たんですが、この新しい画期的なものがどう生きるかということが今後の課題です。その場合に、アクションプランが出たのも、これは大変に評価していいと思っていますが、少しシニカルに申し上げれば、電気事業連合会等に何か期待の表明のようなことを強いたのは不要ではなかったか。政府の政策がきちんと出されること、そこが大事でありまして、何か親が子に強要したような雰囲気がありまして、私には不快でした。
 実は、日本の原子力の最新鋭の浜岡5号と北陸の志賀2号の日立のタービン事故、この報告書が出る段階でこういう事故が起こったことはまことに残念です。また、日立のこの技術については、世界的にも非常に評価されてきたもので、このようなことが起こったことは残念です。その原因究明と今後の対策については十分にやっていただきたいのですが、傷ついた人にむち打つようなことはしたくないと私は思います。私の観点から言えば、日本の原子力産業が国際的に見て一番特徴的だったのは何だったろうか。私は民間主体でここまで進んできたことだと思います。もちろん政府の役割もありました。しかし、民間がこれだけ主導してきて、原子力をこれだけ発展させた国はないと私は考えます。
 そのような中で、特に電力産業と、それから機器メーカー、プラントを含めたもの、その他原子力の幅広い産業との企業同士の非常に連携のある協力関係のもとで技術開発も進み、運転も進んできたと私は評価しています。
 ところが、最近、ここへ来て、その関係がぎくしゃくしていると思わざるを得ない。それはどういうところに原因があるのかというのは、軽々には言えないのですけれども、今度の事件を通じて、電力業界とプラントメーカーの間の関係が一層悪化するということはぜひ避けるべきです。新たな協力関係をここで再構築することを考えなければ、国際競争力も何も培うことはできないと私は考えます。
 さらに深く考えてみますと、発注者と受注者の関係というのは、国際的に見ると日本が一番すぐれているとよく言われますね。電力業界においては、発注者である電力事業者が受注者であるプラントメーカーからさまざまな原子力、広い意味での原子力産業に対して非常に指導的な役割を果たしてきたわけです。その指導的な役割が最近薄れていると私は感じます。同時に、機器メーカー等に対して信頼感を置いていますけれども、協力関係が薄れているというふうに考えますので、もう一度発注者たる電力業者は、今後、どのような関係で発注をしたらいいか、どういう精神で発注したらいいか、そして受注者はそれにどうこたえたらいいかということを考え直していただきたいと思います。そういう点では、新しい原子力産業のあり方というのを含めて考えていただきたいと思います。
田中部会長
ありがとうございました。
 タービンの件については、後でまた説明いただきたいと思いますけれども、今何点かアクションプラン等につきましていろいろと質問、あるいはコメントいただいたことがございますけれども、何か質問に対して答えるべきところがございますか、事務局のほうで。
柳瀬原子力政策課長
ごく簡単に実効性の高い検査への移行と地域の雇用、それから人材育成、もちろんリンクすると思いますけれども、実際どういうふうにリンクしていくかというと、多分運転中の保全を取り入れていきましょうということでございますので、仕事が、今まではとめている、定期検査のときに集中していたのを、運転している期間の保全業務が出るので、ある程度平準化をしていくということを期待しているわけでございまして、そうなったときに、保全する技術のノウハウをどういうノウハウで、それをどうやって現場の技能者の育成プログラムの中に入れていくか、そういうことになっていくのではないかと思っていまして、ご指摘の問題点はおっしゃるとおりで、今後いかに人材育成プログラムの中に織り込んでいくかということではないかと思ってございます。
 それから、コストのアップデートでございますけれども、このコスト分析をやったりした電気事業分科会の報告書の中では、コスト分析は定期的にやるのではなくて、前提が大きく変わるような事態になったときにやるということでございますので、また、今、燃料費の変動などいろいろ動いてございますので、こういうふうな大きく質的に変わるような事態になったというというときに必要に応じてやっていくということではないかと思いますので、いつごろやるかというのは、また引き取らせていただいて、事務局のほうで検討させていただきたいと思ってございます。
 それから、電源特会の配分の問題につきましては、担当課長から。
後藤電力基盤整備課長
電源特会の話でございますけれども、もうご承知のとおり昨年来の特別会計改革、今年は歳入歳出一体改革というような流れの中で特会をどうするのかということをずっと議論させていただいてございます。
 昨年の状況を申し上げれば、石油特会と一緒にし、電源特会の今お話がありました電源開発促進税を従来の直入構造から一般会計経由にして財政規律を保つ、それから両特会の重複を省くということで特会のスリム化をするということになってございますが、そのときの議論でも出てきましたように、電源開発促進税の課税目的を踏まえて電源特会は活用していくということでございます。課税目的というのは電源開発、それから、その電源地域の振興ということでございますので、今、児嶋先生からもご指摘があったように、電源の開発といっても中心は原子力でございますので、原子力の振興にしっかり使っていきたい、そういう意味では文部科学省ともしっかり今後の特会改革についても手を取り合いながら、しっかりとわきを締めてやっていきたいと思いますので、ご支援、ご指導いただければというふうに思います。
柳瀬原子力政策課長
最後に、今回の政府のアクションプランと並行して産業界側に意見の表明を出していただいた点でございますけれども、これは何か強要するとか、そういうことをするのが今までの誤りの歴史だったというふうに思っていまして、もともと電力業界と経済産業省の間が何を取って何を取られるかとか、そういう駆け引きみたいな議論が横行していたのがいろいろサイクルをめぐっていろんな話がおかしくなった根本だと思ってございまして、今回、原子力部会を始めるに当たっても、やはりメーカーさん、電力さんとの話は、そこのところで率直にちゃんと話し合うことにしましょうよというところが発端でございましたので、今回総ざらいをしてコミュニケーションを復活させて徹底的に議論した上でビジョンを共有しましょう、その上で国が全面的に前に出るようにしましょう、その際には民間の自主性を最大限尊重しましょう、こういうことで整理をさせていただいたと思っているわけでございまして、そこの自主性を受けた形でビジョンを共有し、お互いそれぞれやっていくことをやりましょうということでございますので、自主性を持った電力業界、メーカーさんのほうでどのように対応されるかというのを、あわせてご発表いただいて、全体として原子力立国計画が実現をしていくというふうに思ってございますので、どのように今回対応されるかということについてで、一切政府がどういうことを言ってくれとかいうことではございませんで、自主的にどういうことをされるかを言っていただいたということでございますので、強要するとか、そういうことでもないと思いますので、誤解なきようにということでございます。
田中部会長
ありがとうございました。
 さまざまなご意見をいただきましたけれども、アクションプランにつきましては、国のほうにおいて今後の具体的な取り組みを検討するに当たりまして検討させていただきたいと思いますし、関係団体の皆様におかれましては、本日ご承認いただいた取り組みをちょうど今柳瀬課長が言ったような趣旨でもってしっかりと進めていただきたいと思います。
 それでは、先ほどペンディングになってございましたけれども、タービンの件につきましてご説明いただきたいと思います。
 じゃ、伊藤委員のほうからお願いします。
伊藤委員
浜岡5号機のタービンの停止につきましては、ほんとうに皆さんに幅広くご心配をいただいておりまして、まことに申しわけなく思っております。ただ、電気のこの夏の供給から言いますと、もともと私どもは12%ぐらいの予備力を持っておりました。この5号機の出力は私どもの全体の供給力からしますと5%にも満たない供給力ですので、これが停止したとしても、予備の火力を立ち上げること等によりまして、この夏も8%ぐらいの予備力を確保できております。いずれにしろ供給については、万全を期していきたいと考えております。
 さて、今回の件は6月の半ばに起こったわけですが、原因については、これは日立さんのほうと協力して現在究明中でございまして、今しばらく時間がかかるのではないかと思っておりますが、まず今回の事象について少しご説明させていただきたいと思います。今回はタービンが運転中に振動過大というのを自動的に検出しまして、設計どおり、自動的にタービンが自分を守るために停止したということでございます。タービンのこの仕組みは何も原子力特有のものではなくて、昔から火力にもある仕組みでございます。何らかの関係でバランスが崩れて振動が大きくなると、そのままにしておきますと、どんどん振動が大きくなって、場合によると壊れてしまうということがあるものですから、まずそれをしっかり検出して、自分を止めるというのが基本でございます。
 ちなみに私どものタービンは、全部で4つのタービンが全部同じ軸につながれており、700トンくらいの重さがございまして、一番大きいところは直径5メートルぐらいあります。これがふだん1ミリの10分の1もないような振動で回っております。つまり、ものすごく重く、ものすごく大きなものですが、極めて精密な機械ということでありまして、これがわずか1ミリの何分の1かの振動を検出して自動的にきちっと止まったということであります。
 それから、タービンが止まるということは蒸気の行き場がなくなるわけですから原子炉も自動的に停止して、安全に止まったということで、放射能の漏れも一切ありませんし、人もだれもけがもしていないということで、極めて正常に機能が作動したということでございます。これも長年火力で培ってきた技術がそのまま生きているということで、決して原子力特有の問題でも何でもないということであります。
 現実に何が起こったかといいますと、タービンというのはご案内のとおり羽根車でございますが、羽根車1段に、これは段によって違いますが、100枚以上羽根がついておりまして、全部で数千枚の羽根が取り付けられております。羽根が取り付けられている1つの輪っかを1枚としますと、これが56段つながっていまして、このうちのある特定のところだけに問題が起こっております。つまり、あちこちで訳も分からずに起こっているのではなく、特定のところだけに起こっているということ、これが特徴でございます。ということは、非常に特定された原因があるということです。
 それから、タービンをあけて中を見てみますと、どういう事象が起こって壊れたのかというのは、専門家が見ればわかる話です。機械が壊れるのは、いろんな壊れ方があるわけでありまして、無理に引っ張って引きちぎれたとか、物がボーンと当たって衝撃で壊れたとか、いろんな壊れ方があるわけです。今回の件は、疲労で起こっているということがわかってきています。しかも、ある段特有ということです。
 ここまでわかってきますと、あとは何でそれが起こったかということをしっかり究明すれば、対策がしっかり立てられるということでございまして、むしろこの辺は日立さんからのご説明がいいかと思います。今そういう段階でありまして、手順を追って解析し、あるいは必要に応じてモデルをつくり、そしてそれを回してみるということで、順番に手順を追って原因究明に当たっている、こういう状況でございます。
 ちなみに、こういうことは今まで経験したことはないかといいますと、決してそうではありません。私どもも、これはあまりいばって言える話ではないのですが、火力でも羽根が折損したとかいう例は数例出ております。ある火力発電所のタービンの外側のカバーが、羽根が折れて飛んだため、ぼこっとこぶができているのがあります。これは人材開発センターに教育資料として今置いてあり、みんなに見せているというようなこともやっております。タービンの羽根が折損したり、今回のように根本から抜けてしまったというようなことは珍しいことでもなく、あるいは原子力特有の問題でもないということでございます。
 いずれにしましても、現場で起こっている現象を観察すれば、何が起こったかは分かるわけでして、あとは、それがどうして起こったか、きっちり詰めることが再発防止につながっていくということで、今はその段階にある、こういうことでございます。
 したがいまして、いずれその原因が明確になれば、それをきっちりご説明し、そしてまた、それに基づいてきちっと復旧の方針をつくり、そしてそれに従って粛々と復旧を進めていく、こういう手順になっていくと思います。
 特にこういう需要の逼迫期の直前にこういうことを起こし、皆さんに大変ご心配をおかけしたことをおわび申し上げますが、そういうことできっちりと今進んでいるという段階でございます。
田中部会長
タービンの件だけにさせていただいて、じゃ、齊藤委員、お願いします。
齊藤委員
今回のタービン事故につきましては、電力会社をはじめ皆様に大変なご迷惑とご心配をおかけしておりまして、まことに申しわけございません。一刻も早い事故原因の究明とその対策に向けまして、全力を挙げて努力しているところでございます。
 今回のタービンにつきましても、開発、設計の段階から、モデル試験でありますとか、流体の解析でありますとか、いろいろな所定の技術的な検討を十分実施して開発したにもかかわらず、事故が生じたということで、現在、原点に立ち返りまして、あらゆる観点から再検討し、原因を究明する、そのための試験でありますとか、解析等を進めているところでございます。早急に原因を究明しまして、再発を防止し、皆様に安心していただけるように努力したいと考えているところでございます。
 また、植草委員からコメントをいただきましたけれども、私どもタービンに限らず、電力関係の設備機器につきましては、電力会社様のご指導により、あるいは国のご指導により、これまで技術を高め、確立してきたと認識しておりまして、感謝申し上げるところであります。最近、両者の関係が、発注者と受注者ということでぎくしゃくしてきたのではないかと、そういったコメントがございましたけれども、私たちメーカーとしましては、そのようには認識しておりませんで、これからもこういう技術の開発につきましては、ユーザーである電力会社のご指導を得ながら、また原子力につきましても、今回国のご支援を得て社会のお役に立てるような、新しい技術を開発しようという方針が確認されたところでもございます。今後とも引き続きそういう形で、社会のお役に立てるように、国のお役に立てるように努力してまいる所存でございます。引き続きご指導、ご支援のほど、よろしくお願い致します。
田中部会長
ありがとうございました。タービン関係について、もし何か質問とかコメントがありましたら、お聞きしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 じゃ、先ほどちょっと電気事業連合会に対して質問があった件について、もしよろしければどうぞ。
伊藤委員
幾つかあったかと思います。まず木元委員の核燃料サイクルでございますが、実は私も自分の原稿を読みながら、思わず核燃料サイクルと言ってしまって、慌てて原子燃料サイクルと読み直した次第でございます。ここでどうするかということは、私の一存ではお答えできませんが、いずれにしましても検討しなくてはいけない課題だと認識しておりますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
木元委員
宿題でお願いします。
伊藤委員
はい、宿題とさせていただきます。
 それから、もう一つ、神津委員からの私どもへのご質問でございますが、これは要するにすべてのもとは技術・技能だということで、最近の検査のあり方などに関する検討と相互することはないか、こういうことかと思いますが、まあそのとおりでございまして、私どもも安全、安定運転のもとは、きっちりと技術、技能を持った人が現場にいるということが基本だと思っております。ちなみに、定期点検でどのぐらいの人が要るかといいますと、これは定期点検の規模によっても違いますが、2,000人ぐらいの人が通常必要になります。その人たちの住んでいるところを調べてみますと、大体どこのプラントでもほぼ似たような状況になっていると思いますが、7割から8割ぐらいはその県内の在住者、半分ぐらいが地元の在住者ではないか。私ども浜岡の場合もそんな状況でございます。
 この人たちがきっちりと技術、技能を持っており、しかもそこに定着してくれることが一番大事なことだと思っておりまして、ごく特殊な技術を必要とするもの、つまり、私ども電力会社だとか、工事会社ではできないような技術のもの、これはそういう会社がそういう人を専門に持っていますが、そうでない人たちは、基本的には、まず電力会社が持っている訓練施設であるとか、あるいは元請会社が持っている訓練施設などで訓練を受け、なお、訓練だけではこれは使いものになりませんので、当然実務を通じて磨きをかけて成長していくということでございまして、そういうことで人が育てられ、伝承されていくということです。今回このレポートの中でも、3地点をモデルに技術、技能の支援プログラムができるということで、私ども大変評価しておりますが、いずれにしても、高い技術、技能を持った人が安定してその場に定着してくれるということが非常に大事なことだろうと思っています。今、7~8割が県内の人ということで、私はうまくできているのではないかと思っておりますが、これを今後も崩れないようにしていかなければならない、そういうご心配だろうと思います。
 そういうふうに考えますと、今私どもが考えております、あるいは検査のあり方検討会などで議論されていますのは、まさに安全を維持、向上しながら、なお原子力の利用度を高めていくということであります。検査も当然のことながら、あるいは点検の仕方も、最近世界で非常に優秀な成績をおさめている各国の状況などを見たりしますと、日本の場合、これまで停止中にかなり集中して作業していましたが、それを停止中だけではなくて、運転中の監視を強化する、あるいは運転中にも作業を平準化することで、より効率を上げようということです。そういう意味では、より作業が平準化するということは、地元へ定着している人に対しても非常にいい結果が出るのではないか、そんなふうにも思っております。いずれにしても、両方両立させながらやっていくということが大事なことだと考えております。
 以上でございます。
田中部会長
ありがとうございました。
 ちょっと時間がオーバーしてございますけれども、本日予定した議題は以上でございますが、本日の部会をもちまして、昨年7月来のご審議は一区切りともなりますので、ここで望月長官のほうから一言お願いしたいと思います。
望月資源エネルギー庁長官
望月でございます。本日、これまでの大変ご熱心なご討議の結果がまとまりまして、これはひとえに部会長はじめ委員の皆様方のご努力のたまものということで、心から厚く御礼を申し上げたいと思います。
 この原子力部会は、昨年7月から、先ほど来何回か出てまいりましたけれども、二十数回の熱心なご審議を経てまとまったものでございますし、私も小平から大変熱い思いを持って引き継ぎをいたしました。重く受けとめて今後の実現に努めてまいりたいと思います。
 ただ、ここまできちっとまとまったものでございますから、私の役目はむしろこれをきちっと実現をするということであろうかと思いますので、誠実に、強力に、迅速に実現をしたいと思います。中長期の課題と短期の問題と分けてというお話もございましたけれども、とにかく迅速にやることが一番大事でございますから、時間のかかることはおのずと時間がかかるわけでございますけれども、とにかく精いっぱい迅速にやりたいということでございます。
 ただ、そういうことでこれは新・国家エネルギー戦略、それから原子力立国、国、国というものをどんと渡されまして、国の役人としては大変重い課題と責任を渡されたというふうに思っておりますけれども、加えまして、先ほど来の皆様方のご感想という中に、大変多様な内容が含まれておりまして、これをただ単に実行するにつきましても、私もこれから先よくよく考えながらこの多様なリクエストにこたえながらきちっとやっていくということは、今後とも皆様方のご協力を得てやっていかなければ、到底望むべきところには届かないなというふうに思っているわけでございますので、部会の皆様方には今後ともぜひご支援を賜りたいと思いますし、先ほど来このアクションプランにつきましてのご説明がございましたけれども、手に手を携えてそれぞれの役割を果たすということが基本ではないかと思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 重ねて取りまとめにご尽力をいただきました田中部会長、心から御礼を申し上げまして、私の御礼の言葉とさせていただきます。ありがとうございました。
田中部会長
どうもありがとうございました。
 最後になりますけれども、私から一言あいさつをさせていただけたらと思います。
 昨年7月19日の第1回部会以来、本日の取りまとめに至るまでの1年以上にわたる長い間のほんとうに皆様方からの熱心なご審議をどうもありがとうございました。
 第1回部会におきまして、部会長の所見として大きく2つのことを申し上げたかと思います。1つは、原子力政策大綱の基本方針をどう実現するかというふうな観点からの審議を行ってほしいということ、2つ目は、関係者の間でのほんとうのコミュニケーションを実現するために高い見地に立っていただいて、国家エネルギー問題にどういうふうにこたえるかというふうな大きな方針の中で大所高所からの建設的なご検討をお願いしたいということであったかと思います。
 報告書にまとめられていましたとおり、広範な課題について活発なご議論をいただいた結果、ほんとうに私から言ってあれでございますけれども、すばらしい報告書になったかと考えております。
 同時に、この報告書の取りまとめに至るまでの間に、委員皆様方をはじめとして、原子力に携わる関係者の方々とコミュニケーションが従来よりも格段に深まって建設的な意見交換を行う環境も整ったのではないかと感じております。
 このような意味で、初めに申し上げました2つの点はいずれも満足できたものではないかと考えております。
 本日の報告書取りまとめをもちまして、部会として一区切りとはなりますが、大切なことはこれから国をはじめ関係者の皆様には具体的な取り組みを責任を持って進めてほしいということでございます。
 なお、本報告書のフォローアップにつきましては、特定の組織を設置するようなことは考えてございませんが、適切な時期にまたこの部会を適宜開催して、皆様にご議論いただければと思います。また、本日、内山委員をはじめアクションプランにつきましても適切な評価等をすべきだということの意見がございました。全くそのとおりかと思います。これにつきましては適切な時期を前倒し、前倒しに考えながら、またこの部会等で皆様からのご意見をいただけたらと思います。
 以上、報告書の取りまとめに当たりまして、私から一言あいさつをさせていただきました。どうもありがとうございました。
 では、本日の部会は以上でございますが、今後の予定等につきまして、事務局からお願いいたします。
柳瀬原子力政策課長
今後の予定につきまして、本日の政府側のアクションプランの進捗状況などにつきまして部会長のご指示でこの部会をまた開いていただきまして、ご報告をさせていただき、評価などをいただければと思ってございます。また、この結果につきましては、9月初旬に予定をされております電気事業分科会本体にご報告をするということで、この部会の結果を電気事業分科会本体に反映していただくということにさせていただきたいと存じます。
田中部会長
ありがとうございました。
 それでは、これをもちまして第13回の原子力部会を閉会いたします。
 ほんとうに長きにわたりまして熱心にご審議いただきましてどうもありがとうございました。また、私の議事進行の不手際等もあって、毎回のように時間が延長したことを、この場をかりましておわびしたいと思います。どうもありがとうございました。(拍手)
──了──
 
 
最終更新日:2006年9月21日
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