経済産業省
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産業構造審議会産業技術分科会産学連携推進小委員会(第7回)‐議事要旨

日時:平成18年10月2日(月曜日)16時00分~18時00分
場所:経済産業省本館2階2東3共用会議室

出席委員

梶山委員長、有信委員、今成委員、大久保委員、尾形委員、影近委員、佐野委員、高須委員、中冨委員、橋本委員、松重委員、宮田委員(五十音順)

議事次第

  1. 開会
  2. 「産学連携のこれまでの取組と今後の方向性」これまでの議論の中間整理(案)
  3. 審議
  4. 閉会

議事要旨

事務局より、資料3「産学連携のこれまでの取組と今後の方向性(これまでの議論の中間整理)(案)に基づき説明。

委員
資料3の中には対策として答えをイメージできる課題もあるが、P20の「学会の活用」の部分については具体的にイメージがわからない。日本はアカデミックソサエティが強いために細分化してしまうが、日本で比較的弱いエンジニアソサエティを強化することによってアカデミックソサエティとの衝突、融合が期待できる。また、日本工学会などのように横グシ機能のある学会もあり、もう少し踏み込んで書くべきではないか。学会をより細分化して作れという流れは違う。
委員
日本工学会以外には他に動きがないのか。
委員
王冠連合などの動きもあるが、求心力で動くというより遠心力的に働くのではないか。
事務局
学会が本来のユニバーサルな役割を果たすには何をすべきなのか、知の融合という面でどう動いていくべきなのか学会自らが動いてほしいという思いを込め、また議論を投げかけ、喚起するという意図をもって書かせていただいている。
委員
日本学術会議も3分野制になるなど、昔に比べて変わってきた。これらの動きを加速していけばよいのではないだろうか。
委員
ある学会から子の学会が生まれ、更にそこから孫までできるなど、様々な学会がある。それぞれが違う分野でインターフェース機能の役割を担っていることもあり、こういうところは生かすべきではないか。
委員
自動車技術会の例では、全会員のうち大学関係者は学生も含めて10%程度であり、どちらかというとエンジニアソサエティ。取りまとめる際には、こういったエンジニアソサエティと純粋な学会とを分けて整理するとよいのではないか。
委員
P22に『阻害要因』とあるが、企業から大学を見た際、産学連携の阻害要因とはどんなイメージなのだろうか。また、参考資料について、現段階では難しいと思うが、できれば国立大学が法人化した後のデータを踏まえた上で議論したい。
委員
鉄鋼関係から言えば、ここ2~3年の共同研究の受け入れ状況等、大学側の対応は大分良くなってきている。『阻害要因』で挙げるとするなら、産業界のニーズに対して、大学の先生個人が自分のシーズ1つで対応している点。もう一歩踏み込んで、大学全体で問題に対応する仕組みを構築するべき。産業界がもっている課題に対して、大学の先生は個別に1シーズで対応される。一緒に解決していこうという仕組が必要。
委員
大学の反省すべき点は誰が責任をもつのかを明確にしてこなかったということ。責任が明確でないと、成果が企業に戻りにくくなってしまう。また、総括的、組織的対応ができるような仕組みはやはり必要だ。
委員
アメリカは大学が一つのセンターのように機能しており、日本が個人対応なら、アメリカはグループ対応であり、その点で差を感じる。アメリカの場合数人の先生が一緒に研究内容を提案し、有機的な広がりがあるのに対して、日本は1人の先生の力量にかかっており、議論に広がりがでてこない。こういった理由からも企業は海外の方が連携しやすく感じているのではないか。
委員
同感。大学は組織的な営業活動ができていないのが問題であり、積極的な活動が必要。また、大学側と産業界側が求める課題のズレを直す場所が必要であり、イノベーションを起こす接点としても活用できる。
委員
九州大学では、大学と連携先の企業が3ヶ月に1回は連携協議会を開き、互いに研究に携わっている代表者が研究内容の肉付けや、研究の打ち切り等を検討し合っている。場合によっては他大学の先生も交えたりもしており、最近はこの協議会が大きな影響力を持つようになっている。アメリカのように大学が一つのセンターとなるまではいかないが、それに近づいてきている。
委員
大学も大学なりに一生懸命にポスター作成などPRしている。東京農工大では20年前から博物館を使って、他大学や企業の方と議論、研究のPRなどを行っている。NEDOフェローの方々も大学の先生の特許を持って企業に対して営業してもらっており、マッチングファンドの件数も他大学に比べてたいへん多く、こうしたPR活動は重要。
委員
大学のシーズの発表は、様々な場所で行われるようになってきている。最近ではイノベーション・ジャパンも開催されたが、まだまだ発表会的な要素が強く、単なる互いの視察会で終わってしまってはもったいない。今後はもっとマッチングなど実質的な場を設けていかないといけない。
委員
企業の海外への投資実績の大きさから見てもわかるように国内の大学はまだ十分信頼されていないのかもしれない。
委員
日本の大学も徐々に良くなってきており、企業も国内の大学をパートナーにするケースが増えてきている。今は国内も海外もあまり差はないのではないか。差があるとすれば、大学がまとめて面倒をみるか否かの部分だと思う。
委員
報告書内において、バランスはいいが、人の流動性のスペースが少ない。技術が動く前提にあるのは人の動きなのだから、もっとその部分の手だてを考えていくべき。今は企業から大学に人材が動くといっても、定年退職者のケースが多く、それでは戻りがない人材の移動になってしまう。一定期間大学で活動し、その成果を持ち帰れる企業側の若い人材を受け入れる枠を設けるべきではないか。アメリカなどではTLOなどを経験するのは一つのキャリアステップとして位置付けされており、日本も見習うべき。
委員
大学によってはTLOの成立過程が違う。産業界側の支援でできたといいうこともあり、企業に戻れない定年退職の人を受け入れている現実がある。そういう人材が負担になることもあり、今後のTLOの内部をどう整備していくべきか考える必要がある。
委員
ただの発表会ではなく、大学と企業がビジネスマッチングする場所が必要。また、イノベーションを起こすための場所もあってもいいのではないか。
委員
日本では身分を変えることは非常に難しいということもあるが、暫定的に動けるようなシステムが必要。サバティカルや長期インターンシップのような制度を使って取り組んでほしい。また、P28(ロ)「能力に応じた初任給~」についてだが、効果はあるかもしれないが、文章から大学にレッテルを貼れと言っているようにも読み取れるので配慮してほしい。
委員
大学のマスター課程においては専門家を育成するようなシステムにはなっておらず、また、企業に入ってマスターで学んだことができるかというとそうでもない。そもそも、大学の教育の主旨と、企業側の採用の主旨は違うのだから、P28(ロ)「能力に応じた~」は成り立たないのではないか。高度な専門性を持った専門職大学院などのケースと分けてまとめてもらいたい。
事務局
産業界側は「基礎的な学力がある人材がほしい」と言ったり、ある時は「専門的な人材が必要」と言ったりで、どういう人材を望んでいるのかわからないという意見を大学の先生方からいただくことがある。この部分は今の教育システムを前提とするのではなく、企業内での人材育成に対しての投資が下がっているという前提の上、で大学に対し産業界が何を求めているのかを明確にしていく必要がある。
委員
ドクターを採用する場合と、学部・マスター卒で会社を何十年にもわたって支えていく人材を採用する場合とで分けて考えるべき。マスター卒等は専門的技術より熱意や人柄などを評価基準にするので、処遇に差をつけるのは難しい。一方、ドクター卒で新規分野、技術に適応した固有の技術者を採用する際には処遇に差をつけることは可能である、そのような人材はマスター卒の人材とは違い、流動化を前提としており、二つを分けて議論すべき。
委員
イノベーションは常に新たな創出を生み出すものであるので、それに対応していける人材を育成するために、大学院教育を抜本的に改革していかなければならない。
なお、この時期にイノベーションという文言を含んだ取りまとめは、注目されるのではないか。
委員
今まで大学院の教育になかったのが共通教育であり、そのことに気付いた大学は共通教育の底入れを始めている。また、ドクター取得の学生の処遇だが、企業からすれば年次が少し進んだだけの人材と思うのかもしれないが、大学院でドクターを取得することは大変なこと。何かインセンティブがないと学生に博士課程を勧められない。しかし、アメリカでドクター取得者が修士の人の2倍も給料をもらっているのはなぜなのか。
委員
一つの答えとして、アメリカでドクター取得者は、毎週厳しい振り落としがある中で残ったということで能力があると思われているのではないか。社内でマスターとドクターの追跡調査をしたことがあるが、ドクターは初めの昇進スピードは確かに早いが、何年かするとマスターとあまり差がなくなってくることがわかり、あまり両者に差をつける必要がないのではという結論に至った。
委員
今の大学院の教育現場の環境は、施設や論文の数等、我々委員の学生時代とは違うこともまた事実。最近では、人材派遣業界も変化してきており、ドクター出の高度人材も派遣会社に登録して、自分の専門性に合う企業を自分で探すというトレンドに変わっている。企業側も本当に自社にフィットする人材を求めている証拠でもある。
委員
特許の件だが、一番心配なのはアメリカと日本との特許制度レベルの違いであり、このことは企業に大きな影響を与えることになる。また、大学が海外に特許を出す際に注意すべきなのは情報管理。
委員
アメリカではPh. Dの学生はマネージメント能力が高く、昇進するスピードが速い。比較すると日本ではやや凝り固まっていることも否めない。
委員
アメリカのPh. D教育は日本のPh. D教育と違い資格試験が整備されており、また自分の専攻以外の分野も最近は日本のPh. D教育もそれに近いことを始めている。
委員
確かにそういう方向付けに見える。ベンチャー企業は新卒の学生が就職を求めることは少ないが、自分の専門的知識を活かしたいと考えている人にとってはとても魅力的な存在。一度ぐらいはTLOなどに身を置いて自身のスキルを高めるということも必要だろう。
委員
企業が即戦力を求めているという話があるが、ソフトウェアなどの特異な分野は別として大半の企業は基盤的な能力をもった人材を求めているのではないか。是非、大学の関係者の方には、マスコミなどを通じたものではなく、実際に現場に出て基盤的な基礎力の重要性を実感していただきたい。
委員
企業が即戦力を求めたのは90年代のリストラ等の影響によるところが大きい。2000年以降は現場も体験したことがある基礎力がしっかりした技術者を求める傾向にある。
委員
ドクター出の学生に対しても、能力の高さが認められる場合には適切な処遇を企業にはお願いしたい。
委員
ドクター出の人材にしても、結局は専門能力以外にもコミュニケーション能力や前向きな姿勢など色々なものを見て判断しないといけない。また、標準化活動は今後、ますます重要になってくるだろう。大学の事務の効率化についてだが、ITを使ったシステムの効率化が望まれる。
事務局
国際標準化については近年まで日本は欧米に比べ意識が低かったが、国においても民間においてもイノベーションを進める上で大切なことと認識している。
委員
ライフサイエンスは他の分野と異なる部分があるので、分野ごとに施策をうちだしていくべき。また、研究は考えてやるよりも色々試行錯誤している中から良い成果が生まれてくるケースの方が多い。科研費の使用の自由度は高まったことは事実だが、目的外使用の程度が厳しくなってきており、今はこうした試行錯誤の思いつきの研究がまったくできなくなってしまっている。出口ばかりの研究ではなく、ある一定の額については関連ある分野の研究への使用を正式に認めるようにしていただきたい。
委員
産業界と大学の人がもっと知り合わないといけない。また、今は取りまとめる時期としては非常に難しい時期である。しかし、うまくまとめられれば非常にインパクトがあると思われる。

※なお、本議事要旨は事務局の文責にて作成したものであり、委員各位の了解は得ていない。

お問合せ先

産業技術環境局 大学連携推進課
電話:03-3501-0075
FAX:03-3501-5953

 
 
最終更新日:2006年10月6日
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