経済産業省
文字サイズ変更

産業構造審議会産業技術分科会産学連携推進小委員会(第3回)‐議事要旨

日時:平成18年5月30日(火曜日)10時00分~12時00分
場所:経済産業省本館2階東3共用会議室

出席委員

梶山委員長、有信委員、池上委員、今成委員、大久保委員、尾形委員、影近委員、佐野委員、高須委員、知野委員、中冨委員、橋本委員、平尾委員、宮田委員(五十音順)

議事次第

  1. 開会
  2. 大学発ベンチャー及び人材育成における産学連携のあり方
  3. 審議
  4. 閉会

議事要旨

事務局より、資料3の大学発ベンチャーに関する説明。

(以下、各委員の意見概要)

  • ポストドクターや特任教員等の即戦力が欲しいという声は民間企業では圧倒的にベンチャーに多かった。一方で、そういった人材はベンチャーにはなかなか行きたがらないというミスマッチが生まれている。そこの人材流動を活発にする施策が必要ではないか。
  • 事務局:当省もそういう問題意識を持っている。目先を変え、TLO、大学発ベンチャーといったところでキャリアパスをもっと多様化したい。
  • 自分たちでベンチャーを起こそうという人は増えているが、ベンチャー企業に就職しようというマインドを持った人は非常に少ない。生活の保障等に対する不安もあるのかもしれないが、お互いの情報が少ない上に共有も出来てない。そこを補うシステムがあれば改善されるのではないか。
  • 各大学では、科学技術振興という事で資金がかなり入っており、新しいプロジェクトが生まれているが、そのプレイヤーは自分の大学の人間ではなく、外から来た者。つまり、ビルトはいいがスクラップは全然進まず、プロジェクト終了後の人材の出口の問題が生まれている。その場合は、プロジェクト終了後にベンチャーを作り、中にいた人材を入れて活用していけばいいのだが、それほど魅力あるベンチャーを作るのは地方大学などでは難しい。
  • 産業界側はベンチャーには冷たく、公的支援でベンチャーを起こす事が必要条件になっている。そうなると公的支援の合理性の問題が生まれてくる。文科省にも経産省にも大学発ベンチャー支援制度があり出先機関もお互いあるが、地方では制度自体の認知が低いし、出先機関同士の連携が出来ていない。国としてまとまった機関が必要ではないか。
  • 日本で1500社の大学発ベンチャーとあるが、米国と日本ではベンチャーの定義が違うのではないか。日本の大学発ベンチャーというのは、大学技術発のものと共同研究を契機としたもの、大学を辞めた人が作ったベンチャーの3つが入っているのでは。定義づけがあいまい。
  • 事務局:本当に大学発の技術をベースで作ったベンチャーは56%あり、残りは大学に関連が深いもの。大学の知的な成果を使って何らかの社会貢献ができたと言える。
  • 産業界から言えば、本当に大学発ベンチャーの経営はバックグランドを持った専門の方がやられているのか。研究開発人材に比べ、必要なはずの営業人材の獲得が非常に難しい。大学発でない普通のベンチャーと比較したときに、その点がどう違うのか、経営者の視点から見ると非常に疑問。
  • 大学発ベンチャーにも、ニーズオリエンティッドと、シーズオリエンティッドの2種類ある。オリエンティブなベンチャーは成功しているが、自分では大変よいシーズだと思っていても、販路がなかったり、具体的に販路が開けない等シーズオリエンティッドな企業は苦戦している。プロジェクトが終わった後、人材が企業や大学に帰ってしまう場合が多いので、もう一度そういう人材を活用・支援すべき。
  • プロジェクトが終わった後の雇用や大学発ベンチャーの定義についての問題だが、オリエンティッドなベンチャーをつくっている方が成功例は多いということで、リニアな方がよい。これまで研究成果が重視されていたが、プロジェクトの過程で人材を養成していることについても重視すべき。
  • 日本はプロフェッショナルとしてのシステムが明確でない。生活をかけてやっているベンチャーは必死で役立つ人材をひっぱってくるので、成功率が高くなるはず。
  • 経営者として自分の生活をかけるのも重要だが本当の意味でのベンチャーマインドが重要。ベンチャーを始める前に学ぶべき。
  • 日本人は危機管理意識が足りない。しかも、エンジョイする方法を知らない。アメリカ人は、開拓精神があり、危機管理意識も持っている。もっと根幹の教育を何とかしなければならず、その意味で人材育成は非常に重要。

事務局より、資料3の人材育成に関する説明。

(以下、各委員の意見概要)

  • 一点目として、留学生インターンシップに関しては状況の変化を理解して欲しい。東京大学では海外に事務所をつくり、中国等の優秀な学生を現地選抜する取組をしているが、問題はお金。奨学金制度がどうしても必要だが今の制度のままでは無理。今その奨学金を企業に出させる取組をしている。出してもらう代わりに民間企業が興味を持てる人材を大学が捜してくる。
  • 二点目として、産学連携を通じた民間企業の研究者の人材育成効果はとても評価できる。産学連携事業に参加し、色々な分野の方と交流することで視点が大変広がる。
  • 最後に、大学の人材育成の現状は非常にまずいという事を認識して欲しい。例えば、ある人材育成で高い評価を得ている国立大学での話だが、1研究者あたり公費が30万円を切っている。私立大学との差も厳しいものがある。
  • 研究費等が、本来数百万円あっても、諸々の経費や、光熱費で4月1日時点でマイナスになってしまう。運営経費が大変かかってしまい、運営費交付金、外部資金、競争的資金も含めて、質的に大きく変わっているというのが現状。
  • これまで機械産業、化学製品等が輸出の70%以上を占め、これらの産業界が日本経済を支えてきたが、大学ではこういった重要分野の基盤的な技術が学べなくなっている。企業としては、流行にばかり目を向けるのではなく、もう一度日本の製造業を支えている分野にも目を向けていただきたい。その事が人材のミスマッチ解消にもつながるのではないか。
  • 人材の養成も大切だが、教える側も非常に少なくなってきている。インターンシップも大事だと思うが、それだけではなく企業から寄付講座などを設けていただけると良い。企業の人を先生として派遣することなどが大切。
  • よく大学の方から技術競争力、国際競争力という面で、情報流出の問題があると聞くが現状はどうなっているのか。企業インターンシップでは、守秘義務の問題はどのようになっているのか。また、人材育成が謳われているが、いくら制度を多く作っても基盤的な人材が育っていない。
  • 企業のことや核心となる秘密事項は出さないにせよ、一緒に勉強していくプロセスが大切。共同研究をしたある外国人がその技術を持ち帰り、競争相手になっている例があるが、ある程度はやむを得ないと考えている。お互いに競争しあって高めていくしかないのではないか。
  • 共存と競争は両面を持っており、そうでないと東アジアでやっていけない。自分の経験から、人的ネットワークも非常に大切。草の根的なところは人脈が重要になる。
  • 技術が外国に漏れるのは産業界でも同様に問題。団塊の世代が一斉に退職して、彼らが外国に流れることで技術流出が起きるが、それは仕方がない。それをむやみに止めるのではなく自由競争の中で本当の強さをつけるべき。それには国際化をいかに進めていくかが大切であり、海外の技術を逆に利用できるようなレベルを目指していくべきではないか。また、国際化を進める中で、日本の学生も留学生からアクティブさを学んで欲しい。
  • 大学の技術などの秘密漏洩はあまり気にしなくてよいのではないか。むしろ、オープンであれば、留学生派遣や技術進歩の観点からも有意義だろう。インターンシップには、滞在期間、費用、安全など色々な制約がある。
  • 産業側の人材育成と大学側の人材育成では意味が違う。給料をもらっている分、産業側の人材育成は研究者自体のマインドを変えなければならない。一方、大学側では基礎学力、問題解決のHow Toを学ぶがその連続性が無いのが問題。その連続性を築くためにインターンシップなど活用していけば、より産学の人材交流が進み、人材のミスマッチは解決できるだろう。
  • 大学が秘密保持を徹底することはとても難しい。大学の中に企業秘密が山のようにあったら、これは大学ではない。企業は自分たちで機密保持の確保をすべき。また、インターンシップについて2つほど取り組んでいる。一つは、海外からポスドクを研究所に呼び、キャリアアップ後は母国で活躍する形態。もう一つは大学と契約して、Ph.Dコースの1年を当方の研究所で学ぶといった形態をとっているが、難しいのは期間の問題。大学と企業は基盤的な研究と先端的な研究とを切り分けることによって機密保持をするべき。
  • 単に大学をオープン化するというのは危機意識が足りない気がする。まずパテントをとる。問題はノウハウが流出すること。大学も秘密保持契約を結ぶべき。そうすることで、秘密保持に対する意識が違ってくる。もう一つ、少子化問題を受けて留学生を受け入れる事は賛成だが、そうした人が帰国せず日本の産業に流れていくような人材の確保策が必要であると思う。

※なお、本議事要旨は事務局の文責にて作成したものであり、委員各位の了解は得ていない。

お問合せ先

産業技術環境局 大学連携推進課
電話:03-3501-0075
FAX:03-3501-5953

 
 
最終更新日:2006年6月12日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.