経済産業省
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産業構造審議会産業技術分科会産学連携推進小委員会(第4回)‐議事要旨

日時:平成18年6月20日(火曜日)14時00分~16時00分
場所:経済産業省第4特別会議室(別館3階)

出席委員

梶山委員長、有信委員、今成委員、大久保委員、中冨委員、橋本委員、平尾委員、宮田委員(五十音順)

議事次第

  1. 開会
  2. これまでの議論の整理
  3. 審議
  4. 閉会

議事要旨

事務局より説明

ベンチャー・研究面

(以下、各委員の意見概要)

  • 海外のTLOでは技術紹介が頻繁に行われているが、日本の大学・TLOではそのような紹介はあまりない。海外の大学のように技術紹介のメールが頻繁に来て、それが産学連携のきっかけにもなり得る。
  • MITのILPプログラム(Industrial Lisencing Program )では数百万円出資するとMITの発見、発明等の情報が送られるサービスがあるが、こういうサービスを東大や京大でもやると良い。
  • 以前、東大でもキャスティで同じようなプログラムをやったことがあるが、学内の情報をもれなく集めてくるのは難しく、今はやっていない。
  • 京大でも同様にやったことがあるが、学内全部を網羅するのはやはり難しい。特に大学では横のネットワークができていない。今、似たような研究者を集めてネオクラスターのようなものを作っていこうかと考えている。
  • 東京農工大学では先端技術をリストで見ることができるようになっている。大規模大学ではないためデータを構築しやすい面があるのかもしれない。
  • (事務局)大学発ベンチャーは1500社を達成し、IPOも16社となったがその後の支援として、何か具体的な良い案がないか御意見を伺いたい。
  • 中央研究所的な役割を果たすベンチャーと新規事業開発をするベンチャーとで、役割を分けてそれぞれに明確な支援を行うべきではないか。そして将来性のあるベンチャーに対してはNEDO等から資金的支援があっても良いのではないか。
  • (事務局)例えばマッチングファンドの対象を大学発ベンチャーに重点化してはどうか。同制度は主に大手企業と大学教官が活用している傾向がある。大学発ベンチャー支援として委託や政府調達を前面に出すのも難しい。
  • 設立初期のベンチャーはお金が欲しいし、ありがたい。お金の出し方の面で検討してほしい。卵にお金を出しておいて数年後の結果は見なくても良いような創造的な出し方をしても良いのではないか。
  • アメリカの事例では、スモールビジネスが5万ドルを2年間出している。これには各種要件が必要だが、そのレベルに応じて資金を出していく。次に、ファンディングマネージャーが10年くらいにわたって数百万ドルを渡し、好きに研究を任せ、権限も渡す。こうした環境で白川先生のノーベル賞も生まれた。
  • 中国では大学発ベンチャーの起業は非常に盛んで、政府も海亀族に支援し、そこに学生も参加させるなど積極的。それに対して日本は各ベンチャーが単発に動いていてバラバラ。ネットワークを作りリーダーシップをとれる人材を育てるべきではないか。
  • 中国で大学発ベンチャーが盛んなのは教授の給料が少ないから。自分で商売をしなくては生活が苦しい環境にあるからこそ一生懸命やっている。製品も質は良くないが売れている。
  • 大学発ベンチャーで問題なのは人材確保。ポスドクがベンチャー業務を手伝っていることもあるようだ。ベンチャーには研究開発人材を雇用するためのお金がない。その人件費支援も考えてほしい。
  • 今はだいぶ良くなったが、以前はパートタイムすら使えないほど資金難で苦労した時期もある。最近の学生は保守的で新規学卒生はみんな大企業に行っしまう。大学発ベンチャーへの就職を促す政策はないのか。
  • 一度企業に就職したら大学には戻れないという雰囲気がある。大学発ベンチャーはポスドクをしながらベンチャーを手伝い、論文も書くことができるところにメリットがある。研究人材としては流動的であるべき。
  • ライフサイエンスの分野になるが、アメリカでは大学発ベンチャーは、うまくベンチャー側にもリスクをとってもらい成功している。日本でのケースはほとんどレギュレーションの問題で効率が悪い。研究開発効率、産学連携効率を考えるときに、この場で議論しているのも入口論ばかりであり、出口論(政策ばかりでなく、結果について)も検討すべき。日本のファンディングに、融資でなく株を所有してもらえないものか。そうすれば会社経営上も健全な状況になる。
  • (事務局)面白い話であり、研究の余地がある。NEDO等を通してやる方法もあるだろう。しかし、税金を使って株を買う、投資資金を流す、という話は難しい。
  • 大企業は大学発ベンチャーに積極的に投資していない。おっかなびっくりやっている状況。例えば、大企業の研究開発費100億円のうち1億円をベンチャー出すのは非常に厳しい。危ないものにはとても手が出せない。国がファンドを出してベンチャーを育てるということでその株を取得するのは、問題ないように思うが。
  • (事務局)中小機構がファンドをやっている。件数は非常に少ないが大学発ベンチャーも入っている。なお、国が研究開発を株で支援するのは非常に厳しい。
  • アメリカは大企業が国内のベンチャーを育てようという意識が強い。日本の大企業にはそのような意識が全くない。国内の大企業は、アメリカのベンチャーに投資するより同じ日本国内のベンチャーに投資してほしい。
  • ナノテクの分野の話になるが、アメリカではベンチャー企業がしっかりしている。組織的な面や、シックスシグマを実現する等している。それに比べると日本のベンチャーは良くない。
  • 薬などの分野の研究開発などでは、特に規制の問題等もあり日本の政府の対応が遅く、アメリカに成果が流れてしまっている部分はある。

人材

  • 東工大で企業の研究所に学生を送りこみ、その研究で単位を取らせることをしていた。逆に大学の先生が企業の研究所の所員になって学生を育てるなど、相互にスワップできる仕組みがあってもいいのではないか。
  • 長期インターンシップを実施するにあたり、その中で、先生がはりついていくものがある。なかなかの成功例で、そういうものも重要ではないかと思う。
  • 機械産業で見ると、全体的にサイエンスに偏りすぎ。研究は新しい知の創造という面とともに基盤の学問という面もある。開発において8割はエンジニア、2割は研究者でこの比率は変わらない。インターンシップは我々としてもやらせてもらいたいと考えているが、どう進めるかをもっと詰めて欲しい。
  • インターンシップが短期では、企業には迷惑なだけ。両者が満足するきちんとしたシステムを作らなければならない。昔の実習などは長期のもので、有意義であった。
  • 3週間ぐらい色々な会社を見学し、とても勉強になった。ぜひ、インターンシップはもっとやって欲しい。
  • イノベーションにおいて、テクノロジーはきっかけ。昇華させるには、人文科学要素が必要なはず。今、50歳代の我々のような年代は、基礎研究ただ乗り論が叫ばれていた時代に学生だったので、基礎研究に傾りがちな面があるのかもしれない。
  • 基礎研究に関して、学生の方は就職の関係でニーズ等の問題などがあるのが実情。また工学の教育拠点を大学の側におくべきだろう。そこで、開発工学に加え、人文や金融等のサイエンス以外の分野についても学べるようにする。そして、大学のカリキュラムの中に融合させていくべき。
  • サイエンス(目的のための知識)とテクノロジー(明確な目的)の関係が一番の問題。大学の工学部では研究内容がサイエンス側になりつつあり、それ自体が目的化した研究をしている。それは、大学の先生が産業界にいたことがない人が多くなってきたからだろう。総合的に知識をまとめあげていく動機付けが希薄になってきてしまっている。
  • 先生方が企業を知らないというのはある。企業からは大学に行くが大学からはあまりなく、一方通行であったりする。
  • インターンシップが長期過ぎるのは問題。1~2週間というのは短すぎるが、逆に半年としたら学生の育成を企業に押しつけているという批判がでてくるかもしれない。学問と技術の意味づけを十分行なって、なぜこの勉強をする必要があるのかということを理解させる事が必要。基礎がしっかりしていれば応用もできる。学生は大学でなければできない学問をもっと幅広く学んで欲しい。
  • 半年間だと教育、研究の場を壊してしまうのは確か。ただ1週間や10日では企業のお荷物になることもある。
  • 大学が果たせる部分は大学が、企業の果たせる部分は企業がやるべき。
  • 経団連のアンケート(社会に出た研究者が今の大学院に要望したいこと)を見たが、一番目は目的意識と動機付け、2番目は専門性を超えた連携だった。この2つをやるにはどうすればいいか議論していくべきではないか。
  • 三菱化学では東大プラティクススクールをやっている。企業から一ヶ月くらいで説ける問題を出し、参加する学生に解いてもらうというもの。5~6人の学生が企業に来て大学の先生も来る。問題を解くために東大でも事前に準備するのでTOTALでは3ヶ月ぐらいかかる。教育的にも良いという評価をいただいた。今、カリキュラムの改革の問題に携わっているが、あれもやってほしい、これもやってほしいで時間がとても足りない。大学院生の履修単位が少なすぎると感じる。もう少し増やしてもらえないか。
  • 1つの事を目標に達成させることで成長するケースもある。カリキュラムをとにかくたくさんこなすばかりではなく、自分に適合した勉強をしていくのが大事。
  • (事務局)そういう期間の問題で現行制度、仕組みを前提としてメリット、デメリットを考えたり、また現行制度自体を変えて、やった時のメリット、デメリットを考えることも大事。
  • 大学院の授業は変わりつつある。今まで大学院は共通教育がシステムとして整理されてなかった。
  • 一番の問題は、どういった人材を育成していくか明確なイメージがないということ。

全体論

  • 少子化で、人材の流動性が高まってくる。OJTによる育成から、専門家をとっかえひっかえ活用していく時代になるかもしれない。それについて考えていくべき。
  • 子供達が理系の魅力を感じ大学に入って欲しい。小中学校と産業界とのでの産学の教育連携をしていくべきでは。子供達に物を作ることの楽しさや自然観察の喜びを与えられることを実施していくべき。もっと小さい子供に対して人材育成の戦略をうつべきではないか。例えば企業の技術系退職者を小、中学校の実験教員として採用する。
  • 少子化もあるが工学系の志望者が減っている。平成17年度の工学部の受験生は前年比10%減っており国大協でも問題になった。これについては大学だけではなく企業も含めた日本全体で考えるべき。
  • 大学のニーズと企業のニーズは全然違うが、お互いに分かち合うべき。それにはインターンシップ等の交流がいいのだろう。一般教養課程の若い吸収の良いうちにインターンシップなどで製造の市場価値を認識できれば研究の意味もわかる。
  • 中国には無尽蔵の安い労働力があり、インドには無尽蔵のエンジニアがいる。これをどのように使うべきか。日本はこれらとどのように共存していくべきなのか。
  • 日本にいる留学生を使い切れていないという問題もある。理科にマインドを向かせることも大切だが、いかに学生の目を国の外にも向かせるも大切。

※なお、本議事要旨は事務局の文責にて作成したものであり、委員各位の了解は得ていない。

お問合せ先

産業技術環境局 大学連携推進課
電話:03-3501-0075
FAX:03-3501-5953

 
 
最終更新日:2006年6月30日
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