経済産業省
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産業構造審議会産業技術分科会産学連携推進小委員会(第1回)‐議事要旨

日時:平成18年2月13日(月曜日)16時00分~18時00分
場所:経済産業省2東3共用会議室(本館2階)

出席委員

梶山小委員長、池上委員、今成委員、大久保委員、尾形委員、影近委員、佐野委員、高須委員、知野委員、橋本委員、松重委員、宮田委員

議事次第

  1. 産学連携推進小委員会の設置について
  2. 産学連携を巡る現状と課題
  3. 今後のスケジュールについて

議事要旨

資料3について事務局より説明

(以下、各委員の発言概要)

  • 10年くらい前から産学連携の環境は急激に変化し、実感として随分やりやすくなった。他方、本来は別の問題である大学の運営費交付金の削減や国立大学法人化の問題により、大学では産学連携による資金調達の方向に関心が向いている。産学連携による共同研究等の結果として大学に収入があることは素晴らしいが、産学連携そのもの、あるいは収入を得ることが目的化されると研究現場や教育現場でのテーマ設定等の考え方そのものが変わってしまい問題。
  • 国の施策では3~5年を期間とするプロジェクトが多いが、短期的な視点でしか目標設定ができない。もっと長期的で基盤的な資金プログラムが必要。
  • 基礎研究が本物であれば、自然と結果に結びつく。また、産学連携を研究という面でみれば、長期的な見方の提案として省庁が連携してほしい。例えば、文科省で基礎分野の支援5年、その後経産省で5年引き続き支援してくれるという制度などがあればよい。
  • 実用化試験は5年が妥当だが、ある種のコンセプトを考える発案段階からは文科省の科研費、特許取得はJST、それを産業化するのをNEDOとすれば、全部で10~15年になる。
  • ここ10年で大学における産学連携や知財に関する環境は随分変化したという印象。産学連携は第二ステージにあり、この小委員会では一般論ではなく、別の次元で議論しないといけない。例えばバイオ、医療、製造等色々な分野別に捉える必要がある。分野によって企業対応、知財対応等がそれぞれ異なる。国際化の中で、日本として産学連携をどのように捉えていくべきか議論をすべき。国際レベルでの企業のR&Dと大学についても議論が必要。
  • イノベーションの位置づけを確認したい。産業技術のイノベーションのみならず、大学もイノベーション(変わっていくこと)が必要。国際連携で例えば中国等と国際的な連携を行う場合、知財の問題をどうするか。
  • 分野毎の融合が重要。半導体分野における微細加工技術は行き詰まり傾向にあるが、そのような場合、他分野の技術をどう入れていくかが重要であり、他分野の人との接点を持つことが重要となる。分野毎に産学融合のやり方は異なる。
  • 例えば特許については、バイオや医薬分野では特許を独占的に使用させるが、これをエレクトロニクス分野で展開されては困る。また、国家間でも異なり、日本の特許は狭く、米国はラフで広く土俵が違う。米国と特許で争う場合は米国の広い土俵から追い出さなくてはならない。日本の特許件数は多いが特許を出すと外国で使われてしまうリスクがある。
  • 日本は知財立国と言われているが、大学が知財を取るための予算の議論がない。運営費交付金も減少しており、知財管理を促進する環境になっていない。TLO等には知財を知る人材が少ないが、大学にはたくさんの知財があり勿体ない。
  • 学部から修士、博士まで一貫して教育するシステムを持っているところが少ない。産業界が教えて欲しい科目を入れると大学の教育時間では足りなくなってしまう。また、それを教えることができる大学の先生が少ない。教育が手薄になっている。
  • 特許については、単願の場合は大学の先生のために申請するが、共同研究の成果については企業に有償で譲渡したい。リスクも大きく特許で訴えられたら大学では対応できないのではないか。
  • 例えば、東大では知財のための予算はなく、投資できると思えばTLOが出す。使われない特許は問題も生じないが、意味のある特許は対応が大変で、訴えられた場合には猛烈な報告書や反論を受けることになる。企業が出願等を全部やってくれる場合は良いがそうでなければ特許は出さない。
  • 日本の大学では数年前から、研究費が入ると外国製の装置や試薬に消えていく状況。研究費増は良いが、金を使わずに自分の頭で考え、自分でモノを作るべき。JSTの資金などで、光るアイディアでないと応募できないようなテーマの設定が必要。企業もすぐ仕事を外注や下請けに回してしまうため、実務がわかる者が減っている。企業も含め、金を使わない仕事の仕方を考えるべき。
  • 産学連携で大事なのは、お互いの現状を理解すること。TLO等のハコを作るだけでは不十分で、人の流動がないと相互理解は難しい。大学の先生が企業に移るようにすることは容易ではないが、インターンシップなどで最低数ヶ月でも企業の現場に来てもらうことが相互理解に繋がる。
  • 装置作りについては非常に同感。大学は本来そういう装置を作って新しい事実を見つけることが大事。それがだんだん少なくなってきているのは心配。
  • 産学連携は米国と比べて日が浅いが、そろそろ、「大学」、「企業」とひとくくりにせず、分けて考えるべき。例えば自動車は、新しいものをどんどん取り入れているので、技術の進歩が激しく、技術・エンジニアがすぐ陳腐化する。求めている人材は、基礎をたたき込んだ人。それに関連して、教育と研究は明確に分けて考えた方が良い。また、少子化を考えると、どの分野にどのくらい人材を充てるか考える必要がある。
  • インターンシップは大賛成。本当に自分のやりたいことがわかる。そのためには3ヶ月か6ヶ月の時間が必要。
  • TLO、特許については、専門性の高い仕事なので、各大学で全部持とうとはせず、共通で持つ仕組みにしたほうが良いと思う。
  • 教育に関して今まで一番議論されていないのは教員。ネガティブな教員もかなりいて、如何にそういった教員を抑え、そうでない人を上げるかが問題。全体としては産学連携は踊り場にある状況。企業が求めているのは、スキルと知識がある人材。機械出身でも機械の図面が読めないということがあるが、大学はスキルがあって知識があるというような教育をしなければならない。その場合問題となるのは先生がいないということ。企業と学生でメンター制度的なものを試してみるのはどうか。
  • 大学発ベンチャーは右肩上がりの美しい形を描いているが、これからは中身で捉えるべき。1000社突破といっても大学の技術を実用化するというアメリカの定義と違い、日本では学生が作った会社も大学発ベンチャーとしてカウントされる。全体的に大学発ベンチャーは事業になりそうもないものが多く、一段落したと思う。IPO100社が次の目標になるのだろうが、現在上場しているのはバイオ分野ばかりという状況。
  • 産と学の役割分担論があるが、産学の間に溝ができている。そこで何百社という大学発ベンチャーが落ち込んでおり、バックアップする仕組みがないと厳しい状況である。米国では産学の区分が明確だが、技術と共に人材も動く。また中国では、大学がフォーマルに会社を作るコンツェルン方式の産学連携を行っている。日本の産学連携のスタイルをどのようなものにするか考えてみるべき。
  • 産学連携の効果はどのくらいあるのか。特許は出ているが持ち出しの方が多いのではないか。株取引のインサイダー問題、論文のねつ造問題など、ダメージが大きいように感じる。問題が生じた場合に大学にどのくらい調査能力があるのか。説明できる体制が必要。先生が作った会社を手伝わせる事例もあるという教育の問題も存在。
  • 日本のマスコミの取り上げ方も問題。産学連携にはリスクも伴うが、米国ではリスクがある場合に如何にそれを減らすかという思考。日本では悪者探しのような論調になり「やらない方が正しい」となってしまう。
  • 大学は理系の技術だけではない。「死の谷」を乗り越えるには、経済学、経営学など、文系の先生も一緒になって連携することが重要。
  • 例えば、鉄鋼メーカーが一番産学連携に期待することは人材。以前は、大学に鉄鋼技術を支える著名な先生の下で鋼を作る優秀な人材が育ちキーマンとなったが、40代以下の若い世代はそういったキャリアを積んでおらず危機感を持っている。大学にも、カリキュラムを教える先生がいなくなっている。産学連携で人材育成をしてほしい。現在鉄鋼メーカー5社で人と金を出し、九州大学で講座を作る動きがあるが、こういった動きが広がっていくことを期待。
  • インターンシップについては強く期待しているが、鉄鋼メーカーでは全然進んでいない。大学で単位として認めていないところが殆どであり、1~2週間しかできないため実務を教えられない。単位として認めて頂き、半年以上の実のあるインターンシップを実施したい。知的財産の問題も解決していきたい。国からの支援があると助かる。
  • 共同研究の中で、研究能力を移転・育成するというコンセプトを入れて欲しい。
  • MITのレスター教授の論調で、TLOはイリュージョンであるという話が出て風向きがきつくなると思うが、頑張って欲しい。
  • 産学連携では地域との連携も必要。「官」「公」が抜けているが、地域振興の視点からは自治体の貢献も重要。

※なお、本議事要旨は事務局の文責にて作成したものであり、委員各位の了解を得ていない。

以上

お問合せ先

産業技術環境局 大学連携推進課
電話:03-3501-0075
FAX:03-3501-5953

 
 
最終更新日:2006年2月27日
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